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特開2024-168471コンテンツ評価システム、コンテンツ評価方法及びコンテンツ評価プログラム
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  • 特開-コンテンツ評価システム、コンテンツ評価方法及びコンテンツ評価プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168471
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】コンテンツ評価システム、コンテンツ評価方法及びコンテンツ評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241128BHJP
   G06Q 50/00 20240101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085185
(22)【出願日】2023-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】519344969
【氏名又は名称】株式会社PocketRD
(74)【代理人】
【識別番号】230112911
【弁護士】
【氏名又は名称】三和 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】羽野 仁彦
(72)【発明者】
【氏名】籾倉 宏哉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC00
5L049CC11
5L050CC00
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】動画、画像等の創作物やこれら以外の所定の情報等からなるコンテンツに対し、閲覧者の評価能力の高低に応じて客観的に評価する技術を提供する。
【解決手段】評価対象となるコンテンツに関する情報を入力するコンテンツ情報入力部1と、入力情報に基づきコンテンツと1対1の対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンを生成するコンテンツトークン生成部2と、コンテンツに対する評価を行う者である評価者に関する情報を入力する評価者情報入力部3と、入力情報に基づき評価者と1対1の対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンを生成する評価者トークン生成部4と、コンテンツの保有者の名義変動と連動してコンテンツトークンの保有名義を変更するための情報である保有名義変更情報を生成する保有名義変更情報生成部5と、評価者が生成した個々のコンテンツに対する評価値を入力するコンテンツ評価値入力部6と備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成手段と、
評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成手段が作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成手段と、
個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記コンテンツ評価情報生成手段は、前記評価能力情報生成手段によって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正し、
前記出力手段は、前記コンテンツ評価情報生成手段により修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力することを特徴とするコンテンツ評価システム。
【請求項2】
前記コンテンツ評価情報生成手段は、前記補正処理及び前記再度の補正処理として、前記評価者が作成した数値情報からなる前記評価値に対し、前記評価値を作成した前記評価者に関し数値情報からなる前記評価能力情報を乗算する処理を含む処理を行うことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ評価システム。
【請求項3】
前記評価能力情報生成手段は、前記補正処理として評価対象である前記評価者が複数のコンテンツに関し作成した数値情報からなる前記評価値と、前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成手段が作成した数値情報からなる前記コンテンツ評価情報の間の差分値を算出する処理を含む処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載のコンテンツ評価システム。
【請求項4】
評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成ステップと、
評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成ステップと、
個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力ステップと、
前記評価能力情報生成ステップによって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正する再度の評価能力情報生成ステップと、
前記コンテンツ評価情報生成ステップにより修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力する再度の出力ステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ評価方法。
【請求項5】
前記評価能力情報生成ステップにおいて、前記補正処理として評価対象である前記評価者が複数のコンテンツに関し作成した数値情報からなる前記評価値と、前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成した数値情報からなる前記コンテンツ評価情報の間の差分値を算出する処理を含む処理を行うことを特徴とする請求項4記載のコンテンツ評価方法。
【請求項6】
評価対象であるコンテンツに関するコンテンツ評価情報の生成をコンピュータに行わせるコンテンツ評価プログラムであって、
前記コンピュータに対し、
評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成機能と、
評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成機能が作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成機能と、
個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力機能と、
を実現させ、
前記コンテンツ評価情報生成機能は、前記コンピュータに対し前記評価能力情報生成機能によって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正させ、
前記出力機能は、前記コンピュータに対し前記コンテンツ評価情報生成機能により修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力させることを特徴とするコンテンツ評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画、画像、所定の情報等あるいはこれらの組み合わせからなるコンテンツの価値評価を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の発展に伴い、動画、画像等の創作物やこれら以外の所定の情報等からなるコンテンツが、過去と比較して莫大な量にわたり創作され、流通している。莫大な量のコンテンツが存在することは多様性の観点から大変好ましいものであるところ、他方でコンテンツの質に関しては玉石混交となることもまた事実である。そのため、閲覧者が優良なコンテンツを選択的に閲覧できるよう、従来からコンテンツ評価に関する技術の開発が行われている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、コンテンツを閲覧中の閲覧者の画像より閲覧者の体内血管の容積変化を波形として表現した脈波に基づき閲覧者の集中度を推定し、閲覧者の集中度が高いコンテンツに対し高評価を与える技術が開示されている。また、特許文献2には、視線を条件反射的に惹きつける誘目性を排除しつつ閲覧者の視線が向かう目視対象を検出することでコンテンツ評価を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-169224号公報
【特許文献2】特開2022-138858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2に開示された技術は、得られるコンテンツの評価値は閲覧者次第であって客観性を担保できないという問題がある。具体的には、特許文献1、2に開示された技術では、コンテンツに対する評価能力の優劣にかかわらずどの閲覧者についても同様にコンテンツ評価を行う構成となっているため、評価能力に優れた閲覧者であれば到底評価されない質のコンテンツが、評価能力に劣る閲覧者によっては高評価されてしまうといった事態が生じうる。すなわち、特許文献1、2に開示された技術は、閲覧者の評価能力の高低を問題とすることなく、多数の閲覧者間における人気度に応じてコンテンツの評価値が定まってしまうこととなり、客観的な評価値を算出できないという問題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、動画、画像等の創作物やこれら以外の所定の情報等からなるコンテンツに対し、閲覧者の評価能力の高低に応じて客観的に評価する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるコンテンツ評価システムは、評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成手段と、 評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成手段が作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成手段と、個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力手段とを備え、前記コンテンツ評価情報生成手段は、前記評価能力情報生成手段によって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正し、前記出力手段は、前記コンテンツ評価情報生成手段により修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、請求項2にかかるコンテンツ評価システムは、上記の発明において、前記コンテンツ評価情報生成手段は、前記補正処理及び前記再度の補正処理として、前記評価者が作成した数値情報からなる前記評価値に対し、前記評価値を作成した前記評価者に関し数値情報からなる前記評価能力情報を乗算する処理を含む処理を行うことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、請求項3にかかるコンテンツ評価システムは、上記の発明において、前記評価能力情報生成手段は、前記補正処理として評価対象である前記評価者が複数のコンテンツに関し作成した数値情報からなる前記評価値と、前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成手段が作成した数値情報からなる前記コンテンツ評価情報の間の差分値を算出する処理を含む処理を行うことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項4にかかるコンテンツ評価方法は、評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成ステップと、評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成ステップと、個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力ステップと、前記評価能力情報生成ステップによって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正する再度の評価能力情報生成ステップと、前記コンテンツ評価情報生成ステップにより修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力する再度の出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項5にかかるコンテンツ評価方法は、上記の発明において、前記評価能力情報生成ステップにおいて、前記補正処理として評価対象である前記評価者が複数のコンテンツに関し作成した数値情報からなる前記評価値と、前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成した数値情報からなる前記コンテンツ評価情報の間の差分値を算出する処理を含む処理を行うことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項6にかかるコンテンツ評価プログラムは、評価対象であるコンテンツに関するコンテンツ評価情報の生成をコンピュータに行わせるコンテンツ評価プログラムであって、前記コンピュータに対し、評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成機能と、評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成機能が作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成機能と、個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力機能とを実現させ、前記コンテンツ評価情報生成機能は、前記コンピュータに対し前記評価能力情報生成機能によって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正させ、前記出力機能は、前記コンピュータに対し前記コンテンツ評価情報生成機能により修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動画、画像等の創作物やこれら以外の所定の情報等からなるコンテンツに対し、閲覧者の評価能力の高低に応じて客観的に評価するシステム等を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムの構成を示す模式図である。
図2】実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムにおけるコンテンツ評価情報の生成処理を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムにおける評価能力情報の生成処理を示すフローチャートである。
図4】実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明の実施の形態として最も適切と考えられる例について記載するものであり、当然のことながら、本発明の内容を本実施の形態にて示された具体例に限定して解すべきではない。同様の作用・効果を奏する構成であれば、実施の形態にて示す具体的構成以外のものであっても、本発明の技術的範囲に含まれることは勿論である。
(実施の形態1)
【0016】
まず、実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムの構成について説明する。図1に示すとおり、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムは、評価対象となるコンテンツに関する情報を入力するコンテンツ情報入力部1と、入力情報に基づきコンテンツと1対1の対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンを生成するコンテンツトークン生成部2と、コンテンツに対する評価を行う者である評価者に関する情報を入力する評価者情報入力部3と、入力情報に基づき評価者と1対1の対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンを生成する評価者トークン生成部4と、コンテンツの保有者の名義変動と連動してコンテンツトークンの保有名義を変更するための情報である保有名義変更情報を生成する保有名義変更情報生成部5と、評価者が生成した個々のコンテンツに対する評価値を入力するコンテンツ評価値入力部6と、入力された評価値に対し評価能力情報(後述)を用いて補正処理した結果に基づき個々のコンテンツに対する評価情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成部7と、評価値に対し当該評価値の対象と同一のコンテンツに関しコンテンツ評価情報生成部7が生成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき当該評価値を作成した評価者の評価能力に対する評価情報である評価能力情報を生成する評価能力情報生成部8と、評価値、コンテンツ評価情報及び評価能力情報を含むトランザクションを生成するトランザクション生成部9と、トランザクションの内容がトークンの保有名義者の意向に沿ったものであることを証明するデータである電子署名を生成する電子署名生成部10と、トランザクション及び電子署名を分散型ネットワークに対し出力する出力部11と、分散型ネットワーク上に出力された情報を取得して表示する表示部12を備える。
【0017】
コンテンツ情報入力部1は、評価の対象となるコンテンツに関する情報を入力するためのものである。具体的には、コンテンツ情報入力部1は、少なくともコンテンツの識別情報を入力する機能を有するものとし、好ましくはコンテンツの生成日時、コンテンツの概要、コンテンツ情報の入力者に関する情報等も入力することとする。なお、本実施の形態1における「コンテンツ」とは、動画、静止画像、音楽等及びこれらの組合せといった創作物に加え、お勧めの飲食店、料理、服装、パワースポット、グッズなどを紹介する情報そのものも含むものとする。
【0018】
コンテンツトークン生成部2は、個々のコンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンを生成するためのものである。「非代替性トークン」とはいわゆるNFT(Non-Fangible-Token)、すなわち固有のデータを備えることで他のトークンと代替不能な性質を有するトークンを意味し、たとえばEthereum(登録商標)の規格であるERC721に基づいて発行される。本実施の形態1にけるコンテンツトークンは、ERC721またはその他の所定の規格に基づき発行されるものであり、その取引履歴がブロックチェーン上に保存される構成となっている。
【0019】
「ブロックチェーン」とは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータ間において暗号技術を活用しつつデータ同期を行う技術である。具体的には、各ブロックが合意された取引記録の集合体と、各ブロックを接続させるための情報(前のブロックの情報)により構成され、当該各ブロックが複数連結されることによってブロックチェーンが構成される。複数のコンピュータの一部でデータ改ざんが行われても他のコンピュータとの間で多数決によって正しいデータが選択されるため、データの破壊・改ざんが極めて難しいという特徴を有している。
【0020】
コンテンツトークンとコンテンツの対応関係としては、コンテンツトークンの識別子とコンテンツの識別情報とを1対1で紐づける形式とする。より直接的に、コンテンツトークンの識別子とコンテンツの識別情報を同一内容とすることとしてもよいが、それぞれ異なる文字列等によって構成したものについて対応関係を設定する態様でも問題ない。
【0021】
また、コンテンツトークンの生成時には、コンテンツトークンの初期保有名義として、対応関係にあるコンテンツのトークン生成当時における保有名義に関する情報が生成される。初期保有名義に関する情報は、分散型台帳を構成するブロックに格納する情報の一部としてブロックチェーン上に保存する。なお、コンテンツトークンの保有名義に関する情報は、個人であれば具体的な氏名、法人の場合は商号と直接関係する文字列によって構成してもよいが、具体的な氏名等とは異なる文字列等からなるアカウント等によって構成し、別途、当該アカウント等と保有名義の対応関係を設定する態様でも問題ない。このように初期状態においてコンテンツの保有名義をコンテンツトークンの保有名義として設定し、コンテンツが移転して保有名義の変更が生じるごとにコンテンツトークンの保有名義についても同様に交代させることによって、本実施の形態1では、コンテンツの保有名義とコンテンツトークンの保有名義の同一性を維持している。
【0022】
なお、コンテンツトークンの生成については、コンテンツトークン生成部2が自ら行う態様でもよいし、コンテンツトークン生成部2と直接的または間接的に接続された外部システムに対し所定の指令を行うことによって、外部システムが生成する態様としてもよい。また、対応トークンの具体的形式についても、Ethereum(登録商標)の規格であるERC721に準拠したものに限定されず、非代替性の性質を有し、取引履歴等がブロックチェーン上に保存されるものであれば任意の形式のものとしてよい。
【0023】
評価者情報入力部3は、評価対象であるコンテンツに対する評価値を生成する評価者に関する情報を入力するためのものである。具体的には、評価者情報入力部3は、少なくとも評価者の識別情報を入力する機能を有するものとし、好ましくは、評価者の履歴、属性等の情報も入力するものとする。なお、本実施の形態1における「評価者」は自然人に限定されず、法人でもよいし、法人格を有さない任意の自然人の集団等であってもよい。さらに、本実施の形態1における「評価者」として、所定のアルゴリズムに従ってコンテンツに対する評価値を決定することが可能なコンピュータプログラム、AI(Artificial Intelligence:人工知能)等の無機的な概念も含むものとする。
【0024】
評価者トークン生成部4は、個々の評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンを生成するためのものである。コンテンツトークンと同様に、評価者トークンはたとえばEthereum(登録商標)の規格であるERC721に基づいて発行され、後述するコンテンツごとの評価値等に関する情報が、対応する分散型ネットワーク上に設置された分散型台帳に保存される構成となっている。なお、コンテンツトークンに関する分散型ネットワークと評価者トークンに関する分散型ネットワークは同一のものとしてもよいが、別個独立に構成することとしてもよい。
【0025】
保有名義変更情報生成部5は、コンテンツの保有名義が変動した際に、変動後のコンテンツの保有名義と一致するよう、分散型台帳に記録されたコンテンツトークンの保有名義を変更する情報である保有名義変更情報を生成するためのものである。なお、評価者トークンに関しては、本実施の形態1では評価者が変動することがないとして保有名義変更情報を生成しない扱いとするものの、何らかの理由による評価者の変動を許容する場合には、コンテンツトークンの場合と同様に、評価者トークンに関しても保有名義を変更する情報としての保有名義変更情報を生成することとしてもよい。
【0026】
コンテンツ評価値入力部6は、個々の評価者が作成した、評価対象となるコンテンツに対する評価値を入力するためのものである。コンテンツの評価値の具体的態様としては、本実施の形態1では整数(例えば0≦N≦100の範囲を満たす整数N)にて表現した値とするものの、実数その他の数値としてもよく、S、A、B、Cや、優等、中等、劣等のように文字にて表現したものでもよい。文字で表現した場合、コンテンツ評価情報生成部7にて処理を行う際には数値情報に変換した上で処理を行うものとする。入力された評価値はコンテンツ評価情報生成部7にてコンテンツ評価情報の生成に用いられる他、評価能力情報生成部8における評価能力情報の生成にも使用され、かつ、トランザクションの内容に含めるためトランザクション生成部9に対して出力される。
【0027】
コンテンツ評価情報生成部7は、評価対象となるコンテンツについて評価者が作成した評価値を、当該評価者の評価能力に応じて算出される情報である評価能力情報(後述)により補正した上で当該コンテンツに対する評価情報であるコンテンツ評価情報を生成するためのものである。ここで「補正」とは、コンテンツ評価情報の生成において、評価能力情報が低い評価者が作成した評価値の影響度を低くし、評価能力情報が高い評価者が作成した評価値の影響度を高めるよう補正を行うことを意味する。本実施の形態1においては、具体的には以下のとおりにコンテンツ評価情報の生成を行う。
【0028】
すなわち、コンテンツ評価情報生成部7は、特定のコンテンツに対し2以上の評価値について、それぞれ評価値を作成した評価者に関する評価能力情報を乗算した上で加算するとともに、当該加算値を、各評価者の評価能力情報の合計値にて除算することによってコンテンツ評価情報を生成する。具体的には、あるコンテンツAに対するコンテンツ評価情報Eは、評価者1、評価者2、評価者3、・・・評価者nが作成したコンテンツAに関する評価値VA1、VA2、VA3、・・・VAn及び各評価者の評価能力情報R、R、R、・・・Rにより次の数式によって表現される。

=(VA1+VA2+VA3+・・・+VAn)/(R+R+R+・・・+R
・・・(1)
【0029】
上記の数式に従って処理することにより、コンテンツ評価情報生成部7は、評価能力情報が高い評価者による評価値の影響度を高くする一方、評価能力情報が低い評価者による評価値の影響度を低くするよう補正を行った上で、各評価者が作成した評価値に基づきコンテンツ評価情報を生成することとしている。
【0030】
なお、各評価者の評価能力情報は、後述する評価能力情報生成部8による処理が行われる前は所定の初期値(たとえば「1」)とした上で上記(1)式にて表現される補正処理等を行うものとする。この場合、(1)式にしたがってコンテンツ評価情報が生成された後、当該コンテンツ評価情報を用いて評価能力情報生成部8が新たに評価能力情報を生成することとなり、コンテンツ評価情報生成部7は、新たに生成された評価能力情報を用いた補正処理を再度行ってコンテンツ評価情報を随時更新(再度の生成)する機能も有する。
【0031】
また、本実施の形態1におけるコンテンツ評価情報は上記の数式に示すとおり数値情報として表現されるものであるところ、たとえば小数点以下を四捨五入して整数値として表現してもよいし、数値情報に基づきS、A、B、Cや優等、中等、劣等のように文字にて表すこととしてもよい。
【0032】
評価能力情報生成部8は、コンテンツ評価情報生成部7によって生成されたコンテンツ評価情報と、自らが作成したコンテンツに対する評価値との間の乖離度に基づき、評価者の評価能力に関する情報である評価能力情報を生成するためのものである。具体的には、本実施の形態1において評価能力情報生成部8は、個々の評価者について、当該評価者が評価値を作成したそれぞれのコンテンツに関しコンテンツ評価情報との差分値(絶対値とする)をコンテンツ評価情報にて除算した値を導出し、各コンテンツに関する当該値の平均値を算出した上で、基準値(1以上の値。本実施の形態では1とする)との差分値を、評価能力情報として生成する。具体的には、コンテンツA、B、C、・・・(なお当該評価者が評価値を作成したコンテンツの個数をmとする。)についてコンテンツ評価情報をE、E、E、・・・とし、評価者nによるそれぞれのコンテンツに対する評価値をVAn、VBn、VCn、・・・とした場合に評価能力情報Rは次の数式によって表現される。

=1-[{|E-VAn|/E}+{|E-VBn|/E}+{|E-VCn|/E}+・・・]/m ・・・(2)
【0033】
上記の数式に従って評価能力情報を生成することにより、評価能力情報生成部8は、評価者自身が作成した評価値とコンテンツ評価情報生成部7が生成したコンテンツ評価情報の乖離度に基づき、乖離度が大きければ低い値に、乖離度が小さければ高い値となるよう評価能力情報が生成される。
【0034】
なお、本実施の形態1における評価能力情報生成部8は、一旦評価能力情報を生成した後、新たにコンテンツ評価情報生成部7によって同一コンテンツにより新しい評価能力情報等を用いたコンテンツ評価情報の生成が行われた場合、当該新たなコンテンツ評価情報を用いた補正処理を行うことで、評価能力を随時更新する機能も有する。
【0035】
また、コンテンツ評価情報と同様に、評価能力情報は数値情報によって構成されるのが原則であるところ、数値情報に基づきS、A、B、Cあるいは優等、中等、劣等などの文字によって表現することとしてもよい。
【0036】
トランザクション生成部9は、分散型台帳内に格納されるトランザクションを生成するためのものである。トランザクション生成部9は、コンテンツトークンに対応したトランザクションの内容としてコンテンツの識別情報、保有名義変更情報、コンテンツ評価情報及び各評価者が作成した当該コンテンツに関する評価値に関する情報を含めるものとし、評価者トークンに対応したトランザクションの内容として、評価者の識別情報、当該評価者に関する評価能力情報及び当該評価者が作成した各コンテンツに対する評価値に関する情報を含めるものとする。もっとも、トランザクションの内容について上記の構成に限定して解釈する必要はなく、上記以外の情報を含めてもよいし、たとえば評価値についてはコンテンツトークンに対応したトランザクション又は評価者トークンに対応したトランザクションのいずれか一方にのみ含めることとしてもよい。
【0037】
電子署名生成部10は、トランザクションに含まれる情報の作成・出力が、コンテンツトークン及び評価者トークンそれぞれの保有名義者の意向に従ったものであることを証明するデータである電子署名を生成するためのものである。具体的には、電子署名生成部10は、コンテンツトークンに対応したトランザクション及び評価者トークンに対応したトランザクションの双方について、トランザクション生成部9によって生成されたトランザクションのハッシュ値を生成し、保有名義者が保有する秘密鍵にて当該ハッシュ値を暗号化することにより電子署名を生成する。なお、「ハッシュ値」とは元データに対し一定計算手順を施すことにより得られた固定長の値である。当該計算手順が不可逆なものであるため、ハッシュ値から元データを復元することは不可能とされている。また、「秘密鍵」とは暗号化処理に用いられる数列であって、対応関係にある「公開鍵」により復号することが可能な構成となっている。
【0038】
出力部11は、トランザクション生成部9にて生成されたトランザクション及び電子署名生成部10にて生成された電子署名を、それぞれコンテンツトークン又は評価者トークンと関連付けられた分散型ネットワークに対し出力するためのものである。出力部11は、分散型ネットワークに対し直接的または間接的に接続されており、分散型ネットワークに対し所定のデータを出力可能な態様にて構成されている。分散型ネットワークは、出力されたトランザクションのハッシュ値を生成するとともに、電子署名を公開鍵にて復号したデータ(=トランザクションのハッシュ値)と対比し、両者が異なる値となる場合は保有名義者の意向に従ったトランザクションではないと判定して登録を拒否し、両者が一致する場合は保有名義者の意向に沿ったトランザクションと判定し、トランザクションにより構成される情報を、分散型台帳を構成するブロックに格納する。出力部11が出力するトランザクションのうち、コンテンツトークンに対応したトランザクションにはコンテンツの識別情報、保有名義変更情報、コンテンツ評価情報及び各評価者が作成した当該コンテンツに関する評価値に関する情報が含まれ、評価者トークンに対応したトランザクションには評価者の識別情報、当該評価者に関する評価能力情報及び当該評価者が作成した各コンテンツに対する評価値に関する情報が含まれており、これらのトランザクションが対応する分散型ネットワークに対し出力されることにより、トランザクションに含まれる各情報が分散型ネットワーク上に設けられた分散型台帳を構成するブロックに格納される。
【0039】
表示部12は、分散型台帳を構成するブロックに格納された情報を表示するためのものである。具体的には、表示部12は、コンテンツトークンに対応したトランザクションに含まれる情報のうち少なくともコンテンツ評価情報及び各評価者が作成した評価値に関する情報と、評価者トークンに対応したトランザクションに含まれる情報のうち評価能力情報及び当該評価者が作成した評価値に関する情報を表示する機能を有する。表示態様としては、ディスプレイ上に視覚的に表示する形式でもよいし、紙等の媒体上に印刷して表示する形式でもよいし、音声等によって上記情報の内容を表示する形式でもよい。
【0040】
次に、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムの動作のうち、コンテンツ評価情報の生成処理と評価能力情報の生成処理について説明する。図2に示すとおり、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムは、コンテンツ評価値入力部6において評価情報を生成する対象であるコンテンツに関して評価者が作成した評価値を入力し(ステップS101)、当該評価値を作成した評価者の評価能力情報(評価能力情報生成部8によって生成される前は所定の初期値(たとえば「1」))を入力し(ステップS102)、コンテンツ評価情報生成部7において、入力した評価値と評価能力情報を乗算する(ステップS103)。
【0041】
その後、コンテンツ評価情報生成部7は、対象となるコンテンツに関するすべての評価値・評価能力情報の組合せについて乗算処理を行ったか否かを判定し(ステップS104)、乗算処理を終えていない評価値・評価能力情報の組合せが残っている場合(ステップS104、No)はステップS103に戻って乗算処理を行う。すべての評価値・評価能力情報の組合せについて乗算処理が終了した場合(ステップS104、Yes)、コンテンツ評価情報生成部7は、各乗算処理の結果に関する加算値を算出し(ステップS105)、各評価能力情報の加算値を算出し(ステップS106)、最後に各乗算処理の結果に関する加算値を、各評価能力情報の加算値によって除算することで(ステップS107)、コンテンツ評価情報の生成処理を完了する。
【0042】
また、評価能力情報の生成処理について、図3に示すとおり、コンテンツ評価値入力部6において評価情報を生成する対象であるコンテンツに関して評価者が作成した評価値を入力し(ステップS201)、当該コンテンツに関しコンテンツ評価情報生成部7にて生成されたコンテンツ評価情報を入力し(ステップS202)、評価能力情報生成部8は、同一のコンテンツに関して、評価値とコンテンツ評価情報の差分値(絶対値)を生成し(ステップS203)、当該差分値をコンテンツ評価情報にて除算する(ステップS204)。
【0043】
その後、評価者能力情報生成部8は、評価能力生成の対象となる評価者が評価値を作成したコンテンツの全てについてステップS204までの演算処理を行ったか確認し(ステップS205)、演算処理が行われていないものがあれば(ステップS205、No)、ステップS203に戻って演算処理を行う。全てのコンテンツについて演算処理が終了した場合は(ステップS205、Yes)、さらに評価能力情報生成部8は、各演算処理の結果に関する加算値を算出し(ステップS206)、当該加算値を、評価者が評価値を作成したコンテンツの個数にて除算した上で(ステップS207)、除算結果と基準値(本実施の形態では「1」とする。)の差分値を算出することで(ステップS208)、評価者能力情報の生成処理を完了する。
【0044】
なお、図2及び図3に示す処理は相互に補完関係にある。たとえば図3に示す処理が行われた後に再度図2に示す処理が行われてコンテンツ評価情報が修正され、さらに修正されたコンテンツ評価情報を用いて図3に示す処理が再度行われて評価能力情報が修正され、という過程を繰り返すことが可能な構成となっている。
【0045】
次に、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムの利点について説明する。まず、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムは、評価対象となるコンテンツについて評価者が作成した評価値を、当該評価者の評価能力に関する情報である評価能力情報により補正処理した上でコンテンツ評価情報を生成することとしている。かかる構成を採用することにより、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムでは、評価者ごとの評価能力の相違によりコンテンツ評価情報が上下することを抑制し、より客観的・信用性の高いコンテンツ評価情報を生成できるという利点を有する。
【0046】
また、本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムでは、評価者が作成した評価値に対し評価値の対象と同一のコンテンツに関するコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき、当該評価者に関する評価能力情報を生成することとしている。かかる構成を採用することにより、より客観的・信用性の高い情報であるコンテンツ評価情報と、やや主観的な情報である当該評価者による評価値との乖離具合に応じて当該評価者の評価能力情報を算出することが可能となり、これにより本実施の形態1にかかるコンテンツ評価システムでは、客観的・信用性の高い評価能力情報を生成できるという利点を有する。
(実施の形態2)
【0047】
次に、実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムについて説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同一名称かつ同一符号を付した構成要素に関しては、特に言及しない限り、実施の形態1における構成要素と同一の機能を発揮するものとする。
【0048】
図4は、実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムの構成を示す模式図である。図4に示すとおり、実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムは、評価値に加えて評価者によるコンテンツ評価の具体的内容であるコンテンツ批評情報についても入力するコンテンツ評価値入力部14と、評価者トークンに対応したトランザクションとして実施の形態1にて示した内容に加えてコンテンツ批評情報を含む内容を生成するトランザクション生成部15と、かかるトランザクションに対応した電子署名を生成する電子署名生成部16と、トランザクション及び電子署名を出力する出力部17と、実施の形態1にて示した情報に加えコンテンツ評価の具体的内容を評価者と紐づけた状態にて表示する表示部18と、評価値及びコンテンツ批評情報の閲覧数について、評価者ごとに集計する閲覧数集計部19と、コンテンツ評価情報、当該コンテンツに対する評価値に加え閲覧集計数に基づき評価能力情報を生成する評価能力情報生成部20とを備える。
【0049】
コンテンツ批評情報は、コンテンツに対する評価値を作成した評価者による、評価値の作成根拠、コンテンツに対する評価者の印象、感想その他のコンテンツ評価に関連した情報を含むものであり、具体的態様としては任意のものでよく、文章、映像、音声またはこれらの組合せ等、任意の態様による表現全般を含むものとする。本実施の形態2では、コンテンツ批評情報が評価値と共に入力され、トランザクションの内容に含まれて分散型ネットワークのブロックに記録されると共に、表示部18によって広く公開される構成となっている。
【0050】
表示部18は、評価者ごと及びコンテンツごとに、評価者が作成した評価値及びコンテンツ批評情報を表示する機能を有する。具体的な表示態様としては、評価値及びコンテンツ批評情報をそのまま表示することとしてもよいし、所定の加工を施した上で表示することとしてもよい。また、同一コンテンツ・同一評価者に関して、評価値及びコンテンツ批評情報を同一画面上に一体的に表示することとしてもよいし、別個のコンテンツとして表示することとしてもよい。なお、表示部18によって表示されるコンテンツについては、たとえばインターネット経由等により制限なく何人も閲覧できることとしてもよいが、本実施の形態2においては、評価値及びコンテンツ批評情報を作成した評価者以外の評価者のみが閲覧できることとする。
【0051】
閲覧数集計部19は、表示部18によって表示された評価値及びコンテンツ批評情報に対する閲覧数を集計し、集計結果を評価能力情報生成部20に対し出力する機能を有する。具体的には、閲覧数集計部19は、評価値・コンテンツ批評情報ごとに(両者が一体的に表示される場合はまとめて)他の評価者による閲覧数を集計する機能を有し、本実施の形態2においては、同一の評価者が作成した評価値・コンテンツ批評情報の総閲覧数を算出すると共に、総閲覧数に対し、評価対象としたコンテンツ数にて除算した値を算出した上で当該算出値を評価能力情報生成部20に対し出力する機能を有する。
【0052】
評価能力情報生成部20は、評価能力情報の生成対象となる評価者が作成した評価値及び当該評価値に対応するコンテンツに関するコンテンツ評価情報に加え、当該評価者に関して閲覧数集計部19が算出した数値にも基づき評価能力情報を生成する機能を有する。 具体的には、評価能力情報生成部20は、実施の形態1の(2)式により導出したRに対し、閲覧数集計部19が集計した、対象評価者が作成した評価値・コンテンツ批評情報の総閲覧数をコンテンツ数で除算した値を乗算することにより、評価能力情報を算出する機能を有する。
【0053】
次に、本実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムの利点について説明する。本実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムは、実施の形態1における利点に加えて、情報生成対象である評価者に対する他者からの評価に関する情報にも基づき評価能力情報を生成する構成を採用している。かかる構成を採用することにより、本実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムは、より幅広い観点に基づく評価能力情報の生成が可能である。特に、本実施の形態2では同業者である他の評価者からの評価に関する情報を活用する構成を採用することから、一般大衆による主観評価の場合よりも信用性の高い評価情報を得ることが可能となることから、より信用性の高い評価能力情報を生成できるという利点が生じる。
【0054】
また、本実施の形態2にかかるコンテンツ評価システムでは、情報生成対象である評価者に対する他者からの評価に関する情報として、情報生成対象である評価者が作成した評価値及びコンテンツ批評情報に対する閲覧数を用いる構成を採用している。かかる構成を用いることで、本実施の形態2では、直接的に他の評価者等から対象となる評価者の能力に関する意見聴取・アンケート収集等した場合と比較して、情実等を排除したより客観的な能力評価に関する情報を取得することができる。すなわち、他の評価者が作成した評価値・コンテンツ批評情報を閲覧するのは偏にその評価者の能力を評価し、参考にしたいがためであるから、閲覧数を他の評価者等による評価の指標とすることは、より客観的に、他の評価者等による評価能力情報の生成対象の評価者に対する評価情報を取得できることにつながり、ひいてはより正確な評価能力情報を生成できるという利点が生じる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、動画、画像等の創作物やこれら以外の所定の情報等からなるコンテンツに対し、閲覧者の評価能力の高低に応じて客観的に評価するシステム等を実現する技術として利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 コンテンツ情報入力部
2 コンテンツトークン生成部
3 評価者情報入力部
4 評価者トークン生成部
5 保有名義変更情報生成部
6、14 コンテンツ評価値入力部
7 コンテンツ評価情報生成部
8、20 評価能力情報生成部
9、15 トランザクション生成部
10、16 電子署名生成部
11、17 出力部
12、18 表示部
19 閲覧数集計部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
コンピュータを用いて構築されたシステムにて実行されるコンテンツ評価方法であって、
評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成ステップと、
評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成ステップと、
個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力ステップと、
前記評価能力情報生成ステップによって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正する再度の評価能力情報生成ステップと、
前記コンテンツ評価情報生成ステップにより修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力する再度の出力ステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ評価方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項4にかかるコンテンツ評価方法は、コンピュータを用いて構築されたシステムにて実行されるコンテンツ評価方法であって、評価対象であるコンテンツに対し複数の評価者がそれぞれ作成した評価値に対し前記評価値を作成した前記評価者に関する評価能力情報を用いて補正処理した結果に基づき前記コンテンツに対する評価に関する情報であるコンテンツ評価情報を生成するコンテンツ評価情報生成ステップと、評価対象である評価者が複数のコンテンツに関し作成した評価値に対し前記コンテンツに関し前記コンテンツ評価情報生成ステップが作成したコンテンツ評価情報を用いて補正処理した結果に基づき前記評価能力情報を生成する評価能力情報生成ステップと、個々の前記コンテンツと対応関係にある非代替性トークンであるコンテンツトークンに対応した第一の分散型ネットワークに対し前記コンテンツ評価情報を出力し、個々の前記評価者と対応関係にある非代替性トークンである評価者トークンに対応した第二の分散型ネットワークに対し前記評価能力情報を出力する出力ステップと、前記評価能力情報生成ステップによって生成された前記評価能力情報を用いて再度の補正処理を行い、前記再度の補正処理を行った情報に基づき前記コンテンツ評価情報を修正する再度の評価能力情報生成ステップと、前記コンテンツ評価情報生成ステップにより修正された前記コンテンツ評価情報を前記第一の分散型ネットワークに対し出力する再度の出力ステップと、を含むことを特徴とする。