(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168435
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】管理システム、端末、読取装置、管理システムの動作方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G06K7/10 176
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085126
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝一
(57)【要約】
【課題】複数存在する装置に効率的かつ信頼性の高い設定を行うことに貢献する、管理システム、端末、読取装置、管理システムの動作方法、及びプログラムの提供。
【解決手段】端末と、サーバ装置と、読取装置と、を含む管理システムであって、端末は、自身の位置情報をサーバ装置へ送信する位置情報送信部と、サーバ装置が取得する、読取装置の通信を開始するための設定情報であって読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を読取装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、を有し、サーバ装置は、位置情報に基づいて、通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、通信設定情報を端末に送信する通信設定情報送信部と、を有し、読取装置は、通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、通信設定情報に基づいて読取装置の通信設定を行う設定部と、を有する、管理システム等を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、サーバ装置と、読取装置と、を含む管理システムであって、
前記端末は、
自身の位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置情報送信部と、
前記サーバ装置が取得する、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記読取装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記位置情報に基づいて、前記通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、
前記通信設定情報を前記端末に送信する通信設定情報送信部と、
を有し、
前記読取装置は、
前記通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、
前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行う設定部と、
有する、管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記通信設定情報取得部が、前記位置情報の示す場所に最も近い読取装置に関連付けられた通信設定情報を取得する、請求項1の管理システム。
【請求項3】
前記端末は、
前記端末の位置と、前記端末の位置から所定範囲内の読取装置の位置と、を出力する出力部、
を更に有する、請求項1の管理システム。
【請求項4】
前記読取装置は、
前記端末が所定距離範囲内の領域に入ったときに通知を出力する通知部を更に有する、
請求項1の管理システム。
【請求項5】
前記端末は、
前記通信設定情報伝達部が、NFC(Near Field Communication)により通信設定情報を前記読取装置に伝達する、請求項1の管理システム。
【請求項6】
前記端末は、
前記通信設定情報伝達部が、通信設定情報を伝達するためのコードを生成し、
前記読取装置は、
前記通信設定情報読取部が、前記コードを読取り、前記通信設定情報として認識する、
請求項1の管理システム。
【請求項7】
自身の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて取得された、他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、
を有する端末。
【請求項8】
位置情報に基づいて取得された、自身が通信を開始するための情報である通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、
前記通信設定情報に基づいて自身の通信設定を行う設定部と、
を有する読取装置。
【請求項9】
端末と、サーバ装置と、読取装置と、からなる管理システムの動作方法であって、
前記端末が、自身の位置情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記サーバ装置が、前記位置情報に基づいて、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を取得するステップと、
前記サーバ装置が、前記通信設定情報を前記端末に送信するステップと、
前記端末が、前記通信設定情報を前記読取装置へ伝達するステップと、
前記読取装置が、前記通信設定情報を読取るステップと、
前記読取装置が、前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行うステップと、
を含む管理システムの動作方法。
【請求項10】
自身の位置情報を取得する処理と、
前記位置情報に基づいて取得された、他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに未接続な装置を簡便に設定が可能な、管理システム、端末、読取装置、管理システムの動作方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに物理的に接続されているものの、設定がされていないためにネットワークを介して通信ができない装置等に対しては、直接その装置が有するユーザインタフェース、又はその装置に直接接続された端末等により、接続するネットワーク固有の設定を実行することが必要である。
【0003】
特許文献1には、入退管理システムとして、次のような設定方法が開示されている。当該方法では非接触ICカードに設定先である所定台数のコントローラの初期設定を行うためのデータが格納されている。所定台数のコントローラ各々に対して、データを呼び出してそのデータによりコントローラの設定を書き換える処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0006】
上記の通り、特許文献1に開示されている発明では、例えば入退管理システムのコントローラが有する非接触通信のユーザインタフェースを介して、非接触ICカードのメモリに格納されているコントローラ各々の初期設定値を書き換えることで、初期設定の作業を効率的に行うことが可能である。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている発明は、非接触ICカードに格納されているデータに基づいて初期設定を行うため、設定がコントローラによりそれぞれ異なる場合、データ量が自ずと大きくなり、当然にICカードの記憶域が不足する可能性がある。この場合、設定毎にICカードを作成する等の必要が生じる場合がある。
【0008】
また、コントローラにより設定が異なる場合に、どの設定をどのコントローラに行うのが適切か、特許文献1に開示の発明では判断できない。従って場合によっては、誤ったコントローラに誤った設定を施す懸念がある。
【0009】
そこで、本発明の一視点において、複数存在する装置に効率的かつ信頼性の高い設定を行うことに貢献する、管理システム、端末、読取装置、管理システムの動作方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の視点によれば、端末と、サーバ装置と、読取装置と、を含む管理システムであって、前記端末は、自身の位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置情報送信部と、前記サーバ装置が取得する、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置と関連付けられた通信設定情報を前記読取装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、を有し、前記サーバ装置は、前記位置情報に基づいて、前記通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、前記通信設定情報を前記端末に送信する通信設定情報送信部と、
を有し、前記読取装置は、前記通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行う設定部と、有する管理システムが提供される。
【0011】
本発明の第二の視点によれば、自身の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて取得された、他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、を有する端末が提供される。
【0012】
本発明の第三の視点によれば、位置情報に基づいて取得された、自身が通信を開始するための情報である通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、前記通信設定情報に基づいて自身の通信設定を行う設定部と、を有する読取装置が提供される。
【0013】
本発明の第四の視点によれば、端末と、サーバ装置と、読取装置と、からなる管理システムの動作方法であって、前記端末が、自身の位置情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記サーバ装置が、前記位置情報に基づいて、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置と関連付けられた設定情報を取得するステップと、前記サーバ装置が、前記通信設定情報を前記端末に送信するステップと、前記端末が、前記通信設定情報を前記読取装置へ伝達するステップと、前記読取装置が、前記通信設定情報を読取るステップと、前記読取装置が、前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行うステップと、を含む管理システムの動作方法が提供される。
【0014】
本発明の第五の視点によれば、自身の位置情報を取得する処理と、前記位置情報に基づいて取得された、他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0015】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各視点によれば、複数存在する装置に効率的かつ信頼性の高い設定を行うことに貢献する、管理システム、端末、読取装置、管理システムの動作方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態の管理システムにおける構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の管理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図3】第1の実施形態の管理システムにおけるハードウエア構成の一例を示す概略図である。
【
図4】実施例における入退管理システム例を説明するための図である。
【
図5】実施例における設定端末における画面表示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0019】
図1に一実施形態の管理システムの構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の管理システムは、端末10と、サーバ装置20と、読取装置30と、を含み、端末10は、位置情報送信部11と、通信設定情報伝達部12と、を有し、サーバ装置20は、通信設定情報取得部21と、通信設定情報送信部22と、を有し、読取装置30は、通信設定情報読取部31と、設定部32と、を有する。
【0020】
端末10において、位置情報送信部11は自身の位置情報をサーバ装置20へ送信する。通信設定情報伝達部12は、読取装置30の通信を開始するための設定情報であって読取装置30と関連付けられた通信設定情報を読取装置30へ伝達する。サーバ装置20において、通信設定情報取得部21は、位置情報に基づいて、通信設定情報を取得する。通信設定情報送信部22は、通信設定情報を端末10に送信する。読取装置30において、通信設定情報読取部31は通信設定情報を読取る。設定部32は、通信設定情報に基づいて読取装置30の通信設定を行う。
【0021】
このように一実施形態の管理システムは、端末にて位置情報を取得し、その位置情報に基づいて通信設定情報を取得する。取得された通信設定情報は端末より読取装置へ伝達される。伝達された通信設定情報を用いて読取装置は通信設定を実行してネットワークを介した通信が可能となる。
【0022】
[第1の実施形態]
[装置の構成]
第1の実施形態の管理システムは、一実施形態と同様に、端末10と、サーバ装置20と、読取装置30と、を含み、端末10は、位置情報送信部11と、通信設定情報伝達部12と、を有し、サーバ装置20は、通信設定情報取得部21と、通信設定情報送信部22と、を有し、読取装置30は、通信設定情報読取部31と、設定部32と、を有する。
【0023】
なお、端末10とサーバ装置20は別個の装置であって相互に通信を行う構成であっても良いし、端末10とサーバ装置20は一体となった装置であっても良い。
【0024】
端末10は、サーバ装置と通信が可能なスマートフォン等のデバイスであって、持ち運び可能である。GPS(Grobal Positioning System)やビーコン等で自身の位置情報を取得することが可能である。また、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)が可能であり、読取装置30にデータを送ることが可能である。
【0025】
サーバ装置20はネットワーク等に接続されており、端末10や、通信設定後の読取装置30と通信が可能である。また、通信設定情報を含むデータベースを有する、又は外部の通信設定情報を含むデータベースに接続可能であり、通信設定情報を取得することができる。
【0026】
読取装置30は、端末から通信設定情報を読取り、設定を行う。読取デバイスとして近距離無線通信等が可能なハードウエア構成となっている。読取装置30は複数存在していてもよい。
【0027】
位置情報送信部11は、端末10において、自身の位置情報をサーバ装置20へ送信する。端末10が具備するGPSアンテナや、位置情報を提供するビーコンと通信することにより位置情報を取得し、これをサーバ装置20にネットワーク等を介して送信する。位置情報の取得及び送信は、読取装置30が所定範囲内の距離まで近接した場合に実行されても良い。
【0028】
通信設定情報伝達部12は、端末10において、サーバ装置20が取得する、読取装置30の通信を開始するための設定情報であって読取装置30の位置情報と関連付けられた通信設定情報を読取装置30へ伝達する。「通信設定情報」は、読取装置がネットワークに接続して通信を行うために必要な情報であり、例えばIPアドレスや、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ等の設定情報等が挙げられる。
【0029】
「伝達」とは、例えば、読取装置に非接触ICカードの読取部がある場合には、端末側のICカードをエミュレートした送信デバイスを経由して上記設定情報を近距離無線通信(NFC)により通信設定情報を送信するといった方法が考えられる。その他、無線通信に限られず種々の方法が考えられ、例えば端末10の表示部に設定内容を示すコード(バーコードや文字列、数字列等)を表示させ、読取装置30のカメラ等の認識デバイスにて認識して設定内容を取得するといった方法も「伝達」の一つとして挙げられる。
【0030】
また、端末10は、自身の位置と、前記端末の位置から所定範囲内の読取装置30の位置と、を出力する出力部(図示せず)を有していても良い。
【0031】
通信設定情報取得部21は、サーバ装置20において、端末10から取得した位置情報に基づいて、通信設定情報を取得する。「位置情報」に関してはGPSが提供する座標軸上の値であっても良いし、目標の読取装置30からの相対的距離であってもよい。「取得」とは、サーバ装置20自身が通信設定情報をデータベース等の記憶域に格納しており端末10からの位置情報に基づいて通信設定情報を読み込む態様でも良いし、サーバ装置20以外の他のサーバ装置にデータベースを有しており、サーバ装置20がクエリを実行することでその他のサーバ装置から通信設定情報を取得するといった態様でも良い。
【0032】
通信設定情報取得部21は、端末10において取得された位置情報の示す場所に最も近い読取装置30を特定し、その読取装置30に関連付けられた通信設定情報を取得しても良い。
【0033】
通信設定情報送信部22は、サーバ装置20において、通信設定情報を端末10に送信する。通信設定情報取得部21にて取得された通信設定情報を、通信ネットワーク等を介して端末10に送信する。
【0034】
通信設定情報読取部31は、読取装置30において、通信設定情報を読取る。具体的には通信設定情報伝達部12により伝達された通信設定情報を読取り、後述する設定部32に渡す。「読取」とは、上記「伝達」の定義で述べたような方法で送られたデータを受け取ることを指す。例えば非接触ICカードを用いるのであればICカードからのデータをリーダーで受信することに該当する。なお、読取は通信に限られず、2次元バーコード等のコードをカメラで読取り、読み取ったデータを認識して通信設定情報に復号する処理等が含まれる。
【0035】
設定部32は、読取装置30において、通信設定情報に基づいて読取装置30の通信設定を行う。上記通信設定情報読取部31にて読取った通信設定情報データをネットワーク設定の設定領域に格納し、読取装置30の通信設定を変更する。
【0036】
読取装置30は、端末10が所定距離範囲内の領域に入ったときに通知を出力する通知部を更に有しても良い。通知の態様は任意であって、テキスト、音声や光、振動などで通知を行っても良い。
【0037】
[処理の流れ]
図2は第1の実施形態の管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。まず端末10がサーバ装置20へ位置情報を送信する(ステップS21)。次に、サーバ装置20は、送信された位置情報に基づいて通信設定情報を取得する(ステップS22)。次にサーバ装置20は取得された通信設定情報を端末10へ送信する(ステップS23)。端末10は、通信設定情報を読取装置30へ伝達する(ステップS24)。読取装置30は、通信設定情報を読取り(ステップS25)、通信設定情報に基づいて読取装置30の通信設定を実行する(ステップS26)。
【0038】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る管理システムを構成する各装置のハードウエア構成を説明する。
図3は、第1の実施形態に係る管理システムの端末10、サーバ装置20、読取装置30のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
管理システムを構成する端末10、サーバ装置20、読取装置30は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図3に例示する構成を備える。例えば、端末10、サーバ装置20、読取装置30は、それぞれ、内部バス105,205,305により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)101,201,301、メモリ102,202,302、入出力インタフェース103,203,303及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)104,204,304等を備える。
【0040】
端末10は位置情報を取得するためのGPSモジュールやGPSアンテナ(図示せず)等を具備していても良い。また端末10及び読取装置30はNFCが可能な通信デバイス、例えばICカードリーダ又はICカードライタ(図示せず)を有していても良い。
【0041】
但し、
図3に示す構成は、管理システムを構成する各装置のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。端末10、サーバ装置20及び読取装置30は、それぞれ、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103,203,303を備えていなくともよい。また、各装置に含まれるCPU等の数も
図3の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが各装置に含まれていてもよい。
【0042】
メモリ102,202,302は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0043】
入出力インタフェース103,203,303は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受付ける装置である。
【0044】
端末10、サーバ装置20、読取装置30の機能は、処理モジュールである位置情報送信プログラムと、通信設定情報取得プログラムと、通信設定送付プログラムと、通信設定情報伝達プログラムと、通信設定情報読取プログラムと、設定プログラムと、メモリ102,202,302等に保持されている通信設定情報データ等により実現される。
【0045】
上記処理モジュールは、例えば、それぞれメモリ102,202,302に格納されたプログラムをCPU101,201,301が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。更に、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0046】
[ハードウエアの動作]
管理システムは動作を開始すると、まず端末10において、位置情報送信プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは、GPSアンテナ、GPUモジュールにより端末10の位置情報を取得し、NIC104を介してサーバ装置20へ位置情報を送信する。
【0047】
サーバ装置20では位置情報の到来に応じて通信設定情報取得プログラムがメモリ202から呼び出されCPU201にて実行状態となる。同プログラムは取得した位置情報と、メモリ202に格納されている通信設定情報と、を読み込み、例えばもっとも近傍にある読取装置30を特定し、その読取装置30に関連付けられた通信設定情報を抽出する。次に、通信設定情報送信プログラムがメモリ202から呼び出され、CPU201にて実行状態となる。同プログラムはメモリ202にアクセスし、通信設定情報取得プログラムが抽出した通信設定情報を読み込み、NIC204を介して端末装置へ通信設定情報を送信する。
【0048】
通信設定情報は読取装置30の位置情報と関連付けられており、端末10にて取得された位置情報を用いて読取装置30との間の距離及び方向が算出可能である。端末10と、読取装置30との距離が所定範囲内となった場合に通知プログラムがメモリ202から呼び出され、CPU201にて実行状態となる。同プログラムは端末10に通知を送信し、端末10では表示装置等の入出力インタフェース103から通知が出力されても良い。
【0049】
サーバ装置20は出力プログラムをメモリ202から呼び出してもよい。同プログラムは、CPU201にて実行状態とさせ、端末10で取得した位置情報と、読取装置30の位置情報を用いて、端末10と、端末10から所定の距離の範囲内にある読取装置30を、端末10のディスプレイ等の表示装置にマップ上にオーバレイする態様で出力しても良い。
【0050】
次に、端末10では送信された通信設定情報を、NIC104を介して受信する。受信に応じて通信設定情報伝達プログラムがメモリ102より呼び出され、CPU101にて実行状態となる。同プログラムは、受信した通信設定情報を例えば端末10においてエミュレータモードで動作するICカードライターを介して読取装置30に向けて送信する。
【0051】
読取装置30ではメモリ302から通信設定情報読取プログラムが呼び出されCPU301にて実行状態となっており、例えばICカードリーダにより通信設定情報を受信する。次に設定プログラムがメモリ302から呼び出され、CPU301にて実行状態となる。同プログラムはメモリ302にアクセスして受信した通信設定情報を取得し、読取装置30の設定が記憶されている領域に上書き保存を行う。これにより読取装置30に通信設定が行われる。
【0052】
[効果の説明]
上記の通り、本実施形態の管理システムは、端末10により位置情報をサーバ装置20へ送信することにより、位置情報と関連付けられた読取装置30の通信設定情報を取得する処理を実行する。これにより、複数存在する読取装置30毎に通信設定情報を取得することが可能である。また、通信設定情報が位置情報と関連付けられているため、読取装置30の数が増えても、読取装置30に対して誤った通信設定情報を伝達することなく設定処理を進めることが可能である。このため、複数存在する読取装置30に対し効率的かつ信頼性の高い設定を行うことが可能である。
【0053】
[実施例]
実施例では上記管理システム等を入退管理システムに適用した場合の例を示す。
【0054】
[構成]
図4に実施例のシステムを示す。入退管理システム400は、一例としてスマートフォン等の設定端末410(端末10に対応)、管理サーバ420(サーバ装置20に対応)、複数のカードリーダ430(読取装置30に対応)、で構成される。
【0055】
管理サーバ420は、あらかじめ設置したカードリーダ430の位置を含むカードリーダ設置位置情報、及びカードリーダ430の各々に初期設定を行うための設定情報を管理する。カードリーダ430は、設定端末410のNFCを読み込むことで設定情報を取得し、初期設定を行う。初期設定が完了するとネットワークを介して管理サーバ420と通信可能に接続される。設定端末410は、GPS、ビーコンから位置情報を取得し、ネットワークを介して管理サーバ420からカードリーダ設置位置情報、及び設定情報を取得し、設定情報をNFC(エミュレータモード)に書き込み、カードリーダ430にNFCを読み込ませることでカードリーダ430の初期設定を行う。設定端末410は、例えばスマートフォンであってもよい。
【0056】
管理サーバ420とカードリーダ430、及び設定端末410はネットワークを介して接続されている。(ただし、初期設定前は管理サーバ420とカードリーダ430とは通信できない。)
【0057】
本実施例では、入退管理システムとしたが、カードリーダを備えたシステムであれば本発明を他のシステムに適用できる。
【0058】
本実施例では、設定端末とカードリーダとの通信にNFCを用いているが、設定端末に設定内容を含有したQRコード(登録商標)やバーコードを表示し、カードリーダにかざして設定情報を取得してもよい。
【0059】
スマートフォンにてカードリーダと設定のための通信を行う際に、相互認証による認証を行うことで、悪意ある者からの設定変更を防ぐことができる。
【0060】
本実施例の入退管理システム400は、システム導入時、カードリーダの初期設置時に実施される。管理サーバ420にカードリーダの設置位置と、カードリーダの各々に初期設定を行うための設定情報を登録する。この状態では、カードリーダにネットワークの設定が行われていないため、ネットワークを用いた設定情報の配信は行えない。
【0061】
設定端末410は、管理サーバ420からカードリーダ設置位置情報を取得し、GPS、ビーコンから自身の位置情報を取得し、
図5に示すようにカードリーダの設置位置と設定端末自身の位置を表示する。設定端末410とカードリーダ430とが近接する場合、カードリーダの色を変える等選択された状態を表示してもよい。
【0062】
ユーザの確認操作を受けて、設定端末は、選択されたカードリーダ430の設定情報を管理サーバ420から取得し、NFC(エミュレータモード)に書き込みを行う。GPSから位置情報が取得できない場合や、取得した位置の近辺に複数のカードリーダが存在する場合は、設定対象となるカードリーダをユーザが選択してもよい。
【0063】
カードリーダ430は、設定端末410のNFCをかざされると、NFCからネットワーク情報を含む設定情報を取得し、カードリーダ内のメモリへ書き込み初期設定を行う。ネットワーク情報の書き込まれたカードリーダは管理サーバと通信することが可能となるため、以降の設定変更はネットワーク経由で実施することが可能となる。
【0064】
[効果の説明]
本実施例によると、カードリーダ設置位置情報、及び設定端末の位置情報に基づいて設定情報を取得し、NFCに書き込むため、カードリーダ毎に異なる設定が可能、かつ設定間違いが発生しにくい。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[形態1]
上述の第一の視点に係る管理システムのとおりである。
[形態2]
サーバ装置は、通信設定情報取得部が、位置情報の示す場所に最も近い読取装置に関連付けられた通信設定情報を取得する、好ましくは形態1の管理システム。
[形態3]
端末は、端末の位置と、端末の位置から所定範囲内の読取装置の位置と、を出力する出力部、を更に有する、好ましくは形態1の管理システム。
[形態4]
読取装置は、端末が所定距離範囲内の領域に入ったときに通知を出力する通知部を更に有する、好ましくは形態1の管理システム。
[形態5]
端末は、通信設定情報伝達部が、NFC(Near Field Communication)により通信設定情報を前記読取装置に伝達する、好ましくは形態1の管理システム。
[形態6]
端末は、通信設定情報伝達部が、通信設定情報を伝達するためのコードを生成し、読取装置は、通信設定情報読取部が、コードを読取り、通信設定情報として認識する、好ましくは形態1の管理システム。
[形態7]
上述の第二の視点に係る端末のとおりである。
[形態8]
上述の第三の視点に係る読取装置のとおりである。
[形態9]
上述の第四の視点に係る管理システムの動作方法のとおりである。
[形態10]
上述の第五の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、形態7~10は、形態1と同様に、形態2~形態6に展開することが可能である。
【0066】
引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0067】
10 :端末
11 :位置情報送信部
12 :通信設定情報伝達部
20 :サーバ装置
21 :通信設定情報取得部
22 :通信設定情報送信部
30 :読取装置
31 :通信設定情報読取部
32 :設定部
101 :CPU
102 :メモリ
103 :入出力インタフェース
104 :NIC
105 :内部バス
201 :CPU
202 :メモリ
203 :入出力インタフェース
204 :NIC
205 :内部バス
301 :CPU
302 :メモリ
303 :入出力インタフェース
304 :NIC
305 :内部バス
400 :入退管理システム
410 :設定端末
420 :管理サーバ
430 :カードリーダ
【手続補正書】
【提出日】2024-09-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、サーバ装置と、読取装置と、を含む管理システムであって、
前記端末は、
前記端末の位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置情報送信部と、
前記サーバ装置から当該サーバ装置が管理する前記読取装置の位置情報を取得し、前記読取装置の位置情報に基づく前記読取装置の位置および前記端末の位置情報に基づく前記端末の位置を、前記端末が備える表示装置に表示する表示部と、
前記サーバ装置が取得する、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記読取装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末の位置情報に基づいて、前記読取装置の位置情報および前記通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、
前記読取装置の位置情報および前記通信設定情報を前記端末に送信する通信設定情報送信部と、
を有し、
前記読取装置は、
前記通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、
前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行う設定部と、
有する、管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記通信設定情報取得部が、前記端末の位置情報の示す場所に最も近い読取装置に関連付けられた前記通信設定情報を取得する、請求項1の管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記端末から送信された前記端末の位置情報と、当該サーバ装置で管理する前記読取装置の位置情報とを用いて前記端末から所定の距離の範囲内にある前記読取装置を特定し、特定した前記読取装置の位置情報を前記端末に送信し、
前記端末の表示部は、送信された前記読取装置の位置情報を、前記端末の位置とともに、前記端末の位置から所定範囲内の読取装置の位置として前記表示装置に表示する、請求項1の管理システム。
【請求項4】
前記読取装置は、
前記端末が所定距離範囲内の領域に入ったときに、前記読取装置が備える入出力インタフェースから外部に通知を出力する通知部を更に有する、
請求項1の管理システム。
【請求項5】
前記端末は、
前記通信設定情報伝達部が、NFC(Near Field Communication)により前記通信設定情報を前記読取装置に伝達する、請求項1の管理システム。
【請求項6】
前記端末は、
前記通信設定情報伝達部が、前記通信設定情報を伝達するためのコードを生成し、
前記読取装置は、
前記通信設定情報読取部が、前記コードを読取り、前記通信設定情報として認識する、
請求項1の管理システム。
【請求項7】
自身の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自身の位置情報に基づいてサーバ装置から当該サーバ装置で管理する他の装置の位置情報を取得し、前記他の装置の位置情報に基づく前記他の装置の位置および前記自身の位置情報に基づく前記自身の位置を、前記自身が備える表示装置に表示する表示部と、
前記自身の位置情報に基づいて前記サーバ装置から取得した、前記他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、
を有する端末。
【請求項8】
管理システムにおける読取装置であって、
前記管理システムは、端末と、サーバ装置と、当該読取装置と、を含み、
前記端末は、
前記端末の位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置情報送信部と、
前記サーバ装置が取得する、前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記読取装置へ伝達する通信設定情報伝達部と、
前記サーバ装置から当該サーバ装置が管理する前記読取装置の位置情報を取得し、前記読取装置の位置情報に基づく前記読取装置の位置および前記端末の位置情報に基づく前記端末の位置を、前記端末が備える表示装置に表示する表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末の位置情報に基づいて、前記読取装置の位置情報および前記通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、
前記読取装置の位置情報および前記通信設定情報を前記端末に送信する通信設定情報送信部と、を有し、
前記読取装置は、
前記端末の位置情報に基づいて取得され、前記端末から伝達された、前記通信設定情報を読取る通信設定情報読取部と、
前記通信設定情報に基づいて自身の通信設定を行う設定部と、
を有する読取装置。
【請求項9】
端末と、サーバ装置と、読取装置と、からなる管理システムの動作方法であって、
前記端末が、前記端末の位置情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記サーバ装置が、前記端末の位置情報に基づいて、前記読取装置の位置情報および前記読取装置の通信を開始するための設定情報であって前記読取装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を取得するステップと、
前記サーバ装置が、前記読取装置の位置情報および前記通信設定情報を前記端末に送信するステップと、
前記端末が、前記読取装置の位置情報に基づく前記読取装置の位置および前記端末の位置情報に基づく前記端末の位置を、前記端末が備える表示装置に表示するステップと、
前記端末が、前記通信設定情報を前記読取装置へ伝達するステップと、
前記読取装置が、前記通信設定情報を読取るステップと、
前記読取装置が、前記通信設定情報に基づいて前記読取装置の通信設定を行うステップと、
を含む管理システムの動作方法。
【請求項10】
自身の位置情報を取得する処理と、
前記自身の位置情報に基づいてサーバ装置から当該サーバ装置で管理する他の装置の位置情報を取得し、前記他の装置の位置情報に基づく前記他の装置の位置および前記自身の位置情報に基づく前記自身の位置を、前記自身が備える表示装置に表示する処理と、
前記自身の位置情報に基づいて前記サーバ装置から取得した、前記他の装置が通信を開始するための設定情報であって前記他の装置の位置情報と関連付けられた通信設定情報を前記他の装置へ伝達する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。