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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168566
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】着脱治具
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
F16K27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085361
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 兆宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好保
(72)【発明者】
【氏名】兼本 快
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051BB02
3H051BB03
3H051CC14
3H051CC15
3H051CC17
3H051FF01
(57)【要約】
【課題】作業性が悪い場所でも流体供給ユニットに対するバルブの着脱を容易に行うことができる着脱治具を提供する。
【解決手段】着脱治具1は、並列に設けられた一対のアーム2と、一対のアーム2の一端部を接続する接続部3と、一対のアーム2をアーム2の延在方向に沿ってそれぞれ貫通する一対の貫通孔4と、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、流路ブロック110に対して着脱治具1を位置決めする位置決め機構5と、を備え、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、一対の貫通孔4と一対のボルト孔111aとは、それぞれ同軸に形成され、アクチュエータ120は、一対のアーム2及び接続部3により囲まれた収容領域Sに収容されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路及び一対のボルト孔が形成された流路ブロックと、高さ方向に沿って延在するように前記流路ブロックに設けられたアクチュエータと、を備えるバルブを流体供給ユニットに対し着脱するための着脱治具であって、
並列に設けられた一対のアームと、
一対の前記アームを接続する接続部と、
一対の前記アームを前記アームの延在方向に沿ってそれぞれ貫通する一対の貫通孔と、
一対の前記アームに設けられ、前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、前記流路ブロックに対して前記着脱治具を位置決めする位置決め機構と、を備え、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、平面視にて一対の前記ボルト孔は、それぞれ一対の前記貫通孔の領域内に位置し、前記アクチュエータは、一対の前記アーム及び前記接続部により囲まれた収容領域に収容され、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、前記ボルト孔に挿通されたボルトを前記貫通孔に挿通されたレンチにより前記流体供給ユニットにねじ込むことで、前記バルブを前記流体供給ユニットに装着する、
着脱治具。
【請求項2】
前記位置決め機構は、
平面視において長手方向に沿って延在する前記流路ブロックの一対の第1側壁を挟持可能に前記アームの一端部から突出する一対の第1挟持部と、
平面視において幅方向に沿って延在する前記流路ブロックの一対の第2側壁を挟持可能にそれぞれ一対の前記アームの一端部から突出する一対の第2挟持部と、を有し、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、一対の前記第1挟持部及び一対の前記第2挟持部は、それぞれ一対の前記第1側壁及び一対の前記第2側壁を挟持している、
請求項1に記載の着脱治具。
【請求項3】
前記位置決め機構は、それぞれ一対の前記アームの他端に形成された一対の当接部を有し、
前記流路ブロックは、一対の前記ボルト孔が形成されるとともに長手方向において前記アクチュエータを中心として対称的に形成された一対の下段面と、前記長手方向において前記アクチュエータを中心として対称的に形成された一対の上段面と、を有し、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、一対の前記当接部は、それぞれ一対の前記上段面に当接している、
請求項1に記載の着脱治具。
【請求項4】
前記流路ブロックは、前記アクチュエータが取り付けられるように一対の前記上段面の間に設けられた取付台をさらに有し、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、一対の前記アームは、前記取付台とは離間している、
請求項3に記載の着脱治具。
【請求項5】
一対の前記アーム及び前記接続部とは別体形成されるとともに正面視において前記収容領域と重ならず一対の前記アーム及び前記接続部と重なるように一対の前記アーム及び前記接続部の正面又は背面に設けられた補強部をさらに備える、
請求項1に記載の着脱治具。
【請求項6】
一対の前記アームと一体形成された補強部をさらに備え、
前記収容領域は、一対の前記アーム、前記接続部及び前記補強部により囲まれている、
請求項1に記載の着脱治具。
【請求項7】
一対の前記アームは、アーム本体と、一対の前記アーム本体の間である内側とは反対側である外側に突出するように前記アーム本体の一端部に設けられた第1突出部と、を有し、
一対の前記貫通孔は、一対の前記第1突出部を貫通する一対の第1貫通孔から構成されている、
請求項1に記載の着脱治具。
【請求項8】
一対の前記アームは、一対の前記アーム本体の間である内側とは反対側である外側に突出するとともに前記第1突出部から離間するように前記アーム本体の他端部に設けられた第2突出部をさらに有し、
一対の前記第2突出部には、それぞれ一対の第2貫通孔が形成され、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、前記レンチが同時に挿通可能に形成されている、
請求項7に記載の着脱治具。
【請求項9】
前記流路ブロックは、前記アクチュエータが取り付けられるように一対の前記上段面の間に設けられた取付台をさらに有し、
一対の前記アームは、アーム本体と、一対の前記アーム本体の間である内側に突出するように前記アーム本体の一端部に設けられた第3突出部と、を有し、
前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、一対の前記第3突出部は、前記取付台を挟持している、
請求項3に記載の着脱治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バルブがボルト締めにより流体供給ユニットに装着され、バルブがボルト緩めにより流体供給ユニットから取り外されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-85470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、作業性が悪い場所ではボルト締め又はボルト緩めを行うことは困難であるため、流体供給ユニットに対するバルブの着脱は困難である。
【0005】
本発明は、この問題点に着目してなされたものであり、作業性が悪い場所でも流体供給ユニットに対するバルブの着脱を容易に行うことができる着脱治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、流路及び一対のボルト孔が形成された流路ブロックと、高さ方向に沿って延在するように前記流路ブロックに設けられたアクチュエータと、を備えるバルブを流体供給ユニットに対し着脱するための着脱治具であって、並列に設けられた一対のアームと、一対の前記アームを接続する接続部と、一対の前記アームを前記アームの延在方向に沿ってそれぞれ貫通する一対の貫通孔と、一対の前記アームに設けられ、前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、前記流路ブロックに対して前記着脱治具を位置決めする位置決め機構と、を備え、前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、平面視にて一対の前記ボルト孔は、それぞれ一対の前記貫通孔の領域内に位置し、前記アクチュエータは、一対の前記アーム及び前記接続部により囲まれた収容領域に収容され、前記着脱治具が前記流路ブロックに装着された状態において、前記ボルト孔に挿通されたボルトを前記貫通孔に挿通されたレンチにより前記流体供給ユニットにねじ込むことで、前記バルブを前記流体供給ユニットに装着する着脱治具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、作業性が悪い場所でも流体供給ユニットに対するバルブの着脱を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るバルブを示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る着脱治具を示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る着脱治具を示す背面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る着脱治具を示す底面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る着脱治具がバルブに装着された状態を示す斜視図である。
図6図6は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具を示す斜視図である。
図7図7は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具を示す底面図である。
図8図8は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具がバルブに装着された状態を示す斜視図である。
図9図9は、第2実施形態に係るバルブを示す斜視図である。
図10図10は、第2実施形態に係る着脱治具を示す斜視図である。
図11図11は、第2実施形態に係る着脱治具がバルブに装着された状態を示す斜視図である。
図12図12は、第2実施形態の変形例に係る着脱治具を示す斜視図である。
図13図13は、第2実施形態の変形例に係る着脱治具がバルブに装着された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0010】
(第1実施形態)
[バルブの構成]
図1を参照しながら第1実施形態に係るバルブ100の構成について説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るバルブ100を示す斜視図である。図1において、バルブ100の長手方向、幅方向及び高さ方向をそれぞれX軸に沿う方向、Y軸に沿う方向及びZ軸に沿う方向とする。以下、説明の便宜上、バルブ100の長手方向、幅方向及び高さ方向を単に長手方向、幅方向及び高さ方向とも称する。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態に係るバルブ100は、流体機器としての二方弁であり、ボルト締めにより図示しない流体供給ユニットのベースブロックに装着され、ボルト緩めにより流体供給ユニットのベースブロックから取り外されるものである。流体供給ユニットは、図示しない半導体製造装置(CVD装置、スパッタリング装置、エッチング装置等/図示しない)におけるプロセスガス又はパージガスの供給に用いられる。
【0013】
図1に示すように、バルブ100は、流路としての流入流路及び流出流路(図示しない)が形成された流路ブロック110と、高さ方向に沿って延在するように流路ブロック110の中央に設けられた単一のアクチュエータ120と、を備える。
【0014】
流路ブロック110は、一対のボルト孔111aが形成されるとともに長手方向においてアクチュエータ120を中心として対称的に形成された一対の下段面111と、長手方向においてアクチュエータ120を中心として対称的に形成された一対の上段面112と、アクチュエータ120が取り付けられるように一対の上段面112の間に設けられた取付台113と、を有する。
【0015】
一対の下段面111及び一対の上段面112は、それぞれ、高さ方向に沿って延在する一対の段差114を介して接続されている。一対のボルト孔111aは、高さ方向に沿って延在するように流路ブロック110を貫通している。
【0016】
また、流路ブロック110は、長手方向に沿って延在する一対の第1側壁115と、幅方向に沿って延在する一対の第2側壁116と、をさらに有する。
【0017】
第1実施形態では、アクチュエータ120は、筒状(具体的には、円筒状)のエア供給式のアクチュエータから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、圧電式のアクチュエータから構成されてもよい。
【0018】
[着脱治具の構成]
図1から図5を参照しながら第1実施形態に係る着脱治具1の構成について詳細に説明する。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る着脱治具1を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る着脱治具1を示す背面図である。図4は、第1実施形態に係る着脱治具1を示す底面図である。図5は、第1実施形態に係る着脱治具1がバルブ100に装着された状態を示す斜視図である。
【0020】
図2から図5に示すように、第1実施形態に係る着脱治具1は、流体供給ユニットのベースブロックに対しバルブ100を着脱するための補助治具である。着脱治具1は、一対のアーム2、接続部3、一対の貫通孔4、位置決め機構5及び補強部としての補強板6を備える。なお、位置決め機構5は、一対のアーム2及び接続部3とは一体形成されている。補強板6は、一対のアーム2及び接続部3とは別体形成されている。
【0021】
一対のアーム2は、並列に設けられている。第1実施形態では、一対のアーム2は、中空に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、中実に構成されてもよい。
【0022】
接続部3は、一対のアーム2(具体的には、アーム2の他端部)を接続している。第1実施形態では、接続部3は、中空に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、中実に構成されてもよい。
【0023】
図5に示すように、一対のアーム2及び接続部3により囲まれた領域は、アクチュエータ120を収容可能な収容領域Sである。
【0024】
図2及び図4に示すように、一対の貫通孔4は、一対のアーム2をアーム2の延在方向に沿ってそれぞれ貫通している。
【0025】
図2及び図4に示すように、位置決め機構5は、一対のアーム2に設けられ、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、流路ブロック110に対して着脱治具1を位置決めする機構である。また、位置決め機構5は、二対の第1挟持部としての第1挟持片51、一対の第2挟持部としての第2挟持片52及び一対の当接部としての当接面53を有する。
【0026】
各対の第1挟持片51は、アーム2の延在方向に沿って延在するように各アーム2の一端部から突出している。各対の第1挟持片51は、一対の第1側壁115を挟持可能に設けられている。なお、各対の第1挟持片51は、両者の間の間隔が一対の第1側壁115の間の間隔よりも小さく形成されてもよい。この場合に、各対の第1挟持片51は、一対の第1側壁115を弾性力により挟持することができる。
【0027】
一対の第2挟持片52は、アーム2の延在方向に沿って延在するようにそれぞれ一対のアーム2の一端部から突出している。一対の第2挟持片52は、一対の第2側壁116を挟持可能に設けられている。なお、一対の第2挟持片52は、両者の間の間隔が一対の第2側壁116の間の間隔よりも小さく形成されてもよい。この場合に、各対の第2挟持片52は、一対の第2側壁116を弾性力により挟持することができる。各対の第1挟持片51は、各第2挟持片52の両側と接続されている。
【0028】
このように、第1挟持及び第2挟持部を、それぞれ肉厚が比較的小さい第1挟持片51及び第2挟持片52により構成することで、着脱治具1全体の小型化を図ることができるため、作業スペースが狭小な場所であっても、このような着脱治具1を用いて、流体供給ユニットのベースブロックに対しバルブ100を容易に着脱することができる。
【0029】
一対の当接面53は、それぞれ一対の上段面112と当接可能にそれぞれ一対のアーム2の他端に形成されている。
【0030】
図3に示すように、補強板6は、着脱治具1全体の強度を向上させるために、ねじ締により一対のアーム2及び接続部3に設けられた板材である。補強板6は、一対のアーム2及び接続部3の正面又は背面に設けられた略n字型の補強板本体61と、一対のアーム2を挟持するように補強板本体61から折り曲げられた一対の挟持板62と、を有する。
【0031】
正面視において、補強板本体61は、収容領域Sと重ならず、一対のアーム2及び接続部3と重なるように設けられているため、補強板本体61と収容領域Sとが干渉することを回避することができる。これにより、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱する際に、収容領域Sにアクチュエータ120と干渉しない流体供給ユニットの配管が存在した場合であっても、当該配管と補強板本体61(すなわち、着脱治具1)とが干渉することを回避することができる。この結果、着脱治具1の使用自由度を向上させることができる。
【0032】
そして、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱する際に、着脱治具1をバルブ100に被せるように一対のアーム2の一端部を流路ブロック110の下段面111及び上段面112に近接させる。
【0033】
そして、図5に示すように、着脱治具1がバルブ100の流路ブロック110に装着された状態(以下、単に装着状態とも称する)において、二対の第1挟持片51及び一対の第2挟持片52は、それぞれ流路ブロック110における一対の第1側壁115及び一対の第2側壁116を挟持している。これにより、装着状態では、長手方向及び幅方向において、流路ブロック110に対し着脱治具1が位置決められている。
【0034】
また、装着状態において、一対の当接面53は、それぞれ一対の上段面112に当接している。これにより、装着状態では、高さ方向における流路ブロック110に対する着脱治具1の装着方向において、流路ブロック110に対し着脱治具1が位置決めされている。
【0035】
第1実施形態では、一対の当接面53は、装着状態において、それぞれ一対の上段面112と当接するように設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、装着状態において、それぞれ一対の下段面111と当接するように設けられてもよい。
【0036】
このように、着脱治具1は、二対の第1挟持片51、一対の第2挟持片52及び一対の当接面53を有する位置決め機構5を備えることで、流体供給ユニットのベースブロックに対するバルブ100の着脱時において、着脱治具1を安定的にバルブ100の流路ブロック110に装着することができる。このため、流体供給ユニットのベースブロックに対してバルブ100を容易に着脱することができる。
【0037】
また、装着状態において、平面視にて一対のボルト孔111aは、それぞれ一対の貫通孔4の領域内に位置する。具体的には、装着状態において、一対の貫通孔4、一対のボルト孔111a及び一対のボルトBは、それぞれ同軸に形成されている。これにより、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを、貫通孔4に挿通されたレンチ(図示しない/具体的には、六角レンチ)により容易に回転させることができるとともに、レンチの余計な動きを貫通孔4により抑制することができる。この結果、例えば、高所作業場所等の作業性が悪い場所でも、流体供給ユニットのベースブロックに対するバルブ100の着脱を容易に行うことができる。特にベースブロックが鉛直面に設けられた流体供給ユニットに対してバルブ100を容易に着脱することができる。
【0038】
さらに、バルブ100がベースブロックから取り外される際に、レンチにより緩められたボルトBは、一時的に着脱治具1の貫通孔4に収容されるため、ボルトBの脱落を防止することができる。
【0039】
くわえて、貫通孔4の下段面111に対向する端部と下段面111との間の領域は、一対の第1挟持片51、第2挟持片52及び段差114により囲まれている。これにより、バルブ100がベースブロックから取り外される際に、レンチにより緩められたボルトBは、貫通孔4に収容される前に貫通孔4の下段面111に対向する端部と下段面111との間の領域から脱落することを防止することができる。
【0040】
また、装着状態において、アクチュエータ120は、収容領域Sに収容されている。これにより、アクチュエータ120と着脱治具1とが干渉することを回避することができる。
【0041】
また、装着状態において、一対のアーム2は、取付台113とは離間している。これにより、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱する際に、一対のアーム2と取付台113との間に流体供給ユニットの配管が存在した場合であっても、当該配管と一対のアーム2(すなわち、着脱治具1)とが干渉することを回避することができる。この結果、着脱治具1の使用自由度を向上させることができる。
【0042】
そして、装着状態において、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを貫通孔4に挿通されたレンチにより流体供給ユニットのベースブロックにねじ込むことで、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに装着する。一方、装着状態において、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを貫通孔4に挿通されたレンチにより流体供給ユニットのベースブロックから緩めることで、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックから取り外す。
【0043】
(第1実施形態の変形例)
次に、図6から図8を参照しながら第1実施形態の変形例に係る着脱治具1の構成について説明する。なお、本変形例では、上述した第1実施形態と一致する点について省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0044】
図6は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具1を示す斜視図である。図7は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具1を示す底面図である。図8は、第1実施形態の変形例に係る着脱治具1がバルブ100に装着された状態を示す斜視図である。
【0045】
本変形例では、図6から図8に示すように、一対のアーム2は、アーム本体21と、一対のアーム本体21の間である内側とは反対側である外側に突出するようにアーム本体21の一端部に設けられた第1突出部22と、一対のアーム本体21の間である内側とは反対側である外側に突出するとともに第1突出部22から離間するようにアーム本体21の他端部に設けられた第2突出部23と、一対のアーム本体21の間である内側に突出するようにアーム本体21の一端部に設けられた第3突出部24と、を有する。
【0046】
本変形例では、図6及び図8に示すように、一対の貫通孔4は、一対の第1突出部22をアーム本体21の延在方向に沿って貫通する一対の第1貫通孔41から構成されている。一対の第2突出部23には、それぞれ一対の第2貫通孔42が形成されている。第1貫通孔41と第2貫通孔42とは、レンチが同時に挿通可能に形成されている。そして、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態(以下、単に装着状態とも称する)において、レンチは、第2貫通孔42及び第1貫通孔41を順に挿通して、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを容易にねじ込む又は緩めることができる。なお、一対の第1貫通孔41及び一対の第2貫通孔42とは、それぞれ同軸に形成されることが好ましい。
【0047】
このように、一対の第1貫通孔41及び一対の第2貫通孔42を、一対のアーム本体21ではなく、それぞれ互いに離間した一対の第1突出部22及び一対の第2突出部23に形成するため、一対のアーム本体21における配列方向の幅を小さくすることができる。
【0048】
また、レンチは、第2貫通孔42及び第1貫通孔41を順に挿通するため、レンチを第1貫通孔41に挿通させる際にアーム本体21に対するレンチの傾きが第2貫通孔42により抑制され、一対の第2突出部23が設けられておらず一対の第1貫通孔41がそれぞれ一対の第1突出部22に形成された場合に比べ、レンチを容易に第1貫通孔41に挿通させることができる。この結果、レンチが周辺の流体制御機器と干渉してしまうことを抑制することができる。
【0049】
本変形例では、アーム2は、第1突出部22及び第2突出部23を有して構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第2突出部23を有しておらず、第1突出部22のみを有して構成されてもよい。
【0050】
本変形例では、図6及び図8に示すように、各対の第1挟持片51は、アーム本体21の一端部のみならず、第1突出部22及び第3突出部24から突出している。一対の第2挟持片52は、それぞれ一対の第1突出部22の第2突出部23側とは反対側から突出している。
【0051】
着脱治具1がバルブ100の流路ブロック110に装着された状態において、一対の第3突出部24は、取付台113を挟持している。これにより、装着状態を安定的にすることができる。本変形例では、各第3突出部24は、互いに離間した一対の突出片241から構成されている。なお、一対の第3突出部24は、位置決め機構5の一部を構成してもよい。
【0052】
上述した第1実施形態では、補強部は、一対のアーム2及び接続部3とは別体である補強板6から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一対のアーム2と一体形成された補強板6A(図6参照)から構成されてもよい。
【0053】
この場合に、一対のアーム2と別体形成された補強板6に比べ、着脱治具1を容易に形成することができる。そして、補強板6Aは、正面視において、収容領域Sと重なるように一対のアーム2及び接続部3と接続されている。そして、装着状態において、アクチュエータ120は、一対のアーム2、接続部3及び補強板6Aにより囲まれた収容領域Sに収容されている。
【0054】
そして、着脱治具1を用いて流体供給ユニットのベースブロックに対してバルブ100を着脱する際に、レンチは、第1貫通孔41及び第2貫通孔42の両方を挿通させて、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを容易に回転させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
[バルブの構成]
次に、図9を参照しながら第2実施形態に係るバルブ100について説明する。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と一致する点について省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0056】
図9は、第2実施形態に係るバルブ100を示す斜視図である。
【0057】
上述した第1実施形態では、バルブ100は、単一のアクチュエータ120を備えて構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、二つのアクチュエータ120(図9参照)を備えて構成されてもよい。この場合に、図9に示すように、第2実施形態に係るバルブ100は、流体機器としての三方弁である。二つのアクチュエータ120は、取付台113Aに取り付けられている。なお、第2実施形態に係る取付台113Aは、長手方向の幅が第1実施形態に係る取付台113における長手方向の幅よりも大きく形成されている。
【0058】
[着脱治具の構成]
次に、図10及び図11を参照しながら第2実施形態に係る着脱治具1について説明する。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と一致する点について省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0059】
図10は、第2実施形態に係る着脱治具1を示す斜視図である。図11は、第2実施形態に係る着脱治具1がバルブ100に装着された状態を示す斜視図である。
【0060】
図10及び図11に示すように、第2実施形態に係る接続部3は、第2実施形態に係る取付台113Aと対応し、長さ(すなわち、一対のアーム2間の間隔)が第1実施形態に係る接続部3の長さよりも大きく形成されている。これにより、第2実施形態に係る収容領域Sは、第1実施形態に係る収容領域Sよりも大きく、二つのアクチュエータ120を収容することが可能である。
【0061】
(第2実施形態の変形例)
次に、図12及び図13を参照しながら第2実施形態の変形例に係る着脱治具1の構成について説明する。なお、本変形例では、上述した第1実施形態の変形例と一致する点について省略し、主に上述した第1実施形態の変形例と相違する点について説明する。
【0062】
図12は、第2実施形態の変形例に係る着脱治具1を示す斜視図である。図13は、第2実施形態の変形例に係る着脱治具1がバルブ100に装着された状態を示す斜視図である。
【0063】
図12及び図13に示すように、第2実施形態の変形例に係る接続部3は、第2実施形態に係る取付台113Aと対応し、長さ(すなわち、一対のアーム2間の間隔)が第1実施形態の変形体に係る接続部3の長さよりも大きく形成されている。これにより、第2実施形態の変形例に係る収容領域Sは、第1実施形態の変形例に係る収容領域Sよりも大きく、二つのアクチュエータ120を収容することが可能である。
【0064】
(作用効果)
次に、各実施形態及び各変形例による作用効果について説明する。
【0065】
(1)着脱治具1は、流路及び一対のボルト孔111aが形成された流路ブロック110と、高さ方向に沿って延在するように流路ブロック110に設けられたアクチュエータ120と、を備えるバルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱するための着脱治具1であって、並列に設けられた一対のアーム2と、一対のアーム2を接続する接続部3と、一対のアーム2をアーム2の延在方向に沿ってそれぞれ貫通する一対の貫通孔4と、一対のアーム2に設けられ、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、流路ブロック110に対して着脱治具1を位置決めする位置決め機構5と、を備え、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、平面視にて一対のボルト孔111aは、それぞれ一対の貫通孔4の領域内に位置し、アクチュエータ120は、一対のアーム2及び接続部3により囲まれた収容領域Sに収容され、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを貫通孔4に挿通されたレンチにより流体供給ユニットのベースブロックにねじ込むことで、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに装着する。
【0066】
この構成によれば、着脱治具1は、位置決め機構5を備えるため、流体供給ユニットのベースブロックに対するバルブ100の着脱時において、着脱治具1を安定的にバルブ100の流路ブロック110に装着することができる。これにより、流体供給ユニットのベースブロックに対してバルブ100を容易に着脱することができる。
【0067】
また、ボルト孔111aに挿通されたボルトBを、貫通孔4に挿通されたレンチにより容易に回転させることができるとともに、レンチの余計な動きを貫通孔4により抑制することができる。この結果、例えば、高所作業場所等の作業性が悪い場所でも、流体供給ユニットのベースブロックに対するバルブ100の着脱を容易に行うことができる。特にベースブロックが鉛直面に設けられた流体供給ユニットに対してバルブ100を容易に着脱することができる。
【0068】
さらに、バルブ100がベースブロックから取り外される際に、レンチにより緩められたボルトBは、一時的に着脱治具1の貫通孔4に収容されるため、ボルトBの脱落を防止することができる。
【0069】
くわえて、装着状態において、アクチュエータ120は、収容領域Sに収容されているため、アクチュエータ120と着脱治具1とが干渉することを回避することができる。
【0070】
(2)位置決め機構5は、平面視において長手方向に沿って延在する流路ブロック110の一対の第1側壁115を挟持可能にアーム2の一端部から突出する一対の第1挟持片51と、平面視において幅方向に沿って延在する流路ブロック110の一対の第2側壁116を挟持可能にそれぞれ一対のアーム2の一端部から突出する一対の第2挟持片52と、を有し、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、一対の第1挟持片51及び一対の第2挟持片52は、それぞれ一対の第1側壁115及び一対の第2側壁116を挟持している。
【0071】
この構成によれば、装着状態では、長手方向及び幅方向において、流路ブロック110に対し着脱治具1が位置決められている。
【0072】
(3)位置決め機構5は、それぞれ一対のアーム2の他端に形成された一対の当接面53を有し、流路ブロック110は、一対のボルト孔111aが形成されるとともに長手方向においてアクチュエータ120を中心として対称的に形成された一対の下段面111と、長手方向においてアクチュエータ120を中心として対称的に形成された一対の上段面112と、を有し、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、一対の当接面53は、それぞれ一対の上段面112に当接している。
【0073】
この構成によれば、装着状態では、高さ方向における流路ブロック110に対する着脱治具1の装着方向において、流路ブロック110に対し着脱治具1が位置決めされている。
【0074】
(4)流路ブロック110は、アクチュエータ120が取り付けられるように一対の上段面112の間に設けられた取付台113をさらに有し、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、一対のアーム2は、取付台113とは離間している。
【0075】
この構成によれば、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱する際に、一対のアーム2と取付台113との間に流体供給ユニットの配管が存在した場合であっても、当該配管と一対のアーム2(すなわち、着脱治具1)とが干渉することを回避することができる。この結果、着脱治具1の使用自由度を向上させることができる。
【0076】
(5)着脱治具1は、一対のアーム2及び接続部3とは別体形成されるとともに正面視において収容領域Sと重ならず一対のアーム2及び接続部3と重なるように一対のアーム2及び接続部3の正面又は背面に設けられた補強板6をさらに備える。
【0077】
この構成によれば、着脱治具1全体の強度を向上させるとともに正面視において補強板6と収容領域Sとが干渉することを回避することができる。これにより、バルブ100を流体供給ユニットのベースブロックに対し着脱する際に、収容領域Sにアクチュエータ120と干渉しない流体供給ユニットの配管が存在した場合であっても、当該配管と補強板6(すなわち、着脱治具1)とが干渉することを回避することができる。この結果、着脱治具1の使用自由度を向上させることができる。
【0078】
(6)着脱治具1は、一対のアーム2と一体形成された補強板6をさらに備え、収容領域Sは、一対のアーム2、接続部3及び補強板6により囲まれている。
【0079】
この構成によれば、一対のアーム2と別体形成された補強板6に比べ、着脱治具1を容易に形成することができる。
【0080】
(7)一対のアーム2は、アーム本体21と、一対のアーム本体21の間である内側とは反対側である外側に突出するようにアーム本体21の一端部に設けられた第1突出部22と、を有し、一対の貫通孔4は、一対の第1突出部22を貫通する一対の第1貫通孔41から構成されている。
【0081】
この構成によれば、一対の第1貫通孔41を、一対のアーム本体21ではなく、それぞれ、一対のアーム本体21の一端部のそれぞれに設けられた一対の第1突出部22に形成するため、一対のアーム本体21における配列方向の幅を小さくすることができる。
【0082】
(8)一対のアーム2は、一対のアーム本体21の間である内側とは反対側である外側に突出するとともに第1突出部22から離間するようにアーム本体21の他端部に設けられた第2突出部23をさらに有し、一対の第2突出部23には、それぞれ一対の第2貫通孔42が形成され、第1貫通孔41と第2貫通孔42とは、レンチが同時に挿通可能に形成されている。
【0083】
この構成によれば、一対の第2貫通孔42を、一対のアーム本体21ではなく、それぞれ、一対のアーム本体21の他端部のそれぞれに設けられた一対の第2突出部23に形成するため、一対のアーム本体21における配列方向の幅を小さくすることができる。
【0084】
また、レンチは、第2貫通孔42及び第1貫通孔41を順に挿通するため、レンチを第1貫通孔41に挿通させる際にアーム本体21に対するレンチの傾きが第2貫通孔42により抑制され、一対の第2突出部23が設けられておらず一対の第1貫通孔41がそれぞれ一対の第1突出部22に形成された場合に比べ、レンチを容易に第1貫通孔41に挿通させることができる。この結果、レンチが周辺の流体制御機器と干渉してしまうことを抑制することができる。
【0085】
(9)流路ブロック110は、アクチュエータ120が取り付けられるように一対の上段面112の間に設けられた取付台113をさらに有し、一対のアーム2は、アーム本体21と、一対のアーム本体21の間である内側に突出するようにアーム本体21の一端部に設けられた第3突出部24と、を有し、着脱治具1が流路ブロック110に装着された状態において、一対の第3突出部24は、取付台113を挟持している。
【0086】
この構成によれば、装着状態を安定的にすることができる。
【0087】
以上、本実施形態について説明したが、上述した実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0088】
1 着脱治具
2 アーム
3 接続部
4 貫通孔
5 位置決め機構
100 バルブ
110 流路ブロック
111 ボルト孔
120 アクチュエータ
B ボルト
S 収容領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13