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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168530
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】放射線像の読取装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 42/02 20210101AFI20241128BHJP
   G03B 42/04 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
G03B42/02 B
G03B42/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085284
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優輔
(57)【要約】
【課題】イメージングプレートを正規姿勢で保持できるようにすることを目的とする。
【解決手段】放射線像の読取装置は、イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、イメージングプレート10を保持するステージ60と、励起光源と、光検出器と、を備え、ステージが、支持面64Fを有するステージ本体61と、第1方向F1に沿って間隔をあけて並ぶ一対の開閉位置決め部72A、72Bを含み、支持面上に支持されたイメージングプレートを第1方向に沿って挟込むように一対の開閉位置決め部がイメージングプレートの縁部分に対して接触する位置決め機構70と、を有し、一対の開閉位置決め部のうちの少なくとも一方が、一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて支持面に沿って開閉方向と直交する第2方向F2に向う傾き矯正面72AF1、72BF1を有する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、
前記イメージングプレートを保持するステージと、
前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、
前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、
を備え、
前記ステージが、
前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、
第1方向に沿って間隔をあけて並ぶ一対の開閉位置決め部を含み、前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が前記第1方向に沿って移動することで、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートを前記第1方向に沿って挟込むように前記一対の開閉位置決め部が前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する位置決め機構と、
を有し、
前記一対の開閉位置決め部のうちの少なくとも一方が、前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて前記支持面に沿って前記開閉方向と直交する第2方向に向う傾き矯正面を有する、放射線像の読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線像の読取装置であって、
前記一対の開閉位置決め部は、前記第2方向において前記傾き矯正面の両側に位置する少なくとも2つの接触縁部を有し、前記少なくとも2つの接触縁部が前記第2方向に沿う直線上に沿って延在する、放射線像の読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放射線像の読取装置であって、
前記傾き矯正面は、前記少なくとも2つの接触縁部のうちの1つから前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて前記第2方向に向い、
前記一対の開閉位置決め部は、前記少なくとも2つの接触縁部のうちの他の1つから前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かう接触回避面を有し、
前記少なくとも2つの接触縁部のうちの前記他の1つと前記接触回避面とは、曲面を介して連なっている、放射線像の読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記一対の開閉位置決め部のそれぞれが、前記傾き矯正面を有する、放射線像の読取装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記第1方向は水平方向であり、
前記傾き矯正面は、前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて上方に向う矯正面である、放射線像の読取装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記位置決め機構は、
前記支持面上において一定位置に位置し、前記第2方向において一方側から前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する基準位置決め部をさらに有する、放射線像の読取装置。
【請求項7】
請求項6に記載の放射線像の読取装置であって、
前記基準位置決め部は、前記イメージングプレートを下方から支える位置に位置している、放射線像の読取装置。
【請求項8】
請求項6に記載の放射線像の読取装置であって、
前記傾き矯正面は、前記第2方向において、前記基準位置決め部を基準として、矯正対象となる前記イメージングプレートの寸法の半分未満の位置から前記イメージングプレートの寸法未満となる領域に設けられている、放射線像の読取装置。
【請求項9】
請求項6に記載の放射線像の読取装置であって、
前記基準位置決め部は、前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分に対向させる接触位置と前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分から退避させる退避位置との間で位置変更可能である、放射線像の読取装置。
【請求項10】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記一対の開閉位置決め部は、一対の第1開閉位置決め部であり、
前記位置決め機構は、一対の第2開閉位置決め部を含み、
前記一対の第2開閉位置決め部の少なくとも一方が前記第2方向に沿って移動することで、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートを前記第2方向に沿って挟込むように前記一対の第2開閉位置決め部が前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する、放射線像の読取装置。
【請求項11】
請求項10に記載の放射線像の読取装置であって、
前記一対の第1開閉位置決め部が前記一対の第2開閉位置決め部よりも小さく開く、放射線像の読取装置。
【請求項12】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記位置決め機構は、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する、放射線像の読取装置。
【請求項13】
請求項12に記載の放射線像の読取装置であって、
前記位置決め面は、少なくとも前記支持面から前記イメージングプレートの厚み寸法分突出するように設けられ、前記支持面から離れるにつれて前記支持面に覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含む、放射線像の読取装置。
【請求項14】
請求項13に記載の放射線像の読取装置であって、
前記傾き矯正面は、前記ガイド位置決め面よりも前記支持面に対して直角に近い角度である、放射線像の読取装置。
【請求項15】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記ステージを、前記ステージに対して前記イメージングプレートがセットされるセット位置と前記励起光源からの励起光に応じて前記光検出器が前記放射線像を読取る読取位置との間で移動させるステージ移動機構と、
前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記セット位置から前記読取位置に移動するのにあわせて前記一対の開閉位置決め部を閉動作させる位置決め部動作機構と、
をさらに備える放射線像の読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、放射線像の読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、イメージングプレートを搬送する搬送機構を備える放射線像の読取装置を開示している。搬送機構として、イメージングプレートを保持するベルトと、ベルトを周回させるベルト駆動機構とを備える例が開示されている。イメージングプレートは、ベルトの一部である保持面上に載置された状態で、搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-53459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、イメージングプレートがベルトの保持面上に載置される構成では、イメージングプレートが放射線像の読取りに適した正規姿勢から傾いた姿勢で保持される可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、イメージングプレートを正規姿勢で保持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、放射線像の読取装置は、イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、前記イメージングプレートを保持するステージと、前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、を備え、前記ステージが、前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、第1方向に沿って間隔をあけて並ぶ一対の開閉位置決め部を含み、前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が前記第1方向に沿って移動することで、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートを前記第1方向に沿って挟込むように前記一対の開閉位置決め部が前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する位置決め機構と、を有し、前記一対の開閉位置決め部のうちの少なくとも一方が、前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて前記支持面に沿って前記開閉方向と直交する第2方向に向う傾き矯正面を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、イメージングプレートを正規姿勢で保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態に係る読取装置を示す概略斜視図である。
図2図2は読取装置を示す一部分解斜視図である。
図3図3は読取装置を示す一部分解斜視図である。
図4図4は読取装置の内部構造をステージの支持面に直交する外側から見た正面図である。
図5図5図4のV-V線断面図である。
図6図6はステージを示す斜視図である。
図7図7はセット位置におけるステージを示す正面図である。
図8図8はステージを示す背面図である。
図9図9はイメージングプレートに対する傾き矯正面の位置関係例を示す図である。
図10図10は読取位置におけるステージを示す正面図である。
図11図11図7のXI-XI線における部分断面図である。
図12図12はステージを位置決め部側から見た側面図である。
図13図13はイメージングプレートのガイド動作を示す説明図である。
図14図14は位置決め機構による位置決め動作を示す説明図である。
図15図15図14のXV-XV線断面図である。
図16図16は傾き矯正面が省略された場合の動作例を示す説明図である。
図17図17は傾き矯正面による傾き矯正動作を示す説明図である。
図18図18図17のXVIII-XVIII線断面図である。
図19図19は傾き矯正面による傾き矯正動作を示す説明図である。
図20図20は位置決め機構による位置決め動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
{実施形態}
<全体構成>
以下、実施形態に係る放射線像の読取装置について説明する。図1は読取装置20を示す概略斜視図である。図1において、筐体30が2点鎖線で示されている。図2及び図3は読取装置20を示す一部分解斜視図である。図1から図3ではステージ60がセット位置P1に位置する。図2及び図3ではセット用ガイド200と読取ユニット90とが分解されている。図2においてセット位置P1よりも内側のステージ60の読取位置P2及び奥側位置P4が2点鎖線で示されている。
【0010】
放射線像の読取装置20は、イメージングプレート10の表面10aから放射線像を読取る装置である。
【0011】
イメージングプレート10は、放射線像形成層11を有する平たい形状であり、放射線像を記憶する記憶媒体である。イメージングプレート10の表面10a側に放射線像形成層11が露出している。放射線像形成層11は、照射された放射線のエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーに応じた発光光を発する層である。例えば、放射線像形成層11は、樹脂で形成されたフィルムの一方主面に輝尽性蛍光体を塗布することによって形成される。X線発生器からのX線が撮影対象物を透過してイメージングプレート10に照射されると、X線の強度に応じたエネルギーが放射線像形成層11に蓄積される。X線の強度は、撮影対象物におけるX線吸収領域の分布に基づいたものであるため、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布は、X線による撮影対象物の放射線像である。このように、イメージングプレート10は、X線による放射線像を潜像として記憶する。
【0012】
読取装置20は、放射線像形成層11から放射線像を読取り、放射線像の画像データを生成する装置である。読取装置20は、ステージ60と、励起光源92と、光検出器94と、セット用ガイド200を備える。ステージ60は、イメージングプレート10を裏面10b側から支持する。ステージ60に支持されたイメージングプレート10に対して励起光源92からの励起光が照射される。イメージングプレート10に励起光が照射されることによって、イメージングプレート10の放射線像形成層11が発光する。この発光光を光検出器94が検出する。光検出器94の検出信号に基づいて放射線像の画像データが生成される。
【0013】
セット用ガイド200は、読取装置20の外から供給されるイメージングプレート10をステージ60に向けて案内するガイドである。本読取装置20の利用者は、イメージングプレート10をセット用ガイド200に供給することで、当該イメージングプレート10をステージ60に読取りに適した姿勢でセットすることができる。
【0014】
なお、イメージングプレート10のうち放射線像形成層11が形成された表面10aは、放射線像形成面と把握されてもよいし、励起光照射面と把握されてもよい。また、当該表面とは反対側の裏面10bは、ステージ60の支持面64Fと対面し、当該支持面64Fに接触する接触面であると把握されてもよい。裏面10bは、励起光が照射される面とは反対の面であり、放射線像形成層11とは反対の面である。イメージングプレート10が表裏に関して正しくステージ60にセットされた場合には、イメージングプレート10のうち支持面64Fが向く方向と同じ方向を向く表面は、潜像を記憶可能な記憶面であり、また、記憶した潜像が読取られる読取り面である。
【0015】
読取装置20の各部構成について説明する。
【0016】
<筐体について>
読取装置20は、筐体30を備えており(図1参照)、この筐体30内に、ステージ60と、励起光源92と、光検出器94と、セット用ガイド200とが収容される。
【0017】
筐体30は、開口31を有する。開口31は、例えば、筐体30の周囲の側面のうちの1つの面に形成されている。開口31は、セット用ガイド200のうち投入口230が形成された部分を外部に露出させることが可能な形状に形成されている。本実施形態では、開口31は、セット用ガイド200のうち投入口230が形成された外向き面全体を外部に露出させる方形状に形成されている。開口は、投入口230のみを外部に露出させる形状、例えば、スリット形状であってもよい。なお、筐体30の全体が1つの部品として形成されている必要は無い。例えば、後に変形例において説明されるように、筐体のうち開口が形成された部分が他の部分に対して取外し可能であってもよいし、あるいは、筐体の一部が後述のベース板41と一体に成形されている構成であってもよい。
【0018】
本読取装置20の利用者は、当該開口31を通じて、イメージングプレート10をセット用ガイド200の投入口230内に入れることができる。読取装置20内に入れられたイメージングプレート10は、ステージ60にセットされる。
【0019】
取出口32が、筐体30の下部、例えば、筐体30の一側面のうちの下側部分に設けられる。取出口32は、外方に開口している。当該取出口32内に回収トレイ49が配置される。回収トレイ49は、例えば、上方が開口する箱状に形成されている。ステージ60から排出されたイメージングプレート10が当該回収トレイ49に排出される。読取装置20の利用者は、取出口32内の回収トレイ49を外側に引出して読取済のイメージングプレート10を回収することができる。回収トレイ49は、筐体30から取外し可能であってもよい。回収トレイ49が取外可能である場合は、回収トレイ49を清掃しやすいので好ましい。
【0020】
筐体30に、各種指示を受付けるためのスイッチ33が設けられる。スイッチ33は、例えば、電源スイッチ、読取り開始を指示するためのスタートスイッチ等である。
【0021】
筐体30に、表示装置34が設けられてもよい。表示装置34は、例えば、液晶表示パネル又は有機EL(electro-luminescence)表示パネルにより構成される。この表示装置34に、読取られた放射線像が表示されてもよい。表示装置34に、操作のための諸情報が表示されてもよい。表示装置34には、読取り開始後に読取り終了までの残り時間等の読取り進捗状況に関する情報が表示されてもよい。表示装置34に、読取装置20に対する誤操作等に対する警告、注意、あるいはエラー情報が表示されてもよい。表示装置34は、表示機能及びタッチの検出機能を備えたタッチパネルであってもよい。この場合、上記スイッチの少なくとも一部の機能が、タッチパネルに組込まれてもよい。表示装置34は、省略されてもよい。
【0022】
イメージングプレート10を読取ることによって生成された放射線像の画像データが表示装置34に表示されることは必須ではない。放射線像の画像データは、無線通信又は有線通信によって、読取装置20と通信可能な他のコンピュータ(不図示)に送信されてもよい。放射線像の画像データは、本読取装置20に着脱可能なデータ記録媒体(例えば、フラッシュメモリ)に記録されてもよい。
【0023】
<筐体内部構成について>
筐体30の内部に設けられる各部構成について説明する。
【0024】
筐体30の内部に、支持部材40が設けられる。この支持部材40によって、ステージ60と励起光源92と光検出器94と、セット用ガイド200とが支持される。なお、下記例は一例であり、例えば、ステージ及びセット用ガイドを支持する構成は下記構成に限られない。支持部材に係る構成は本開示を限定するものでは無く、本開示は、重力を利用してイメージングプレート10をステージに導く各種構成に適用可能である。
【0025】
<支持部材について>
図1から図3に示すように、支持部材40は、ベース板41と、中間支持板42と、箱状部44とを備える。
【0026】
ベース板41は、筐体30の内部空間における下部に水平方向(重力方向に対して垂直な方向)に沿って配置される板状部材である。ここでは、ベース板41は、細長い方形板状に形成されている。ベース板41は、筐体30の下向き開口を閉じることができる。
【0027】
ベース板41上に中間支持板42が立設状態で支持される。中間支持板42は、重力方向に対して傾斜する傾斜面42aを有する板である(図3参照)。傾斜面42aは、斜め上方を向く面である。本実施形態では、中間支持板42は、長方形のうちの上側の1つの角を斜めに切除した形状に形成されている。傾斜面42a上に箱状部44が支持されることによって、箱状部44が斜め姿勢で支持されている。
【0028】
なお、本実施形態では、中間支持板42に、回路ユニット43が支持されている。回路ユニット43は、例えば、回路基板に各種電気部品が実装されたユニットである。かかる回路ユニットは、例えば、読取装置20の各種制御を実行する制御ユニットであってもよし、読取装置20の各部に電力を供給する電源回路であってもよい。回路ユニット43は、中間支持板42ではない他の部分、例えば、ベース板41、筐体30又は箱状部44によって支持されていてもよい。
【0029】
箱状部44は、一対の長手方向側板45と、一対の短手方向側板46と、背板47とを備える。背板47は、一方向に長い長方形板状である。一対の長手方向側板45のそれぞれは、背板47の長辺の長さに応じた長方形板状に形成されている.背板47の一対の長辺に、一対の長手方向側板45が立設状態で支持されている。短手方向側板46のそれぞれは、背板47の短辺の長さに応じた長方形板状に形成されている。背板47の一対の短辺に一対の短手方向側板46が立設状態で支持される。これにより、箱状部44は、背板47を底とし、当該底の一方主面側を一対の長手方向側板45と一対の短手方向側板46とで囲う箱状に形成されている。以下、一対の短手方向側板46のうち上側のものを短手方向側板46U、下側のものを短手方向側板46Lと区別する場合がある。箱状部44は、背板47の反対側で開口している。背板47に対する一対の長手方向側板45及び一対の短手方向側板46の固定は、例えば、ねじ止又は溶接によってなされる。
【0030】
背板47は、中間支持板42の傾斜面42aに当該傾斜面に沿った状態で支持される。背板47は、傾斜面42aの傾斜に沿って斜め姿勢で支持されている。中間支持板42に対する背板47の固定は、例えば、ねじ止又は溶接によってなされる。
【0031】
背板47に対して中間支持板42とは反対側に一対の長手方向側板45と一対の短手方向側板46とが立設されている。箱状部44は、中間支持板42とは反対側で、斜め上側に開口している。
【0032】
一対の長手方向側板45は、傾斜面42aの延在方向に沿って延在している。このため、一対の長手方向側板45のうち背板47とは反対側の縁も、傾斜面42aの延在方向に沿って重力方向に対して傾斜している。一対の長手方向側板45のうち背板47とは反対側の縁のそれぞれに、一対の支持ロッド48が重力方向に対して傾斜する姿勢で支持されている。支持ロッド48は、例えば、長手方向側板45及び短手方向側板46の少なくとも一方にねじ止、又は溶接されることによって支持される。
【0033】
本実施形態では、支持ロッド48は、角棒状に形成されている。支持ロッド48は、長手方向側板45の長さよりも長い。支持ロッド48の一端部は、長手方向側板45の縁部に沿って上側の短手方向側板46Uに達している。支持ロッド48の他端部は、長手方向側板45の縁部に沿って下側の短手方向側板46Lを越えてさらに斜め下側に延出している。支持ロッド48の他端部は、下端部であり、上記ベース板41よりも上に位置する。
【0034】
上記一対の支持ロッド48のうち背板47とは反対側の外向き面に、励起光源92及び光検出器94が取付けられる。励起光源92及び光検出器94は、一対の短手方向側板46間であって下側の短手方向側板46L寄りに位置している。励起光源92は、箱状部44側に向けて励起光を照射し、光検出器94は、箱状部44側からの光を検出する。支持ロッド48に対する励起光源92及び光検出器94の取付は、例えば、ねじ止によってなされる。
【0035】
ステージ60は、一対の長手方向側板45の間で、励起光源92及び光検出器94の内側を移動可能に支持されている。以下の説明において、便宜上、ステージ60について、励起光源92及び光検出器94が設けられる側を前方、その反対側を後方という場合がある。また、以下の説明において、励起光源92及び光検出器94に対するステージ60の相対的な移動方向を主走査方向A1として参照する場合がある。ステージ60によって保持されたイメージングプレート10が励起光源92及び光検出器94の内側を通過する際に、励起光源92からの励起光がイメージングプレート10に照射され、励起光によるイメージングプレート10の発光光が光検出器94によって検出される。
【0036】
一対の支持ロッド48のうち下側の短手方向側板46Lよりも下方に延出する部分にセット用ガイド200が取付けられる。支持ロッド48に対するセット用ガイド200の取付は、例えば、ねじ止によってなされる。
【0037】
ステージ60は、支持ロッド48の延在方向において下側の短手方向側板46Lよりも下方に延出する位置に移動することができる。ステージ60が短手方向側板46Lよりも下方に延出する位置に移動した状態で、利用者は、セット用ガイド200を通じて当該ステージ60にイメージングプレート10をセットすることができる。
【0038】
また、一対の支持ロッド48の斜め下延長上に、回収トレイ49が位置している。ステージ60が短手方向側板46Lよりも下方に延出する位置に移動した状態で、ステージ60から排出されたイメージングプレート10が回収トレイ49内に落下して回収される。回収トレイ49は、筐体30に対して移動可能に配置されている必要は無い。例えば、支持ロッドの延長上に位置する回収トレイが、中間支持板とは反対側から筐体外に開口しており、当該開口を通じて回収トレイ内のイメージングプレートが筐体外に取出されてもよい。
【0039】
本実施形態において、一対の長手方向側板45は、箱状部44の形態で筐体30内の一定位置に支持される。長手方向側板45が箱状部44において一定位置に支持される構成は当該例に限られない。例えば、長手方向側板45は、筐体30の一部である側面等に固定されていてもよい。
【0040】
また、箱状部44は、複数の板状部材がねじ止又は溶接等で固定される構成に限られない。箱状部の全体がプレス加工又は金型成形等によって形成された一体部材であってもよい。この場合は、箱状部を製造するために、ねじ止や溶接をなくすることができる。
【0041】
<励起光源及び光検出器について>
励起光源92は、ステージ60によって保持されたイメージングプレート10に対して励起光を照射する。励起光は、放射線像形成層11を励起させるための光であり、例えば、放射線像形成層11を励起させる特定波長のレーザ光である。放射線像形成層11に励起光が照射されると、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布に応じて放射線像形成層11が発光する。
【0042】
励起光源92は、励起光としてレーザ光を発するレーザ光源とMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーとを含む構成であってもよい。例えば、レーザ光源からのレーザ光の照射先が、放射線像形成層11の表面10aに対して、主走査方向A1に対して交差(直交)する副走査方向A2方向に沿って移動するように、レーザ光源がMEMSミラーによって反射される構成であってもよい。なお、ミラーの構成は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーの代わりに、ガルバノミラーやポリゴンミラー等を用いることもできる。ミラーの構成によっては、レンズ系の構成が別途必須となることがあるが、適宜の組み合わせにより本読取装置に利用できる。
【0043】
光検出器94は、励起光によるイメージングプレート10からの発光による光を検出し、その強度に応じた信号を出力するセンサである。この光検出器94からの信号に基づいて、放射線像の画像データが生成される。
【0044】
光検出器94は、光を検出する素子が一列に並んだ構成であってもよい。例えば、光検出器94は、素子の配列方向を副走査方向A2と平行にした姿勢に配置されてもよい。光を検出する素子は、シリコン光電子増倍管、光電子増倍管、フォトダイオード等であってもよい。
【0045】
本実施形態では、励起光源92と光検出器94とは、読取ユニット90として一体化されている。例えば、励起光源92と光検出器94とは、モジュールケース91内に収容された状態で、一体化されている。モジュールケース91のうち支持部材40側を向く部分に、副走査方向A2に沿って細長い読取用スリット90Sが形成されている(図3参照)。励起光は、当該読取用スリット90Sを通ってイメージングプレート10に向けて照射される。イメージングプレート10の発光光は、当該読取用スリット90Sを通って光検出器94によって検出される。
【0046】
主走査方向A1に沿うステージ60の移動中に、励起光源92によるレーザ光がステージ60に保持されたイメージングプレート10の放射線像形成層11の表面(イメージングプレート10の表面10a)に入射し、その照射先が副走査方向A2に沿って移動する。これにより、放射線像形成層11の表面(表面10a)が副走査方向A2に沿うラインに沿って順次発光光を生じる。
【0047】
光検出器94は、励起光源92からのレーザ光によって生じた放射線像形成層11の発光光を検出可能な位置に設けられる。例えば、励起光源92は、イメージングプレート10に対して斜め方向からレーザ光を照射するように配置され、光検出器94は、イメージングプレート10に対してレーザ光が照射する位置の正面に配置される。そして、放射線像形成層11の表面が副走査方向A2に沿うラインに沿って順次発光光を生じると、当該発光光が光検出器94によって検出される。
【0048】
ステージ60の移動中に、副走査方向A2における励起光源92の走査及び光検出器94による走査が繰返し行われることによって、イメージングプレート10の広い面、例えば、イメージングプレート10の全面の放射線像が光検出器94によって読取られる。
【0049】
なお、ステージ60の移動中に読取りを行うことは必須ではない。例えば、ステージ60が停止した状態で、励起光源92及び光検出器94が移動する構成であってもよい。また、ステージ60と、励起光源92及び光検出器94の両方が移動する構成であってもよい。
【0050】
<ステージ及びその移動のための構成について>
図4は読取装置20の内部構造をステージ60の支持面64Fに直交する外側から見た正面図である。図4において読取ユニット90及びセット用ガイド200は省略されている。図5図4のV-V線断面図である。図5において、セット用ガイド200は省略されず、また、読取ユニット90が2線鎖線で示されている。
【0051】
図1から図5に示すように、ステージ60は、イメージングプレート10を保持するように構成されている。例えば、ステージ60は、イメージングプレート10よりも大きく広がる板状部分を含む。イメージングプレート10がステージ60の一方主面側の支持面64Fに接した状態で、ステージ60に対して一定位置及び一定姿勢で保持される。ステージ60がイメージングプレート10を保持する構成が後により具体的に説明される。
【0052】
ステージ60は、イメージングプレート10を保持した状態で主走査方向A1に沿って移動する。ステージ60を移動可能に支持するための構成について説明する。
【0053】
ステージ60は、一対の長手方向側板45のうち背板47とは反対側の縁部間を主走査方向A1に沿って移動することができる。背板47に対する下側の短手方向側板46Lの突出寸法は、背板47に対する長手方向側板45の突出寸法よりも小さい。このため、ステージ60は、主走査方向A1に沿って、一対の長手方向側板45の間から下側の短手方向側板46Lを越えて下方に移動することができる。つまり、主走査方向A1に沿って、一対の長手方向側板45間の位置(図2において2点鎖線で示す位置P2、P4)と一対の長手方向側板45間の下側に突出する位置P1(図2参照)との間で往復移動することができる。
【0054】
ステージ60は、ステージ移動機構50によって移動駆動可能に構成される。ステージ移動機構50は、移動駆動部52と、一対のガイドロッド56とを含む。
【0055】
移動駆動部52は、ステージ60に対して主走査方向A1に沿った駆動力を付与する部分である。本実施形態では、移動駆動部52は、モータ53と、ネジ軸部54とを含む。ネジ軸部54は、周囲にネジ溝が形成された棒状部材である。ネジ軸部54は、一対の短手方向側板46間に掛渡すようにして、一対の短手方向側板46に回転可能に支持されている。モータ53は、箱状部44に対して回転不能に固定されている。例えば、モータ53は、下方の短手方向側板46Lの外側にブラケット53B等を介して回転不能に固定されている。モータ53のシャフト53aがネジ軸部54に相対回転不能に固定されており、モータ53の正転方向又は逆転方向の回転に応じて、ネジ軸部54が正転方向又は逆転方向に回転駆動される。モータ53のシャフト53aの回転運動は、ギヤ、プーリー等の伝達装置を介してネジ軸部54に伝達されてもよい。
【0056】
ステージ60は、ネジ溝を有する貫通孔62h1を有している(図2参照)。ネジ軸部54は、上記貫通孔62h1に螺合している。ネジ軸部54の回転によって、当該ネジ軸部54が螺合するステージ60が主走査方向A1に沿って移動するように駆動される。
【0057】
ガイドロッド56は細長い棒状部材であり、一対の短手方向側板46の間に掛渡すように、一対の短手方向側板46に固定されている。ガイドロッド56は、ステージ60に形成されたガイド孔62h2に挿通されている(図2参照)。これにより、ガイドロッド56は、ステージ60がネジ軸部54周りに回転することを抑制する役割を果すことができる。ここでは、ガイドロッド56は、複数(本実施例では2つ)設けられているが、1つであってもよい。
【0058】
移動駆動部52による移動方向は上記例に限られず、水平方向又は重力方向であってもよい。移動駆動部52は、ステージ60を移動させるアクチュエータであればよく、上記構成の他、リニアモータ等であってもよいし、ベルトによって移動させる機構であってもよい。ステージを移動させる代りに、読取ユニット90を移動させてステージ上のイメージングプレートを読取ってもよい。読取ユニットがイメージングプレートの平面情報を読取ることができるセンサであれば、ステージ及び読取ユニットの両方が移動しない場合も想定される。
【0059】
ステージ60は、ステージ移動機構50によって、セット位置P1と、読取位置P2との間で往復移動される。
【0060】
セット位置P1は、ステージ60に対してイメージングプレート10をセット可能な位置である。本実施形態では、セット位置P1は、下側の短手方向側板46Lの外側(下側)に突出する位置に設定される。セット位置P1において、ステージ60の上端寄りの部分が短手方向側板46L上に配置され、ステージ60の長手方向中間部及び下端部が下側の短手方向側板46Lから下方に延出する状態となる。セット位置P1においては、ステージ60にセットされるイメージングプレート10の配設領域(複数サイズのイメージングプレート10が想定される場合には最大配設領域、図7及び図9において最も縦長なイメージングプレート10及び最も幅広なイメージングプレート10の双方を配置できる領域参照)が、下側の短手方向側板46Lの外側に配置される。
【0061】
この状態において、ステージ60の支持面64Fは重力方向に対して傾斜している。ここでは、支持面64Fは、長手方向側板45の延在方向と同じ傾き方向に沿って傾斜している。つまり、支持面64Fは斜め上方を向くように傾斜している。
【0062】
セット位置P1に位置するステージ60は、セット用ガイド200によってガイドされたイメージングプレート10を受けることができる。より具体的には、セット位置P1は、セット用ガイド200の下側に位置する(図5参照)。装置20の外側からイメージングプレート10がセット用ガイド200の投入口230に挿入されると、イメージングプレート10は、セット用ガイド200によってガイドされつつ自重によって重力方向下側に移動する。イメージングプレート10の下縁部分が支持面64Fに達すると、イメージングプレート10の下縁部分が支持面64Fの傾きに従って斜め下方向に滑り落ちつつ、イメージングプレート10が支持面64Fに向って傾き、イメージングプレート10の裏面10bが当該支持面64Fに対して面接触し得る状態となる。この状態で、イメージングプレート10がステージ60に設けられた位置決め機構(後述する)によって位置決め保持される。本実施例ではこのように、イメージングプレート10をステージ60に誘導する際に重力を利用する構成となっている。
【0063】
セット用ガイド200がイメージングプレート10をガイドするための構成が後により詳細に説明される。
【0064】
セット位置P1が上記位置に設定されていることは必須ではなく、例えば、セット用ガイド200との位置関係に応じて、一対の長手方向側板45の間に設定されていてもよい。
【0065】
読取位置P2は、励起光源92と光検出器94とが放射線像を読取る位置、即ち、励起光源92からの励起光に応じて光検出器94がイメージングプレート10の放射線像を読取る位置である。本実施形態では、読取位置P2は、一対の長手方向側板45の間の位置に設定される。より具体的には、読取位置P2は一対の長手方向側板45の間であって下寄りの位置に設定される。
【0066】
すなわち、励起光源92と光検出器94とを含む読取ユニット90は、一対の長手方向側板45の外向きの縁部分間で一対の支持ロッド48にネジ止等によって固定される。読取ユニット90は、一対の長手方向側板45の間であって上記セット位置P1寄りに位置する。読取ユニット90のうち箱状部44の内側を向く面に、読取用スリット90Sが形成される。読取ユニット90内の励起光源92からの励起光が読取用スリット90Sを通ってステージ60上のイメージングプレート10に照射される。また、この励起光によって励起されるイメージングプレート10からの発光光が読取用スリット90Sを通って光検出器94に入射する。
【0067】
セット位置P1においてステージ60にイメージングプレート10がセットされると、イメージングプレート10は主走査方向A1に沿って箱状部44内に向けて移動する。ステージ60にセットされたイメージングプレート10が上記読取用スリット90Sと向い合う位置に達すると、読取ユニット90によってイメージングプレート10の放射線像の読取りが開始される。ステージ60の移動に伴って、読取ユニット90によってイメージングプレート10の放射線像が順次読取られる。イメージングプレート10が読取用スリット90Sを通過すると、読取ユニット90による読取りが終了する。本実施形態のように、ステージ60が移動することによって放射線像の読取りがなされる場合、読取位置P2は、ステージ60上のイメージングプレート10(複数サイズのイメージングプレート10が想定される場合には、最も広いイメージングプレート10)が上記読取用スリット90Sに達して読取りが開始される位置と把握されてもよい。
【0068】
上記例とは異なり、一定位置に静止したイメージングプレート10に対して読取ユニット90が主走査方向A1に沿って移動して放射線像を読取る場合、あるいは、一定位置に静止したイメージングプレート10に対して3次元センサによって放射線像を読取る場合も想定される。この場合、一定位置に静止したイメージングプレート10を保持する位置が、読取位置P2である。
【0069】
本実施例では、ステージ60は、ステージ移動機構50によって、排出位置P3にも移動する(図5参照)。排出位置P3は、ステージ60にセットされたイメージングプレート10を排出するための位置である。排出位置P3は、読取位置P2に対してセット位置P1よりも離れた位置に設定される(図5において二点鎖線で示すステージ60参照)。本例に限られず、排出位置P3とは異なる位置、例えば、セット位置P1においてステージ60のイメージングプレート10が、別途の機構によって、排出されてもよい。
【0070】
既に述べたように、回収トレイ49が、排出位置P3の下方に設けられる。回収トレイ49の上開口は、ステージ60の下側延長上で開口している。イメージングプレート10は、排出位置P3におけるステージ60上を滑り落ちて、回収トレイ49の上開口を通って、回収トレイ49内に排出される。
【0071】
本実施形態では、ステージ60は、ステージ移動機構50によって、奥側位置P4にも移動する(図2参照)。奥側位置P4は、読取位置P2に対してセット位置P1とは反対側の位置にある。すなわち、ステージ60は、セット位置P1から読取位置P2を経過して奥側位置P4に移動することができる。奥側位置P4では、ステージ60上のイメージングプレート10は、読取ユニット90によって覆われずに露出した状態となっていてもよいし、他の部材によって覆われていてもよい。
【0072】
上記ステージ移動機構50の動作制御は、制御部100(図3参照)によってなされる。制御部100は、例えば、少なくとも1つのプロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータによって構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)等であり、電気回路によって構成される。プロセッサが読取プログラムを実行することによって、読取りのための各種機能が実現される。この制御部100によって、上記モータ53の回転方向及び回転量の制御がなされることによって、主走査方向A1に沿ったステージ60の移動制御がなされる。かかる制御部100は、上記回路ユニット43によって実現される回路であることが想定される(図3参照)。
【0073】
本制御部100によって、読取ユニット90による励起光源92及び光検出器94の制御がなされてもよい。本制御部100によって、光検出器94によって検出された信号に基づいて放射線画像を生成するための各種信号処理、画像処理、表示装置34による表示処理等がなされてもよい。
【0074】
<ステージの全体構成について>
ステージ60の全体構成について説明する。図1から図5に示すように、ステージ60は、ステージ本体61と、位置決め機構70とを備える。
【0075】
ステージ本体61は、イメージングプレート10の裏面10bに面接触可能な支持面64Fを有する。本実施形態では、ステージ本体61は、可動支持体62と、板状部64とを含む。
【0076】
可動支持体62は、直方体状に形成されている。可動支持体62に、貫通孔62h1が形成されている(図2参照)。既に述べたように、モータ53によって正逆両方向に回転駆動可能なネジ軸部54が当該貫通孔62h1に螺合される。ネジ軸部54が正転方向に回転することによってステージ60がネジ軸部54に沿って一方側に移動し、ネジ軸部54が逆転方向に回転することによってステージ60がネジ軸部54に沿って他方側に移動することができる。かかる構造は、例えば、ボールネジと呼ばれる構造である。
【0077】
可動支持体62には、上記貫通孔62h1と平行なガイド孔62h2が形成されている(図2参照)。このため、可動支持体62は、ガイド孔62h2に挿通されたガイドロッド56によるガイド下、貫通孔62h1に螺合するネジ軸部54の正転方向又は逆転方向の回転に応じて、主走査方向A1に沿って両方向に移動駆動される。
【0078】
板状部64は、イメージングプレート10よりも大きく板状に広がる形状、ここでは、方形板状に形成されている。板状部64が方形板状に形成されていることは必須ではなく、楕円形状等他の形状に形成されていてもよい。
【0079】
板状部64の一方側の面に支持面64Fが設けられる。支持面64Fは、イメージングプレート10よりも大きく広がっていてもよい。イメージングプレート10として複数のサイズが想定される場合には、支持面64Fは、最も大きいイメージングプレート10よりも大きく広がっていてもよい。
【0080】
より具体的には、板状部64は、一方向(ここでは主走査方向A1)に沿って長い長方形状に形成されている。板状部64の他方側の面(支持面64Fとは反対側の面)のうち、板状部64の長手方向の一方側の部分が可動支持体62に固定されている。固定は、例えば、ねじ止によってなされる。板状部64は、可動支持体62から主走査方向A1に沿ってセット位置P1側に向って延出するように、可動支持体62によって片持ち状に支持されている。板状部64の一方側の面のうち可動支持体62から主走査方向A1に沿って下方に延び出る部分の一部が他の部分よりも凹んでいる。この凹んだ部分の底面が、イメージングプレート10の裏面に面接触可能な支持面64Fである。
【0081】
ステージ60が支持部材40によって支持された状態で、板状部64及び支持面64Fは重力方向(下方向)に対して傾斜し、支持面64Fは斜め上方向を向いている。本実施形態では、板状部64及び支持面64Fの傾斜角度は、長手方向側板45の延在方向の傾斜角度及び一対の支持ロッド48の傾斜角度と一致している。板状部64及び支持面64Fは、一定の傾斜角度を保った状態で、ガイドロッド56によるガイド下、主走査方向A1に沿って移動する。可動支持体62が下側の短手方向側板46L寄りに移動すると、板状部64のうち可動支持体62から延び出る部分は、下側の短手方向側板46L上を通り、斜め下方に延び出る。この状態で、支持面64Fが斜め上を向くように傾斜しているため、セット用ガイド200を通じてイメージングプレート10上に供給されるイメージングプレート10を、支持面64F上で受けることができる。
【0082】
支持面64Fが重力方向に対して傾斜していなくてもよい。例えば、支持面64Fは、重力方向に対して垂直な水平方向に沿っていてもよいし、重力方向に沿っていてもよい。
【0083】
なお、本実施形態では、板状部64のうち可動支持体62寄りの領域に、部分的な突部領域64Pが形成されている。突部領域64Pは、支持面64Fのうち上側及び両側を囲む領域に形成されている。突部領域64Pと支持面64Fとの間には段差が存在している。突部領域64Pが存在することによって、イメージングプレート10がより確実に支持面64F上に支持される。上記突部領域64Pが存在することは必須ではない。
【0084】
位置決め機構70は、支持面64F上においてイメージングプレート10を正規姿勢に位置決めするための機構である。正規姿勢とは、ステージ60を基準として予め設定されたイメージングプレート10の位置及び傾き状態であり、読取ユニット90による読取りに適した所定の位置及び傾きである。
【0085】
ここで、説明の便宜上、第1方向F1と第2方向F2とについて説明しておく。第1方向F1は支持面64Fに沿った方向である。第2方向F2は支持面64Fに沿った方向であって、第1方向F1に直交する方向である。つまり、第1方向F1及び第2方向F2は、支持面64Fに水平な面上において、互いに直交する。本実施形態では、第1方向F1は、重力方向に垂直な水平方向に沿う方向である。このため、第1方向F1は、副走査方向A2と一致している。なお、第1方向F1は水平方向に対して交差する方向であってもよい。また、本実施形態では、第2方向F2は、支持面64Fに沿い、かつ、副走査方向A2と直交する方向である。このため、第2方向F2は、主走査方向A1と一致している。なお、第1方向F1は副走査方向A2とは異なる方向であってもよい。第2方向F2は主走査方向A1とは異なる方向であってもよい。
【0086】
位置決め機構70は、支持面64F上に支持されたイメージングプレート10の縁部分に対して接触し、支持面64Fの延在方向において当該縁部分をその外側から位置決めする。本実施形態では、位置決め機構70は、一対の第1開閉位置決め部72A、72B(開閉位置決め部又は位置決め部という場合がある)と一対の第2開閉位置決め部72C、72D(開閉位置決め部又は位置決め部という場合がある)とを備える。一対の第1開閉位置決め部72A、72Bが、第1方向F1においてイメージングプレート10を位置決めする。一対の第2開閉位置決め部72C、72Dが第2方向F2においてイメージングプレート10を位置決めする。
【0087】
本実施形態では、位置決め部72A、72Bは水平方向に位置決めするための構成であり、位置決め部72C、72Dは上下方向に位置決めするための構成であると把握し得る。
【0088】
イメージングプレート10は、位置決め機構70によってイメージングプレート10を正規姿勢に保持した状態で、読取位置P2に移動する。読取位置P2において、ステージ60に正規姿勢で保持されたイメージングプレート10の放射線像が、読取ユニット90によって読取られる。
【0089】
本実施形態では、ステージ60は、イメージングプレート10の長手方向を水平方向に対して傾斜させた姿勢で支持する。具体的には、板状部64及び板状部64の一方面側の支持面64Fの長手方向は水平方向に対して傾斜しており、短手方向は水平方向に沿っている。このため、イメージングプレート10の長手方向を板状部64及び支持面64Fの長手方向に沿わせた姿勢で、イメージングプレート10をステージ60上で支持すると、イメージングプレート10の長手方向は水平方向に対して傾斜した姿勢となる。
【0090】
本実施形態では、第1方向F1(水平方向)における位置決め部72A、72Bの最小間隔は、第2方向F2における位置決め部72C、72Dの最小間隔よりも小さい。また、第1方向F1(水平方向)における位置決め部72A、72Bの最大間隔は、第2方向F2における位置決め部72C、72Dの最大間隔よりも小さい。このため、ステージ60は、イメージングプレート10の長手方向を、板状部64及び支持面64Fの長手方向に沿わせた姿勢で支持するのに適した構成を有している。
【0091】
本実施形態に拘らず、ステージは、イメージングプレートの短手方向を水平方向に対して傾斜させた姿勢で、当該イメージングプレートを支持してもよい。例えば、ステージの板状部及び支持面の長手方向が水平方向に沿っており、短手方向が水平方向に対して傾斜してもよい。
【0092】
<位置決め機構について>
位置決め機構70についてより具体的に説明する。図6はステージ60を示す斜視図である。図7はセット位置P1におけるステージ60を示す正面図である。図8はステージ60を示す背面図である。図9はイメージングプレート10に対する傾き矯正面72BF1の位置関係例を示す図である。図10は読取位置P2におけるステージ60を示す正面図である。図11図7のXI-XI線における部分断面図である。図12はステージ60を位置決め部72B側から見た側面図である。
【0093】
上記したように、位置決め機構70は一対の位置決め部72A、72Bを備える。一対の位置決め部72A、72Bは、第1方向F1に沿って間隔をあけて並んでいる。一対の位置決め部72A、72Bの少なくとも一方が第1方向F1に沿って移動する。これにより、支持面64F上に支持されイメージングプレート10を第1方向F1に沿って挟込むように一対の位置決め部72A、72Bがイメージングプレート10の縁部分に対して接触する。これにより、イメージングプレート10が第1方向F1に沿って一定位置に位置決めされる。
【0094】
本実施形態では、位置決め部72Aはステージ本体61上で一定位置に固定されている。位置決め部72Bがステージ本体61上で第1方向F1に沿って位置決め部72Aに対して接近離隔移動する。
【0095】
また、上記したように、位置決め機構70は一対の位置決め部72C、72Dを備える。一対の位置決め部72C、72Dは、第2方向F2に沿って間隔をあけて並んでいる。一対の位置決め部72C、72Dの少なくとも一方が第2方向F2に沿って移動する。これにより、支持面64F上に支持されイメージングプレート10を第2方向F2に沿って挟込むように一対の位置決め部72C、72Dがイメージングプレート10の縁部分に対して接触する。これにより、イメージングプレート10が第2方向F2に沿って一定位置に位置決めされる。
【0096】
本実施形態では、少なくともセット位置P1及び読取位置P2で、位置決め部72Cはステージ本体61上で一定位置に固定されている。位置決め部72Dがステージ本体61上で第2方向F2に沿って位置決め部72Cに対して接近離隔移動する。
【0097】
イメージングプレート10がセット位置P1に位置する状態では、一対の位置決め部72A、72Bが開いた状態になっている。また、一対の位置決め部72C、72Dも開いた状態となっている(図6及び図7参照)。この状態で、イメージングプレート10をステージ60の支持面64F上にセットできる。
【0098】
イメージングプレート10が読取位置P2に位置する状態では、一対の位置決め部72A、72Bが接近した状態となる。ここでは、一定位置の位置決め部72Aに対して可動する位置決め部72Bが接近した状態となる。イメージングプレート10のうち位置決め部72B側の縁が可動側の位置決め部72Bに接触し、イメージングプレート10が位置決め部72A側に押される。すると、イメージングプレート10のうち位置決め部72A側の縁が固定側の位置決め部72Aに接触する。これにより、イメージングプレート10が第1方向F1において位置決めされる。
【0099】
また、イメージングプレート10が読取位置P2に位置する状態では、一対の位置決め部72C、72Dが接近した状態となる。ここでは、一定位置の位置決め部72Cに対して可動する位置決め部72Dが接近した状態となる。イメージングプレート10のうち上側の縁が可動側の位置決め部72Dに接触し、イメージングプレート10が位置決め部72C側に押される。すると、イメージングプレート10のうち下側の縁が固定側の位置決め部72Cに接触する。これにより、イメージングプレート10が第2方向F2において位置決めされる。
【0100】
本実施形態では、セット時及び読取り時において、ステージ60の支持面64Fにおいて位置決め部72A、72Cが一定位置に配置されている。イメージングプレート10の一側の縁部分が位置決め部72Aに接触すると共に、イメージングプレート10の下側の縁部分が位置決め部72Cに接した状態が、正規姿勢である。
【0101】
なお、一対の位置決め部72A、72Bにおいて、いずれが可動側であり、固定側であってもよい。一対の位置決め部72A、72Bの両方が開閉移動してもよい。また、一対の位置決め部72C、72Dにおいて、いずれが可動側であり、固定側であってもよい。一対の位置決め部72C、72Dの両方が開閉移動してもよい。
【0102】
また、位置決め機構70が、一対の位置決め部72C、72Dを備えることは必須ではない。例えば、本実施形態において、一対の位置決め部72C、72Dのうち上側の位置決め部72Dが省略されてもよい。一対の位置決め部72C、72Dの両方が省略されてもよい。例えば、読取ユニット90が主走査方向A1に沿って移動するイメージングプレート10の位置検知に応じて読取りを行う構成においては、イメージングプレート10は、ステージ60に対して正確に位置決めされなくてもよいので、一対の位置決め部72C、72Dの両方が省略されてもよい。
【0103】
もっとも、位置決め機構70が、支持面64F上の所定位置でイメージングプレート10を位置決めするためには、位置決め機構70は、位置決め部72A、72Bと、位置決め部72C、72Dとの組合せを備えていることが好ましい。
【0104】
<第1方向の位置決め機構について>
位置決め部72Aは、板状部64のうち水平方向における一方の側部に沿って延在する細長い部分である。本実施形態では、板状部64の一側部に、当該板状部64とは別体とされた長尺状の位置決め部72Aがネジ止等で固定されている。位置決め部72Aは、支持面64Fよりも突出している。位置決め部72Aの長さは、支持面64F上に支持されるイメージングプレート10の上下寸法(複数サイズが想定される場合には最大の上下寸法)よりも長くてもよいし、短くてもよい。
【0105】
位置決め部72Aは、傾き矯正面72AF1を有している。傾き矯正面72AF1は、第1方向F1に沿った開閉方向において外側に向かうにつれて第2方向F2に向う。第2方向F2には、第2方向F2に沿った上向きの場合と、下向きの場合とが含まれる。本実施形態では、傾き矯正面72AF1は、第1方向F1に沿った開閉方向において外側に向かうにつれて上を向く。つまり、傾き矯正面72AF1は、開閉方向において外側に向かって斜め上側に傾斜している。このため、支持面64F上に傾いて支持されたイメージングプレート10の角部が当該傾き矯正面72AF1に押付けられると、当該角部は傾き矯正面72AF1に沿って斜め上方に移動する。傾き矯正面72AF1は、開閉方向において外側に向かって斜め下側に傾斜してもよい。この場合、支持面上に傾いて支持されたイメージングプレートの角部が当該傾き矯正面に押付けられると、当該角部は傾き矯正面に沿って斜め下方に移動する。例えば、イメージングプレート10が傾いている状態において、イメージングプレート10の最も上の角部と最も下の角部との間における下寄りの角部が、当該傾き矯正面に押付けられることによって斜め下方に移動して、イメージングプレート10の傾きを矯正することができる。
【0106】
なお、イメージングプレート10の角部とは、イメージングプレート10の周囲の直線状の4つの辺部が交わる部分であり、本実施形態では、丸められた角部分である。
【0107】
位置決め部72Aは、第2方向F2において傾き矯正面72AF1の両側に位置する少なくとも2つ(ここでは2つ)の接触縁部72AF2を有している。少なくとも2つの接触縁部72AF2は第2方向F2に沿う同じ直線上に沿って延在している。ここでは、2つの接触縁部72AF2のそれぞれが第2方向F2に沿って延びている。1つの接触縁部72AF2の直線延長上に他の接触縁部72AF2が延在している。2つの接触縁部72AF2が上下に離れて位置しており、2つの接触縁部72AF2の間に傾き矯正面72AF1が位置している。
【0108】
傾き矯正面72AF1の上下両方に接触縁部72AF2が位置していることは必須ではない。例えば、傾き矯正面の上側又は下側のみに接触縁部が位置していてもよい。接触縁部72AF2が第2方向F2に沿って延在していることは必須ではない。例えば、接触縁部は、イメージングプレートの縁に対して点接触する形状であってもよい。
【0109】
傾き矯正面72AF1の下端は、下側の接触縁部72AF2の上端に連続している。よって、傾き矯正面72AF1は、少なくとも2つの接触縁部72AF2のうちの1つである下側の接触縁部72AF2の上端から開閉方向外側に向けて斜め上方に延びている。
【0110】
少なくとも2つの接触縁部72AF2のうちの他の1つである上側の接触縁部72AF2の下端から前記開閉方向において外側に向かう接触回避面72AF3が延在している。ここでは、接触回避面72AF3は、第1方向F1に沿って延びている。上側の接触縁部72AF2と接触回避面72AF3とは、曲面72AFcを介して連なっている。曲面72AFcは、イメージングプレート10の正面から見て外向き凸となるように曲って観察される部分である。これにより、イメージングプレート10が傾いた状態から正規姿勢に姿勢変更する際に、イメージングプレート10の角部が上側の接触縁部72AF2と接触回避面72AF3とが繋がる部分に干渉し難い。
【0111】
本実施形態では、傾き矯正面72AF1と接触回避面72AF3との間に、第2方向F2に沿って延びる奥側部分72AF4が存在している。奥側部分72AF4は、省略されてもよい。傾き矯正面72AF1が、本実施形態において奥側部分が存在する領域にも延長されてもよい。
【0112】
本実施形態では、位置決め部72Aは、板状部64とは別の部材によって構成されているが、位置決め部は、切削加工等によって板状部64と一体形成された部分であってもよい。
【0113】
位置決め部72Bは、上記位置決め部72Aに対して間隔をあけて対向して設けられる。ここでは、位置決め部72Bは、位置決め部72Aに対して第1方向F1に沿って間隔をあけて設けられる。
【0114】
より具体的には、板状部64のうち上記位置決め部72Aとは反対側の部分に、第1方向F1に沿うスリット65a、65bが形成されている。本実施形態では、第2方向F2において異なる位置に、2つのスリット65a、65bが並列するように形成されている。2つのスリット65a、65bは、第1方向F1に沿って外側で開口している。2つのスリット65a、65bのうち第2方向F2において外側となる縁部に、支持面64Fよりも凹む凹部65gが形成されている。一方のスリット65aの第2方向F2における中間部に、第1方向F1に沿って延びる長尺状のガイド部65cが突出している。ガイド部65cは、支持面64Fよりも凹んでいる。
【0115】
位置決め部72Bは、板状部64とは別体であり、スリット65a、65bによって第1方向F1に沿って移動可能に支持される。図6において板状部64から取外された位置決め部72Bが2点鎖線で示されている。より具体的には、位置決め部72Bの一部がスリット65a、65b内に配置可能な形状に形成され、位置決め部72Bの他の一部が支持面64Fよりも突出する位置に配置される。さらに具体的には、位置決め部72Bは、位置決め体72Ba、72Bbと、可動支持体72Bcとを含む。位置決め体72Baは、スリット65aに対して凹部65g及びガイド部65cよりも支持面64F側に配置される板状部分である。位置決め体72Baの厚み方向の一部がスリット65a内で当該スリット65aに沿って移動可能に配置される。位置決め体72Baの厚み方向の残部がスリット65aから出て支持面64Fよりも突出する。位置決め体72Bbは、スリット65bに対して凹部65gよりも支持面64F側に配置される板状部分である。位置決め体72Bbの厚み方向の一部がスリット65b内で当該スリット65bに沿って移動可能に配置される。位置決め体72Bbの厚み方向の残部がスリット65bから出て支持面64Fよりも突出する。
【0116】
可動支持体72Bcは、位置決め体72Ba、72Bbに対して支持面64Fとは反対側に連なる部分である。可動支持体72Bcは、板状部64のうちスリット65a、65bの間の部分に、支持面64Fとは反対側から接触する。位置決め体72Ba、72Bbが上記凹部65gの底面及びガイド部65cに接触し、かつ、可動支持体72Bcが板状部64に対して支持面64Fとは反対側から接することによって、位置決め部72Bが板状部64の厚み方向において位置決めされた状態で(図6図12参照)、スリット65a、65bに沿って移動することができる。位置決め部72Bの長手方向中間部において、板状部64のうちスリット65a、65bの間の部分が、位置決め部72Bに対して支持面64F側から接するため、ガイド位置決め面72BF2fがイメージングプレート10の縁部に接触した状態で、ガイド位置決め面72BF2fが支持面64Fから離れる正面側に移動し難い。これにより、ガイド位置決め面72BF2fがイメージングプレート10を支持面64F側に効果的に押付けることができる。
【0117】
本実施形態では、可動支持体72Bcには、ガイド部65cがスライド可能に挿入されるガイド溝72Bgが形成されている(図6参照)。
【0118】
位置決め部72Bは、傾き矯正面72BF1を有している。傾き矯正面72BF1は、第1方向F1に沿った開閉方向において外側に向かうにつれて第2方向F2に向う。つまり、傾き矯正面72BF1は、傾き矯正面72AF1に対して逆に傾斜している。本実施形態では、第2方向F2において、位置決め体72Baは、位置決め体72Bbよりも長い。位置決め体72Baのうち位置決め部72A側を向く部分の上側に傾き矯正面72BF1が形成されている。
【0119】
ステージ60を正面から観察すると、傾き矯正面72BF1と、傾き矯正面72AF1とは、左右対称である。このため、支持面64F上に傾いて支持されたイメージングプレート10の角部が当該傾き矯正面72BF1に押付けられると、当該角部は傾き矯正面72BF1に沿って斜め上方に移動する。傾き矯正面72BF1は(前述の傾き矯正面72AF1の設計と同様に)開閉方向において外側に向かって斜め下側に傾斜してもよい。
【0120】
位置決め部72Bは、第2方向F2において傾き矯正面72BF1の両側に位置する少なくとも2つ(ここでは2つ)の接触縁部72BF2を有している。少なくとも2つの接触縁部72BF2は第2方向F2に沿う同じ直線上に沿って延在している。少なくとも2つの接触縁部72BF2は、第1方向F1において、上記少なくとも2つの接触縁部72AF2に対して間隔をあけて対向している。ステージ60を正面から観察すると、少なくとも2つの接触縁部72AF2と、少なくとも2つの接触縁部72BF2とは、左右対称である。
【0121】
ここでは、1つの接触縁部72BF2が下側の位置決め体72Baのうち位置決め部72A側を向く部分の下側に形成されている。当該1つの接触縁部72BF2の上端に傾き矯正面72BF1が連続して繋がっている。よって、傾き矯正面72BF1は、当該下側の接触縁部72BF2の上端から開閉方向外側に向けて斜め上方に延びている。
【0122】
他の1つの接触縁部72BF2が上側の位置決め体72Bbのうち位置決め部72A側を向く部分に形成されている。2つの接触縁部72BF2は、傾き矯正面72BF1と、位置決め体72Ba、72Bb間の間隔分、上下に離れて位置しており、2つの接触縁部72BF2の間に傾き矯正面72BF1が位置している。
【0123】
傾き矯正面72BF1の上下両方に接触縁部72BF2が位置していることは必須ではない。例えば、傾き矯正面の上側又は下側のみに接触縁部が位置していてもよい。接触縁部72BF2が第2方向F2に沿って延在していることは必須ではない。例えば、接触縁部は、イメージングプレートの縁に対して点接触する形状であってもよい。
【0124】
少なくとも2つの接触縁部72BF2のうちの他の1つである上側の接触縁部72BF2の下端から前記開閉方向において外側に向かう接触回避面72BF3が延在している。ここでは、接触回避面72BF3は、第1方向F1に沿って延びている。上側の接触縁部72BF2と接触回避面72BF3とは、曲面72BFcを介して連なっている。曲面72BFcは、イメージングプレート10の正面から見て外向き凸となるように曲って観察される部分である。これにより、イメージングプレート10が傾いた状態から正規姿勢に姿勢変更する際に、イメージングプレート10の角部が上側の接触縁部72BF2と接触回避面72BF3とが繋がる部分に干渉し難い。
【0125】
本実施形態では、支持面64Fよりも正面側の位置で、位置決め体72Baと、位置決め体72Bbとは、第2方向F2において隔てられている。このため、傾き矯正面72BF1と接触回避面72BF3とは、繋がっておらず、それらの間に隙間が設けられている。位置決め部72Aと同様に、支持面64Fよりも正面側で、傾き矯正面72BF1と接触回避面72BF3とが繋がっていてもよいし、互いに接触していてもよい。
【0126】
本実施形態では、位置決め部72A、72Bのそれぞれが傾き矯正面72AF1、72BF1を有している。位置決め部72A、72Bのそれぞれが、傾き矯正面72AF1、72BF1を有していることは必須ではない。位置決め部72A、72Bの少なくとも一方が傾き矯正面を有していれば、当該傾き矯正面による傾き矯正がなされる。
【0127】
同様に、位置決め部72A、72Bのそれぞれが、傾き矯正面72AF1、72BF1、少なくとも2つの接触縁部72AF2、72BF2、接触回避面72AF3、72BF3、曲面72AFc、72BFcを有していることは必須ではない。
【0128】
上記接触縁部72AF2、72BF2のうちイメージングプレート10に接する部分は、イメージングプレート10の縁部に接して当該縁部の位置を規制できる形状であればよい。よって、接触縁部は、支持面に対して垂直な面であってもよい。傾き矯正面72AF1、72BF1は、イメージングプレート10の縁部(辺部または角部)に接した部分を案内してイメージングプレート10の姿勢を矯正できる形状であればよい。よって、傾き矯正面は、支持面に対して傾いた面であってもよい。
【0129】
位置決め機構70は、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fを有する。ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fは、支持面64F上に支持されたイメージングプレート10の縁部分に対して接触し、支持面64Fの延在方向において縁部分をその外側から位置決めすると共に当該縁部分を支持面64Fに押付ける位置決め面の一例である。
【0130】
具体的には、少なくとも2つの接触縁部72AF2のそれぞれがガイド位置決め面72AF2fを有しており、少なくとも2つの接触縁部72BF2のそれぞれがガイド位置決め面72BF2fを有している。ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fは、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出しており、支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さる方向に向う形状に形成されている(図15参照、ガイド位置決め面72BF2fにつき図6も参照)。
【0131】
ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fは、例えば、支持面64Fの正面から離れるにつれて支持面64Fの中央側に傾斜する傾斜面である。ガイド位置決め面は、平面であってもよいし、曲面であってもよいし、平面と曲面との組合せ面であってもよい。
【0132】
ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fがイメージングプレート10の縁に接すると、当該縁が支持面64Fに向けて押付けられる。これにより、イメージングプレート10が支持面64Fに接した状態に保たれ易くなり、読取ユニット90がイメージングプレート10を読取る際に、読取ユニット90とイメージングプレート10の表面10aとの距離を一定に保ち易い。もって、読取ユニット90がイメージングプレート10を良好に読取ることができる。
【0133】
傾き矯正面72AF1、72BF1は、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fよりも支持面64Fに対して直角に近い角度であってもよい。ここで、直角に近い角度とは、直角である場合を含む。つまり、支持面64Fに対してガイド位置決め面72AF2f、72BF2fがなす角度θ1(図15参照)、支持面64Fに対して傾き矯正面72AF1、72BF1がなす角度θ2(図18参照)とすると、90度とθ1との差は、90度とθ2との差よりも大きい。
【0134】
θ1は任意であるが、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fがイメージングプレート10の縁部を支持面64Fに押付けるようにガイドする機能を持たせるためには、理論上は、0度<θ1<90度であることが好ましい。
【0135】
θ2は任意であるが、θ2が小さくなると、イメージングプレート10の縁部が支持面64Fと傾き矯正面72AF1、72BF1との間に挟込まれ易くなり、イメージングプレート10の縁部が傾き矯正面72AF1、72BF1に沿って円滑に移動し難くなることが想定される。そこで、θ2>θ1とすることで、イメージングプレート10の縁部が傾き矯正面72AF1、72BF1で引っ掛り難くなる。また、θ2が90度を超えると、イメージングプレート10の縁部が傾き矯正面72AF1、72BF1に押し当てられると、支持面64Fから遠ざかる方向に案内されることが考えられる。そこで、θ2≦90度であることが好ましく、θ2=90度であることがより好ましい。例えば、45度≦θ1<90度であり、かつ、θ2=90度であってもよい。
【0136】
位置決め部72Bは、位置決め部72Aに対して離れた離間位置(図7参照)と、位置決め部72Aに対して離間位置よりも近づいた接近位置(図10参照)との間で移動可能である。ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、位置決め部72Bは、離間位置に位置する。ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、位置決め部72Bは接近位置に移動可能となる。
【0137】
本実施形態では、イメージングプレート10の長手方向を主走査方向A1に沿わせた姿勢で、イメージングプレート10がステージ60にセットされる。このため、イメージングプレート10の幅は、イメージングプレート10の短手方向の幅である。
【0138】
位置決め部72Bが離間位置に位置する状態では、位置決め部72Aと位置決め部72Bとの間隔寸法は、イメージングプレート10の幅よりも大きく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も大きい幅よりも大きく設定される。
【0139】
位置決め部72Bが接近位置に位置する状態では、位置決め部72Aと位置決め部72Bとの間隔寸法は、イメージングプレート10の幅よりも小さく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も小さい幅よりも小さく設定される。
【0140】
このため、位置決め部72Bが離間位置に位置する状態で、位置決め部72A、72Bの間にイメージングプレート10を配置することができる。また、位置決め部72Bが離間位置から接近位置に移動することによって、位置決め部72A、72Bの間にイメージングプレート10を挟込むことができる。
【0141】
より具体的には、位置決め部72Bが離間位置に位置し、位置決め部72Aと位置決め部72Bとが離れた状態で、支持面64F上にイメージングプレート10が配置される(図4参照)。この状態で、位置決め部72Bが接近位置(位置決め部72A)に向けて移動する。すると、位置決め部72Bによってイメージングプレート10の一方の縁部分がその内側に(第1方向F1に沿った方向へ)押され、支持面64F上を滑って位置決め部72A側に移動する。すると、イメージングプレート10のうち位置決め部72A側の縁部分が、位置決め部72Aに押付けられ、位置決め部72A側への移動が規制される。
【0142】
イメージングプレート10が傾いている場合、イメージングプレート10の縁が傾き矯正面72AF1、72BF1に接触することで、当該傾きが矯正される。傾き矯正動作については、後で説明する。
【0143】
ステージ60は、位置決め部72Bを位置決め部72A側に付勢する付勢部材としてバネ72Bsを有している。例えば、板状部64の裏面側において、バネ72Bsの一端部がスリット65aの奥側部分に固定され、他端部が可動支持体72Bcに固定される。スリット65aの奥側部分と可動支持体72Bcとの間において、バネ72Bsは常時伸張状態とされており、当該バネ72Bsの圧縮力によって、位置決め部72Bが位置決め部72A側に付勢される。
【0144】
位置決め部72Bに、当該位置決め部72Bを移動させる力を受ける受部として、ローラ72Bqが一体的に組合わされている。ステージ60が移動する際に、当該ローラ72Bqが支持部材40に固定されたカム板80に接触することで、位置決め部72Bが移動する。
【0145】
ステージ60の移動に伴う位置決め部72Bの移動動作については、後にさらに説明される。
【0146】
<第2方向の位置決め機構について>
位置決め部72Cは、板状部64のうち第2方向F2における一方側、ここでは、下側の側部に沿って突出する細長い部分である。位置決め部72Cは、支持面64Fを囲む境界のうち下側の境界に沿って第1方向F1に沿って延在している。位置決め部72Cは、支持面64Fよりも当該支持面64Fから突出している。位置決め部72Cの長さは、支持面64F上に支持されるイメージングプレート10の幅寸法(複数サイズが想定される場合には最大の幅寸法)よりも短くてもよいし、長くてもよい。
【0147】
位置決め部72Cのうち内側(上側)を向く面が、位置決め面72CFに形成されている。位置決め面72CFは、支持面64Fに対する角度が90度未満であるガイド面(ここでは平面)に形成されていてもよいし、支持面64Fに対して直角な平面に形成されていてもよい。位置決め面72CFは、重力方向に対して傾斜する支持面64Fの下側に位置していることから、支持面64Fに沿って下方に移動するイメージングプレート10の下側の縁部分を受ける面の一例である。
【0148】
位置決め部72Cは、支持面64F上において一定位置に位置し、第2方向F2において一方側からイメージングプレート10の縁部分に対して接触する基準位置決め部の一例である。この位置決め部72Cは、イメージングプレートを下方から支える位置に位置している。なお、基準位置決め部は、セット位置P1及び読取位置P2において、支持面64Fに対して一定位置に位置していればよい。
【0149】
本実施形態では、位置決め部72Cは、板状部64とは別体に形成されている。位置決め部72Cは、接触位置と退避位置との間で姿勢変更可能に構成される(図11参照)。接触位置は、位置決め面72CFを支持面64F上のイメージングプレート10の縁部分に対向させる位置であり、退避位置は、位置決め面72CFを、支持面64F上のイメージングプレート10の縁部分から退避させる位置である。
【0150】
位置決め部72Cの動作ついて説明しておく。板状部64のうち下端側部分が他の部分よりも幅狭に形成されている。位置決め部72Cは、細長い位置決め本体部73Caと、一対の回転支持部73Cbとを含む。位置決め本体部73Caは、板状部64のうち下端側部分全体に延在し得る長さに設定されている。位置決め本体部73Caの周囲を囲む面のうちの1つの面が上記位置決め面72CFに形成されている。位置決め本体部73Caの両端部から一対の回転支持部73Cbが延出している。一対の回転支持部73Cbが上記板状部64のうち下端側部分の両側外方に配置されている。ネジ又はピン等によって構成される支持軸部によって、一対の回転支持部73Cbが上記板状部64のうち下端側部分の両側に対して回転可能に支持される。
【0151】
位置決め部72Cが接触位置に位置する状態では、上記したように、位置決め面72CFが支持面64Fの下方延長上に交差するように位置する。このため、支持面64Fを滑り落ちるイメージングプレート10の下側の縁部分が位置決め面72CFに接触することができる(図11において実線で示す位置決め部72C参照)。
【0152】
位置決め面72CFが退避位置に位置変更されると、位置決め面72CFが支持面64Fから退避する(図11において二点鎖線で示す位置決め部72C参照)。すなわち、退避位置にあるときの位置決め面72CFは、支持面64Fに沿って下方に移動したイメージングプレート10の下側の縁部分を受けるポジションには位置しなくなる。本実施形態では、位置決め面72CFは、支持面64Fの裏側に退避する。位置決め面72CFは、支持面64Fの正面側に退避移動してもよい。位置決め面72CFが退避位置に移動すると、イメージングプレート10は、支持面64F上を滑り落ちることができる。
【0153】
本実施形態では、一対の回転支持部73Cbのうちの一方に、支持面64Fとは反対側に突出する突出片73Cbpが突設されている。ステージ60の移動によって突出片73Cbpを押すことによって、位置決め面72CFが接触位置から退避位置に位置変更される。なお、退避位置から退避位置への位置決め部72Cの付勢は、位置決め部72C自体の自重によってなされてもよいし、ねじりコイルバネ等のばねによってなされてもよい。
【0154】
上記基準位置決め部である位置決め部72Cを基準として、傾き矯正面72AF1、72BF1の好ましい位置設定例について説明する。イメージングプレート10が支持面64Fに載置された状態で、重力によって位置決め部72C上の位置決め面72CFに接することが想定される。傾き矯正面72AF1、72BF1は、イメージングプレート10が大きく傾いている場合に、イメージングプレート10の角部に接することによって、当該角部を案内して、イメージングプレート10の傾きを矯正する役割を果せることが好ましい。このため、イメージングプレート10が位置決め部72C上で位置決め部72A、72Bの間に位置して傾いている多くの状態で、傾き矯正面72AF1、72BF1が当該イメージングプレート10の角部に接触し得る位置に存在していることが好ましい。例えば、傾き矯正面72AF1、72BF1は、第2方向F2において、位置決め部72Cを基準として、矯正対象となるイメージングプレート10の寸法(ここでは長手方向寸法)の半分未満の位置からイメージングプレート10の寸法未満となる領域に設けられることが好ましい。また、例えば、第2方向F2において、傾き矯正面72AF1、72BF1の少なくとも一部が、矯正対象となるイメージングプレート10の重心よりも上側に位置しており、傾いたイメージングプレート10の角部は重心よりも上で傾き矯正面72AF1、72BF1に接触することが好ましい。また、傾き矯正した後、イメージングプレート10を所定の姿勢で挟み込めるように、接触縁部72AF2、72BF2の少なくとも一部が、イメージングプレート10の重心よりも下側に位置しており、矯正されたイメージングプレート10を重心よりも低い位置でイメージングプレート10を挟んで位置決めしていてもよい。
【0155】
既に述べたように、傾き矯正面72AF1、72BF1とは異なり、傾き矯正面がイメージングプレート10の角部を斜め下方に移動させてイメージングプレート10の傾きを矯正する場合も想定される。この場合、傾き矯正面の少なくとも一部は、矯正対象となるイメージングプレート10の重心よりも下側に位置していることが好ましい。また、第2方向F2に沿う接触縁部については、上記と同様に、接触縁部の少なくとも一部がイメージングプレートの重心よりも下側に位置してことが好ましい。
【0156】
本実施形態では、矯正対象として複数サイズのイメージングプレート10が想定される。例えば、図9において、第2方向F2において、複数サイズのイメージングプレート10の中央の存在領域がE1で示される。第2方向F2において、傾き矯正面72AF1、72BF1の下端位置G1は、当該存在領域E1よりも下方に位置している。また、第2方向F2において、複数サイズのイメージングプレート10の上端の存在領域がE2で示される。第2方向F2において、傾き矯正面72AF1、72BF1の上端位置G2は、当該存在領域E2よりも下方に位置している。
【0157】
傾き矯正面72AF1、72BF1が、第2方向F2において、位置決め部72Cを基準として、矯正対象となるイメージングプレート10の寸法(ここでは長手方向寸法)の半分未満の位置から上方に延在することで、イメージングプレート10が大きく傾いている場合に、イメージングプレート10の角部を傾き矯正面72AF1、72BF1に接触させ易い。つまり、イメージングプレート10の傾きが小さい場合には、イメージングプレート10の角部を、傾き矯正面72AF1、72BF1に当てなくても、縁部をガイド位置決め面72AF2f、72BF2fに当てれば、当該傾きを矯正できると考えられる。イメージングプレート10の傾きが大きくなれば、イメージングプレート10の角部と位置決め部72A(又は72B)との摩擦力が大きくなって、イメージングプレート10が正規姿勢に回転できない状態となることが考えられる。そこで、傾き矯正面72AF1、72BF1が、第2方向F2において、位置決め部72Cを基準として、矯正対象となるイメージングプレート10の寸法(ここでは長手方向寸法)の半分未満の位置から上方に延在することで、イメージングプレート10が大きく傾いている場合に、イメージングプレート10の角部を傾き矯正面72AF1、72BF1に接触させ易い。これにより、イメージングプレート10を矯正し易い。
【0158】
また、傾き矯正面72AF1、72BF1が、第2方向F2において、位置決め部72Cを基準として、矯正対象となるイメージングプレート10の寸法未満となる領域に設けられることで、長いイメージングプレート10に対しては、傾き矯正面72AF1、72BF1の上方で接触縁部72AF2、72BF2を配置する構成を実現し易い。これにより、長いイメージングプレート10に対しては、傾き矯正面72AF1、72BF1の上下両外側で、接触縁部72AF2、72BF2を接触させ、もって、イメージングプレート10を位置決めし易くなる(図20参照)。
【0159】
位置決め部72Dは、上記位置決め部72Cに対して間隔をあけて対向して設けられる。ここでは、位置決め部72Dは、位置決め部72Cに対して第2方向F2に沿って間隔をあけて設けられる。
【0160】
より具体的には、板状部64のうち上記位置決め部72Cとは反対側の部分に、第2方向F2に沿うスリット67が形成されている。スリット67の両側縁に支持面64Fよりも凹む凹部67gが形成されている。
【0161】
位置決め部72Dは、スリット67の延在方向に沿って長い板状に形成される。図6において板状部64から取外された位置決め部72Dが2点鎖線で示されている。位置決め部72Dの厚みは、板状部64の厚みよりも大きい。位置決め部72Dの厚み方向中間部がスリット67内に配置される。位置決め部72Dは、スリット67の両側縁部分に対して板状部64の両面から接触可能な凸部72Dpを有している。凸部72Dpがスリット67の両側縁部分に板状部64の両面から接触した状態で位置決め部72Dがスリット67に沿った方向(第2方向F2)に沿って往復移動可能に支持される。
【0162】
位置決め部72Dのうち内側(下側)を向く面が、位置決め面72DFに形成されている。位置決め面72DFは、支持面64Fに対する角度が90度未満であるガイド面(ここでは平面)に形成されていてもよいし、支持面64Fに対して直角な平面に形成されていてもよい。位置決め面72DFは、位置決め面72CFに対して第2方向F2において間隔をあけて対向している。位置決め面72DFは、イメージングプレート10の上側の縁部分を下方に向けて押す面の一例である。
【0163】
ステージ60は、位置決め部72Dを位置決め部72C側に付勢する付勢部材としてバネ72Dsを有している。例えば、板状部64の裏面側において、バネ72Dsの一端部がスリット67の奥側部分に固定され、他端部が位置決め部72Dに固定される。スリット67の奥側部分と位置決め部72Dとの間において、バネ72Dsは常時伸張状態とされており、当該バネ72Dsの圧縮力によって、位置決め部72Dが位置決め部72C側に付勢される。
【0164】
位置決め部72Dに受部72Dqが一体的に形成されている。受部72Dqは、位置決め部72Dのうち支持面64Fとは反対側を向く部分に設けられている。ここでは、受部72Dqは、位置決め部72Dの長手方向中間部に設けられる。受部72Dqは、板状部64の裏面よりも突出している。ステージ60の位置に拘らず、受部72Dqは、一対の長手方向側板45の間に位置することができる。この受部72Dqは、ステージ60の移動経路における少なくとも一部において、固定配置部分の一例である下側の短手方向側板46Lに接することで、位置決め部72Dを動かす力を受けることができる。
【0165】
なお、本実施形態において、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bは、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dよりも小さく開く。つまり、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bの最大間隔は、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dの最大間隔よりも小さい。これにより、イメージングプレート10を第2方向F2に沿わせる姿勢で、イメージングプレート10を一対の第1開閉位置決め部72A、72Bの間と、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dの間とに配置し易い。特に、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dの最大間隔が、複数サイズのイメージングプレート10の長手方向寸法のうち最も小さい寸法よりも小さければ、複数サイズのイメージングプレート10の長手方向を第1方向F1に沿わせるようにして、当該イメージングプレート10を配置し難い。これにより、イメージングプレート10が縦横間違った状態でステージ60にセットされ難い。
【0166】
なお、本実施形態では、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2f、位置決め面72CF、72DFは、支持面64Fに対して鋭角をなすように傾斜する面である例が説明された。位置決め部72A、72B、72C、72Dの一部又は全部において、イメージングプレート10を位置決めする面が、イメージングプレート10の縁部分を支持面64Fに押付ける構成を有していることは必須ではない。
【0167】
<位置決め部の駆動機構について>
上記位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dの駆動は、どのような構成によってなされてもよい。例えば、位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、ステージ60を駆動する力を利用して駆動されてもよい。位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、例えば、制御部100(図3参照)の制御に基づき、ステージ60を駆動するモータ等の駆動部とは別の駆動部(例えば、モータ、ソレノイドアクチュエータ)によって駆動されてもよい。
【0168】
本実施形態では、位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、ステージ60を駆動する力を利用して駆動されており、そのための構成が以下に説明される。
【0169】
<位置決め部72Bを移動させるための構成について>
上記したように、位置決め部72Bは、ステージ本体61に対して離間位置と接近位置との間で移動可能に支持されている。ステージ本体61における位置決め部72Bの移動方向は、主走査方向A1(第2方向F2)に沿ったステージ本体61の移動方向に対して交差する副走査方向A2(第1方向F1)に沿っている。
【0170】
位置決め部72Bは、バネ72Bsによって接近方向に付勢されている。また、位置決め部72Bは、回転可能に支持されたローラ72Bqを有している。ローラ72Bqの回転軸は、第1方向F1及び第2方向F2に直交する方向に沿っている。ローラ72Bqは、板状部64に対して支持面64Fとは反対側に突出している。ステージ60の位置に拘らず、ローラ72Bqは、一対の支持ロッド48間に位置することができる。
【0171】
一対の支持ロッド48のうち箱状部44から突出する部分にカム板80が支持されている。カム板80は、下側の短手方向側板46Lの外側で、一対の支持ロッド48間に位置する板状部材である。カム板80は、ステージ本体61に対して支持面64Fとは反対側に位置している。
【0172】
カム板80に、カム溝82が形成されている(図8及び図10参照)。カム溝82は、上記ローラ72Bqを配置可能な位置において第2方向F2に沿って延びるように形成されている。カム溝82は、カム板80の両面に貫通しているが、ステージ60側で開口する有底溝であってもよい。
【0173】
カム溝82のうち位置決め部72Aに近い側(接近位置側)の側面が、上記ローラ72Bqに接触して当該ローラ72Bqを第1方向F1に沿って移動させる作動面82fに形成されている。
【0174】
作動面82fは、第2方向F2に沿ってセット位置P1から読取位置P2に向うに連れて位置決め部72A側(接近位置)側に向う傾斜面82fmを有している。傾斜面82fmは、第2方向F2において作動面82fの中間に位置している。第2方向F2において、作動面82fのうち傾斜面82fmの両側部分は、第2方向F2に沿う面82f1、82f2に形成されている。
【0175】
カム溝82のうち位置決め部72Aから遠い側(離間位置側)の側面は、上記ローラ72Bqとの接触を回避した形状に形成されている。本実施形態では、当該側面は、作動面82fに対してローラ72Bqの距離以上離れて、第2方向F2に沿って延びる平面に形成されている。
【0176】
ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、ローラ72Bqは、カム溝82のうち傾斜面82fmよりも奥側に位置する(図8参照)。この状態では、ローラ72Bqは、傾斜面82fmより奥側の面82f1に接した状態となっている。面82f1は、バネ72Bsの付勢力に抗してローラ72Bqを位置決め部72Aから離れる方向(離間位置側)に押す。このため、ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、位置決め部72Bは、離間位置に位置する。
【0177】
ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に向けて移動すると、ローラ72Bqは、カム溝82内をセット位置P1側に向けて移動する。位置決め部72B及びローラ72Bqは、バネ72Bsによって接近位置側に付勢されている。このため、ローラ72Bqは、作動面82fに押付けられた状態となっている。ローラ72Bqは、面82f1上から傾斜面82fm上を経て面82f2上を従動移動する(図10参照)。
【0178】
ローラ72Bqが傾斜面82fm上を移動する際に、位置決め部72Bは、離間位置から接近位置に向けて徐々に移動する。支持面64F上にイメージングプレート10が載置されていないと、ローラ72Bqは、傾斜面82fmからセット位置P1側の面82f2上に達する。ローラ72Bqが傾斜面82fmよりもセット位置P1側の面82f2上を移動する際には、位置決め部72Bは接近位置に保たれる。
【0179】
位置決め部72Bが離間位置から接近位置に向けて移動する際に、支持面64F上にイメージングプレート10が載置されていると、位置決め部72Bのうち位置決め部72A側の部分がイメージングプレート10の一方の縁部に接触する。位置決め部72Bがイメージングプレート10を位置決め部72A側に押すと、位置決め部72Aと位置決め部72Bとの間隔がイメージングプレート10の幅と同程度となる。すると、位置決め部72Bは、位置決め部72A側に移動できなくなる。このため、ローラ72Bqが作動面82fに接触しているか否かに拘らず、接近位置側への位置決め部72Bの移動が規制される。これにより、第1方向F1において、バネ72Bsの付勢力によって、イメージングプレート10が位置決め部72Aと位置決め部72Bとの間で位置決め状態で挟持される。
【0180】
ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動する際には、上記と逆の動作がなされる。すなわち、ステージ60の移動途中に、ローラ72Bqが傾斜面82fmに接触することで、バネ72Bsの付勢力に抗して、ローラ72Bqが接近位置から離間位置に向けて押される。これにより、位置決め部72Bが徐々に接近位置に向けて移動し、位置決め部72Aと位置決め部72Bとが開いた状態となる。これにより、第1方向F1において、位置決め部72Aと位置決め部72Bとによるイメージングプレート10の挟持が解除される。
【0181】
上記のように、位置決め部72Bを付勢する付勢部材としてのバネ72Bs、位置決め部72Bを移動させるための力を受ける受部としてのローラ72Bq、ローラ72Bqを作動させる作動面82fは、ステージ移動機構50によってステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動するのにあわせて一対の開閉位置決め部72A、72Bを閉動作させる位置決め部動作機構の一例である。上記したように、位置決め部動作機構は、ステージ60を駆動するモータ等の駆動部とは別の駆動部(例えば、モータ、ソレノイドアクチュエータ)によって位置決め部72Bを動作させてもよい。一方で、本実施例のように、ステージ移動機構がステージを動かす力によって一対の開閉位置決め部の閉動作や開動作を行わせることができる構成では、モータ等の駆動機構を少なくすることができる。
【0182】
<位置決め部72Dを移動させるための構成について>
位置決め部72Dを移動させるための構成について説明する。上記したように、位置決め部72Dは、ステージ本体61に対して離間位置と接近位置との間で移動可能に支持されている。ステージ本体61における位置決め部72Dの移動方向は、主走査方向A1(第2方向F2)に沿ったステージ本体61の移動方向と同じである。
【0183】
位置決め部72Dは、バネ72Dsによって閉方向、即ち、離間位置から接近位置に向けて常時付勢されている。位置決め部72Dに受部72Dqが一体的に形成されている。
【0184】
ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、受部72Dqが下方の短手方向側板46Lの縁部分に読取位置P2側から接触する。これにより、バネ72Dsによる引張り力に抗して受部72Dqがスリット67の開口側(読取位置P2側)に向けて押され、位置決め部72Dが離間位置に保たれる(図8参照)。つまり、一対の位置決め部72C、72Dが開状態に保たれる。
【0185】
ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、受部72Dqと短手方向側板46Lとの接触状態が解除される。これにより、バネ72Dsによる引張り力によって、位置決め部72Dがスリット67の奥側、即ち、接近位置に向うように付勢される(図10参照)。これにより、一対の位置決め部72C、72Dが、イメージングプレート10のうち対向する上下2箇所の側縁部分を挟込んだ状態に保たれる。
【0186】
ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する少なくとも一部の区間(初期区間)においては、バネ72Bsの引張り力によって受部72Dqが短手方向側板46Lに向けて押された状態のまま、ステージ60が読取位置P2に向けて移動する。ステージ本体61を基準に考えると、位置決め部72Dは、ステージ本体61の移動に応じて徐々に接近位置に向けて移動する。これにより、一対の位置決め部72C、72Dが閉動作される。
【0187】
この際、一対の位置決め部72C、72Dの間にイメージングプレート10が存在しないと、位置決め部72Dは接近位置まで移動する。一対の位置決め部72C、72Dの間にイメージングプレート10が存在する場合、一対の位置決め面72CF、72DFの間にイメージングプレート10が挟込まれることによって、位置決め部72Dの移動が規制されるまで、当該位置決め部72Dが接近位置に向けて移動する。この状態では、バネ72Dsの付勢力によって、イメージングプレート10は、一対の位置決め面72CF、72DFの間に挟込まれた状態に保たれる。このように、ステージ60が動かされる力によって、受部72Dqがステージ本体に対して移動し、これにより、受部72Dqが、接近位置への位置決め部72Dの移動を許容し、もって、位置決め部72Dに開動作を行わせる。
【0188】
上記とは逆に、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に向けて移動する少なくとも一部の区間(後期区間)では、受部72Dqと短手方向側板46Lとが接触することによって、短手方向側板46Lに対して位置決め部72Dが一定位置に保たれたままステージ本体61がセット位置P1に向けて移動する。ステージ本体61を基準に考えると、位置決め部72Dは、バネ72Dsの付勢力によってステージ本体61の移動に応じて徐々に離間位置に向けて移動する。これにより、一対の位置決め部72C、72Dの間のイメージングプレート10の保持が解除される。つまり、一対の位置決め部72C、72Dを開動作させる。このように、受部72Dqが、ステージ60を動かす力によって、位置決め部72Dを離間位置に向けて移動させ、もって、位置決め部72Dに開動作を行わせる。
【0189】
<位置決め部72Cを移動させるための構成について>
本実施形態では、ステージ60は、セット位置P1からさらに(読取位置P2とは反対側に)遠ざかる排出位置P3に移動可能である(図11参照)。
【0190】
上記カム板80に、溝84が形成されている(図8図10図11参照)。溝84は、上記位置決め部72Bの一端に設けられた突出片73Cbpを配置可能な位置において第2方向F2に沿って延びるように形成されている。溝84は、カム板80の両面に貫通しているが、ステージ60側で開口する有底溝であってもよい。
【0191】
溝84の奥に作動ローラ85が位置している。作動ローラ85は、第1方向F1に沿う軸周りに回転可能に支持されたローラである。作動ローラ85は、ステージ60がセット位置P1に位置する状態では突出片73Cbpに接触せず、ステージ60が排出位置P3に位置する状態で突出片73Cbpに接触可能な位置に配置されている。なお、溝84の奥に作動ローラ85が設けられず、第2カム溝の奥の位置自体が、ステージ60が排出位置P3に位置する状態で突出片73Cbpと接触可能に設定されていてもよい。
【0192】
ステージ60がセット位置P1及び読取位置P2に位置する状態では、突出片73Cbpは作動ローラ85に接触しない。この状態では、位置決め部72Bの位置決め面72CFは、位置決め部72Bの自重により又は付勢部材によって、イメージングプレート10を下から支える接触位置に位置している。
【0193】
ステージ60がセット位置P1から排出位置P3に移動すると、突出片73Cbpが作動ローラ85に接触し、位置決め面72CFが接触位置から退避位置に移動する。これにより、イメージングプレート10は、ステージ60の支持面64F上から下方に滑り落ちることができる。
【0194】
<セット用ガイドについて>
図13はセット用ガイド200によるイメージングプレート10のガイド動作を示す説明図である。
【0195】
図1から図3図5図13に示すように、セット用ガイド200は、プレートガイド面216を含んでおり、イメージングプレート10をステージ60に向けて案内する。プレートガイド面216は、下向き傾斜する面であり、イメージングプレート10を斜め下方に案内する面である。セット用ガイド200は、セット位置P1に位置するステージ60に対して支持面64F側から対向する位置に配置されている。
【0196】
より具体的には、セット用ガイド200は、ガイドベース板201と、ガイド本体212とを備える。
【0197】
ガイドベース板201は、一対の支持ロッド48の幅に応じた大きさに設定されており、当該一対の支持ロッド48に掛渡すように固定される。ガイドベース板201は、ステージ60のうち下側の短手方向側板46Lから突出する部分上を覆うことができる。
【0198】
ガイドベース板201に、プレート通過開口202が形成されている。プレート通過開口202は、イメージングプレート10が通過可能な方形状の開口である。例えば、プレート通過開口202は、イメージングプレート10の大きさ(複数サイズのイメージングプレート10が想定される場合には最大の大きさ)よりも大きい方形状に形成されている。プレート通過開口202は、セット位置P1に位置するステージ60のうち支持面64Fに対向する位置に形成される。
【0199】
ガイド本体212は、例えば、樹脂によって形成される。ガイド本体212は、プレートガイド面216を有しており、筐体30の開口31からステージ60に向けてイメージングプレート10を案内する。
【0200】
ガイド本体212は、直方体状に形成されている。
【0201】
ガイド本体212の外向き面に投入口230が形成されている。ガイド本体212のうち外向き面とは反対側に内向き面に開口232が形成されている。開口232をプレート通過開口202に対応する位置に配置した状態で、ガイド本体212がガイドベース板201に取付けられている。ガイド本体212がガイドベース板201を介して一対の支持ロッド48に取付けられた状態で、一対の支持ロッド48間において、開口232はプレート通過開口202を介してセット位置P1に位置するステージ60の支持面64Fに対向する。
【0202】
また、上記のようにガイド本体212が一対の支持ロッド48に取付けられた状態で、投入口230が形成された外向き面が、筐体30のうち開口31が形成された面に沿うように配置される。当該外向き面は、開口31を通じて筐体30の外に露出する。
【0203】
ガイド本体212内に、投入口230の下縁部分から開口232の下縁部分に向うようにして、プレートガイド面216が形成されている。
【0204】
プレートガイド面216は、支持面64Fに向って徐々に下方に向うように形成されている。本実施形態では、プレートガイド面216は、外向きに凸な湾曲面216aである部分を含む。本実施形態では、プレートガイド面216の全体が湾曲面216aである。湾曲面216aは、副走査方向A2に沿って見ると、上方及びステージ60側に凸となる曲線を描いている。湾曲面216a上では、平坦なイメージングプレート10が面接触し難く、従って、イメージングプレート10が湾曲面216aに貼付いた状態となり難い。このため、イメージングプレート10は、湾曲面216a上を円滑に滑り落ちていくことができる。
【0205】
プレートガイド面216の上端は、ステージ60における支持面64Fの下端(例えば、位置決め面72CFの位置)よりも上に位置し、好ましくは、支持面64Fの上端(例えば、離間位置に位置する位置決め面72DFの位置)よりも上に位置する。
【0206】
プレートガイド面216の下端は、プレートガイド面216の上端よりも下に位置し、好ましくは、支持面64Fの上端(例えば、離間位置に位置する位置決め面72DFの位置)よりも下に位置し、より好ましくは、支持面64Fのうち上端よりも下端(例えば、位置決め面72CFの位置)に近い高さに位置する。
【0207】
ステージは、イメージングプレートの短手方向を水平方向に対して傾斜させた姿勢でイメージングプレートを支持してもよい。この場合、セット用ガイドは、イメージングプレートの短手方向を水平方向に沿わせた姿勢でステージに向けてガイドするとよい。
【0208】
セット用ガイド200は、投入口230を開閉可能に塞ぐシャッタ244を含んでもよい。シャッタ244は、ステージ60の移動に連動して投入口230を開閉してもよい。例えば、シャッタ244は、ステージ60がセット位置P1に位置する状態で投入口230を開き、ステージ60が読取位置P2に位置する状態、及び、セット位置P1と読取位置P2との間に位置する状態で、投入口230を閉じてもよい。
【0209】
シャッタ244は、ステージ60の移動を利用して開閉されてもよいし、ステージ60を移動させるモータ53とは別の駆動部(例えば、モータ、ソレノイドアクチュエータ)によって駆動されてもよい。
【0210】
筐体30は、セット用ガイド200のうち投入口230が形成された外向き面を、開口31を通じて露出させた状態で、当該セット用ガイド200及び支持部材40、ステージ60、読取ユニット90等を覆っている(図1参照)。このため、筐体30は、ステージ60と、励起光源92及び光検出器94とを含む読取ユニット90、セット用ガイド200のうち少なくともプレートガイド面216及び支持面64Fとを覆っている。
【0211】
セット用ガイド200によるイメージングプレート10のガイド動作例について、主に図13を参照しつつ説明する。本実施形態では、セット用ガイド200は、イメージングプレート10を反転させつつステージ60に向けてガイドする。
【0212】
イメージングプレート10の長手方向を投入口230の延在方向に対して交差させた(好ましくは垂直)姿勢で、イメージングプレート10が投入口230に挿入される(Q1参照)。この際、イメージングプレート10の裏面10bが上側に、表面10aが下側に向けられる。
【0213】
イメージングプレート10が投入口230を越え、さらに奥に挿入される(Q2参照)。イメージングプレート10の過半が投入口230を越えてプレートガイド面216上に位置するようになると、手で押さなくても、重力によって、イメージングプレート10はプレートガイド面216の傾斜に従って滑り落ちる。やがて、イメージングプレート10の下端が支持面64Fに達するようになる(Q3参照)。イメージングプレート10の下端は、支持面64Fの傾斜に従って、さらに滑り落ちるように下方に移動する。
【0214】
イメージングプレート10の下端が支持面64Fの傾斜に従って、下方に移動すると、その前の状態よりも傾斜姿勢が反対になる(Q4参照)。これにより、イメージングプレート10の裏面10bが支持面64F側に近づくように、イメージングプレート10がさらに傾く。これにより、ステージ60の支持面64Fは、イメージングプレート10の裏面10bに接触して当該イメージングプレート10を支持面64Fと同じ傾斜姿勢で保持することができる(Q5参照)。この状態で、イメージングプレート10の表面10aは、支持面64Fと同じ側を向く。
【0215】
このセット用ガイド200によると、イメージングプレート10の投入時には、表面10aを下に向けた状態とすることができる。これにより、イメージングプレート10を読取装置20にセットする際に、イメージングプレート10の放射線像形成面が外光に曝され難くなる。
【0216】
なお、セット用ガイド200がイメージングプレート10を反転させてステージ60に向けてガイドすることは必須ではない。セット用ガイドは、表裏の位置関係を反転させずに、イメージングプレートをステージに向けてガイドしてもよい。この場合、利用者は、表面10aを上側にしてイメージングプレートをセット用ガイドに投入するとよい。
【0217】
セット用ガイド200が存在することは必須ではない。投入口より投入されたイメージングプレートが直接ステージ上に供給されてもよい。また、セット位置において、ステージの支持面が外部からアクセス可能な位置に曝され、利用者が支持面上に直接イメージングプレートを載置してもよい。
【0218】
<読取装置の動作について>
読取装置20の動作について説明する。
【0219】
初期状態においては、ステージ60はセット位置P1に位置している(図1図4図5図7及び図8参照)。この状態では、ローラ72Bqは、カム溝82のうち傾斜面82fmよりも奥側の面82f1に接した状態となっているため、位置決め部72Bは、離間位置に位置している。このため、第1方向F1(水平方向)において位置決め部72A、72B間が開いた状態となっている。また、受部72Dqと短手方向側板46Lとが接触することによって、位置決め部72Dは離間位置に位置している。このため、第2方向F2において位置決め部72C、72Dが開いた状態となっている。さらに、突出片73Cbpが作動ローラ85に接触しないため、位置決め部72Cの位置決め面72CFは、イメージングプレート10を下から支える接触位置に位置している。
【0220】
また、シャッタ244は、投入口230を開く位置に移動した状態となっている。
【0221】
この状態で、セット用ガイド200における投入口230にイメージングプレート10が挿入される。イメージングプレート10は、放射線像形成層11を下向きにした姿勢で、投入口230に挿入される。一般的に、太陽光は、空から照射される。また、室内照明器具は、天井等の頭上から照射される。本読取装置20は、テーブル上等に設置されることが想定される。このため、本読取装置が設置される環境下における太陽光及び照明光の大部分は、読取装置20に対して上方から照射されることが想定される。イメージングプレート10の放射線像形成層11を下向きにすると、放射線像形成層11が太陽光及び照明光などの外光に曝され難くなる。
【0222】
セット用ガイド200に投入されたイメージングプレート10は、セット用ガイド200内のプレートガイド面216及び支持面64Fの共同作用によって反転された状態で、ステージ60上に支持される。支持面64F上において、イメージングプレート10の裏面は重力方向において下を向き、放射線像形成層11が重力方向において上を向く。また、イメージングプレート10は、支持面64F上において、位置決め部72A、72B間に位置し、かつ、位置決め面72CFによって下から支持されている。
【0223】
読取装置20における読取のための指示が入力されると、ステージ移動機構50の駆動によってステージ60がセット位置P1から読取位置P2に向けて移動する。
【0224】
移動途中で、ローラ72Bqは、カム溝82のうち傾斜面82fmを経てその手前側に移動する。このため、バネ72Bsの付勢力によって位置決め部72Bが位置決め部72Aに対して接近する。位置決め部72Bの移動中に、ガイド位置決め面72BF2fがイメージングプレート10の一方側の側縁部分に接触すると、イメージングプレート10が反対側のガイド位置決め面72AF2fに向けて押される。イメージングプレート10が下側の位置決め面72CF上を滑って移動し、イメージングプレート10の反対側の側縁部分がガイド位置決め面72AF2fに接触すると、左右のガイド位置決め面72AF2f、72BF2fがイメージングプレート10の両側縁部分を左右両側から挟込む状態となる(図14参照)。
【0225】
また、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動すると、ステージ60が下側の短手方向側板46Lに対して移動することになる。すると、受部72Dqに接していた下側の短手方向側板46Lが位置決め部72C側に相対移動することになるので、位置決め部72C側への位置決め部72Dの移動が許容されるようになる。すると、バネ72Dsによる付勢力によって、位置決め部72Dが位置決め部72Cに対して接近する。位置決め部72Dの移動中に、位置決め面72DFがイメージングプレート10の上側の側縁部分に接触すると、イメージングプレート10が下側の位置決め面72CFに向けて押される。これにより、一対の位置決め面72CF、72DFがイメージングプレート10の上下縁部分を上下から挟込む状態となる(図14参照)。
【0226】
これにより、図14及び図15に示すように、ステージ60の支持面64F上において、イメージングプレート10が第1方向F1及び第2方向の両方向において位置決め保持される。なお、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2f及び位置決め部72C、72Dが、イメージングプレート10の縁部に覆い被さるように傾斜しているので、イメージングプレート10の周囲4方の縁部は、支持面64Fに押付けられるように支持されている。
【0227】
セット位置P1に位置するステージ60に支持されたイメージングプレート10が正規姿勢に対して傾いていない場合には、位置決め部72A、72B及び位置決め部72C、72Dが閉じることで、イメージングプレート10の第1方向F1及び第2方向F2の位置が調整され、正規姿勢に位置決め支持される。例えば、イメージングプレート10の下側の短辺側の縁部の全体が位置決め面72CF上に接した姿勢で、イメージングプレート10が支持面64Fに支持されている場合、位置決め部72A、72B及び位置決め部72C、72Dが閉じることで、イメージングプレート10は、位置決め部72A、72Cを基準とした正規姿勢に位置決めされる。
【0228】
セット位置P1に位置するステージ60に対してイメージングプレート10が傾いて支持されることが想定される。なお、傾きは、例えば、第2方向F2に対するイメージングプレート10の長手方向の角度と把握してもよい。イメージングプレート10の傾きが小さければ、位置決め部72A、72Bが閉じることで、第2方向F2に沿って延びるガイド位置決め面72AF2f、72BF2fが、イメージングプレート10の傾きを無くすように矯正できることが考えられる。
【0229】
イメージングプレート10の傾きが大きくなれば、第2方向F2に沿って延びるガイド位置決め面72AF2f、72BF2fによっては、イメージングプレート10の傾きを矯正できない可能性がある。
【0230】
例えば、図16に示すように、位置決め部572Bとして、位置決め部72Bの傾き矯正面72BF1が省略されている構成を想定する。この場合、位置決め部572Bのうち位置決め部72A側には、第2方向F2に沿って延びる位置決め面572BFが形成されている。正面から見て、イメージングプレート10が右回転する方向に大きく傾いているとする。この場合、イメージングプレート10の右上角部が位置決め面572BFの延在方向中間部に接することが考えられる。
【0231】
イメージングプレート10の傾きが大きいと、位置決め部572Bが位置決め部72Aに近づく際に、第1方向F1においてイメージングプレート10の右上角部と位置決め面572BFとの間に作用する力が大きくなる可能性がある。すると、イメージングプレート10の角部と位置決め面572BFとの間の摩擦力が大きくなり、イメージングプレート10の右上角部が位置決め面572BFに沿って円滑に移動できず、イメージングプレート10の傾きを矯正できない可能性がある。
【0232】
特に、位置決め面572BFがイメージングプレート10の縁に被さるように傾いていると、イメージングプレート10の角部が支持面64Fと位置決め面572BFとの間の奥に入り込んでしまい、角部の移動がより妨げられる要因となる可能性がある。
【0233】
本実施形態のように、位置決め部72Bが傾き矯正面72BF1を有していると、図17及び図18に示すように、大きく傾いたイメージングプレート10の右上の角部が傾き矯正面72BF1に接する。この状態で、位置決め部72Bが位置決め部72Aに向けて移動すると、傾き矯正面72BF1は、イメージングプレート10の角部を上方に移動させる力を作用させ易い。これにより、イメージングプレート10は、支持面64F上において正規姿勢に近づくように回転される。
【0234】
傾き矯正面72BF1は、ガイド位置決め面72BF2fと比較して、支持面64Fに対して垂直姿勢に近く、ここでは、垂直姿勢である(図18参照)。このため、支持面64Fと傾き矯正面72BF1との間でイメージングプレート10の角部が挟込まれた状態になり難い。この点からも、イメージングプレート10は、正規姿勢に矯正され易い。なお、傾き矯正面72AF1、72BF1は、正規姿勢において、イメージングプレート10を位置決めする部分ではない(図14参照)。このため、傾き矯正面72AF1、72BF1をイメージングプレート10の縁部に覆い被さるように傾かせなくてもよい。
【0235】
位置決め部72Bが位置決め部72Aに向けてさらに移動することで、イメージングプレート10は正規姿勢で、接触縁部72AF2、72BF2の間に挟込まれて位置決めされる(図14参照)。
【0236】
イメージングプレート10の傾きが逆であれば、図19に示すように、傾いたイメージングプレート10の左上の角部が傾き矯正面72AF1に接する。この状態で、位置決め部72Bが位置決め部72Aに向けて移動すると、イメージングプレート10の左上の角部が傾き矯正面72AF1に向けて押されるので、傾き矯正面72AF1は、イメージングプレート10の角部を上方に移動させる力を作用させることができる。これにより、イメージングプレート10は、支持面64F上において正規姿勢に近づくように回転される。
【0237】
このため、イメージングプレート10が左右のいずれに大きく傾いても、上側の角部が傾き矯正面72AF1又は傾き矯正面72BF1に接触する。これにより、イメージングプレート10の傾きが矯正される。
【0238】
なお、左右の位置決め部72A、72Bの間隔は、セット対象となるイメージングプレート10を配置可能な範囲でなるべく小さく設定される。例えば、左右の位置決め部72A、72Bの間隔は、セット対象となるイメージングプレート10が傾いて配置されたとしても、正規姿勢で上側に位置する角部が、正規姿勢で下側となる角部よりも下側に位置するように配置できない大きさに設定される。
【0239】
図20は複数サイズのイメージングプレート10のうち長手方向寸法が最も大きいイメージングプレート10が位置決め保持された状態を示している。長手方向寸法が最も大きいイメージングプレート10については、位置決め部72A、72Bの間で大きく傾き難い。しかしながら、イメージングプレート10の長辺側の縁部の一部を位置決め保持するだけでは、良好に位置決めできなくなる可能性がある。また、位置決め部72A、72Bに、支持面64Fへの押付機能を持たせた場合に、イメージングプレート10の長辺側の縁部の一部を位置決め保持するだけでは、イメージングプレート10の他の部分が支持面64Fから浮いてしまう可能性がある。
【0240】
本実施形態によると、傾き矯正面72AF1、72BF1の上下両側に、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fが設けられる。このため、イメージングプレート10の長辺側の縁部を、傾き矯正面72AF1、72BF1の上下両側で位置決めできる。これにより、長手方向寸法が大きいイメージングプレート10についても、正確に位置決めできる。また、全体に亘ってイメージングプレート10が支持面64Fから浮かないようにイメージングプレート10を支持できる。
【0241】
上記のように、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する途中で、イメージングプレート10が正規姿勢でステージ60に位置決め保持される。
【0242】
また、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する途中で、シャッタ244は投入口230を閉じる位置に移動し、投入口230が閉じられた状態となる。ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動すると、投入口230が閉じられるので、誤って複数のイメージングプレート10が投入口230に挿入されることが抑制される。
【0243】
ステージ60が読取位置P2に移動することで、読取ユニット90によってイメージングプレート10の潜像が読取られる。
【0244】
読取ユニット90による読取り終了後、ステージ60はセット位置P1に戻る。その移動途中で、上記と逆の動作が行われ、ステージ60におけるイメージングプレート10の保持が解除される。また、シャッタ244が投入口230を開く位置に移動し、投入口230が開かれる。
【0245】
ステージ60がセット位置P1から排出位置P3に向けて移動すると、突出片73Cbpが作動ローラ85に接触し、位置決め部72Cの位置決め面72CFが接触位置から退避位置に移動する(図11参照)。位置決め面72CF上に支持されていたイメージングプレート10が、支持面64Fから位置決め面72CF上を通って滑り落ち、回収トレイ49内に回収される。
【0246】
この後、ステージ60が排出位置P3からセット位置P1に戻る。すると、位置決め面72CFが接触位置に戻るように、位置決め部72Cが回転移動する。この状態で、上記したように、セット位置P1のステージ60にイメージングプレート10をセットすることができる。
【0247】
<効果等>
以上のように構成された放射線像の読取装置20によると、一対の位置決め部72A、72Bのうちの少なくとも一方が、それらの開閉方向において外側に向かうにつれて第2方向F2に向う傾き矯正面72AF1、72BF1を有する。このため、支持面64F上においてイメージングプレート10が傾いている場合、イメージングプレート10の縁部が傾き矯正面72AF1、72BF1に接触した状態で、一対の位置決め部72A、72Bの少なくとも一方が閉じる向きに移動すると、イメージングプレート10のうち傾き矯正面72AF1、72BF1に接触した縁部が第2方向F2に移動する。これにより、支持面64F上においてイメージングプレート10が正規姿勢となるように矯正される。
【0248】
また、一対の位置決め部72A、72Bは、第2方向F2において傾き矯正面72AF1、72BF1の両側に位置する少なくとも2つの接触縁部72AF2、72BF2を有している。このため、第2方向F2において、傾き矯正面72AF1、72BF1の両側の接触縁部72AF2、72BF2によって、イメージングプレート10を位置決めすることができる。特に、大きいイメージングプレート10を正確に位置決めするのに適する。
【0249】
また、正面視において、上側の接触縁部72AF2、72BF2と下側の接触縁部72AF2、72BF2との間には、傾き矯正面72AF1、72BF1に応じた凹みが生じている。イメージングプレート10をなるべく確実に位置決めするためには、上側の接触縁部72AF2、72BF2を下側の接触縁部72AF2、72BF2に近付けることが好ましい。しかしながら、上側の接触縁部72AF2、72BF2を下側の接触縁部72AF2、72BF2に近付けすぎると、傾いたイメージングプレート10が回転する際に、イメージングプレート10の角部が上側の接触縁部72AF2、72BF2の下端近傍に干渉する可能性がある。そこで、上側の接触縁部72AF2、72BF2と接触回避面72AF3、72BF3とは、曲面72AFc、72BFcを介して連なるようにする。これにより、上側の接触縁部72AF2、72BF2を下側の接触縁部72AF2、72BF2になるべく近付けつつ、傾いたイメージングプレート10が傾き矯正面72AF1、72BF1によって案内されて回転する際に、イメージングプレート10の角部が位置決め部72A、72Bに干渉し難いようにできる。
【0250】
また、一対の開閉位置決め部72A、72Bのそれぞれが、傾き矯正面72AF1、72BF1を有している。このため、イメージングプレート10がいずれの方向に傾いても、イメージングプレート10の縁部分を傾き矯正面72AF1、72BF1のいずれかに接触させて、傾きを矯正することができる。
【0251】
また、傾き矯正面72AF1、72BF1は、一対の位置決め部72A、72Bの開閉方向において外側に向うに連れて上方に向う矯正面である。このため、位置決め部72A、72Bの少なくとも一方が互いの接近方向に近づくと、イメージングプレート10のうち傾き矯正面72AF1、72BF1に接触した縁部分が重力に抗して上方に持上げられる。これにより、支持面64F上においてイメージングプレート10が正規姿勢となるように矯正される。
【0252】
なお、傾き矯正面は、一対の位置決め部の開閉方向において外側に向うに連れて下方に向う矯正面であってもよい。この場合、一対の位置決め部の少なくとも一方が互いの接近方向に近づくと、イメージングプレートのうち傾き矯正面に接触した縁部分が下方に押されて、イメージングプレートが正規姿勢となるように矯正される。
【0253】
本実施形態のように、イメージングプレート10の下方に位置決め面72CFがある場合には、傾き矯正面72AF1、72BF1は、一対の位置決め部72A、72Bの開閉方向において外側に向うに連れて上方に向う矯正面であることが好ましい。イメージングプレート10のうち傾き矯正面72AF1、72BF1に接触した縁部分が重力に抗して上方に持上げられる際に、上方への移動が妨げられ難いからである。
【0254】
また、位置決め機構70は、第2方向F2において一方側からイメージングプレート10の縁部分に対して接触する基準位置決め部としての位置決め部72Cを有していると、イメージングプレート10を第2方向F2において一定位置に位置決めし易い。
【0255】
また、基準位置決め部としての位置決め部72Cが、イメージングプレート10を下方から支える位置に位置していると、イメージングプレート10の自重が位置決め部72Cによって支えられることによってイメージングプレート10が位置決めされる。
【0256】
また、傾き矯正面72AF1、72BF1は、第2方向F2において、位置決め部72Cを基準としてイメージングプレート10の寸法の半分未満の位置からイメージングプレート10の寸法未満となる領域に設けられる。このため、傾いて位置決め部72C上に支持されると想定されるほとんどの場合の傾きを矯正できる。
【0257】
また、位置決め部72Cは、接触位置と退避位置との間で位置変更可能である。このため、接触位置に位置する位置決め部72Cによってイメージングプレート10を位置決めできる。また、位置決め部72Cが退避位置に移動することによって、イメージングプレート10をステージ60から容易に取去ることができる。
【0258】
また、位置決め機構70は、一対の第1開閉位置決め部72Aと、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dとを備える。このため、イメージングプレート10を、第1方向F1及び第2方向F2において位置決めすることができる。
【0259】
また、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bは、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dよりも小さく開く。このため、長方形状のイメージングプレート10を、短辺方向を第1方向F1に沿わせると共に、長辺方向を第2方向F2に沿わせるように、ステージ上にセットすることができる。第2方向F2に対するイメージングプレート10の長辺方向の傾きを矯正して、イメージングプレート10の長辺側の縁部分が一対の第1開閉位置決め部72A、72Bによって位置決めされるようにすることができる。
【0260】
より詳細には、重力を考慮すると、支持面64F上で、重力が作用する第2方向F2において、イメージングプレート10が一定の位置に納まり易いのに対し、水平方向に沿った第1方向においては、イメージングプレート10の位置の自由度が高い。そこで、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bと一対の第2開閉位置決め部72C、72Dとのうち水平方向に沿って開閉する方が、上下に開閉する他方よりも小さく開くようにすることで、水平方向におけるイメージングプレート10の位置の自由度を減らすることができる。これにより、イメージングプレート10がステージ60上において正規姿勢で保持され易くなる。
【0261】
また、複数サイズのイメージングプレート10を想定すると、通常、長手方向のサイズバリエーション幅よりも、短手方向のバリエーション幅の方が小さい。そこで、イメージングプレート10を短手方向に位置決めする一対の第2開閉位置決め部72C、72Dの最大間隔を小さくすることで、イメージングプレート10の挿入初期において、イメージングプレート10をステージ60上において一定位置に支持し易い。
【0262】
また、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bが大きく開いていると、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bによってイメージングプレート10を位置決めする際に、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bの開閉のための移動量が大きくなる。そうすると、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bが移動して第1方向F1においてイメージングプレート10を位置決めする前に、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dが第2方向F2においてイメージングプレート10を位置決めしてしまう可能性がある。その場合、第2方向F2において、イメージングプレート10の位置が正規姿勢からずれてしまう可能性がある。
【0263】
本実施形態のように、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bの開きが小さいと、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bによって少ない移動量で早期にイメージングプレート10を位置決めすることができる。イメージングプレート10は、位置決め部72C上で支持されているから、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bによる位置決め後に、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dが位置決めを行っても、イメージングプレート10が第2方向F2に沿って大きく移動することは抑制されている。このため、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bによって水平方向に沿う第1方向F1で位置決めした後に、一対の第2開閉位置決め部72C、72Dによって第2方向F2で位置決めすることで、イメージングプレート10を正規姿勢に位置決めし易い。
【0264】
なお、ステージ60において、イメージングプレート10の長手方向を第2方向F2に沿わせ、短手方向を第1方向F1に沿わせることは必須ではない。縦横を逆にし、ステージ60において、イメージングプレート10の長手方向を第1方向F1に沿わせ、短手方向を第2方向F2に沿わせてもよい。この場合、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bと一対の第2開閉位置決め部72C、72Dとのうち水平方向に沿って開閉する方が、上下に開閉する他方よりも大きく開くとよい。
【0265】
また、位置決め機構70は、イメージングプレート10の縁部分に対して接触し、支持面64Fの延在方向において当該縁部分をその外側から位置決めすると共に当該縁部分を支持面64Fに押付けるガイド位置決め面72AF2f、72BF2fを有する。このため、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fによって、イメージングプレート10が正規姿勢でかつ支持面64Fに接触された状態で保持され得る。
【0266】
また、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fは、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出し、支持面64Fから離れるにつれて支持面に覆い被さる方向に向う形状に形成されている。このため、イメージングプレート10の縁部分がガイド位置決め面72AF2f、72BF2fに押付けられることによって、イメージングプレート10の縁部分が支持面64Fに押付けられる。
【0267】
また、傾き矯正面72AF1、72BF1は、ガイド位置決め面72AF2f、72BF2fよりも支持面64Fに対して直角に近い角度であれば、イメージングプレート10の縁部分が傾き矯正面72AF1、72BF1に沿って円滑に移動して、傾きの矯正がなされる。
【0268】
また、ステージ移動機構50によって、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動するにあわせて、一対の第1開閉位置決め部72A、72Bを閉動作させるため、セット位置P1において、開かれた一対の開閉位置決め部72A、72B間にイメージングプレート10を容易にセットできる。イメージングプレート10のセット後、ステージを読取位置P2に移動させることで、イメージングプレート10が正規姿勢で位置決め保持される。このため、ステージ60の移動中にも、イメージングプレート10がステージ60上の一定位置に安定して保持される。
【0269】
{付記}
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0270】
本開示は、下記の各態様を開示する。
【0271】
第1の態様は、イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、前記イメージングプレートを保持するステージと、前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、を備え、前記ステージが、前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、第1方向に沿って間隔をあけて並ぶ一対の開閉位置決め部を含み、前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が前記第1方向に沿って移動することで、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートを前記第1方向に沿って挟込むように前記一対の開閉位置決め部が前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する位置決め機構と、を有し、前記一対の開閉位置決め部のうちの少なくとも一方が、前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて前記支持面に沿って前記開閉方向と直交する第2方向に向う傾き矯正面を有する、放射線像の読取装置である。
【0272】
この読取装置によると、支持面上においてイメージングプレートが傾いている場合、イメージングプレートの縁部が傾き矯正面に接触した状態で、一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が閉じる向きに移動すると、イメージングプレートのうち傾き矯正面に接触した縁部が第2方向に移動する。これにより、支持面上においてイメージングプレートが正規姿勢となるように矯正される。
【0273】
第2の態様は、第1の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部は、前記第2方向において前記傾き矯正面の両側に位置する少なくとも2つの接触縁部を有し、前記少なくとも2つの接触縁部が前記第2方向に沿う直線上に沿って延在するものである。
【0274】
この場合、第2方向において傾き矯正面の両側の少なくとも2つの接触縁部によって、イメージングプレートの縁部分を第2方向に沿う直線上に沿うように位置決めできる。
【0275】
第3の態様は、第2の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記傾き矯正面は、前記少なくとも2つの接触縁部のうちの1つから前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて前記第2方向に向い、前記一対の開閉位置決め部は、前記少なくとも2つの接触縁部のうちの他の1つから前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かう接触回避面を有し、前記少なくとも2つの接触縁部のうちの前記他の1つと前記接触回避面とは、曲面を介して連なっているものである。
【0276】
これにより、傾き矯正面によって案内されるイメージングプレートの角部が位置決め部に干渉し難くなる。
【0277】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部のそれぞれが、前記傾き矯正面を有してもよい。
【0278】
この場合、イメージングプレートがいずれの方向に傾いても、イメージングプレートの縁部分を一対の開閉位置決め部のそれぞれに形成された傾き矯正面のいずれかに接触させて、傾き矯正することができる。
【0279】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記第1方向は水平方向であり、前記傾き矯正面は、前記一対の開閉位置決め部の開閉方向において外側に向かうにつれて上方に向う矯正面であってもよい。
【0280】
第5の態様によると、支持面上においてイメージングプレートが傾いている場合、イメージングプレートのいずれかの縁部が傾き矯正面に接触した状態で、一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が接近方向に移動すると、イメージングプレートのうち傾き矯正面に接触した縁部が重力に抗して上方に持ち上げられる。これにより、支持面上においてイメージングプレートが正規姿勢となるように矯正される。
【0281】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め機構は、前記支持面上において一定位置に位置し、前記第2方向において一方側から前記イメージングプレートの縁部分に対して接触する基準位置決め部をさらに有してもよい。
【0282】
これにより、イメージングプレートの縁部を基準位置決め部に接触させることによって、イメージングプレートを第2方向において一定位置に位置決めし易い。
【0283】
第7の態様は、第6の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記基準位置決め部は、前記イメージングプレートを下方から支える位置に位置してもよい。
【0284】
このように、イメージングプレートの自重が基準位置決め部によって支えられることによって、イメージングプレートが当該基準位置決め部によって位置決めされる。
【0285】
第8の態様は、第6又は第7の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記傾き矯正面は、前記第2方向において、前記基準位置決め部を基準として、矯正対象となる前記イメージングプレートの寸法の半分未満の位置から前記イメージングプレートの寸法未満となる領域に設けられていてもよい。
【0286】
これにより、傾いて基準位置決め部上に支持されると想定されるほとんどの場合の傾きを矯正することができる。
【0287】
第9の態様は、第6から第8のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記基準位置決め部は、前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分に対向させる接触位置と前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分から退避させる退避位置との間で位置変更可能であってもよい。
【0288】
これにより、基準位置決め部を退避位置に移動させて、イメージングプレートをステージから容易に取去ることができる。
【0289】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部は、一対の第1開閉位置決め部であり、前記位置決め機構は、一対の第2開閉位置決め部を含み、前記一対の第2開閉位置決め部の少なくとも一方が前記第2方向に沿って移動することで、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートを前記第2方向に沿って挟込むように前記一対の第2開閉位置決め部が前記イメージングプレートの縁部分に対して接触してもよい。
【0290】
これにより、イメージングプレートを第2方向において位置決めすることができる。
【0291】
第11の態様は、第10の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の第1開閉位置決め部が前記一対の第2開閉位置決め部よりも小さく開いてもよい。
【0292】
これにより、長方形状のイメージングプレートを、短辺方向を第1方向に沿わせると共に、長辺方向を第2方向に沿わせるように、ステージ上にセットすることができる。第2方向に対するイメージングプレートの長辺方向の傾きを矯正して、イメージングプレートの長辺側の縁部分が一対の第1開閉位置決め部によって位置決めされるようにすることができる。
【0293】
第12の態様は、第1から第11のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め機構は、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有してもよい。
【0294】
第12の態様によると、イメージングプレートの縁部分が位置決め面に接することによって、イメージングプレートが正規姿勢に保たれるようになる。また、位置決め面によってイメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられる。これにより、イメージングプレートが正規姿勢でかつ支持面に接触された状態で保持され得る。
【0295】
第13の態様は、第12の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め面は、少なくとも前記支持面から前記イメージングプレートの厚み寸法分突出するように設けられ、前記支持面から離れるにつれて前記支持面に覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含んでもよい。
【0296】
これにより、イメージングプレートの縁部分がガイド位置決め面に押付けられることによって、イメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられる。
【0297】
第14の態様は、第13の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記傾き矯正面は、前記ガイド位置決め面よりも前記支持面に対して直角に近い角度であってもよい。
【0298】
これにより、イメージングプレートの縁部分が傾き矯正面に沿って円滑に移動して、傾きの矯正がなされる。
【0299】
第15の態様は、第1から第14のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ステージを、前記ステージに対して前記イメージングプレートがセットされるセット位置と前記励起光源からの励起光に応じて前記光検出器が前記放射線像を読取る読取位置との間で移動させるステージ移動機構と、前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記セット位置から前記読取位置に移動するのにあわせて前記一対の開閉位置決め部を閉動作させる位置決め部動作機構と、をさらに備える。
【0300】
これにより、セット位置において、一対の開閉位置決め部を開いてイメージングプレートを容易にセットできる。イメージングプレートのセット後、ステージを読取位置に移動させることで、イメージングプレートが正規姿勢で位置決め保持されるので、ステージの移動中にもイメージングプレートが安定して保持され得る。
【0301】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0302】
10 イメージングプレート
10b 裏面
20 読取装置
50 ステージ移動機構
60 ステージ
61 ステージ本体
64F 支持面
70 位置決め機構
72A、72B 第1開閉位置決め部
72AF1、72BF2 傾き矯正面
72AF2、72BF2 接触縁部
72AF2f、72BF2f ガイド位置決め面(位置決め面)
72AF3、72BF3 接触回避面
72AFc、72BFc 曲面
72C、72D 第2開閉位置決め部
72CF、72DF 位置決め面
92 励起光源
94 光検出器
F1 第1方向
F2 第2方向
P1 セット位置
P2 読取位置
P3 排出位置
図1
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