(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168468
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0235 20230101AFI20241128BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0235
G06Q30/0207 350
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085178
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】奥山 知博
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】 目的達成のために待ち時間を要したユーザにとって有益な特典を、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することを目的とする
【解決手段】 ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測する待ち時間予測部と、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得する実行情報取得部と、前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定する実行時刻特定部と、前記待ち時間予測部において前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定する特典特定部と、前記特典特定部で特定された特典を前記ユーザに提供する特典提供部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測する待ち時間予測部と、
前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得する実行情報取得部と、
前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定する実行時刻特定部と、
前記待ち時間予測部において前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定する特典特定部と、
前記特典特定部で特定された特典を前記ユーザに提供する特典提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記待ち時間予測部で予測された前記待ち時間に基づいて、前記ユーザに提供され得る特典を前記ユーザに提示する予測特典提示部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特典は、前記待ち時間をゼロにし得る時間であるキャンセル時間が設定される特典であり、
前記特典特定部は、前記待ち時間予測部において前記待ち時間を予測したときの時刻から前記実行時刻までの時間が長ければ長いほど、長い前記待ち時間をゼロにすることが可能な前記キャンセル時間が設定される特典を特定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記特典は、前記待ち時間をゼロにし得る時間であるキャンセル時間が設定される特典であり、
前記情報処理システムは、
前記待ち時間予測部で予測された前記待ち時間が、前記ユーザが保有する前記特典に設定された前記キャンセル時間以下であるか否かを判定するキャンセル可否判定部をさらに備え、
前記特典特定部は、前記待ち時間が前記キャンセル時間以下であると判定された場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能とするための前記特典である優先情報を特定し、
前記特典提供部は、前記優先情報を前記ユーザに提供する、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記キャンセル可否判定部は、前記待ち時間が前記キャンセル時間以下でないと判定した場合、所定の時間が経過したときに、前記待ち時間が前記キャンセル時間以下になったか否かを判定し、
前記特典特定部は、前記待ち時間が前記キャンセル時間以下であると判定された場合、前記優先情報を特定する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特典は、前記待ち時間をゼロにして、前記ユーザが前記ユーザの目的を実行可能とするための特典であり、
前記情報処理システムは、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記ユーザの目的に関する商品およびサービスであって、前記ユーザが購入する予定の商品および前記ユーザが提供を受ける予定のサービスのうちの少なくともいずれかを示す情報であるユーザ予定情報を取得するユーザ予定情報取得部をさらに備え、
前記特典特定部は、前記ユーザ予定情報取得部において前記ユーザ予定情報を取得した場合、前記ユーザ予定情報が示す前記商品および前記サービスのうちの少なくともいずれかに対して前記ユーザが支払う金額が所定の金額以上である場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能とするための情報である優先情報を特定し、
前記特典提供部は、当該優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測することと、
前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得することと、
前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定することと、
前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定することと、
特定された特典を前記ユーザに提供することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測することと、
前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得することと、
前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定することと、
前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定することと、
特定された特典を前記ユーザに提供することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の場所で待っている人の待ち時間に応じた広告情報を待っている人に提供する情報提供システムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報提供システムは、待っている人の数に基づき算出される待ち時間を取得する。そして、当該情報提供システムは、待ち時間に応じた広告情報と、待ち時間を案内する情報とが含まれる情報特典を生成して、情報表示装置に提供する。情報特典は、待ち時間に応じた表示数および表示時間などを組み合わせて変化させる広告である。このように、当該情報提供システムでは、待っている人に対して待ち時間に応じて変化する情報特典を提供する。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の情報提供システムは、算出された待ち時間に応じた広告を提供するものの、実際に待った人に対して有益な特典を提供できないという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、目的達成のために待ち時間を要したユーザにとって有益な特典を、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測する待ち時間予測部と、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得する実行情報取得部と、前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定する実行時刻特定部と、前記待ち時間予測部において前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定する特典特定部と、前記特典特定部で特定された特典を前記ユーザに提供する特典提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測することと、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得することと、前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定することと、前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定することと、特定された特典を前記ユーザに提供することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測することと、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得することと、前記実行情報に基づいて、前記ユーザの目的を前記ユーザが実行した時刻である実行時刻を特定することと、前記待ち時間を予測したときの時刻と、前記実行時刻と、に基づいて、特典を特定することと、特定された特典を前記ユーザに提供することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目的達成のために待ち時間を要したユーザにとって有益な特典を、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の概要の一例を示す図である。
【
図2】ユーザ情報D110の構成の一例を示す図である。
【
図3】目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。
【
図4】特典情報D112の構成の一例を示す図である。
【
図5】特典を含む特典画面T10の一例を示す図である。
【
図6】予測特典を含む予測特典画面T20の一例を示す図である。
【
図7】ユーザが購入する予定の商品またはユーザが提供を受ける予定のサービスを選択可能に表示する購入予定選択画面T30。
【
図8】情報処理システム10の処理手順の一例を示すフロー図である。
【
図9】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されてもよく、二つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
===情報処理システム10の概要===
情報処理システム10は、ユーザの目的をユーザが実行するまでに要した待ち時間に応じた特典をユーザ端末200に提供するシステムである。
【0014】
ユーザの目的とは、例えば、交通機関を利用するという目的、飲食店で食事をするという目的、遊園地のアトラクションを利用するという目的、料金支払いカウンターで支払いを完了させるという目的などである。そして、ユーザの目的をユーザが実行するとは、例えば、交通機関の入場ゲートをユーザが通過すること、店舗内にユーザが案内されること、遊園地のアトラクションエリア内にユーザが案内されること、目的場所で支払いが完了することなどである。
【0015】
待ち時間とは、例えば、ユーザの待ち時間を予測したときの時刻からユーザの目的をユーザが実行した時刻(以下、「実行時刻」という。)までの時間である。
【0016】
特典とは、例えば、優先案内チケット(後述する優先情報)、割引クーポンなどの特典である。優先案内チケットとは、例えばユーザの目的が飲食店で食事をするという目的である場合においては、優先的に店内のテーブルに案内されるための情報である。また、特典は、例えば待ち時間を減らすことが可能な時間(以下、「キャンセル時間」という。)に相当するポイントであってもよい。
【0017】
このように、情報処理システム10は、ユーザが目的を実行するまでの待ち時間を、ユーザにとって有益な特典に転換可能なシステムである。そのため、情報処理システム10は、ユーザが単に待ち時間を消費するのではなく、待ったことによってユーザが利益を得られる仕組みを提供できる。これにより、情報処理システム10は、ユーザが所定の目的を達成するための待ち時間による精神的なストレスを緩和しつつ、所定の目的を提供する事業者に対してユーザ獲得機会の喪失を防止する仕組みを事業者に提供できる。
【0018】
<<構成>>
図1を参照して、情報処理システム10の構成の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の概要の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、例えば、特典提供装置100と、ユーザ端末200とを含む。
【0019】
特典提供装置100は、例えば、ユーザの目的をユーザが実行するまでにユーザが要した待ち時間に応じた特典をユーザ端末200に提供する。具体的には、特典提供装置100は、例えば、ユーザの目的が飲食店で食事をする目的であり、ユーザが待ち時間(例えば60分)を要した場合、例えばユーザが飲食店での会計を完了したときに、当該飲食店で利用可能な割引を受けられる特典(例えば割引クーポン)をユーザ端末200に提供する。このとき、特典提供装置100は、例えば、待ち時間がさらに長い90分であった場合、当該飲食店で利用可能な優先的に目的を達成できる特典(例えば後述する優先案内チケット)をユーザ端末200に提供してもよい。
【0020】
ユーザ端末200は、ユーザが所持する端末であって、所定のプログラムを実行することで各種処理を実行する。ユーザ端末200は、特典提供装置100との間で通信可能に接続される。
【0021】
特典提供装置100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0022】
ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、 デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0023】
<<処理>>
次に、
図1を参照して、情報処理システム10の処理の概要について説明する。以下では、一例として、ユーザの目的が飲食店で食事をするという目的である場合における情報処理システム10の処理の概要について説明する。
【0024】
ステップS10において、特典提供装置100は、ユーザ端末200の位置に関する情報(以下、「位置情報」という。)を取得する。特典提供装置100は、例えば位置情報に基づきユーザの待ち時間の予測を開始する。また、特典提供装置100は、位置情報に基づきユーザの目的を特定してもよい。
【0025】
ステップS11において、特典提供装置100は、ユーザ端末200または所定のシステム(例えば飲食店の管理システム)から、ユーザが待ち時間を経て飲食店内に案内された実行時刻を特定する。
【0026】
ステップS12において、特典提供装置100は、実行時刻に応じた特典(例えば飲食店の割引クーポン、優先案内チケットまたはキャンセル時間を含む特典など)を特定する。例えば、特典提供装置100は、特定した特典をユーザ端末200に送信する。
【0027】
ステップS13において、ユーザ端末200は、ユーザの操作入力を受け付けて特典を表示部に表示させる。これにより、ユーザは、例えば次回の来店時に、ユーザ端末200の表示部に表示される特典を飲食店の店員に提示することにより、特典を利用することで、飲食料金の割引を受けることや行列に並ぶことなく優先的に案内される。
【0028】
===特典提供装置100の構成===
図1を参照して、特典提供装置100の構成について説明する。
図1に示すように、特典提供装置100は、例えば、記憶部110と、位置情報取得部120と、実行情報取得部130と、目的特定部140と、待ち時間予測部150と、実行時刻特定部160と、特典特定部170と、予測特典提示部171と、キャンセル可否判定部172と、特典提供部180と、表示処理部190とを含む。
【0029】
記憶部110は、例えば、ユーザ情報D110と、目的場所情報D111と、特典情報D112とを記憶する。
【0030】
図2を参照して、ユーザ情報D110について説明する。
図2は、ユーザ情報D110の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ情報D110は、例えば、[ユーザID]、[氏名]、[位置]、[目的場所]、[起点時刻]、[実行時刻]、[待ち時間]、[保有特典]、[キャンセル時間]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[氏名]はユーザの氏名を示す情報を記憶する。[位置]はユーザ端末200から取得される位置情報(例えば座標)を記憶する。[目的場所]はユーザ端末200から取得されるユーザの目的(例えば行列に並ぶ目的)の目的場所を示す情報または後述する目的特定部140により特定される目的場所を示す情報(以下、「目的場所情報」という。)を記憶する。[起点時刻]は後述する待ち時間予測部150により特定されるユーザが目的を実行するための起点(例えば行列に並び始めのタイミング)となる時刻(以下、「起点時刻」という。)を記憶する。[実行時刻]は後述する待ち時間予測部150により特定されるユーザが目的を実行した実行時刻を記憶する。[待ち時間]は後述する待ち時間予測部150により予測される待ち時間を記憶する。[保有特典]はユーザが保有する特典を識別可能な識別情報(ここでは特典ID)を記憶する。[キャンセル時間]はユーザが保有する特典のうちキャンセル時間を含む特典におけるキャンセル時間の合計を記憶する。すなわち、[キャンセル時間]には当該ユーザが待ち時間をゼロにし得るキャンセル時間が記憶される。
【0031】
図3を参照して、目的場所情報D111について説明する。
図3は、目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。
図3を参照して、目的場所情報D111について説明する。
図3は、目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、目的場所情報D111は、例えば、[目的場所ID]、[場所名]、[位置]の項目を含んでいてもよい。[目的場所ID]はユーザの目的となり得る場所(以下、「目的場所」という。)を一意に識別可能な目的場所識別情報を記憶する。[場所名]は目的場所の名称を示す情報を記憶する。[位置]は目的場所の座標を記憶する。
【0032】
図4を参照して、特典情報D112について説明する。
図4は、特典情報D112の構成の一例を示す図である。
図4を参照して、特典情報D112について説明する。
図4は、特典情報D112の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、特典情報D112は、例えば、[特典ID]、[特典名]、[キャンセル時間]、[待ち時間]、[目的場所ID]の項目を含んでいてもよい。[特典ID]は特典を一意に識別可能な特典識別情報を記憶する。[特典名]は特典の名称を示す情報を記憶する。[キャンセル時間]は特典に設定されるキャンセル時間を記憶する。[待ち時間]は特典が提供される条件としての待ち時間を記憶する。[目的場所ID]は当該特典が提供されるための目的場所を一意に識別可能な目的場所識別情報を記憶する。
【0033】
位置情報取得部120は、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する。位置情報取得部120は、例えばユーザ端末200から位置情報を取得してもよいし、ビーコンを利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよいし、GPS(Global Positioning System)を利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよいし、Wi-Fi(Wireless Fidelity)のアクセスポイントを利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよい。位置情報は、例えば座標を示す情報である。位置情報は、例えば座標を示す情報である。座標とは、例えば、緯度および経度であってもよいし、さらに高さを示す数値を含んでいてもよい。
【0034】
実行情報取得部130と、ユーザの目的をユーザが実行したことを示す情報(以下、「実行情報」という。)を取得する。実行情報取得部130は、ユーザ端末200から実行情報を取得してもよいし、ユーザの目的に関する所定のシステム(例えば飲食店の管理システム)から実行情報を取得してもよい。具体的には、ユーザ端末200は、表示部に対するユーザにおける目的を実行したことを示す操作入力を受け付けることによって、実行情報を特典提供装置100に送信してもよい。また、当該所定のシステムは、ユーザ端末200の表示部に表示される識別コードを読み取ることによって、実行情報を特典提供装置100に送信してもよい。また、ユーザ端末200は、店舗などにおける会計の結果を示す情報(例えばレシートやチケット半券の画像)を読み取ることによって、当該情報を実行情報として特典提供装置100に送信してもよい。
【0035】
目的特定部140は、例えばユーザの目的および目的場所を特定する。ここで、目的特定部140は、例えば、目的場所情報D111を参照して、ユーザ端末200の位置情報が示す位置に近似する目的場所の位置を特定する。そして、目的特定部140は、特定した目的場所の位置に対応する目的([目的]の項目に記憶される情報)を特定してもよい。また、目的特定部140は、ユーザ端末200において目的場所を選択する操作入力を受け付けた場合、ユーザ端末200から目的場所情報を取得することにより、目的場所を特定してもよい。
【0036】
待ち時間予測部150は、ユーザの目的をユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測する。具体的には、待ち時間予測部150は、例えば、ユーザ端末200の位置情報に基づき、ユーザの位置と目的場所の位置との距離から待ち時間を予測する。また、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所の位置とユーザ端末200の位置との間の端末の台数を特定し、当該台数に基づき待ち時間を予測してもよい。また、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所で待っている人の人数を管理する装置(不図示)から当該待っている人の人数を示す情報を取得して、当該人数に基づき待ち時間を予測してもよい。すなわち、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所における人の待ち行列を特定することにより、現在の時刻からユーザが目的を実行するまでの待ち時間を予測する。なお、待ち時間予測部150は、ユーザ端末200においてユーザによる待ち時間を予測させるための操作入力(例えば不図示の予測開始ボタン)を受け付けた時刻を、予測したときの時刻(例えば現在の時刻)として予測してもよい。
【0037】
実行時刻特定部160は、実行情報に基づきユーザの目的をユーザが実行した実行時刻を特定する。実行時刻とは、例えば、ユーザ端末200から実行情報を取得したときの時刻であってもよいし、ユーザ端末200から取得した実行情報に含まれる時刻(例えばレシートに表示される時刻)であってもよい。
【0038】
特典特定部170は、特典情報D112を参照して、待ち時間予測部150において待ち時間を予測したときの時刻と、実行時刻とに基づき特典を特定する。待ち時間を予測したときの時刻とは、例えば、待ち時間予測部150において待ち時間の予測を開始したときの時刻、待ち時間予測部150において待ち時間の予測を完了したときの時刻、ユーザ端末200においてユーザによる待ち時間を予測させるための操作入力を受け付けた時刻、又は待ち時間予測部150において待ち時間の予測を開始または完了したときにユーザから待ち時間を確認したことを示す操作入力を受け付けた時刻などである。
【0039】
ここで、特典特定部170は、待ち時間予測部150において待ち時間を予測したときの時刻から実行時刻までの時間が長ければ長いほど、長い待ち時間をゼロにすることが可能なキャンセル時間が設定された特典を特定してもよい。具体的には、特典特定部170は、特典情報D112を参照して、待ち時間が30分であった場合には30分の待ち時間をゼロにすることが可能なキャンセル時間を示す「30」ポイントを特定し、待ち時間が60分であった場合には60分の待ち時間をゼロにすることが可能なキャンセル時間を示す「60」ポイントを特定する。これにより、特典提供装置100は、ユーザが目的を達成するまでに要した待ち時間が長ければ長いほどより有益な特典を取得できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0040】
予測特典提示部171は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間に基づき、ユーザに提供され得る特典(以下、「予測特典」という。)をユーザに予め提示してもよい。すなわち、予測特典提示部171は、待ち時間が予測された時点でユーザが取得し得る特典をユーザに予め提示可能な機能である。具体的には、予測特典提示部171は、予測された待ち時間が「60」分である場合、特典情報D112を参照して、例えば「優先案内チケット」を予測特典として提示する。これにより、特典提供装置100は、ユーザに予測特典を提示できるため、ユーザが順番待ちをする際の不快感を特典取得の期待に変換でき、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0041】
キャンセル可否判定部172は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間が、ユーザが保有する特典に設定されたキャンセル時間以下であるか否かを判定してもよい。すなわち、キャンセル可否判定部172は、ユーザが待ち時間をゼロにし得る特典を有しているか否かを判定する。なお、以下では、キャンセル可否判定部172で判定された結果を「判定結果」という。ここで、特典特定部170は、キャンセル可否判定部172において待ち時間がキャンセル時間以下であると判定された判定結果を取得した場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための情報(以下、「優先情報」という。)を特定する。優先情報とは、例えば空港や飲食店などで人が行列を作っている場合に、当該行列とは関係なく優先的に搭乗手続きや入店をユーザが実行するための情報である。
【0042】
具体的には、キャンセル可否判定部172は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間が「50」分である場合、ユーザ情報D110を参照して、当該ユーザ(例えば「00001」のユーザID)に関連する特典(ここでは「60分」のキャンセル時間)を特定する。そして、キャンセル可否判定部172は、待ち時間「50」分がキャンセル時間「60」分以下であることを判定する。そして、特典提供装置100は、待ち時間がキャンセル時間以下であると判定された判定結果を取得し、優先案内チケットを特定する。これにより、特典提供装置100は、ユーザの待ち時間をキャンセルし得る特典をユーザが保有している場合、優先的にユーザの目的を達成可能な特典をユーザに迅速に提供できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0043】
また、キャンセル可否判定部172は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間が、ユーザが保有する特典に設定されたキャンセル時間以下でないと判定した場合、所定の時間が経過したときに、待ち時間がキャンセル時間以下になったか否かを判定してもよい。すなわち、キャンセル可否判定部172は、ユーザが保有する特典によって待ち時間をゼロにし得る状況であるか否かを判定する。この場合、特典特定部170は、キャンセル可否判定部172において待ち時間がキャンセル時間以下になったと判定された場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための情報である優先案内チケット(優先情報)を特定する。
【0044】
具体的には、キャンセル可否判定部172は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間が「90」分である場合、ユーザ情報D110を参照して、当該ユーザ(例えば「00001」のユーザID)に関連する特典(ここでは「60分」のキャンセル時間)を特定する。その後、時間が経過することによって、キャンセル可否判定部172は、待ち時間が「60」分になったか否かを判定する。そして、特典提供装置100は、待ち時間がキャンセル時間以下であると判定された判定結果を取得し、優先案内チケットを特定する。これにより、特典提供装置100は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちを継続するような場合において、継続して待っているときに保有している特典によって待ち時間をキャンセルし得るようになったときに、優先的にユーザの目的を達成可能な特典をユーザに迅速に提供できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0045】
特典提供部180は、特典特定部170で特定された特典をユーザに提供する。
【0046】
表示処理部190は、各種画面をユーザ端末200の表示部1007に表示させるための情報(以下、単に「画面」という。)を生成する。具体的には、表示処理部190は、例えば
図5および
図6に示す画面を生成する。
【0047】
図5を参照して、特典を含む特典画面T10について説明する。
図5は、特典画面T10の一例を示す図である。
図5に示すように、特典画面T10は、例えば、案内文表示領域T11と、特典表示領域T12とを含む。
【0048】
案内文表示領域T11は、例えば発行される特典に関する情報を表示する領域である。具体的には、案内文表示領域T11には、特典が発行されたこと、発行され得る特典のこと、特典が発行される予定の時刻のことなどが表示される。なお、
図5の案内文表示領域T11には、一例として、優先情報である「優先案内チケット」がユーザに提供されたときの案内文を示す。これにより、ユーザは、発行された特典の内容や、これから発行される予定の特典の内容を適切に知ることができる。
【0049】
特典表示領域T12は、例えば特典を表示する領域である。具体的には、特典表示領域T12は、特典識別情報T12aと、特典名称T12bとを含む。ユーザ識別情報T12aには、例えば、二次元識別コード(図示)、一次元識別コード、シリアルナンバーなどの、ユーザを識別可能な情報(例えばユーザの氏名、携帯番号など)を含むユーザ識別情報が表示される。特典識別情報T12bには、特典を識別可能な情報である特典識別情報(例えば特典の名称)が表示される。このように、特典提供装置100は、特典表示領域T12において、特典識別情報T12aを表示させることにより、他人に発行された特典を流用するなどの悪用を防止できる。
【0050】
図6を参照して、予測特典を含む予測特典画面T20について説明する。
図6は、予測特典を含む予測特典画面T20の一例を示す図である。
図6に示すように、予測特典画面T20は、例えば、待ち時間表示領域T21と、予測特典表示領域T22と、選択可能特典表示領域T23と、決定ボタンT24とを含む。
【0051】
待ち時間表示領域T21は、例えば待ち時間予測部150で予測された待ち時間を表示する領域である。
【0052】
予測特典表示領域T22は、例えば待ち時間表示領域T21に表示される待ち時間を待った場合に発行される予定の特典を表示する領域である。具体的には、予測特典表示領域T22には、待ち時間が「60」である場合に予測特典提示部171によって「優先案内チケット」の特典が提示される。これにより、特典提供装置100は、ユーザが取得可能な特典を予め視覚的に提示できるため、ユーザが順番待ちをする際の不快感を特典取得の期待に変換でき、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0053】
選択可能特典表示領域T23は、例えば待ち時間表示領域T21に表示される待ち時間を待った場合に発行し得る特典を選択可能に表示する領域である。具体的は、選択可能特典表示領域T23には、待ち時間が「60」分である場合にユーザに発行することが可能な特典を選択可能に表示する。表示処理部190は、例えば選択チェックボックスT23aに関連づけて特典の名称を表示させてもよい。ユーザ端末200において選択チェックボックスT23aに対するユーザの選択操作を受け付けると、特典提供装置100は、当該選択チェックボックスT23aに対応する特典をユーザに発行する特典として特定する。例えば、予測特典提示部171は、特典情報D112を参照して、待ち時間が「60」分以下の待ち時間に対応する特典を、ユーザに発行することが可能な特典として特定する。これにより、特典提供装置100は、ユーザが取得可能な特典をユーザに予め視覚的に提示できるため、ユーザが順番待ちをする際の不快感を特典取得の期待に変換でき、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。さらに、特典提供装置100は、ユーザの希望する特典をユーザが予め選択できるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0054】
確認ボタンT24は、選択した特典を確定させるためのボタンである。ユーザ端末200において確認ボタンT24に対するユーザの操作入力を受け付けると、特典提供装置100は、選択された特典をユーザに発行する特典として確定してもよい。
【0055】
なお、
図6に示す選択可能特典表示領域T23を、
図5に示す特典画面T10に表示させてもよい。すなわち、特典提供装置100は、ユーザに特典を発行するときに、ユーザが特典を選択可能に表示部に表示させてもよい。これにより、特典提供装置100は、ユーザの希望する特典をユーザが選択できるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0056】
<<変形例>>
ここで、変形例に係る情報処理システム10について説明する。以下では、上述した情報処理システム10と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は上述した情報処理システム10と同様とする。
【0057】
変形例に係る情報処理システム10は、上述した情報処理システム10の機能に加えて、ユーザが購入する予定の商品やサービスに基づき、ユーザに予め特典を提供するシステムである。
【0058】
変形例に係る特典提供装置100は、上述した特典提供装置100と比較して、さらに、ユーザ予定情報取得部(不図示)をさらに含む。ユーザ予定情報取得部は、ユーザ端末200に対するユーザの操作入力に基づき、ユーザの目的に関する商品およびサービスであって、ユーザが購入する予定の商品およびユーザが提供を受ける予定のサービスのうちの少なくともいずれかを示す情報(以下、「ユーザ予定情報」という。)を取得する。
【0059】
この場合、特典特定部170は、ユーザ予定情報取得部においてユーザ予定情報を取得した場合、ユーザ予定情報が示す商品およびサービスのうちの少なくともいずれかに対してユーザが支払う金額が所定の金額以上である場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための優先情報を特定する。所定の金額は、例えば、管理者によって予め設定される金額であってもよいし、管理者が任意に設定可能な金額であってもよい。
【0060】
具体的には、特典特定部170は、閾値である所定の金額が『150,000』円であり、ユーザ予定情報が示す金額が『200,000』円である場合、『優先案内チケット』の特典を特定する。これにより、変形例に係る特典提供装置100は、ユーザが取得可能な特典をユーザに予め提供できるため、高額な買い物をする予定のユーザを優先的に案内して、高額な買い物をするユーザの囲い込みを実現できる。
【0061】
また、この場合、表示処理部190は、
図7に示す画面を生成してもよい。
図7は、ユーザが購入する予定の商品またはユーザが提供を受ける予定のサービスを選択可能に表示する購入予定選択画面T30である。
【0062】
図7に示すように、購入予定選択画面T30は、メッセージ表示領域T31と、選択表示表示領域T32と、確定ボタンT33とを含む。
【0063】
メッセージ表示領域T31は、ユーザへの選択に関するメッセージを表示する領域である。メッセージ表示領域T31には、例えば後述する選択商品表示領域T32において選択された商品(またはサービス)の合計金額を表示するとともに、優先情報が提供されるまでの金額を表示してもよい(例えば、「現在100,000円です。あと50,000円で優先案内チケットが発行されます。」)。これにより、特典提供装置100は、ユーザの購買意欲を向上させるとともに、高額な買い物をするユーザの囲い込みを実現できる。
【0064】
選択商品表示領域T32は、例えば購入予定の商品(またはサービス)を選択可能に表示する領域である。具体的は、選択商品表示領域T32には、例えば選択チェックボックスT32aと、商品(またはサービス)の名称および金額とを関連づけて表示してもよい。これにより、特典提供装置100は、ユーザの希望する商品またはサービスをユーザが予め選択する操作性を向上できる。
【0065】
確認ボタンT33は、選択した購入予定の商品またはサービスを確定させるためのボタンである。ユーザ端末200において確認ボタンT33に対するユーザの操作入力を受け付けると、特典提供装置100は、選択された商品またはサービスの金額が所定の金額以上である場合、ユーザに優先情報を発行する。
【0066】
なお、上記において、特典特定部170は、ユーザが支払う金額が所定の金額以上である場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための優先情報を特定するとして説明したがこれに限定されない。例えば、特典特定部170は、ユーザが支払う金額が所定の金額以上である場合、特典情報D112(ここでは、特典に金額を関連づけて記憶されているデータベースとする)を参照して、ユーザが支払う金額に応じた特典を特定してもよい。また、特典特定部170は、ユーザが支払う金額に基づき、発行可能な特典を特定して、表示部に選択可能に表示してもよい。これにより、特典提供装置100は、ユーザの希望する特典をユーザが予め選択して提供されるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0067】
===ユーザ端末200の構成===
図1に戻り、ユーザ端末200の構成について説明する。ユーザ端末200は、例えば、特典提供装置100から取得した各種画面を表示部1007に表示させる。ユーザ端末200は、例えば、記憶部210と、送受信部220と、表示処理部230とを含む。記憶部210は、例えば各種情報を記憶する。送受信部220は、各種情報を各種装置との間で送受信する。例えば、各種画面を特典提供装置100から取得する。表示処理部230は、例えば各種画面を表示部に表示させる。
【0068】
===処理手順===
図8を参照して、情報処理システム10の処理手順について説明する。
図8は、情報処理システム10の処理手順の一例を示すフロー図である。
図8では、ユーザが目的を達成するために店舗での行列に並んで順番待ちした結果、ユーザに特典が発行される処理手順について説明する。
【0069】
ステップS100において、ユーザ端末200は、位置情報を特典提供装置100に送信する。このとき、ユーザ端末200は、ユーザの操作入力を受け付けて、行列に並び始めたことを示す情報を特典提供装置100に送信してもよい。これにより、特典提供装置100は待ち時間を正確に予測できる。
【0070】
ステップS101において、特典提供装置100は、目的場所情報D111を参照して、位置情報に基づき目的場所の位置を特定する。
【0071】
ステップS102において、特典提供装置100は、位置情報と、目的場所の位置とに基づき待ち時間を予測する。
【0072】
ステップS103において、特典提供装置100は、特典情報D112を参照して、待つ時間に基づき予測特典を特定する。特典提供装置100は、特定した予測特典を含む予測特典画面T20をユーザ端末200に表示させる。
【0073】
ステップS104において、ユーザ端末200は、予測特典画面T20を表示部に表示する。これにより、特典提供装置100は、ユーザが取得可能な特典を予め視覚的に提示できるため、ユーザが順番待ちをする際の不快感を特典取得の期待に変換でき、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0074】
ステップS105において、特典提供装置100は、ユーザ情報D110を参照して、ユーザが待ち時間をゼロにし得る特典を保有しているか否かを判定する。特典提供装置100は、判定結果を含む画面(不図示)をユーザ端末200に表示させる。
【0075】
ステップS106において、ユーザ端末200は、待ち時間をゼロにできるか否かの判定結果を含む画面を表示部に表示する。ユーザが待ち時間をゼロにできる場合、当該画面には、優先情報(例えば「優先案内チケット」)を使用するか否かを確認するためのオブジェクト(例えばボタン)が表示されていてもよい。
【0076】
ステップS107において、ユーザ端末200は、ユーザが店舗の行列に並んでユーザの目的を達成した場合、実行情報を特典提供装置100に送信する。このとき、ユーザ端末200は、例えば、ユーザの目的を実行したことを示す操作入力を受け付けた時刻、又は店舗で発行されるレシートの画像などを、実行情報として特典提供装置100に送信してもよい。
【0077】
ステップS108において、特典提供装置100は、実行情報に基づき実行時刻を特定する。このとき、特典提供装置100は、例えば、画像処理によってレシートに記載されている日時を認識して実行時刻を特定してもよい。
【0078】
ステップS109において、特典提供装置100は、ステップS102において待ち時間を予測したときの時刻と、実行時刻とに基づき特典を特定する。特典提供装置100は、特定した特典を含む特典画面T10をユーザ端末200に表示させる。
【0079】
ステップS110において、ユーザ端末200は、特典を含む特典画面T10を表示部1007に表示する。
【0080】
なお、情報処理システム10において、ステップS103~ステップS106については実行しなくてもよい。また、情報処理システム10において、各ステップの実行のタイミングは上記に限定されない。例えば、特典提供装置100は、ステップS103およびステップS104を、ステップS107の後に実行してよい。
【0081】
===ハードウェア構成===
図9を参照して、情報処理システム10をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。
図9は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0082】
図9に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006、及び表示部1007を含む。
【0083】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0084】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0085】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0086】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0087】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0088】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0089】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0090】
===まとめ===
本実施形態の情報処理システム10は、ユーザの目的をユーザが実行可能になるまでの待ち時間を予測する待ち時間予測部150と、ユーザの目的をユーザが実行したことに関する情報である実行情報を取得する実行情報取得部130と、実行情報に基づいて、ユーザの目的をユーザが実行した時刻である実行時刻を特定する実行時刻特定部160と、待ち時間予測部150において待ち時間を予測したときの時刻と、実行時刻と、に基づいて、特典を特定する特典特定部170と、特典特定部170で特定された特典をユーザに提供する特典提供部180と、を備える。これにより、情報処理システム10は、ユーザが所定の目的を達成するための待ち時間による精神的なストレスを緩和しつつ、所定の目的を提供する事業者に対してユーザ獲得機会の喪失を防止する仕組みを事業者に提供できる。
【0091】
また、本実施形態の情報処理システム10は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間に基づいて、ユーザに提供され得る特典をユーザに提示する予測特典提示部171をさらに備える。これにより、情報処理システム10は、ユーザに予測特典を提示できるため、ユーザが順番待ちをする際の不快感を特典取得の期待に変換でき、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0092】
また、本実施形態の情報処理システム10において、特典は、待ち時間をゼロにし得る時間であるキャンセル時間が設定される特典であり、特典特定部170は、待ち時間予測部150において待ち時間を予測したときの時刻から実行時刻までの時間が長ければ長いほど、長い待ち時間をゼロにすることが可能なキャンセル時間(キャンセル時間に相当するポイントであってもよい)が設定される特典を特定する。これにより、情報処理システム10は、ユーザが目的を達成するまでに要した待ち時間が長ければ長いほどより有益な特典を取得できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0093】
また、本実施形態の情報処理システム10において、特典は、待ち時間をゼロにし得る時間であるキャンセル時間が設定される特典であり、情報処理システム10は、待ち時間予測部150で予測された待ち時間が、ユーザが保有する特典に設定されたキャンセル時間以下であるか否かを判定するキャンセル可否判定部172をさらに備え、特典特定部170は、待ち時間がキャンセル時間以下であると判定された場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための特典である優先情報を特定し、特典提供部180は、優先情報(例えば「優先案内チケット」)をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10は、ユーザの待ち時間をキャンセルし得る特典をユーザが有している場合において、優先的にユーザの目的を達成可能な特典をユーザに迅速に提供できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0094】
また、本実施形態の情報処理システム10において、キャンセル可否判定部172は、待ち時間がキャンセル時間以下でないと判定した場合、所定の時間が経過したときに、待ち時間がキャンセル時間以下になったか否かを判定し、特典特定部170は、待ち時間がキャンセル時間以下であると判定された場合、優先情報を特定する。これにより、情報処理システム10は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちを継続するような場合において、継続して待っているときに保有している特典によって待ち時間をキャンセルし得るようになったときに、優先的にユーザの目的を達成可能な特典をユーザに迅速に提供できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0095】
また、本実施形態の情報処理システム10において、特典は、待ち時間をゼロにして、ユーザがユーザの目的を実行可能とするための特典であり、情報処理システム10は、ユーザの操作入力に基づいて、ユーザの目的に関する商品およびサービスであって、ユーザが購入する予定の商品およびユーザが提供を受ける予定のサービスのうちの少なくともいずれかを示す情報であるユーザ予定情報を取得するユーザ予定情報取得部をさらに備え、特典特定部170は、ユーザ予定情報取得部においてユーザ予定情報を取得した場合、ユーザ予定情報が示す商品およびサービスのうちの少なくともいずれかに対してユーザが支払う金額が所定の金額以上である場合、ユーザの目的をユーザが実行可能とするための情報である優先情報を特定し、特典提供部180は、当該優先情報(例えば「優先案内チケット」)をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10は、ユーザが取得可能な特典をユーザに予め提供できるため、高額な買い物をする予定のユーザを優先的に案内して、高額な買い物をするユーザの囲い込みを実現できる。
【0096】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、上記実施の形態で記載された情報処理システム10における、特典提供装置100およびユーザ端末200が備える構成要素は、記憶装置1003に格納されたプログラムがプロセッサ1001によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。
【符号の説明】
【0097】
10…情報処理システム、100…特典提供装置、110…記憶部、120…位置情報取得部、130…実行情報取得部、140…目的特定部、150…待ち時間予測部、160…実行時刻特定部、170…特典特定部、171…予測特典提示部、172…キャンセル可否判定部、180…特典提供部、190…表示処理部、200…ユーザ端末。