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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168448
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20241128BHJP
   H01G 2/14 20060101ALI20241128BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01K1/14 L
H01G2/14 108C
H01G2/14 106
H01G2/02 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085148
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】能勢 卓志
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056CL07
(57)【要約】
【課題】センサの位置決めを確実に行いながら小型化できるコンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】コンデンサ1はコンデンサ素子10の温度を計測するための温度センサユニット70を備え、温度センサユニット70のセンサ部71にはクリップ部75が設けられており、センサ部71とクリップ部75とによりコンデンサ素子10の端面電極に電気的に接続された第1のバスバー20を挟持することで温度センサユニット70を第1のバスバー20に固定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の端面電極を有するコンデンサ素子と、
前記一対の端面電極に電気的に接続される一対のバスバーを含むバスバー体と、
前記コンデンサ素子の状態を検知するセンサユニットと、
前記コンデンサ素子、前記バスバー体の一部および前記センサユニットの一部を封止する封止樹脂と
を備えるコンデンサにおいて、
前記センサユニットが、当該センサユニット自体により挟持することで、または、前記センサユニットが挟持されることで、前記センサユニットが固定される固定部をさらに備えることを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
前記固定部として、前記センサユニットはクリップ部を有しており、
前記クリップ部と前記センサユニットの本体部とにより、前記バスバー体の一部を挟持する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記センサユニットは、前記コンデンサ素子の状態を検知するセンサ部と、前記センサ部に接続されているケーブル部とを備え、
前記クリップ部は、前記センサ部に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記バスバー体は、前記一対のバスバーを互いに絶縁した状態にする絶縁部材をさらに備え、
前記絶縁部材が前記固定部として前記センサユニットを挟持する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記センサユニットは前記コンデンサ素子の温度を計測するための温度センサである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを有するコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミニウム、亜鉛などを蒸着した一対の金属化フィルムを重ね合わせて巻回または積層し、その一方の第1の端面および他方の第2の端面それぞれに亜鉛、はんだなどの金属を溶射して第1の端面電極および第2の端面電極が形成された金属化フィルムコンデンサ素子(ここでは、「コンデンサ素子」と記載する。)を、第1の端面電極に第1のバスバーを接続し、第2の端面電極に第2のバスバーを接続した状態で、一つの面が開口した箱状をした樹脂ケースに収容し、収容した後に樹脂ケースの空きスペースに樹脂を注入することで製造される、コンデンサがある。
【0003】
このようなコンデンサでは、使用状況によりコンデンサ素子の発熱または過電流などにより不具合が発生する場合がある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載されるように、ケース内に温度センサを配置してコンデンサ素子の過熱状態を検知するコンデンサがある。特許文献1に記載のコンデンサでは、隣り合う第1のコンデンサ素子および第2のコンデンサ素子を含む複数のコンデンサ素子を備え、第1のコンデンサ素子の側周面(湾曲部)と第2のコンデンサ素子の側周面(湾曲部)との間にはスペースが形成されており、当該スペースに温度センサが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2022/190708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のコンデンサでは、隣り合う第1のコンデンサ素子の側周面と第2のコンデンサ素子の側周面との間にスペースが形成されているとはいえ、当該スペースに温度センサを設置するために第1のコンデンサ素子と第2のコンデンサ素子とを離間して配置させる必要が生じる場合があり、コンデンサの小型化が困難という問題があった。一方、温度センサを固定するための構成を簡素化することでセンサ設置スペースを小さくしようとすると、温度センサの位置決めが不十分となるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、センサの位置決めを確実に行いながら小型化を図ることができるコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明に係るコンデンサは、一対の端面電極を有するコンデンサ素子と、前記一対の端面電極に電気的に接続される一対のバスバーを含むバスバー体と、前記コンデンサ素子の状態を検知するセンサユニットと、前記コンデンサ素子、前記バスバー体の一部および前記センサユニットの一部を封止する封止樹脂とを備えるコンデンサにおいて、前記センサユニットが、当該センサユニット自体により挟持することで、または、前記センサユニットが挟持されることで、前記センサユニットが固定される固定部をさらに備えることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、センサユニットが、センサユニット自体により挟持することで、または、センサユニットが挟持されることで、センサユニットが固定される固定部を有することにより、センサユニットの位置決めを確実に行いながらコンデンサの小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記固定部として、前記センサユニットはクリップ部を有しており、前記クリップ部と前記センサユニットの本体部とにより、前記バスバー体の一部を挟持するようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、センサユニットにクリップ部を設けてセンサユニットとクリップ部とによりバスバー体の一部を挟持することは、コンデンサの小型化に有利に作用する。
【0012】
また、前記センサユニットは、前記コンデンサ素子の状態を検知するセンサ部と、前記センサ部に接続されているケーブル部とを備え、前記クリップ部は、前記センサ部に設けられているとしてもよい。
【0013】
この構成によれば、コンデンサ素子に近い一対のバスバーの一方の近傍にセンサ部が配置されることになり、センサ部によるコンデンサ素子の状態の計測精度を高くすることができる。
【0014】
また、前記バスバー体は、前記一対のバスバーを互いに絶縁した状態にする絶縁部材をさらに備え、前記絶縁部材が前記固定部として前記センサユニットを挟持するようにしてもよい。絶縁部材が固定部としてセンサユニットを挟持することは、コンデンサの小型化に有利に作用する。
【0015】
また、前記センサユニットは前記コンデンサ素子の温度を計測するための温度センサであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、センサユニットの位置決めを確実に行いながら、コンデンサの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るコンデンサの斜視図である。
図2図1のコンデンサの封止樹脂を除く分解斜視図である。
図3】(a)は図1から図2の第1のバスバーの斜視図であり、(b)は(a)と異なる方向から見た第1のバスバーの斜視図である。
図4】(a)は図1から図2の第2のバスバーの斜視図であり、(b)は(a)と異なる方向から見た第2のバスバーの斜視図である。
図5】(a)は図1から図2のセンサユニットの全体の斜視図であり、(b)はセンサユニットの一部分の斜視図である。
図6】(a)は図1から図2のケースの斜視図であり、(b)は(a)と異なる方向から見たケースの斜視図である。
図7図1のコンデンサの製造プロセスを説明するための説明図である。
図8図7に続くコンデンサの製造プロセスを説明するための説明図である。
図9図8に続くコンデンサの製造プロセスを説明するための説明図である。
図10図9に続くコンデンサの製造プロセスを説明するための説明図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るコンデンサの一部部品の一部の斜視図である。
図12図11の第3の絶縁部材と温度センサユニットとを組み立てた状態での第3の絶縁部材と温度センサユニットとの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態に係るコンデンサ1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
1.コンデンサの構造
第1実施形態に係るコンデンサ1の構造について図1から図6を参照して説明する。なお、図1から図6の各図および図7から図10の各図のx軸、y軸、z軸は互いに同一方向であり、コンデンサ1が完成した状態でのケース80の開口面がxy面となり、ケース80の短辺側の側面がyz面となり、ケース80の長辺側の側面がzx面となるようにコンデンサ1および各構成要素(コンデンサ素子10、第1のバスバー20、第2のバスバー30、第1から第4の絶縁部材40,45,50,55、フィルタ用素子60、温度センサユニット70、ケース80、封止樹脂90)を図示している。なお、以下では、コンデンサ1をz軸正側または負側からz軸負側又は正側を見た平面視を「xy平面視」と記載し、x軸正側または負側からx軸負側または正側を見た平面視を「yz平面視」と記載し、y軸正側または負側からy軸負側または正側を見た平面視を「zx平面視」と記載する。
【0021】
コンデンサ1は、図1および図2に示すように、金属化フィルムコンデンサ素子(本実施形態では、3個の金属化フィルムコンデンサ素子10:以下、適宜、「コンデンサ素子」と記載する。)、第1のバスバー20、第2のバスバー30、第1から第4の絶縁部材40,45,50,55、4個のフィルタ用素子60、温度センサユニット70、ケース80、封止樹脂90を備える。なお、コンデンサ素子10が本発明の「コンデンサ素子」に相当する。また、第1のバスバー20および第2のバスバー30が本発明の「一対のバスバー」に相当する。また、第1、第2のバスバー20,30および第1から第4の絶縁部材40,45,50,55を含む部分が本発明の「バスバー体」に相当する。また、温度センサユニット70が本発明の「センサユニット」に相当する。
【0022】
3個のコンデンサ素子10は、図2に示すように、1行3列(x軸方向に3個、y軸方向に1個)のマトリックス状に配置されている。コンデンサ素子10は、例えば、平滑用コンデンサである。
【0023】
コンデンサ素子10は、それぞれ、図2に示すように、素子本体部11と、素子本体部11の一方の端面に、亜鉛などの金属の吹き付けにより形成された第1の端面電極12と、素子本体部11の他方の端面に、亜鉛などの金属の吹き付けにより形成された第2の端面電極13とを含むように構成される。なお、第1の端面電極12および第2の端面電極13が本発明の「一対の端面電極」に相当する。
【0024】
素子本体部11は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。なお、本実施形態の素子本体部11は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属同士の合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
【0025】
コンデンサ素子10の第1の端面電極12に第1のバスバー20が接触した状態で半田付けされることにより第1の端面電極12と第1のバスバー20とは電気的に接続される。また、第2の端面電極13に第2のバスバー30が接触した状態で半田付けされることにより第2の端面電極13と第2のバスバー30とは電気的に接続される。第1のバスバー20および第2のバスバー30は、それぞれ、銅などの導電性材料により形成される。本実施形態では、第1の端面電極12および第1のバスバー20をP極側とし、第2の端面電極13および第2のバスバー30をN極側とする。なお、第1の端面電極12および第1のバスバー20をN極側とし、第2の端面電極13および第2のバスバー30をP極側としてもよい。
【0026】
第1のバスバー20は、上述したように、銅などの導電性材料により形成されており、図3(a),(b)に示す形状をしている。
【0027】
第1のバスバー20は、コンデンサ素子10の第1の端面電極12の各々と接触する、xy平面視で外形が略矩形をした平板状の端面電極接触部21を有する。端面電極接触部21には、複数箇所に切欠部21aが形成され、第1のバスバー20を第1の端面電極12に半田付けする際に利用される突出部21bが貫通部21aに形成されている。また、端面電極接触部21には、複数箇所に切欠部(貫通部)21cが形成され、温度センサユニット70のケーブル部72の固定に利用される突起部21dが形成されている。
【0028】
また、第1のバスバー20は、xy平面視で端面電極接触部21の2つの長辺のうちの一方の長辺(y軸正側の長辺)から延在する第1の引出部22を有する。第1の引出部22は、当該一方の長辺から上向きに延在する第1の部分22aと、第1の部分22aの端面電極接触部21と反対側の端部の3箇所に当該箇所から折れ曲がりながら上向きに延在する第2の部分22bとを有する。
【0029】
また、第1のバスバー20は、第1の引出部22の第2の部分22b毎に、第2の部分22bの第1の部分22aと反対側の端部から外向きに延在する、第1の外部接続端子部23を有する。第1の外部接続端子部23の各々には、xy平面視で略円形状の貫通部23aが形成されており、当該貫通部23aを利用して第1のバスバー20と外部配線との締結が行われる。
【0030】
また、第1のバスバー20は、xy平面視で端面電極接触部21の2つの長辺のうちの他方の長辺(y軸負側の長辺)から延在する第2の引出部24を有する。第2の引出部24は、当該他方の長辺から折れ曲がりながら上向きに延在する第1の部分24aと、第1の部分24aの端面電極接触部21と反対側の端部の3箇所に当該箇所から上向きに延在する第2の部分24bとを有する。
【0031】
また、第1のバスバー20は、第2の引出部24の第2の部分24b毎に、第2の部分24bの第1の部分24aと反対側の端部から外向きに延在する、第2の外部接続端子部25を有する。第2の外部接続端子部25の各々には、xy平面視で略円形状の貫通部25aが形成されており、当該貫通部25aを利用して第1のバスバー20と外部配線との締結が行われる。
【0032】
また、第1のバスバー20は、xy平面視で端面電極接触部21の2つの短辺のうちの一方の短辺(x軸負側の短辺)から外側に延在する被挟持部26を有する。被挟持部26は温度センサユニット70のセンサ部71(本体部)に設けられたクリップ部75(図5(a),(b)参照)と温度センサユニット70のセンサ部71(図5(a),(b)参照)とで挟まれる部分である。本実施形態では、クリップ部75とセンサ部71が本発明の「固定部」に相当する。
【0033】
また、第1のバスバー20は、被挟持部26の端面電極接触部21と反対側の端部から延在するケース取付部27を有する。ケース取付部27は、被挟持部26の端面電極接触部21と反対側の端部から水平に延在し、コンデンサ1が組み立てられた状態でケース80の第4の側部85に設けられたバスバー載置部85a(図6(a),(b)参照)に被挟持部26が載置される。また、ケース取付部27は、被挟持部26の端面電極接触部21と反対側の端部から上向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の内壁面に沿って上昇する、ケース内壁上昇部27bを有する。また、ケース取付部27は、ケース内壁上昇部27bの被挟持部26と反対側の端部から外向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の上縁部を跨ぐケース上縁跨ぎ部27cを有する。また、ケース取付部27は、ケース上縁跨ぎ部27cのケース内壁上昇部27bと反対側の端部から下向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の外壁面に沿って降下するケース外壁降下部27dを有する。ケース外壁降下部27dには、yz平面視で略円形状の貫通部27daが形成されており、当該貫通部27daを利用して第1のバスバー20とケース80との締結が行われる。
【0034】
第1のバスバー20は、例えば、端面電極接触部21、第1の引出部22、第1の外部接続端子部23、第2の引出部24、第2の外部接続端子部25、被挟持部26、および、ケース取付部27に相当する部分を有する1枚の平板を、金型を利用して製作した後に折り曲げ加工により製作される。
【0035】
第2のバスバー30は、上述したように、銅などの導電性材料により形成されており、図4(a),(b)に示す形状をしている。
【0036】
第2のバスバー30は、コンデンサ素子10の第2の端面電極13の各々と接触する、xy平面視で外形が略矩形をした平板状の端面電極接触部31を有する。端面電極接触部31には、複数箇所に切欠部31aが形成され、第2のバスバー30を第2の端面電極13に半田付けする際に利用される突出部31bが切欠部31aに形成されている。
【0037】
また、第2のバスバー30は、xy平面視で端面電極接触部31の2つの長辺のうちの一方の長辺(y軸正側の長辺)から延在する第1の引出部32を有する。第1の引出部32は、当該一方の長辺から上向きに延在する第1の部分32aと、第1の部分32aの端面電極接触部31と反対側の端部の3箇所に当該箇所から折れ曲がりながら上向きに延在する第2の部分32bとを有する。
【0038】
また、第2のバスバー30は、第1の引出部32の第2の部分32b毎に、第2の部分32bの第1の部分32aと反対側の端部から外向きに延在する、第1の外部接続端子部33を有する。第1の外部接続端子部33の各々には、xy平面視で略円形状の貫通部33aが形成されており、当該貫通部33aを利用して第2のバスバー30と外部配線との締結が行われる。
【0039】
また、第2のバスバー30は、xy平面視で端面電極接触部31の2つの長辺のうちの他方の長辺(y軸負側の長辺)から延在する第2の引出部34を有する。第2の引出部34は、当該他方の長辺から折れ曲がりながら上向きに延在する第1の部分34aと、第1の部分34aの端面電極接触部31と反対側の端部の3箇所に当該箇所から上向きに延在する第2の部分34bとを有する。
【0040】
また、第2のバスバー30は、第2の引出部34の第2の部分34b毎に、第2の部分34bの第1の部分34aと反対側の端部から外向きに延在する、第2の外部接続端子部35を有する。第2の外部接続端子部35の各々には、xy平面視で略円形状の貫通部35aが形成されており、当該貫通部35aを利用して第2のバスバー30と外部配線との締結が行われる。
【0041】
また、第2のバスバー30は、xy平面視で端面電極接触部31の2つの短辺のうちの一方の短辺(x軸負側の短辺)から延在するケース取付部36を有する。ケース取付部36は、当該一方の短辺から上向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の内壁面に沿って上昇する、ケース内壁上昇部36aを有する。また、ケース取付部36は、ケース内壁上昇部36aの端面電極接触部31と反対側の端部から水平に延在し、ケース80の第4の側部85に設けられたバスバー載置部85a(図6(a),(b)参照)に載る搭載部36bを有する。また、ケース取付部36は、搭載部36bのケース内壁上昇部36aと反対側の端部から上向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の内壁面に沿って上昇する、ケース内壁上昇部36cを有する。また、ケース取付部36は、ケース内壁上昇部36cの搭載部36bと反対側の端部から外向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の上縁部を跨ぐケース上縁跨ぎ部36dを有する。また、ケース取付部36は、ケース上縁跨ぎ部36dのケース内壁上昇部36cと反対側の端部から下向きに延在し、ケース80の第4の側部85(図6(a),(b)参照)の外壁面に沿って降下するケース外壁降下部36eを有する。ケース外壁降下部36eには、yz平面視で略円形状の貫通部36eaが形成されており、当該貫通部36eaを利用して第2のバスバー30とケース80との締結が行われる。
【0042】
第2のバスバー30は、例えば、端面電極接触部31、第1の引出部32、第1の外部接続端子部33、第2の引出部34、第2の外部接続端子部35、および、ケース取付部36に相当する部分を有する1枚の平板を、金型を利用して製作した後に折り曲げ加工により製作される。
【0043】
第1~第4の絶縁部材40、45、50、55は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂などにより形成されている。第1の絶縁部材40は、図2に示すように、折れ曲がった板状である。第1の絶縁部材40は、第1のバスバー20の第1の引出部22の第1の部分22aと第2の部分22bのうちの付け根部分とに対向し、これらよりも内側(y軸負側)にこれらの近傍に配置される。
【0044】
第2の絶縁部材45は、図2に示すように、折れ曲がった板状である。第2の絶縁部材45は、第1のバスバー20の第2の引出部24の第1の部分24aに対向し、これよりも内側(y軸正側)にこれの近傍であって第2の引出部24の第1の部分24aと端面電極接触部21に形成された突起部21dとの間に第2の絶縁部材45の下縁部分が嵌め込まれるように配置される。
【0045】
第3の絶縁部材50は、図2に示すように、折れ曲がった板状の第1の部分51と、第1の部分51の一の辺(zx平面視でx軸負側の辺)から垂直に折れ曲がって延在する第2の部分52とを有し、これらを一体として成形したものである。第3の絶縁部材50は、第1の部分51が第1のバスバー20の第1の引出部22の第1の部分22aおよび第2の部分22bの付け根部分と、第2のバスバー30の第1の引出部32の第1の部分32aおよび第2の部分32bの付け根部分との間に配置され、第2の部分52が第1のバスバー20の端面電極接触部21の側面と第2のバスバー30のケース取付部36のケース内壁上昇部36aとの間に配置される。
【0046】
第4の絶縁部材55は、図2に示すように、折れ曲がった板状である。第4の絶縁部材55は、第1のバスバー20の第2の引出部24の第1の部分24aと、第2のバスバー30の第2の引出部34の第1の部分34aとの間に配置される。
【0047】
コンデンサ1を組み立てた状態では、第3の絶縁部材50と第4の絶縁部材55とにより、第1のバスバー20と第2のバスバー30とを絶縁した状態とする。
【0048】
4個のフィルタ用素子60は、例えば、コモンモードノイズ対策のためのラインバイパスコンデンサであり、うち2個が高電圧側(P極側)とグランド(GND)間に、残り2個が低電圧側(N極側)とグランド(GND)間に接続される(接続構成は不図示)。4個のフィルタ用素子60は、第2のバスバー30のケース取付部36のケース内壁上昇部36aと、3個のコンデンサ素子10のうちのケース内壁上昇部36aに最も近いコンデンサ素子10の周面との間に配置される。
【0049】
温度センサユニット70は、温度を計測するセンサユニットであり、図5(a),(b)に示す形状をしている。温度センサユニット70は、コンデンサ素子10の状態としてコンデンサ素子10の温度を計測するためのものであり、本実施形態では、コンデンサ素子10の温度に近い第1のバスバー20の近傍の温度を計測する。
【0050】
温度センサユニット70は、温度を計測するセンサ部71と、センサ部71に接続され、センサ部で検知した信号を外部に伝達するケーブル部72と、ケーブル部72のセンサ部71と反対側の端部に設けられた、外部機器と接続するためのコネクタ部73と、ケーブル部72の一部の周囲を囲み、ケーブル部72を絶縁するための保護チューブ部74とを有する。なお、センサ部71が本発明の「センサ部」に相当し、ケーブル部72が本発明の「ケーブル部」に相当する。
【0051】
温度センサユニット70のセンサ部71に、クリップ部75が設けられている。クリップ部75とセンサ部71とにより、クリップ部75とセンサ部71との隙間75aに第1のバスバー20の被挟持部26を差し込み、クリップ部75とセンサ部71とにより第1のバスバー20の被挟持部26を挟持することで(図8(b)参照)、センサ部71を第1のバスバー20の近傍位置に固定する。なお、クリップ部75とセンサ部71とが本発明の「固定部」を形成する構成要素に相当し、クリップ部75が本発明の「クリップ部」に相当する。
【0052】
コンデンサ1が組み立てられた状態では、センサ部71とクリップ部75とで第1のバスバー20の被挟持部26を挟持し、第1のバスバー20の第2の引出部24の内側に配置された第2の絶縁部材45と第1のバスバー20の端面電極接触部21に形成された突起部21dとの間にケーブル部72を嵌め込むことにより、温度センサユニット70は、第1のバスバー20に対して固定される。
【0053】
ケース80は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂やプラスチックなどの有機材料、セラミックなどの無機材料などの種々の材料で形成することができ、図6(a),(b)に示す形状をしている。
【0054】
ケース80は、一方に開口部80aを有する箱状をしており、xy平面視で外形が略長方形をした平板状の底部81と、底部81の各辺から上方向に延在する第1から第4の側部82~85を有する。
【0055】
第4の側部85の内壁面には、コンデンサ1を組み立てた状態で第1のバスバー20の被挟持部26および第2のバスバー30のケース取付部36の搭載部36bを載せるバスバー載置部85aが設けられている。また、ケース80は、第4の側部85の外壁面に鍔部86を有する。
【0056】
鍔部86には、第1のバスバー20のケース取付部27のケース外壁降下部27dが嵌め込まれて第1のバスバー20の位置決めに利用される第1のガイド部86aが設けられている。また、第4の側部85の第1のガイド部86aが位置する部分には貫通部86aaが形成されており、第1のバスバー20がケース80の第1のガイド部86aに対して正規な位置に配置された場合には、貫通部86aaは第1のバスバー20の貫通部27daにyz平面視で重なる。貫通部27daと貫通部86aaとを利用して、第1のバスバー20とケース80とは締結される。
【0057】
また、鍔部86には、第2のバスバー30のケース取付部36のケース外壁降下部36eが嵌め込まれて第2のバスバー30の位置決めに利用される第2のガイド部86bが設けられている。また、第4の側部85の第2のガイド部86bが位置する部分には貫通部86baが形成されており、第2のバスバー30がケース80の第2のガイド部86bに対して正規な位置に配置された場合には、貫通部86baは第2のバスバー30の貫通部36eaにyz平面視で重なる。貫通部36eaと貫通部86baとを利用して、第2のバスバー30とケース80とは締結される。
【0058】
また、鍔部86には、上下方向(z軸正負方向)に貫通した貫通部86c,86dが設けられている。コンデンサ1は、ケース80の貫通部86c,86dを利用して、外部部品に取り付けられる。
【0059】
ケース80は、底部81、第1から第4の底部82~85、および、鍔部86を一体として成形したものである。
【0060】
封止樹脂90は、コンデンサ素子10、第1のバスバー20の一部、第2のバスバー30の一部、第1から第4の絶縁部材40,45,50,55の一部、4個のフィルタ用素子60、温度センサユニット70の一部を封止するもので、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。なお、封止樹脂90は、エポキシ樹脂に限らず、電子部品の封止樹脂として採用される種々の絶縁材料を用いることができる。なお、封止樹脂90は、液体の状態でケース80にケース80の開口部80aから注入された後、硬化することで形成される。
【0061】
2.コンデンサの製造プロセス
以下、上述した構造のコンデンサ1の製造プロセスについて図7から図10を参照して説明する。なお、下記で説明するコンデンサ1の製造プロセスは一例であって、最終的にコンデンサ1を図1の状態に組み立てることができる組み立て順であればよい。
【0062】
図7(a)に示すように、第3の絶縁部材50を第2のバスバー30の第1の引出部32の第1の部分32aおよび第2の部分32bの付け根部分に対向し、これらよりも内側(y軸負側)のこれらの近傍に配置し、第4の絶縁部材55を第2のバスバー30の第2の引出部34の第1の部分34aに対向し、これよりも内側(y軸正側)のこの近傍に配置する。
【0063】
また、4個のフィルタ用素子60を、第3の絶縁部材50と第4の絶縁部材55との間であって、第2のバスバー30のケース取付部36のケース内壁上昇部36a側寄りに配置する。また、3個のコンデンサ素子10の第2の端面電極13の各々が第2のバスバー30の端面電極接触部31の上面(z軸正側の面)に接触するように、3個のコンデンサ素子10を、第3の絶縁部材50と第4の絶縁部材55との間であって、第2のバスバー30のケース取付部36のケース内壁上昇部36aと反対側寄りに配置する。この状態で、第2のバスバー30の突出部31bを利用して第2のバスバー30を3個のコンデンサ素子10の第2の端面電極13の各々に半田付けして第2のバスバー30と当該第2の端面電極13の各々とを電気的に接続する。
【0064】
また、第1のバスバー20の端面電極接触部21の下面(z軸負側の面)が3個のコンデンサ素子10の第1の端面電極12の各々に接触するように、第1のバスバー20を、第2の絶縁部材50と第4の絶縁部材55との間に配置する。この状態で、第1のバスバー20の突出部21bを利用して第1のバスバー20を3個のコンデンサ素子10の第1の端面電極12の各々に半田付けして第1のバスバー20と当該第1の端面電極12の各々とを電気的に接続する。この状態では、第1のバスバー20と第2のバスバー30とは、第3の絶縁部材50と第4の絶縁部材55とにより、絶縁された状態にある。
【0065】
また、第1の絶縁部材40を第1のバスバー20の第1の引出部22の第1の部分22aおよび第2の部分の32bの付け根部分に対向し、これらよりも内側(y軸負側)のこれらの近傍に配置し、第2の絶縁部材45を第1のバスバー20の第2の引出部24に対向し、これよりも内側(y軸正側)のこの近傍に配置する。
【0066】
これらの製造プロセスにより、図7(b)に示す状態となる。
【0067】
図8(a)に示すように、センサ部71とクリップ部75とで第1のバスバー20の被挟持部26を挟持するように、温度センサユニット70を第1のバスバー20に取り付ける。この際、第2の絶縁部材45と第1のバスバー20の端面電極接触部21に形成された突起部21dとの間にケーブル部72を嵌め込むことで位置決めする。これにより、図8(b)に示す状態となる。図8(b)の状態にあるユニットを、以下では、センサ付きコンデンサユニット5と記載する。
【0068】
図9(a)に示すように、第1のバスバー20のケース取付部27のケース外壁降下部27dがケース80の第1のガイド部86aに嵌め込まれ、第2のバスバー30のケース取付部36のケース外壁降下部36eがケース80の第2のガイド部86bに嵌め込まれるように、センサ付きコンデンサユニット5をケース80の開口部80aからケース80に収容する。これにより、図9(b)に示す状態となる。
【0069】
センサ付きコンデンサユニット5の一部(コンデンサ素子10、第1のバスバー20の一部、第2のバスバー30の一部、第1から第4の絶縁部材40,45,50,55の一部、フィルタ用素子60、温度センサユニット70の一部)をケース80に収容した状態で、図10(a)に示すように、ケース80の開口部80aから、液体のエポキシ樹脂などの封止樹脂90を注入し、所定の硬化温度で硬化させることで、図10(b)に示すコンデンサ1が完成する。
【0070】
3.効果
以上の第1実施形態によれば、温度センサユニット70のセンサ部71に当該センサ部71とで第1のバスバー20の被挟持部26を挟持するクリップ部75を設けることによりセンサ部71の確実な位置決めを行いながら、隣り合うコンデンサ素子10の周面間の距離をセンサ部71の寸法以上確保する必要がなくなって、コンデンサ1の小型化を図ることができる。
【0071】
また、第1のバスバー20の挟持に利用するクリップ部75をセンサ部71に設けることで、コンデンサ素子10の温度に近い第1のバスバー20の近傍にセンサ部71を配置することができ、センサ部71によるコンデンサ素子10の温度の計測精度を高くすることができる。
【0072】
≪第2実施形態≫
以下、本発明の第2実施形態に係るコンデンサ1Aについて、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態のコンデンサ1では、温度センサユニット70のセンサ部71とセンサ部71に設けたクリップ部75とにより第1のバスバー20の被挟持部26を挟持して温度センサユニット70を固定する固定部を構成するのに対して、本実施形態のコンデンサ1Aでは、第3の絶縁部材50Aに設けた一対の突起部55Aにより温度センサユニット70Aのケーブル部72Aを挟持して温度センサユニット70Aを固定する固定部を構成する点で異なっている。
【0073】
第2実施形態のコンデンサ1Aについて図11および図12を参照して詳細に説明する。コンデンサ1Aは、図11および図12に示すように、一対の端面電極を有するコンデンサ素子10と、一対の端面電極に電気的に接続される一対のバスバー(第1のバスバー20A、第2のバスバー30A)と、第1のバスバー20Aの表面側に配置される第1の絶縁部材40Aと、第1のバスバー20Aと第2のバスバー30Aとを互いに絶縁した状態にする第3の絶縁部材50Aと、温度センサユニット70Aと、ケース(不図示)と、封止樹脂(不図示)とを有する。ケースは、コンデンサ素子10、第1のバスバー20Aの一部、第2のバスバー30Aの一部、第1、第3の絶縁部材40A,50Aの一部、および、温度センサユニット70Aの一部などを収容し、封止樹脂は、コンデンサ素子10、第1のバスバー20Aの一部、第2のバスバー30Aの一部、第1、第3の絶縁部材40A,50Aの一部、および、温度センサユニット70Aの一部などを収容した状態のケースに注入される。
【0074】
第3の絶縁部材50Aは、図12に示すように、第1のバスバー20Aと第2のバスバー30Aとの間に配置されて第1のバスバー20Aと第2のバスバー30Aとを絶縁した状態にする第1の部分51Aと、第1の部分51Aからほぼ垂直に折れ曲がった第2の部分52Aとを有する。また、第3の絶縁部材50Aは、第2の部分52Aに一対の突起部(第1の突起部53A、第2の突起部53B)が設けられている。なお、第3の絶縁部材50Aが本発明の「絶縁部材」に相当する。第1、第2のバスバー20A,30Aおよび第3の絶縁部材50Aを含む部分が本発明の「バスバー体」に相当する。また、温度センサユニット70Aにおける一対の突起部(第1の突起部53A、第2の突起部53B)によって挟持される部分が本発明の「固定部」に相当する。
【0075】
温度センサユニット70Aは、温度を計測するセンサユニットであり、図12に示す形状をしている。温度センサユニット70Aは、コンデンサ素子10の温度を計測するためのものであり、本実施形態では、コンデンサ素子10の温度に近い第1のバスバー20Aおよび第2のバスバー30Aの近傍の温度を計測する。
【0076】
温度センサユニット70Aは、温度を計測するセンサ部71Aと、センサ部71Aに接続されているケーブル部72Aと、ケーブル部72Aのセンサ部71Aと反対側の端部に設けられた、外部機器と接続するためのコネクタ部73Aと、ケーブル部72Aの一部の周囲を囲み、ケーブル部72Aを絶縁するための保護チューブ部74Aとを有する。
【0077】
温度センサユニット70Aは、図11および図12に示すように、ケーブル部72Aのうちのセンサ部71Aの近傍部分が第3の絶縁部材50Aの第1の突起部53Aと第2の突起部53Bとの間に配置されて第1の突起部53Aと第2の突起部53Bとにより挟持される。このようにして、温度センサユニット70は第3の絶縁部材50Aに固定される。
【0078】
以上の第2実施形態によれば、第3の絶縁部材50Aに温度センサユニット70Aのケーブル部72Aを挟持する一対の突起部(第1の突起部53A、第2の突起部53B)を設けることによりセンサ部71Aの確実な位置決めを行いながら、隣り合うコンデンサ素子10の周面間の距離をセンサ部71Aの寸法以上確保する必要がなくなって、コンデンサ1Aの小型化を図ることができる。
【0079】
また、センサ部71Aが第1のバスバー20Aと第2のバスバー30Aとの近傍となるように、第1の突起部53Aと第2の突起部53Bとで挟持するケーブル部72Aの部分を設定することにより、コンデンサ素子10の温度に近い第1のバスバー20Aと第2のバスバー30Aの近傍にセンサ部71Aを配置することができ、センサ部71Aによるコンデンサ素子10の温度の計測精度を高くすることができる。
【0080】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0081】
例えば、上記の第1実施形態では、クリップ部75をセンサ部71に設けるとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、クリップ部をケーブル部72に設けてケーブル部72とクリップ部とで第1のバスバー20を挟持するようにしてもよい。
【0082】
また、上記の第1実施形態では、センサ部71とクリップ部75とで挟持する対象を、一対のバスバー(第1のバスバー20、第2のバスバー30)のうちの一方のバスバー(第1のバスバー20)としているが、これに限定されるものではなく、例えば、一対のバスバーの双方であってもよいし、一対のバスバーの一方又は双方および絶縁部材であってもよいし、絶縁部材であってもよい。
【0083】
また、上記の第2実施形態では、第3の絶縁部材50Aの第1の突起部53Aと第2の突起部53Bとで温度センサユニット70Aのケーブル部72Aのうちのセンサ部71A近傍部分を挟持するとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、第3の絶縁部材50Aの第1の突起部53Aと第2の突起部53Bとで温度センサユニット70Aのケーブル部72Aのうちのセンサ部71A近傍部分以外の部分を挟持するようにしてもよいし、センサ部71Aを挟持するようにしてもよい。
【0084】
また、上記の第2実施形態では、第3の絶縁部材50Aに2つの突起部(第1の突起部53A、第2の突起部53B)を設けて温度センサユニット70Aのケーブル部72Aを挟持するとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、第3の絶縁部材50Aに凹部を設けて温度センサユニット70Aのケーブル部72Aを当該凹部に嵌め込んで挟持するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ケース内に3個のコンデンサ素子10を収容しているが、コンデンサ素子の数は任意である。また、上記実施形態では、コンデンサ素子10の他にフィルタ用コンデンサ60も収容しているが、フィルタ用コンデンサ60はなくてもよい(収容は任意)。さらに、上記実施形態では、コンデンサ素子をケースに収容してケース内に封止樹脂を充填しているが、ケースがない状態(ケースレス)でコンデンサ素子を封止樹脂で封止してもよい。
【0086】
また、上記の実施形態で説明した内容や上記の変形例で説明した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0087】
本発明は、温度や温度以外にもコンデンサ素子の状態を検知するセンサを有するコンデンサに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1,1コンデンサ
10:コンデンサ素子
11:素子本体部
12:第1の端面電極
13:第2の端面電極
20,20A:第1のバスバー
30,30A:第2のバスバー
40,45,50,55:第1から第4の絶縁部材
40A,50A:第1、第3の絶縁部材
53A:第1の突起部
53B:第2の突起部
70,70A:温度センサユニット
71,71A:センサ部
72,72A:ケーブル部
75:クリップ部
80:ケース
90:封止樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12