(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168447
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタに用いられる固定金具
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20241128BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085145
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 孝治
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB02
5E223AB16
5E223AB28
5E223AB33
5E223AB59
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB17
5E223CB24
5E223CB26
5E223DB09
5E223DB11
5E223DB22
5E223DB33
5E223DB36
5E223EB03
5E223EB12
5E223EB22
5E223EB32
5E223EC07
5E223EC32
(57)【要約】
【課題】小型化を図りつつ挿入開口側の強度を確保することが可能なコネクタ及びコネクタに用いられる固定金具を提供する。
【解決手段】固定金具23は、相手側コネクタ10の相手側ハウジング11が挿入嵌合され得る嵌合空間245を有するハウジング21に取り付けられた状態で基板30に固定することが可能なものである。この固定金具23は、ハウジング21に形成された被取付部2432,2441に取り付けることが可能な取付部2321,2311と、基板30に固定することが可能な基板固定部2322,2342と、を備えている。そして、固定金具23は、ハウジング21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248を覆うことが可能な端面覆い部234を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタの相手側ハウジングが挿入嵌合され得る嵌合空間を有するハウジングと、
前記ハウジングに保持され、基板及び前記相手側コネクタの相手側端子に電気的に接続され得る端子と、
前記ハウジングに取り付けられて、前記基板に固定され得る固定金具と、
を備え、
前記固定金具は、
前記ハウジングに形成された被取付部に取り付けられる取付部と、
前記基板に固定され得る基板固定部と、
前記ハウジングにおける前記嵌合空間の挿入開口側の端面を覆う端面覆い部と、
を備える、
コネクタ。
【請求項2】
前記端面は、前記固定金具を前記ハウジングに取り付けつつ前記基板に固定した状態で、前記相手側ハウジングの挿入方向及び前記基板の厚さ方向と交差する交差方向の両側に位置する一対の側部端面を備えており、
前記端面覆い部が一対の前記側部端面を覆っている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記交差方向の両側に位置する一対の側壁を備えており、
前記固定金具は、前記端面覆い部に連設されて前記側壁の側面を覆うように配置される側面覆い部を備えている、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記交差方向の両側に位置する一対の側壁を備えており、
前記固定金具は、前記側壁の側面の全面を露出させた状態で前記ハウジングに取り付けられている、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
相手側コネクタの相手側ハウジングが挿入嵌合され得る嵌合空間を有するハウジングに取り付けられた状態で基板に固定することが可能な固定金具であって、
前記ハウジングに形成された被取付部に取り付けることが可能な取付部と、
前記基板に固定することが可能な基板固定部と、
前記ハウジングにおける前記嵌合空間の挿入開口側の端面を覆うことが可能な端面覆い部と、
を備える、
固定金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びコネクタに用いられる固定金具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のコネクタとしては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1には、相手側コネクタが挿入嵌合される嵌合空間が形成されたハウジングと、ハウジングに保持された状態で基板に実装され、相手側コネクタの相手側端子と電気的に接続される端子と、を備える基板用のコネクタが開示されている。
【0003】
さらに、この特許文献1に開示のコネクタは、ハウジングに取り付けられて基板に固定される固定金具を備えている。そして、ハウジングの一対の側壁に固定金具をそれぞれ取り付けた状態で、この固定金具を基板に半田で固定することで、ハウジングを回路基板に固定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、例えば、相手側コネクタを、正規の挿入状態から傾けた状態でハウジングをこじるようにして嵌合空間に挿入した場合に、ハウジングにかかる応力によってハウジングに割れなどが発生してしまうおそれがある。
【0006】
また、相手側コネクタの挿入時にハウジングに割れなどが発生してしまうことを抑制するためには、ハウジングの挿入開口側の壁部を厚くすることが考えられるが、ハウジングの壁部を厚くすると、コネクタが全体的に大型化してしまうという問題がある。
【0007】
このように、上記従来の技術では、コネクタの強度確保と小型化との両立を図ることが難しかった。
【0008】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、小型化を図りつつ挿入開口側の強度を確保することが可能なコネクタ及びコネクタに用いられる固定金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様に係るコネクタは、相手側コネクタの相手側ハウジングが挿入嵌合され得る嵌合空間を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、基板及び前記相手側コネクタの相手側端子に電気的に接続され得る端子と、前記ハウジングに取り付けられて、前記基板に固定され得る固定金具と、を備え、前記固定金具は、前記ハウジングに形成された被取付部に取り付けられる取付部と、前記基板に固定され得る基板固定部と、前記ハウジングにおける前記嵌合空間の挿入開口側の端面を覆う端面覆い部と、を備える。
【0010】
また、本発明の態様に係る固定金具は、相手側コネクタの相手側ハウジングが挿入嵌合され得る嵌合空間を有するハウジングに取り付けられた状態で基板に固定することが可能なものである。この固定金具は、前記ハウジングに形成された被取付部に取り付けることが可能な取付部と、前記基板に固定することが可能な基板固定部と、前記ハウジングにおける前記嵌合空間の挿入開口側の端面を覆うことが可能な端面覆い部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型化を図りつつ挿入開口側の強度を確保することが可能なコネクタ及びコネクタに用いられる固定金具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係るコネクタの一例を用いて相手側コネクタの一例と基板の一例とを接続させた状態を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るコネクタの一例を用いて相手側コネクタの一例と基板の一例とを接続させた状態を示す断面図である。
【
図3】一実施形態に係るコネクタの一例を示す分解斜視図である。
【
図4】一実施形態に係るコネクタの一例を示す斜視図である。
【
図5】一実施形態に係るコネクタの一例を基板の一例に実装した状態を示す斜視図である。
【
図6】一実施形態に係るコネクタの一例に相手側コネクタの一例を斜めの状態で挿入している途中の状態を示す鉛直断面図である。
【
図9】第1変形例に係る固定金具をハウジングに取り付けた状態を示す側面図である。
【
図10】第2変形例に係る固定金具をハウジングに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本実施形態に係るコネクタ及びコネクタに用いられる固定金具について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0014】
以下では、コネクタとして、シールドコネクタを例示する。なお、シールドコネクタとは、樹脂材料で成形されるハウジングに金属製の筒状のシールドシェルを設けることによって、シールドシェルの内方側に収容された端子や電線に対してのノイズの侵入を抑制することが可能なコネクタこのことである。
【0015】
また、シールド付電線が延在する方向を前後方向(挿入方向)と規定し、オス側シールドコネクタを基板に実装した状態における基板の厚さ方向を上下方向と規定して説明する。また、前後方向(挿入方向)及び上下方向と交差する方向を幅方向(交差方向)と規定して説明する。
【0016】
さらに、基板の厚さ方向を上下方向に一致させつつ、互いに嵌合されたオス側シールドコネクタ及びメス側シールドコネクタを基板の上方に位置するように配置した状態で各部材の上下方向を規定して説明する。そして、オス側シールドコネクタについては、メス側シールドコネクタに嵌合させる際にメス側シールドコネクタと対向する側を前後方向(挿入方向)の前側(一方側)と規定して説明する。また、メス側シールドコネクタについては、オス側シールドコネクタに嵌合させる際にオス側シールドコネクタと対向する側を前後方向(挿入方向)の前側(一方側)と規定して説明する。
【0017】
また、以下の実施形態及びその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
本実施形態に係るオス側シールドコネクタ(コネクタ)20は、
図1に示すように、回路基板(基板)30に実装されており、このオス側シールドコネクタ20には、メス側シールドコネクタ(相手側コネクタ)10が嵌合されるようになっている。このように、本実施形態に係るオス側シールドコネクタ20は、回路基板(基板)30に実装される基板用のコネクタである。
【0019】
このオス側シールドコネクタ20は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等を含む車両の制御装置が備える回路基板に、各種の電子部品とともに実装することができる。そして、ワイヤハーネス等の外部接続部材を車両の制御装置に接続させることで、車両内のインバータやモータ等への電力の供給、各種電子機器への電気信号の供給に使用することができる。
【0020】
まず、オス側シールドコネクタ20の嵌合相手であるメス側シールドコネクタ10について説明する。
【0021】
メス側シールドコネクタ10は、例えば、車両への電力の供給、車両内の各種電子機器への電気信号の供給に使用されるシールド付きコネクタである。本実施形態では、このメス側シールドコネクタ10は、
図1及び
図2に示すように、メス側アウタハウジング(相手側ハウジング)11と、メス側アウタハウジング11に保持されるシールドアッセンブリ12と、を備えている。
【0022】
メス側アウタハウジング11は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されており、後述するオス側アウタハウジング(ハウジング)21に形成された嵌合空間245に挿入嵌合されるものである。本実施形態では、メス側アウタハウジング11は、ハウジング本体13を備えており、このハウジング本体13には、シールドアッセンブリ12が収容される収容室13aが前後方向に貫通するように形成されている。このように、本実施形態では、ハウジング本体13は、前後に貫通する略筒状に形成されている。具体的には、ハウジング本体13は、天壁131と、天壁131と上下で対向する底壁132と、天壁131と底壁132とを連結する一対の側壁133と、を備えており、全体として略矩形の角筒状をしている。
【0023】
また、本実施形態では、天壁131には、弾性係止片(可撓ランス)1311が形成されており、この弾性係止片1311には係止凹部13111が形成されている。そして、シールドアッセンブリ12をメス側アウタハウジング11に保持した際に、シールドアッセンブリ12に形成された係止突起151が、弾性係止片1311に形成された係止凹部13111に係止されるようにしている。こうすることで、シールドアッセンブリ12のメス側アウタハウジング11からの抜け止めがなされるようにしている。
【0024】
また、天壁131には、ロックアーム1312が形成されており、このロックアーム1312にはロック突起13121が形成されている。そして、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入嵌合させた際に、ロックアーム1312に形成されたロック突起13121を、オス側アウタハウジング21に形成された係止凹部2411に係止させるようにしている。こうすることで、メス側アウタハウジング11のオス側アウタハウジング21からの抜け止めがなされるようにしている。
【0025】
また、本実施形態では、ロックアーム1312の先端部(後端部:自由端部)が、ロック突起13121と係止凹部2411との係止を解除するための操作片1313となっている。そして、この操作片1313を押し下げて下方に移動させることで、ロック突起13121と係止凹部2411との係止が解除されるようになっている。
【0026】
さらに、天壁131には、誤操作防止壁1314が、操作片1313を上方から跨ぐように形成されている。そして、この誤操作防止壁1314を設けることで、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入してロックした状態で、操作片1313を誤って操作してロックが解除されてしまうことを抑制できるようにしている。こうすることで、操作片1313を誤って操作してメス側アウタハウジング11がオス側アウタハウジング21から外れてしまうことを抑制できるようにしている。
【0027】
また、本実施形態では、底壁132の後端に、下方に突出する突起1321が形成されている。そして、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入する際に、この突起1321を押すことで、メス側アウタハウジング11を、よりスムーズにオス側アウタハウジング21に挿入させることができるようにしている。また、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21から取り外す際に、この突起1321に指を引っ掛けることができるようにしている。こうすることで、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21から容易に取り外すことができるようにしている。
【0028】
また、本実施形態では、一対の側壁133には、幅方向の外方及び前後方向の前方に開口するガイド溝1331がそれぞれ形成されている。そして、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入する際には、このガイド溝1331に、オス側アウタハウジング21に形成されたガイド壁2431が挿入されるようにしている。こうすることで、メス側アウタハウジング11を、よりスムーズにオス側アウタハウジング21に挿入させることができるようにしている。
【0029】
一方、シールドアッセンブリ12は、
図1及び
図2に示すように、シールド付電線14と、メス側シールドシェル15と、メス側インナハウジング16と、圧着開き防止部材17と、を備えている。
【0030】
本実施形態では、シールド付電線14は、2本の端子付電線141と、端子付電線141を囲うように配置される電磁波シールド層142と、電磁波シールド層142の外周を被覆するシース143と、を備えている。このシールド付電線14は、電線1411を、電磁ノイズから保護したり電磁ノイズを漏洩防止したりする電磁波シールド作用があるため、自動車のワイヤハーネス等の用途に用いられている。
【0031】
ここで、端子付電線141は、電線1411と電線圧着端子(相手側端子)1412とを備えており、電線1411の導体部14111及び導体被覆部14112を、電線圧着端子1412の電線圧着部14122に加締め固定することで形成されている。そして、導体部14111及び導体被覆部14112を、電線圧着端子1412の電線圧着部14122に加締め固定することで、電線圧着端子1412の端子本体部(相手側接点部)14121が導体部14111に電気的に接続されるようにしている。
【0032】
さらに、本実施形態では、2本の端子付電線141は、ノイズの低減効果を高めるために、2本の電線1411を撚り合わせたツイストペア電線とした状態で、電磁波シールド層142によって覆われるようにしている。
【0033】
電磁波シールド層142は、2本の端子付電線141を内包するように、金属遮蔽体を含む変形可能な電磁波シールド薄板状体を巻き付けることで形成されている。この金属遮蔽体としては、例えば、アルミ箔、銅箔等の金属箔を用いることができる。
【0034】
シース143は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されており、電磁波シールド層142を保護するための部材である。
【0035】
そして、このシールド付電線14のシース143から露出している部位(シールド付電線14の前端部)の周囲にメス側シールドシェル15が配置されるようにしている。すなわち、メス側シールドシェル15の内方に、シールド付電線14のシース143から露出している部位が収容されるようにしている。
【0036】
このメス側シールドシェル15は、前後方向の両端を開口させた筒状の導電性材料で成形されており、メス側シールドシェル15の後端をシース143の外周に圧着することでシールド付電線14に固定されている。そして、メス側シールドシェル15のシース143への圧着部分を囲うように圧着開き防止部材17が固定されており、この圧着開き防止部材17によって、メス側シールドシェル15の圧着部分が開いてしまうことを抑制できるようにしている。
【0037】
なお、本実施形態では、メス側シールドシェル15には、係止突起151が形成されている。そして、シールドアッセンブリ12をメス側アウタハウジング11に保持した際に、この係止突起151が、弾性係止片1311の係止凹部13111に係止されるようにしている。
【0038】
また、メス側シールドシェル15とシールド付電線14のシース143から露出している部位との間には、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されたメス側インナハウジング16が配置されている。このメス側インナハウジング16は、メス側シールドシェル15の内周面を覆うように成形されており、シールド付電線14の一部(例えば端子本体部14121)をメス側シールドシェル15内で保持するものである。
【0039】
次に、上述したメス側シールドコネクタ10が嵌合されるオス側シールドコネクタ20について説明する。
【0040】
オス側シールドコネクタ20は、
図2~
図5に示すように、オス側アウタハウジング(ハウジング)21と、オス側アウタハウジング21に保持されるシールドアッセンブリ22と、オス側アウタハウジング21に取り付けられる固定金具23と、を備えている。
【0041】
そして、このオス側シールドコネクタ20を回路基板(基板)30に実装した状態で、メス側シールドコネクタ10をオス側シールドコネクタ20に挿入することで、メス側シールドコネクタ10がオス側シールドコネクタ20に嵌合されるようにしている。こうすることで、シールド付電線14の電線1411が備える導体部14111と回路基板(基板)30に形成された配線パターンとが電気的に接続されるようにしている。
【0042】
オス側アウタハウジング21は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されており、ハウジング本体24を備えている。そして、このハウジング本体24には、メス側アウタハウジング11が挿入嵌合される嵌合空間245が形成されている。さらに、ハウジング本体24には、シールドアッセンブリ22が収容される収容空間246が形成されている。本実施形態では、嵌合空間245と収容空間246とが前後に連通するように形成されており、前方に位置する嵌合空間の前端が、メス側アウタハウジング11が挿入される挿入開口245aとなっている。一方、後方に位置する収容空間246の後端が、シールドアッセンブリ22が挿入される挿入開口246aとなっている。
【0043】
このように、本実施形態では、ハウジング本体24も、前後に貫通する略筒状に形成されている。具体的には、ハウジング本体24は、天壁241と、天壁241と上下で対向する底壁242と、天壁241と底壁242とを連結する一対の側壁243と、を備えており、全体として略矩形の角筒状をしている。
【0044】
さらに、本実施形態では、ハウジング本体24が、天壁241の後端から下方に延設された後壁244を備えており、ハウジング本体24内の空間の後端の上部が、この後壁244によって覆われるようにしている。
【0045】
また、天壁241には、係止凹部2411が形成されており、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入嵌合させた際に、ロックアーム1312に形成されたロック突起13121を、この係止凹部2411に係止させるようにしている。こうすることで、メス側アウタハウジング11のオス側アウタハウジング21からの抜け止めがなされるようにしている。
【0046】
さらに、天壁241の前端には、位置決め突部2412が形成されており、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、この位置決め突部2412によって固定金具23の位置決めがなされるようにしている。
【0047】
また、底壁242の前端にも、位置決め突部2421が形成されており、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、この位置決め突部2412によって固定金具23の位置決めがなされるようにしている。
【0048】
また、一対の側壁243の内面側には、幅方向の内側に突出するガイド壁2431がそれぞれ形成されており、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入する際には、このガイド壁2431をガイド溝1331に挿入するようにしている。こうすることで、メス側アウタハウジング11を、よりスムーズにオス側アウタハウジング21に挿入させることができるようにしている。
【0049】
また、一対の側壁243の外面側には、係止凹部(被取付部)2432がそれぞれ形成されている。そして、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、この係止凹部(被取付部)2432に固定金具23の係止片(取付部)2331が係止されるようにしている。こうすることで、固定金具23がオス側アウタハウジング21に、抜け止めがなされた状態で取り付けられるようにしている。
【0050】
さらに、一対の側壁243のそれぞれの後端には、延設壁2433が後方に突出するように形成されている。そして、この一対の延設壁2433によって、シールドアッセンブリ22の回路基板30との接続部位(基板接続部253及び基板接続部263)が保護されるようにしている。
【0051】
一方、シールドアッセンブリ22は、
図2に示すように、オス端子(端子)25と、オス側シールドシェル26と、オス側インナハウジング27と、を備えている。
【0052】
本実施形態では、2本のオス端子25を備えており、この2本のオス端子が幅方向に離間した状態で配置されている。このオス端子25は、金属等の導電性を有する材料で形成されている。
【0053】
本実施形態では、各オス端子25は、前後方向に延在し、先端に端子本体部(相手側接点部)14121に接触することが可能な接点部251aが形成された端子本体251を備えている。また、各オス端子25は、前後方向に延在し、回路基板30に半田40により実装される基板接続部253と、上下方向に延在し、端子本体251と基板接続部253とを連結する連結部252と、を備えている。この基板接続部253は、回路基板30に形成された通信用回路に接続されている。
【0054】
オス側シールドシェル26は、端子本体251の周囲に配置される筒部(フード部)261と、筒部261の上部の後端に、下方に延在するように連設された蓋部262と、回路基板30に半田40により実装される基板接続部263と、を備えている。このオス側シールドシェル26も導電性材料で成形されている。なお、本実施形態では、基板接続部263は、回路基板30に形成されたシールド回路に接続されている。
【0055】
また、オス側シールドシェル26とオス端子25との間には、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されたオス側インナハウジング27が配置されている。本実施形態では、このオス側インナハウジング27は、オス側シールドシェル26の筒部261の内周面を覆うように成形され、オス端子25の端子本体251をオス側シールドシェル26内で保持する柱状部271を備えている。さらに、本実施形態では、オス側インナハウジング27は、柱状部271の後端に連なる保護部272を備えている。
【0056】
そして、メス側アウタハウジング11をオス側アウタハウジング21に挿入嵌合させた際に、接点部251aが端子本体部(相手側接点部)14121に接触し、オス側シールドシェル26がメス側シールドシェル15と接触するようにしている。なお、本実施形態では、ハウジング本体24が保持壁247を備えており、この保持壁247によってシールドアッセンブリ22がオス側アウタハウジング21に保持されている。
【0057】
固定金具23は、オス側アウタハウジング21を回路基板30に固定するためのものであり、本実施形態では、この固定金具23は、オス側アウタハウジング21の天壁241の天面241aを覆う天面覆い部231を備えている。また、固定金具23は、天面覆い部231の幅方向の両端に下方に延在するように連設されて、オス側アウタハウジング21の一対の側壁243の側面243aをそれぞれ覆う一対の側面覆い部233を備えている。
【0058】
一対の側面覆い部233には、係止片(取付部)2331がそれぞれ形成されており、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、この係止片(取付部)2331が係止凹部(被取付部)2432に係止されるようにしている。
【0059】
この係止片2331は、一対の側面覆い部233の中央部に、上下方向に延在して下方のみで連設される切り欠き片を設け、この切り欠き片を、下端を基点として内側に折り曲げることで形成されている。
【0060】
また、一対の側面覆い部233には、下端から下方に向けて突出するように形成された突出片2332が形成されている。そして、オス側シールドコネクタ20を回路基板30に実装する際に、この突出片2332を回路基板30に形成された貫通孔31に上方から挿入するようにしている。そして、突出片2332を貫通孔31に上方から挿入した状態で、半田40によって突出片2332を回路基板30に固定することで、オス側アウタハウジング21及び固定金具23が回路基板30に固定されるようにしている。
【0061】
さらに、一対の側面覆い部233のそれぞれの後端には、延設部2333が後方に突出するように形成されている。そして、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、この一対の延設部2333によって、延設壁2433が覆われるようにしている。このように、本実施形態では、一対の側壁243の側面243aのほぼ全面が一対の側面覆い部233によって覆われるようにしている。
【0062】
ここで、本実施形態では、固定金具23が、オス側アウタハウジング21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248を覆う端面覆い部234を備えるようにしている。本実施形態では、この端面覆い部234は、天面覆い部231の幅方向の両側の前端に、下方に延在するようにそれぞれ連設されている。
【0063】
このような構成をした固定金具23は、例えば、一枚の導電性を有する金属板を素材の外形が所定形状になるように打ち抜き加工し、この打ち抜き加工された加工品に折り曲げ加工等の塑性加工を適宜施すことで形成することができる。
【0064】
このように、本実施形態では、固定金具23が、オス側アウタハウジング21に形成された係止凹部2432に取り付けられる係止片2321を備えるようにしている。さらに、固定金具23が、回路基板30に固定され得る突出片(基板固定部)2322を備えるようにしている。そして、固定金具23が、オス側アウタハウジング21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248を覆う端面覆い部234を備えるようにしている。
【0065】
このように、本実施形態で示したオス側シールドコネクタ20では、オス側アウタハウジング21に固定金具23が取り付けられている。そして、オス側アウタハウジング21に固定金具23が取り付けられた状態で、オス側アウタハウジング21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248が、端面覆い部234によって覆われるようにしている。
【0066】
こうすることで、メス側シールドコネクタ10を、正規の挿入状態から傾けた状態でオス側アウタハウジング21をこじるようにして嵌合空間245に挿入した場合に生じる応力を分散させることができるようにしている。
【0067】
具体的には、
図6~
図8に示すように、メス側シールドコネクタ10の斜め挿入時には、メス側シールドコネクタ10の先端が、オス側アウタハウジング21及び端面覆い部234に当接するようにしている。そして、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20に加えられる応力が、オス側アウタハウジング21に加えられる応力と、端面覆い部234に加えられる応力とに分散されるようにしている。こうすれば、端面覆い部234を設けない場合よりも大きな力でメス側シールドコネクタ10を斜めに挿入した場合であっても、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを抑制することが可能になる。
【0068】
このように、本実施形態では、メス側シールドコネクタ10からの応力を、オス側アウタハウジング21と端面覆い部234とに分散させることで、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようにしている。
【0069】
また、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20への応力を分散させることができるようにすれば、メス側シールドコネクタ10から加えられる応力の一部がオス側アウタハウジング21に加えられることになる。すなわち、メス側シールドコネクタ10の斜め挿入時に、メス側シールドコネクタ10からオス側アウタハウジング21に加えられる応力を、端面覆い部234を設けない場合よりも小さくすることが可能になる。したがって、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の全体の厚さを、端面覆い部234を設けない場合よりも薄くした場合であっても、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを抑制することが可能になる。なお、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の全体の厚さとは、オス側アウタハウジング21の挿入開口245a側の厚さと固定金具23の厚さとを足し合わせた厚さのことである。
【0070】
このように、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20への応力を分散できるようにすれば、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度の確保とオス側シールドコネクタ20の薄型化との両立を図ることが可能になる。すなわち、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の小型化を図りつつ、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0071】
さらに、本実施形態では、固定金具23が、一対の端面覆い部234を備えており、各端面覆い部234が端面248の一対の側部端面2483をそれぞれ覆うようにしている。すなわち、上部端面2481と、下部端面2482と、一対の側部端面2483とを備える端面248において、一対の側部端面2483が端面覆い部234で覆われるようにしている。
【0072】
こうすることで、メス側シールドコネクタ10を正規の挿入状態から傾けた状態でオス側アウタハウジング21をこじるようにして嵌合空間245に挿入する際に、左右のどちらに傾いていても、メス側シールドコネクタ10からの応力を分散できるようにしている。こうすれば、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになるため、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0073】
また、本実施形態では、上述したように、オス側アウタハウジング21が、幅方向(交差方向)の両側に位置する一対の側壁243を備えるようにしている。そして、固定金具23が、端面覆い部234に連設されて側壁243の側面243aを覆うように配置される側面覆い部233を備えるようにしている。
【0074】
こうすることで、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようにし、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようにしている。
【0075】
なお、固定金具23の形状は、上記実施形態で示した形状に限定されるものではなく、様々な形状とすることが可能である。
【0076】
例えば、
図9に示す固定金具23とすることが可能である。
図9に示す固定金具23では、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けた際に、側面243aの後端側が露出するようにしている。すなわち、固定金具23が、端面覆い部234に連設されて側壁243の側面243aを覆うように配置される側面覆い部233を備えているが、側面243aの全面が覆われていない構成を例示している。
【0077】
このとき、強度確保の観点から、側面243aの前後方向の長さの半分以上が側面覆い部233で覆われるようにするのが好ましいため、
図9には、側面243aの前側半分以上が側面覆い部233で覆われたものを例示している。
【0078】
このような構成としても、上記実施形態で示した構成とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0079】
また、
図10に示す固定金具23とすることが可能である。
図10には、側壁243の側面243aの全面を露出させた状態でオス側アウタハウジング21に取り付けられる固定金具23を例示している。すなわち、固定金具23が、端面覆い部234及び側面覆い部233のうち端面覆い部234のみを備えるものを例示している。したがって、
図10に示す構成では、天面覆い部231に形成された係止片(取付部)2311を後壁244に形成した係止凹部(被取付部)2441に係止することで、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けている。また、端面覆い部234が、被覆本体2341と、突出片(基板固定部)2342と、を備えるようにし、突出片(基板固定部)2342を回路基板30に固定するようにしている。
【0080】
このような構成としても、上記実施形態で示した構成とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0081】
また、側面覆い部233を設けない分だけオス側シールドコネクタ20の幅方向の厚さを薄くすることが可能になる。その結果、オス側シールドコネクタ20のより一層の小型化を図りつつ、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0082】
[作用・効果]
以下では、上記実施形態及びその変形例で示したコネクタ及びコネクタに用いられる固定金具の特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0083】
上記実施形態及びその変形例で示したオス側シールドコネクタ(コネクタ)20は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21と、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に保持されるオス端子(端子)25と、を備えている。ここで、オス側アウタハウジング(ハウジング)21は、メス側シールドコネクタ(相手側コネクタ)10のメス側アウタハウジング(相手側ハウジング)11が挿入嵌合され得る嵌合空間245を有している。また、オス端子(端子)25は、回路基板(基板)30及びメス側シールドコネクタ(相手側コネクタ)10の電線圧着端子(相手側端子)1412に電気的に接続され得るものである。
【0084】
さらに、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に取り付けられて、回路基板(基板)30に固定され得る固定金具23を備えている。
【0085】
また、固定金具23は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に形成された係止凹部(被取付部)2432,2441に取り付けられる係止片(取付部)2321,2311を備えている。さらに、固定金具23は、回路基板(基板)30に固定され得る突出片(基板固定部)2322,2342を備えている。そして、固定金具23は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248を覆う端面覆い部234を備えている。
【0086】
このように、上記実施形態及びその変形例で示したオス側シールドコネクタ20では、オス側アウタハウジング21に固定金具23が取り付けられている。そして、オス側アウタハウジング21に固定金具23が取り付けられた状態で、オス側アウタハウジング21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248が、端面覆い部234によって覆われるようにしている。
【0087】
こうすれば、メス側シールドコネクタ10を、正規の挿入状態から傾けた状態でオス側アウタハウジング21をこじるようにして嵌合空間245に挿入した場合に生じる応力を分散させることが可能になる。
【0088】
具体的には、メス側シールドコネクタ10の斜め挿入時には、メス側シールドコネクタ10の先端が、オス側アウタハウジング21及び端面覆い部234に当接することになる。そのため、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20に加えられる応力が、オス側アウタハウジング21に加えられる応力と、端面覆い部234に加えられる応力とに分散されることになる。その結果、端面覆い部234を設けない場合よりも大きな力でメス側シールドコネクタ10を斜めに挿入した場合であっても、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを抑制することが可能になる。このように、メス側シールドコネクタ10からの応力を、オス側アウタハウジング21と端面覆い部234とに分散させることができるようにすれば、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0089】
また、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20への応力を分散させることができるようにすれば、メス側シールドコネクタ10から加えられる応力の一部がオス側アウタハウジング21に加えられることになる。すなわち、メス側シールドコネクタ10の斜め挿入時に、メス側シールドコネクタ10からオス側アウタハウジング21に加えられる応力を、端面覆い部234を設けない場合よりも小さくすることが可能になる。したがって、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の全体の厚さを、端面覆い部234を設けない場合よりも薄くした場合であっても、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを抑制することが可能になる。なお、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の全体の厚さとは、オス側アウタハウジング21の挿入開口245a側の厚さと固定金具23の厚さとを足し合わせた厚さのことである。
【0090】
このように、メス側シールドコネクタ10からオス側シールドコネクタ20への応力を分散できるようにすれば、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度の確保とオス側シールドコネクタ20の薄型化との両立を図ることが可能になる。すなわち、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の小型化を図りつつ、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0091】
また、上記実施形態及びその変形例で示した固定金具23は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に取り付けられた状態で回路基板(基板)30に固定することが可能なものである。ここで、オス側アウタハウジング(ハウジング)21は、メス側シールドコネクタ(相手側コネクタ)10のメス側アウタハウジング(相手側ハウジング)11が挿入嵌合され得る嵌合空間245を有している。
【0092】
また、固定金具23は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に形成された係止凹部(被取付部)2432,2441に取り付けることが可能な係止片(取付部)2321,2311を備えている。さらに、固定金具23は、回路基板(基板)30に固定することが可能な突出片(基板固定部)2322,2342を備えている。そして、固定金具23は、オス側アウタハウジング(ハウジング)21における嵌合空間245の挿入開口245a側の端面248を覆うことが可能な端面覆い部234を備えている。
【0093】
このような構成をした固定金具23を用いるようにすれば、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の小型化を図りつつ、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の挿入開口245a側の強度を確保することが可能になる。
【0094】
また、端面248が、固定金具23をオス側アウタハウジング(ハウジング)21に取り付けつつ回路基板(基板)30に固定した状態で、一対の側部端面2483を備えていてもよい。この側部端面2483は、メス側アウタハウジング(相手側ハウジング)11の挿入方向及び回路基板(基板)30の厚さ方向と交差する交差方向の両側に位置している。そして、端面覆い部234が一対の側部端面2483を覆っていてもよい。
【0095】
こうすれば、メス側シールドコネクタ10を、正規の挿入状態から傾けた状態でオス側アウタハウジング21をこじるようにして嵌合空間245に挿入する際に、左右のどちらに傾いていても、メス側シールドコネクタ10からの応力を分散させることが可能になる。その結果、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになるため、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0096】
また、オス側アウタハウジング(ハウジング)21が、交差方向の両側に位置する一対の側壁243を備えていてもよい。そして、固定金具23が、端面覆い部234に連設されて側壁243の側面243aを覆うように配置される側面覆い部233を備えていてもよい。
【0097】
こうすれば、オス側アウタハウジング21に割れなどが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになって、より確実にオス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0098】
また、オス側アウタハウジング(ハウジング)21が、交差方向の両側に位置する一対の側壁243を備えていてもよい。そして、固定金具23が、側壁243の側面243aの全面を露出させた状態でオス側アウタハウジング(ハウジング)21に取り付けられていてもよい。
【0099】
こうすれば、側面覆い部233を設けない分だけオス側シールドコネクタ20の幅方向の厚さを薄くすることが可能になる。その結果、オス側シールドコネクタ20のより一層の小型化を図りつつ、オス側シールドコネクタ20の挿入開口245a側の強度を確保することができるようになる。
【0100】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0101】
例えば、上記実施形態及びその変形例で示した構成を適宜組み合わせることが可能である。
【0102】
また、第2変形例では、固定金具23の天面覆い部231に設けられた係止片(取付部)2331をオス側アウタハウジング21の係止凹部(被取付部)2411に取り付けることで、固定金具23をオス側アウタハウジング21に取り付けたものを例示している。しかしながら、固定金具23のオス側アウタハウジング21への取付方法は、このような方法に限られるものではなく、様々な方法で取り付けることが可能である。例えば、互いに対向する端面覆い部234の裏面とオス側アウタハウジング21の挿入開口245a側の端面248とに取付部及び被取付部を設けることが可能である。そして、端面覆い部234が端面248を覆った際に、取付部が被取付部に取り付けられるようにすることで、固定金具23が、端面覆い部234で端面248を覆った状態で、オス側アウタハウジング(ハウジング)21に取り付けられるようにすることが可能である。こうすれば、固定金具23に天面覆い部231を設ける必要がなくなるため、オス側シールドコネクタ(コネクタ)20の高さ方向の小型化を図ることができるようになる。
【0103】
また、回路基板(基板)30に固定される固定金具23を、表面実装タイプの固定金具とすることも可能である。
【0104】
また、上記実施形態及びその変形例では、コネクタとして、シールドシェルを備えるシールドコネクタを例示したが、シールドシェルを備えていないコネクタに本発明を適用することも可能である。
【0105】
また、取付部や基板固定部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)を適宜に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 メス側シールドコネクタ(相手側コネクタ)
11 メス側アウタハウジング(相手側ハウジング)
1412 電線圧着端子(相手側端子)
20 オス側シールドコネクタ(コネクタ)
21 オス側アウタハウジング(ハウジング)
23 固定金具
2311 係止片(取付部)
233 側面覆い部
2331 係止片(取付部)
2332 突出片(基板固定部)
234 端面覆い部
2342 突出片(基板固定部)
2432 係止凹部(被取付部)
2441 係止凹部(被取付部)
245 嵌合空間
245a 挿入開口
248 端面
2483 側部端面
25 オス端子(端子)
30 回路基板(基板)