(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168608
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】リニア電源
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G05F1/56 310L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085434
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安坂 信
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB09
5H430BB11
5H430EE06
5H430FF02
5H430FF13
5H430HH03
5H430JJ04
(57)【要約】
【課題】リニア電源の新規なトポロジを提案する。
【解決手段】リニア電源は、入力電圧の印加端と出力電圧の印加端の間に接続される出力トランジスタと、基準電流を生成する基準電流生成回路と、出力電圧に応じた帰還電流を生成する帰還電流生成回路と、基準電流と帰還電流が一致するように出力トランジスタを制御する制御回路を備える。基準電流生成回路は、定電流を生成する電流源と、デプレッション型の第1トランジスタと、第1トランジスタのゲート・ソース間に接続される第1抵抗を含み、定電流から第1トランジスタ及び第1抵抗に流れる第1電流を差し引いて基準電流を生成する。帰還電流生成回路は、制御電極が出力電圧の印加端に接続されて第2電流を生成する第2トランジスタと、第2トランジスタに接続され第1電流と同値の第2電流が流される第2抵抗を含み、定電流から第2電流を差し引いて帰還電流を生成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧の印加端と出力電圧の印加端との間に接続される出力トランジスタと、
所定の基準電流を生成するように構成された基準電流生成回路と、
前記出力電圧に応じた帰還電流を生成するように構成された帰還電流生成回路と、
前記基準電流と前記帰還電流が一致するように前記出力トランジスタを制御するように構成された制御回路と、
を備え、
前記基準電流生成回路は、定電流を生成するように構成される電流源と、デプレッション型の第1トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート・ソース間に接続される第1抵抗と、を含み、前記定電流から前記第1トランジスタ及び前記第1抵抗に流れる第1電流を差し引いた差分電流に応じて前記基準電流を生成し、
前記帰還電流生成回路は、制御電極が直接的に又は抵抗分圧器を介して前記出力電圧の印加端に接続されて第2電流を生成するように構成される第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続されて前記第1電流と同値の第2電流が流されるように構成された第2抵抗と、を含み、前記定電流から前記第2電流を差し引いた差分電流に応じて前記帰還電流を生成する、リニア電源。
【請求項2】
前記第2トランジスタの制御電極と第1主電極との間における電極間電圧と前記第2抵抗の両端間電圧が足し合わされた電圧又はこれに応じた電圧を前記出力電圧として出力する、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項3】
前記第1抵抗と前記第2抵抗は、同じ温度特性を持つ、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項4】
前記出力トランジスタは、Pチャネル型又はpnp型のトランジスタであり、
前記制御回路は、前記基準電流から前記帰還電流を差し引いた差分電流に応じて前記出力トランジスタの駆動信号を制御する、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項5】
前記出力トランジスタは、Nチャネル型又はnpn型のトランジスタであり、
前記制御回路は、前記帰還電流から前記基準電流を差し引いた差分電流に応じて前記出力トランジスタの駆動信号を制御する、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項6】
前記電流源は、第1カレントミラーの入力端に接続され、
前記第1トランジスタは、前記第1カレントミラーの第1出力端に接続され、
前記第2トランジスタは、前記第1カレントミラーの第2出力端に接続される、
請求項1に記載のリニア電源。
【請求項7】
前記第1カレントミラーは、カスコード出力型である、請求項6に記載のリニア電源。
【請求項8】
前記制御回路は、電流入力型のエラーアンプを含む、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項9】
前記制御回路は、第2カレントミラーを含み、
前記第2カレントミラーは、入力端が前記基準電流及び前記帰還電流の一方の出力端に接続され、出力端が前記基準電流及び前記帰還電流の他方の出力端と前記出力トランジスタの制御電極に接続される、請求項1に記載のリニア電源。
【請求項10】
前記第2トランジスタは、エンハンスメント型、又は、前記第1トランジスタとは異なる導電型の不純物がゲートに注入されたデプレッション型のトランジスタである、請求項1~9のいずれか一項に記載のリニア電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リニア電源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なデバイスの電源手段として、LDO[low drop out]レギュレータなどのリニア電源が用いられている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、本願出願人により提案される特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リニア電源の帰還制御については、更なる検討の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るリニア電源は、入力電圧の印加端と出力電圧の印加端との間に接続される出力トランジスタと、所定の基準電流を生成するように構成された基準電流生成回路と、前記出力電圧に応じた帰還電流を生成するように構成された帰還電流生成回路と、前記基準電流と前記帰還電流が一致するように前記出力トランジスタを制御するように構成された制御回路を備え、前記基準電流生成回路は、定電流を生成するように構成される電流源と、デプレッション型の第1トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート・ソース間に接続される第1抵抗と、を含み、前記定電流から前記第1トランジスタ及び前記第1抵抗に流れる第1電流を差し引いた差分電流に応じて前記基準電流を生成し、前記帰還電流生成回路は、制御電極が直接的に又は抵抗分圧器を介して前記出力電圧の印加端に接続されて第2電流を生成するように構成される第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続されて前記第1電流と同値の第2電流が流されるように構成された第2抵抗を含み、前記定電流から前記第2電流を差し引いた差分電流に応じて前記帰還電流を生成する。
【0007】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、例えば、小規模で出力精度の高いリニア電源が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、リニア電源の比較例を示す図である。
【
図2】
図2は、リニア電源の第1実施形態を示す図である。
【
図3】
図3は、トランジスタのVgs-Id特性を示す図である。
【
図4】
図4は、トランジスタのVgs-Id特性と温度との関係を示す図である。
【
図5】
図5は、リニア電源の第2実施形態を示す図である。
【
図6】
図6は、出力電圧VOUTの温度特性を示す図である。
【
図7】
図7は、リニア電源の第3実施形態を示す図である。
【
図8】
図8は、リニア電源の第4実施形態を示す図である。
【
図9】
図9は、リニア電源の第5実施形態を示す図である。
【
図10】
図10は、リニア電源の第6実施形態を示す図である。
【
図11】
図11は、リニア電源の第7実施形態を示す図である。
【
図12】
図12は、リニア電源の第8実施形態を示す図である。
【
図13】
図13は、リニア電源の第9実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<リニア電源(比較例)>
図1は、リニア電源の比較例(後出の実施形態と対比される回路構成の一例)を示す図である。本比較例のリニア電源100は、入力電圧VINを降圧して所望の出力電圧VOUTを生成する。
【0011】
本図に即して述べると、リニア電源100は、出力トランジスタ110と、基準電圧生成回路120と、帰還電圧生成回路130と、制御回路140と、を備える。
【0012】
出力トランジスタ110は、入力電圧VINの印加端と出力電圧VOUTの印加端との間に接続されている。出力トランジスタ110は、制御回路140から出力される駆動信号SGに応じて導通度(裏を返せばオン抵抗値)が制御される。
【0013】
基準電圧生成回路120は、入力電圧VINから所定の基準電圧VREFを生成する。なお、基準電圧生成回路120としては、温度依存性及び電源依存性の小さいバンドギャップ電源などが一般に用いられる。
【0014】
帰還電圧生成回路130は、出力電圧VOUTの印加端と接地端との間に直列接続される抵抗131及び132を含み、出力電圧VOUTに応じた帰還電圧VFB(=出力電圧VOUTの分圧電圧)を生成する。
【0015】
制御回路140は、基準電圧VREFと帰還電圧VFBとが一致するように、出力トランジスタ110の駆動信号SGを制御する。制御回路140としては、本図で示される通り、電圧入力型のエラーアンプなどが一般に用いられる。
【0016】
本比較例のリニア電源100であれば、入力電圧VINを降圧して所望の出力電圧VOUTを生成することができる。ただし、リニア電源100では、基準電圧生成回路120及び制御回路140の回路規模が大きくなりやすい。また、回路規模の増大に伴い、素子ばらつきの要因も増える。そのため、リニア電源100の特性(出力電圧VOUTの精度など)が悪化するおそれもある。
【0017】
以下では、上記の考察に鑑み、新規トポロジを採用した種々の実施形態が提案される。
【0018】
<リニア電源(第1実施形態)>
図2は、リニア電源の第1実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の比較例(
図1)と同じく、入力電圧VINを降圧して所望の出力電圧VOUTを生成する。入力電圧VINは、不図示のバッテリなどから入力されてもよい。出力電圧VOUTは、不図示の負荷(=二次電源又はマイコンなど)に出力されてもよい。
【0019】
本図に即して述べると、リニア電源1は、出力トランジスタ10と、基準電流生成回路20と、帰還電流生成回路30と、制御回路40と、を備える。
【0020】
出力トランジスタ10は、入力電圧VINの印加端と出力電圧VOUTの印加端との間に接続されている。出力トランジスタ10は、制御回路40から出力される駆動信号SGに応じて導通度(裏を返せばオン抵抗値)が制御される。
【0021】
本図では、出力トランジスタ10としてPMOSFET[P-channel type metal oxide semiconductor field effect transistor]が用いられている。この場合、出力トランジスタ10のソース及びバックゲートは、入力電圧VINの印加端に接続される。出力トランジスタ10のドレインは、出力電圧VOUTの印加端に接続される。出力トランジスタ10のゲートは、駆動信号SGの印加端に接続される。
【0022】
従って、駆動信号SGが低いほど出力トランジスタ10の導通度が高くなり、出力電圧VOUTが上昇する。逆に、駆動信号SGが高いほど出力トランジスタ10の導通度が低くなり、出力電圧VOUTが低下する。なお、出力電圧VOUTの印加端と接地端との間には、不図示の出力キャパシタが接続されてもよい。
【0023】
また、改めて図示はされないが、出力トランジスタ10は、pnp型トランジスタに置き換えられてもよい。また、出力トランジスタ10は、NMOSFET[N-channel type MOSFET]又はnpn型トランジスタにも置換され得る(第2実施形態などで詳述)。
【0024】
なお、トランジスタのゲート及びベースは、それぞれトランジスタの制御電極に相当するものとして相互に読み替え可能である。また、トランジスタのソース及びエミッタは、それぞれトランジスタの第1主電極に相当するものとして相互に読み替え可能である。また、トランジスタのドレイン及びコレクタは、それぞれトランジスタの第2主電極に相当するものとして相互に読み替え可能である。
【0025】
基準電流生成回路20は、固定値の基準電流Iin1を生成する。本図に即して述べると、基準電流生成回路20は、電流源CSと、トランジスタM1(例えばデプレッション型NMOSFET)と、トランジスタM3~M4(例えばPMOSFET)と、を含む。
【0026】
帰還電流生成回路30は、出力電圧VOUTに応じた可変値の帰還電流Iin2を生成する。本図に即して述べると、帰還電流生成回路30は、トランジスタM2(例えばエンハンスメント型NMOSFET)と、トランジスタM5と、抵抗R3及びR4とを含む。
【0027】
なお、デプレッション型とは、ゲート・ソース間電圧Vgsが0Vであってもドレイン電流Idが流れるものを指す。一方、エンハンスメント型とは、ゲート・ソース間電圧Vgsが0Vであるときにはドレイン電流Idが流れないものを指す。
【0028】
トランジスタM1のドレインは、トランジスタM4のドレインに接続されている。トランジスタM1のゲート、ソース及びバックゲートは、接地端に接続されている。このように、トランジスタM1は、ゲート・ソース間が短絡されている。すなわち、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1は0Vである。従って、トランジスタM1は、固定値のドレイン電流(=第1電流I1に相当)を生成する定電流源として機能する。
【0029】
抵抗R3及びR4は、出力電圧VOUTの印加端と接地端との間に直列に接続されている。このように接続された抵抗R3及びR4は、出力電圧VOUTを分圧するための抵抗分圧器として機能する。
【0030】
トランジスタM2のドレインは、トランジスタM5のドレインに接続されている。トランジスタM2のソース及びバックゲートは、接地端に接続されている。トランジスタM2のゲートは、抵抗R3及びR4相互間の接続ノードに接続されている。このように接続されたトランジスタM2は、ゲート・ソース間電圧Vgs2(=VOUT×R4/(R3+R4))に応じた可変値のドレイン電流(=第2電流I2に相当)を生成する。
【0031】
ただし、抵抗R3及びR4(すなわち抵抗分圧器)は省略されてもよい。その場合、トランジスタM2のゲートは、直接的に出力電圧VOUTの印加端に接続され得る。
【0032】
電流源CSは、トランジスタM3のドレインと接地端との間に接続されており、所定の定電流I3を生成する。
【0033】
トランジスタM3~M5それぞれのソース及びバックゲートは、いずれも入力電圧VINの印加端に接続されている。トランジスタM3~M5それぞれのゲートは、いずれもトランジスタM3のドレインに接続されている。このように接続されたトランジスタM3~M5は、カレントミラーCM1を形成する。
【0034】
トランジスタM3のドレインは、カレントミラーCM1の入力端に相当する。一方、トランジスタM4及びM5それぞれのドレインは、カレントミラーCM1の第1出力端及び第2出力端に相当する。カレントミラーCM1は、入力端に流れる定電流I3を所定の比率(例えば1:1:1)で第1出力端及び第2出力端にそれぞれミラーする。
【0035】
なお、トランジスタM1及びM4相互間の接続ノードは、基準電流Iin1の出力端に相当する。従って、基準電流生成回路20は、定電流I3から第1電流I1を差し引いた差分電流を基準電流Iin1(=I3-I1)として出力する。
【0036】
また、トランジスタM2及びM5相互間の接続ノードは、帰還電流Iin2の出力端に相当する。従って、帰還電流生成回路30は、定電流I3から第2電流I2を差し引いた差分電流を帰還電流Iin2(=I3-I2)として出力する。すなわち、帰還電流Iin2は、第2電流I2が大きいほど小さくなり、第2電流I2が小さいほど大きくなる。言い換えると、帰還電流Iin2は、出力電圧VOUTが高いほど小さくなり、出力電圧VOUTが低いほど大きくなる。
【0037】
また、改めて図示はされないが、トランジスタM3~M5は、pnp型トランジスタに置き換えられてもよい。
【0038】
制御回路40は、基準電流Iin1と帰還電流Iin2とが一致するように、出力トランジスタ10の駆動信号SGを制御する。制御回路40としては、本図で示される通り、電流入力型のエラーアンプなどが好適に用いられる。
【0039】
本図に即して述べると、制御回路40は、非反転入力端(+)に入力される基準電流Iin1から、反転入力端(-)に入力される帰還電流Iin2を差し引いた差分電流ΔI(=Iin1-Iin2)に応じて駆動信号SGを制御する。例えば、制御回路40は、差分電流ΔIが大きいほど駆動信号SGを引き上げる。その結果、出力トランジスタ10の導通度が低くなる。逆に、制御回路40は、差分電流ΔIが小さいほど駆動信号SGを引き下げる。その結果、出力トランジスタ10の導通度が高くなる。
【0040】
図3は、トランジスタM1及びM2それぞれのVgs-Id特性を示す図である。本図の横軸は、ゲート・ソース間電圧Vgsを示している。本図の縦軸は、ドレイン電流Idを示している。
【0041】
先にも述べられているように、制御回路40は、基準電流Iin1(=I3-I1)と帰還電流Iin2(=I3-I2)とが一致するように、出力トランジスタ10の駆動信号SGを制御する。従って、結果的には、第1電流I1と第2電流I2が一致するようにトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2(延いては出力電圧VOUT)が帰還制御される。このとき、VOUT=Vgs2×(R3+R4)/R4が成立する。すなわち、抵抗R3及びR4それぞれの抵抗値(延いては抵抗分圧器の分圧比)が適宜調整されることにより、任意の出力電圧VOUTが生成される。
【0042】
なお、第1電流I1は、トランジスタM1(デプレッション型NMOSFET)の素子特性により決定される。例えば、第1電流I1は、トランジスタM1の素子サイズにより任意に調整されてもよい。第1電流I1が大きいほど第2電流I2も大きくなるので、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2(延いては出力電圧VOUT)が高くなる。逆に、第1電流I1が小さいほど第2電流I2も小さくなるので、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2(延いては出力電圧VOUT)が低くなる。
【0043】
このように、本実施形態のリニア電源1であれば、先出の比較例(
図1)と同じく、入力電圧VINを降圧して所望の出力電圧VOUTを生成することができる。
【0044】
また、リニア電源1であれば、先出の基準電圧生成回路120が不要となる。このように、必要最低限の素子だけで出力電圧VOUTを設定する構成であれば、リニア電源1の回路規模が小さくなる。また、回路規模の縮小に伴い、素子ばらつきの要因も減る。そのため、リニア電源1の特性(出力電圧VOUTの精度など)が向上され得る。
【0045】
図4は、トランジスタM1及びM2それぞれのVgs-Id特性と温度TEMPとの関係を示す図である。本図の左側には、低温時のVgs-Id特性が描写されている。本図の中央には、常温時のVgs-Id特性が描写されている。本図の右側には、高温時のVgs-Id特性が描写されている。
【0046】
先にも述べられている通り、リニア電源1の出力電圧VOUTは、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2により決定される。また、トランジスタM2のドレインに流れる第2電流I2は、トランジスタM1に流れる固定値の第1電流I1と一致するように帰還制御される。従って、トランジスタM1及びM2それぞれのVgs-Id特性は、図示された通りとなる。
【0047】
ここで、トランジスタM1(=デプレッション型NMOSFET)とトランジスタM2(=エンハンスメント型NMOSFET)は、それぞれのオン閾値電圧が違うだけで、基本的な特性は同じになる。そのため、トランジスタM1及びM2それぞれの素子サイズが調整されることにより、トランジスタM1及びM2それぞれの温度特性が相殺され得る。
【0048】
例えば、温度TEMPの変動によりトランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1がシフトして第1電流I1が増減した場合を考える。この場合、トランジスタM1と同様の挙動でトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2もシフトする。従って、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2(延いては出力電圧VOUT)は、温度TEMPに依らず常に一定値となる。
【0049】
<第2実施形態>
図5は、リニア電源1の第2実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第1実施形態(
図2)を基本としつつ、抵抗R1及びR2をさらに備える。抵抗R1は、トランジスタM1のゲート・ソース間に接続されている。抵抗R2は、トランジスタM2のソース(=第1主電極に相当)と接地端との間に接続されている。
【0050】
ここで、制御回路40は、基準電流Iin1(=I3-I1)と帰還電流Iin2(=I3-I2)とが一致するように、出力トランジスタ10の駆動信号SGを制御する。従って、結果的には、第1電流I1と第2電流I2が一致するようにトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2(延いては出力電圧VOUT)が帰還制御される。
【0051】
すなわち、抵抗R2には、抵抗R1に流れる第1電流I1(=Vgs1/R1)と同値の第2電流I2が流れる。従って、抵抗R2には、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1に応じた両端間電圧V(=Vgs1×(R2/R1))が発生する。
【0052】
その結果、出力電圧VOUTは、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2と抵抗R2の両端間電圧Vとが足し合わされた電圧に抵抗分圧器の分圧比の逆数が乗算された電圧(={Vgs2+Vgs1×(R2/R1)}×(R3+R4)/R4)となる。
【0053】
なお、抵抗R1及びR2は、同じ温度特性を持つ素子であってもよい。例えば、抵抗R1及びR2は、いずれも負の温度特性を持つポリシリコン抵抗であってもよい。また、例えば、抵抗R1及びR2は、いずれも正の温度特性を持つ拡散抵抗であってもよい。
【0054】
図6は、第2実施形態における出力電圧VOUTの温度特性を示す図である。本図の左上で示されるように、エンハンスメント型であるトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2は、負の温度特性を持つ。すなわち、ゲート・ソース間電圧Vgs2は、温度Tが高いほど低下する。
【0055】
一方、本図の左下(一点鎖線)で示されるように、デプレッション型であるトランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1は、正の温度特性を持つ。すなわち、ゲート・ソース間電圧Vgs1は、温度Tが高いほど上昇する。従って、本図の左下(実線)で示されるように、抵抗R2の両端間電圧V(=Vgs1×(R2/R1))も正の温度特性を持つ。すなわち、両端間電圧Vは、温度Tが高いほど上昇する。
【0056】
そのため、トランジスタM1及びM2それぞれの素子サイズ、並びに、抵抗R1及びR2それぞれの抵抗値が適宜調整されることにより、出力電圧VOUTの温度特性は、先出の比較例(破線)と比べてフラットに近付けられる。
【0057】
調整処理の一例では、まず第1ステップとして、ゲート・ソース間電圧Vgs1及びVgs2それぞれが持つ二次の温度特性が相殺されるようにトランジスタM1及びM2それぞれの素子サイズ(延いては素子サイズ比)が決定されてもよい。例えば、出力電圧VOUTが温度Tの二次関数f(T)=ax2+bx+cとして表される場合、トランジスタM1及びM2は、二次関数f(T)における二次の係数aが0となるようにそれぞれの素子サイズが調整されてもよい。
【0058】
その状態でトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2と抵抗R2の両端間電圧Vが単純に足し合わされると、ゲート・ソース間電圧Vgs1及びVgs2それぞれが持つ一次の温度特性が残り得る。
【0059】
そこで、続く第2ステップとして、抵抗R1及びR2それぞれの抵抗値(延いては抵抗比)が調整されてもよい。例えば、抵抗R1及びR2は、二次関数f(T)における一次の係数bが0となるようにそれぞれの抵抗値が調整されてもよい。
【0060】
より具体的に述べると、例えば、出力電圧VOUTに負の温度特性が残っている場合には、R2>R1となるように抵抗R1及びR2それぞれの抵抗値が調整されてもよい。このような調整によれば、ゲート・ソース間電圧Vgs1の温度特性(正)がゲート・ソース間電圧Vgs2の温度特性(負)よりも優勢となる。従って、出力電圧VOUTの温度特性がフラットに近付けられる。
【0061】
なお、抵抗R1及びR2それぞれの抵抗値が調整されると、第1ステップで相殺された二次の温度特性がずれる可能性もある。そこで、第3ステップとして、トランジスタM1及びM2それぞれの素子サイズが微調整されてもよい。
【0062】
上記一連の調整処理により、本図右側で示されるように、温度特性がフラットに近い高精度の出力電圧VOUTが生成され得る。
【0063】
<リニア電源(第3実施形態)>
図7は、リニア電源の第3実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第2実施形態(
図5)を基本としつつ、出力トランジスタ10及び制御回路40が出力トランジスタ10’(例えばエンハンスメント型NMOSFET)及び制御回路40’に置換されている。
【0064】
出力トランジスタ10’のドレインは、入力電圧VINの印加端に接続される。出力トランジスタ10’のソース及びバックゲートは、いずれも出力電圧VOUTの印加端に接続される。出力トランジスタ10’のゲートは、駆動信号SGの印加端に接続される。
【0065】
従って、駆動信号SGが高いほど出力トランジスタ10’の導通度が高くなり、出力電圧VOUTが上昇する。逆に、駆動信号SGが低いほど出力トランジスタ10’の導通度が低くなり、出力電圧VOUTが低下する。
【0066】
制御回路40’は、先出の制御回路40(
図2)と同じく、基準電流Iin1と帰還電流Iin2とが一致するように、出力トランジスタ10’の駆動信号SGを制御する。ただし、制御回路40’は、制御回路40と逆の入力極性を持つ。
【0067】
本図に即して述べると、制御回路40’は、非反転入力端(+)に入力される帰還電流Iin2から、反転入力端(-)に入力される基準電流Iin1を差し引いた差分電流ΔI’(=Iin2-Iin1)に応じて駆動信号SGを制御する。すなわち、制御回路40’は、差分電流ΔI’が小さいほど駆動信号SGを引き下げる。その結果、出力トランジスタ10’の導通度が低くなる。逆に、制御回路40’は、差分電流ΔI’が大きいほど駆動信号SGを引き上げる。その結果、出力トランジスタ10の導通度が高くなる。
【0068】
また、改めて図示はされないが、出力トランジスタ10’は、デプレッション型NMOSFET又はnpn型トランジスタに置き換えられてもよい。
【0069】
<リニア電源(第4実施形態)>
図8は、リニア電源の第4実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第2実施形態(
図5)を基本としつつ、制御回路40の構成要素として、トランジスタM6及びM7(例えばエンハンスメント型NMOSFET)が明示されている。
【0070】
トランジスタM6及びM7それぞれのソース及びバックゲートは、いずれも接地端に接続されている。トランジスタM6及びM7それぞれのゲートは、いずれもトランジスタM6のドレインに接続される。このように接続されたトランジスタM6及びM7は、カレントミラーCM2を形成する。
【0071】
トランジスタM6のドレインは、カレントミラーCM2の入力端として、帰還電流Iin2の出力端に接続されている。一方、トランジスタM7のドレインは、カレントミラーCM2の出力端として、基準電流Iin1の出力端と出力トランジスタ10のゲート(=駆動信号SGの印加端)に接続されている。
【0072】
カレントミラーCM2は、入力端に流れる帰還電流Iin2を所定の比率(例えば1:1)で出力端にミラーする。従って、出力トランジスタ10の駆動信号SGは、基準電流Iin1から帰還電流Iin2を差し引いた差分電流ΔI(=Iin1-Iin2)に応じて制御される。このような帰還制御により、出力電圧VOUTが一定値(={Vgs2+Vgs1×(R2/R1)}×(R3+R4)/R4)に維持される。
【0073】
本図で示されるように、制御回路40は、極めて簡易な構成で実装され得る。従って、素子ばらつきの要因が減るので、リニア電源1の特性(出力電圧VOUTの精度など)が向上され得る。
【0074】
また、改めて図示はされないが、トランジスタM6及びM7は、npn型トランジスタに置き換えられてもよい。
【0075】
<リニア電源(第5実施形態)>
図9は、リニア電源の第5実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第4実施形態(
図8)を基本としつつ、出力トランジスタ10及び制御回路40が出力トランジスタ10’(例えばエンハンスメント型NMOSFET)及び制御回路40’に置換されている。
【0076】
見方を変えると、本実施形態のリニア電源1は、先出の第3実施形態(
図7)を基本としつつ、制御回路40’の構成要素として、カレントミラーCM2を形成するトランジスタM6及びM7が明示されているものと理解され得る。ただし、制御回路40’は、制御回路40と逆の入力極性を持つ。
【0077】
本図に即して述べると、トランジスタM6のドレインは、カレントミラーCM2の入力端として、基準電流Iin1の出力端に接続されている。一方、トランジスタM7のドレインは、カレントミラーCM2の出力端として、帰還電流Iin2の出力端と出力トランジスタ10’のゲート(=駆動信号SGの印加端)に接続されている。
【0078】
つまり、カレントミラーCM2は、入力端に流れる基準電流Iin1を所定の比率(例えば、1:1)で出力端にミラーする。従って、出力トランジスタ10’の駆動信号SGは、帰還電流Iin2から基準電流Iin1を差し引いた差分電流ΔI’(=Iin2-Iin1)に応じて制御される。このような帰還制御により、出力電圧VOUTが一定値(={Vgs2+Vgs1×(R2/R1)}×(R3+R4)/R4)に維持される。
【0079】
<リニア電源(第6実施形態)>
図10は、リニア電源の第6実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第4実施形態(
図8)を基本としつつ、さらに、トランジスタM8及びM9(例えばPMOSFET)を備える。
【0080】
トランジスタM8のソースは、トランジスタM1及びM4それぞれのドレインに接続されている。トランジスタM8のドレインは、基準電流Iin1の出力端として、トランジスタM7のドレインと出力トランジスタ10のゲートに接続されている。トランジスタM8のゲートは、トランジスタM4のゲートに接続されている。
【0081】
トランジスタM9のソースは、トランジスタM2及びM5それぞれのドレインに接続されている。トランジスタM9のドレインは、帰還電流Iin2の出力端として、トランジスタM6のドレインに接続されている。トランジスタM9のゲートは、トランジスタM5のゲートに接続されている。
【0082】
このように、第4実施形態(
図8)をベースとしつつ、カレントミラーCM1は、カスコード出力型とされてもよい。
【0083】
<リニア電源(第7実施形態)>
図11は、リニア電源の第7実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第5実施形態(
図9)を基本としつつ、さらに、トランジスタM8及びM9(例えばPMOSFET)を備える。
【0084】
トランジスタM8のソースは、トランジスタM1及びM4それぞれのドレインに接続されている。トランジスタM8のドレインは、基準電流Iin1の出力端として、トランジスタM6のドレインに接続されている。トランジスタM8のゲートは、トランジスタM4のゲートに接続されている。
【0085】
トランジスタM9のソースは、トランジスタM2及びM5それぞれのドレインに接続されている。トランジスタM9のドレインは、帰還電流Iin2の出力端として、トランジスタM7のドレインと出力トランジスタ10’のゲートに接続されている。トランジスタM9のゲートは、トランジスタM5のゲートに接続されている。
【0086】
このように、第5実施形態(
図8)をベースとしつつ、カレントミラーCM1は、カスコード出力型とされてもよい。
【0087】
<リニア電源(第8実施形態)>
図12は、リニア電源の第8実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第2実施形態(
図5)を基本としつつ、トランジスタM2に代えてトランジスタM2’(例えばP+ゲートのデプレッション型NMOSFET)を備える。
【0088】
先出のトランジスタM1は、n型不純物がゲートに注入された一般的なデプレッション型(N+ゲート)である。なお、トランジスタM1のオン閾値電圧は、負電圧(-0.5V程度)となる。一方、トランジスタM2’は、p型不純物がゲートに注入されたデプレッション型(P+ゲート)である。なお、トランジスタM2’のオン閾値電圧は、正電圧(+0.6V程度)に設計され得る。従って、トランジスタM2’は、エンハンスメント型のトランジスタM2を代替することができる。
【0089】
トランジスタM1及びM2’は、それぞれのデバイス構造(特にゲートよりも下層の部分)が共通となる。従って、本実施形態のリニア電源1であれば、先の第2実施形態(
図5)と比べて、出力電圧VOUTが製造ばらつきの影響を受け難くなる。
【0090】
<リニア電源(第9実施形態)>
図13は、リニア電源の第9実施形態を示す図である。本実施形態のリニア電源1は、先出の第3実施形態(
図7)を基本としつつ、トランジスタM2に代えてトランジスタM2’(例えばP+ゲートのデプレッション型NMOSFET)を備える。本実施形態のリニア電源1であれば、先出の第3実施形態(
図7)と比べて、出力電圧VOUTが製造ばらつきの影響を受け難くなる。
【0091】
また、改めて図示はされないが、第4~第7実施形態のいずれにおいても、トランジスタM2は、トランジスタM2’に置き換えることが可能である。
【0092】
<実施形態の組み合わせ>
なお、上記した第1~第9実施形態の回路構成は、矛盾の無い範囲で任意に組み合わされてもよい。
【0093】
<付記>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べられる。
【0094】
本開示に係るリニア電源は、入力電圧の印加端と出力電圧の印加端との間に接続される出力トランジスタと、所定の基準電流を生成するように構成された基準電流生成回路と、前記出力電圧に応じた帰還電流を生成するように構成された帰還電流生成回路と、前記基準電流と前記帰還電流が一致するように前記出力トランジスタを制御するように構成された制御回路と、を備え、前記基準電流生成回路は、定電流を生成するように構成される電流源と、デプレッション型の第1トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート・ソース間に接続される第1抵抗と、を含み、前記定電流から前記第1トランジスタ及び前記第1抵抗に流れる第1電流を差し引いた差分電流に応じて前記基準電流を生成し、前記帰還電流生成回路は、制御電極が直接的に又は抵抗分圧器を介して前記出力電圧の印加端に接続されて第2電流を生成するように構成される第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続されて前記第1電流と同値の第2電流が流されるように構成された第2抵抗と、を含み、前記定電流から前記第2電流を差し引いた差分電流に応じて前記帰還電流を生成する構成(第1の構成)とされている。
【0095】
なお、上記第1の構成によるリニア電源は、前記第2トランジスタの制御電極と第1主電極との間における電極間電圧と前記第2抵抗の両端間電圧が足し合わされた電圧又はこれに応じた電圧を前記出力電圧として出力する構成(第2の構成)とされてもよい。
【0096】
また、上記第1又は第2の構成によるリニア電源において、前記第1抵抗と前記第2抵抗は、同じ温度特性を持つ構成(第3の構成)とされてもよい。
【0097】
また、上記第1~第3いずれかの構成によるリニア電源において、前記出力トランジスタは、Pチャネル型又はpnp型のトランジスタであり、前記制御回路は、前記基準電流から前記帰還電流を差し引いた差分電流に応じて前記出力トランジスタの駆動信号を制御する構成(第4の構成)とされてもよい。
【0098】
また、上記第1~第3いずれかの構成によるリニア電源において、前記出力トランジスタは、Nチャネル型又はnpn型のトランジスタであり、前記制御回路は、前記帰還電流から前記基準電流を差し引いた差分電流に応じて前記出力トランジスタの駆動信号を制御する構成(第5の構成)とされてもよい。
【0099】
また、上記第1~第5いずれかの構成によるリニア電源において、前記電流源は、第1カレントミラーの入力端に接続され、前記第1トランジスタは、前記第1カレントミラーの第1出力端に接続され、前記第2トランジスタは、前記第1カレントミラーの第2出力端に接続される構成(第6の構成)とされてもよい。
【0100】
また、上記第6の構成によるリニア電源において、前記第1カレントミラーは、カスコード出力型である構成(第7の構成)とされてもよい。
【0101】
また、上記第1~第7いずれかの構成によるリニア電源において、前記制御回路は、電流入力型のエラーアンプを含む構成(第8の構成)とされてもよい。
【0102】
また、上記第1~第7いずれかの構成によるリニア電源において、前記制御回路は、第2カレントミラーを含み、前記第2カレントミラーは、入力端が前記基準電流及び前記帰還電流の一方の出力端に接続され、出力端が前記基準電流及び前記帰還電流の他方の出力端と前記出力トランジスタの制御電極に接続される構成(第9の構成)とされてもよい。
【0103】
また、上記第1~第9いずれかの構成によるリニア電源において、前記第2トランジスタは、エンハンスメント型、又は、前記第1トランジスタとは異なる導電型の不純物がゲートに注入されたデプレッション型のトランジスタである構成(第10の構成)とされてもよい。
【0104】
<その他>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0105】
1 リニア電源
10 出力トランジスタ(PMOSFET)
10’ 出力トランジスタ(NMOSFET)
20 基準電流生成回路
30 帰還電流生成回路
40、40’ 制御回路
100 リニア電源
110 出力トランジスタ
120 基準電圧生成回路
130 帰還電圧生成回路
131、132 抵抗
140 制御回路
CM1、CM2 カレントミラー
CS 電流源
M1 トランジスタ(デプレッション型NMOSFET)
M2 トランジスタ(エンハンスメント型NMOSFET)
M2’ トランジスタ(デプレッション型NMOSFET、P+ゲート)
M3、M4、M5 トランジスタ(PMOSFET)
M6、M7 トランジスタ(エンハンスメント型NMOSFET)
M8、M9 トランジスタ(PMOSFET)
R1、R2、R3、R4 抵抗