(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168597
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ゲーム機、ゲームカードの真贋判定方法、コンピュータプログラム、及びゲームカード
(51)【国際特許分類】
A63F 13/73 20140101AFI20241128BHJP
B42D 25/22 20140101ALI20241128BHJP
B42D 25/305 20140101ALI20241128BHJP
B42D 25/382 20140101ALI20241128BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20241128BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20241128BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241128BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20241128BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20241128BHJP
G06K 19/10 20060101ALI20241128BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241128BHJP
G06V 10/77 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
A63F13/73
B42D25/22
B42D25/305
B42D25/382
A63F13/20 A
A63F13/95 A
G06K7/10 372
G06K7/14 017
G06K19/06 037
G06K19/10
G06T7/00 300F
G06V10/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085418
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 馨
【テーマコード(参考)】
2C005
5L096
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HB06
2C005JA16
2C005JB12
2C005JB19
2C005JB22
5L096BA20
5L096DA02
5L096FA23
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】ゲーム機、ゲームカードの真贋判定方法、コンピュータプログラム、及びゲームカードの提供。
【解決手段】真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及びパターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得する取得部と、取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出する抽出部と、撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取る読取部と、判定値と検証値とを比較して、ゲームカードの真贋を判定する判定部と、真と判定した場合、読取部が読み取ったゲーム情報に基づき、ゲームを実行する実行部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得する取得部と、
取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出する抽出部と、
前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取る読取部と、
前記抽出部が抽出した判定値と、前記読取部が読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定する判定部と、
前記判定部が前記ゲームカードを真と判定した場合、前記読取部が読み取ったゲーム情報に基づき、ゲームを実行する実行部と
を備えるゲーム機。
【請求項2】
前記パターンは、同心円状のパターンである
請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記パターンは、複数種の同心円状のパターンを含む
請求項1に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記パターンと前記情報コードとを同一の領域内に形成してある
請求項1に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記抽出部は、前記パターンの特徴量から前記判定値を抽出する
請求項2に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記抽出部は、前記パターンを周波数解析することにより、前記特徴量を導出する
請求項5に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記抽出部は、前記パターンの画像からフーリエ変換画像を生成し、生成したフーリエ変換画像に現れる円弧の半径を前記特徴量として導出する
請求項5に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記パターンを、前記情報コードを基準として特定される位置に配置してある
請求項1に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記パターン及び前記情報コードの少なくとも一方を、特殊光を吸収又は反射するインクにより前記ゲームカードに印刷してある
請求項1から請求項8の何れか1つに記載のゲーム機。
【請求項10】
真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得し、
取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出し、
前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取り、
抽出した判定値と、読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定し、
判定結果を出力する
処理をコンピュータにより実行するゲームカードの真贋判定方法。
【請求項11】
真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得し、
取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出し、
前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取り、
抽出した判定値と、読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定し、
判定結果を出力する
処理をコンピュータにより実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有し、
前記パターンから抽出される判定値と、前記情報コードから読み取られる検証値とに基づき真贋判定を行い、真と判定した場合、前記情報コードから読み取られるゲーム情報に基づいてゲームを実行するゲーム機に用いられる、ゲームカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、ゲームカードの真贋判定方法、コンピュータプログラム、及びゲームカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲームカードに印刷された情報コードを読み取り、情報コードから読み取った情報に応じて特定のキャラクタを登場させたり、特定のシナリオを進めたりするアーケード型のゲーム機が遊技店等に設置されている。
【0003】
このようなゲーム機にはコード読取装置が搭載されている。コード読取装置には、バーコードなどの一次元コードを読み取るコードリーダや、QRコード(登録商標)などの二次元コードを読み取るコードリーダなどが含まれる。コードリーダは、一次元コードや二次元コードなどの情報コードから光学情報を取得する光学センサ(撮像素子など)を備え、当該光学センサから出力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号をデコードすることにより、情報コードを読み取る。
【0004】
ゲーム機でのゲームプレイにより排出されるゲームカードは、希少性やコレクション要素としての観点から、価値があるものとなっており、偽造品が問題になっている。
【0005】
特許文献1には、ゲームカードに真偽識別マークとしてホログラムを備え、ホログラムを撮影した画像からゲームカードの真贋判定を行う手法が開示されてている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている手法では、所定の視差角をもって2方向から同時に撮像可能な撮像手段をゲーム機が備えている必要がある。撮像方向が1方向に限られている場合において、ゲームカードの真偽識別が不可能となる。また、異なる2方向から見た際に異なる2つの画像が視認可能となるホログラムを添付する必要があり、一般的に印刷のみで製造されるゲームカードにおいて、単価が高くなるという問題点を有する。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ゲームカードに印刷された真贋判定用のパターンに基づき真贋判定を行えるゲーム機、ゲームカードの真贋判定方法、コンピュータプログラム、及びゲームカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係るゲーム機は、真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得する取得部と、取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出する抽出部と、前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取る読取部と、前記抽出部が抽出した判定値と、前記読取部が読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定する判定部と、前記判定部が前記ゲームカードを真と判定した場合、前記読取部が読み取ったゲーム情報に基づき、ゲームを実行する実行部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本願によれば、ゲームカードに印刷された真贋判定用のパターンに基づき真贋判定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係るゲーム機において実行される情報コード読取処理の概要を説明する説明図である。
【
図2】ゲーム機の構成を説明するブロック図である。
【
図3】ゲームカードの構成を説明する説明図である。
【
図5】実施の形態における真贋判定手法を説明する説明図である。
【
図6】実施の形態におけるゲームカードの読取手順を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態2におけるパターンの構成例を示す図である。
【
図8】実施の形態2におけるパターンの構成例を示す図である。
【
図9】実施の形態3における情報コードの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態に係るゲーム機10において実行される情報コード読取処理の概要を説明する説明図である。実施の形態に係るゲーム機10は、例えば、遊技店などに設置されるアーケード型のゲーム機である。ゲーム機10にはゲームカードGCが用いられる。ゲームカードGCの第1面にはゲームコンテンツが印刷され、第2面には情報コードCDが印刷される。ゲーム機10は、プレーヤによりセットされたゲームカードGCの第2面を撮像部17により撮像し、情報コードCDを含む撮像画像を取得する。ゲーム機10には複数のゲームカードGCがセットされてもよい。この場合、ゲーム機10は、撮像部17により複数のゲームカードGCを一度に撮像し、各ゲームカードGCに印刷された情報コードCDを含む撮像画像を取得する。ゲーム機10は、1又は複数の情報コードCDが示すゲーム情報を撮像画像から読み取り、読み取ったゲーム情報に基づいて所定のシナリオ(ゲームプレイ)を進行させる。ゲーム機10は、ゲームプレイの終了後、シナリオの進行状況等に応じて、新たなゲームカードGCを排出し、プレーヤに提供する。
【0013】
情報コードCDは、例えばQRコード(登録商標)などの二次元コードである。代替的に、情報コードCDはバーコードなどの一次元コードであってもよい。本実施の形態において、情報コードCDは、透明なIR(Infrared)吸収インクによって、ゲームカードGCの第2面にオフセット印刷される。情報コードCDには、ゲームに登場させるキャラクタの属性情報、ゲームのシナリオを定める情報などの情報(ゲーム情報)が含まれる。情報コードCDは、更に、パターンPTを検証するための検証値を含む。検証値については後に詳述する。
【0014】
ゲームカードGCには情報コードCDが含まれるので、例えば、第1面に描かれる図柄(キャラクタ)に応じて、個々のゲームカードGCに様々な属性を持たせることができる。一般には、ゲームプレイにおいて価値が高い属性を有するもの程、希少価値が高くなるように、ゲームカードGCの排出率が調整される。
【0015】
ゲームカードGCは、コレクション要素としての側面を有し、希少価値が高い場合もある。このため、ゲームカードGCが複製されると、本来そのカードを入手するために必要であったインカムの損失につながる。また、ゲームカードGCが複製されて無制限に使用されると、ゲーム内のバランスやランキングシステムが機能しなくなり、正当なプレーヤがプレイしなくなってしまう等の懸念がある。
【0016】
そこで、本実施の形態に係るゲーム機10は、真贋判定用のパターンPTを用いて、ゲームカードGCの真贋判定を行う。真贋判定用のパターンPTは、例えば、透明なIR吸収インクによって情報コードCDの周囲にオフセット印刷される。
【0017】
ゲーム機10は、ゲームカードGCの情報コードCDを撮像する際、その周囲に配置されているパターンPTを含めて撮像し、情報コードCD及びパターンPTを含む撮像画像を取得する。ゲーム機10は、撮像画像からパターンPTを切り出し、切り出したパターンPTに基づきゲームカードGCの真贋を判定する。ゲームカードGCを真と判定した場合、ゲーム機10は、情報コードCDを読み取ることにより得られるゲーム情報に基づき、ゲームプレイを続行する。一方、ゲームカードGCを贋と判定した場合、ゲーム機10は、ゲームプレイを停止する。このとき、ゲーム機10は、プレーヤに対して警告を出力してもよい。
【0018】
図2はゲーム機10の構成を説明するブロック図である。ゲーム機10は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、入金受付部15、カード発行部16、撮像部17、判定部18、及び通信部19などを備える。
【0019】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備える。制御部11が備えるROMには、ゲーム機10が備えるハードウェア各部の動作を制御する制御プログラムや制御に必要なデータ等が記憶される。制御部11内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムを実行し、ハードウェア各部の動作を制御する。制御部11が備えるRAMには、制御の実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。
【0020】
記憶部12は、フラッシュメモリなどの記憶装置により構成される。記憶部12は、ゲーム機10において使用される各種のコンピュータプログラムやデータが記憶される。記憶部12に記憶されるコンピュータプログラムは、ゲームのシナリオを制御部11に進行させるためのプログラムを含む。記憶部12に記憶されるデータは、ゲーム中に登場させるキャラクタの属性情報などを含む。キャラクタの属性情報は、キャラクタの名前、図柄、レア度、強さ、技などの情報である。
【0021】
操作部13は、各種のボタンを備えており、押下されたボタンに対応する情報を制御部11へ出力する。操作部13が備えるボタンは、例えば、ゲームを開始させるスタートボタン、プレーヤの選択操作を受付ける選択ボタンなどを含む。操作部13が備えるボタンは、機種やゲームのシナリオなどに応じて適宜設計される。また、操作部13は、更にタッチパネルを備えてもよい。操作部13がタッチパネルを備える場合、操作部13は、タッチパネルより入力される情報を制御部11へ出力する。
【0022】
表示部14は、液晶モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどの表示デバイスを備え、制御部11からの指示に応じてプレーヤの選択操作を受付けるための選択画面やゲームの進行状況を示すゲーム画面などを表示する。
【0023】
入金受付部15は、貨幣が投入される投入口、投入された貨幣を識別する識別機、投入された貨幣を収容する収容部、釣り銭を排出する排出口などを備える。入金受付部15は、投入口に投入された貨幣を識別機により識別し、識別後の貨幣を収容部に収容させると共に、識別した金額の情報(金額情報)を制御部11へ出力する。入金受付部15は、識別した金額よりゲームのプレイ料金を差し引いた金額の貨幣(釣り銭)を排出口へ排出する。入金受付部15は、釣り銭が発生しないように定額貨幣のみを受付ける構成としてもよい。この場合、入金受付部15には排出口が設けられていなくてもよい。また、入金受付部15は、クレジットカード、プリペイドカード、ポストペイカード、電子決済による入金を受付ける構成であってもよい。
【0024】
カード発行部16は、第1面にゲームコンテンツ、第2面に情報コードCD及びパターンPTが印刷されたゲームカードGCを複数収容する収容する収容部、ゲームプレイに応じてプレーヤに提供すべきゲームカードGCを取り出す取出機構、取出機構により取り出されたゲームカードGCを排出する排出口などを備える。
【0025】
撮像部17は、ゲームカードGCが載置される載置台、及び載置台に載置されたゲームカードGCを撮像する撮像装置などを備える。載置台には1又は複数のゲームカードGCが載置される。本実施の形態において、撮像部17が備える撮像装置はIRカメラである。撮像部17は、ゲームカードGCの情報コードCD及びパターンPTが印刷されている領域にIR光を照射し、ゲームカードGCの表面にて反射される光の像を撮像素子に結像させることにより、情報コードCD及びパターンPTを含む撮像画像を取得する。載置台に複数のゲームカードGCが載置された場合、撮像装置は、複数のゲームカードGCを一度に撮像してもよい。
【0026】
判定部18は、例えば、CPUやメモリなどを備え、撮像部17より入力される撮像画像から情報コードCDを検出し、検出した情報コードCDが示すゲーム情報を読み取る処理回路として構成される。また、判定部18は、撮像画像に含まれるパターンPTを検出し、検出したパターンPTに基づいて、ゲームカードGCの真贋判定を行う。
【0027】
判定部18が備えるメモリには、情報コードの読取処理をCPUに実行させるための真贋判定プログラムPG1及び読取処理プログラムPG2が記憶される。メモリに記憶される真贋判定プログラムPG1及び読取処理プログラムPG2等のプログラムは、これらのプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体RMにより提供される。記録媒体RMは、例えば、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型の記録媒体である。制御部11は、不図示の読取装置を用いて記録媒体RMからプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを判定部18のメモリに記憶させる。また、真贋判定プログラムPG1及び読取処理プログラムPG2等のプログラムは、通信により提供されてもよい。この場合、制御部11は、通信により提供されるプログラムを取得し、取得したプログラムをメモリに記憶させる。
【0028】
判定部18は、上記に限定されるものではなく、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、画像処理用途のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の処理回路又は演算回路であってもよい。判定部18は、ハードウェアに限定されず、ソフトウェアによって実現されるものであってもよい。また、判定部18は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等を備えてもよい。
【0029】
判定部18のCPUは、メモリに記憶された真贋判定プログラムPG1を実行することにより、撮像部17の載置台にセットされたゲームカードGCの真贋判定を行う。また、判定部18のCPUは、メモリに記憶された読取処理プログラムPG2を実行することにより、情報コードの読取処理を行う。本実施の形態では、真贋判定プログラムPG1及び読取処理プログラムPG2を2つに分けて記載したが、これらは1つのコンピュータプログラムにより構成されてもよい。
【0030】
通信部19は、外部装置と通信するための通信インタフェースを備える。通信部19が備える通信インタフェースは、例えば、WiFi(登録商標)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信インタフェースである。通信部19は、通知すべき各種データを外部装置へ送信すると共に、外部装置から送信される各種データを受信する。通信部19に通信可能に接続される外部装置は、例えば、各遊技店に設置される複数のゲーム機10を統合的に管理するサーバ装置(不図示)である。
【0031】
図3はゲームカードGCの構成を説明する説明図である。
図3の例は、第2面の下側中央部に情報コードCDが印刷され、情報コードCDの左右両側に真贋判定用のパターンPTが印刷されたゲームカードGCを示している。情報コードCD及びパターンPTは、透明なIR吸収インクにより印刷される。透明なIR吸収インクは、赤外線吸収材と希釈用インクとを練り合わせて作成される。赤外線吸収材には、例えば850nm~950nmの範囲に最大吸光波長を持つ材料が用いられる。
【0032】
情報コードCD及びパターンPTは、透明なIR吸収インクにより印刷されるので、屋内又は屋外の通常の環境光下(可視光下)において、情報コードCD及びパターンPTを目視により確認することは困難である。一方、情報コードCD及びパターンPTに対してIR光を照射すると、IR吸収インクで印刷された部分ではIR光が吸収され、その他の部分ではIR光が反射されるので、IR光が吸収された部分と吸収されなかった部分(反射された部分)とでコントラストが生じ、像として顕在化する。撮像部17が備えるIRカメラは、その像を撮像素子に結像させ、情報コードCD及びパターンPTを含む画像として出力する。
【0033】
なお、ゲームカードGCの第1面には、ゲームコンテンツ(ゲーム名やゲームのキャラクタなど)が通常インクで印刷される。また、ゲームカードGCの第2面には、キャラクタの属性情報などプレーヤに提示すべき情報が通常インクで印刷されてもよい。通常インクで印刷されるコンテンツ等は、屋内又は屋外の通常の環境光下で視認可能な情報である。
【0034】
図3の例では、情報コードCD及びパターンPTは、ゲームカードGCの1箇所(第2面の下側中央部)に印刷されているが、第2面の下側中央部及び上側中央部といったように、ゲームカードGCの複数箇所に印刷されてもよい。また、
図3の例では、情報コードCDの左右両側にパターンPTが印刷されているが、パターンPTは情報コードCDの周囲を囲むように印刷されてもよい。ゲームカードGCにおいて、情報コードCD及びパターンPTの位置関係は既知であり、その位置関係の情報は、例えば判定部18が備えるメモリに記憶される。
【0035】
パターンPTは、
図3の部分拡大図で示すように同心円状のパターンであり、画線と非画線とが共通の中心点を持つ同心円として交互に平面状に配置されたパターンである。画線幅及び非画線幅は0.2mm~5mmの範囲で選択される。IRカメラの解像度に対して画線幅が細過ぎると、線が潰れてしまい検出できない可能性があるため、選択される画線幅及び非画線幅は、撮影条件に合わせて検出可能な値であることが好ましい。画線幅及び非画線幅の比率は、例えば25:1~1:25の範囲から選択され、より好ましくは、1:1~1:2の範囲から選択される。同心円の中心点はパターンPTの配置領域内に存在する。パターンPTには、中心円が異なり、画線幅及び非画線幅が同一の複数の同心円状パターンが含まれてもよい。また、パターンPTには、中心点、画線幅、非画線幅が異なる複数種の同心円状パターンが含まれてもよい。更に、これらの同心円状パターンは互いに重なっていてもよい。
【0036】
なお、本実施の形態では、情報コードCD及びパターンPTが透明なIR吸収インクにより印刷されたゲームカードGCの構成について説明したが、情報コードCD及びパターンPTの何れか一方、若しくは、両方を通常インクで印刷した構成であってもよい。
【0037】
以下では、ゲームカードGCの偽造品として、正規品から情報コードCDのみを差し替えたものを想定する。
図4は偽造品の例を説明する説明図である。偽造品を作成するために、2枚の正規品(正規品GC1,GC2)が用意される。正規品GC1には、情報コードCD1及びパターンPT1が印刷されており、別の正規品GC2には、別の情報コードCD2及びパターンPT2が印刷されているものとする。また、正規品GC1の情報コードCD1には、ユーザにとって価値が高いゲーム情報(例えば、ゲームを優位に進めることができるキャラクタの情報)が含まれ、正規品GC2の情報コードCD2には、ユーザにとって価値が低いゲーム情報が含まれているものとする。
【0038】
この場合、悪意のあるユーザ(偽造者)は、正規品GC2のコード部分を正規品GC1の情報コードCD1に差し替えることによって、偽造品を作成する。具体的には、偽造者は、正規品GC1の情報コードCD1をIRカメラによって撮像し、得られたコード部分の画像をIR吸収インクで用紙上に印刷することにより、情報コードCD1の複製物を作成する。偽装者は、作成した情報コードCD1の複製物を正規品GC2のコード部分に貼り付けることによって、正規品GC2のコード部分を正規品GC1の情報コードCD1(複製物)に差し替えた偽造品を作成する。偽造品のコード部分は正規品の情報コードCD1(複製物)に差し替えられているが、パターン部分については差し替えられておらず、パターンPT2が元の状態のまま残っている。
【0039】
情報コードCDには、画質の劣化に強いQRコード(登録商標)などの二次元コードが用いられているため、比較的複製が容易である。このため、偽造品において、情報コードCDの複製物が用いられたとしても、正規品の情報コードCDと同じ情報を有するコードとして読み取られる可能性が高い。
【0040】
一方、パターンPTについては微細な模様が用いられているため、撮像及び印刷によって複製物を作成しようとした場合、印刷解像度等の問題により、パターンPT(同心円)を構成する画線の一部が消失する可能性が高い。このため、偽造品において、パターンPTの複製物が用いられた場合、正規品のパターンPTと同じ情報を有するパターンとして読み取ることは困難である。
【0041】
上記の偽造品では、コード部分については情報コードCD1の複製物が使用されているが、パターンPT2については正規品のものが元の状態のまま残っているため、パターンPT2を正当なパターンとしてゲーム機に読み取らせることができる。このため、ゲーム機がパターン部分から得られる情報を用いて真贋判定を行う構成とした場合、そのゲーム機は、偽造品を真と判定し、偽造品に貼り付けられた情報コードCD1の複製物を正当な情報として読み取ることになる。
【0042】
本実施の形態では、このような偽造カードを検知するために、情報コードCDに検証値を持たせ、この検証値を用いて情報コードCDとパターンPTとの対応関係を確認することにより、ゲームカードGCの真贋判定を行う。
【0043】
図5は実施の形態における真贋判定手法を説明する説明図である。ゲーム機10が備える判定部18は、撮像部17からゲームカードGCの撮像画像を取得した場合、撮像画像に含まれる情報コードCDからゲーム情報及び検証値を読み取り、同じ撮像画像内のパターンPTから判定値を抽出する。判定部18は、情報コードCDから得られる検証値と、パターンPTから得られる判定値とを比較することにより、ゲームカードGCの真贋を判定する。
【0044】
検証値にはパターンPTから抽出される判定値と同一の値が割り当てられる。すなわち、パターンPTから抽出される判定値が「X」という値であれば、情報コードCDから読み取られる検証値には「X」という値が割り当てられる。検証値及び判定値の一例は整数などの数値である。代替的に、検証値及び判定値に文字情報が用いられてもよい。検証値は、ゲーム情報と共に情報コードCDに埋め込まれる。判定部18は、撮像部17からゲームカードGCの撮像画像を取得した場合、取得した撮像画像から情報コードCDを読み取ることによって、ゲーム情報と共に検証値を取得する。検証値及びゲーム情報の埋め込み、及び読み取りには、情報コードCDの種類に応じた公知の手法が用いられる。
【0045】
判定値にはパターンPTに固有の値が設定される。例えば、判定値として、パターンPTの特徴量を基にした値を用いることができる。本実施の形態では、パターンPTに同心円状のパターンを用いているので、撮像画像のパターン部分からフーリエ変換画像を生成した場合、フーリエ変換画像には円弧が現れる。このフーリエ変換画像に現れる円弧の半径dをパターンPTの特徴量として導出することができる。半径dの算出には既存の手法が用いられる。例えば、半径が異なる複数の円を設定し、各円周上で画素値の和を求め、画素値の和が最大となった円の半径を半径dとして算出することができる。また、フーリエ変換画像からホフ変換を用いて円を検出し、その円の半径を半径dとして算出してもよい。
【0046】
判定値は、半径d1の場合X1、半径d2の場合X2、…、半径dnの場合Xnといったように特徴量に応じて定めることができる。判定部18は、パターンPTの特徴量(上記の例では半径d)を判定値に変換するテーブル若しくは関数を有していればよい。
【0047】
本実施の形態では、フーリエ変換画像に現れる円弧の半径をパターンPTの特徴量として導出する構成について説明した。代替的に、判定部18は、パターンPTを周波数解析し、得られる周波数スペクトルに基づいてパターンPTの特徴量を導出してもよい。また、判定部18は、同心円状のパターンPTにおける線画幅及び非線画幅の比率を特徴量として導出してもよい。
【0048】
判定部18は、情報コードCDから得られる検証値と、パターンPTから得られる判定値とを比較することにより、ゲームカードGCの真偽を判定する。情報コードCDの差し替え(偽造)がなければ、一のゲームカードGCから得られる検証値と判定値とは同一である。このため、判定部18は、情報コードCDから読み取った検証値と、パターンPTから抽出した判定値とが同一であれば、ゲームカードGCを真と判定し、異なればゲームカードGCを偽と判定する。
【0049】
図6は実施の形態におけるゲームカードGCの読取手順を示すフローチャートである。ゲーム機10の撮像部17は、載置台にセットされたゲームカードGCを撮像し、撮像画像を判定部18へ出力する。判定部18は、撮像部17から出力される撮像画像を取得する(ステップS101)。
【0050】
載置台にセットされるゲームカードGCは複数であってもよい。この場合、撮像部17は、複数のゲームカードGCを一度に撮像し、複数のゲームカードGCを含む撮像画像を判定部18へ出力する。
【0051】
判定部18は、取得した撮像画像から情報コードCDを検出する処理を行い、情報コードCDの検出に成功したか否かを判断する(ステップS102)。情報コードCDがQRコードである場合、判定部18は、QRコードの3頂点に配置されているファインダパターンを見つけ出すことにより、情報コードCDを検出する。ファインダパターンは、黒色の正方形と、その外側を囲む黒色の外枠とからなり、上下方向、左右方向、斜め方向の何れの方向から走査したとしても、黒セルと白セルとの比率が1:1:3:1:1となるように設計されている。判定部18は、黒セルと白セルとの比率が所定の比率となるパターン(ファインダパターン)を見つけ出すことにより、情報コードCDを検出することができる。情報コードCDがQRコード以外のコードであれば、当該コードについて規定されている検出手法に従って、情報コードCDを検出すればよい。また、撮像画像に複数の情報コードCDが含まれている場合、ステップS102で複数の情報コードCDの夫々を検出する処理を行えばよい。
【0052】
情報コードCDの検出に失敗した場合(S102:NO)、判定部18は、処理をステップS101へ戻す。
【0053】
情報コードCDの検出に成功した場合(S102:YES)、判定部18は、検出した情報コードCDから、当該情報コードCDが示す情報を読み取る処理を実行する(ステップS103)。情報コードCDの読み取りには、既存技術が用いられる。例えば白セルと黒セルとからなるコードを読み取る場合、判定部18は、情報コードCDに含まれるファインダパターン等からコードの水平方向及び垂直方向を認識し、認識した水平方向及び/又は垂直方向に沿って、コード内の白セル及び黒セルを認識する。判定部18は、認識した白セルを0、黒セルを1のデータ列に並び替え、デコード処理を行って文字情報に変換する処理を行う。判定部18は、上述の手法に限らず、コードに応じて定められた読取手法を用いることにより、情報コードCDを読み取ることができる。判定部18は、ステップS103の処理により、ゲーム情報及び検証値を取得する。判定部18は、ステップS102で検出した情報コードCDの数だけ、ステップS103~S107の処理を繰り返す。
【0054】
判定部18は、情報コードCDに基づきパターン領域を算出する(ステップS104)。ゲームカードGCにおいて、情報コードCD及びパターンPTの位置関係は既知であるため、判定部18は、その位置関係の情報を基にパターンPTが配置されている領域を算出する。また、撮像領域内でパターンPTの映る位置が固定である場合、判定部18は、予め定められた領域をパターンPTが配置されている領域として定めてもよい。
【0055】
判定部18は、前処理及び切出処理を実行する(ステップS105)。具体的には、判定部18は、透視変換やレンズ歪み補正を行うことによって、パターンPTを含む領域がゲームカードGCの正対時と同様の形状となるように変換し、変換後の領域を切り出す。また、判定部18は、載置位置によりピントが合っていない撮像画像に対し、エッジ強調処理や鮮鋭化処理などを施してもよい。
【0056】
次いで、判定部18は、切り出した領域に含まれるパターンPTから真贋判定に用いる判定値を抽出する(ステップS106)。判定部18は、ステップS105で切り出した領域に含まれるパターンPTの特徴量から判定値を抽出する。具体的には、判定部18は、ステップS105において切り出した領域の画像からフーリエ変換画像を生成し、生成したフーリエ変換画像に現れる円弧の半径を特徴量として導出する。判定部18は、特徴量と判定値との関係を表すテーブル若しくは関数を用いて、導出した特徴量より判定値を抽出する。
【0057】
判定部18は、ステップS103で読み取った検証値と、ステップS106で抽出した判定値を閾値と比較することによって、ゲームカードGCの真贋判定を行う(ステップS107)。判定部18は、情報コードCDから読み取った検証値とパターンPTから抽出した判定値とが同一であれば、そのゲームカードGCを真と判定し、検証値と判定値とが異なれば、そのゲームカードGCを贋と判定する。
【0058】
次いで、判定部18は、ステップS107における真贋判定の結果をゲーム機10の制御部11へ出力する(ステップS108)。判定部18は、ゲームカードGCが真であると判定した場合、そのゲームカードGCから読み取ったゲーム情報と共に、ゲームカードGCが真である旨の情報をゲーム機10の制御部11へ出力する。ゲーム機10に複数のゲームカードGCがセットされている場合、その全てのゲームカードGCが真である場合にのみ、各ゲームカードGCから読み取ったゲーム情報及びゲームカードGCが真である旨の情報を制御部11へ出力すればよい。判定部18は、ステップS103で読み取った情報コードCDが示す情報を併せて制御部11へ出力する。
【0059】
制御部11は、判定部18からゲームカードGCが真である旨の情報と、情報コードCDから読み取られたゲーム情報とを取得した場合、ゲームプレイを実行する(ステップS109)。例えば、制御部11は、情報コードCDが示す情報に基づき、ゲーム内に登場させるキャラクタの属性情報を決定し、当該属性情報を有するキャラクタをゲーム内に登場させることによって、ゲームプレイを進行させる処理を行う。
【0060】
一方、判定部18は、ゲームカードGCが贋であると判定した場合、その旨の情報をゲーム機10の制御部11へ出力する。ゲーム機10に複数のゲームカードGCがセットされている場合、セットされている複数のゲームカードGCのうち1枚以上のゲームカードGCが贋であれば、ゲームカードGCが贋である旨の情報を制御部11へ出力する。制御部11は、判定部18からゲームカードGCが贋である旨の情報を取得した場合、ゲームプレイを停止する。また、制御部11は、表示部14にエラーを表示して、当該ゲームカードGCが使えないカードである旨をプレーヤに報知してもよい。
【0061】
以上のように、本実施の形態では、情報コードCD及びパターンPTを用いてゲームカードGCの真贋判定を行うので、情報コードCDを差し替えた偽造品に対して正しく真偽を判定できる。
【0062】
(実施の形態2)
実施の形態2では、複数の同心円状のパターンを組み合わせたパターンPTを利用して判定値を設定する構成について説明する。
【0063】
図7及び
図8は実施の形態2におけるパターンPTの構成例を示す図である。
図7は半径並びに画線幅及び非画線幅の比率が異なる2種類の同心円パターンを1つの領域内に配置したパターンPTを示している。このようなパターンPTの画像からフーリエ変換画像を生成した場合、フーリエ変換画像には、半径が異なる2種類の円が現れる。半径d1には判定値X1、半径d2には判定値X2を割り当てることにより、判定値X1,X2を用いた真贋判定を行うことができる。すなわち、情報コードCDに検証値としてX1,X2の双方が含まれていれば、ゲームカードGCを真と判定し、X1,X2の少なくとも一方が欠けていれば、ゲームカードGCを偽と判定すればよい。
【0064】
図8は半径並びに画線幅及び非画線幅の比率が異なる2種類の同心円パターンを隣接する2つの領域に配置したパターンPTを示している。
図8に示すパターンPTの上側の領域には、左下隅から右上隅に向かって波紋が拡がる同心円パターンが含まれており、パターンPTの下側の領域には、左上隅から右下隅に向かって波紋が拡がる同心円パターンが含まれている。特定方向の波長を含まない同心円パターンの場合、フーリエ変換画像には該当方向の周波数成分が出ていない円として現れる。このため、
図8に示すパターンPTの画像からフーリエ変換画像を生成した場合、例えば、フーリエ変換画像の第1象限及び第3象限には半径d2の円弧が現れ、第2象限及び第4象限には半径d1の円弧が現れる。半径d1には判定値X1、半径d2には判定値X2を割り当てることにより、判定値X1,X2を用いた真贋判定を行うことができる。すなわち、情報コードCDに検証値としてX1,X2の双方が含まれていれば、ゲームカードGCを真と判定し、X1,X2の少なくとも一方が欠けていれば、ゲームカードGCを偽と判定すればよい。
【0065】
なお、
図7及び
図8に示すパターンPTを用いたゲームカードGCの真贋判定方法は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
実施の形態2では、2種類の同心円パターンが含まれるパターンPTの例につて説明した。代替的に、パターンPTには、3種類以上の同心円パターンが含まれてもよい。
【0067】
(実施の形態3)
実施の形態3では、同心円状のパターンを情報コードCDに合成した構成例について説明する。
【0068】
図9は実施の形態3における情報コードCDの構成例を示す図である。実施の形態3における情報コードCDは、同心円のパターンPTを情報コードの白セル領域でマスクして生成される。判定部18は、このような情報コードCDからゲーム情報及び検証値を読み取る。また、判定部18は、情報コードCDの画像を低解像度化した後にコードの読み取りを行ってもよい。情報コードCDの画像を低解像度化した場合、非画線部分が潰れるので、情報コードCDを容易に読み取ることができる。また、判定部18は、情報コードCDの画像からフーリエ変換画像を生成し、生成したフーリエ変換画像に現れる円の半径dから判定値を取得する。判定部18は、情報コードCDから取得した検証値と判定値とを比較してゲームカードGCの真偽判定を行う。
【0069】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0070】
例えば、本実施の形態では、IR吸収インクを用いてパターンPTを印刷する構成としたが、紫外線吸収インク、紫外線反射インク等の特定波長域の光を吸収又は反射するインクを用いてパターンPTを印刷してもよい。特定波長域の光は、通常の環境光(可視光)との対比で、特殊光とも呼ばれる。
【0071】
本実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0072】
(1)本開示のゲーム機は、真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得する取得部と、取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出する抽出部と、前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取る読取部と、前記抽出部が抽出した判定値と、前記読取部が読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定する判定部と、前記判定部が前記ゲームカードを真と判定した場合、前記読取部が読み取ったゲーム情報に基づき、ゲームを実行する実行部とを備える。
【0073】
(2)上記(1)に記載のゲーム機において、前記パターンは、同心円状のパターンである。
【0074】
(3)上記(1)に記載のゲーム機において、前記パターンは、複数種の同心円状のパターンを含む。
【0075】
(4) 上記(1)から(3)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記パターンと前記情報コードとを同一の領域内に形成してある。
【0076】
(5)上記(1)から(4)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記抽出部は、前記パターンの特徴量から前記判定値を抽出する。
【0077】
(6)上記(1)から(5)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記抽出部は、前記パターンを周波数解析することにより、前記特徴量を導出する。
【0078】
(7)上記(1)から(6)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記抽出部は、前記パターンの画像からフーリエ変換画像を生成し、生成したフーリエ変換画像に現れる円弧の半径を前記特徴量として導出する。
【0079】
(8)上記(1)から(7)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記パターンを、前記情報コードを基準として特定される位置に配置してある。
【0080】
(9)上記(1)から(8)の何れか1つに記載のゲーム機において、前記パターン及び前記情報コードの少なくとも一方を、特殊光を吸収又は反射するインクにより前記ゲームカードに印刷してある。
【0081】
(10)本開示のゲームカードの真贋判定方法は、真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得し、取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出し、前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取り、抽出した判定値と、読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定し、判定結果を出力する処理をコンピュータにより実行する。
【0082】
(11)本開示のコンピュータプログラムは、真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有するゲームカードの撮像画像を取得し、取得した撮像画像に含まれるパターンから、判定値を抽出し、前記撮像画像に含まれる情報コードから、ゲーム情報及び検証値を読み取り、抽出した判定値と、読み取った検証値とを比較して、前記ゲームカードの真贋を判定し、判定結果を出力する処理をコンピュータにより実行させる。
【0083】
(12)本開示のゲームカードは、真贋判定用のパターンと、ゲーム情報及び前記パターン用の検証値を含む情報コードとを有し、前記パターンから抽出される判定値と、前記情報コードから読み取られる検証値とに基づき真贋判定を行い、真と判定した場合、前記情報コードから読み取られるゲーム情報に基づいてゲームを実行するゲーム機に用いられる。
【符号の説明】
【0084】
10 ゲーム機
11 制御部
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 入金受付部
16 カード発行部
17 撮像部
18 判定部
19 通信部
PG1 真贋判定プログラム
PG2 読取処理プログラム
RM 記録媒体