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特開2024-168584ロボットシステム、その制御方法、及びその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168584
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ロボットシステム、その制御方法、及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G05D1/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085395
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】315014671
【氏名又は名称】東京ロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098899
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 信市
(74)【代理人】
【識別番号】100163865
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 健
(72)【発明者】
【氏名】松尾 雄希
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC06
5H301DD07
5H301GG08
5H301GG09
5H301HH10
5H301JJ06
5H301KK03
5H301QQ04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な制御で移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行う。
【解決手段】進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記移動ロボットと結合される、ステーションと、前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムであって、前記制御部は、前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うと共に、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行い、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ロボットシステムが提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、
いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、
前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムであって、
前記制御部は、前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うと共に、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行い、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボット側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部は、前記移動ロボットの進行方向前面の角にそれぞれ配置されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記ロボット側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部には、それぞれローラが備えられている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動ロボットを平面視した場合に、前記側面の法線と前記移動ロボットの進行方向のなす角度が、前記ロボット側第1接触部と前記移動ロボットの中心とを通る第1の仮想直線と前記移動ロボットの中心と前記ロボット側第1接触部と前記ロボット側第2接触部の中心とを通る第2の仮想直線とがなす角度未満となるように、前記移動ロボットを制御する、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記ステーションの前記側面であって前記ステーション側第1接触部又はその近傍には、前記ロボット側第1接触部を前記ステーション側第1接触部との接触へと導く第1ガイド部材が備えられている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第1ガイド部材は、板状部材であり、前記ステーションを平面視した場合に、前記側面の法線と前記板状部材の長手方向軸とがなす角度は、前記ロボット側第1接触部と前記移動ロボットの中心とを通る第1の仮想直線と前記移動ロボットの中心と前記ロボット側第1接触部とロボット側第2接触部の中心とを通る第2の仮想直線とがなす角度未満となるよう、前記ステーションの前記側面に設置されている、請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記制御に代えて、前記移動ロボットを平面視した場合に、前記側面の法線と前記移動ロボットの進行方向のなす角度が、前記側面の法線と前記板状部材の長手方向軸とがなす角度未満となるように、前記移動ロボットを前記ガイド部材へと直進させる制御を行うと共に、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行う、請求項6に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記ステーションの前記側面であって前記ステーション側第2接触部又はその近傍には、前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部との接触へと導く第2ガイド部材が備えられている、請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記第2ガイド部材の長手方向の長さは、前記第1ガイド部材の長手方向の長さより短い、請求項8に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記第1ガイド部材は、その長手方向軸が前記側面の法線に平行となるように設置される、請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記移動機構は、差動二輪である、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記移動機構は、バネにより前記床面に押し当てられた1又は複数の駆動輪と、前記駆動輪への荷重を減らす支持機構と、を備えるものである、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項13】
前記支持機構は、1又は複数のキャスタである、請求項12に記載のロボットシステム。
【請求項14】
前記床面は、低摩擦素材で構成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項15】
前記移動ロボット及び/又は前記ステーションには、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部、及び、前記ロボット側第2接触部及び前記ステーション側第2接触部のそれぞれが接触したか否かを検出するセンサが設けられている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項16】
床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、
いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、
前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムの制御方法であって、
前記制御部は、
前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うステップと、
接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行うステップと、を実行し、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ロボットシステムの制御方法。
【請求項17】
床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、
いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、
前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムの制御プログラムであって、
前記制御部において、
前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うステップと、
接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行うステップと、を実行し、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ロボットシステムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動ロボット、特に、ステーションへとドッキングされる移動ロボット等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、倉庫内、工場内、家庭内等において自律移動ロボットが活用されている(例えば、特許文献1)。自律移動ロボットは、その機能を発揮するため、定期的にステーションを利用することがある。例えば、自律移動ロボットは、バッテリの充電等のために、定期的にステーション(充電ステーション)を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-15611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、移動ロボットがステーションへとドッキング(結合)するためには、移動ロボットとステーションの間の位置決めが必要となる。従前、この種の位置決めには、様々な手法が用いられていた。例えば、LiDAR等のセンサを用いて自己位置推定を行い環境地図から位置決めを行う手法、ステーションに付されたマーカをカメラで撮影して位置の推定を行う手法等、各種のセンサを用いた高度な位置決め手法が利用されていた。
【0005】
しかしながら、従前の位置決め手法を利用しても、移動ロボットとステーションとの間の位置ずれ誤差をある一定以上減らすことは困難であった。例えば、LiDARを用いた手法では、様々な要因からセンサ検出誤差は避けられない。また、マーカをカメラ撮影する場合には、センサ検出誤差に加えてカメラ画角やピント等を調整しなければならずこれらも誤差の原因となる。
【0006】
本発明は上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な制御で移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の技術的課題は、以下の構成を有するロボットシステム、その制御方法、プログラム等により解決することができる。
【0008】
すなわち、本発明に係るロボットシステムは、床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムであって、前記制御部は、前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うと共に、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行い、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ものである。
【0009】
このような構成によれば、直進制御のみにより移動ロボットにおいてステーションへの倣い動作が生じるので、簡単な制御で移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行うことができる。
【0010】
前記ロボット側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部は、前記移動ロボットの進行方向前面の角にそれぞれ配置されている、ものであってもよい。
【0011】
このような構成によれば、移動ロボットの進行方向前面の角を接触させることによりステーションへの位置決めを行うことができる。
【0012】
前記ロボット側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部には、それぞれローラが備えられている、ものであってもよい。
【0013】
このような構成によれば、接触面に倣いやすくなると共に、移動ロボット又はステーションの筐体等の破損を防止することができる。
【0014】
前記制御部は、前記移動ロボットを平面視した場合に、前記側面の法線と前記移動ロボットの進行方向のなす角度が、前記ロボット側第1接触部と前記移動ロボットの中心とを通る第1の仮想直線と前記移動ロボットの中心と前記ロボット側第1接触部と前記ロボット側第2接触部の中心とを通る第2の仮想直線とがなす角度未満となるように、前記移動ロボットを制御する、ものであってもよい。
【0015】
このような構成によれば、移動ロボットにおいて旋回を生じさせることを確実なものとすることができる。
【0016】
前記ステーションの前記側面であって前記ステーション側第1接触部又はその近傍には、前記ロボット側第1接触部を前記ステーション側第1接触部との接触へと導く第1ガイド部材が備えられている、ものであってもよい。
【0017】
このような構成によれば、ロボット側の第1接触部をステーション側の第1接触部へと導くことができる。
【0018】
前記第1ガイド部材は、板状であり、前記ステーションを平面視した場合に、前記側面の法線と前記板状部材の長手方向軸とがなす角度は、前記ロボット側第1接触部と前記移動ロボットの中心とを通る第1の仮想直線と前記移動ロボットの中心と前記ロボット側第1接触部とロボット側第2接触部の中心とを通る第2の仮想直線とがなす角度未満となるよう、前記ステーションの前記側面に設置されている、ものであってもよい。
【0019】
このような構成によれば、移動ロボットをガイド部材に倣わせることで、移動ロボットにおいて旋回を生じさせることを確実なものとすることができる。
【0020】
前記制御部は、前記制御に代えて、前記移動ロボットを平面視した場合に、前記側面の法線と前記移動ロボットの進行方向のなす角度が、前記側面の法線と前記板状部材の長手方向軸とがなす角度未満となるように、前記移動ロボットを前記ガイド部材へと直進させる制御を行うと共に、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行う、ものであってもよい。
【0021】
このような構成によれば、適切な角度でガイド部材へと接触させることができるので、移動ロボットにおいて旋回を生じさせることをより確実なものとすることができる。
【0022】
前記ステーションの前記側面であって前記ステーション側第2接触部又はその近傍には、前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部との接触へと導く第2ガイド部材が備えられている、ものであってもよい。
【0023】
このような構成によれば、より確実に移動ロボットをステーションへと結合させることができる。
【0024】
前記第2ガイド部材の長手方向の長さは、前記第1ガイド部材の長手方向の長さより短い、ものであってもよい。
【0025】
このような構成によれば、移動ロボットのステーションの結合部近傍領域への進入を妨害するおそれが小さくなる。
【0026】
前記第1ガイド部材は、その長手方向軸が前記側面の法線に平行となるように設置される、ものであってもよい。
【0027】
このような構成によれば、ステーションの幅を小さくすることができる。
【0028】
前記移動機構は、差動二輪であってもよい。
【0029】
このような構成によれば、左右方向への小回りがききにくい差動二輪を用いても移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行うことができる。
【0030】
前記移動機構は、バネにより前記床面に押し当てられた1又は複数の駆動輪と、前記駆動輪への荷重を減らす支持機構と、を備えるものであってもよい。
【0031】
このような構成によれば、より滑りが生じやすくなり移動ロボットにおいて旋回が生じやすくなる。
【0032】
前記支持機構は、1又は複数のキャスタであってもよい。
【0033】
このような構成によれば、キャスタにより荷重を担うことができる。
【0034】
前記床面は、低摩擦素材で構成されている、ものであってもよい。
【0035】
このような構成によれば、より滑りが生じやすくなり移動ロボットにおいて旋回が生じやすくなる。
【0036】
前記移動ロボット及び/又は前記ステーションには、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部、及び、前記ロボット側第2接触部及び前記ステーション側第2接触部のそれぞれが接触したか否かを検出するセンサが設けられている、ものであってもよい。
【0037】
このような構成によれば、移動ロボットがステーションに結合したか否かをセンサを介して検出することができる。
【0038】
別の角度から見た本発明は方法、すなわち、床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムの制御方法であって、前記制御部は、前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うステップと、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行うステップと、を実行し、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ものである。
【0039】
別の角度から見た本発明はコンピュータプログラム、すなわち、床面上を直進可能な移動機構と、進行方向前面にロボット側第1接触部とロボット側第2接触部とを備えた、移動ロボットと、いずれかの側面にステーション側第1接触部とステーション側第2接触部とを備え、前記ロボット側第1接触部と前記ステーション側第1接触部及び前記ロボット側第2接触部と前記ステーション側第2接触部の両方が接触することで前記移動ロボットと結合される、ステーションと、前記移動ロボットを制御する制御部と、を備えたロボットシステムの制御プログラムであって、前記制御部において、前記ロボット側第1接触部が前記ステーション側第1接触部へと接触するよう前記移動ロボットを前記ステーションへと向けて直進させる制御を行うステップと、接触した後も前記移動ロボットを直進させる制御を行うステップと、を実行し、それにより、前記ロボット側第1接触部を中心とし前記床面との間の滑りを伴う前記移動ロボットの旋回を生じさせ、前記旋回により前記ロボット側第2接触部を前記ステーション側第2接触部へと接触させる、ものである。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、簡単な制御で移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、移動ロボットシステムの全体構成図である。
図2図2は、ステーションの外観斜視図である。
図3図3は、移動ロボットの外観斜視図である。
図4図4は、ステーションと移動ロボットが結合(ドッキング)した状態を示す説明図である。
図5図5は、移動ロボットのハードウェア構成に関する説明図である。
図6図6は、移動ロボットがステーションに結合するまでの動作フローチャートである。
図7図7は、移動ロボットの1つの角がステーションの接触部に接触した状態を示す模式図である。
図8図8は、移動ロボットのステーションへの接触角度について説明する模式図である。
図9図9は、旋回の結果、移動ロボットの進行方向前面の両角がステーションの接触部に対して正常に接触した状態を示す図である。
図10図10は、ステーションの外観斜視図(第2の実施形態)である。
図11図11は、第1ガイド部材の設置角度に関する説明図である。
図12図12は、第1ガイド部材へと接触する直前の移動ロボットについて示す説明図(その1)である。
図13図13は、第1ガイド部材へと接触する直前の移動ロボットについて示す説明図(その2)である。
図14図14は、第1ガイド部材への所定の進入条件(0≦β<α)を満たさない場合の、移動ロボットの結合までの過程を示す説明図である。
図15図15は、第1ガイド部材の設置角度に関する変形例を示す図である。
図16図16は、ステーションの接触部にさらに一対の接触検出センサを設けた変形例である。
図17図17は、移動ロボット移動機構の変形例に関する説明図である。
図18図18は、床面を低摩擦床とする変形例に関する説明図である。
図19図19は、ローラを角に設けない構成の変形例に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0043】
(1.第1の実施形態)
第1の実施形態として、本発明を倉庫等で使用されて所定の作業を行う移動ロボットシステム100に対して適用した例について説明する。なお、適用対象は倉庫内のシステム等に限定されず、様々に変更することができる。
【0044】
(1.1 システムの構成)
図1は、本実施形態に係る移動ロボットシステム100の全体構成図である。同図から明らかな通り、移動ロボットシステム100は、サーバ10と、ステーション30と、移動ロボット50とを含み、それらはネットワークを介して接続されている。なお、本実施形態においては、移動ロボットシステム100をサーバを含むネットワークシステムとして構成するものの、その構成は自在に変更可能である。
【0045】
サーバ10は、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置で構成され、移動経路の生成等の後述の種々の情報処理を行う。ステーション30は、移動ロボット50による移動により移動ロボット50と結合(ドッキング)し、移動ロボット50に対して所定の作業や処理を行う。所定の作業とは、例えば、バッテリ交換作業や充電処理である。移動ロボット50は、所定の領域内を移動して作業を行うと共に、適時にステーション30へと移動してステーション30と結合し、ステーション30による所定の作業又は処理を受ける。
【0046】
図2は、本実施形態に係るステーション30の外観斜視図である。同図から明らかな通り、ステーション30は、略直方体形状であり、移動ロボット50と結合される側面の下端には開口部が設けられている。この開口部の内部には移動ロボット50に対する作業又は処理を行うための機構又は装置等が備えられている。
【0047】
開口部の下端の左右の端には、移動ロボット50と接触するための一対の薄板状の接触部31(31a、31b)が設けられている。この一対の接触部31に移動ロボットの一対の接触部51がそれぞれ接触することで、ステーション30と移動ロボット50の位置合わせが行われる。
【0048】
図3は、本実施形態に係る移動ロボット50の外観斜視図である。同図から明らかな通り、移動ロボット50は、直方体形状の筐体を有し、各角には回転自在なローラ51が設けられている。ステーション30との位置合わせの際、このローラ51のうちの一対がステーション30の接触部31へと接触することとなる。
【0049】
このようなローラ51を備えた構成によれば、接触面に対して倣いやすくなると共に、移動ロボット50又はステーション30の筐体等の破損を防止することができる。
【0050】
移動ロボット50の底面には移動機構52が設けられいる。移動機構52は、少なくとも移動ロボット50に対して直進移動をもたらすことが可能であり、本実施形態において、移動機構52は差動二輪である。なお、移動機構52はこのような構成に限定されず、他の公知の移動機構を採用してもよい。例えば、オムニホイール等の全方位移動機構等を備えてもよい。
【0051】
また、同図には示されていないものの、移動ロボット50には、LiDAR、カメラ等の自己位置推定を用いた移動に必要な種々のセンサを備えている。
【0052】
なお、移動ロボット50は、実行する作業に応じて他の構成をさらに備えてもよく、例えば、荷物を搬送するための装置や機構等を備えてもよい。
【0053】
図4は、ステーション30と移動ロボット50が結合(ドッキング)した状態を示す説明図である。同図から明らかな通り、ステーション30の一側面に備えられた一対の接触部31に対して移動ロボット50の前面の一対のローラ51が接触することで、ステーション30と移動ロボット50との間の位置合わせが行われる。すなわち、移動ロボット50がステーション30に対してこの位置・姿勢となることで、ステーション30は移動ロボット50に対して所定の作業又は処理を精度良く行うことができる。
【0054】
なお、ステーション30と移動ロボット50の結合のための位置合わせにあたり、ステーション30側の移動ロボット50との接触が想定される部分(本実施形態の接触部31)をステーション側接触部、移動ロボット50側のステーション30との接触が想定される部分(本実施形態のローラ51)を移動ロボット側接触部、と称呼してもよい。
【0055】
図5は、移動ロボット50のハードウェア構成に関する説明図である。同図から明らかな通り、移動ロボット50は、制御部501、記憶部502、通信部503、移動制御部505、センサ入力部506、及びI/O部507を備え、それらは互いにバスを介して接続されている。
【0056】
制御部501は、CPU等の演算装置で成りプログラム等を実行して後述の種々の制御処理を行う。記憶部502は、ROM/RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置で成り、各種のデータやプログラムを記憶する。通信部503は、ネットワークを介して外部装置との間で通信を行う通信ユニットであり、外部装置との間で情報の授受を行う。
【0057】
移動制御部505は、移動ロボット50の移動機構52を制御する処理を行う。センサ入力部506は、移動ロボット50に備えられたLiDARやカメラ等の各種のセンサからの情報を受け付けて制御部501等に提供する処理を行う。I/O部507は、外部装置が取り付けられたときに入出力処理を行う。
【0058】
同様に、ステーション30も制御部、記憶部、通信部、作業動作制御部、センサ入力部等を備え、これらは互いにバスを介して接続されている。作業動作制御部は、制御部からの指令に応じて、移動ロボット50に対する作業のためのステーション30の動作制御を行う。また、センサ入力部は、ステーション30に備えられたセンサを通じて得られた入力信号を処理して制御部へと提供する。
【0059】
さらに、サーバ10は、PC等の情報処理装置で成り、制御部、記憶部、通信部、入力処理部、画像出力部、音声出力部、I/O部等を備え、これらは互いにバスを介して接続されている。
【0060】
以上、本システムの構成について述べたが、本発明の構成は本実施形態に係るものに限定されない。従って、種々の変形が可能である。
【0061】
(1.2 システムの動作)
図6は、移動ロボット50がステーション30に結合するまでの動作フローチャートである。同図から明らかな通り、移動ロボット50は、サーバ10からステーション30までの経路情報を取得する処理を行う(S10)。
【0062】
経路情報の取得の後、移動ロボット50の移動制御部505は、移動経路に沿って移動ロボット50をステーション30へと移動させる移動制御処理を実行する(S11)。この移動制御処理は、サーバ10から所定の終了信号を受信するまで継続され(S12NO)、所定の終了信号を受信した場合(S12YES)、処理は終了する。移動制御処理の詳細については後述する。
【0063】
なお、ステーション30において、ステーション30の一対の接触部31へと移動ロボット50の一対の接触部51が接触したと判定された場合に、ステーション30からサーバ10へとステーション30と移動ロボット50の結合完了を示す信号が送信される。サーバ10は、この結合完了信号を受けて、移動ロボット50へと終了信号を送信する。
【0064】
なお、移動ロボット50の移動手法、移動の終了条件等はこのような構成に限定されず、他の種々の態様が可能である。例えば、移動ロボット50に備えられた所定のセンサにより移動終了を判定してもよいし、所定の装置により結合を監視して移動終了を判定してもよい。
【0065】
次に、移動ロボット50がステーション30へと結合するまでの過程について、図7図9を用いて説明する。
【0066】
図7は、移動ロボット50の1つの角がステーション30の接触部31に接触した状態を示す模式図である。なお、同図はステーション30と移動ロボット50を上から見た平面図である。
【0067】
同図において、移動機構52である差動二輪を用いて直線的にステーション30へと向かって来た移動ロボット50は、ステーションの接触部31のうちの1つに対して、その角のローラ51を接触させている。なお、移動ロボット50はこの接触の後も両輪を稼働させて直進動作を継続するよう制御される。
【0068】
ここで、移動ロボット50の中心から進行方向に向けられた仮想直線と、移動ロボット50の中心と移動ロボット50のステーション30と接触するローラ51の中心とを通る仮想直線とがなす角度をθとする。また、移動ロボット50の中心から進行方向に向けられた仮想直線と、ステーション30の接触部31を備える側面の法線とがなす角度をφとする。なお、移動ロボット50の中心とは、本実施形態においては、2つの車輪の車軸中心である。
【0069】
このとき、移動ロボット50は、φ<θを満たすようにステーション30へと接触する。
【0070】
図8は、移動ロボット50のステーション30への接触角度について説明する模式図である。同図(A)は、φ<θの条件を満たす場合を示しており、同図(B)は、φ<θの条件を満たさない場合(特に、φ>θの場合)を示している。
【0071】
同図(A)から明らかな通り、φ<θの条件を満たし、かつ、移動ロボット50が直進を継続する場合、移動ロボット50は、ステーション30の接触部31との接触部を中心として図中において時計回りに旋回し、最終的に移動ロボット50の進行方向前面の両角のローラ51がステーション30の接触部31へと接触することとなる。この旋回の際、移動機構52の車輪は床面に対して滑ることとなる。
【0072】
図9は、旋回の結果、移動ロボット50の進行方向前面の両角のローラ51がステーション30の接触部31に対して正常に接触した状態を示す図である。移動ロボット50は、このような正しい位置決めがなされた状態でステーション30と結合した状態となると、ステーション30による所定の作業又は処理を精度よく受けることができる。なお、この後、結合完了の後、移動ロボット50は移動を終了する。
【0073】
このような構成によれば、ステーション30との接触後は直進制御のみにより移動ロボット50においてステーション30への倣い動作が生じるので、簡単な制御で移動ロボット50とステーション30との間の高精度な位置決めを行うことができる。
【0074】
一方、図8(B)から明らかな通り、φ<θの条件を満たさない場合であって、かつ、移動ロボット50が直進を継続する場合、移動ロボット50は図中において反時計回りに旋回してしまい、移動ロボット50の前面の両角をステーション30へと結合させることが困難となる。
【0075】
すなわち、移動ロボット50がφ<θの条件を満たすようにステーション30へと接触することで、移動ロボット50を確実にステーション30に対して旋回させることができる。
【0076】
(2.第2の実施形態)
第2の実施形態においては、ステーションに対してさらにガイド部材を付加した例について説明する。
【0077】
(2.1 システムの構成)
システムの構成は、ステーションの構成とそれに伴う変更を除いては、第1の実施形態と略同一であるので、ここでは重複する内容について説明を省略する。
【0078】
図10は、本実施形態に係るステーション40の外観斜視図である。同図から明らかな通り、ステーション40の一側面の下端に設けられた一対の接触部41(41a、41b)の一方には、板状のガイド部材である第1ガイド部材43が取り付けられている。第1ガイド部材43は、その長手方向軸が接触部41が配置される側面の法線に対して鋭角(α)をなすように取り付けられ、後述するように移動ロボット50を接触部41へとガイドする。
【0079】
また、他方の接触部41にも、第1ガイド部材43より短い長さの板状のガイド部材である第2ガイド部材45が備えられている。後述するように、第2ガイド部材45は、移動ロボット50の左右方向(ステーション40側面に平行な軸方向)への変位を規制する。
【0080】
このような第1ガイド部材43より第2ガイド部材45の方が短い構成によれば、第2ガイド部材45が移動ロボット50のステーション40の結合部近傍領域への進入を妨害するおそれが小さくなる。
【0081】
なお、本実施形態において、ガイド部材(43、45)は直線的な板状であるものの、そのような形状に限定されない。従って、他の形状であってもよく、例えば、曲線的な形状を有するものであってもよい。
【0082】
(2.2 システムの動作)
システムの動作は、ガイド部材(43、45)が存在すること、及びそれに伴う変更を除いては、第1の実施形態と略同一であるので、ここでは重複する内容について説明を省略する。従って、本実施形態においても、移動ロボット50は、第1ガイド部材43への接触後も直進動作を継続する。
【0083】
図11は、第1ガイド部材43の設置角度に関する説明図である。同図は、模式化されたステーション40と移動ロボット50を平面視した図である。
【0084】
同図から明らかな通り、第1ガイド部材43は、ステーション40の法線方向に対して鋭角αをなすように配置されている。このとき、角度αは、上述の角度θ未満に設定されている(すなわち、α<θ)。このように設定されていることで、第1ガイド部材43に倣って第1ガイド部材43の付け根まで進行した移動ロボット50は、φ<θの条件を満たしてステーション40の接触部41に接触することができる。これにより、移動ロボット50において所望の旋回を生じさせることができる。
【0085】
一方、このような第1ガイド部材43への移動ロボット50の接触(又は進入)角度(β)は、0度以上α未満となるように制御される。
【0086】
図12は、第1ガイド部材43へと接触する直前の移動ロボット50について示す説明図(その1)である。同図の例にあっては、移動ロボット50の移動方向とステーション40の側面の法線とのなす角度をβとしたとき、0≦β<αの条件を満たしている。
【0087】
このような構成によれば、移動ロボット50の角のローラ51と第1ガイド部材43とが接触した状態となり、移動ロボット50は、第1ガイド部材43へと倣って進むこととなる。これにより、移動ロボット50の接触部となるローラ51が接触部41へとガイドされる。
【0088】
これに対して、図13は、第1ガイド部材43へと接触する直前の移動ロボット50について示す説明図(その2)である。同図の例にあっては、第1ガイド部材43への移動ロボット50の接触角度βは、0≦β<αの条件を満たしておらず、負(マイナス)の角度となっている。このような状態で移動ロボット50が第1ガイド部材43へと接触すると、移動ロボット50の左前のローラ51が先にステーション40側面に接触する等して第1ガイド部材43に完全には倣うことができない。
【0089】
しかしながら、本実施形態においては、このような場合に備えて、他方の接触部41の近傍に第2ガイド部材45が設けられている。
【0090】
図14は、第1ガイド部材43への所定の進入条件(0≦β<α)を満たさない場合(β<0の条件)の、移動ロボット50の結合までの過程を示す説明図である。
【0091】
同図(A)は、移動ロボット50の直進方向左前のローラ51がステーション40の側面に接触した状態を示す図である。同図(B)は、その後に、移動ロボット50がステーション40の側面に平行な方向に変位する状態を表す図である。同図(C)は、最終的に、移動ロボット50の両角にあるローラ51がステーション40の一対の接触部41に接触して、移動ロボット50がステーション40と結合した状態を示す図である。なお、このすべての過程において、移動ロボット50は、直進動作を継続させるよう制御されている。
【0092】
これらの図から明らかな通り、移動ロボット50が第1ガイド部材43への所定の進入条件(0≦β<α)を満たさない場合(β<0の条件)であっても、最終的に第2ガイド部材45により、移動ロボット50のステーション40側面に平行な方向への変位が規制される。すなわち、これにより、移動ロボット50とステーション40との間の位置合わせを行うことができる。
【0093】
このような構成によれば、より確実に移動ロボット50をステーション40へと結合させることができる。
【0094】
本実施形態に係る構成によれば、直進制御のみにより移動ロボットにおいてステーションへの倣い動作が生じるので、簡単な制御で移動ロボットとステーションとの間の高精度な位置決めを行うことができる。
【0095】
(3.変形例)
本発明は、様々に変形して実施することができる。
【0096】
上述の実施形態においては、第1ガイド部材43は、その長手方向軸がステーション40の移動ロボット50との接触面の法線に対して鋭角(α)をなすように設置されたが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0097】
図15は、第1ガイド部材43の設置角度に関する変形例を示す図である。同図において第1ガイド部材63は、ステーション60の移動ロボット50との結合面の法線に対して平行に設置されている(α=90度)。なお、この場合であっても、第1ガイド部材の長さは第2ガイド部材よりも長く設定されている。
【0098】
このような構成によれば、ステーション60の幅を抑制することができる。
【0099】
上述の実施形態においては、移動ロボットとステーションとの間の結合判定の詳細について言及していないものの、何らかの結合検出手段を設けて結合判定を行ってもよい。
【0100】
図16は、第2の実施形態に係るステーション40の接触部41に、さらに一対の接触検出センサ47を設けた変形例を示している。接触検出センサ47は、例えば、圧力センサであるが接触を検出可能なあらゆるセンサを利用可能である。
【0101】
これらの接触検出センサ47の検出値に基づいて、結合判定を行う。判定の結果、結合したと判定した場合に、移動ロボットの移動を停止するような構成としてもよい。
【0102】
このような構成によれば、移動ロボットがステーションに結合したか否かをセンサを介して検出することができる。
【0103】
なお、本変形例においては、ステーション40に対してセンサを設ける構成としたがこのような構成に限定されない。要するに、移動ロボット50とステーション40との間の所定の態様の接触を検出できればよいので、移動ロボット50の側にセンサを設けてもよいし、移動ロボット50とステーション40の両者にセンサを取り付けてもよい。
【0104】
上述の実施形態においては、移動ロボットの移動機構に係る車輪が床面との間で滑っている。そのため、移動ロボットが床面に対してさらに滑りやすくなる工夫を加えてもよい。
【0105】
図17は、移動ロボットの移動機構の変形例に関する説明図である。同図から明らかな通り、移動ロボット500の移動機構は、支持機構と駆動機構を備えている。より詳細には、支持機構として、それぞれ支柱と受動回転する車輪とから成る4つのキャスタ511と、駆動機構として、バネ513により床面へと押し当てられている2つの駆動輪512を有している。
【0106】
このような構成によれば、キャスタ511が荷重を担うことができるので、より滑りが生じやすくなり移動ロボット500において旋回が生じやすくなる。
【0107】
なお、滑りを支援する機構はこのような構成に限定されるものでなく、他の公知の滑り支援機構を採用してもよい。また、床面に対して滑りを生じやすくする工夫を行ってもよい。
【0108】
図18は、床面を低摩擦床とする変形例に関する説明図である。同図において、床面600には低摩擦素材の床が敷設されている。このとき、低摩擦床の摩擦係数は、移動機構による移動を可能としつつも滑りが生じやすい程度に調整されている。
【0109】
このような構成によっても、より滑りが生じやすくなり移動ロボット50において旋回が生じやすくなる。
【0110】
上述の実施形態においては、移動ロボットのステーションとの接触部及びローラは、移動ロボットの角に配置されていた。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。
【0111】
図19は、ローラ81を角に設けない構成の変形例に関する説明図である。同図においては、移動ロボット80の接触部たる一対のローラ81は、その角ではなく、辺の途中に配置されている。
【0112】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記の実施形態は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、ロボット等を製造する産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 サーバ
30 ステーション(第1の実施形態)
31 ステーション側接触部
40 ステーション(第2の実施形態)
41 ステーション側接触部
43 第1ガイド部材
45 第2ガイド部材
50 移動ロボット
51 移動ロボット側接触部(ローラ)
52 移動機構
100 移動ロボットシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19