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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168456
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】潤滑油供給装置
(51)【国際特許分類】
   F16N 7/36 20060101AFI20241128BHJP
   F16N 7/38 20060101ALI20241128BHJP
   F16N 13/06 20060101ALI20241128BHJP
   F01D 25/20 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F16N7/36
F16N7/38 D
F16N13/06
F01D25/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085160
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 秀和
(57)【要約】
【課題】コストの低減を容易に実現可能な潤滑油供給装置を提供する。
【解決手段】ジャッキング油供給部は、一端側ジャッキング油ポンプと他端側ジャッキング油ポンプとバックアップ用ジャッキング油供給切替部とバックアップ用ジャッキング油供給切替部とを有する。バックアップ用ジャッキング油ポンプは、バックアップ用ジャッキング油路から一端側ジャッキング油路を経由して一端側軸受に潤滑油を供給すると供に、バックアップ用ジャッキング油路から他端側ジャッキング油路を経由して他端側軸受に潤滑油を供給する。バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、一端側ジャッキング油ポンプの故障が発生したとき、バックアップ用ジャッキング油ポンプから一端側軸受へ潤滑油を供給し、他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したとき、バックアップ用ジャッキング油ポンプから他端側軸受へ潤滑油を供給する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が水平方向に沿ったロータを回転自在に支持するために、前記ロータの一端側に設けられた一端側軸受、および、前記ロータの他端側に設けられた他端側軸受へ潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、
前記ロータを鉛直方向にジャッキアップするときに、前記一端側軸受および前記他端側軸受へ前記潤滑油を供給するジャッキング油供給部
を備え、
前記ジャッキング油供給部は、
一端側ジャッキング油路を介して、前記一端側軸受へ前記潤滑油を供給するように構成された一端側ジャッキング油ポンプと、
他端側ジャッキング油路を介して、前記他端側軸受へ前記潤滑油を供給するように構成された他端側ジャッキング油ポンプと、
バックアップ用ジャッキング油路から前記一端側ジャッキング油路を経由して前記一端側軸受に前記潤滑油を供給すると供に、前記バックアップ用ジャッキング油路から前記他端側ジャッキング油路を経由して前記他端側軸受に前記潤滑油を供給するように構成されたバックアップ用ジャッキング油ポンプと、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間、および、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に介在しているバックアップ用ジャッキング油供給切替部と
を有し、
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときには、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから前記一端側軸受へ前記潤滑油を供給し、
前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときには、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから前記他端側軸受へ前記潤滑油を供給するように、前記潤滑油の供給を切り替えるように構成されている、
潤滑油供給装置。
【請求項2】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記他端側ジャッキング油路に連通している第1遮断弁と、
前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記一端側ジャッキング油路に連通している第2遮断弁と
を有し、
前記第1遮断弁は、前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記他端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されており、
前記第2遮断弁は、前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記一端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項3】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間、および、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、第1パイロットポートが前記他端側ジャッキング油路に連通し、第2パイロットポートが前記一端側ジャッキング油路に連通している遮断弁
を有し、
前記遮断弁は、
前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記他端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されていると供に、
前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記一端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項4】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記他端側ジャッキング油路に連通している第1パイロットチェック弁と、
前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記一端側ジャッキング油路に連通している第2パイロットチェック弁と
を有し、
前記第1パイロットチェック弁は、前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記他端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されており、
前記第2パイロットチェック弁は、前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記一端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項5】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記一端側ジャッキング油路に連通している第1ダンプ弁と、
前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されており、パイロットポートが前記他端側ジャッキング油路に連通している第2ダンプ弁と
を有し、
前記第1ダンプ弁は、前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記一端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されており、
前記第2ダンプ弁は、前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生し、前記他端側ジャッキング油路における前記潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項6】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されている第1電磁弁と、
前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されている第2電磁弁と
を有し、
前記第1電磁弁は、前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されており、
前記第2電磁弁は、前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項7】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間、および、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間に設置されている電磁弁
を有し、
前記電磁弁は、
前記他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときに、前記他端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されていると供に、
前記一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときに、前記一端側ジャッキング油路と前記バックアップ用ジャッキング油路との間を遮断状態から連通状態に切り替えるように構成されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項8】
前記一端側ジャッキング油路は、
前記一端側ジャッキング油ポンプから前記潤滑油が前記一端側軸受へ流れる第1のジャッキング油逆止弁
を備え、
前記他端側ジャッキング油路は、
前記他端側ジャッキング油ポンプから前記潤滑油が前記他端側軸受へ流れる第2のジャッキング油逆止弁
を備え、
前記第1のジャッキング油逆止弁は、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから前記一端側軸受へ供給される前記潤滑油が、前記一端側ジャッキング油ポンプへ逆流することを防止するように、前記一端側ジャッキング油路に設置されており、
前記第2のジャッキング油逆止弁は、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから前記他端側軸受へ供給される前記潤滑油が、前記他端側ジャッキング油ポンプへ逆流することを防止するように、前記他端側ジャッキング油路に設置されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項9】
前記バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、
前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから吐出された前記潤滑油が前記一端側ジャッキング油路へ流れる第1のバックアップ用ジャッキング油逆止弁と、
前記バックアップ用ジャッキング油ポンプから吐出された前記潤滑油が前記他端側ジャッキング油路へ流れる第2のバックアップ用ジャッキング油逆止弁と
を備え、
前記第1のバックアップ用ジャッキング油逆止弁は、前記一端側ジャッキング油路において前記第1のジャッキング油逆止弁から流出した前記潤滑油が、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプへ逆流することを防止するように設置されており、
前記第2のバックアップ用ジャッキング油逆止弁は、前記他端側ジャッキング油路において前記第2のジャッキング油逆止弁から流出した前記潤滑油が、前記バックアップ用ジャッキング油ポンプへ逆流することを防止するように設置されている、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【請求項10】
前記ロータは、タービンを構成するタービンロータと発電機を構成する発電機ロータとの少なくとも1つである、
請求項1に記載の潤滑油供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、潤滑油供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電設備は、タービン(蒸気タービン等)および発電機を構成するロータを回転自在に支持する軸受に、潤滑油供給装置が潤滑油を供給するように構成されている。
【0003】
潤滑油供給装置は、例えば、定格運転を行う際に主油ポンプから潤滑油を供給する。しかし、例えば、起動過程で行うターニング運転のように、ロータの回転速度が定格運転時よりも低い状態である場合には、ロータによって軸受が受ける圧力が大きくなるため、主油ポンプが吐出する潤滑油の圧力では、ロータが十分に浮き上がらない場合がある。このため、潤滑油供給装置は、ジャッキング油ポンプを更に設け、ジャッキング油ポンプが潤滑油を軸受に供給し、ロータを鉛直方向にジャッキアップさせることによって、ロータの浮き上がり量を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-107206号公報
【特許文献2】特開平01-283431号公報
【特許文献3】特開昭59-54896号公報
【特許文献4】特開昭64-65392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[A]発電設備の構成
図9Aは、関連技術に係る発電設備の一例を模式的に示す図である。
【0006】
図9Aに示すように、発電設備は、例えば、高圧タービン1と中圧タービン2と第1低圧タービン3と第2低圧タービン4と発電機5とを有する。
【0007】
高圧タービン1と中圧タービン2と第1低圧タービン3と第2低圧タービン4と発電機5とのそれぞれは、ロータ1R,2R,3R,4R,5Rを備える。ロータ1R,2R,3R,4R,5Rのそれぞれは、回転軸が水平方向(x方向)に沿っており、一端側に一端側軸受1a,2a,3a,4a,5aが設置され、他端側に他端側軸受1b,2b,3b,4b,5bが設置されている。一端側軸受1a,2a,3a,4a,5aおよび他端側軸受1b,2b,3b,4b,5bは、ラジアル軸受であって、ロータ1R,2R,3R,4R,5Rを回転自在に支持している。
【0008】
ロータ1R,2R,3R,4Rのそれぞれは、高圧タービン1と中圧タービン2と第1低圧タービン3と第2低圧タービン4とのそれぞれにおいて、水蒸気などの作動媒体が導入されることで回転する。そして、高圧タービン1と中圧タービン2と第1低圧タービン3と第2低圧タービン4とのそれぞれにおいてロータ1R,2R,3R,4Rが回転することによって、発電機5のロータ5Rが回転することで、発電機5において発電が行われる。なお、ロータ2Rの一端側には、ラジアル軸受である一端側軸受2aの他に、スラスト軸受21が設けられている。
【0009】
発電設備は、図9Aに示すように、上記の他に、潤滑油供給装置100Jを備える。潤滑油供給装置100Jは、主油タンク6と主油ポンプ7と油冷却器8とジャッキング油供給部10Jとを有する。
【0010】
主油タンク6は、潤滑油を貯蔵するように構成されている。
【0011】
主油ポンプ7は、主油タンク6が貯蔵する潤滑油を吐出するように構成されている。
【0012】
油冷却器8は、油路L6を介して、主油ポンプ7に連通しており、主油タンク6が貯蔵する潤滑油が主油ポンプ7によって供給される。そして、油冷却器8は、その供給された潤滑油を冷却する。油冷却器8は、油路L8を介して、一端側軸受1a,2a,3a,4a,5a、および、他端側軸受1b,2b,3b,4b,5bに連通している。油冷却器8によって冷却した潤滑油は、油路L8を介して、一端側軸受1a,2a,3a,4a,5a、および、他端側軸受1b,2b,3b,4b,5bに供給される。
【0013】
ジャッキング油供給部10Jは、油冷却器8によって冷却した潤滑油が油路L8を介して供給される。ジャッキング油供給部10Jは、一端側ジャッキング油供給部10aと他端側ジャッキング油供給部10bとを含み、ロータ3R,4R,5Rを鉛直方向(z方向)にジャッキアップするときに、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bへ潤滑油を供給するように構成されている。
【0014】
一端側ジャッキング油供給部10aは、油路L10a(一端側ジャッキング油路)を介して、一端側軸受3a,4a,5aへ、油冷却器8が冷却した潤滑油を供給するように構成されている。一端側ジャッキング油供給部10aと一端側軸受3a,4a,5aとの間には、油量調整弁13a,14a,15aが設けられており、油冷却器8が冷却した潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。
【0015】
他端側ジャッキング油供給部10bは、油路L10b(他端側ジャッキング油路)を介して、他端側軸受3b,4b,5bへ、油冷却器8が冷却した潤滑油を供給するように構成されている。他端側ジャッキング油供給部10bと他端側軸受3b,4b,5bとの間には、油量調整弁13b,14b,15bが設けられており、油冷却器8が冷却した潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。
【0016】
[B]ジャッキング油供給部10Jの詳細
図9Bは、関連技術に係る潤滑油供給装置100Jにおいて、ジャッキング油供給部10Jの一端側ジャッキング油供給部10aの一例を模式的に示す図である。
【0017】
図9Bに示すように、一端側ジャッキング油供給部10aには、油路L101,L102,L103,L301,L302,L303,L500,L510が設けられている。
【0018】
[B-1]油路L500
一端側ジャッキング油供給部10aにおいて、油路L500は、油路L8(図9A参照)に接続されている。油路L500には、油路L8の側に位置する一端側から他端側に向けて、連結部J500aと連結部J500bとが設けられており、他端側には、圧力計111が設置されている。
【0019】
[B-2]油路L510
油路L510は、油路L10a(図9A参照)に接続されている。油路L510には、油路L10a側に位置する一端側から他端側に向けて、連結部J510aと連結部J510bとが設けられており、他端側には、圧力計115および圧力スイッチ116が設置されている。
【0020】
[B-3]油路L101
油路L101は、連結部J500aに一端が連結し、連結部J510aに他端が連結しており、一端から他端へ向かって、入口止め弁101とジャッキング油ポンプ102と逆止弁104とフィルタ入口弁105と差圧スイッチ付きフィルタ106とフィルタ出口弁107とが順次設置されている。油路L101には、ジャッキング油ポンプ102と逆止弁104との間に連結部J101aが設けられている。
【0021】
[B-4]油路L102
油路L102は、一端がジャッキング油ポンプ102に連結されており、ジャッキング油ポンプ102のドレン油が、例えば、主油タンク6へ流れるように構成されている。
【0022】
[B-5]油路L103
油路L103は、連結部J101aにおいて油路L101と交差するように油路L101に連結されており、リリーフ弁103が設置されている。リリーフ弁103は、潤滑油の圧力が設定値を超えたときに開くように構成されている。油路L103の一端には、圧力計112が設置されている。油路L103の他端は、例えば、主油タンク6に連通している。
【0023】
[B-6]油路L301
油路L301は、連結部J500bに一端が連結し、連結部J510bに他端が連結しており、一端から他端へ向かって、入口止め弁301とバックアップ用ジャッキング油ポンプ302と逆止弁304とフィルタ入口弁305と差圧スイッチ付きフィルタ306とフィルタ出口弁307とが順次設置されている。油路L301には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302と逆止弁304との間に連結部J301aが設けられている。
【0024】
[B-7]油路L302
油路L302は、一端がバックアップ用ジャッキング油ポンプ302に連結されており、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302のドレン油が、例えば、主油タンク6へ流れるように構成されている。
【0025】
[B-8]油路L303
油路L303は、連結部J301aにおいて油路L301と交差するように油路L301に連結されており、リリーフ弁303が設置されている。リリーフ弁303は、潤滑油の圧力が設定値を超えたときに開くように構成されている。油路L303の一端には、圧力計114が設置されている。油路L303の他端は、例えば、主油タンク6に連通している。
【0026】
[C]動作
[C-1]通常のジャッキアップ動作
ロータ3R,4R,5Rのジャッキアップを実行するときには、一端側ジャッキング油供給部10aでは、通常、ジャッキング油ポンプ102を駆動し、一端側軸受3a,4a,5aへ潤滑油を供給する(図9A参照)。他端側ジャッキング油供給部10bについては、図示を省略しているが、一端側ジャッキング油供給部10aと同様に構成されており、ジャッキング油ポンプ(図示省略)、および、バックアップ用ジャッキング油ポンプ等を含む。このため、ロータ3R,4R,5Rのジャッキアップを実行するときには、他端側ジャッキング油供給部10bにおいても、一端側ジャッキング油供給部10aと同様に、通常、他端側ジャッキング油供給部10bを構成するジャッキング油ポンプ(図示省略)を駆動し、他端側軸受3b,4b,5bへ潤滑油を供給する(図9A参照)。
【0027】
[C-2]故障時のジャッキアップ動作
これに対して、一端側ジャッキング油供給部10aにおいて、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときには、ジャッキング油ポンプ102に代えて、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動し、一端側軸受3a,4a,5aへ潤滑油を供給する(図9A参照)。
例えば、一端側ジャッキング油供給部10aにおいて、ジャッキング油ポンプ102が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ116が作動したときに、ジャッキング油ポンプ102に代えて、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動させる。同様に、他端側ジャッキング油供給部10bを構成するジャッキング油ポンプ(図示省略)に故障が発生したときには、他端側ジャッキング油供給部10bを構成するバックアップ用ジャッキング油ポンプ(図示省略)を駆動させる。
【0028】
[D]課題
上記のように、関連技術に係る潤滑油供給装置100Jでは、一端側ジャッキング油供給部10aがジャッキング油ポンプ102とバックアップ用ジャッキング油ポンプ302とを備えると供に、他端側ジャッキング油供給部10bがジャッキング油ポンプ(図示省略)とバックアップ用ジャッキング油ポンプ(図示省略)とを備える。しかし、一端側ジャッキング油供給部10aのジャッキング油ポンプ102と他端側ジャッキング油供給部10bのジャッキング油ポンプ(図示省略)とが同時に故障することは、極めて稀な事象である。このため、関連技術に係る潤滑油供給装置100Jの構成は、冗長性が高く、コストが高い。
【0029】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、コストの低減を容易に実現可能な潤滑油供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
実施形態は、回転軸が水平方向に沿ったロータを回転自在に支持するために、ロータの一端側に設けられた一端側軸受、および、ロータの他端側に設けられた他端側軸受へ潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、ロータを鉛直方向にジャッキアップするときに、一端側軸受および他端側軸受へ潤滑油を供給するジャッキング油供給部を備える。ジャッキング油供給部は、一端側ジャッキング油ポンプと他端側ジャッキング油ポンプとバックアップ用ジャッキング油供給切替部とバックアップ用ジャッキング油供給切替部とを有する。一端側ジャッキング油ポンプは、一端側ジャッキング油路を介して、一端側軸受へ潤滑油を供給するように構成されている。他端側ジャッキング油ポンプは、他端側ジャッキング油路を介して、他端側軸受へ潤滑油を供給するように構成されている。バックアップ用ジャッキング油ポンプは、バックアップ用ジャッキング油路から一端側ジャッキング油路を経由して一端側軸受に潤滑油を供給すると供に、バックアップ用ジャッキング油路から他端側ジャッキング油路を経由して他端側軸受に潤滑油を供給するように構成されている。バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、一端側ジャッキング油路とバックアップ用ジャッキング油路との間、および、他端側ジャッキング油路とバックアップ用ジャッキング油路との間に介在している。ここで、バックアップ用ジャッキング油供給切替部は、一端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときには、バックアップ用ジャッキング油ポンプから一端側軸受へ潤滑油を供給し、他端側ジャッキング油ポンプに故障が発生したときには、バックアップ用ジャッキング油ポンプから他端側軸受へ潤滑油を供給するように、潤滑油の供給を切り替えるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、第1実施形態に係る発電設備の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る潤滑油供給装置100において、ジャッキング油供給部10の一例を模式的に示す図である。
図3A図3Aは、第1実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図3B図3Bは、第1実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図3C図3Cは、第1実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図4A図4Aは、第2実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図4B図4Bは、第2実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図4C図4Cは、第2実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図5A図5Aは、第3実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図5B図5Bは、第3実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図5C図5Cは、第3実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図6A図6Aは、第4実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図6B図6Bは、第4実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図6C図6Cは、第4実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図7A図7Aは、第5実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図7B図7Bは、第5実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図7C図7Cは、第5実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図8A図8Aは、第6実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース1)。
図8B図8Bは、第6実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース2)。
図8C図8Cは、第6実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である(ケース3)。
図9A図9Aは、関連技術に係る発電設備の一例を模式的に示す図である。
図9B図9Bは、関連技術に係る潤滑油供給装置100Jにおいて、ジャッキング油供給部10Jの一端側ジャッキング油供給部10aの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
[A]発電設備の構成
図1は、第1実施形態に係る発電設備の一例を模式的に示す図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の発電設備は、高圧タービン1と中圧タービン2と第1低圧タービン3と第2低圧タービン4と発電機5とを有する。また、本実施形態の発電設備は、上記の他に、潤滑油供給装置100を備える。潤滑油供給装置100は、主油タンク6と主油ポンプ7と油冷却器8とジャッキング油供給部10とを有する。本実施形態の発電設備では、ジャッキング油供給部10の構成の一部が、上記した関連技術の場合(図9A)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0034】
[B]ジャッキング油供給部10の詳細
図2は、第1実施形態に係る潤滑油供給装置100において、ジャッキング油供給部10の一例を模式的に示す図である。
【0035】
図2に示すように、本実施形態のジャッキング油供給部10は、第1遮断弁V308と第2遮断弁V305とを有するバックアップ用ジャッキング油供給切替部600を備える。また、ジャッキング油供給部10は、油路L101,L102,L103,L201,L202,L203,L301,L302,L303,L500,L510,L520,LV303,LV305,LV308が設けられている。
【0036】
本実施形態のジャッキング油供給部10を構成する各部について説明する。
【0037】
[B-1]油路L500
油路L500は、油路L8(図1参照)に接続されている。油路L500には、油路L8の側に位置する一端側から他端側に向けて、連結部J500aと連結部J500bと連結部J500cとが設けられており、他端側には、圧力計111が設置されている。
【0038】
[B-2]油路L510
油路L510は、油路L10a(図1参照)に接続されている。油路L510には、油路L10a側に位置する一端側から他端側に向けて、連結部J510aが設けられており、他端側には、圧力計115および圧力スイッチ116が設置されている。
【0039】
[B-2]油路L520
油路L520は、油路L10b(図1参照)に接続されている。油路L510には、油路L10b側に位置する一端側から他端側に向けて、連結部J520aが設けられており、他端側には、圧力計117および圧力スイッチ118が設置されている。
【0040】
[B-3]油路L101
油路L101(一端側ジャッキング油路)は、連結部J500aに一端が連結し、連結部J510aに他端が連結しており、一端から他端へ向かって、入口止め弁101とジャッキング油ポンプ102と逆止弁104(第1のジャッキング油逆止弁)とフィルタ入口弁105と差圧スイッチ付きフィルタ106とフィルタ出口弁107とが順次設置されている。油路L101において、ジャッキング油ポンプ102と逆止弁104との間には、連結部J101aと連結部J101bとが一端から他端へ向かって順次設けられている。この他に、油路L101には、逆止弁104とフィルタ入口弁105との間に連結部J101cが設けられている。
【0041】
[B-4]油路L102
油路L102(他端側ジャッキング油路)は、一端がジャッキング油ポンプ102に連結されており、ジャッキング油ポンプ102のドレン油が、例えば、主油タンク6へ流れるように構成されている。
【0042】
[B-5]油路L103
油路L103は、連結部J101aにおいて油路L101と交差するように油路L101に連結されており、リリーフ弁103が設置されている。リリーフ弁103は、潤滑油の圧力が設定値を超えたときに開くように構成されている。油路L103の一端には、圧力計112が設置されている。油路L103の他端は、例えば、主油タンク6に連通している。
【0043】
[B-6]油路L201
油路L201は、連結部J500cに一端が連結し、連結部J520aに他端が連結しており、一端から他端へ向かって、入口止め弁201とジャッキング油ポンプ202と逆止弁204(第2のジャッキング油逆止弁)とフィルタ入口弁205と差圧スイッチ付きフィルタ206とフィルタ出口弁207とが順次設置されている。油路L201において、ジャッキング油ポンプ202と逆止弁204との間には、連結部J201aと連結部J201bとが一端から他端へ向かって順次設けられている。この他に、油路L201には、逆止弁204とフィルタ入口弁205との間に連結部J201cが設けられている。
【0044】
[B-7]油路L202
油路L102は、一端がジャッキング油ポンプ202に連結されており、ジャッキング油ポンプ202のドレン油が、例えば、主油タンク6へ流れるように構成されている。
【0045】
[B-8]油路L203
油路L203は、連結部J201aにおいて油路L201と交差するように油路L201に連結されており、リリーフ弁203が設置されている。リリーフ弁203は、潤滑油の圧力が設定値を超えたときに開くように構成されている。油路L203の一端には、圧力計113が設置されている。油路L203の他端は、例えば、主油タンク6に連通している。
【0046】
[B-9]第1遮断弁V308
第1遮断弁V308は、例えば、4ポート2位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。第1遮断弁V308は、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、パイロットポートに作用する圧力に応じて、切り替わるように構成されている。
【0047】
[B-10]第2遮断弁V305
第2遮断弁V305は、第1遮断弁V308と同様に、例えば、4ポート2位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。第2遮断弁V305は、第1遮断弁V308と同様に、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、パイロットポートに作用する圧力に応じて、切り替わるように構成されている。
【0048】
[B-11]油路LV303
油路LV303は、一端が第1遮断弁V308のPポートに連結され、他端が第2遮断弁V305のPポートに連結されている。油路LV303には、連結部J303が設けられている。油路LV303において、連結部J303と第1遮断弁V308のPポートとの間には、オリフィス407が設置され、連結部J303と第2遮断弁V305のPポートとの間には、オリフィス404が設置されている。
【0049】
[B-12]油路LV305
油路LV305は、一端が第2遮断弁V305のBポートに連結されており、他端が連結部J201cに連結されている。油路LV305には、逆止弁CV306(第2のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)が設置されている。
【0050】
[B-13]油路LV306
油路LV306は、一端が第2遮断弁V305のTポートに連結されており、他端が、例えば、主油タンク6に連通している。
【0051】
[B-14]油路LV308
油路LV308は、一端が第1遮断弁V308のBポートに連結されており、他端が連結部J101cに連結されている。油路LV308には、逆止弁CV309(第1のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)が設置されている。
【0052】
[B-15]油路LV309
油路LV309は、一端が第1遮断弁V308のTポートに連結されており、他端が、例えば、主油タンク6に連通している。
【0053】
[B-16]油路LP305
油路LP305は、一端が第2遮断弁V305のパイロットポートに連結されており、他端が連結部J101bに連結されている。
【0054】
[B-17]油路LP308
油路LP308は、一端が第1遮断弁V308のパイロットポートに連結されており、他端が連結部J201bに連結されている。
【0055】
[B-18]油路L301
油路L301は、連結部J500bに一端が連結し、油路LV303の連結部J303に他端が連結しており、一端から他端へ向かって、入口止め弁301とバックアップ用ジャッキング油ポンプ302とが順次設置されている。油路L301には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302と油路LV303の連結部J303との間に、連結部J301aが設けられている。
【0056】
[B-19]油路L302
油路L302は、一端がバックアップ用ジャッキング油ポンプ302に連結されており、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302のドレン油が、例えば、主油タンク6へ流れるように構成されている。
【0057】
[B-20]油路L303
油路L303は、連結部J301aにおいて油路L301と交差するように油路L301に連結されており、リリーフ弁303が設置されている。リリーフ弁303は、潤滑油の圧力が設定値を超えたときに開くように構成されている。油路L303の一端には、圧力計114が設置されている。油路L303の他端は、例えば、主油タンク6に連通している。
【0058】
[C]動作
本実施形態のジャッキング油供給部10の動作について説明する。
【0059】
図3Aから図3Cは、第1実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0060】
図3Aから図3Cでは、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、第1遮断弁V308と第2遮断弁V305とを有するバックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図3Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図3Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図3Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0061】
[C-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図3Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0062】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図3Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aを流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bを流れる。
【0063】
そして、図1に示すように、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる。
【0064】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、第1遮断弁V308は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10aとの間が連通している。また、第2遮断弁V305は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10bとの間が連通している。しかし、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0065】
[C-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図3Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、故障したジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。例えば、ジャッキング油ポンプ102が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ116(図2参照)が作動したときに、ジャッキング油ポンプ102に代えて、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302が駆動する。
【0066】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、図1に示すように、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。
【0067】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第2遮断弁V305は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態になる。つまり、第2遮断弁V305は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。
【0068】
このとき、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600において、第1遮断弁V308は、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態を保持する。つまり、第1遮断弁V308は、油路L10aと油路L301との間を連通状態のままにする。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第1遮断弁V308を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0069】
[C-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図3Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、故障したジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。例えば、ジャッキング油ポンプ202が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ118(図2参照)が作動したときに、ジャッキング油ポンプ202に代えて、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302が駆動する。
【0070】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、図1に示すように、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。
【0071】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第1遮断弁V308は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態になる。つまり、第1遮断弁V308は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。
【0072】
このとき、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600において、第2遮断弁V305は、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態を保持する。つまり、第2遮断弁V305は、油路L10bと油路L301との間を連通状態のままにする。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第2遮断弁V305を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0073】
[D]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100は、ジャッキング油供給部10を備える。ジャッキング油供給部10は、ジャッキング油ポンプ102(一端側ジャッキング油ポンプ)とジャッキング油ポンプ202(他端側ジャッキング油ポンプ)とバックアップ用ジャッキング油ポンプ302とバックアップ用ジャッキング油供給切替部600とを有し、ロータ3R,4R,5Rを鉛直方向(z方向)にジャッキアップするときに、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bへ潤滑油を供給する。
【0074】
ジャッキング油ポンプ102は、油路L101および油路L10a(一端側ジャッキング油路)を介して、一端側軸受3a,4a,5aへ潤滑油を供給するように構成されている。ジャッキング油ポンプ202は、油路L201および油路L10b(他端側ジャッキング油路)を介して、他端側軸受3b,4b,5bへ潤滑油を供給するように構成されている。バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、油路L301(バックアップ用ジャッキング油路)から油路L101および油路L10aを経由して一端側軸受3a,4a,5aに潤滑油を供給すると供に、油路L301から油路L201および油路L10bを経由して他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油を供給するように構成されている。
【0075】
バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、油路L10aと油路L301との間、および、油路L10bと油路L301との間に介在しており、第1遮断弁V308と第2遮断弁V305とを有する。
【0076】
第1遮断弁V308は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L10bにおける潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。このため、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときには、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から一端側軸受3a,4a,5aへ潤滑油を供給することができる。
【0077】
第2遮断弁V305は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L10aにおける潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。このため、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときには、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から他端側軸受3b,4b,5bへ潤滑油を供給することができる。
【0078】
上記から判るように、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合と異なり、ジャッキング油ポンプ102またはジャッキング油ポンプ202に故障が発生したとき、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0079】
本実施形態の潤滑油供給装置100では、油路L10aは、ジャッキング油ポンプ102から潤滑油が一端側軸受3a,4a,5aへ流れる逆止弁104(第1のジャッキング油逆止弁)を備える。逆止弁104は、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から一端側軸受3a,4a,5a)へ供給される潤滑油が、ジャッキング油ポンプ102へ逆流することを防止している。また、油路L10bは、ジャッキング油ポンプ202から潤滑油が前記他端側軸受3b,4b,5bへ流れる逆止弁204(第2のジャッキング油逆止弁)を備える。逆止弁204は、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から他端側軸受3b,4b,5bへ供給される潤滑油が、ジャッキング油ポンプ202へ逆流することを防止している。このため、本実施形態では、ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202への逆流による故障発生を効果的に抑制可能である。
【0080】
更に、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、逆止弁CV309(第1のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)と逆止弁CV306(第2のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)とを備える。逆止弁CV309は、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から吐出された潤滑油が油路L10aへ流れることを許容するが、油路L10aにおいて逆止弁104から流出した潤滑油が、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302へ逆流することを防止している。逆止弁CV306は、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から吐出された潤滑油が油路L10bへ流れることを許容するが、油路L10bにおいて逆止弁204から流出した潤滑油が、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302へ逆流することを防止している。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302への逆流による故障発生を効果的に抑制可能である。
【0081】
<第2実施形態>
[A]構成
図4Aから図4Cは、第2実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0082】
図4Aから図4Cでは、図3Aから図3Cと同様に、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図4Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図4Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図4Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0083】
図4Aから図4Cに示すように、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600の構成の一部が、上記した第1実施形態の場合(図3Aから図3C参照)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0084】
図4Aから図4Cに示すように、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、遮断弁V312を有する。
【0085】
遮断弁V312は、例えば、4ポート3位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。遮断弁V312は、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとPポートとBポートとTポートとのそれぞれが閉止された状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、パイロットポートに作用する圧力に応じて、切り替わるように構成されている。
【0086】
遮断弁V312において、Aポートは、油路LV308に連結されており、Bポートは、油路LV305に連結されており、Pポートは、油路L301に連結されており、Tポートは、主油タンク6に連通する油路に連結されている。油路L301には、オリフィス311が設置されている。そして、遮断弁V312において、一方のパイロットポートには、油路LP305が連結され、他方のパイロットポートには、油路LP308が連結されている。
【0087】
[B]動作
本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600の動作について、図4Aから図4Cを用いて説明する。
【0088】
[B-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図4Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0089】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図4Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aへ流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bへ流れる。
【0090】
そして、第1実施形態の場合と同様に、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる(図1参照)。
【0091】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0092】
[B-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図4Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される(図1参照)。
【0093】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、遮断弁V312は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態になる。つまり、遮断弁V312は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、遮断弁V312を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0094】
[B-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図4Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。
【0095】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される(図1参照)。
【0096】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、遮断弁V312は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態になる。つまり、遮断弁V312は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、遮断弁V312を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0097】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、遮断弁V312を有する。遮断弁V312は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図4B参照)。遮断弁V312は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図4C参照)。
【0098】
このため、本実施形態の潤滑油供給装置100では、第1実施形態の場合と同様に、ジャッキング油ポンプ102(一端側ジャッキング油ポンプ)またはジャッキング油ポンプ202(他端側ジャッキング油ポンプ)に故障が発生したときであっても、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0099】
特に、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1実施形態の場合よりも構成がシンプルであるため、コストを更に効果的に低減可能である。
【0100】
<第3実施形態>
[A]構成
図5Aから図5Cは、第3実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0101】
図5Aから図5Cでは、図3Aから図3Cと同様に、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図5Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図5Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図5Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0102】
図5Aから図5Cに示すように、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600の構成の一部が、上記した第1実施形態の場合(図3Aから図3C参照)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0103】
図5Aから図5Cに示すように、本実施形態のジャッキング油供給部10において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1パイロットチェック弁V321と第2パイロットチェック弁V323とを有する。
【0104】
[A-1]第1パイロットチェック弁V321
第1パイロットチェック弁V321は、AポートとBポートとXポートとYポートとを有する。第1パイロットチェック弁V321において、Aポートは、油路LV308に連結され、Bポートは、油路LV303に連結されている。第1パイロットチェック弁V321において、Xポートは、パイロットポートであって、油路LP308に連結されており、Yポートは、主油タンク6に連通する油路に連結されている。つまり、第1パイロットチェック弁V321は、油路L101と油路L301との間に設置されており、パイロットポートが油路L201に連通している。
【0105】
[A-2]第2パイロットチェック弁V323
第2パイロットチェック弁V323は、第1パイロットチェック弁V321と同様に、AポートとBポートとXポートとYポートとを有する。第2パイロットチェック弁V323において、Aポートは、油路LV305に連結され、Bポートは、油路LV303に連結されている。第2パイロットチェック弁V323において、Xポートは、パイロットポートであって、油路LP305に連結されており、Yポートは、主油タンク6に連通する油路に連結されている。つまり、第2パイロットチェック弁V323は、油路L201と油路L301との間に設置されており、パイロットポートが油路L101に連通している。
【0106】
[B]動作
本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600の動作について、図5Aから図5Cを用いて説明する。
【0107】
[B-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図5Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0108】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図5Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aへ流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bへ流れる。
【0109】
そして、第1実施形態の場合と同様に、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる(図1参照)。
【0110】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、第1パイロットチェック弁V321は、油路L201の圧力がXポート(パイロットポート)に作用することで、逆流を許容する状態であり、第2パイロットチェック弁V323は、油路L101の圧力がXポート(パイロットポート)に作用することで、逆流を許容する状態である。しかし、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0111】
[B-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図5Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される(図1参照)。
【0112】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第2パイロットチェック弁V323は、油路L101の圧力がXポート(パイロットポート)に作用せずに、逆流を防止する状態になる。つまり、第2パイロットチェック弁V323は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。これに対して、第1パイロットチェック弁V321は、油路L201の圧力がXポート(パイロットポート)に作用することで、逆流を許容する状態である。つまり、第1パイロットチェック弁V321は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10aと油路L301との間の連通状態を保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第1パイロットチェック弁V321を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0113】
[B-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図5Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。
【0114】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される(図1参照)。
【0115】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第1パイロットチェック弁V321は、油路L201の圧力がXポート(パイロットポート)に作用せずに、逆流を防止する状態になる。つまり、第1パイロットチェック弁V321は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。これに対して、第2パイロットチェック弁V323は、油路L101の圧力がXポート(パイロットポート)に作用することで、逆流を許容する状態である。つまり、第2パイロットチェック弁V323は、パイロットポートに作用する圧力に応じて、油路L10bと油路L301との間の連通状態を保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第2パイロットチェック弁V323を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0116】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1パイロットチェック弁V321と第2パイロットチェック弁V323とを有する。第1パイロットチェック弁V321は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている(図5C参照)。第2パイロットチェック弁V323は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている(図5B参照)。
【0117】
このため、本実施形態の潤滑油供給装置100では、第1実施形態の場合と同様に、ジャッキング油ポンプ102(一端側ジャッキング油ポンプ)またはジャッキング油ポンプ202(他端側ジャッキング油ポンプ)に故障が発生したときであっても、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0118】
特に、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1パイロットチェック弁V321と第2パイロットチェック弁V323とによって構成されているので、第1実施形態の場合よりも小型化を容易に実現できると供に、コストを更に効果的に低減可能である。
【0119】
<第4実施形態>
[A]構成
図6Aから図6Cは、第4実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0120】
図6Aから図6Cでは、図3Aから図3Cと同様に、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図6Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図6Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図6Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0121】
図6Aから図6Cに示すように、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600の構成の一部が、上記した第1実施形態の場合(図3Aから図3C参照)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0122】
図6Aから図6Cに示すように、本実施形態のジャッキング油供給部10において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1ダンプ弁V331と第2ダンプ弁V333とを有する。
【0123】
[A-1]第1ダンプ弁V331
第1ダンプ弁V331は、AポートとBポートとパイロットポートとを有する。第1ダンプ弁V331において、Aポートは、油路LV303の端部に連結されており、Bポートは、油路LV308の端部に連結されており、パイロットポートは、油路LP305の端部に連結されている。つまり、第1ダンプ弁V331は、油路L101と油路L301との間に設置されており、パイロットポートが油路L101に連通している。
【0124】
[A-2]第2ダンプ弁V333
第2ダンプ弁V333は、第1ダンプ弁V331と同様に、AポートとBポートとパイロットポートとを有する。第2ダンプ弁V333において、Aポートは、油路LV303の端部に連結されており、Bポートは、油路LV305の端部に連結されており、パイロットポートは、油路LP308の端部に連結されている。つまり、第2ダンプ弁V333は、油路L201と油路L301との間に設置されており、パイロットポートが油路L201に連通している。
【0125】
[B]動作
本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600の動作について、図6Aから図6Cを用いて説明する。
【0126】
[B-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図6Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0127】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図6Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aへ流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bへ流れる。
【0128】
そして、第1実施形態の場合と同様に、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる(図1参照)。
【0129】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、第1ダンプ弁V331は、油路L101の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態である。また、第2ダンプ弁V333は、油路L201の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態である。更に、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0130】
[B-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図6Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される(図1参照)。
【0131】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第1ダンプ弁V331は、油路L101の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態から連通状態に切り替わる。つまり、第1ダンプ弁V331は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。これに対して、第2ダンプ弁V333は、油路L201の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態を保持する。つまり、第2ダンプ弁V333は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生しておらず、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値以上であるため、油路L10bと油路L301との間を遮断状態に保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第1ダンプ弁V331を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0132】
[B-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図6Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。
【0133】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される(図1参照)。
【0134】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第2ダンプ弁V333は、油路L201の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態から連通状態に切り替わる。つまり、第2ダンプ弁V333は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。これに対して、第1ダンプ弁V331は、油路L101の圧力がパイロットポートに作用することで、AポートとBポートとの間が遮断状態を保持する。つまり、第1ダンプ弁V331は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生しておらず、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値以上であるため、油路L10aと油路L301との間を遮断状態に保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第2ダンプ弁V333を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0135】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1ダンプ弁V331と第2ダンプ弁V333とを有する。第1ダンプ弁V331は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図6B参照)。第2ダンプ弁V333は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したときに、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図6C参照)。
【0136】
このため、本実施形態の潤滑油供給装置100では、第1実施形態の場合と同様に、ジャッキング油ポンプ102(一端側ジャッキング油ポンプ)またはジャッキング油ポンプ202(他端側ジャッキング油ポンプ)に故障が発生したときであっても、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0137】
特に、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1ダンプ弁V331と第2ダンプ弁V333とによって構成されているので、第1実施形態の場合よりも大きな流量で潤滑油を供給することができる。
【0138】
<第5実施形態>
[A]構成
図7Aから図7Cは、第5実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0139】
図7Aから図7Cでは、図3Aから図3Cと同様に、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図7Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図7Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図7Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0140】
図7Aから図7Cに示すように、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600の構成の一部が、上記した第1実施形態の場合(図3Aから図3C参照)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0141】
図7Aから図7Cに示すように、本実施形態のジャッキング油供給部10において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1電磁弁V348と第2電磁弁V345とを有する。
【0142】
[A-1]第1電磁弁V348
第1電磁弁V348は、例えば、4ポート2位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。第1電磁弁V348は、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、ソレノイドに送信される信号に応じて、切り替わるように構成されている。
【0143】
[A-2]第2電磁弁V345
第2電磁弁V345は、第1電磁弁V348と同様に、例えば、4ポート2位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。第2電磁弁V345は、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、ソレノイドに送信される信号に応じて、切り替わるように構成されている。
【0144】
[B]動作
本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600の動作について、図7Aから図7Cを用いて説明する。
【0145】
[B-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図7Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0146】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図6Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aへ流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bへ流れる。
【0147】
そして、第1実施形態の場合と同様に、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる(図1参照)。
【0148】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、第1電磁弁V348は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10aとの間が連通している。また、第2電磁弁V345は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10bとの間が連通している。しかし、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0149】
[B-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図7Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される(図1参照)。
【0150】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第2電磁弁V345は、PポートとBポートとの間が連通状態から遮断状態に切り替わる。つまり、第2電磁弁V345は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときに、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。例えば、ジャッキング油ポンプ102が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ116(図2参照)が作動したときに、第2電磁弁V345の状態が切り替わる。これに対して、第1電磁弁V348は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10aとの間が連通状態を保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第1電磁弁V348を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0151】
[B-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図7Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。
【0152】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される(図1参照)。
【0153】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、第1電磁弁V348は、PポートとBポートとの間が連通状態から遮断状態に切り替わる。つまり、第1電磁弁V348は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときに、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。例えば、ジャッキング油ポンプ202が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ118(図2参照)が作動したときに、第1電磁弁V348の状態が切り替わる。これに対して、第2電磁弁V345は、PポートとBポートとの間が連通状態であって、油路L301と油路L10bとの間が連通状態を保持する。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、第2電磁弁V345を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0154】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1電磁弁V348と第2電磁弁V345とを有する。第1電磁弁V348は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときに、油路L10aと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている(図7C参照)。第2電磁弁V345は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときに、油路L10bと油路L301との間を連通状態から遮断状態に切り替えるように構成されている(図7B参照)。
【0155】
このため、本実施形態の潤滑油供給装置100では、第1実施形態の場合と同様に、ジャッキング油ポンプ102またはジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときであっても、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0156】
特に、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、第1電磁弁V348と第2電磁弁V345とによって構成されているので、第1実施形態の場合よりも高い信頼性で、故障時のジャッキアップ動作を的確に実行可能である。
【0157】
<第6実施形態>
[A]構成
図8Aから図8Cは、第6実施形態に係るジャッキング油供給部10がジャッキアップ動作を行うときの様子を示す図である。
【0158】
図8Aから図8Cでは、図3Aから図3Cと同様に、本実施形態のジャッキング油供給部10(図2参照)のうち、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を抜粋して示している。ここで、図8Aは、通常のジャッキアップ動作を示している。図8Bは、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。図8Cは、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作を示している。
【0159】
図8Aから図8Cに示すように、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600の構成の一部が、上記した第1実施形態の場合(図3Aから図3C参照)と異なる。このため、本実施形態において重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
【0160】
図8Aから図8Cに示すように、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、電磁弁V352を有する。
【0161】
電磁弁V352は、例えば、4ポート3位置方向制御弁であって、AポートとBポートとPポートとTポートとを有する。電磁弁V352は、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態と、AポートとPポートとBポートとTポートとのそれぞれが閉止された状態と、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態とが、ソレノイドに送信される信号に応じて、切り替わるように構成されている。
【0162】
電磁弁V352において、Aポートは、油路LV308に連結されており、Bポートは、油路LV305に連結されており、Pポートは、油路L301に連結されており、Tポートは、主油タンク6に連通する油路に連結されている。油路L301には、オリフィス311が設置されている。
【0163】
[B]動作
本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600の動作について、図8Aから図8Cを用いて説明する。
【0164】
[B-1]通常のジャッキアップ動作(ケース1)
図8Aに示すように、通常のジャッキアップ動作を行う場合(ジャッキング油ポンプ102およびジャッキング油ポンプ202が正常状態である場合)には、ジャッキング油ポンプ102を駆動することによって、油路L101に潤滑油を吐出すると供に、ジャッキング油ポンプ202を駆動することによって、油路L201に潤滑油を吐出する。
【0165】
これにより、ジャッキング油ポンプ102から油路L101に吐出された潤滑油は、図8Aに示すように、逆止弁104等を経由して、油路L10aへ流れる。また、ジャッキング油ポンプ202から油路L201に吐出された潤滑油は、逆止弁204等を経由して、油路L10bへ流れる。
【0166】
そして、第1実施形態の場合と同様に、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される。油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される。その結果、ロータ3R,4R,5Rが鉛直方向(z方向)にジャッキアップされる(図1参照)。
【0167】
なお、通常のジャッキアップ動作を行う場合には、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302は、停止状態に保持される。このため、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301へ潤滑油が吐出されない。それゆえ、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302からは、一端側軸受3a,4a,5aおよび他端側軸受3b,4b,5bに潤滑油が供給されない。
【0168】
[B-2]ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース2)
図8Bに示すように、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ202を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ102の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10aへ流れる。そして、油路L10aを流れる潤滑油は、油量調整弁13a,14a,15aによって、油量が調整されて、一端側軸受3a,4a,5aに供給される(図1参照)。
【0169】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、電磁弁V352は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生し、油路L101における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとPポートとの間が連通し、かつ、BポートとTポートとの間が連通する状態になる。つまり、電磁弁V352は、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。例えば、ジャッキング油ポンプ102が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ116(図2参照)が作動したときに、電磁弁V352の状態が切り替わる。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、遮断弁V312を介して、油路L10aへ流れて、一端側軸受3a,4a,5a(図1参照)に供給される。
【0170】
[B-3]ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときのジャッキアップ動作(ケース3)
図8Cに示すように、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときにジャッキアップ動作を行う場合には、ジャッキング油ポンプ102を駆動する他に、ジャッキング油ポンプ202の代わりに、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302を駆動する。
【0171】
これにより、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油は、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600を経由して、油路L10bへ流れる。そして、油路L10bを流れる潤滑油は、油量調整弁13b,14b,15bによって、油量が調整されて、他端側軸受3b,4b,5bに供給される(図1参照)。
【0172】
具体的には、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600では、電磁弁V352は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生し、油路L201における潤滑油の圧力が予め定められた値よりも低下したとき、AポートとTポートとの間が連通し、かつ、BポートとPポートとの間が連通する状態になる。つまり、電磁弁V352は、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える。この切替は、例えば、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302の駆動が開始されたと同時に行われる。例えば、ジャッキング油ポンプ202が吐出する潤滑油が低下し、圧力スイッチ118(図2参照)が作動したときに、電磁弁V352の状態が切り替わる。このため、本実施形態では、バックアップ用ジャッキング油ポンプ302から油路L301に吐出された潤滑油が、電磁弁V352を介して、油路L10bへ流れて、他端側軸受3b,4b,5b(図1参照)に供給される。
【0173】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置100において、バックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、電磁弁V352を有する。電磁弁V352は、ジャッキング油ポンプ102に故障が発生したときに、油路L10aと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図8B参照)。電磁弁V352は、ジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときに、油路L10bと油路L301との間を遮断状態から連通状態に切り替える(図8C参照)。
【0174】
このため、本実施形態の潤滑油供給装置100では、第1実施形態の場合と同様に、ジャッキング油ポンプ102またはジャッキング油ポンプ202に故障が発生したときであっても、一のバックアップ用ジャッキング油ポンプ302を用いて、ジャッキアップ動作を的確に実行可能である。したがって、本実施形態の潤滑油供給装置100では、関連技術の場合よりも冗長性が低いため、コストの低減を容易に実現することができる。
【0175】
特に、本実施形態のバックアップ用ジャッキング油供給切替部600は、電磁弁V352によって構成されているので、第1実施形態の場合よりも高い信頼性で、故障時のジャッキアップ動作を的確に実行可能である。
【0176】
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0177】
1:高圧タービン、1R:ロータ、1a:一端側軸受、1b:他端側軸受、2:中圧タービン、2R:ロータ、2a:一端側軸受、2b:他端側軸受、3:低圧タービン、3R:ロータ、3a:一端側軸受、3b:他端側軸受、4:低圧タービン、4R:ロータ、4a:一端側軸受、4b:他端側軸受、5:発電機、5R:ロータ、5a:一端側軸受、5b:他端側軸受、6:主油タンク、7:主油ポンプ、8:油冷却器、10:ジャッキング油供給部、10J:ジャッキング油供給部、10a:一端側ジャッキング油供給部、10b:他端側ジャッキング油供給部、13a,14a,15a:油量調整弁、13b,14b,15b:油量調整弁、21:スラスト軸受、100:潤滑油供給装置、100J:潤滑油供給装置、101:入口止め弁、102:ジャッキング油ポンプ(一端側ジャッキング油ポンプ)、103:リリーフ弁、104:逆止弁(第1のジャッキング油逆止弁)、105:フィルタ入口弁、106:フィルタ、107:フィルタ出口弁、111:圧力計、112:圧力計、113:圧力計、114:圧力計、115:圧力計、116:圧力スイッチ、117:圧力計、118:圧力スイッチ、201:入口止め弁、202:ジャッキング油ポンプ(他端側ジャッキング油ポンプ)、203:リリーフ弁、204:逆止弁(第2のジャッキング油逆止弁)、205:フィルタ入口弁、206:フィルタ、207:フィルタ出口弁、301:入口止め弁、302:バックアップ用ジャッキング油ポンプ、303:リリーフ弁、304:逆止弁、305:フィルタ入口弁、306:フィルタ、307:フィルタ出口弁、311:オリフィス、404:オリフィス、407:オリフィス、600:バックアップ用ジャッキング油供給切替部、CV306:逆止弁(第1のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)、CV309:逆止弁(第2のバックアップ用ジャッキング油逆止弁)、J101a:連結部、J101b:連結部、J101c:連結部、J201a:連結部、J201b:連結部、J201c:連結部、J301a:連結部、J303:連結部、J500a:連結部、J500b:連結部、J500c:連結部、J510a:連結部、J510b:連結部、J520a:連結部、L101:油路(一端側ジャッキング油路)、L102:油路、L103:油路、L10a:油路(一端側ジャッキング油路)、L10b:油路(他端側ジャッキング油路)、L201:油路(他端側ジャッキング油路)、L202:油路、L203:油路、L301:油路(バックアップ用ジャッキング油路)、L302:油路、L303:油路、L500:油路、L510:油路、L520:油路、L6:油路、L8:油路、LP305:油路、LP308:油路、LV303:油路、LV305:油路、LV306:油路、LV308:油路、LV309:油路、V305:第2遮断弁、V308:第1遮断弁、V312:遮断弁、V321:第1パイロットチェック弁、V323:第2パイロットチェック弁、V331:第1ダンプ弁、V333:第2ダンプ弁、V345:第2電磁弁V345、V348:第1電磁弁、V352:電磁弁
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B