(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168536
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20241128BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241128BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G03G15/16 103
G03G15/00 303
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085294
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 友之
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H200FA04
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GB22
2H200HA02
2H200JA02
2H200JA29
2H200JB13
2H200JC03
2H200PA03
2H200PA10
2H200PA11
2H270MA26
2H270MC40
2H270MD02
2H270MD10
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】連続記録媒体に対する画像形成動作における色ずれ、画像不良、及び紙シワの発生をより抑制する。
【解決手段】トナー像が一次転写される中間転写部材(中間転写ベルトB)及びトナー像を連続記録媒体に二次転写する転写バイアスが印加される二次転写部材(転写ローラーT)を備える画像形成部22と、画像形成部22より下流側に配置され、連続記録媒体を搬送する搬送部材(定着部23)と、中間転写部材の速度及び搬送部材により搬送される連続記録媒体の速度を制御する第1制御部(制御部25)と、二次転写部材に転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部(制御部25)と、を備え、第1制御部は、中間転写部材の速度よりも搬送部材に搬送される連続記録媒体の速度が速くなるように制御し、第2制御部は、二次転写部材が中間転写部材に押圧された後であって、且つ一次転写が開始される前に二次転写部材に転写バイアスの印加を開始する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が一次転写される中間転写部材と、
前記中間転写部材上の前記トナー像を連続記録媒体に二次転写する転写バイアスが印加される二次転写部材と、を備える画像形成部と、
前記連続記録媒体の搬送方向において前記画像形成部より下流側に配置され、前記連続記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記中間転写部材の速度、及び前記搬送部材により搬送される前記連続記録媒体の速度を制御する第1制御部と、
前記二次転写部材に前記転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、前記中間転写部材の速度よりも前記搬送部材に搬送される前記連続記録媒体の速度が速くなるように制御し、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記一次転写が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部は、トナーを担持する像担持体を備え、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記画像形成部による前記像担持体への露光が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2制御部は、前記連続記録媒体の搬送を開始した後であって、且つ印刷開始前に、所定距離だけ前記連続記録媒体を搬送している間に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された直後に前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2制御部は、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始するタイミングにおいて、前記転写バイアスとして第一電圧より小さい第二電圧を印可し、前記一次転写が開始されるタイミングにおいて、前記転写バイアスとして前記第一電圧を印可する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1制御部は、前記第2制御部により前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始するタイミングにおいて、前記中間転写部材の速度を基準速度より遅くする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2制御部は、前記連続記録媒体の紙種に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2制御部は、前記画像形成装置内の環境状態に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2制御部は、ジョブ画像のカバレッジに応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
トナー像が一次転写される中間転写部材と、
前記中間転写部材上の前記トナー像を連続記録媒体に二次転写する転写バイアスが印加される二次転写部材と、を備える画像形成部と、
前記連続記録媒体の搬送方向において前記画像形成部より下流側に配置され、前記連続記録媒体を搬送する搬送部材と、
を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記中間転写部材の速度、及び前記搬送部材により搬送される前記連続記録媒体の速度を制御する第1制御部、
前記二次転写部材に前記転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部、
として機能させ、
前記第1制御部は、前記中間転写部材の速度よりも前記搬送部材に搬送される前記連続記録媒体の速度が速くなるように制御し、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記一次転写が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続紙に対して画像を形成する際に発生する色ずれ、画像不良、紙シワ等を抑制するための制御を行う画像形成装置が知られている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、次の画像形成装置が記載されている。具体的には、連続紙の搬送開始後に、連続紙の蛇行が安定してから画像形成を開始する制御の実施が可能な装置である。すなわち、連続紙の搬送開始後に、連続紙の蛇行が安定するまでの助走距離を変更可能な装置である。
【0004】
特許文献2には、次の画像形成装置が記載されている。具体的には、中間転写ベルトの速度と、定着ローラーに搬送される用紙の搬送速度との速度差に基づいて、定着ローラーの回転数を制御することで色ずれを抑制する装置である。当該装置は、転写速度よりも定着速度が速くなるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-198971号公報
【特許文献2】特開2016-109699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置は、用紙にトナー像を二次転写する際に、転写ローラーにバイアス電圧を印可する。転写ローラーにバイアス電圧を印加する前と後において、用紙と中間転写ベルトとの吸着力が変化する。
従来技術のように転写速度よりも定着速度を速くすることで用紙の蛇行を抑制する場合を説明する。この場合、上記のように用紙と中間転写ベルトとの吸着力が変化すると、中間転写ベルトにかかる負荷が変化する。中間転写ベルトにかかる負荷が変化すると、中間転写ベルトの速度が変化し、色ずれが発生する場合がある。
さらに、中間転写ベルトの速度が変化すると、転写部と定着部との間において用紙にかかるテンションが不安定になることで用紙の搬送が不安定になる。これにより、用紙が定着部に進入する際に紙シワが発生する場合がある。また、用紙の搬送が不安定になると、搬送される用紙が波打ち、トナー像が定着される前に、用紙が定着部のベルトに接触することにより画像不良が発生する場合もある。
以上のように、従来技術では、上記色ずれ、画像不良、紙シワ等が発生する問題を十分に抑制しきれない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、連続記録媒体に対する画像形成動作における色ずれ、画像不良、及び紙シワの発生をより抑制できる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像形成装置は、
トナー像が一次転写される中間転写部材と、
前記中間転写部材上の前記トナー像を連続記録媒体に二次転写する転写バイアスが印加される二次転写部材と、を備える画像形成部と、
前記連続記録媒体の搬送方向において前記画像形成部より下流側に配置され、前記連続記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記中間転写部材の速度、及び前記搬送部材により搬送される前記連続記録媒体の速度を制御する第1制御部と、
前記二次転写部材に前記転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、前記中間転写部材の速度よりも前記搬送部材に搬送される前記連続記録媒体の速度が速くなるように制御し、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記一次転写が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部は、トナーを担持する像担持体を備え、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記画像形成部による前記像担持体への露光が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、前記連続記録媒体の搬送を開始した後であって、且つ印刷開始前に、所定距離だけ前記連続記録媒体を搬送している間に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された直後に前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始するタイミングにおいて、前記転写バイアスとして第一電圧より小さい第二電圧を印可し、前記一次転写が開始されるタイミングにおいて、前記転写バイアスとして前記第一電圧を印可する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1制御部は、前記第2制御部により前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始するタイミングにおいて、前記中間転写部材の速度を基準速度より遅くする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、前記連続記録媒体の紙種に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、前記画像形成装置内の環境状態に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2制御部は、ジョブ画像のカバレッジに応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【0017】
請求項10に記載のプログラムは、
トナー像が一次転写される中間転写部材と、
前記中間転写部材上の前記トナー像を連続記録媒体に二次転写する転写バイアスが印加される二次転写部材と、を備える画像形成部と、
前記連続記録媒体の搬送方向において前記画像形成部より下流側に配置され、前記連続記録媒体を搬送する搬送部材と、
を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記中間転写部材の速度、及び前記搬送部材により搬送される前記連続記録媒体の速度を制御する第1制御部、
前記二次転写部材に前記転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部、
として機能させ、
前記第1制御部は、前記中間転写部材の速度よりも前記搬送部材に搬送される前記連続記録媒体の速度が速くなるように制御し、
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記一次転写が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、連続記録媒体に対する画像形成動作における色ずれ、画像不良、及び紙シワの発生をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明における画像形成システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明における画像形成システムの制御構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】蛇行安定距離の設定画面の一例を示す図である。
【
図4】画像の形成を開始する際のタイミングチャートである。
【
図5】二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0021】
本実施形態における画像形成システムの構成について説明する。
【0022】
(1.画像形成システムの構成)
図1は、画像形成システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、画像形成システム1の制御構成を示す機能ブロック図である。
【0023】
画像形成システム1は、ロール紙等の連続紙や連続したフィルム等である記録媒体PM(連続記録媒体)を使用し、この記録媒体PM上に画像を形成するシステムである。
図1に示すように、画像形成システム1は、記録媒体PMの搬送方向に沿って上流側から、給紙装置10、画像形成装置20、及び巻取装置30を備える。
【0024】
(1-1.給紙装置の構成)
給紙装置10は、記録媒体PMを画像形成装置20に給紙する。
給紙装置10は、給紙部11と、給紙調整部12を備える。
【0025】
給紙部11は、給紙部11の筐体内において、例えば、
図1に示すように、ロール状の記録媒体PMを支持軸111に巻回して回転可能に保持する。給紙部11は、支持軸111に巻回した記録媒体PMを、複数のローラーを経由して、一定の速度で給紙調整部12に搬送する。当該複数のローラーは、例えば、繰り出しローラー、給紙ローラーである。
図1には、一の記録媒体PMしか示していないが、給紙部11は、複数の連続した記録媒体を保持していてもよい。
【0026】
給紙調整部12は、記録媒体PMの搬送方向において、給紙部11の下流側、且つ、画像形成装置20の上流側に位置する。
給紙調整部12は、給紙部11から搬送された記録媒体PMを、画像形成装置20に搬送する。給紙調整部12は、給紙部11での記録媒体PMの搬送速度と、画像形成装置20での記録媒体PMの搬送速度との速度差を吸収する。具体的には、給紙調整部12は、
図1に示すように記録媒体PMをたるませて保持し、画像形成装置20への記録媒体PMの給紙を調整する。
【0027】
(1-2.画像形成装置の構成)
画像形成装置20は、記録媒体PMに画像を形成する。画像形成装置20は、記録媒体PMの搬送方向において、給紙調整部12の下流側、且つ、巻取装置30の上流側に位置する。
【0028】
図2に示すように、画像形成装置20は、搬送部21と、画像形成部22と、搬送部材としての定着部23と、操作表示部24と、制御部25と、記憶部26と、通信部27と、原稿読取部29を備える。
【0029】
搬送部21は、画像形成装置20内部における記録媒体PMの搬送機構である。搬送部21は、例えば、複数のローラーによって、給紙調整部12から搬送された記録媒体PMを、画像形成部22、定着部23に順に搬送させ、排紙する。
【0030】
搬送部21は、
図1に示すように、画像形成部22の上流側に位置するレジスト部21aを備える。
レジスト部21aは、レジストローラーを備え、転写部に記録媒体PMを搬送する。当該転写部は、後述する中間転写ベルトB及び転写ローラーTにより形成されるニップ部である。
レジスト部21aは、給紙装置10から搬送された記録媒体PMの傾きを補正するとともに、記録媒体PMの搬送タイミングを調整する。
【0031】
画像形成部22は、電子写真方式によってトナー像を形成し、記録媒体PMに転写する。
画像形成部22は、
図1に示すように、像担持体としての感光体ドラム(Y、M、C、K)、中間転写部材としての中間転写ベルトB、及び二次転写部材としての転写ローラーT等を備える。
中間転写ベルトBは、無端ベルトである。画像形成部22は、中間転写ベルトBを複数のローラーにより巻回し、走行可能に支持する。
転写ローラーTは、中間転写ベルトBに押圧されて従回転する。
【0032】
画像形成部22は、感光体ドラム(Y、M、C、K)を一様に帯電する。その後、画像形成部22は、各色の画像データに基づいてレーザービームにより感光体ドラムを走査露光し、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。次に、画像形成部22は、感光体ドラム上の静電潜像に各色のトナーを付着させて各色のトナー像を形成し、中間転写ベルトB上に逐次転写する(一次転写)。これにより、画像形成部22は、各色(Y、M、C、K)の層が重畳したトナー像(カラー画像)を中間転写ベルトB上に形成する。次に、画像形成部22は、トナーと逆極性のバイアス(転写バイアス)を転写ローラーTに印加する。これにより、画像形成部22は、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像を記録媒体PM上に転写する(二次転写)。
【0033】
定着部23は、記録媒体PM上に二次転写されたトナー像を定着させる。
定着部23は、
図1に示すように、記録媒体PMを挟持するための、加熱ローラー231及び加圧ローラー232からなる一対のローラーを備える。
定着部23は、加熱源としてのヒーターにより加熱ローラー231を所定の温度に加熱する。
定着部23は、図示しない弾性部材により加圧ローラー232を加熱ローラー231に向かって付勢する。
定着部23は、トナー像が転写された記録媒体PMを、加熱ローラー231と加圧ローラー232とのニップ部に通すことにより熱と圧力を加え、トナー像を溶融定着させる。
【0034】
操作表示部24は、表示部24aと、操作部24bとを備える。
表示部24aは、表示画面を備え、画面上に各種情報の表示を行う。
操作部24bは、ユーザーによる各種指示の入力に使用される。
【0035】
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備える。制御部25のCPUは、記憶部26に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開する。制御部25のCPUは、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0036】
制御部25は、例えば、外部装置から送信されたジョブや画像データを受信するように通信部27を制御する。制御部25は、当該受信したジョブや画像データに基づいて記録媒体PMに画像を形成するように、画像形成部22を制御する。
【0037】
記憶部26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等を備える。
記憶部26は、制御部25が実行するシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータを記憶している。
【0038】
通信部27は、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードを備える。通信部27は、LAN、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置との間で各種データの送受信を行う。
【0039】
原稿読取部29は、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り部)と、CCD(Charge Coupled Device)等の画像読取部とを備える。
原稿読取部29は、操作部24bにより受け付けられた設定情報に基づいて原稿の画像を読み取り、読み取った画像の画像データを生成する。具体的には、原稿読取部29は、ADFの原稿トレイに載置された原稿を読取個所であるコンタクトガラスに搬送する。または、ユーザーが原稿をプラテンガラスに載置する。次に、原稿読取部29は、画像読取部により原稿の片面または両面の画像を読み取り、その画像データを生成する。
【0040】
本実施形態において、制御部25は、
図2に示すように、画像形成システム1全体を統括的に制御しているが、これに限らない。給紙装置10、巻取装置30の各装置がそれぞれ制御部を備えてもよい。
【0041】
画像形成装置20は、画像形成機能に加え、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を有するMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0042】
(1-3.巻取装置の構成)
巻取装置30は、記録媒体PMの搬送方向において、画像形成装置20の下流側に位置する。
巻取装置30は、巻取調整部31と、後処理部32と、巻取部33とを備える。
【0043】
巻取調整部31は、記録媒体PMの搬送方向において、画像形成装置20の下流側、且つ、後処理部32の上流側に位置する。
巻取調整部31は、画像形成装置20から搬送された記録媒体PMを、後処理部32に搬送する。巻取調整部31は、画像形成装置20での記録媒体PMの搬送速度と、後処理部32での記録媒体PMの搬送速度との速度差を吸収する。具体的には、巻取調整部31は、
図1に示すように記録媒体PMをたるませて保持し、画像形成装置20からの記録媒体PMの排紙を調整する。
【0044】
後処理部32は、記録媒体PMの搬送方向において、巻取調整部31の下流側、且つ、巻取部33の上流側に位置する。
後処理部32は、巻取調整部31から搬送された記録媒体PMに後処理を施す。当該後処理は、例えば、断裁、折り目加工、ミシン目加工、筋付けクリース、箔押し、ニス加工、各種製本、カール矯正処理等である。
【0045】
巻取部33は、巻取部33の筐体内において、例えば、
図1に示すとおり、記録媒体PMを支持軸331に巻回してロール状に保持する。巻取部33は、後処理部32から搬送されてきた記録媒体PMを、複数のローラーを経由して、一定の速度で支持軸331に巻き取る。当該複数のローラーは、例えば、繰り出しローラー、排紙ローラーである。
【0046】
(2.画像形成システムの動作)
次に、本実施形態における画像形成システム1の動作について説明する。
【0047】
(2-1.記録媒体へのテンションの付与動作)
電子写真方式により画像を形成する画像形成装置20は、連続記録媒体である記録媒体PMを搬送する際に次の制御を行う。具体的には、記録媒体PMの片寄りや蛇行を抑制してジャムが発生しない安定した搬送を行うために、記録媒体PMにテンションを付与する制御である。
制御部25は、記録媒体PMの搬送方向下流側に設けられたユニットほど速度が速くなるように制御することで、記録媒体PMにテンションを付与する。具体的には、制御部25は、定着部23による記録媒体PMの搬送速度、中間転写ベルトBの速度、レジスト部21aによる記録媒体PMの速度の順に、速くなるように制御する。
【0048】
つまり、制御部25は、中間転写ベルトB(中間転写部材)の速度、及び定着部23(搬送部材)により搬送される記録媒体PM(連続記録媒体)の速度を制御する。制御部25は、第1制御部として機能する。
第1制御部としての制御部25は、中間転写ベルトB(中間転写部材)の速度よりも定着部23(搬送部材)に搬送される記録媒体PM(連続記録媒体)の速度が速くなるように制御する。
【0049】
(2-2.蛇行安定距離の設定動作)
画像形成システム1において、記録媒体PMの搬送開始直後は、記録媒体PMの搬送が安定せず、記録媒体PMが蛇行している可能性がある。記録媒体PMが蛇行している状態で画像を形成すると、画像の品質が低下する。記録媒体PMが蛇行している状態で後処理部32により断裁処理を行うと、断裁位置が本来の位置からずれる。
そのため、記録媒体PMを印刷ジョブの対象用紙として用いる場合、制御部25は、記録媒体PMの蛇行を所定の許容範囲内に収めるために、画像を形成する前に所定距離の搬送だけを実施する。当該所定距離は、蛇行安定距離である。その後、制御部25は、記録媒体PMの蛇行が所定の許容範囲内に収まって、記録媒体PMの搬送が安定してから画像の形成を開始する。
【0050】
制御部25は、印刷ジョブを実行する前に、ユーザーによる操作部24bを介した蛇行安定距離の設定操作を受け付ける。
具体的には、制御部25は、表示部24aに、
図3に示す蛇行安定距離の設定画面24aaを表示する。
制御部25は、設定画面24aaに、距離設定ボタン24abを表示する。
距離設定ボタン24abは、「4m」ボタン24ac、「6m」ボタン24ad、及び「8m」ボタン24aeを有する。ユーザーは、「4m」ボタン24ac、「6m」ボタン24ad、及び「8m」ボタン24aeのうちいずれか一つのみを選択することができる。
距離設定ボタン24abは、画像形成システム1において印刷可能となった時点以降に、蛇行を抑制するために記録媒体PMを搬送する距離を設定するものである。制御部25は、当該距離だけ記録媒体PMを搬送した後に、印刷ジョブを実行する。
距離設定ボタン24abにより設定される蛇行安定距離は、
図3に示す例に限らない。
【0051】
(2-3.画像形成開始時の動作)
図4は、画像形成システム1において、画像の形成を開始する際のタイムチャートである。
タイミングt1において、制御部25は、定着部23を制御して、定着部23の駆動を開始させる。
タイミングt2において、制御部25は、定着部23を制御して、加熱ローラー231と加圧ローラー232との圧着(定着圧着)を開始させる。
タイミングt2において、制御部25は、給紙装置10を制御して、記録媒体PMの搬送を開始させる。
【0052】
タイミングt3において、制御部25は、定着部23を制御して、加熱ローラー231と加圧ローラー232との圧着を完了させる。
タイミングt3において、制御部25は、画像形成部22を制御して、転写ローラーTの中間転写ベルトBへの圧着(二次転写圧着)を開始させる。
タイミングt2~t3は、例えば、4.0secである。タイミングt2~t3間における記録媒体PMの搬送距離は、例えば、2400mmである。
【0053】
タイミングt4において、制御部25は、画像形成部22を制御して、転写ローラーTの中間転写ベルトBへの圧着を完了させる。
タイミングt4において、制御部25は、搬送部21を制御して、蛇行安定距離分の記録媒体PMの搬送を開始させる。
タイミングt3~t4は、例えば、1.0secである。タイミングt3~t4間における記録媒体PMの搬送距離は、例えば、600mmである。
【0054】
タイミングt5において、制御部25は、画像形成部22を制御して、転写ローラーTへのバイアス(二次転写バイアス)の印加を開始させる。
【0055】
タイミングt6において、制御部25は、画像形成部22を制御して、感光体ドラム(Y、M、C、K)の中間転写ベルトBへの圧着(一次転写圧着)を開始させる。
タイミングt7において、制御部25は、画像形成部22を制御して、感光体ドラム(Y、M、C、K)の中間転写ベルトBへの圧着(一次転写圧着)を完了させる。
【0056】
タイミングt8において、制御部25は、搬送部21を制御して、蛇行安定距離分の記録媒体PMの搬送を完了させる。
タイミングt8において、制御部25は、画像形成部22を制御して、レーザービームにより感光体ドラムYへの走査露光を開始させる。
タイミングt4~t8間の記録媒体PMの搬送距離は、例えば、4000mmである。
【0057】
タイミングt9において、制御部25は、画像形成部22を制御して、トナー像の感光体ドラムYから中間転写ベルトBへの転写(一次転写)を開始させる。
タイミングt10において、制御部25は、画像形成部22を制御して、トナー像の中間転写ベルトBから記録媒体PMへの転写(二次転写)を開始させる。
タイミングt8~t10間の記録媒体PMの搬送距離は、例えば、1200mmである。
【0058】
以上のように、制御部25は、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)を印可するタイミングを制御する。制御部25は、第2制御部として機能する。
制御部25は、タイミングt4~t9において、転写ローラーTへのバイアス(転写バイアス)の印加を開始させる。つまり、第2制御部としての制御部25は、転写ローラーT(二次転写部材)が中間転写ベルトB(中間転写部材)に押圧された後(二次転写圧着完了後)であって、且つ一次転写が開始される前に、転写ローラーTに二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
制御部25は、タイミングt4~t8において、転写ローラーTへのバイアス(転写バイアス)の印加を開始させる。つまり、第2制御部としての制御部25は、転写ローラーT(二次転写部材)が中間転写ベルトB(中間転写部材)に押圧された後(二次転写圧着完了後)であって、且つ画像形成部22による感光体ドラム(像担持体)への露光が開始される前に、転写ローラーTに二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
【0059】
転写ローラーTに二次転写バイアスを印加すると、中間転写ベルトBの速度が変化し、記録媒体PMに付与するテンションが不安定になる。
しかし、上記のように、一次転写が開始される前または感光体ドラムへの露光が開始される前に転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始することにより次の効果が得られる。
具体的には、画像形成装置20が転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始してから所定時間経過後に、画像形成装置20は一次転写及び二次転写をすることができる。当該所定時間経過後の状態は、中間転写ベルトBの速度が安定している状態である。これにより、連続記録媒体である記録媒体PMに対する画像形成動作における色ずれ及び画像不良を抑制できる。
さらに、画像形成装置20は、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与されるテンションが安定している状態において二次転写をすることができる。これにより、連続記録媒体である記録媒体PMの紙シワ及び波打ちを抑制することで画像不良を抑制できる。
【0060】
制御部25は、タイミングt4~t8において、転写ローラーTへのバイアス(転写バイアス)の印加を開始させる。つまり、第2制御部としての制御部25は、記録媒体PM(連続記録媒体)の搬送を開始した後であって、且つ印刷開始前に、蛇行安定距離(所定距離)だけ記録媒体PM(連続記録媒体)を搬送している間に、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
蛇行安定距離だけ記録媒体PMを搬送している間に搬送された記録媒体PMはヤレ紙になる。中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させる間に搬送された記録媒体PMはヤレ紙になる。
しかし、上記のように、蛇行安定距離だけ記録媒体PMを搬送している間に転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始することにより次の効果が得られる。具体的には、印刷開始前において発生するヤレ紙を少なくできる。
【0061】
タイミングt4~t5は、1.0sec以内とするのが好ましい。
つまり、第2制御部としての制御部25は、転写ローラーT(二次転写部材)が中間転写ベルトB(中間転写部材)に押圧された直後(二次転写圧着完了直後)に転写ローラーTに二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
これにより、画像形成装置20は、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を最も長く確保できる。したがって、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションをより安定させることができる。そのため、画像不良により発生するヤレ紙をより少なくできる。
【0062】
制御部25は、転写ローラーTへのバイアスの印加開始時(タイミングt5)において、転写ローラーTに電圧1000Vのバイアスを印可する。その後、制御部25は、タイミングt9までに、転写ローラーTに印加したバイアスの電圧を2000Vまで徐々に上げる。
転写ローラーTに印可するバイアスの電圧値は、上記例に限らない。当該電圧値は、画像形成装置20内の環境状態に応じた値であってもよい。
つまり、第2制御部としての制御部25は、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始するタイミングにおいて、二次転写バイアスとして第一電圧(例えば、2000V)より小さい第二電圧(例えば、1000V)を印可する。第2制御部としての制御部25は、一次転写が開始されるタイミングにおいて、二次転写バイアスとして第一電圧(例えば、2000V)を印可する。
転写ローラーTに二次転写バイアスの印可を開始するタイミングにおいて、より小さい電圧値の二次転写バイアスを印可することにより、次の効果が得られる。具体的には、中間転写ベルトBにかかる負荷における急激な変化を抑制できる。これにより、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を短くすることができる。
【0063】
制御部25は、転写ローラーTへのバイアスの印加開始時(タイミングt5)において、記録媒体PMに対する転写速度の設定を基準速度の-0.2%にする。当該基準速度は、紙種などによって予め定められた速度であって、画像形成装置20のシステム速度として規定された速度である。当該基準速度は、例えば、600mm/secである。その後、制御部25は、タイミングt9までに、記録媒体PMに対する転写速度の設定を基準速度に徐々に戻す。
つまり、第1制御部としての制御部25は、第2制御部として転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印可を開始するタイミングにおいて、中間転写ベルトB(中間転写部材)の速度を基準速度より遅くする。
転写ローラーTに二次転写バイアスの印可を開始するタイミングにおいて、中間転写ベルトBの速度を基準速度より遅くすることにより、次の効果が得られる。具体的には、中間転写ベルトBの速度における急激な変化を抑制できる。これにより、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を短くすることができる。
【0064】
記録媒体PMにトナー像を二次転写する際の中間転写ベルトBにかかる負荷は、次の条件に応じて変化する。具体的には、当該条件は、記録媒体PMの紙種、画像形成装置20内の環境状態、印刷ジョブのジョブ画像のカバレッジ等である。
そのため、制御部25は、タイミングt4後に、転写ローラーTに二次転写バイアスを印可するタイミング(タイミングt5)を上記条件に応じて変更する。具体的には、制御部25は、記録媒体PMの紙種、画像形成装置20内の環境状態、または印刷ジョブのジョブ画像のカバレッジに応じてタイミングt5を変更する。
【0065】
図5に、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングの例を示す。
図5に示すように、記録媒体PMの剛度が所定値より高い場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより早くする。
記録媒体PMの剛度が所定値以下の場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより遅くする。
記録媒体PMの摩擦係数が所定値より高い場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより早くする。
記録媒体PMの摩擦係数が所定値以下の場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより遅くする。
記録媒体PMの抵抗値が所定値より高い場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより早くする。
記録媒体PMの抵抗値が所定値以下の場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより遅くする。
つまり、第2制御部としての制御部25は、記録媒体PM(連続記録媒体)の紙種に応じたタイミングにおいて、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
【0066】
図5に示すように、画像形成装置20内の環境状態が低温低湿である場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより早くする。
画像形成装置20内の環境状態が高温多湿である場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより遅くする。
つまり、第2制御部としての制御部25は、画像形成装置20内の環境状態に応じたタイミングにおいて、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
【0067】
図5に示すように、ジョブ画像のカバレッジが所定値より低い場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより早くする。
ジョブ画像のカバレッジが所定値以上の場合、制御部25は、二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを所定の基準タイミングより遅くする。
つまり、第2制御部としての制御部25は、ジョブ画像のカバレッジに応じたタイミングにおいて、転写ローラーT(二次転写部材)に二次転写バイアス(転写バイアス)の印加を開始する。
【0068】
以上のように、本実施形態の画像形成装置20は、トナー像が一次転写される中間転写部材(中間転写ベルトB)と、前記中間転写部材上の前記トナー像を連続記録媒体(記録媒体PM)に二次転写する転写バイアス(二次転写バイアス)が印加される二次転写部材(転写ローラーT)と、を備える画像形成部22を備える。
本実施形態の画像形成装置20は、前記連続記録媒体の搬送方向において前記画像形成部22より下流側に配置され、前記連続記録媒体を搬送する搬送部材(定着部23)を備える。
本実施形態の画像形成装置20は、前記中間転写部材の速度、及び前記搬送部材により搬送される前記連続記録媒体の速度を制御する第1制御部(制御部25)を備える。
本実施形態の画像形成装置20は、前記二次転写部材に前記転写バイアスを印可するタイミングを制御する第2制御部(制御部25)を備える。
前記第1制御部は、前記中間転写部材の速度よりも前記搬送部材に搬送される前記連続記録媒体の速度が速くなるように制御する。
前記第2制御部は、前記二次転写部材が前記中間転写部材に押圧された後であって、且つ前記一次転写が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアスの印加を開始する。
本実施形態の画像形成装置20において、前記画像形成部22は、トナーを担持する像担持体(感光体ドラム)を備える。
前記第2制御部(制御部25)は、前記二次転写部材(定着部23)が前記中間転写部材(中間転写ベルトB)に押圧された後であって、且つ前記画像形成部22による前記像担持体への露光が開始される前に、前記二次転写部材に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
これにより、画像形成装置20が転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始してから所定時間経過後において、画像形成装置20は一次転写及び二次転写をすることができる。二次転写バイアスの印可を開始するタイミングを従来よりも早めることで当該所定時間経過後の状態は、中間転写ベルトBの速度が従来に比べてより安定している状態である。これにより、連続記録媒体である記録媒体PMに対する画像形成動作における色ずれ及び画像不良をより抑制できる。
さらに、画像形成装置20は、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションが従来よりも安定している状態において二次転写をすることができる。これにより、連続記録媒体である記録媒体PMの紙シワ及び波打ちを抑制することで画像不良をより抑制できる。
【0069】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、前記連続記録媒体(記録媒体PM)の搬送を開始した後であって、且つ印刷開始前に、所定距離(蛇行安定距離)だけ前記連続記録媒体を搬送している間に、前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
したがって、印刷開始前において発生するヤレ紙を少なくできる。
【0070】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、前記二次転写部材(転写ローラーT)が前記中間転写部材(中間転写ベルトB)に押圧された直後に前記二次転写部材に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
これにより、画像形成装置20は、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を最も長く確保できる。したがって、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを更に安定させることができる。そのため、画像不良により発生するヤレ紙をより少なくできる。
【0071】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始するタイミングにおいて、前記転写バイアスとして第一電圧より小さい第二電圧を印可する。前記第2制御部は、前記一次転写が開始されるタイミングにおいて、前記転写バイアスとして前記第一電圧を印可する。
したがって、中間転写ベルトBにかかる負荷における急激な変化を抑制できる。これにより、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を短くすることができる。
【0072】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第1制御部(制御部25)は、前記第2制御部(制御部25)により前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始するタイミングにおいて、前記中間転写部材(中間転写ベルトB)の速度を基準速度より遅くする。
したがって、中間転写ベルトBの速度における急激な変化を抑制できる。これにより、中間転写ベルトBの速度、記録媒体PMの搬送速度及び記録媒体PMに付与するテンションを安定させるための時間を短くすることができる。
【0073】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、前記連続記録媒体(記録媒体PM)の紙種に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
したがって、記録媒体PMの紙種に応じた最適なタイミングにおいて、転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始できる。
【0074】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、前記画像形成装置20内の環境状態に応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
したがって、画像形成装置20内の環境状態に応じた最適なタイミングにおいて、転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始できる。
【0075】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2制御部(制御部25)は、ジョブ画像のカバレッジに応じたタイミングにおいて、前記二次転写部材(転写ローラーT)に前記転写バイアス(二次転写バイアス)の印加を開始する。
したがって、ジョブ画像のカバレッジに応じた最適なタイミングにおいて、転写ローラーTに二次転写バイアスの印加を開始できる。
【0076】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態において、制御部25が、第1制御部及び第2制御部として機能するとしたがこれに限らない。画像形成システム1が備える画像形成装置20以外の装置のいずれかが制御部を有する場合、当該制御部が第1制御部及び第2制御部として機能してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成システム
10 給紙装置
11 給紙部
111 支持軸
12 給紙調整部
20 画像形成装置
21 搬送部
21a レジスト部
22 画像形成部
23 定着部(搬送部材)
231 加熱ローラー
232 加圧ローラー
24 操作表示部
24a 表示部
24b 操作部
25 制御部(第1制御部、第2制御部)
26 記憶部
27 通信部
29 原稿読取部
30 巻取装置
31 巻取調整部
32 後処理部
33 巻取部
331 支持軸
B 中間転写ベルト(中間転写部材)
PM 記録媒体
T 転写ローラー(二次転写部材)