IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子機器、プログラム 図1
  • 特開-電子機器、プログラム 図2
  • 特開-電子機器、プログラム 図3
  • 特開-電子機器、プログラム 図4
  • 特開-電子機器、プログラム 図5
  • 特開-電子機器、プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168586
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電子機器、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20241128BHJP
【FI】
G06F9/445 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085399
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】荒川 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】野村 一真
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AC01
5B376AC03
(57)【要約】
【課題】複数の処理が実行される際の再起動処理の実行回数を抑制することが可能な電子機器及びプログラムを提供すること。
【解決手段】電子機器(100)は、設定処理部(55)、実行処理部(56)、及び表示処理部(57)を備える。設定処理部(55)は、実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する。実行処理部(56)は、設定処理部(55)によって設定された実行対象の処理を実行する。前記表示処理部(57)は、設定処理部(55)による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する設定処理部と、
前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する実行処理部と、
前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する表示処理部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記カテゴリーには、前記電子機器の再起動を伴う第1カテゴリーと前記電子機器の再起動を伴わない第2カテゴリーとを含む、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1カテゴリーには、設定値の変更のみを実行する第3カテゴリーと、前記電子機器の動作を伴う第4カテゴリーとが含まれる、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記設定処理部は、複数の処理が纏めて実行される一括処理の実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定可能であり、
前記実行処理部は、前記一括処理の実行対象として設定された複数の処理を纏めて実行可能である、
請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記設定処理部は、前記一括処理で実行される複数の処理の実行順序を当該処理各々の前記カテゴリーに応じて設定する、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記設定処理部は、前記第1カテゴリーに属する処理各々の実行順序を最後に設定する、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1カテゴリーに属する処理に伴う再起動の実行タイミングをユーザー操作に応じて設定する、
請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項8】
実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する設定ステップと、
前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する実行ステップと、
前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する表示ステップと、
をプロセッサーに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、パーソナルコンピューター、又はスマートフォンのような電子機器では、各種のユーザー操作に応じて各種の処理が実行される。電子機器で実行される各種の処理には、電子機器の再起動処理を伴う処理も含まれる。そして、電子機器の再起動処理が必要となる場合にその旨をユーザーに通知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-106259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子機器で複数の処理が実行される場合であって当該複数の処理に再起動処理を要する処理が複数含まれる場合には、必要以上に再起動処理が繰り返されるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、複数の処理が実行される際の再起動処理の実行回数を抑制することが可能な電子機器及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る電子機器は、設定処理部、実行処理部、及び表示処理部を備える。前記設定処理部は、実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する。前記実行処理部は、前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する。前記表示処理部は、前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する。
【0007】
本発明の他の局面に係るプログラムは、設定ステップ、実行ステップ、及び表示ステップをプロセッサーに実行させるためのプログラムである。前記設定ステップは、実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する。前記実行ステップは、前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する。前記表示ステップは、前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の処理が実行される際の再起動処理の実行回数を抑制することが可能な電子機器及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る電子機器のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る電子機器で用いられる設定情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る電子機器で実行されるメニュー制御処理のフローチャートの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る電子機器で表示される表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る電子機器で表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[電子機器100の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る電子機器100の構成について説明する。
【0012】
電子機器100は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明に係る電子機器は、ファクス装置、コピー機、パーソナルコンピューター、タブレット端末、又はスマートフォンなどであってもよい。
【0013】
図1、及び図3に示されるように、電子機器100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、及び操作表示部6を備える。
【0014】
ADF1は、画像読取部2によって画像が読み取られる原稿を搬送する。具体的に、ADF1は、図1に示されるように、原稿載置部11、原稿搬送路12、複数の搬送ローラー13、原稿ガイド14、及び排紙部15を備える。
【0015】
ADF1では、搬送ローラー13各々が不図示の駆動モーターから供給される回転駆動力を受けて回転する。これにより、原稿載置部11に載置された原稿が、ADF1の内部に形成された原稿搬送路に沿って原稿台のコンタクトガラス上の読取位置に案内された後、排紙部12に排出される。
【0016】
画像読取部2は、原稿台、読取ユニット、ミラー、ミラー、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)、及び読取制御部などを備え、前記スキャン機能を実現する。
【0017】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。例えば、画像形成部3は、電子写真方式で画像を形成する。例えば、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電ローラー、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。例えば、画像形成部3は、画像読取部2によって出力される画像データに基づいて画像を形成する。
【0018】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。例えば、給紙部4は、給紙カセット、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0019】
制御部5は、電子機器100を統括的に制御する。図3に示されるように、制御部5は、CPU51、ROM52、RAM53、及びEEPROM(登録商標)54を備える。CPU51は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM52は、CPU51に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM53は、CPU51が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。EEPROM54は、電子機器100の各部の制御に用いられる各種の制御情報などが格納される不揮発性の記憶装置である。
【0020】
CPU51は、ROM52に格納された各種の前記制御プログラムを実行する。これにより、制御部5による、電子機器100の統括的な制御が実現される。
【0021】
なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものでもよい。また、制御部5は、電子機器100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部でもよい。
【0022】
操作表示部6は、電子機器100のユーザーインターフェイスである。例えば、操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を備える。
【0023】
ところで、電子機器100で複数の処理が実行される場合であって当該複数の処理に再起動処理を要する処理が複数含まれる場合には、必要以上に再起動処理が繰り返されるおそれがある。これに対し、本発明の実施形態に係る電子機器100では、複数の処理が実行される際の再起動処理の実行回数を抑制することができる。なお、本実施形態における再起動処理では、電子機器100の電源がOFFにされた後ONにされる処理が実行される。一方、他の実施形態では、再起動処理が、電子機器100の電源がOFFにされる前に実行される特定のシャットダウン処理であってもよい。さらに、他の実施形態では、再起動処理が、電子機器100の電源がONにされた場合に実行される特定の起動処理であってもよい。
【0024】
[制御部5の構成]
図2に示されるように、制御部5は、設定処理部55、実行処理部56、及び表示処理部57を備える。具体的に、制御部5のROM52には、CPU51を上述の各処理部として機能させるための前記制御プログラムが予め格納されている。そして、CPU51は、ROM52に格納された前記制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。なお、上述の各処理部は、電子回路で構成されていてもよい。
【0025】
設定処理部55は、実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する。実行処理部56は、前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する。表示処理部57は、前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する。
【0026】
本実施形態において、前記カテゴリーには、電子機器100の再起動処理を伴う第1カテゴリーと電子機器100の再起動処理を伴わない第2カテゴリーとが含まれる。第1カテゴリーには、例えば、電子機器100に接続されているHDDの初期化、電子機器100の自装置ID又は自装置名称などの識別情報の変更などが含まれる。また、第1カテゴリーには、さらに設定値の変更のみを実行する第3カテゴリーと、電子機器100の動作を伴う第4カテゴリーとが含まれる。第3カテゴリーには、例えば、日時設定、初期解像度設定、初期濃度設定などが含まれる。また、第4カテゴリーには、例えば、ステータスページ印刷、テスト印刷、キャリブレーションなどが含まれる。なお、他の実施形態では、前記カテゴリーが二つであってもよく、四つ以上であってもよい。
【0027】
電子機器100において、ユーザー操作に応じて電子機器100で実行される各種の処理とカテゴリーを判定するための設定情報D1がROM52に記憶されている。例えば、設定情報D1では、図3に示されるように、処理内容ごとに、印刷の有無と、再起動処理の有無とが対応付けられている。
【0028】
そして、制御部5は、設定情報D1において再起動処理が「あり」に設定されている「HDD初期化」のような処理が第1カテゴリーに属すると判定することが可能であり、設定情報D1において再起動処理が「なし」に設定されている処理が第2カテゴリーに属すると判定することが可能である。また、制御部5は、設定情報D1において再起動処理が「なし」に設定されており、且つ、印刷が「なし」に設定されている「日時設定」のような処理が、第3カテゴリーに属すると判定することが可能である。同様に、制御部5は、設定情報D1において再起動処理が「なし」に設定されており、且つ、印刷が「あり」に設定されている「ステータスページ印刷」のような処理が、第4カテゴリーに属すると判定することが可能である。なお、他の実施形態では、設定情報D1において、処理内容ごとに当該処理内容に対応するカテゴリーの種別が記憶されていてもよい。
【0029】
また、電子機器100は、ユーザー操作に応じて実行対象として設定される処理を個別に実行する通常モードと、ユーザー操作に応じて実行対象として設定される複数の処理が纏めて実行される予約モードとを有する。予約モードでは、実行対象として設定された複数の処理の実行が開始されると複数の処理が実行処理部56によって自動的に連続して実行されることになる。以下では、予約モードにおける処理手法を一括処理と称する。
【0030】
例えば、設定処理部55は、操作表示部6に設けられた特定の操作キーの長押し操作によって通常モードと予約モードとを切り替える。また、設定処理部55は、操作表示部6に設けられたモード切替ボタンのユーザー操作によって通常モードと予約モードとを切り替えてもよい。
【0031】
[メニュー制御処理]
以下、図4を参照しつつ、制御部5によって実行されるメニュー制御処理のフローチャートについて説明する。例えば、メニュー制御処理は、操作表示部6へのユーザー操作に応じて開始される。また、メニュー制御処理は、電子機器100の電源投入時又は省電力モードからの復帰時に開始されてもよい。
【0032】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部5は、操作表示部6に対してメニュー操作の開始操作が行われたか否かを判断する。ここで、開始操作が行われたと判断されると(S11:Yes)、処理がステップS12に移行し、開始操作が行われていなければ(S11:No)、処理がステップS11で待機する。
【0033】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、ユーザー操作に応じて実行対象の処理の設定を受け付ける。例えば、表示処理部57は、操作表示部6に対するユーザー操作に応じて各種の処理を選択するためのメニューを操作表示部6の表示画面に表示し、設定処理部55は、当該表示画面におけるユーザー操作に応じて選択される処理を実行対象の処理として設定する。このとき、表示処理部57は、各種の処理について当該処理のカテゴリーを識別可能な態様で表示する表示ステップを実行する。例えば、表示処理部57は、処理のカテゴリーを、文字、記号、図形、配色、又は操作キーの形状などの態様の差異により識別可能に表示する。
【0034】
<ステップS131>
ステップS131において、制御部5は、ステップS12で実行対象として設定された処理を実行し、一連のメニュー制御処理を終了する。その後、処理は後述のステップS19に移行する。
【0035】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、現在の動作モードが予約モード中であるか否かを判断する。ここで、予約モード中であると判断されると(S13:Yes)、処理がステップS14に移行し、予約モード中でないと判断されると(S13:No)、処理がステップS131に移行する。
【0036】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、ステップS12で実行対象として設定された処理を予約処理リストに追加する。特に、制御部5は、予約処理リストに登録されている処理の中での実行順序を、処理のカテゴリーに応じて予め設定される優先順位に基づいて設定する。予約処理リストは、電子機器100において一括処理の実行対象となる処理を示すリストであって、EEPROM54などの記憶部に記憶される。
【0037】
具体的に、前記優先順位としては、前記第1カテゴリーよりも前記第2カテゴリーの優先順位が高いことが予め設定されている。この場合、電子機器100では再起動処理を伴わない第2カテゴリーに属する処理が第1カテゴリーに属する処理よりも先に実行されることになる。即ち、制御部5は、前記第1カテゴリーに属する処理各々の実行順序を最後に設定する。
【0038】
また、前記第2カテゴリーにおける前記優先順位としては、前記第3カテゴリーよりも前記第4カテゴリーの優先順位が高いことが予め設定されている。この場合、電子機器100では再起動処理を伴わない処理については、動作を伴う第4カテゴリーに属する処理が設定値を変更する第3カテゴリーに属する処理よりも先に実行されることになる。これにより、例えば、動作を伴う処理が実行されている時間を利用して、設定値を変更する処理が実行可能な場合もある。なお、他の実施形態では、前記第4カテゴリーよりも前記第3カテゴリーの優先順位が高くてもよい。
【0039】
なお、制御部5は、同一カテゴリーに属する処理が複数存在する場合には、同一カテゴリー内の処理の実行順序を、当該処理の受付順が早いほど実行順序が早くなるように設定してもよい。
【0040】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、操作表示部6に対してメニュー操作の終了操作が行われたか否かを判断する。例えば、制御部5は、メニュー操作を終了するか否かを選択するための選択画面を操作表示部6に表示させ、ユーザー操作に応じてメニュー操作の終了操作の有無を判断する。ここで、終了操作が行われたと判断されると(S15:Yes)、処理がステップS16に移行し、終了操作が行われていなければ(S15:No)、処理がステップS12に戻される。なお、ステップS15におけるユーザー操作に限らず、例えばステップS12におけるユーザー操作に応じて処理がステップS16に移行してもよい。
【0041】
このように、電子機器100の動作モードが予約モードである場合、ステップS12~S15において、制御部5は、ユーザー操作に応じて複数の処理を一括処理の実行対象として設定することが可能である。なお、ステップS12~S15において実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定するための処理は、制御部5の設定処理部55によって実行される設定ステップである。
【0042】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、予約処理リストに一括処理の実行対象として登録されている処理の実行に関する設定を実行するための処理を実行する。なお、ステップS16は制御部5の設定処理部55及び表示処理部57によって実行される。
【0043】
具体的に、制御部5の表示処理部57は、図5に示されるように、予約処理リストに登録されている処理の一覧を含む第1画面P1を操作表示部6に表示する。前述したように、予約処理リストでは、ステップS14において処理のカテゴリーに基づいて処理の実行順序が設定されている。そのため、表示処理部57は、ステップS16において、予約処理リストに登録された処理を当該処理の実行順序に従って第1画面P1に表示することにより、当該処理各々のカテゴリーに応じた実行順序の候補を提示することになる。第1画面P1では、予約処理リストに登録されている処理についての実行要否、実行順序、処理内容、印刷の有無、再起動処理の有無の情報が、表示領域a11、a12、a13、a14、a15にそれぞれ表示される。
【0044】
即ち、制御部5の表示処理部57は、第1画面P1において、予約モードで実行対象となる選択候補の処理を、当該処理に対応するカテゴリーが識別可能な態様で表示している。具体的に、ユーザーは、第1画面P1を参照し、再起動処理が「あり」に設定されている「HDD初期化」のような処理が第1カテゴリーに属することを識別することが可能である。また、ユーザーは、第1画面P1を参照し、再起動処理が「なし」に設定されている「ステータスページ印刷」及び「日時設定」のような処理が第2カテゴリーに属することを識別することが可能である。さらに、ユーザーは、第1画面P1を参照し、再起動処理が「なし」に設定されており、且つ、印刷が「なし」に設定されている「日時設定」のような処理が、第3カテゴリーに属することを識別することが可能である。同様に、ユーザーは、第1画面P1を参照し、再起動処理が「なし」に設定されており、且つ、印刷が「あり」に設定されている「ステータスページ印刷」のような処理が、第4カテゴリーに属することを識別することが可能である。このとき、表示処理部57は、処理のカテゴリーを、記号、図形、配色、又は操作キーの形状などの態様の差異により識別可能に表示してもよい。
【0045】
また、制御部5の設定処理部55は、各処理に対応する領域a11のユーザー操作に応じて当該処理の実行要否を切り替える。なお、制御部5の設定処理部55は、各処理に対応する領域a12のユーザー操作に応じて当該処理の実行順序を任意に変更可能であってもよい。
【0046】
そして、制御部5は、第1画面P1に表示されている操作キーk11の操作を、予約処理リストに登録されている処理の実行開始操作として受け付け、処理をステップS17に移行する。なお、制御部5は、第1画面P1に表示されている操作キーk12が操作されると、処理をステップS12に移行する。
【0047】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、第1カテゴリーに属する処理について再起動処理のタイミングをユーザー操作に応じて設定するための処理を実行する。なお、ステップS17の処理は制御部5の設定処理部55によって実行される。
【0048】
具体的に、制御部5は、図6に示されるように、再起動処理のタイミングを設定するための第2画面P2を操作表示部6に表示する。第2画面P2では、a22に再起動処理のタイミングの選択候補が表示されており、制御部5は、a21に対するユーザー操作に応じて前記再起動処理のタイミングのいずれかを選択する。例えば、再起動処理のタイミングには、再起動処理を伴う処理の実行後に再起動処理を実行する「実行要求後」と、電子機器100の電源が次にOFFになるタイミングで再起動処理を実行する「次回の電源OFF時」と、第2画面P2で設定される特定の日時又は時刻に再起動処理を実行する「時刻指定」とが含まれる。
【0049】
そして、制御部5は、第2画面P2に表示されている操作キーk21の操作を、再起動タイミングの決定操作として受け付け、処理をステップS18に移行する。なお、制御部5は、第2画面P2に表示されている操作キーk22が操作されると、処理をステップS16に戻す。なお、制御部5は、予約処理リストに登録されている処理に再起動処理を伴う第1カテゴリーの処理が含まれていない場合には当該ステップS17を省略してもよい。
【0050】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、予約処理リストに一括処理の実行対象として登録されている処理を当該予約処理リストで設定されている実行順序に従って纏めて実行する。ステップS18の処理は制御部5の実行処理部57によって実行される実行ステップである。
【0051】
特に、ステップS18において、制御部5は、少なくとも予約処理リストにおいて実行順序が最後である処理が実行されるまでの間は、電子機器100の再起動処理を実行しない。そのため、予約処理リストに一括処理の実行対象として第1カテゴリーの処理が複数登録されている場合には、実行順序が最後である第1カテゴリーの処理が終了するまでに、他の第1カテゴリーの処理が実行されても電子機器100の再起動処理は実行されない。
【0052】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、再起動処理が必要であるか否かを判断する。ここで、再起動処理が必要であると判断された場合には(S19:Yes)、処理がステップS20に移行し、再起動処理が必要でないと判断された場合には(S19:No)、一連のメニュー制御処理が終了し、処理がステップS11に戻される。
【0053】
具体的に、制御部5は、予約モードにおいて一括処理を実行した場合には、当該一括処理に第1カテゴリーの処理が含まれている場合であって、ステップS17で設定された再起動タイミングが「実行要求後」である場合に再起動処理が必要であると判断する。また、制御部5は、通常モードにおいて処理を実行した場合には、当該処理が第1カテゴリーの処理である場合であって、当該処理の再起動タイミングが「実行要求後」である場合に再起動処理が必要であると判断する。なお、第1カテゴリーの処理には当該第1カテゴリーの処理ごとに対応する再起動処理の実行タイミングが予め定められていてもよく、通常モードにおいても実行対象の処理の設定時に再起動処理の実行タイミングが設定可能であってもよい。
【0054】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部5は、電子機器100の再起動処理を実行し、一連のメニュー制御処理を終了して処理をステップS11に戻す。ステップS20の処理は制御部5の実行処理部57によって実行される。なお、予約モードにおいて一括処理が実行された場合であって、当該一括処理に第1カテゴリーの処理が含まれている場合であっても、ステップS17で設定された再起動タイミングが「実行要求後」でない場合にはステップS20における再起動処理が実行されない。同様に、通常モードにおいて処理が実行された場合であって、当該処理が第1カテゴリーの処理である場合であっても、当該処理の再起動タイミングが「実行要求後」でない場合にはステップS20における再起動処理が実行されない。
【0055】
なお、例えば再起動タイミングが「次回の電源OFF時」である場合、制御部5は、次に電子機器100の電源がOFFになる際まで再起動処理を実行せず、次に電子機器100の電源がOFFになる際に再起動処理を実行する。同様に、例えば再起動タイミングが「時刻指定」である場合、制御部5は、指定された日時又は時刻が到来した場合に再起動処理を実行する。
【0056】
以上説明したように、電子機器100では、予約モードでは、実行対象の選択候補となる処理のカテゴリーが識別可能な態様で表示される。そのため、ユーザーは、各種の処理のカテゴリーを把握した上で予約モードにおける実行対象の処理及び当該処理の実行順序などを設定することが可能である。従って、電子機器100では、予約モードで複数の処理が実行される場合の再起動処理の実行回数を抑制することが可能である。
【0057】
特に、電子機器100では、制御部5が、予約モードで実行対象となる複数の処理の実行順序をカテゴリーに基づいて自動的に設定する機能を有する。特に、制御部5は、予約モードで実行対象となる複数の処理のうち再起動処理を伴う処理の実行順序を最後に設定する。そのため、電子機器100では、予約モードで複数の処理が実行される場合の再起動処理の実行回数の抑制が促される。
【0058】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0059】
<付記1>
実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する設定処理部と、
前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する実行処理部と、
前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する表示処理部と、
を備える電子機器。
【0060】
<付記2>
前記カテゴリーには、前記電子機器の再起動を伴う第1カテゴリーと前記電子機器の再起動を伴わない第2カテゴリーとを含む、
付記1に記載の電子機器。
【0061】
<付記3>
前記第1カテゴリーには、設定値の変更のみを実行する第3カテゴリーと、前記電子機器の動作を伴う第4カテゴリーとが含まれる、
付記2に記載の電子機器。
【0062】
<付記4>
前記設定処理部は、複数の処理が纏めて実行される一括処理の実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定可能であり、
前記実行処理部は、前記一括処理の実行対象として設定された複数の処理を纏めて実行可能である、
付記2又は3に記載の電子機器。
【0063】
<付記5>
前記設定処理部は、前記一括処理で実行される複数の処理の実行順序を当該処理各々の前記カテゴリーに応じて設定する、
付記4に記載の電子機器。
【0064】
<付記6>
前記設定処理部は、前記第1カテゴリーに属する処理各々の実行順序を最後に設定する、付記5に記載の電子機器。
【0065】
<付記7>
前記第1カテゴリーに属する処理に伴う再起動の実行タイミングをユーザー操作に応じて設定する、
付記2~6のいずれかに記載の電子機器。
【0066】
<付記8>
実行対象となる処理をユーザー操作に応じて設定する設定ステップと、
前記設定処理部によって設定された実行対象の処理を実行する実行ステップと、
前記設定処理部による選択候補の処理を当該処理について予め設定されたカテゴリーが識別可能な態様で表示する表示ステップと、
をプロセッサーに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0067】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
55 設定処理部
56 実行処理部
57 表示処理部
100 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6