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特開2024-168592人力駆動車用コンポーネント、ドライブユニット用のカバー部材、人力駆動車用のギアアセンブリ、および、人力駆動車用ドライブユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168592
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】人力駆動車用コンポーネント、ドライブユニット用のカバー部材、人力駆動車用のギアアセンブリ、および、人力駆動車用ドライブユニット
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20241128BHJP
【FI】
B62M6/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085411
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 博之
(72)【発明者】
【氏名】ウン ジュン ウェン
(72)【発明者】
【氏名】西川 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(57)【要約】
【課題】組立性を向上できるコンポーネントを提供する。
【解決手段】人力駆動車用コンポーネントであって、回転中心軸心を有し、環状の回転伝達体を取付可能な回転軸と、回転軸に設けられる中間部材と、を備え、回転軸は、回転中心軸心まわりの外周部を有し、外周部は、回転中心軸心に関して第1直径を有する第1外周部と、回転中心軸心に関して第1直径よりも小さい第2直径を有し、回転中心軸心に関する軸方向において、第1外周部と互いに隣接し、回転伝達体を取付可能な第2外周部と、を有し、中間部材は、軸方向において、第1外周部に接触する第1側面と、軸方向において、第1側面とは反対側に配置され、回転伝達体が第2外周部に取り付けられた状態において、回転伝達体が接触可能に構成される第2側面と、を有し、第2側面のうち回転伝達体と接触可能な第1接触面の面積は、第1側面のうち第1外周部と接触する第2接触面の面積よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用コンポーネントであって、
回転中心軸心を有し、環状の回転伝達体を取付可能な回転軸と、
前記回転軸に設けられる中間部材と、を備え、
前記回転軸は、前記回転中心軸心まわりの外周部を有し、
前記外周部は、
前記回転中心軸心に関して第1直径を有する第1外周部と、
前記回転中心軸心に関して前記第1直径よりも小さい第2直径を有し、前記回転中心軸心に関する軸方向において、前記第1外周部と互いに隣接し、前記回転伝達体を取付可能な第2外周部と、を有し、
前記中間部材は、
前記軸方向において、前記第1外周部に接触する第1側面と、
前記軸方向において、前記第1側面とは反対側に配置され、前記回転伝達体が前記第2外周部に取り付けられた状態において、前記回転伝達体が接触可能に構成される第2側面と、を有し、
前記第2側面のうち前記回転伝達体と接触可能な第1接触面の面積は、前記第1側面のうち前記第1外周部と接触する第2接触面の面積よりも大きい、コンポーネント。
【請求項2】
前記コンポーネントは、
内部空間を形成し、前記内部空間と外部空間とを接続する貫通孔が形成されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記回転軸を回転可能に支持する軸受けと、をさらに備え、
前記回転軸は、前記内部空間に一部が配置され、前記貫通孔を介して前記ハウジングの外部空間に突出して配置される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記第2外周部の少なくとも一部は、前記ハウジングの外部空間に配置される、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記第1接触面は、前記第2接触面に実質的に平行である、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記第1接触面、および、前記第2接触面は、前記軸方向に対して直交する、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記第1接触面、および、前記第2接触面は、前記軸方向から見て円環状に形成され、
前記第1接触面の外径は、前記第2接触面の外径よりも大きい、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項7】
前記中間部材は、前記回転伝達体を形成する材料よりも硬い材料によって形成される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項8】
カバー部材をさらに備え、
前記中間部材は、前記カバー部材の少なくとも一部を構成し、
前記カバー部材は、前記ハウジングに間隔をあけて、少なくとも一部が前記ハウジングの外部空間に配置され、前記軸方向から見て、前記第1外周部と、前記ハウジングのうち前記貫通孔を定義する内周面と、の間の隙間を覆う、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記中間部材から前記回転中心軸心に関する径方向外側に延びるように形成されるシール部材を含む、請求項8に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記シール部材は、樹脂材料によって形成される、請求項9に記載のコンポーネント。
【請求項11】
前記中間部材は、金属材料によって形成される、請求項8に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記シール部材、および、前記中間部材は、円環形状を有し、
前記シール部材の内周部は、第1係合部を有し、
前記中間部材の外周部は、前記第1係合部に係合する第2係合部を有する、請求項9に記載のコンポーネント。
【請求項13】
前記第1係合部、および、第2係合部の一方は、前記回転中心軸心に関する径方向において突出する少なくとも1つの凸部、または、前記回転中心軸心に関する径方向において凹む少なくとも1つの凹部を含み、
前記第1係合部、および、第2係合部の他方は、前記回転中心軸心に関する径方向において、前記第1係合部、および、第2係合部の前記一方と係合する少なくとも1つの凸部、または、少なくとも1つの凹部を有する、請求項12に記載のコンポーネント。
【請求項14】
内部空間を形成し、前記内部空間と外部空間とを接続する貫通孔が形成されるハウジングと、
回転中心軸心を有し、前記内部空間に一部が配置され、前記貫通孔を介して前記ハウジングの外部空間に突出する回転軸と、
を備える人力駆動車用のドライブユニットにおいて、前記回転軸の回転中心軸心まわりの外周部に設けられ、前記ハウジングに間隔をあけて配置されるドライブユニット用のカバー部材であって、
前記カバー部材は、
金属材料によって形成され、前記外周部に設けられる中間部材と、
樹脂材料によって形成され、前記中間部材から前記回転中心軸心に関する径方向外側に延びるように形成されるシール部材と、を有する、ドライブユニット用のカバー部材。
【請求項15】
前記シール部材、および、前記中間部材は、円環形状を有し、
前記シール部材の内周部は、第1係合部を有し、
前記中間部材の外周部は、前記第1係合部に係合する第2係合部を有する、請求項14に記載のカバー部材。
【請求項16】
前記第1係合部、および、第2係合部の一方は、前記回転中心軸心に関する径方向において突出する少なくとも1つの凸部、または、前記回転中心軸心に関する径方向において凹む少なくとも1つの凹部を含み、
前記第1係合部、および、第2係合部の他方は、前記回転中心軸心に関する径方向において、前記第1係合部、および、第2係合部の前記一方と係合する少なくとも1つの凸部、または、少なくとも1つの凹部を有する、請求項15に記載のカバー部材。
【請求項17】
人力駆動車用のギアアセンブリであって、
回転中心軸心を有し、金属材料によって形成される軸部材と、
前記回転中心軸心に関する軸方向における前記軸部材の第1部分において、前記回転中心軸心まわりにおける第1外周部に、前記軸部材と一体に形成され、かつ、金属材料によって形成される第1ギア歯を有する第1ギアと、
前記軸方向において、前記軸部材の第1部分に隣接する第2部分において、前記回転中心軸心まわりにおける第2外周部に、前記軸部材に接触し、かつ、樹脂材料によって形成される第2ギア歯を有する第2ギアと、
前記軸部材に接触し、前記回転中心軸心に関する径方向において、前記第2ギアと前記軸部材との間に少なくとも一部が配置される環状部材と、を備える、ギアアセンブリ。
【請求項18】
前記軸部材、前記第2ギア、および、前記環状部材は、インサート成形によって互いに一体的に形成される、請求項17に記載のギアアセンブリ。
【請求項19】
前記環状部材は、前記軸方向において、前記第1ギア、および、前記第2ギアの境界部分に配置され、
前記第1ギアは、前記軸方向から見て、前記環状部材よりも前記径方向内側に配置される、請求項18に記載のギアアセンブリ。
【請求項20】
前記第1ギアの前記第1ギア歯は、前記軸方向の一方の端部が前記環状部材に接触する、請求項17に記載のギアアセンブリ。
【請求項21】
請求項17から20のいずれか一項に記載のギアアセンブリを含む減速機と、
電気モータと、を含む、人力駆動車用ドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用コンポーネント、ドライブユニット用のカバー部材、人力駆動車用のギアアセンブリ、および、人力駆動車用ドライブユニットの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人力駆動車用コンポーネントが知られている。例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用コンポーネントは、ドライブユニットを含む。ドライブユニットは、減速機を介して電気モータと連結される回転軸と、軸受けを介して回転軸を回転可能に支持するハウジングと、を含む。回転軸は、ハウジングの貫通孔に挿通される。ハウジングには、減速機の少なくとも一部を構成するギアアセンブリが設けられる場合がある。ドライブユニットには、ハウジングの貫通孔、および、回転軸の間の隙間からの異物の侵入を抑制するカバー部材が設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-107205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンポーネント、ギアアセンブリ、カバー部材、および、ドライブユニットの少なくとも1つにおいて、組立性の向上が望まれる。
【0005】
本開示の目的の1つは、人力駆動車用コンポーネント、ドライブユニット用のカバー部材、人力駆動車用のギアアセンブリ、および、人力駆動車用ドライブユニットの少なくとも1つにおいて、組立性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用コンポーネントであって、回転中心軸心を有し、環状の回転伝達体を取付可能な回転軸と、回転軸に設けられる中間部材と、を備え、回転軸は、回転中心軸心まわりの外周部を有し、外周部は、回転中心軸心に関して第1直径を有する第1外周部と、回転中心軸心に関して第1直径よりも小さい第2直径を有し、回転中心軸心に関する軸方向において、第1外周部と互いに隣接し、回転伝達体を取付可能な第2外周部と、を有し、中間部材は、軸方向において、第1外周部に接触する第1側面と、軸方向において、第1側面とは反対側に配置され、回転伝達体が第2外周部に取り付けられた状態において、回転伝達体が接触可能に構成される第2側面と、を有し、第2側面のうち回転伝達体と接触可能な第1接触面の面積は、第1側面のうち第1外周部と接触する第2接触面の面積よりも大きい。
第1側面のコンポーネントによれば、第1接触面の面積が第2接触面の面積よりも大きいため、回転伝達体を回転軸に取り付ける場合に回転伝達体に回転軸から与えられる面圧を低減できる。回転伝達体に回転軸から与えられる面圧が低減されると、回転伝達体を回転軸に固定する場合に、回転伝達体の破損を抑制できるので、組立性が向上される。
【0007】
第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、コンポーネントは、内部空間を形成し、内部空間と外部空間とを接続する貫通孔が形成されるハウジングと、ハウジングに設けられ、回転軸を回転可能に支持する軸受けと、をさらに備え、回転軸は、内部空間に一部が配置され、貫通孔を介してハウジングの外部空間に突出して配置される。
第2側面のコンポーネントによれば、回転軸の一部をハウジングによって保護できる。
【0008】
第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、第2外周部の少なくとも一部は、ハウジングの外部空間に配置される。
第3側面のコンポーネントによれば、回転伝達体が回転軸に取り付けられる際にハウジングが邪魔になり難いため、組立性をさらに向上できる。
【0009】
第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のコンポーネントにおいて、第1接触面は、第2接触面に実質的に平行である。
第4側面のコンポーネントによれば、第1接触面における面圧と、第2接触面における面圧とを、コントロールしやすい。
【0010】
第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のコンポーネントにおいて、第1接触面、および、第2接触面は、軸方向に対して直交する。
第5側面のコンポーネントによれば、第1接触面における面圧と、第2接触面における面圧とを、さらにコントロールしやすい。
【0011】
第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のコンポーネントにおいて、第1接触面、および、第2接触面は、軸方向から見て円環状に形成され、第1接触面の外径は、第2接触面の外径よりも大きい。
第6側面のコンポーネントによれば、回転伝達体、および、中間部材の変形を抑制できる。
【0012】
第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のコンポーネントにおいて、中間部材は、回転伝達体を形成する材料よりも硬い材料によって形成される。
第7側面のコンポーネントによれば、中間部材の変形を抑制できる。
【0013】
第2、または、第3側面に従う第8側面のコンポーネントにおいて、カバー部材をさらに備え、中間部材は、カバー部材の少なくとも一部を構成し、カバー部材は、ハウジングに間隔をあけて、少なくとも一部がハウジングの外部空間に配置され、軸方向から見て、第1外周部と、ハウジングのうち貫通孔を定義する内周面と、の間の隙間を覆う。
第8側面のコンポーネントによれば、ハウジングと回転軸との間の隙間からの異物の侵入を抑制できる。
【0014】
第8側面に従う第9側面のコンポーネントにおいて、カバー部材は、中間部材から回転中心軸心に関する径方向外側に延びるように形成されるシール部材を含む。
第9側面のコンポーネントによれば、シール部材によって、ハウジングと回転軸との間の隙間からの異物の侵入をさらに抑制できる。
【0015】
第9側面に従う第10側面のコンポーネントにおいて、シール部材は、樹脂材料によって形成される。
第10側面のコンポーネントによれば、コンポーネントの重量の増加を抑制できる。
【0016】
第8から第10側面のいずれか1つに従う第11側面のコンポーネントにおいて、中間部材は、金属材料によって形成される。
第11側面のコンポーネントによれば、中間部材の変形を抑制できる。
【0017】
第9、または、第10側面に従う第12側面のコンポーネントにおいて、シール部材、および、中間部材は、円環形状を有し、シール部材の内周部は、第1係合部を有し、中間部材の外周部は、第1係合部に係合する第2係合部を有する。
第12側面のコンポーネントによれば、中間部材からシール部材を外れ難くできる。
【0018】
第12側面に従う第13側面のコンポーネントにおいて、第1係合部、および、第2係合部の一方は、回転中心軸心に関する径方向において突出する少なくとも1つの凸部、または、回転中心軸心に関する径方向において凹む少なくとも1つの凹部を含み、第1係合部、および、第2係合部の他方は、回転中心軸心に関する径方向において、第1係合部、および、第2係合部の一方と係合する少なくとも1つの凸部、または、少なくとも1つの凹部を有する。
第13側面のコンポーネントによれば、中間部材からシール部材を外れ難くできる。
【0019】
本開示の第14側面に従うカバー部材は、内部空間を形成し、内部空間と外部空間とを接続する貫通孔が形成されるハウジングと、回転中心軸心を有し、内部空間に一部が配置され、貫通孔を介してハウジングの外部空間に突出する回転軸と、を備える人力駆動車用のドライブユニットにおいて、回転軸の回転中心軸心まわりの外周部に設けられ、ハウジングに間隔をあけて配置されるドライブユニット用のカバー部材であって、カバー部材は、金属材料によって形成され、外周部に設けられる中間部材と、樹脂材料によって形成され、中間部材から回転中心軸心に関する径方向外側に延びるように形成されるシール部材と、を有する。
第14側面のカバー部材によれば、回転軸に設けられる中間部材が金属材料によって形成され、シール部材が樹脂材料によって形成されることによって、カバー部材を回転軸に組み付ける場合におけるカバー部材の変形が抑制され、組立性を向上できる。
【0020】
第14側面に従う第15側面のカバー部材において、シール部材、および、中間部材は、円環形状を有し、シール部材の内周部は、第1係合部を有し、中間部材の外周部は、第1係合部に係合する第2係合部を有する。
第15側面のカバー部材によれば、中間部材からシール部材を外れ難くできる。
【0021】
第15側面に従う第16側面のカバー部材において、第1係合部、および、第2係合部の一方は、回転中心軸心に関する径方向において突出する少なくとも1つの凸部、または、回転中心軸心に関する径方向において凹む少なくとも1つの凹部を含み、第1係合部、および、第2係合部の他方は、回転中心軸心に関する径方向において、第1係合部、および、第2係合部の一方と係合する少なくとも1つの凸部、または、少なくとも1つの凹部を有する。
第16側面のカバー部材によれば、中間部材からシール部材を外れ難くできる。
【0022】
本開示の第17側面に従うギアアセンブリは、人力駆動車用のギアアセンブリであって、回転中心軸心を有し、金属材料によって形成される軸部材と、回転中心軸心に関する軸方向における軸部材の第1部分において、回転中心軸心まわりにおける第1外周部に、軸部材と一体に形成され、かつ、金属材料によって形成される第1ギア歯を有する第1ギアと、軸方向において、軸部材の第1部分に隣接する第2部分において、回転中心軸心まわりにおける第2外周部に、軸部材に接触し、かつ、樹脂材料によって形成される第2ギア歯を有する第2ギアと、軸部材に接触し、回転中心軸心に関する径方向において、第2ギアと軸部材との間に少なくとも一部が配置される環状部材と、を備える。
第17側面のギアアセンブリによれば、環状部材を備えることによって、組立性を向上できる。
【0023】
第17側面に従う第18側面のギアアセンブリにおいて、軸部材、第2ギア、および、環状部材は、インサート成形によって互いに一体的に形成される。
第18側面のギアアセンブリによれば、軸部材から第2ギアを外れ難くできる。
【0024】
第18側面に従う第19側面のギアアセンブリにおいて、環状部材は、軸方向において、第1ギア、および、第2ギアの境界部分に配置され、第1ギアは、軸方向から見て、環状部材よりも径方向内側に配置される。
第19側面のギアアセンブリによれば、インサート成形において金型と環状部材との間をシールすることによって、バリの発生を抑制し、ギアアセンブリの品質を向上できる。
【0025】
第17から第19側面に従う第20側面のギアアセンブリにおいて、第1ギアの第1ギア歯は、軸方向の一方の端部が環状部材に接触する。
第20側面のギアアセンブリによれば、軸方向において第1ギア歯、および、第2ギア歯を互いに近い位置に配置できるため、ギアアセンブリを小型化できる。
【0026】
本開示の第21側面に従う人力駆動車用ドライブユニットは、第17から第20側面のいずれか1つに従うギアアセンブリを含む減速機と、電気モータと、を含む。
第21側面の人力駆動車用ドライブユニットによれば、ギアアセンブリによって、減速機から発生するノイズを低減できる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の人力駆動車用コンポーネント、ギアアセンブリ、カバー部材、および、人力駆動車用ドライブユニットの少なくとも1つにおいて、組立性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係るコンポーネントを示す側面図。
図2図1のD5-D5線に沿う断面図。
図3】クランク軸の第2端部の周辺を示す断面図。
図4】出力軸に回転伝達体が取り付けられる状態を示す断面図。
図5】カバー部材を示す斜視図。
図6】ギアアセンブリを示す斜視断面図。
図7】ギアアセンブリを示す断面図。
図8】軸部材の軸方向視におけるギアアセンブリを示す図。
図9】軸部材、環状部材、および、金型を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るコンポーネント1が説明される。第1実施形態に係るコンポーネント1の説明には、図1から図9が用いられる。図1に示されるコンポーネント1は、人力駆動車に設けられる。
【0030】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータ50の駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータ50によって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車が、電動アシスト自転車として説明される。
【0031】
コンポーネント1は、人力駆動車に装着されるように構成される。コンポーネント1は、人力駆動車用コンポーネントであって、回転中心軸心C20を有し、環状の回転伝達体27を取付可能な回転軸20と、回転軸20に設けられる中間部材41と、を備える。回転中心軸心C20は、回転軸20の軸方向AD20、径方向RD20、および、周方向CD20を定義する。本実施形態では、回転伝達体27は、人力駆動車のフロントスプロケットを含む。
【0032】
コンポーネント1は、内部空間13を形成し、内部空間13と外部空間とを接続する貫通孔11b・12bが形成されるハウジング10と、ハウジング10に設けられ、回転軸20を回転可能に支持する軸受け30と、をさらに備える。コンポーネント1は、カバー部材40をさらに備える。
【0033】
図1には、コンポーネント1の一例が示される。コンポーネント1は、人力駆動車に推進力を付与するように構成される人力駆動車用ドライブユニット2を含む。本明細書において、人力駆動車用ドライブユニット2が、ドライブユニット2として記載される。ドライブユニット2は、減速機60と、電気モータ50と、を含む。コンポーネント1の種類は、ドライブユニット2に限定されない。例えば、コンポーネント1は、内装変速機を含んでもよい。
【0034】
図1、および、図2に示されるように、ドライブユニット2は、ハウジング10、回転軸20、軸受け30、カバー部材40、電気モータ50、および、減速機60を含む。図2に示されるように、ハウジング10は、中空状に形成される。ハウジング10は、回転軸20の軸方向AD20に関する第1側壁11、および、第2側壁12を含む。第1側壁11は、第1内周面11aを含む。第1内周面11aは、第1貫通孔11bを定義する。第1貫通孔11bは、軸方向AD20において、第1側壁11を貫通するように形成される。
【0035】
図4に示されるように、第2側壁12は、第2内周面12a、および、溝12cを含む。第2内周面12aは、第2貫通孔12bを定義する。第2貫通孔12bは、回転軸20の軸方向AD20において、第2側壁12を貫通するように形成される。溝12cは、ハウジング10の外部空間に面する。溝12cは、回転軸20の回転中心軸心C20を中心とする円環状に形成される。溝12cは、回転軸20の径方向RD20において、第2貫通孔12bよりも径方向外側に配置される。図2に示される第1側壁11は、第2側壁12の溝12cと同様に形成される溝を含む。
【0036】
図2、および、図3に示される回転軸20は、回転中心軸心C20まわりの外周部23を有する。回転軸20は、内部空間13に一部が配置され、貫通孔11b,12bを介してハウジング10の外部空間に突出して配置される。回転軸20は、クランク軸21、および、出力軸22の少なくとも一方を含む。
【0037】
クランク軸21は、実質的に円筒形状を有する。クランク軸21は、中実に形成されていてもよい。クランク軸21は、回転中心軸心を有し、ハウジング10に対して回転中心軸心まわりに回転可能に設けられる。クランク軸21は、第1貫通孔11b、および、第2貫通孔12bを介してハウジング10の外部空間に突出する。回転軸20の軸方向AD20に関するクランク軸21の第1端部21aが、第1貫通孔11bを介してハウジング10の外部空間に突出する。軸方向AD20において、クランク軸21の第1端部21aとは反対に配置される第2端部21bが、第2貫通孔12bを介してハウジング10の外部空間に突出する。
【0038】
出力軸22は、クランク軸21に直接、または、間接的に連結される。出力軸22は、実質的に円筒形状を有する。出力軸22と、クランク軸21とは、同軸に配置される。出力軸22は、回転中心軸心を有し、ハウジング10に対して回転中心軸心まわりに回転可能に設けられる。出力軸22は、回転軸20の径方向RD20において、クランク軸21よりも径方向外側に配置される。出力軸22は、回転軸20の軸方向AD20において、クランク軸21の第2端部21b側に設けられる。軸方向AD20における出力軸22の一部は、第2貫通孔12bを介してハウジング10の外部空間に突出する。
【0039】
本実施形態では、回転軸20は、出力軸22を含む。図3、および、図4に示されるように、出力軸22は、外周部23、および、内周部24を有する。外周部23は、回転中心軸心C20に関して第1直径D23aを有する第1外周部23aと、回転中心軸心C20に関して第1直径D23aよりも小さい第2直径D23bを有し、回転中心軸心C20に関する軸方向AD20において、第1外周部23aと互いに隣接し、回転伝達体27を取付可能な第2外周部23bと、を有する。第1外周部23aの第1直径D23aは、第2貫通孔12bの内径よりも小さい。
【0040】
第1外周部23aの少なくとも一部は、ハウジング10の内部空間13に配置される。第1外周部23aの少なくとも一部が内部空間13に配置されることによって、第1外周部23aの少なくとも一部をハウジング10によって保護できる。第2外周部23bの第2直径D23bが第1外周部23aの第1直径D23aよりも小さいため、第1外周部23aには、回転軸20の軸方向AD20に垂直な段差面23cが形成される。段差面23cは、軸方向AD20から見て円環状に形成される。
【0041】
第2外周部23bは、回転軸20の軸方向AD20において、第1外周部23aよりもハウジング10の内部空間13に対して遠い側に配置される。第2外周部23bの少なくとも一部は、ハウジング10の外部空間に配置される。本実施形態では、外周部23は、外セレーション23dをさらに有する。外セレーション23dは、回転軸20の径方向RD20において、第2外周部23bから径方向外側に延びるように形成される。外セレーション23dは、回転軸20の軸方向AD20において、段差面23cに対して間隔をあけて配置される。外セレーション23dは、ハウジング10の外部空間に配置される。
【0042】
内周部24の内径は、クランク軸21の外径よりも大きい。内周部24は、内ネジ24aを有する。内ネジ24aは、回転軸20の軸方向AD20において、出力軸22のうち、ハウジング10の内部空間13に対して遠い側の端部に形成される。
【0043】
クランク軸21と後輪とは、駆動機構によって連結される。後輪は、クランク軸21が回転することによって駆動される。駆動機構は、クランク軸21に連結される回転伝達体27を含む。回転伝達体27は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸21と回転伝達体27とは、一体回転するように連結されてもよく、図2に示されるワンウェイクラッチ25を介して連結されていてもよい。ワンウェイクラッチ25は、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、爪ラチェットクラッチ、または、フェイスチェットクラッチを含む。ワンウェイクラッチ25は、クランク軸21が前転した場合に、回転伝達体27を前転させ、クランク軸21が後転した場合に、クランク軸21と回転伝達体27との相対回転を許容するように構成される。
【0044】
ワンウェイクラッチ25は、人力駆動力の伝達経路において、クランク軸21と出力軸22との間に配置される。クランク軸21と、ワンウェイクラッチ25との間には、クランク軸21からワンウェイクラッチ25に人力駆動力を伝達するように構成される伝達軸26が設けられてもよい。例えば、伝達軸26は、中空軸によって形成され、クランク軸21と同軸に配置される。伝達軸26には、人力駆動力を検出するための検出部が設けられてもよい。人力駆動力を検出するための検出部は、伝達軸26の外周側に配置されてもよい。検出部は、ひずみセンサ、または、磁歪センサなどを含む。
【0045】
軸受け30は、第1軸受31、第2軸受32、および、第3軸受33を含む。第1軸受31は、ハウジング10の内部空間13、第1貫通孔11b、または、ハウジング10の内部空間13と第1貫通孔11bとの両方に配置される。第1軸受31は、ハウジング10に対してクランク軸21を回転可能に支持する。第2軸受32は、ハウジング10の内部空間13、第2貫通孔12b、または、ハウジング10の内部空間13と第2貫通孔12bとの両方に配置される。第2軸受32は、ハウジング10に対して出力軸22を回転可能に支持する。
【0046】
第3軸受33は、出力軸22の内周部24と、クランク軸21の外周部との間に配置される。出力軸22は、第3軸受33を介してクランク軸21を回転可能に支持する。第1軸受31、第2軸受32、および、第3軸受33は、それぞれ玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。本実施形態において、第1軸受31、および、第2軸受32は、ラジアルベアリングによって構成され、第3軸受33は、ニードルベアリングによって構成される。
【0047】
カバー部材40は、回転軸20の回転中心軸心C20まわりの外周部23に設けられる。カバー部材40は、ハウジング10に間隔をあけて、少なくとも一部がハウジング10の外部空間に配置され、軸方向AD20から見て、第1外周部23aと、ハウジング10のうち貫通孔11b,12bを定義する内周面11a,12a、の間の隙間を覆う。本実施形態では、カバー部材40は、第1外周部23aと、第2貫通孔12bを定義する第2内周面12aとの間の隙間を覆う。図4に示されるように、中間部材41は、カバー部材40の少なくとも一部を構成する。カバー部材40は、中間部材41から回転中心軸心C20に関する径方向外側に延びるように形成されるシール部材45を含む。
【0048】
図4、および、図5には、カバー部材40の一例が示される。カバー部材40は、中間部材41、および、シール部材45を含む。シール部材45、および、中間部材41は、円環形状を有する。出力軸22と、中間部材41と、シール部材45とは、同軸に配置される。
【0049】
図4に示されるように、中間部材41は、軸方向AD20において、第1外周部23aに接触する第1側面43と、軸方向AD20において、第1側面43とは反対側に配置され、回転伝達体27が第2外周部23bに取り付けられた状態において、回転伝達体27が接触可能に構成される第2側面44と、を有する。本実施形態では、中間部材41は、回転軸20の回転中心軸心C20まわりの外周部42をさらに有する。外周部42には、回転軸20の軸方向AD20において、ハウジング10の内部空間13に向かうにつれて、回転中心軸心C20に近づくように傾斜するテーパ面42aが形成される。本明細書においては、回転伝達体27が第2外周部23bに取り付けられた状態が、伝達体取付状態として記載される場合がある。
【0050】
第1側面43は、回転軸20の軸方向AD20において、中間部材41のうち、ハウジング10の内部空間13に近い側の端部に形成される。第1側面43は、軸方向AD20に対して直交する。第1側面43は、軸方向AD20から見て円環状に形成される。第1側面43の内径は、出力軸22の第1外周部23aの第1直径D23aよりも小さい。第1側面43の外径は、第1直径D23aよりも大きい。出力軸22と中間部材41とが同軸に配置され、第1側面43の内径が第1直径D23aよりも小さく、かつ、第1側面43の外径が第1直径D23aよりも大きいため、第1側面43の一部は、第1外周部23aの段差面23cと接触する。
【0051】
第2側面44は、軸方向AD20に対して直交する。第2側面44は、第1側面43に実質的に平行である。第2側面44は、軸方向AD20から見て円環状に形成される。第2側面44の内径は、第1側面43の内径と等しい。第2側面44の外径は、第1側面43の外径よりも大きい。
【0052】
中間部材41は、回転伝達体27を形成する材料よりも硬い材料によって形成される。中間部材41は、金属材料によって形成され、外周部23に設けられる。本実施形態では、中間部材41は、外周部23のうち、第2外周部23bに設けられる。例えば、中間部材41は、圧入によって第2外周部23bに設けられる。第2外周部23bのうち、外セレーション23dと、第1外周部23aとの間には、中間部材41が設けられる取付部23eが形成される。中間部材41は、取付部23eに圧入される。取付部23eの外径は、外セレーション23dの外径よりもわずかに大きい。回転軸20の回転中心軸心C20に関する取付部23eの外周面は円環状に形成される。取付部23eの外周面には、ローレットなどの凹凸が形成されてもよい。
【0053】
取付部23eと第1外周部23aとの間には、回転軸20の回転中心軸心C20に関して環状に形成される第1溝23fが形成される。取付部23eと外セレーション23dとの間には、回転中心軸心C20に関して環状に形成される第2溝23gが形成される。本実施形態では第2溝23gは、第1溝23fよりも深い。回転中心軸心C20において、取付部23eの長さは、中間部材41の長さよりも短い。回転中心軸心C20において、中間部材41の一方の端部は、回転中心軸心C20に関して垂直な方向において、第1溝23fと重なる。回転中心軸心C20において、中間部材41の他方の端部は、回転中心軸心C20に関して垂直な方向において、第2溝23gと重なる。回転中心軸心C20に関して取付部23eの両側に第1溝23f、および、第2溝23gが形成されることによって、取付部23eに中間部材41を圧入しやすくなる。中間部材41は、圧入とは異なる方法によって、第2外周部23bに設けられてもよい。
【0054】
回転伝達体27は、中間部材41よりも剛性の低い材料によって構成される。回転伝達体27は、例えば、軟質金属を含んで形成される。軟質金属は、例えば、アルミニウムを含む。本実施形態では、回転伝達体27は、アルミニウム合金によって形成される。回転伝達体27が軟質金属を含んで形成される場合、中間部材41は、例えば、硬質金属によって形成される。硬質金属は、例えば、鉄を含む。回転伝達体27は、軟質金属とは異なる種類の材料によって形成されてもよい。中間部材41は、硬質金属とは異なる種類の材料によって形成されてもよい。
【0055】
図4、および、図5に示されるシール部材45は、中間部材41とは別体に形成される。シール部材45は、樹脂材料によって形成される。樹脂材料は、合成樹脂であってもよく、ゴムなどの天然樹脂であってもよい。シール部材45は、中間部材41から回転中心軸心C20に関する径方向外側に延びるように形成される。シール部材45は、樹脂材料とは異なる材料によって形成されてもよい。シール部材45は、筒状部46、壁部47、および、突起部48を含む。筒状部46は、円筒状に形成される。筒状部46の内径は、中間部材41の外周部42の外径よりも大きい。筒状部46は、中間部材41の外周部42に取り付けられる。筒状部46のうち、回転軸20の回転中心軸心C20まわりの内周部46aは、回転軸20の径方向RD20において、中間部材41の外周部42と接触する。
【0056】
壁部47は、回転軸20の径方向RD20において、筒状部46から径方向外側に延びるように形成される。壁部47は、環状に形成される。壁部47は、例えば、回転軸20の軸方向AD20から見て、円環状に形成される。壁部47は、ハウジング10の第2側壁12に対して間隔をあけて配置される。
【0057】
突起部48は、回転軸20の軸方向AD20において、壁部47の径方向外側端部からハウジング10の内部空間13に向かって延びるように形成される。突起部48は、環状に形成される。突起部48は、例えば、回転軸20の軸方向AD20から見て、円環状に形成される。突起部48の少なくとも一部は、ハウジング10の溝12cの内部空間に配置される。突起部48は、軸方向AD20において、溝12cに対して間隔をあけて配置される。
【0058】
本実施形態では、カバー部材40によって、出力軸22の外周面と、ハウジング10の第2内周面12aと、の間の隙間が覆われるため、隙間からの水、泥、および、塵などの異物の侵入を抑制できる。突起部48と溝12cとによって、カバー部材40と溝12cとの間の隙間が曲がって、ラビリンス構造が形成されるため、異物の侵入をさらに抑制できる。
【0059】
シール部材45の筒状部46は、中間部材41の外周部42と係合するように構成される。本実施形態では、シール部材45の内周部46aは、第1係合部49を有する。中間部材41の外周部42は、第1係合部49に係合する第2係合部42bを有する。
【0060】
第1係合部49、および、第2係合部42bの一方は、回転中心軸心C20に関する径方向RD20において突出する少なくとも1つの凸部49a、または、回転中心軸心C20に関する径方向RD20において凹む少なくとも1つの凹部42cを含む。第1係合部49、および、第2係合部42bの他方は、回転中心軸心C20に関する径方向RD20において、第1係合部49、および、第2係合部42bの一方と係合する少なくとも1つの凸部49a、または、少なくとも1つの凹部42cを有する。少なくとも1つの凸部49aと、少なくとも1つの凹部42cとは、相補的な形状を有する。本実施形態では、少なくとも1つの凸部49aの外表面と、少なくとも1つの凹部42cの外表面とは、それぞれ曲面によって形成される。少なくとも1つの凸部49aの外表面と、少なくとも1つの凹部42cの外表面とが、それぞれ曲面によって形成されることによって、シール部材45を中間部材41に係合しやすくできる。
【0061】
図4に示されるように、本実施形態では、第1係合部49は、1つの凸部49aを含む。1つの凸部49aは、回転軸20の軸方向AD20から見て円環状に形成される。本実施形態では、第2係合部42bは、1つの凹部42cを有する。1つの凹部42cは、回転軸20の軸方向AD20から見て円環状に形成される。1つの凹部42cの内部空間には、1つの凸部49aの少なくとも一部が配置される。本実施形態では、1つの凹部42cの内部空間には、1つの凸部49aの全体が配置される。1つの凹部42cの内部空間に1つの凸部49aの少なくとも一部が配置されることによって、シール部材45に対して軸方向AD20に外力が作用する場合に、1つの凸部49aが1つの凹部42cに引っ掛かるため、中間部材41からシール部材45が外れ難い。
【0062】
第1係合部49、および、第2係合部42bの構成は、本実施形態に限定されない。例えば、少なくとも1つの凹部42c、および、少なくとも1つの凸部49aの組み合わせは、本実施形態に限定されない。例えば、第1係合部49は、少なくとも1つの凹部42cを含んでもよい。第1係合部49が少なくとも1つの凹部42cを含む場合、第2係合部42bは、少なくとも1つの凸部49aを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの凹部42c、および、少なくとも1つの凸部49aの形状は、本実施形態に限定されない。例えば、少なくとも1つの凹部42c、および、少なくとも1つの凸部49aは、回転軸20の軸方向AD20から見て円環の一部が切り欠かれる円弧状に形成されてもよい。
【0063】
例えば、少なくとも1つの凹部42c、および、少なくとも1つの凸部49aの数は、本実施形態に限定されない。例えば、中間部材41には、回転軸20の軸方向AD20、および、周方向CD20の少なくとも一方において、互いに間隔をあけて配置される複数の凹部42cが形成されてもよい。シール部材45は、軸方向AD20、および、周方向CD20の少なくとも一方において、互いに間隔をあけて配置される複数の凸部49aが形成されてもよい。複数の凹部42c、および、複数の凸部49aは、軸方向AD20から見て環状に形成される場合、軸方向AD20において互いに間隔をあけて配置されてもよい。複数の凹部42c、および、複数の凸部49aは、軸方向AD20から見て環状とは異なる形状に形成される場合、軸方向AD20、および、周方向CD20の少なくとも一方において、互いに間隔をあけて配置される。
【0064】
本実施形態では、カバー部材40のうち、シール部材45が樹脂材料によって形成されるため、中間部材41にシール部材45を取り付け易い。中間部材41にシール部材45を取り付け易いことによって、組立性を向上できる。中間部材41は、取付部23eに圧入されるので交換しにくいが、シール部材45は、容易に交換できる。カバー部材40のうち、シール部材45が樹脂材料によって形成されることによって、カバー部材40を軽量化できる。カバー部材40を軽量化できることによって、ドライブユニット2を軽量化できる。
【0065】
中間部材41、および、シール部材45は、互いに一体的に形成されてもよい。例えば、中間部材41、および、シール部材45は、インサート成形によって一体的に形成されてもよい。中間部材41、および、シール部材45は、同一材料によって形成されてもよい。中間部材41、および、シール部材45が同一材料によって形成される場合、中間部材41、および、シール部材45は、ワンピース部材として一体的に形成されてもよい。中間部材41、および、シール部材45は、ワンピース部材として形成される場合、シール部材45は、中間部材41と同じ金属材料によって形成される。
【0066】
図4が用いられ、出力軸22の第2外周部23bに回転伝達体27が取り付けられる伝達体取付状態が説明される。回転伝達体27は、伝達体取付状態において、出力軸22と同軸に配置される。回転伝達体27は、回転軸20の軸方向AD20において、カバー部材40に隣接する。回転伝達体27は、軸方向AD20において、カバー部材40よりもハウジング10の内部空間13に対して遠い側に配置される。回転伝達体27は、内セレーション27a、第1軸方向面27b、および、第2軸方向面27cを含む。
【0067】
内セレーション27aは、回転伝達体27のうち、回転軸20の回転中心軸心C20まわりの内周部に形成される。内セレーション27aは、出力軸22の外セレーション23dと係合する。内セレーション27aが外セレーション23dと係合することによって、回転伝達体27は、出力軸22と一体回転するように構成される。本実施形態では、外セレーション23dがハウジング10の外部空間に配置されるため、内セレーション27aが外セレーション27dに係合される際にハウジング10が邪魔になり難い。
【0068】
第1軸方向面27bは、回転軸20の軸方向AD20において、回転伝達体27のうち、カバー部材40側の端部に形成される。第1軸方向面27bは、軸方向AD20に対して直交する。第1軸方向面27bは、軸方向AD20から見て円環状に形成される。第1軸方向面27bの外径は、出力軸22の第1外周部23aの第1直径D23a、および、中間部材41の第1側面43の外径よりも大きい。第1軸方向面27bは、中間部材41の第2側面44と接触する。
【0069】
第2側面44のうち回転伝達体27と接触可能な第1接触面44aの面積は、第1側面43のうち第1外周部23aと接触する第2接触面43aの面積よりも大きい。第1接触面44a、および、第2接触面43aは、軸方向AD20から見て円環状に形成される。第1接触面44aの外径は、第2接触面43aの外径よりも大きい。第1接触面44aの内径は、第2接触面43aの内径よりも大きい。第1接触面44aは、第2接触面43aに実質的に平行である。第1接触面44a、および、第2接触面43aは、軸方向AD20に対して直交する。
【0070】
第2軸方向面27cは、回転軸20の軸方向AD20において、回転伝達体27のうち、第1軸方向面27bとは反対側に形成される。第2軸方向面27cは、軸方向AD20に対して直交する。第2軸方向面27cは、第1軸方向面27bに実質的に平行である。第2軸方向面27cは、軸方向AD20から見て円環状に形成される。第2軸方向面27cは、軸方向AD20において、ロックリング28と接触する。
【0071】
ロックリング28は、回転伝達体27を出力軸22に固定するように構成される。ロックリング28は、リング筒状部28a、外ネジ28b、および、径方向延出部28cを含む。リング筒状部28aは、円筒状に形成される。リング筒状部28aは、伝達体取付状態において、出力軸22と同軸に配置される。外ネジ28bは、リング筒状部28aの外周面に形成される。外ネジ28bは、出力軸22の内ネジ24aと螺合するように構成される。外ネジ28bは、回転軸20の軸方向AD20において、リング筒状部28aのうち、カバー部材40に近い側に形成される。
【0072】
径方向延出部28cは、回転軸20の径方向RD20において、リング筒状部28aから径方向外側に延びるように形成される。径方向延出部28cは、回転軸20の軸方向AD20において、リング筒状部28aのうち、外ネジ28bとは反対側に形成される。径方向延出部28cは、軸方向AD20から見て円環状に形成される。径方向延出部28cの外径は、出力軸22の第2外周部23bの外径よりも大きい。伝達体取付状態における軸方向AD20において、回転伝達体27は、カバー部材40、および、径方向延出部28cの間に配置される。
【0073】
伝達体取付状態において、ロックリング28の外ネジ28bは、出力軸22の内ネジ24aに螺合される。外ネジ28bが内ネジ24aに螺合される状態において、径方向延出部28cは、回転伝達体27の第2軸方向面27cに接触する。外ネジ28bが内ネジ24aに螺合されることによって、ロックリング28に軸力が生じる。ロックリング28の軸力によって、回転伝達体27は、回転軸20の軸方向AD20において、カバー部材40の第2側面44に第1軸方向面27bが押し付けられ、出力軸22の第2外周部23bに固定される。
【0074】
本実施形態では、第1接触面44aの面積が第2接触面43aの面積よりも大きいため、第1軸方向面27bが第1外周部23aの段差面23cに押し付けられる場合よりも、回転伝達体27に作用する面圧を低くできる。回転伝達体27に作用する面圧を低くできることによって、回転伝達体27の変形を抑制できる。
【0075】
中間部材41の第1側面43は、伝達体取付状態において、ロックリング28の軸力によって、第1外周部23aの段差面23cに押し付けられる。本実施形態では、回転伝達体27よりも硬い材料によって中間部材41が形成されるため、第2接触面43aの面積が第1接触面44aの面積よりも小さくても、中間部材41の変形を抑制できる。
【0076】
第2接触面43aの面積、および、出力軸22の小径化の関係が説明される。出力軸22の第1外周部23aの第1直径D23aが中間部材41の第1側面43の外径よりも小さくなるほど、第2接触面43aの面積は、減少する。第2接触面43aの面積が減少すると、伝達体取付状態において中間部材41に作用する面圧が高くなる。
【0077】
本実施形態では、回転伝達体27よりも硬い材料によって中間部材41が形成されるため、中間部材41に作用する面圧が高くなっても中間部材41が変形し難い。中間部材41に作用する面圧が高くなっても中間部材41が変形し難いことによって、第1直径D23aが第1側面43の外径よりも小さくなるまで出力軸22を小径化できる。出力軸22を小径化できることによって、組付性を向上できる。例えば、ハウジング10に出力軸22を挿通し易くできるため、組付性を向上できる。出力軸22を小径化できることによって、ドライブユニット2を軽量化できるため、ドライブユニット2を人力駆動車に装着し易くできる。
【0078】
図2が用いられ、電気モータ50、および、減速機60が説明される。電気モータ50は、人力駆動車に推進力を付与するように構成される。電気モータ50は、例えば出力軸22を介して人力駆動車の後輪に回転力を伝達するように構成される。電気モータ50は、ハウジング10に設けられる。電気モータ50は、ハウジング10の内部空間13に配置される。電気モータ50は、モータ出力軸51を含む。
【0079】
モータ出力軸51は、回転軸20の回転中心軸心C20とは異なる回転中心軸心C51を有する。モータ出力軸51の回転中心軸心C51は、回転軸20の回転中心軸心C20と実質的に平行である。モータ出力軸51は、例えば、金属材料によって形成される。モータ出力軸51は、一対の第6軸受36を介してハウジング10に対して回転可能にハウジング10に支持される。第6軸受36は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0080】
減速機60は、電気モータ50、および、出力軸22を連結するように構成される。減速機60は、ハウジング10に設けられる。減速機60は、ハウジング10の内部空間13に配置される。減速機60は、第1回転体61、第1減速回転軸62、第2回転体63、第3回転体64、第2減速回転軸65、第4回転体66、第5回転体67、および、第6回転体68を含む。
【0081】
第1回転体61は、出力軸22と一体回転するように、出力軸22に設けられる。第1回転体61、および、出力軸22は、例えば、互いに同一の金属材料によって形成される。第1回転体61と、出力軸22とは、例えば、ワンピース部材として一体的に形成される。第1回転体61、および、出力軸22は、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。第1回転体61は、例えば、樹脂材料によって形成されてもよい。
【0082】
第1減速回転軸62は、回転軸20の回転中心軸心C20、および、モータ出力軸51の回転中心軸心C51とは異なる回転中心軸心C62を有する。第1減速回転軸62の回転中心軸心C62は、回転軸20の回転中心軸心C20、および、モータ出力軸51の回転中心軸心C51と実質的に平行である。第1減速回転軸62は、一対の第4軸受34を介して、ハウジング10に対して回転可能にハウジング10に支持される。第1減速回転軸62は、例えば、金属材料によって形成される。一対の第4軸受34は、第1減速回転軸62の回転中心軸心C62に関する軸方向において、第1減速回転軸62の軸方向両端部をそれぞれ支持する。一対の第4軸受34は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0083】
第2回転体63は、ワンウェイクラッチ63aを介して、第1減速回転軸62に設けられる。第2回転体63は、第1回転体61に直接、または、リング部材を介して接続される。本実施形態では、第1回転体61、および、第2回転体63は、外周部にギア歯が設けられる歯車を含む。第1回転体61のギア歯、および、第2回転体63のギア歯が噛み合うことによって、第1回転体61、および、第2回転体63が直接接続される。
【0084】
ワンウェイクラッチ63aは、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、爪ラチェットクラッチ、または、フェイスチェットクラッチを含む。ワンウェイクラッチ63aは、第1減速回転軸62が第1回転方向に回転する場合に、第2回転体63を回転させ、第1減速回転軸62が第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転する場合に、第1減速回転軸62と第2回転体63との相対回転を許容するように構成される。ワンウェイクラッチ63aは、第1減速回転軸62と第2回転体63との間ではなく、第1減速回転軸62と第3回転体64との間に設けられてもよい。
【0085】
第1回転体61、および、第2回転体63は、プーリを含んでもよい。第1回転体61、および、第2回転体63は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。リング部材は、例えば、チェーン、および、ベルトを含む。第1回転体61、および、第2回転体63は、例えば、第1回転体61、および、第2回転体63に係合するチェーンによって、間接的に接続されてもよい。第1回転体61、および、第2回転体63がプーリを含む場合、第1回転体61、および、第2回転体63は、例えば、第1回転体61、および、第2回転体63に周回されるベルトによって、間接的に接続されてもよい。
【0086】
第3回転体64は、第1減速回転軸62と一体回転するように構成される。第3回転体64は、例えば、樹脂材料、または、金属材料によって形成される。第3回転体64、および、第1減速回転軸62は、別体に形成され、相対回転不能に固定される。第3回転体64、および、第1減速回転軸62は、ワンピース部材として一体的に形成されてもよい。第2回転体63、および、第3回転体64は、第1減速回転軸62の軸方向において、一対の第4軸受34の間に配置される。
【0087】
第2減速回転軸65は、回転軸20の回転中心軸心C20、モータ出力軸51の回転中心軸心C51、および、第1減速回転軸62の回転中心軸心C62とは異なる回転中心軸心C65を有する。第2減速回転軸65の回転中心軸心C65は、回転軸20の回転中心軸心C20、モータ出力軸51の回転中心軸心C51、および、第1減速回転軸62の回転中心軸心C62と実質的に平行である。第2減速回転軸65は、一対の第5軸受35を介して、ハウジング10に対して回転可能にハウジング10に支持される。一対の第5軸受35は、第2減速回転軸65の回転中心軸心C65に関する軸方向において、第2減速回転軸65の軸方向両端部をそれぞれ支持する。第5軸受35は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0088】
第4回転体66は、第2減速回転軸65と一体回転するように、第2減速回転軸65に設けられる。第4回転体66と、第2減速回転軸65とは、例えば、ワンピース部材として一体的に形成される。第4回転体66は、第3回転体64に直接、または、リング部材を介して接続される。本実施形態では、第3回転体64、および、第4回転体66は、外周部にギア歯が設けられる歯車を含む。第3回転体64のギア歯、および、第4回転体66のギア歯が噛み合うことによって、第3回転体64、および、第4回転体66が直接接続される。
【0089】
第3回転体64、および、第4回転体66は、プーリを含んでもよい。第3回転体64、および、第4回転体66は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。リング部材は、例えば、チェーン、および、ベルトを含む。第3回転体64、および、第4回転体66は、例えば、第3回転体64、および、第4回転体66に係合するチェーンによって、間接的に接続されてもよい。第3回転体64、および、第4回転体66がプーリを含む場合、第3回転体64、および、第4回転体66は、例えば、第3回転体64、および、第4回転体66に周回されるベルトによって、間接的に接続されてもよい。
【0090】
第5回転体67は、第2減速回転軸65と一体回転するように構成される。第5回転体67は、例えば、樹脂材料、または、金属材料によって形成される。第5回転体67、および、第2減速回転軸65は、別体に形成され、相対回転不能に固定される。第5回転体67、および、第2減速回転軸65は、ワンピース部材として一体的に形成されてもよい。第4回転体66、および、第5回転体67は、第2減速回転軸65の軸方向において、一対の第5軸受35の間に配置される。
【0091】
第6回転体68は、電気モータ50のモータ出力軸51と一体回転するように、モータ出力軸51に設けられる。第6回転体68は、例えば、金属材料によって形成される。第6回転体68と、モータ出力軸51とは、例えば、ワンピース部材として一体的に形成される。第6回転体68、および、モータ出力軸51は、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。第6回転体68は、例えば、樹脂材料によって形成されてもよい。
【0092】
第6回転体68は、第5回転体67に直接、または、リング部材を介して接続される。本実施形態では、第5回転体67、および、第6回転体68は、外周部にギア歯が設けられる歯車を含む。第5回転体67のギア歯、および、第6回転体68のギア歯が噛み合うことによって、第5回転体67、および、第6回転体68が直接接続される。
【0093】
第5回転体67、および、第6回転体68は、プーリを含んでもよい。第5回転体67、および、第6回転体68は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。リング部材は、例えば、チェーン、および、ベルトを含む。第5回転体67、および、第6回転体68は、例えば、第5回転体67、および、第6回転体68に係合するチェーンによって、間接的に接続されてもよい。第5回転体67、および、第6回転体68がプーリを含む場合、第5回転体67、および、第6回転体68は、例えば、第5回転体67、および、第6回転体68に周回されるベルトによって、間接的に接続されてもよい。減速機60の構成は、本実施形態に限定されない。減速機60は、例えば、1対の回転体のみを含む構成であってもよく、2対の回転体のみを含む構成であってもよく、遊星歯車機構を含む構成であってもよい。
【0094】
電気モータ50が駆動される場合、電気モータ50の回転力が減速機60を介して出力軸22に伝達されるため、モータ出力軸51の回転速度に対して出力軸22の回転速度が減少する。減速機60は、ギアアセンブリ70を含む。ギアアセンブリ70は、第1回転体61から第6回転体68のうち、少なくとも2つの回転体を含む。本実施形態では、ギアアセンブリ70は、第4回転体66、および、第5回転体67を含む。図2図6から図9が用いられ、減速機60に含まれるギアアセンブリ70が説明される。図6では、第1ギア歯75および第2ギア歯84aは簡略化して示される。
【0095】
ギアアセンブリ70は、人力駆動車用のギアアセンブリであって、回転中心軸心C71を有し、金属材料によって形成される軸部材71と、回転中心軸心C71に関する軸方向AD71における軸部材71の第1部分72において、回転中心軸心C71まわりにおける第1外周部72aに、軸部材71と一体に形成され、かつ、金属材料によって形成される第1ギア歯75を有する第1ギア74と、軸方向AD71において、軸部材71の第1部分72に隣接する第2部分73において、回転中心軸心C71まわりにおける第2外周部73aに、軸部材71に接触し、かつ、樹脂材料によって形成される第2ギア歯84aを有する第2ギア80と、軸部材71に接触し、回転中心軸心C71に関する径方向RD71において、第2ギア80と軸部材71との間に少なくとも一部が配置される環状部材76と、を備える。
【0096】
本実施形態では、軸部材71は、図2に示される第2減速回転軸65を含む。第1ギア74は、第4回転体66を含む。第2ギア80は、第5回転体67を含む。図6、および、図7には、ギアアセンブリ70の一例が示される。ギアアセンブリ70は、軸部材71、第1ギア74、環状部材76、および、第2ギア80を含む。
【0097】
軸部材71は、円筒状に形成される。本実施形態では、軸部材71の軸方向AD71において、軸部材71の軸方向一側が第1部分72として形成される。軸部材71の軸方向AD71において、軸部材71の軸方向他側が第2部分73として形成される。第1部分72の第1外周部72aは、第1小径部72b、および、第1大径部72cを含む。
【0098】
第1小径部72bは、軸部材71の軸方向AD71において、軸部材71のうち、軸方向一端部に形成される。第1小径部72bの外径は、図2に示される一対の第5軸受35の一方の内径よりも小さい。第1小径部72bは、一対の第5軸受35の一方に支持される。第1大径部72cは、第1外周部72aのうち、第1小径部72bとは異なる部分に形成される。第1大径部72cの外径は、第1小径部72bの外径よりも大きい。
【0099】
第2部分73の第2外周部73aは、第2小径部73b、第2大径部73c、中間部73d、および、外セレーション73eを含む。第2小径部73bは、軸部材71の軸方向AD71において、軸部材71のうち、軸方向他端部に形成される。第2小径部73bの外径は、図2に示される一対の第5軸受35の他方の内径よりも小さい。第2小径部73bは、一対の第5軸受35の他方に支持される。
【0100】
第2大径部73cは、軸部材71の軸方向AD71において、第2小径部73bに対して間隔をあけて配置される。第2大径部73cの外径は、第2小径部73bの外径よりも大きい。第2大径部73cは、軸部材71の軸方向AD71において、第1外周部72aの隣に配置される。
【0101】
中間部73dは、軸部材71の軸方向AD71において、第2小径部73b、および、第2大径部73cの間に配置される。中間部73dの外径は、第2小径部73bの外径よりも大きい。中間部73dの外径は、第2大径部73cの外径よりも小さい。外セレーション73eは、軸部材71の回転中心軸心C71に関する径方向RD71において、中間部73dから径方向外側に延びるように形成される。
【0102】
第1ギア74は、例えば、軸部材71と同一の金属材料によって形成される。軸部材71、および、第1ギア74を形成する金属材料は、例えば、鉄を含む。軸部材71、および、第1ギア74は、ワンピース部材によって一体に形成される。軸部材71を形成する材料、および、第1ギア74を形成する材料は、本実施形態に限定されない。
【0103】
例えば、軸部材71、および、第1ギア74は、鉄とは異なる金属材料によって形成されてもよい。軸部材71、および、第1ギア74は、互いに異なる金属材料によって形成されてもよい。軸部材71、および、第1ギア74が互いに異なる金属材料によって形成される場合、軸部材71、および、第1ギア74は、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。
【0104】
第1ギア74の第1ギア歯75は、軸部材71の径方向RD71において、軸部材71の第1外周部72aから径方向外側に延びるように形成される。本実施形態では、第1ギア歯75は、第1外周部72aの第1大径部72cから径方向外側に延びるように形成される。第1ギア歯75は、軸部材71の軸方向AD71において、第1大径部72cの軸方向一端部、および、軸方向他端部に達する。第1ギア歯75は、例えば、スパーギアを含む。第1ギア歯75は、軸部材71の回転中心軸心C71に関する周方向CD71に間隔をあけて複数配置される。図6、および、図8において、第1ギア歯75は、図面の簡略化のために、第1大径部72cの全周を覆う円環状に記載される。第1ギア歯75は、スパーギアとは異なるギアを含んでもよい。例えば、第1ギア歯75は、ヘリカルギアを含んでもよい。
【0105】
図7、および、図8に示される環状部材76は、軸部材71の軸方向AD71から見て円環状に形成される。環状部材76は、軸部材71と同軸に配置される。環状部材76は、例えば、金属材料によって形成される。環状部材76は、例えば、鉄によって形成される。環状部材76は、鉄とは異なる金属材料によって形成されてもよい。図6、および、図7に示されるように、環状部材76は、第2外周部73aの第2大径部73cに設けられる。環状部材76は、例えば、第2大径部73cに圧入されることによって、第2大径部73cに設けられる。環状部材76は、軸部材71の軸方向AD71において、第1ギア74と隣接する。環状部材76は、圧入とは異なる方法によって、第2外周部73aに設けられてもよい。
【0106】
環状部材76は、軸部材71の軸方向AD71に関する第1軸方向端77、および、第2軸方向端78を含む。環状部材76は、突出部79をさらに含む。第1軸方向端77は、環状部材76のうち、軸部材71の軸方向AD71において、第1ギア74に近い側の端部に形成される。第1軸方向端77は、第1ギア74に接触する。
【0107】
第2軸方向端78は、軸部材71の軸方向AD71において、環状部材76のうち、第1軸方向端77とは反対側に形成される。第2軸方向端78は、第2ギア80に接触する。環状部材76は、軸方向AD71において、第1ギア74、および、第2ギア80の境界部分に配置される。
【0108】
突出部79は、軸部材71の軸方向において、第2大径部73cから第2小径部73bに向かって突出するように形成される。突出部79は、軸部材71の径方向RD71において、中間部73dよりも径方向外側に間隔をあけて配置される。
【0109】
環状部材76の外周面の半径を示す環状部材外半径L76aは、軸部材71の回転中心軸心C71から第1ギア歯75の歯先までの軸部材71の径方向RD71に沿う長さを示す第1ギア歯径方向長さL75よりも大きい。環状部材76の内周面の半径を示す環状部材内半径L76bは、第1ギア歯径方向長さL75よりも小さい。
【0110】
本実施形態では、軸部材71、および、環状部材76が同軸に配置され、環状部材外半径L76aが第1ギア歯径方向長さL75よりも大きいため、図8に示されるように、第1ギア74は、軸方向AD71から見て、環状部材76よりも径方向内側に配置される。図7に示されるように、第1ギア74の第1ギア歯75は、軸方向AD71の一方の端部が環状部材76に接触する。本実施形態では、第1ギア歯75の軸方向AD71の一方の端部は、環状部材76のうち、第1軸方向端77に接触する。
【0111】
第1ギア歯75の軸方向AD71の一方の端部が第1軸方向端77に接触することによって、軸方向AD71において、第1ギア歯75を第2ギア歯84aに対して近い位置に配置できる。第1ギア歯75を第2ギア歯84aに対して近い位置に配置できることによって、軸部材71の軸方向AD71の長さを短くできるため、ギアアセンブリ70を小型化できる。
【0112】
図6、および、図7に示される第2ギア80は、軸部材71と同軸に配置される。第2ギア80は、小径筒状部81、大径筒状部84、および、径方向延出部85を含む。小径筒状部81は、円筒状に形成される。小径筒状部81は、軸部材71の径方向RD71において、第2ギア80の径方向内側に形成される。小径筒状部81は、第1小径筒状部82、および、第2小径筒状部83を含む。
【0113】
第1小径筒状部82は、円筒状に形成される。第1小径筒状部82は、軸部材71の第2部分73の中間部73dに設けられる。第1小径筒状部82の一部は、軸部材71の径方向RD71において、環状部材76の突出部79、および、中間部73dの間に配置される。環状部材76の突出部79、および、中間部73dの間に第1小径筒状部82の一部が配置されることによって、第2ギア80に対して径方向RD71の外力が作用する場合に、環状部材76の突出部79に第2ギア80の第1小径筒状部82が引っ掛かる。突出部79に第1小径筒状部82が引っ掛かることによって、第2ギア80が軸部材71から外れ難い。
【0114】
第1小径筒状部82は、内セレーション82aを含む。内セレーション82aは、第1小径筒状部82の内周面に形成される。内セレーション82aは、軸部材71の外セレーション73eと係合する。内セレーション82aが外セレーション73eと係合することによって、第2ギア80は、軸部材71と一体回転するように構成される。第2小径筒状部83は、円筒状に形成される。第2小径筒状部83は、環状部材76を介して、軸部材71の第2部分73の第2大径部73cに設けられる。
【0115】
大径筒状部84は、円筒状に形成される。大径筒状部84の外径、および、内径は、環状部材76の外径、第1小径筒状部82の外径、および、第2小径筒状部83の外径よりも大きい。大径筒状部84は、軸部材71の径方向RD71において、小径筒状部81よりも径方向外側に配置される。本実施形態では、大径筒状部84に第2ギア歯84aが設けられる。
【0116】
第2ギア歯84aは、軸部材71の径方向RD71において、大径筒状部84から径方向外側に延びるように形成される。第2ギア歯84aは、軸部材71の軸方向AD71において、大径筒状部84の軸方向一端部、および、軸方向他端部に達する。第2ギア歯84aは、例えば、ヘリカルギアを含む。第2ギア歯84aは、軸部材71の周方向CD71に間隔をあけて複数配置される。図6、および、図8において、第2ギア歯84aは、図面の簡略化のために、大径筒状部84の外周面の全周を覆う円環状に記載される。第2ギア歯84aは、ヘリカルギアとは異なるギアを含んでもよい。例えば、第2ギア歯84aは、スパーギアを含んでもよい。
【0117】
径方向延出部85は、軸部材71の径方向RD71において、小径筒状部81から径方向外側に延びるように形成される。径方向延出部85は、径方向RD71において、小径筒状部81、および、大径筒状部84に達する。径方向延出部85は、軸部材71の軸方向AD71から見て円環状に形成される。径方向延出部85は、複数のリブ85aを含む。
【0118】
複数のリブ85aは、径方向延出部85から軸方向AD71に膨らむように形成される。複数のリブ85aは、軸部材71の径方向RD71に延びるように形成される。図8に示されるように、複数のリブ85aは、軸部材71の周方向CD71において、互いに間隔をあけて形成される。複数のリブ85aは、軸部材71の軸方向AD71において、径方向延出部85の軸方向一側、および、軸方向他側にそれぞれ形成される。複数のリブ85aによって、第2ギア80のたわみを低減できる。
【0119】
本実施形態では、軸部材71、第2ギア80、および、環状部材76は、インサート成形によって互いに一体的に形成される。図9が用いられ、インサート成形の一例が説明される。
【0120】
インサート成形において、第1外周部72aに第1ギア74が設けられ、かつ、第2大径部73cに環状部材76が圧入される軸部材71が、金型Dに挿入される。金型Dには、軸部材71の第2外周部73aに第2ギア80を形成するための内部空間D1が形成される。金型Dは、固定型D10、および、可動型D20を含む。
【0121】
可動型D20は、固定型D10に対して相対移動するように構成される。可動型D20が固定型D10と当接することによって、金型Dに内部空間D1が形成される。可動型D20は、収容部D21、および、接触部D22を含む。
【0122】
収容部D21は、軸部材71が金型Dに挿入される挿入状態において、第1ギア74を収容するように形成される。収容部D21は、例えば、挿入状態における軸部材71の軸方向AD71から見て、円状に形成される。収容部D21の半径は、第1ギア歯径方向長さL75よりも大きい。軸部材71は、挿入状態において、回転中心軸心C71が収容部D21の中心を通るように配置される。軸部材71の回転中心軸心C71が収容部D21の中心を通り、かつ、収容部D21の半径が第1ギア歯径方向長さL75よりも大きいため、収容部D21、および、第1ギア歯75の間には、クリアランスCが形成される。
【0123】
接触部D22は、挿入状態における軸部材71の径方向RD71において、収容部D21から径方向外側に延びるように形成される。接触部D22は、挿入状態における軸方向AD71から見て、円環状に形成される。接触部D22は、挿入状態における軸方向AD71において、環状部材76の第1軸方向端77と接触する。
【0124】
挿入状態において、金型Dの内部空間D1には、第2ギア80を形成する樹脂材料が充填される。本実施形態では、接触部D22が環状部材76の第1軸方向端77と接触するため、軸部材71の第2外周部73aから第1外周部72aに樹脂材料が漏れることを抑制できる。環状部材76を利用して樹脂材料の漏れを抑制することによって、軸部材71、および、第2ギア80を簡単に連結できる。例えば、第1ギア74の第1ギア歯75に噛み合う内歯部を可動型D20の収容部D21に形成しなくても、軸部材71、および、第2ギア80を連結できる。軸部材71、および、第2ギア80を簡単に連結できることによって、組立性を向上できる。ギアアセンブリ70の組立性を向上できることによって、ギアアセンブリ70を備えるドライブユニット2において、組立性を向上できる。
【0125】
接触部D22、および、環状部材76は、挿入状態における軸部材71の軸方向AD71から見て環状に形成されるため、挿入状態において、環状部材76、および、可動型D20の間に隙間が生じ難い。挿入状態において、環状部材76、および、可動型D20の間に隙間が生じ難いことによって、第2外周部73aから第1外周部72aに樹樹脂材料が漏れることを効果的に抑制できる。第2外周部73aから第1外周部72aに樹樹脂材料が漏れることを効果的に抑制できることによって、バリの発生を抑制し、ギアアセンブリ70の品質を向上できる。
【0126】
金型Dの内部空間D1に充填される第2ギア80の樹脂材料は、硬化される。樹脂材料が硬化されることによって、軸部材71、第2ギア80、および、環状部材76は、インサート成形によって互いに一体的に形成される。軸部材71、第2ギア80、および、環状部材76がインサート成形によって形成されるため、第2ギア80は、軸部材71、および、環状部材76から外れ難い。
【0127】
第2ギア80は、アニール処理されてもよい。アニール処理によって、第2ギア80の残留応力を低減できるため、第2ギア80の品質を向上できる。インサート成形において、金型D、軸部材71、および、環状部材76は、プレヒートされてもよい。金型D、軸部材71、および、環状部材76がプレヒートされることによって、金型D、軸部材71、および、環状部材76に樹脂材料が触れても硬化し難くなるため、金型Dの内部空間D1の全域に樹脂材料が行きわたり易くなる。内部空間D1の全域に樹脂材料が行きわたり易くなることによって、第2ギア80を精度よく成形できる。
【0128】
(変形例)
本実施形態に関する説明は、本発明が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0129】
例えば、本実施形態におけるコンポーネント1の構成は一例であり、コンポーネント1は、本実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、本実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。例えば、コンポーネント1は、図2に示される減速機60を含まない構成としてもよい。
【0130】
例えば、本実施形態におけるカバー部材40の構成は一例であり、カバー部材40は、本実施形態において示されない各種部材を含んでいてもよく、本実施形態において示す各種部材のうち一部を含まない構成としてもよい。例えば、カバー部材40は、図4、および、図5に示される中間部材41、および、シール部材45のうち、中間部材41のみを含む構成としてもよい。
【0131】
中間部材41、および、シール部材45は、例えば、円環状とは異なる形状に形成されてもよい。例えば、第1接触面44aは、第2接触面43aと実質的に平行でなくてもよい。第1接触面44a、および、第2接触面43aは、回転軸20の軸方向AD20に対して直交しなくてもよい。第1接触面44a、および、第2接触面43aは、軸方向AD20から見て円環状とは異なる形状に形成されてもよい。
【0132】
例えば、本実施形態におけるギアアセンブリ70の構成は一例であり、ギアアセンブリ70は、本実施形態において示されない各種部材を含んでいてもよく、本実施形態において示す各種部材のうち一部を含まない構成としてもよい。
【0133】
例えば、図6、および、図7に示されるギアアセンブリ70の軸部材71、第2ギア80、および、環状部材76は、インサート成形とは異なる方法によって一体的に形成されてもよい。例えば、軸部材71、および、第2ギア80は、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。例えば、第1ギア74は、軸部材71の軸方向AD71から見て、環状部材76よりも軸部材71の径方向RD71における外側に配置されてもよい。第1ギア74は、軸部材71の軸方向AD71において、環状部材76に対して間隔をあけて配置されてもよい。
【0134】
例えば、ギアアセンブリ70の環状部材76は、多極着磁される磁石によって構成されてもよい。多極着磁される磁石によって環状部材76が構成される場合、環状部材76は、例えば、プラスチックマグネットによって形成される。プラスチックマグネットは、例えば、鉄によって形成される環状の部材が、樹脂によって抱え込まれる構造を含む。多極着磁される磁石によって環状部材76が構成されることによって、環状部材76の回転数を検出部によって検出できるため、ギアアセンブリ70の回転数を把握できる。
【0135】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0136】
1…コンポーネント、2…ドライブユニット、10…ハウジング、11a,12a…内周面、11b,12b…貫通孔、13…内部空間、20…回転軸、23…外周部、23a…第1外周部、23b…第2外周部、27…回転伝達体、30…軸受け、40…カバー部材、41…中間部材、42b…第2係合部、42c…凹部、43…第1側面、43a…第1接触面、44…第2側面、44a…第2接触面、45…シール部材、49…第1係合部、49a…凸部、50…電気モータ50、60…減速機60、70…ギアアセンブリ、71…軸部材、72…第1部分、72a…第1外周部、73…第2部分、73a…第2外周部、74…第1ギア、75…第1ギア歯、80…第2ギア、84a…第2ギア歯、76…環状部材、AD20,AD71…軸方向、C20,C71…回転中心軸心、D23a…第1直径、D23b…第2直径、RD71…径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9