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特開2024-168443多段積みコンテナの位置管理システム、デバイス、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168443
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】多段積みコンテナの位置管理システム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241128BHJP
   B65G 1/14 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65G1/137 B
B65G1/14 N
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085136
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】300059692
【氏名又は名称】ダイヤトレンド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100224269
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 佑太
(72)【発明者】
【氏名】宮下 清哉
(72)【発明者】
【氏名】正守 聡
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022EE09
3F022MM11
3F022MM26
3F522AA02
3F522AA09
3F522BB29
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD34
3F522GG04
3F522HH37
3F522LL42
(57)【要約】
【課題】多段積み可能なコンテナが載置された空間において、コンテナの位置を管理するためのシステムを提供する。
【解決手段】多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、サーバと無線通信するための通信インターフェースと、前記コンテナ下面よりも突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナを載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスと、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基に前記リストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記デバイスが、前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報を前記サーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスに隣接情報を要求するサーバ通信部と、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基にリストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とするシステム。
【請求項5】
前記サーバ通信部が、特定のデバイスに対してのみ前記隣接情報を要求すること、及び、
前記デバイスから受信した前記隣接情報が床の前記平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと隣接情報を要求すること、を特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記サーバの前記サーバ通信部が、前記情報処理端末からのコンテナ位置情報の照会に応じて、照会されたコンテナに設置された前記デバイスに対して前記隣接情報を要求すること、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報をサーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出したスイッチと、を有し、
前記スイッチが、前記デバイスの設置された前記コンテナが床又は別のコンテナ上に載置されているときのみ押し込まれた状態となること、及び、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とするデバイス。
【請求項8】
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として、前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、を有し、
前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とするデバイス。
【請求項10】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項11】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れる工程と、
前記電源が入ることを契機として、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、
その前記サーバへの隣接情報の送信後に前記デバイスの電源を切る工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項12】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、空間に載置された全ての前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、全ての前記デバイスが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
全ての前記デバイスが、前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項13】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、前記照会に係る前記コンテナに設置された前記デバイスのみが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報が床の平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと前記隣接情報を要求する工程と、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段積み可能なコンテナの位置を管理するためのシステム、デバイス、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の保管場所においてその保管位置を管理する場合、保管位置や物品を積載するコンテナ等に記号を割り当てて管理するシステムが一般的であるが、その場所においてコンテナ等自体の移動を伴う場合には、その移動先を把握する必要が生じ、保管位置の管理が複雑になる。特に、多段積みを可能とするコンテナを移動する場合に、特定のコンテナの移動に随伴してその上に載置しているコンテナをも移動させることがあり、さらにその移動されたコンテナのそれぞれの移動先が同じとも限らないため、移動のさせ方の多様さまで考慮すると、位置管理はさらに複雑になり得る。
そのため、倉庫のような空間における、多段積みを可能とするコンテナの位置情報として、平面位置だけでなく鉛直方向の位置までを把握できる、コンテナ自体の移動を許容する位置管理するシステムが求められる。
【0003】
このようなシステムを実現するシステムとして特許文献1、2などがある。
これらが開示するシステムは、各コンテナに電子タグなどのデバイスを設け、デバイス間の通信、及び、コンテナとは離れて位置する管理装置とデバイスとの通信によって、倉庫などの空間内のコンテナの位置を管理する。
特許文献1、2で開示される発明のいずれも、コンテナの位置によって別のコンテナとの間の主従関係が決まり、その主従関係に従った通信や処理が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平10-506357号公報
【特許文献2】特開2018-058684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテナに設けられたデバイスにおいて、コンテナの載置された位置によって実施する処理や通信が異なるシステムである場合には、相対的に通信量や処理量が大きくなる問題点がある。場合によってはコンテナを載置する位置によってデバイス自体を付け替える必要も生じる。
【0006】
本発明の目的は、多段積みを可能とするコンテナの複雑な移動態様に対してもコンテナ位置を把握、管理でき、かつコンテナに設置される各デバイス同士が主従の関係ではなく対等な関係として設計された位置管理システム、そのためのデバイス、位置管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。
1)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基に前記リストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とする。
2)別の態様として、
前記デバイスが、前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする。
3)別の態様として、
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報を前記サーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする。
4)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスに隣接情報を要求するサーバ通信部と、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基にリストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とする。
5)別の態様として、
前記サーバ通信部が、特定のデバイスに対してのみ前記隣接情報を要求すること、及び、
前記デバイスから受信した前記隣接情報が床の前記平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと隣接情報を要求すること、を特徴とする。
6)別の態様として、
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記サーバの前記サーバ通信部が、前記情報処理端末からのコンテナ位置情報の照会に応じて、照会されたコンテナに設置された前記デバイスに対して前記隣接情報を要求すること、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報をサーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする。
7)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出したスイッチと、を有し、
前記スイッチが、前記デバイスの設置された前記コンテナが床又は別のコンテナ上に載置されているときのみ押し込まれた状態となること、及び、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とする。
8)別の態様として、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として、前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする。
9)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、を有し、
前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とする。
10)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
11)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れる工程と、
前記電源が入ることを契機として、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、
その前記サーバへの隣接情報の送信後に前記デバイスの電源を切る工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
12)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、空間に載置された全ての前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、全ての前記デバイスが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
全ての前記デバイスが、前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
13)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、前記照会に係る前記コンテナに設置された前記デバイスのみが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報が床の平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと前記隣接情報を要求する工程と、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明で開示するシステムは、コンテナに設置されたデバイス同士に主従の関係を設けることなく、対等な関係を維持しつつ、処理及び通信が行われることができ、簡素なシステムで複雑な移動をし得る多段積み可能なコンテナの位置管理に対応することができる。そのため、処理量や通信量を抑えることができる。そのことが消費電力の抑制にもつながり、デバイスがスイッチを備える場合には、隣接情報の読み取り及び隣接情報の送信の処理を終えたら電力が切れることでさらに消費電力を抑制できる。
簡素なシステムであることからシステムによってエラーが生じる可能性も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の位置管理システムにおける全体構成の一例を概略的に示した構成図である。
図2図2(a)では、コンテナの多段積みの例を概略的に示し、図2(b)ではコンテナ単体の概略図を示す。図3(c)では上面の無いコンテナの例示的な概略図を示す。
図3図3は、デバイスのハードウェア構成例を概略的に示した図である。
図4図4は、主に本発明に係る位置管理システムのソフトウェア構成例を示した図である。
図5図5は、本発明の実施例におけるデバイスの処理フロー、及びサーバの処理フローの例を概略的に示している。
図6図6は、本発明の別の実施例におけるデバイス及びサーバの処理フローをまとめて概略的に示している。
図7図7は、本発明のさらに別の実施例におけるデバイス及びサーバの処理フローをまとめて概略的に示している。
図8図8は、本発明の実施形態において作成されるリストの例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、コンテナが載置される「空間」とは、倉庫、乗り物内倉庫などの屋内、コンテナ船やコンテナターミナルといった屋外を問わず、平面上にコンテナの多段積みを許容する空間一般を指す。
本発明において、「コンテナ」とは、便宜上用いた用語であり、貨物輸送に用いる金属製の組立式容器に限定するものではなく、倉庫といった空間内で物品を積載し、保管するための容器、棚、ラック、及びパレットを含み、多段積みを可能とする同形状又は略同形状のものを意味する。
以下で用いる「物品」とはコンテナに積載される物一般を指し、コンテナに積載される商品、荷物などを包含する。
【0011】
(1)第1の実施形態
図1図5図8を参照して第1の実施形態を説明する。なお符号は全ての実施形態において共通して使用する。
本実施形態は、空間に載置される多段積み可能なコンテナの位置を管理するためのシステム、デバイス、及び方法に関するものであり、図1では、本システムを1つの空間である倉庫11に適用した例を示す。
本実施形態では、図1で示すように倉庫11の床12の平面位置を格子状で考え、図面横方向に数字を、縦方向にアルファベットを仮想的に置くことで、平面位置を表現する。各格子の面積は、倉庫11内でコンテナ10を平面的に並べて載置した場合のコンテナ10の底面積と略等しい。本システムで把握される平面位置情報はこれに従い例えばA1、B3、E6というように表現され、コンテナ10の平面位置情報になる。
【0012】
格子毎に、床の平面位置情報を含む第1マーカ17を固定ないし貼付する。第1マーカは、RFタグであってもよく、光学センサで読み取る1次元又は2次元の情報コードであってもよい。1次元の情報コードは、例えばバーコード、二次元情報コードは、例えばQRコード(登録商標)である。固定ないし貼付の方法として、第1マーカ17を床12に両面テープで固定するなど、固定された状態で高さができる限り生じない方法で適宜行ってよい。
【0013】
図1では平面位置4Eにコンテナ10が2段に積まれ、平面位置2Eに1つのコンテナ10が載置された例を示す。コンテナ10の上面には、コンテナ10の一意の識別情報を含む第2マーカ18が設けられている例を示す。
第2マーカ18は、実質的に第1マーカ17と同じであるが、含まれている情報が床12の平面位置情報ではなく、コンテナ10の一意の識別情報である点に違いがある。そのため、同じ読取装置を用いて、第1及び第2マーカ17、18を読み取る。
第1及び第2マーカ17,18は、情報の読み取りないし受け取りにおける消費電力が小さいことが好ましく、かつコンテナ10と床12の間、及びコンテナ10同士の間に設けることができる必要がある点でも共通する。
【0014】
倉庫11内に載置されるコンテナ10はそれぞれがデバイス20を有し、そのデバイス20はそれぞれがバッテリを備え、かつサーバと無線通信するための通信インターフェースを備えることで、外部からの電力供給の線及び通信のための有線ケーブルが備わらず、外観上独立して存在し個々のコンテナ10に設置される。それにより、デバイス20の配線がコンテナ10の移動を妨げることはない。
【0015】
デバイス20はさらにそれぞれの第1マーカ17及び第2マーカ18が保有する情報を読み取るためのマーカ読取装置を備える。マーカ読取装置は、第1及び第2マーカ17、18がバーコードであればバーコードリーダであり、RFタグであればRFIDリーダ、といったように、第1及び第2マーカ17、18に対応した装置となる。
第1マーカ17から読み取られる床の平面位置情報及び第2マーカ18から読み取られるコンテナ10の一意の識別情報は、いずれもそれを読み取るデバイス20を備えるコンテナ10にとって、隣接した床12ないし他のコンテナ10に関する情報であって、隣接情報である。
【0016】
デバイス20に備えられたバッテリを長持ちさせるためにも、第1マーカ17及び第2マーカ18は、その読み取りが消費電力の小さなものであることが好ましく、主に近距離通信による読み取りが想定され、マーカ読取装置は、第1マーカ17及び第2マーカ18略対向する位置に設けられることが好ましい。ここで略とは近距離通信を可能にする範囲において両者が対向すればよいということを意味する。第1マーカ17及び第2マーカ18と、マーカ読取装置のどちらを先に設置してもよいが、対向する位置となるようにシステムを構成することになる。以上によりマーカ読取装置は各マーカ17、18と対向するコンテナ10下面に設けられることになる。基板ないしチップ上でマーカ読取装置がデバイスを構成する他の構成要素と物理的に離間させずに設けられる場合には、必然的にデバイス20もコンテナ10下面に設けられることになる。
【0017】
マーカ読取装置によって読み取られた識別情報は、デバイス20が備える記憶装置に記憶される。この記憶装置には、デバイス20が設置されるコンテナ10の識別情報も記憶される。そしてデバイス20からサーバ13へと送信されるデータはこの識別情報と、送り元を意味するコンテナ10の識別情報である。これらの情報量だけで、サーバ13側で倉庫11内のコンテナ10全体の位置情報が把握される。
【0018】
デバイス20は、コンテナ10の下面19から突出し、かつ床12又は別のコンテナ10上にコンテナ10を載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチを備える。
図2(b)(c)で示すように、スイッチに力が加わらない状態では、破線で示すコンテナ下面19よりも図面下側にスイッチ21が突出している。そのため、図2(a)で示すように多段積みされたコンテナ10を床12に移動させる場合に、スイッチの下側が、床12に接触することで、押し込まれる構造になっている。
逆に、コンテナ10を移動させるために、床12又はコンテナ10に載置されたコンテナ10をその位置から移動させる場合には、押し込まれたスイッチが、図2(b)(c)の元の状態に戻される。この戻しはバネ等の弾性体によって戻す方向に付勢することで実現することができる。
【0019】
図2(c)は、別の形態として、図1図2(a)、(b)と異なり、上面のないコンテナ10にデバイス20及び第2マーカ18が設置されている例を示す。しかしコンテナ上面の有無にかかわらず、床12又は別のコンテナ10に載置されていない状態では破線で示すコンテナ下面19からスイッチが突出した状態になること、載置された場合にだけスイッチが押し込まれた状態になること、第1及び第2マーカ17、18とデバイス20のマーカ読取装置が略対向する位置に設けられていること、その他の特徴や有利点も共通する。実質的にコンテナ20に設けられるデバイス20や第2マーカ18の位置が異なるだけである。
デバイス20や第2マーカ18をコンテナ10に設置する場所は、本発明の特徴を失わない限り、限定されない。
【0020】
図3で示すようにバッテリとデバイス20を構成するその他の構成要素の間にはスイッチ21が介在する。スイッチが、押し込まれることを契機としてデバイスのバッテリからデバイスを駆動するための電力が供給される構造となっている。例えばスイッチが物理的に押し込まれきった状態でバッテリとその他のデバイスの構成要素とが通電するような回路で実現できる。すなわちコンテナ10を床12又は別のコンテナ10に載置する度にデバイスの電源が入る仕組みとなっている。この仕組みは、移動先のコンテナの位置を把握すればよいという設計の下、コンテナ10が別の位置に載置されるまではデバイスの電源を入れず電力消費を抑制することを目的としている。
【0021】
各デバイス20のハードウェア構成は、基本的に、図3の示すようにCPU、RAM、ROM、通信インターフェースを備える通常のコンピュータシステムとなっている。本実施形態では、マーカ読取装置を含む各構成要素がバス22で電気的に接続され、バッテリはスイッチが押し込まれると電力供給を開始する。マーカ読取装置は、デバイス20の備えるインターフェースを介して、デバイス20の外部装置として構成されていてもよい。デバイス20の挙動を記述したプログラム、マーカ読取装置で読み取った隣接情報、デバイス20が設置されるコンテナ10の識別情報は、ROMなどの不揮発性の記憶装置に記録される。
ROMより読み出されたデバイス20の機能を実現するプログラムは、RAMに展開されてCPUにより演算処理されて順次実行され、マーカ読取装置、通信、デバイスの電源を切る制御をする。
【0022】
以上のハードウェア構成、ソフトウェア構成、及びそれらで実現される機能的構成が全てのコンテナ10に設置されたデバイス20において共通し、システム全体からみてデバイス20を対等な関係におく。例えば多段積みされたコンテナ10の一番上のコンテナ10を主とし、そのコンテナの下に位置するコンテナ10を従とするような主従の関係によることなく、空間内のコンテナ10の位置を把握し、管理する。このことが空間内のどの位置にどのコンテナ10が置かれた場合であっても、コンテナ10側もサーバ13側も常に同じ処理を行い、コンテナ10の位置管理を行えることにつながる。このことは全ての実施形態で共通する有利性である。
【0023】
本実施形態のシステムは、デバイス20と通信するサーバ13を備える。サーバ13はストレージを備え、デバイス20が送信する隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナ10の識別情報とを紐づけたリストを構成し、保存する。さらにコンテナ10に積載された物品の情報を記録してもよい。物品の情報とは、商品としての商品名又は商品番号といった物品を特定する識別番号等を意味する。ストレージは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等を含む。
サーバ13は、コンテナ10に設置された各デバイス20と通信し、隣接情報をリストとして記録し、例えば外部の情報処理端末からコンテナ位置情報の照会があった場合に、それに応じて、情報処理端末に位置情報を送信する機能を備える。この機能を適切に実現できる限り、サーバの物理的な設置場所、ハードウェア構成、ソフトウェア構成等に、制約はない。
デバイスとサーバとの通信には、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)といった一般的なものを使用可能であるがこれに限定されない。
【0024】
図4を用いて、本実施形態におけるデバイス20とサーバ13のソフトウェア構成及びその機能を説明する。デバイス20及びサーバ13は、それぞれが相互に通信するための通信部を備える。
デバイス20はサーバ13への隣接情報の送信後にデバイス20の電源を切る電源管理部を備える。これによりコンテナ10がそれまでとは別の位置へ移動し終えたときに電源が入り、マーカ読取装置で第1マーカ17又は第2マーカ18から情報を読み取り、それをサーバ13へ送信し、それが済むとデバイス20の電源が切れることになる。
【0025】
サーバ13は、デバイス20から受信した隣接情報を基にリストを再構成するリスト構成部を備える。ここではその隣接情報と送信元のデバイス20を設置したコンテナ10の識別情報とが紐づけられてリストを構成する。リスト構成部は、デバイス20から隣接情報を受信するたびにそれを最新情報としてリストを再構成する。
【0026】
また、サーバ13は、外部の情報処理端末からのコンテナ位置情報の照会に応じてリストを参照して平面位置と段数を含む位置情報を特定する。更に特定したコンテナ位置情報を情報処理端末に送信する位置特定部を備える。照会に係るコンテナ10の識別情報をリストから検索し、その識別情報と紐づく隣接情報を参照すると、どの平面位置の床12又はどのコンテナ10上にあるかがわかる。それが床12である場合には、照会に係るコンテナ10がその平面位置の床に載置されたものであることが分かる。床の平面位置情報がすなわち照会に係るコンテナ10の平面位置情報となる。
そして照会に係るコンテナ10の隣接情報が別のコンテナの識別情報である場合、その別のコンテナの識別情報を参照し、それが床の平面位置情報であるならば、照会に係るコンテナ10は、当該平面位置に位置し、かつ下から2段目に位置することがわかる。
このように、床の平面位置情報が得られるまでリストを辿ることで、倉庫11内のコンテナ10が置かれた位置について、平面位置及び段数として特定できる。
【0027】
別の形態として、システムが、外部の情報処理端末を含めて構成されていてもよい。ここでいう情報処理端末は、タブレット、携帯端末、パソコンなどサーバ13にアクセスし情報のやり取りを画面上にて行うことができるものを含む。上記のような機能を提供するサーバに対して、情報処理端末は、特定のソフトウェアないしアプリケーションを用いて、コンテナ10の位置情報を照会する。
なおサーバ13をインターネット上に置かず、図4で示す第1ネットワーク30及び第2ネットワーク40を、内部ネットワークとして構成し、限定されたもののみがサーバ13にアクセスできる環境であってもよい。
【0028】
サーバ13の記憶装置において、コンテナ10に積載された物品の情報がコンテナの識別情報と紐づけて記録されている場合には、外部の情報処理端末は物品を指定することで、物品を積載するコンテナ10の位置情報を得ることもできる。
【0029】
図5を用いて本実施形態におけるシステムの全体のフローを説明する。各構成要素に対する符号は図1及び図2で示すものを用いる。
先ず、本システム稼働の事前準備として、倉庫11の床12に第1マーカ17を固定ないし貼付する必要がある。本システムで使用されるコンテナ10に、設置されるコンテナ10の識別情報を記憶したデバイス20と、第2マーカ18を設置する必要がある。
物品を積載したコンテナ10を倉庫11内に載置するにあたり、そのコンテナ10に設置された電源が入っていない状態のデバイス20に備わるスイッチが、床12又はコンテナ10の上面と接触し、スイッチが押し込まれる(ステップS51)。それによりバッテリから電力が供給されてデバイス20の電源が入る(ステップS52)。電源が入るとデバイス20のマーカ読取装置による第1又は第2マーカ17、18の読み取りが試みられる(ステップS53)。読み取りで得られた識別情報をデバイス20の記憶装置に記憶し(ステップS54)、デバイス通信部がその隣接情報をサーバ13に送信する(ステップS55)。この送信が完了するとデバイスは電源管理部によって電源を切られる(ステップS56)。当該コンテナ10をさらに別の位置へ移動させると、そこから上記のフローが同様に処理される。
【0030】
他方サーバ13側では、ユーザにより情報処理端末から位置情報の照会があった場合と(ステップS59)、デバイス20からの隣接情報の送信があった場合(ステップS60)に処理を開始する。それ以外の場合には待機状態となる。前者の位置情報の照会に対しては、サーバ13の位置特定部が記憶されたリストを参照して平面位置と段数に関する位置情報を特定する(ステップS57)。さらに、特定したその位置情報を情報処理端末に送信する処理を行う(ステップS58)。後者のデバイス20からの隣接情報の送信に対しては(ステップS60)、その隣接情報と送信元のデバイス20を設置したコンテナ10の識別情報とを紐づけてリストを再構成する(ステップS61)。すでにリスト上に送信元のデバイス20を設置したコンテナ10の識別情報がある場合には、それに紐づけられた隣接情報を更新することで再構成する(ステップS61)。リスト上にはないコンテナ10の識別情報であれば、それを含めて隣接情報をリストに追記し再構成する(ステップS61)。
【0031】
別の形態として、マーカ読取装置による読み取りで、何も読み取れないときに、デバイス20は、そのことを示す例えば空の情報をサーバ13に送信するようシステムを構成してもよい。この場合、倉庫内で第1及び第2マーカ17、18の無い位置に置かれるなどの状態を検知できる。
【0032】
図8を用いて、全ての実施形態で共通するリストについて説明する。リストは上述の通りコンテナの一意の識別情報とそのコンテナの隣接情報とで構成される。図8では、コンテナの識別情報が4桁の数字で表され、空欄のリストの行に順次、デバイスから送信されたコンテナの識別情報とそのコンテナの隣接情報が追記されていく例を示す。
上述の機能が果たせる限りリスト構成に制約はなく、行列の入れ替え、項目の順番、追記する行、別の項目に係る列の追加など、自由に設計してよい。
【0033】
図8では、Num3の行に識別情報3331のコンテナの情報があり、そのコンテナの隣接情報は7Aであることから、そのコンテナは平面位置情報7Aの床12の上に置かれ、すなわちそのコンテナの平面位置情報も7Aとなる。そして、Num74の行に識別情報8368のコンテナの情報があり、その隣接情報は3Bであり、平面位置情報3Bの床12の上にそのコンテナが載置されていることが確認できる。Num1の行における識別情報2423のコンテナの隣接情報が8368であることから、識別情報2423のコンテナはNum74の行の識別情報を8368とするコンテナの上に載置されたコンテナであることが確認できる。同様にNum2の行の識別情報6617のコンテナは識別情報2423のコンテナの上に載置されていることが確認できる。
【0034】
Num4の行の識別情報2416のコンテナは、隣接情報が無い。これは新たなコンテナにデバイスが設置され、そのデバイスにその新たなコンテナの識別情報が記録され、サーバにもその識別情報を記録された状態である。コンテナが未だどこにも載置されていない状態を指す。倉庫からコンテナが搬出された場合には、リストからコンテナの識別情報とともに消去してもよく、その場合、図8のNum5の行のように空欄になる。次に新たなコンテナをリストに追記する場合には、空欄であるNum5の行に追記しても、リスト末尾に追記してもよい。
【0035】
全ての実施形態で共通する特徴として、各デバイスが同じハードウェア構成とソフトウェア構成を備え、さらにそれらで実現される機能においても主従関係のない対等な関係としてシステムが構築される。例えば配置される場所によってデバイス間に主従の関係を持たせて各コンテナの位置を把握しようとするシステムの場合、そのデバイスは主の役割と従の役割のときでは異なるプロセスが実行されることになる。1つのデバイスが主の役割と従の役割のいずれも果たすことができるシステムの場合、どちらの役割を果たすか判断するための処理や、切り替えの処理が必要となり、また主の役割としての通信と従の役割としての通信内容、通信の順番なども変わり得る。
本システムは、各デバイスが単にハードウェア構成及びソフトウェア構成の点で同じということに留まらず、全てのデバイスが同じ機能を果たす。さらにその処理内容も簡潔で、最小限の情報による通信によりサーバ側で空間内の各コンテナの位置を把握することができる。
新たなコンテナを倉庫等の空間内に搬入する場合でも、どこにコンテナを載置するかによらず同じデバイスをコンテナに設置でき、移動に伴ってコンテナでデバイスを付け替える必要なども生じない。
【0036】
本実施形態における構造的な主な特徴は、デバイスがスイッチを有する点である。スイッチが押し込まれてから、サーバへの情報の送信が終了するまで、デバイスの電源が入るため、デバイスとしての役割を果たすとき以外にはバッテリの電力を消費せず、システム全体での電力消費を抑えることができる。
【0037】
(2)第2の実施形態
本実施形態は、空間に載置される多段積み可能なコンテナの位置を管理するためのシステム、デバイス、及び方法に関するものであり、実質的に第1の実施形態とシステム構成が共通するため、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態は、第1の実施形態とスイッチの外観上の挙動も共通し、床又は別のコンテナ上にコンテナを載置されているときのみ押し込まれた状態となり、以外の状態では元のコンテナ下面から突出した状態になる。
しかし外観上の挙動に伴う電気的な挙動が異なり、第1の実施形態ではスイッチが押し込まれることのみをデバイスの電源が入れる契機としていたが、本実施形態では、スイッチが突出した状態から押し込まれた状態になるときのみならず、押し込まれた状態から突出した状態に戻るときにもデバイスの電源が入る契機とする。すなわち、スイッチにおける押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機にデバイス20の電源が入ることになる。
【0038】
デバイス20が備えるデバイス通信部が、電源が入ることを契機にマーカ読取装置により第1マーカ17又は第2マーカ18の情報を読み取るが、第1の実施形態と異なりその読み取りできない場合が生じる。コンテナ10を床12又は別のコンテナ10から移動させるために、例えばフォークリフトなどで持ち上げると、スイッチが押し込まれた状態から元の突出した状態へと遷移する。そこで電源が入りマーク読取装置が隣接情報の読み取りを試みるが、コンテナ10の下には床12又は別のコンテナ10はなく、読み取りできない。その場合に例えば空白の情報を送ることになり、サーバは隣接情報を得られない。この場合、隣接する床12又はコンテナ10がないものとして、リストにおける空白の情報を送信したデバイス20が設置されるコンテナ10の識別情報に紐づく隣接情報を消去する。
【0039】
これによって例えば、図8のNum4の行のようになる。よって本実施形態において図8のNum4の行のようになるのは、第1の実施形態と同様に、新たなコンテナにデバイスが設置され、そのデバイスにその新たなコンテナの識別情報が記録され、サーバにもその識別情報を記録した状態である。コンテナが未だどこにも載置されていない状態を指す場合だけでなく、スイッチが押し込みの状態から突出した状態に遷移する場合にも隣接情報が消去された状態になる。いずれも設置されていない状態を指し、例えばフォークリフトなどでコンテナを持ち上げられた状態である。多段積みされた複数のコンテナが一度に、例えばフォークリフトなどでコンテナを持ち上げられた状態では、持ち上げられたコンテナの中の一番下の段のコンテナに係るリストの隣接情報が空欄になる。
【0040】
突出した状態と押し込まれた状態との間をスイッチが外観上変位するが、その中間地点において通電のための端子を設け、その地点をスイッチが通るとバッテリからのデバイス20の起動電力が供給されるようにすることで、上述の状態遷移の度にデバイス20の電源を入れることができる。そして、デバイス20の電源管理部によって、サーバ13への隣接情報の送信後に、デバイス20の電源が切られることになり、つまりソフトウェア側からデバイス20の電源を切るプロセスを開始する。
【0041】
本実施形態は、コンテナ10の位置の変動のみを把握すればよいという設計が第1の実施形態と共通するが、第1の実施形態は、別の位置までコンテナ10の移動があるまではデバイスの電源を入れずにおくが、本実施形態は、床又は別のコンテナ10上に載置されたコンテナ10を別の位置へ移動することを目的として、例えばフォークリフトで持ち上げた段階で電源が入る。これによって倉庫外にコンテナ10が搬出される際にはリストから当該コンテナ10の情報が削除される、又はその情報をリストにさらに保有させる場合であれば、倉庫11内でコンテナ10が移動中であることまでもサーバ13側で把握することができる。倉庫11内でコンテナ10を移動するためのフォークリフトが多数稼働している場合などには移動中か否かを判断できる機能は、有利である。
デバイス20の機能を発揮する処理を行うとき以外にデバイス20の電源を入れずにおくことでデバイス20の電力消費を抑制することができる。
【0042】
別の形態として、システムが、外部の情報処理端末を含めて構成されていてもよいことは第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0043】
第1の実施形態に係る図5に沿って本実施形態におけるシステムの全体のフローを説明する。
サーバ側の挙動は第1の実施形態と同じであるが、リストの再構成において、コンテナ10が倉庫11などの空間から搬出される場合のみならず、移動を開始した場合に識別情報の消去をすることもあり得る点で異なる。
デバイス側では、ステップS51において、スイッチ押し込みに加えて、元の突出した状態への戻りも、フローの開始となる。
【0044】
別の形態として、スイッチが突出した状態から、押し込まれた状態へと状態遷移する場合に、マーカ読取装置による読み取りで、何も読み取れないときに、デバイス20は、そのことを示す例えば数字の0をサーバ13に送信するようシステムを構成してもよい。この場合、倉庫内で第1及び第2マーカ17、18が無い位置に置かれるなどの状態を検知できる。
この状態が検知された時点が、スイッチが押し込まれた状態から、突出した状態へと状態遷移した後であれば、移動が既に開始されていたにもかかわらず載置された移動先の情報が得られない状態にあることを把握できる。
【0045】
本実施形態のシステムは、上述の点以外については第1の実施形態と共通するため、その部分の説明及び有利な効果につき省略する。
【0046】
(3)第3の実施形態
本実施形態は、第1の実施形態とソフトウェア構成、ハードウェア構成において略等しく、主だった違いは、スイッチを備えない点である。第1の実施形態と同様に、本実施形態に係るシステムにおいても、コンテナ10に設置される各デバイスを対等なものとして扱うことができ、隣接情報を用いて各コンテナ10の空間内の位置を把握可能な特徴を有し、その有利性についても共通する。
図6を用いてスイッチを備えない場合の隣接情報による各コンテナの位置を管理する流れを説明する。
本実施形態においては、ユーザにおいて、外部の情報処理端末を用いて、コンテナ10の位置情報が照会されたことを契機にサーバ13及びデバイス20の処理が実行される(ステップS71)。それまではサーバ13及びデバイス20は待機状態にある。
【0047】
情報処理端末からサーバへの位置情報の照会があると(ステップS71)、サーバは全てのデバイスに向けて隣接情報を要求する信号を一斉送信する(ステップS72)。
その信号を受信した各デバイス20は、マーカ読取装置を用いて第1又は第2マーカ17,18の読み取りを行う(ステップS73)。読み取りを行った各デバイス20は読み取った隣接情報を記憶装置に記憶し(ステップS74)、その隣接情報サーバ13に送信する(ステップS75)。隣接情報を受け取ったサーバ13はリストを再構成する(ステップS76)。リストの再構成後に、第1の実施形態と同様にリストを参照し辿ることでコンテナの位置情報としての平面位置及び段数を特定する(ステップS77)。特定された位置情報を情報処理端末に送信する(ステップS78)。
【0048】
例えば、空間内に新たに搬入されるコンテナ10の全てに、一意の識別情報を持たせるとともに、ネットワーク上での固定アドレスを持たせてもよい。新たに搬入されるコンテナ10に係るそれらの情報をサーバ13に記憶させる。この場合サーバ13は倉庫などの空間内に存在するコンテナ10を把握することになる。この前提条件の下、サーバは隣接情報をデバイス20に要求するにあたり(ステップS72)、マルチキャスト通信によって、倉庫などの空間内のデバイス20で構成されるローカルネットワークに、サーバ13から特定デバイス20に対する識別情報又はそれと紐づくアドレスをヘッダとして付した隣接情報要求に係る情報が送信され、ネットワークを構成する各デバイス20は、マーカ読取装置で読み取った隣接情報をサーバ13に送信する(ステップS75)。
【0049】
本実施形態に係るシステムはスイッチを有しないため、スイッチにより電源が入れられることも、サーバ13への隣接情報の送信後に電源を切ることもなくシステムを構成してもよい。その場合、デバイス20はサーバ13からの隣接情報の要求待ちとして電源が入った状態で待機状態となり、第1の実施形態に比して、その分の電力を消費することになる。
他方でユーザからの情報処理端末を用いたコンテナ位置情報の照会を契機に、その時の隣接情報のみを収集することで、ユーザに必要とされるまではどのような移動があっても情報を把握しないことで、とりわけユーザからの照会の回数が少ない場合には、電力の消費を抑制することができる。
本実施形態の変形例として、ソフトウェアによって電源管理し、適宜電源のオンオフを行ってもよい。
【0050】
本実施形態の変形例として、サーバ13からの隣接情報の要求に係る電波に起因してデバイス20全体の電源が入るようなシステムをとることもできる。この場合には、第2の実施形態における消費電力をさらに抑制できる。とりわけユーザからの照会の回数が少ない場合に有利性が増す。
【0051】
また本実施形態の別の変形例として、ユーザが用いる情報処理端末を含めてシステムを構築することが可能な点も第1の実施形態と共通する。
【0052】
本実施形態のみならずその変形例においても、全デバイスを対等な関係として扱うことができ、実質的に隣接情報からコンテナ位置を把握できるという特徴は維持されている。
【0053】
(4)第4の実施形態
本実施形態は、第1の実施形態とソフトウェア構成、ハードウェア構成において略等しく、主だった違いは、第3の実施形態と同様にスイッチを備えない点である。第1の実施形態と同様に各デバイス10を対等なもの扱い、隣接情報を用いて各コンテナの空間内の位置を管理する点で共通し、その有利性についても共通する。
【0054】
図7を用いて本実施形態における隣接情報による各コンテナ10の位置を把握する流れを説明する。
本実施形態においては、ユーザにおいて、外部の情報処理端末を用いて、コンテナ10位置の位置情報が照会されたことを契機にサーバ13及びデバイス20の処理が実行される点で第2の実施形態と共通する(ステップS81)。それまではサーバ13及びデバイス20は待機状態にある。
【0055】
情報処理端末からサーバ13への位置情報の照会があると(ステップS81)、サーバ13はリストを参考に照会されたコンテナ10の識別情報を特定し、そのコンテナ10に設置されたデバイス20、すなわち識別情報を記憶するデバイス20に向けて隣接情報を要求する(ステップS82)。
その信号を受信したデバイス20は、マーカ読取装置を用いて第1又は第2マーカ17,18の読み取りを行う(ステップS83)。読み取りを行ったデバイス20は、隣接情報を記憶装置に記憶し(ステップS84)、その隣接情報をサーバ13に送信する(ステップS85)。隣接情報を受け取ったサーバ13はリストを再構成する(ステップS86)。
デバイス20から受け取った隣接情報が床の平面位置情報である場合には(ステップS87)、サーバ13がリストを参照してコンテナ位置を特定し(ステップS91)、そのコンテナ位置情報を情報処理端末に送信する(ステップS92)。
デバイス20から受け取った隣接情報がコンテナ10の識別情報である場合には(ステップS87)、その識別情報のコンテナ10に設置されたデバイス20に隣接情報を要求する(ステップS88)。隣接情報を要求されたデバイス20はマーカ読取装置を用いて第1又は第2マーカ17,18の読み取りを行う(ステップS89)。読み取りを行ったデバイス20は、読み取った隣接情報をサーバ13に送信する(ステップS90)。隣接情報を受け取ったサーバ13はリストを再構成する(ステップS86)。ここでサーバ13は受信した隣接情報が床の平面位置情報であるかを上述同様に判断し(ステップS87)、平面位置情報である場合、コンテナ10の識別情報である場合のそれぞれについて、上記と同様の処理を行い、デバイス20から送信された隣接情報が床の平面位置情報となるまで、再帰する。最終的に床の平面位置情報を、位置情報を照会されたコンテナ10の平面位置情報として、かつ再帰した回数に1を加えた数字を段数として、又は再構成されたリストを参照し辿ることで特定された段数を特定する。特定された平面位置情報及び段数をコンテナ位置情報として情報処理端末に送信する。
【0056】
コンテナ10の位置情報の照会を契機に、サーバ13が全てのデバイス20の隣接情報を収集し、リストを再構成する第3の実施形態と異なり、指定された1つのデバイス20のみに対して隣接情報を要求し、指定されたデバイス20のみが隣接情報を送信する。
例えば、空間内に新たに搬入されるコンテナ10の全てに、一意の識別情報を持たせるとともに、ネットワーク上での固定アドレスを持たせてもよい。新たに搬入されるコンテナ10に係るそれらの情報をサーバ13に記憶させる。この場合サーバ13は倉庫11などの空間内に存在するコンテナ10を把握することになる。この前提条件の下、サーバ13は隣接情報を特定のデバイスに要求するにあたって(ステップS82)、倉庫11などの空間内のデバイス20で構成されるローカルネットワークに、特定デバイス20に対する識別情報又はそれと紐づくアドレス情報をヘッダとして付した隣接情報要求に係る情報を送信し、特定デバイス20は宛先が自身であることを判断し、マーカ読取装置で読み取った隣接情報をサーバ13に送信する(ステップS85)。
第3の実施形態と異なり、必要な隣接情報のみを収集する点で、処理量や通信量が小さくなる。
【0057】
ユーザによって情報処理端末からコンテナ10の位置情報の照会があるまでは、デバイス20が能動的に処理を実行することはなく、サーバ13からの隣接情報の要求の待機状態となる。この待機状態中について、常に電源を入れたままのシステムとすることもでき、この場合第1の実施形態に比して、その分の電力を消費することになる。
他方でユーザからの情報処理端末を用いたコンテナ位置情報の照会を契機に、その時の必要な隣接情報のみを収集することで、ユーザによる照会と別の照会との間の移動については関知せず、ユーザの照会があった時における位置情報だけを把握する。それまでのどのような移動があったかに係る情報を把握しないことで、電力の消費を抑制することができ、デバイスに備えられたバッテリを長持ちさせることにつながる。
【0058】
本実施形態の変形例として、ユーザによる頻繁な照会が想定されない場合などは、待機状態における消費電力を抑えるために、受信待機に係るハードウェア構成要素だけに電力を供給し、サーバ13からのそのデバイス20宛の通信を受信したことを契機にデバイス20の全てのハードウェア構成要素にバッテリから電力供給する構成をとることもできる。この場合ユーザからの照会の回数が少ない場合に特に有利性が増す。
本実施形態の別の変形例として、ソフトウェアによって電源管理し、適宜電源のオンオフを行ってもよく、本実施形態で示す内容がその構成を排除するものではない。
【0059】
本実施形態の別の変形例として、ユーザが用いる情報処理端末を含めてシステムを構築することが可能な点も第1の実施形態と共通する。
【0060】
本実施形態及びその変形例においても、各デバイス20を対等な関係として扱い、隣接情報からコンテナ位置を把握できるという特徴は維持されている。
【0061】
本発明に係るハードウェア構成及びソフトウェア構成などのシステム構成、本システムに係るデバイス、位置把握方法は、上述した実施形態及び変形例に係る構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の主旨に沿う範囲において、周知・慣用技術との組合せ、又は変形例の組合せなど、様々な変形形態をとることができる。
【符号の説明】
【0062】
10 コンテナ
11 倉庫
12 床
13 サーバ
14 情報処理端末
17 第1マーカ
18 第2マーカ
19 コンテナ下面
20 デバイス
21 スイッチ
22 バス
30 第1ネットワーク
40 第2ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基に前記リストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記デバイスが、前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報を前記サーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスに隣接情報を要求するサーバ通信部と、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基にリストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とするシステム。
【請求項5】
前記サーバ通信部が、特定のデバイスに対してのみ前記隣接情報を要求すること、及び、
前記デバイスから受信した前記隣接情報が床の前記平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと隣接情報を要求すること、を特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記サーバの前記サーバ通信部が、前記情報処理端末からのコンテナ位置情報の照会に応じて、照会されたコンテナに設置された前記デバイスに対して前記隣接情報を要求すること、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報をサーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出したスイッチと、を有し、
前記スイッチが、前記デバイスの設置された前記コンテナが床又は別のコンテナ上に載置されているときのみ押し込まれた状態となること、及び、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報をサーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とするデバイス。
【請求項8】
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として、前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項10】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れる工程と、
前記電源が入ることを契機として、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、
その前記サーバへの隣接情報の送信後に前記デバイスの電源を切る工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項11】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、空間に載置された全ての前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、全ての前記デバイスが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
全ての前記デバイスが、前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【請求項12】
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、前記照会に係る前記コンテナに設置された前記デバイスのみが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報が床の平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと前記隣接情報を要求する工程と、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する位置管理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。
1)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基に前記リストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とする。
2)別の態様として、
前記デバイスが、前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする。
3)別の態様として、
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報を前記サーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする。
4)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するための、サーバを有するシステムであって、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカと、
コンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカと、
前記第1マーカ又は前記第2マーカの情報を隣接情報として読み取るためのマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報と前記マーカ読取装置により読み取られる隣接情報とを記憶する記憶装置と、を備えるデバイスと、を有し、
前記デバイスが、前記サーバからの要求に応じて前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、及び、
前記サーバが、前記デバイスに隣接情報を要求するサーバ通信部と、前記デバイスから受信した前記隣接情報とそのデバイスを設置したコンテナの識別情報とを紐づけたリストを保持するストレージと、前記デバイスから受信した前記隣接情報を基にリストを再構成するリスト構成部と、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナ位置情報を特定する位置特定部と、を備えること、を特徴とする。
5)別の態様として、
前記サーバ通信部が、特定のデバイスに対してのみ前記隣接情報を要求すること、及び、
前記デバイスから受信した前記隣接情報が床の前記平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと隣接情報を要求すること、を特徴とする。
6)別の態様として、
前記システムが、コンテナの位置情報を前記サーバに照会する位置照会部を備える情報処理端末をさらに有し、
前記サーバの前記サーバ通信部が、前記情報処理端末からのコンテナ位置情報の照会に応じて、照会されたコンテナに設置された前記デバイスに対して前記隣接情報を要求すること、
前記位置照会部が、ユーザが指定する前記コンテナに積載した物品又は前記コンテナを前記サーバに照会し、前記コンテナの位置情報をサーバから受信して情報処理端末の画面上に表示すること、及び、
前記サーバの前記ストレージに、物品とそれを積載した前記コンテナの前記識別情報が紐づけられて記憶されていること、を特徴とする。
7)本発明の態様として、
多段積み可能なコンテナの位置を管理するためにコンテナに設置されるデバイスであって、
床の平面位置情報又はコンテナの一意の識別情報を情報として含むマーカを読み取るためのマーカ読取装置と、前記マーカ読取装置によって読み取られた情報を隣接情報として保持する記憶装置と、前記コンテナ下面よりも突出したスイッチと、を有し、
前記スイッチが、前記デバイスの設置された前記コンテナが床又は別のコンテナ上に載置されているときのみ押し込まれた状態となること、及び、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置により読み取られた隣接情報をサーバへ無線通信で送信するデバイス通信部を備えること、を特徴とする。
8)別の態様として、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れ、前記電源が入ることを契機として、前記デバイスが前記隣接情報を前記サーバへ送信した後に前記デバイスの電源を切る電源管理部をさらに備えること、を特徴とする。
)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチが押し込まれることを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、コンテナ下面から突出しかつ床又は別のコンテナ上に前記コンテナが載置されているときのみ押し込まれた状態となるスイッチと、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記デバイスが、
前記スイッチの押し込みを契機に又は前記スイッチの押し込まれた状態と元の突出した状態との間の状態遷移を契機に、前記デバイスの電源を入れる工程と、
前記電源が入ることを契機として、前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
その前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバへ無線通信で送信する工程と、
その前記サーバへの隣接情報の送信後に前記デバイスの電源を切る工程と、を実行し、
前記サーバが、
前記デバイスから受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記リストを参照して平面位置と段数を含むコンテナの位置情報を特定する工程と、
そのコンテナ位置情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、空間に載置された全ての前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、全ての前記デバイスが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
全ての前記デバイスが、前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。
)本発明の態様として、
コンテナを載置する床面に設けられた床の平面位置情報を含む第1マーカ又はコンテナに設けられたそのコンテナの一意の識別情報を含む第2マーカを読み取るためのコンテナに設けられたマーカ読取装置と、設置されるコンテナの前記識別情報及び隣接情報として前記マーカ読取装置により読み取られる情報を記憶する記憶装置と、を備えるデバイスが設置されたコンテナを有するシステムにおける、多段積み可能なコンテナの位置管理方法であって、
前記サーバが、
外部の情報処理端末から前記サーバに対してコンテナ位置情報の照会があった場合に、前記コンテナに設置された前記デバイスへ前記隣接情報を要求する工程を実行し、
前記デバイスが、
前記サーバからの要求に応じて、前記照会に係る前記コンテナに設置された前記デバイスのみが前記マーカ読取装置によって第1又は第2マーカを読み取る工程と、
前記マーカ読取装置によって読み取られた前記隣接情報を前記サーバに無線通信で送信する工程と、を実行し、
前記サーバが、
受信した前記隣接情報が床の平面位置情報となるまで、その受信した前記隣接情報が示すコンテナに設置されたデバイスへと前記隣接情報を要求する工程と、
受信した前記隣接情報と送信元の前記デバイスを設置した前記コンテナの前記識別情報とを紐づけたリストを構成しストレージに保存する工程と、
前記リストを参照して平面位置と段数を含む情報を前記情報処理端末へと送信する工程と、を実行する。