(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016862
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A41D13/11 D
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001600
(22)【出願日】2021-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】沖田 颯亜
(72)【発明者】
【氏名】石田 美紀
(57)【要約】
【課題】マスクが着用者の見栄えに十分に影響を与え得るようにする。
【解決手段】マスク10は、着用者Pの顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部20と、マスク本体部20から延び出した耳掛け部30と、を有している。マスク10は、幅方向中心に位置する折り曲げ線40で折り曲げることによって折り畳み可能となっている。折り畳まれた状態での平面視において、折り曲げ線40の上端42と折り曲げ線40の下端43とを結ぶ基準軸線45に対し、基準軸線45から最も離間した折り曲げ線40の最大突出位置47と上端42とを結ぶ直線分48は、30°以上40°以下の角度θ1で傾斜している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に対し、前記基準軸線から最も離間した前記折り曲げ線の最大突出位置と前記上端とを結ぶ直線分は、30°以上40°以下の角度で傾斜している、マスク。
【請求項2】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記基準軸線から前記最大突出位置までの距離は、15mm以上25mm以下である、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上端から前記最大突出位置までの前記基準軸線と平行な方向に沿った長さは、25mm以上30mm以下である、請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に対し、前記折り曲げ線の最も大きく屈曲した屈曲点と前記上端とを結ぶ直線分は、30°以上40°以下の角度で傾斜している、マスク。
【請求項5】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記基準軸線から前記屈曲点までの距離は、15mm以上25mm以下である、請求項4に記載のマスク。
【請求項6】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上端から前記屈曲点までの前記基準軸線と平行な方向に沿った長さは、25mm以上30mm以下である、請求項4又は5に記載のマスク。
【請求項7】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ前記基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記第1方向に沿った長さは160mm以上190mm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項8】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記第2方向に沿った前記上端から前記下端までの長さは110mm以上135mm以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項9】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記下端を通過し前記耳掛け部に接する下側接線に対し、前記下端から前記下側接線と前記耳掛け部が接する下側接点までの下側縁部は、凹んでいる、請求項1~8のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項10】
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端を通過し前記耳掛け部に接する下側接線に対し、前記下端から前記下側接線と前記耳掛け部が接する下側接点までの下側縁部は、凹んでいる、マスク。
【請求項11】
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離は2mm以上10mm以下である、請求項9又は10に記載のマスク。
【請求項12】
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離よりも大きい、請求項9~11のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項13】
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離の1.5倍以上10倍以下である、請求項9~12のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項14】
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線から最も離間した前記上側縁部の上側最大凹み位置から前記第1方向に沿った前記基準軸線までの長さは、前記下側接線から最も離間した前記下側縁部の下側最大凹み位置から前記第1方向に沿った前記基準軸線までの長さより小さい、請求項9~13のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項15】
前記マスク本体部の外面の色は、RGB表色系におけるR値が230以上250以下、G値が173以上214以下、B値が153以上198以下である、請求項12~14のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項16】
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は10mm以上18mm以下である、請求項1~15のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項17】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側において、前記上側縁部から前記耳通過孔までの第2方向に沿った長さは、前記下側縁部から前記耳通過孔までの第2方向に沿った長さより小さい、請求項12~15のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項18】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置から前記第1方向に沿って前記折り畳み線に接近するにつれて、前記耳通過孔の前記第2方向に沿った長さは小さくなる、請求項12~16のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項19】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向に沿った長さは80mm以上89mm以下である、請求項1~18のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項20】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向に沿った長さの二倍以下となる前記第1方向に沿った長さを有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項21】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の内寸法が最長となる方向は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するようにして、前記第1方向に対し8°以上15°以下の角度で傾斜する、請求項1~20のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項22】
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に離間する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、を結ぶ直線分は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するようにして、前記第1方向に対し8°以上15°以下の角度で傾斜する、請求項1~21のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項23】
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の内寸法が最長となる方向は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するように、前記第1方向に対して傾斜する、マスク。
【請求項24】
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に離間する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、を結ぶ直線分は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するように、前記第1方向に対して傾斜する、マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
2020年1月頃よりCOVID-19の感染が広がっている。世界中の多くの人々は、マスク着用により感染拡大防止および感染予防を図ることを余儀なくされている。マスクについては種々の研究がなされてきたが(例えば、特許第5632149号)、マスクが日常化した今般では、新たな課題として着用者の見栄えを向上させる機能もマスクに要求され始めた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のマスクでは着用者の見栄えに十分な影響を与えることができていない。本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、マスクが着用者の見栄えに十分に影響を与え得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による第1のマスクは、
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に接近する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に対し、前記基準軸線から最も離間した前記折り曲げ線の最大突出位置と前記上端とを結ぶ直線分は、30°以上40°以下の角度で傾斜している。
【0006】
本発明による第1のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記基準軸線から前記最大突出位置までの距離は、15mm以上25mm以下であってもよい。
【0007】
本発明による第1のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上端から前記最大突出位置までの前記基準軸線と平行な方向に沿った長さは、25mm以上30mm以下であってもよい。
【0008】
本発明による第2のマスクは、
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に接近する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に対し、前記折り曲げ線の最も大きく屈曲した屈曲点と前記上端とを結ぶ直線分は、30°以上40°以下の角度で傾斜している。
【0009】
本発明による第2のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記基準軸線から前記屈曲点までの距離は、15mm以上25mm以下であってもよい。
【0010】
本発明による第2のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上端から前記屈曲点までの前記基準軸線と平行な方向に沿った長さは、25mm以上30mm以下であってもよい。
【0011】
本発明による第1及び第2のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ前記基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記第1方向に沿った長さは160mm以上190mm以下であってもよい。
【0012】
本発明による第1及び第2のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記第2方向に沿った前記上端から前記下端までの長さは110mm以上135mm以下であってもよい。
【0013】
本発明による第1及び第2のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記下端を通過し前記耳掛け部に接する下側接線に対し、前記下端から前記下側接線と前記耳掛け部が接する下側接点までの下側縁部は、凹んでいてもよい。
【0014】
本発明による第3のマスクは、
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端を通過し前記耳掛け部に接する下側接線に対し、前記下端から前記下側接線と前記耳掛け部が接する下側接点までの下側縁部は、凹んでいる。
【0015】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、前記折り畳まれた状態での平面視において、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離は2mm以上10mm以下であってもよい。
【0016】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に接近する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記下側接線から最も離間した前記下側縁部の下側最大凹み位置から前記基準軸線までの前記第1方向に沿った長さは、50mm以上62mm以下であってもよい。
【0017】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離よりも大きくてもよい。
【0018】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は、前記下側接線に対する前記下側縁部の最大離間距離の1.5倍以上10倍以下であってもよい。
【0019】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線から最も離間した前記上側縁部の上側最大凹み位置から前記第1方向に沿った前記基準軸線までの長さは、前記下側接線から最も離間した前記下側縁部の下側最大凹み位置から前記第1方向に沿った前記基準軸線までの長さより小さくてもよい。
【0020】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、前記マスク本体部の外面の色は、RGB表色系におけるR値が230以上250以下、G値が173以上214以下、B値が153以上198以下であってもよい。
【0021】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線に対する前記上側縁部の最大離間距離は10mm以上18mm以下であってもよい。
【0022】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端を通過し前記耳掛け部に接する上側接線に対し、前記上端から前記上側接線と前記耳掛け部が接する上側接点までの上側縁部は、凹み、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記上側接線から最も離間した前記上側縁部の上側最大凹み位置から前記基準軸線までの前記第1方向に沿った長さは、47mm以上59mm以下であってもよい。
【0023】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側において、前記上側縁部から前記耳通過孔までの第2方向に沿った長さは、前記下側縁部から前記耳通過孔までの第2方向に沿った長さより小さくてもよい。
【0024】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記折り曲げ線の前記上端と前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置から前記第1方向に沿って前記折り畳み線に接近するにつれて、前記耳通過孔の前記第2方向に沿った長さは小さくなってもよい。
【0025】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向に沿った長さは80mm以上89mm以下であってもよい。
【0026】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記折り曲げ線の前記下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向に沿った長さの二倍以下となる前記第1方向に沿った長さを有してもよい。
【0027】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の内寸法が最長となる方向は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するようにして、前記第1方向に対し8°以上15°以下の角度で傾斜してもよい。
【0028】
本発明による第1~第3のマスクにおいて、
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に離間する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、を結ぶ直線分は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するようにして、前記第1方向に対し8°以上15°以下の角度で傾斜してもよい。
【0029】
本発明による第4のマスクは、
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の内寸法が最長となる方向は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するように、前記第1方向に対して傾斜する。
【0030】
本発明による第5のマスクは、
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部から延び出した耳掛け部と、を備え
着用者の耳が通過する耳通過孔が形成され、
幅方向中心に位置する折り曲げ線で折り曲げることによって折り畳み可能であり、
前記折り畳まれた状態での平面視において、着用時に前記着用者の目に近接する側となる前記折り曲げ線の上端と前記目から離間する側となる前記折り曲げ線の下端とを結ぶ基準軸線に直交する方向を第1方向と定義し、前記基準軸線と平行な方向を第2方向と定義し、
前記折り畳まれた状態での平面視において、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に接近する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、前記耳通過孔の前記第1方向における中心位置よりも前記第1方向における前記基準軸線に離間する側に位置する前記耳通過孔の輪郭線のうちの曲率半径が最も小さくなる位置と、を結ぶ直線分は、前記第1方向において前記基準軸線に接近するにつれて前記第2方向において前記上端から離間して前記下端に接近するように、前記第1方向に対して傾斜する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、マスクの着用者の見栄えに十分に影響を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、マスクを折り畳んだ状態にて示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のマスクを着用した状態で正面から示す図である。
【
図3】
図3は、
図1のマスクを着用した状態で側方から示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に対応する平面図であって、マスクの一変形例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に対応する平面図であって、マスクの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面に示された具体例を参照しながら一実施の形態を以下に説明する。以下に説明する一実施の形態では、マスク着用者の見栄えに十分な影響を与え得るようにする工夫がマスクに対してなされている。
【0034】
なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、本明細書中において、マスク及びその構成要素に対して用いる「上」、「下」、「左」、「右」、「表」、「裏」等の用語は、特に指示がない場合、マスク着用者を基準として着用された状態での「上」、「下」、「左」、「右」、「表」、「裏」を意味する。したがって、「上」とは、上下方向において着用者の目に近接する側のことであり、「下」とは、上下方向において着用者の目から離間する側のことである。また、「裏」とは着用者に対面する側のことであり、「表」とは、着用者とは逆を向く側のことである。
【0035】
図1~
図3に示すように、マスク10は、着用者Pの顔のうち、口および鼻孔を覆うものである。マスク10は、着用者Pからの飛沫等の拡散抑制および着用者Pによる異物等の吸い込み抑制を目的として使用される。マスク10は、マスク本体部20及び耳掛け部30を有している。マスク本体部20は、着用者Pの口および鼻孔に対面して配置され、口および鼻孔を覆う。耳掛け部30は、マスク本体部20から両側方に延び出した一対の耳掛け部30L,30Rを含んでいる。
図2及び
図3に示すように、左耳掛け部30Lは、左側に位置して、着用者Pの左耳に掛けられる。
図2に示すように、右耳掛け部30Rは、右側に位置して、着用者Pの右耳に掛けられる。一対の耳掛け部30が着用者Pの耳に掛けられることによって、マスク本体部20が着用者Pの顔の口および鼻孔に対面する位置に保持される。
【0036】
マスク本体部20は、単層構成としてもよいし、複数層構成としてもよい。複数層構成のマスク本体部20は、表地層、フィルタ層及び裏地層を、表から裏に向けてこの順番で含むようにしてもよい。
【0037】
表地層は、意匠性を発揮し得る色や質感を有していてもよい。また、表地層は、飛沫や異物等の通過を抑制するフィルタ機能を有していてもよい。表地層として、パフ素材層(パフ調材料層)や、不織布を用いることができる。パフ素材層とは、ファンデーション等の粉状の化粧品を肌に塗布する際に用いられるパフと同様の質感を有した材料である。具体的には、パフ素材として、天然ゴム、合成ゴム、ポリエステルやナイロン等の樹脂を用いたスポンジ等の多孔質層が例示される。表地層をなす不織布として、ポリエステルやナイロン等の樹脂や繊維を用いた不織布が例示される。また、表地層は、放熱材料、防臭材料、抗菌材料等を含んでいてもよい。
【0038】
フィルタ層は、フィルタ機能を発現し、飛沫や異物等の通過を抑制する。フィルタ層として、ポリエステルやナイロン等の樹脂や繊維を用いた不織布、ウレタン等を用いた樹脂層が例示される。フィルタ層には、呼吸のための通気を可能とする空隙が設けられている。ただし、この空隙は、唾液等の飛沫の通過や、花粉や埃等の異物の通過を有効に規制し得る大きさとなっていることが好ましい。
【0039】
裏地層は、マスク着用者Pの肌に接触するので、肌当たりの良い材料を用いた層とすることが好ましい。裏地層として、織地等のテキスタイルや不織布が例示される。裏地層をなす不織布として、ポリエステルやナイロン等の樹脂や繊維を用いた不織布が例示される。また、裏地層は、放熱材料、防臭材料、抗菌材料等を含んでいてもよい。裏地層は、表地層とは異なる素材を使用してもよい。
【0040】
耳掛け部30は、マスク本体部20と同一の材料により、繋ぎ目無しで一体的に形成されていてもよい。マスク本体部20が複数層を含む場合には、耳掛け部30は、マスク本体部20をなすいずれか一以上の層によって形成されていてもよい。この例において、耳掛け部30は、マスク本体部20をなすいずれか一以上の層と繋ぎ目無しで一体的に形成されていてもよい。或いは、耳掛け部30は、マスク本体部20と別部材として形成され、マスク本体部20に取り付けられていてもよい。このような例によれば、図示された例のように耳欠け部30をシート状に経形成し得る。マスク本体部20とは別部材の耳掛け部30として、ゴムや布を用いることができる。耳掛け部30のマスク本体部20への取り付けは、接着材等の接合材を用いてよいし、溶着としてもよい。
【0041】
図1に示すように、マスク10及びマスク本体部20は、折り曲げ線40で折り曲げることによって折り畳み可能となっている。折り曲げ線40は直線状でない。これにより、一対の耳掛け部30を互いから離間させてマスク10及びマスク本体部20を広げた状態において、マスク10及びマスク本体部20は立体的な形状を有する。図示された例において、折り曲げ線40は曲線状に延びている。
【0042】
図示された例において、マスク10は、折り曲げ線40で折り曲げられることによって、
図1に示すように平坦なシート状となる。また図示された例において、マスク10は、折り曲げ線40を中心として左右対称な形状を有している。マスク10は、折り曲げ線40によって区分けされる左マスク半体10L及び右マスク半体10Rを含んでいる。
図1に示すように、折り曲げ線40を中心としてマスク10を折り畳んだ状態において、左マスク半体10L及び右マスク半体10Rは重ねられて、シート状となる。左マスク半体10L及び右マスク半体10Rは、継ぎ目無しで一体的に形成されてもよい。或いは、左マスク半体10L及び右マスク半体10Rは、別体として形成され、折り曲げ線40において接合されていてもよい。接合は、溶着でもよいし、縫い付けでもよい。
【0043】
同様に、マスク本体部20は、折り曲げ線40を中心として左右対称な形状を有している。マスク本体部20は、折り曲げ線40によって区分けされる左本体部半体20L及び右本体部半体20Rを含んでいる。
図1に示すように、折り曲げ線40を中心としてマスク10を折り畳んだ状態において、左本体部半体20L及び右本体部半体20Rは重ねられて、シート状となる。左本体部半体20L及び右本体部半体20Rは、継ぎ目無しで一体的に形成されてもよい。或いは、左本体部半体20L及び右本体部半体20Rは、別体として形成され、折り曲げ線40において接合されていてもよい。接合は、溶着でもよいし、縫い付けでもよい。
【0044】
図1に示すように、折り曲げ線40は、一つの屈曲点41を有している。ここで屈曲点とは、向きが異なる二つの線分の接続点である。ただし、この屈曲点は、厳密な意味にて折り曲げ線40のうちの折れ曲がっている点のみに限られず、後述するように鼻先を強調することができる限りにおいて、面取りがなされて滑らかに二つの線分が接続する点であってもよい。
図1に示された平面視において、屈曲点41は、曲線分と曲線分との交点となっている。ただし、この例に限られず、屈曲点41は、直線分と直線分との交点であってもよいし、曲線分と直線分との交点であってもよい。
【0045】
以下、マスク10の折り畳んだ状態の構成、及び、当該構成によって得られる作用効果について、更に詳述していく。
【0046】
図1に示すように、折り曲げ線40は、上端42及び下端43を有している。上端42は、マスク10を着用した状態で、マスク着用者Pの目に近接する側の端である。下端43は、マスク10を着用した状態で、マスク着用者Pの目に近接する側の端である。屈曲点41は、折り曲げ線40上における上端42及び下端43の間に位置している。
図1に示すように、折り畳まれた状態のマスク10に対し、上端42及び下端43を結ぶ直線を基準軸線45と定義する。更に、折り畳まれた状態のマスク10に対し、基準軸線45と直交する方向を第1方向D1と定義する。折り畳まれた状態のマスク10に対し、基準軸線45と平行な方向を第2方向D2と定義する。
【0047】
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、基準軸線45から最も離間した最大突出位置47と折り曲げ線40の上端42とを結ぶ直線分48は、基準軸線45に対し、傾斜している。ここで、最大突出位置47は、折り曲げ線40のうちの基準軸線45から第1方向D1に最も離間した位置である。直線分48が基準軸線45に対してなす角度θ1は、30°以上40°以下とすることができ、より好ましくは34°以上36°以下とすることができる。
【0048】
同様に、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、折り曲げ線40の上端42と折り曲げ線40の屈曲点41とを結ぶ直線分49は、基準軸線45に対し、傾斜している。直線分49が基準軸線45に対してなす角度θ2は、30°以上40°以下とすることができ、より好ましくは34°以上36°以下とすることができる。なお、折り曲げ線40が複数の屈曲点41を含む場合には、角度θ2の特定に、折り曲げ線40が最も大きく屈曲する屈曲点を用いる。最も大きく屈曲する屈曲点とは、当該屈曲点で接続する二つの線分が互いに対してなす傾斜角度が最大となる屈曲点を意味する。なお、折り曲げ線40をなす線分が曲線分である場合には、屈曲点を形成する位置での当該曲線分への接線を用いて傾斜角度を特定する。
【0049】
マスク10のうちの基準軸線45と折り曲げ線40との間に位置する部分は、左耳掛け部30L及び右耳掛け部30Rを互いから離間するようにマスク10を広げた状態において、マスク10を立体的に形成する部分である。そして、
図3から理解され得るように、マスク10が着用者Pに着用された状態において、これらの角度θ1,θ2は、マスク10のうちの着用者Pの鼻を覆う部分の傾斜角度に影響を与える。そして、角度θ1,θ2を上述の範囲に設定することによって、
図3に示すように、マスク10を着用した着用者を側方から観察した場合に、マスク着用者Pの鼻先辺りに位置する部分においてマスク10が最も突出するようになる。そして、最も突出した位置から着用者Pの顎先に向かって締まる印象が、マスク着用者Pに付与される。これにより、鼻筋が通ってすっきりとした印象を、すなわち端整な印象を、着用者Pの顔に持たせることができる。また、顔を膨張した感じに見せることがないので、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。
【0050】
また、角度θ1,θ2に関連して、次のようにマスク10を設計してもよい。
【0051】
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、基準軸線45から最大突出位置47までの距離LA1を、15mm以上25mm以下としてもよい。すなわち、基準軸線45から最大突出位置47までの基準軸線45と直交する第1方向D1に沿った長さLA1を15mm以上25mm以下としてもよい。同様に、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、基準軸線45から最も大きく屈曲した屈曲点41までの距離(第1方向D1に沿った長さ)LA2を15mm以上25mm以下としてもよい。長さLA1,LA2をこのように設定することによって、上述した角度θ1,θ2による作用効果をより顕著とすることができる。
【0052】
また、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、折り曲げ線40の上端42から最大突出位置47までの基準軸線45と平行な第2方向D2に沿った長さLB1を、25mm以上30mm以下としてもよい。同様に、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、折り曲げ線40の上端42から最も大きく屈曲した屈曲点41までの第2方向D2に沿った長さLB2を、25mm以上30mm以下としてもよい。長さLB1,LB2をこのように設定することによって、上述した角度θ1,θ2による作用効果をより顕著とすることができる。
【0053】
なお、図示された例において、屈曲点41は、変曲点となっている。すなわち、屈曲点41の両側に位置し屈曲点41で接続する二つの線分は、第1方向D1に対して互いに逆側に傾斜している。屈曲点41の両側に位置し屈曲点41で接続する二つの線分は、第2方向D2に対して互いに逆側に傾斜している。したがって、図示された例では、折り曲げ線40上において、最大突出位置47は、屈曲点41と一致している。図示された例において、角度θ1と角度θ2は同一である。また図示された例において、長さLA1及び長さLA2は同一であり、長さLB1及び長さLB2は同一である。
【0054】
屈曲点41が変曲点となる場合、マスク10の着用時に折り曲げ線40が丸くなってしまうことを効果的に回避し、側方からの観察において折り曲げ線40を屈曲した状態に維持し易くなる。すなわち、屈曲点41が変曲点となる場合、マスク着用者Pの鼻先に屈曲点41が位置することにより、マスク10によって覆われた着用者Pのシルエットをマスク10によって形成し、鼻先の突出を効果的に強調することができる。更に、マスク10が鼻先からの顎先に向かって引き締まる印象を付与することができる。これにより、鼻筋が通ってすっきりとした印象を、すなわち端整な印象を、より強調することができる。
【0055】
ただし、図示された例に限られず、折り曲げ線40上において、最大突出位置47は、最も大きく屈曲した屈曲点41からずれていてもよい。また、図示された例において、折り曲げ線40は単一の屈曲点41のみを含んでいるが、この例に限られず、折り曲げ線40が複数の屈曲点を含んでいてもよい。
【0056】
また、マスク10の全体的な寸法がマスク着用者Pの顔の寸法に合致していないと、マスク10に大きな伸びが発生する。この場合、マスク10の着用時に、期待されたマスク10の立体形状が得られないことも想定される。そこで、マスク10の全体的な寸法は、顔の平均的な寸法を考慮して設定されていることが好ましい。
【0057】
具体的には、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、マスク10の第1方向D1に沿った長さLCを160mm以上190mm以下とすることが好ましい。とりわけ、成人女性用のマスクについては長さLCを160mm以上180mm以下とすることがより好ましく、成人男性用のマスクについては長さLCを165mm以上190mm以下とすることがより好ましい。また、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、第2方向D2に沿った折り曲げ線40の上端42から下端43までの長さLDを110mm以上135mm以下とすることが好ましい。とりわけ、成人女性用のマスクについては長さLDを110mm以上130mm以下とすることがより好ましく、成人男性用のマスクについては長さLDを120mm以上135mm以下とすることがより好ましい。このように長さLC及びLDを設定することにより、着用者されたマスク10の立体感が理想的に強調される。これにより、鼻筋が通って着用者Pの顔にすっきりとした印象をより効果的に持たせることができる。
【0058】
次に、マスク10の下側縁部50について説明する。下側縁部50は、折り曲げ線40の下端43から第1方向D1に延び出している。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、下側縁部50に対して下側接線53が接している。下側接線53は、折り曲げ線40の下端43で下側縁部50に接し、且つ、耳掛け部30の下側接点51で下側縁部50に接している。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、下側縁部50は、下端43から下側接点51までの全域において、下側接線53に対して内側(上側)に位置するよう凹んでいる。すなわち、下側縁部50は、下端43から下側接点51までの全域において、第2方向D2において下側接線53と上側縁部60との間に位置するように凹んでいる。
【0059】
特許文献1(特許第5632149号)に開示された従来のマスクでは、下側縁部が外側(下側)に向けて突出していた。このような従来のマスクを着用した場合、顎のラインがマスクによってすっかり覆われる。そして、顎のラインがわかりにくく、顔が膨張して見えることもあった。
【0060】
これに対して、本実施の形態によれば、下側縁部50は内側(上側)に凹となるように凹んでいる。したがって、
図2に示すように正面から観察した際に、着用者Pのフェイスラインである顎のラインをわかりやすくすることができる。とりわけ、顎のラインが耳に向けて持ち上がるようにシャープに見せることができる。さらに、
図3に示すように側方から観察した際には、凹んだ下側縁部50による効果がより顕著となり、顎のラインを引き締めて見せることができる。つまり、着用者Pの顔をシャープに見せることができる。結果として、用者Pの顔を膨張した感じに見せず、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。更に、これららの正面および側方からの見え方により、着用者されたマスク10の立体感が強調され、上述の角度θ1、θ2に関する設定との組合せにより、相乗的に鼻筋を強調させることもできる。
【0061】
また、下側縁部50に関連して、次のようにマスク10を設計してもよい。
【0062】
まず、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、下側接線53に対する下側縁部50の最大離間距離LEを2mm以上10mm以下としてもよく、更に2mm以上6mm以下としてもよい。言い換えると、下側接線53から下側縁部50までの下側接線53に直交する方向に沿った最大長さLEを2mm以上10mm以下としてもよく、更に2mm以上6mm以下としてもよい。長さLEをこのように設定することによって、着用者Pの顎のラインをより効果的に強調することができ、上述の凹んだ下側縁部50による作用効果をより顕著とすることができる。
【0063】
また、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、下側接線53から最も離間した下側縁部50の位置を下側最大凹み位置52とする。すなわち、上述の最大離間距離LEが得られる下側縁部50上の位置を下側最大凹み位置52とする。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、この下側最大凹み位置52から基準軸線45までの第1方向D1に沿った長さLFを、50mm以上62mm以下とすることが好ましく、53mm以上59mm以下とすることがより好ましい。長さLFをこのように設定することによって、顎のラインを十分な長さにわたって見せることができ、上述の凹んだ下側縁部50による作用効果をより顕著とすることができる。
【0064】
次に、マスク10の上側縁部60について説明する。上側縁部60は、折り曲げ線40の上端42から第1方向D1に延び出している。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、上側縁部60に対して上側接線63が接している。上側接線63は、折り曲げ線40の上端42で上側縁部60に接し、且つ、耳掛け部30の上側接点61で上側縁部60に接している。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、上側縁部60は、上端42から上側接点61までの全域において、上側接線63に対して内側(下側)に位置するよう凹んでいる。すなわち、上側縁部60は、上端42から上側接点61までの全域において、第2方向D2において上側接線63と下側縁部50との間に位置するように凹んでいる。
【0065】
とりわけ図示されたマスク10では、
図1に示された折り畳まれた状態の平面視において、上側接線63に対する上側縁部60の最大離間距離LGは、上述した下側接線53に対する下側縁部50の最大離間距離LEよりも大きくなっている。
【0066】
具体的には、
図1に示された折り畳まれた状態のマスク10の平面視において、上側接線63に対する上側縁部60の最大離間距離LGを下側接線53に対する下側縁部50の最大離間距離LEの1.5倍以上10倍以下とすることが好ましく、1.5倍以上7倍以下にすることがより好ましく、1.5倍以上4倍以下にすることが更に好ましい。
【0067】
更に具体的には、
図1に示された折り畳まれた状態のマスク10の平面視において、下側接線53に対する上側縁部60の最大離間距離LGを10mm以上18mm以下としてもよく、更に12mm以上16mm以下としてもよい。言い換えると、上側接線63から上側縁部60までの上側接線63に直交する方向に沿った最大長さLGを10mm以上18mm以下としてもよく、更に12mm以上16mm以下としてもよい。
【0068】
長さLGをこれらのように設定することによって、
図2及び
図3に示すように、正面および側方からの観察において、着用者Pの目とマスク10の上側縁部60との間に、着用者Pの肌を適度に露出させることができる。結果として、着用者Pの目の周囲が露出し、且つ、マスク10の上側縁部60が目に沿って延びるようになる。これにより、着用者Pの目が強調され、アイメイクの印象を強くすることができる。また、マスク10が着用者Pの顔にフィットして顔の輪郭や立体感を強調することができる。これにより、着用者Pの顔を膨張した感じに見せず、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。
【0069】
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、上側接線63から最も離間した上側縁部60の位置を上側最大凹み位置62とする。すなわち、上述の最大離間距離LGが得られる上側縁部60上の位置を上側最大凹み位置62とする。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、この上側最大凹み位置62から基準軸線45までの第1方向D1に沿った長さLHを、47mm以上59mm以下とすることが好ましく、50mm以上56mm以下とすることがより好ましい。長さLHをこのように設定することによって、上側縁部60が目の下側輪郭に沿って延びるようになり、上述の凹んだ上側縁部60による作用効果をより顕著とすることができる。
【0070】
また、上側最大凹み位置62から基準軸線45までの第1方向D1に沿った長さLHを、下側最大凹み位置52から基準軸線45までの第1方向D1に沿った長さLFより、短くすることが好ましい。長さLHを長さFよりも短くすることにより、上述の凹んだ下側縁部50による作用効果と上述の凹んだ上側縁部60による作用効果との両方を、より顕著とすることができる。
【0071】
次に、耳掛け部30について説明する。耳掛け部30には、耳通過孔31が形成されている。耳通過孔31に耳を通過させることによって、耳掛け部30がマスク着用者Pの顔に保持されるようになる。
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、耳通過孔31の第1方向D1に沿った長さLIを80mm以上89mm以下とすることが好ましく、82mm以上86mm以下とすることがより好ましい。図示された例において、耳掛け部30は、単なるゴム紐ではなく、例えば3mm以上又は5mm以上の太い幅を有している。図示された例では、このようなマスク10において、耳通過孔31に関する長さLIを大きく確保している。このマスク10によれば、
図2に示すように、正面からの観察においても、着用者Pの顔の余白部分を耳通過孔31から適度に露出させることができる。このとき、
図1に示すように、顎のラインが耳に向けて持ち上がるようにシャープに見せることができる。これにより、着用者Pの顔を膨張した感じに見せず、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。更に、
図3に示すように、側方からの観察において、着用者Pの頬のうちの側方を向く部分を大きく露出させることができる。これららの正面および側方からの見え方により、着用者されたマスク10の立体感が強調され、上述の角度θ1、θ2に関する設定との組合せにより、相乗的に鼻筋を強調させることもできる。
【0072】
また、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、耳通過孔31の第1方向D1における中心位置32よりも第1方向D1における基準軸線45に接近する側において、上側縁部60から耳通過孔31までの第2方向D2に沿った長さLJは、下側縁部50から耳通過孔31までの第2方向D2に沿った長さLKよりも、短くなっている。すなわち、耳掛け部30において耳通過孔31は、第2方向D2において、下側縁部50から離間し且つ上側縁部60に近接している。このような構成によれば、
図2に示すように、正面からの観察において、より効果的に、着用者Pの顎のラインが耳に向けて持ち上がるようにシャープに見せることができる。また、
図3に示すように、側方からの観察において、着用者Pの血色の良い目近傍の肌を、耳通過孔31から、露出させることもでき、これにより、印象を上げることができる。
【0073】
さらに、
図1に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、耳通過孔31の第1方向D1における中心位置32から第1方向D1に沿って折り曲げ線40に接近するにつれて、耳通過孔31の第2方向D2に沿った長さLLは短くなる。このような構成によれば、
図2に示すように、正面からの観察において、より効果的に、着用者Pの顎のラインが耳に向けて持ち上がるようにシャープに見せることができる。
【0074】
ところで、ここで説明してきたマスク10は、凹んだ上側縁部60や大面積の耳通過孔31によって、マスク着用者Pの肌、とりわけ目の下や頬の上部等の血色の良い肌を露出させることができる。このような形状を有したマスク10の外面の色は、とりわけマスク本体部20の外面の色は、RGB表色系におけるR値が230以上250以下、G値が173以上214以下、B値が153以上198以下となる範囲内にあることが好ましい。このような範囲から選択されたマスク10の色は、ファンデーション、チーク、口紅等のメーキャップ化粧品と同様に着用者Pの顔を明るく映えて見せる等の美容効果を発現する。そして、このような範囲から選択されたマスク10の色は、肌へのなじみが良いことから、マスク10から露出した肌に自然な血色感や幸福感を与えることができる。より具体的には、くすみ感を払拭して顔の血色がよく明るく見せることができ、明るい印象を与えることができる。また、マスクから露出した目元を引き立てることができ、言い換えれば、マスク自体が従来のチークや口紅といったメーキャップ効果と同様の効果をもたらすことができ、美容面において優れる。
【0075】
以上に説明してきた一実施の形態において、マスク10は、着用者Pの顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部20と、マスク本体部20から延び出した耳掛け部30と、を有している。マスク10は、幅方向中心に位置する折り曲げ線40で折り曲げることによって折り畳み可能となっている。折り畳まれた状態での平面視において、折り曲げ線40の上端42と折り曲げ線40の下端43とを結ぶ基準軸線45に対し、基準軸線45から最も離間した折り曲げ線40の最大突出位置47と上端42とを結ぶ直線分48は、30°以上40°以下の角度θ1で傾斜している。或いは、折り畳まれた状態での平面視において、基準軸線45に対し、折り曲げ線40の最も大きく屈曲した屈曲点41と上端42とを結ぶ直線分49は、30°以上40°以下の角度θ2で傾斜している。このような一実施の形態によれば、マスク着用者Pの側方から観察した際に鼻先辺りが最も突出し、更に顎に向かって締まる印象を着用者Pに付与することができる。すなわち、鼻筋が通ってすっきりとした印象を着用者Pの顔に持たせることができる。また、顔を膨張した感じに見せず、着用者の顔を小さく見せることもできる。このようにマスク10によって、マスク着用者Pの印象や見栄えを向上させることができる。
【0076】
また、以上に説明してきた一実施の形態において、マスク10は、着用者Pの顔の少なくとも一部を覆うマスク本体部20と、マスク本体部20から延び出した耳掛け部30と、を有している。マスク10は、幅方向中心に位置する折り曲げ線40で折り曲げることによって折り畳み可能となっている。折り畳まれた状態での平面視において、折り曲げ線40の下端43を通過し耳掛け部30に接する下側接線53に対し、下端43から下側接線53と耳掛け部30が接する下側接点51までの下側縁部50は、内側に位置するように凹んでいる。このような一実施の形態によれば、着用者Pの顎のラインをシャープに見せることができる。これにより、顔を膨張した感じに見せず、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。また、着用時におけるマスク10の立体感が強調され、鼻筋が通ってすっきりとした印象を、すなわち端整な印象を、着用者Pの顔に持たせることができる。
【0077】
一実施の形態を複数の具体例を参照しながら説明してきたが、具体例は一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0078】
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0079】
図1に示されたマスク10は、折り曲げ線40の角度θ1及び角度θ2に関する構成、凹んだ下側縁部50に関する構成、凹んだ上側縁部60、及び、耳通過孔31に関する構成を、特徴的な構成として含んでいた。しかしながら、マスク10は、これらの特徴的な構成をすべて含んでいる必要はなく、例えばいずれか一つのみを含んでいてもよいし、二以上を含んでいてもよい。マスク10は、これらの四つの特徴的な構成の一以上を含むことで上述した優れた作用効果を奏することができる。更に、マスク10は、これらの四つの特徴的な構成の二以上を含むことで上述した相乗的な効果を奏することができる。
【0080】
例えば、上述した具体例における耳通過孔31の形状は一例に過ぎず、例えば
図4に示すように、耳通過孔31の形状を変更することができる。
図4に示されたマスク10は、耳通過孔31の形状を除き、
図1を参照して説明した上述のマスク10と同様の構成を採用することができる。すなわち、
図4に示されたマスク10は、上述した折り曲げ線40の角度θ1及び角度θ2に関する構成、上述した凹んだ下側縁部50に関する構成、及び、上述した凹んだ上側縁部60に関する構成を有していてもよい。
【0081】
また、
図5に示すように、凹んでいない下側縁部50を含んでいてもよい。
図5に示されたマスク10は、上述した折り曲げ線40の角度θ1及び角度θ2に関する構成、上述した凹んだ上側縁部60に関する構成、及び、上述した耳通過孔31に関する構成を有していてもよい。
【0082】
ところで、
図5に示された例では、耳通過孔31の内寸法(内幅)が最長となる方向D3は、第1方向D1に対して傾斜している。最小内寸法の方向D3は、第1方向D1において基準軸線45に接近するにつれて第2方向D2において上端42から離間して下端43に接近するように、第1方向D1に対して傾斜している。最小内寸法の方向D3は、好ましくは、好ましくは8°以上15°以下の角度θ3で、より好ましくは8°以上12°以下の角度θ3で、第1方向D1に対して傾斜している。
【0083】
同様に、
図5に示された例では、耳通過孔31は第1方向D1に長細くなっている。叙述したように、耳通過孔31の長手方向とも呼べる最小内寸法の方向D3は、第1方向D1に対して僅かに傾斜しつつも、第1方向D1に延びている。このような耳通過孔31の輪郭線31Cは、曲線状に形成された場合、第1方向D1における両側において曲率半径の極小値を有する。
図5に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、輪郭線31Cは、耳通過孔31の第1方向D1における中心位置32よりも第1方向D1における基準軸線45に接近する側に曲率半径が最も小さくなる第1位置34Aを含む。同様に、輪郭線31Cは、中心位置32よりも第1方向D1における基準軸線45から離間する側に曲率半径が最も小さくなる第2位置34Bを含んでいる。
【0084】
図5に示すように、第1位置34A及び第2位置34Bを結ぶ第2直線分35は、第1方向D1に対して傾斜している。第2直線分35は、第1方向D1において基準軸線45に接近するにつれて第2方向D2において上端42から離間して下端43に接近するように、第1方向D1に対して傾斜している。第2直線分35は、好ましくは、好ましくは8°以上15°以下の角度θ4で、より好ましくは8°以上12°以下の角度θ4で、第1方向D1に対して傾斜している。
【0085】
最小内寸法の方向D3及び第2直線分35に関する以上の構成によれば、正面及び側面の両方からの観察において、より効果的に、着用者Pの顎のラインが耳に向けて持ち上がるようにシャープに見せることができる。これにより、着用者Pの顔を膨張した感じに見せず、着用者Pの顔を小さく見せることもできる。また、側方からの観察において、着用者Pの頬のうちの側方を向く部分を大きく露出させることができる。これららの正面および側方からの見え方により、着用者されたマスク10の立体感が強調され、上述の角度θ1、θ2に関する構成、上述の凹んだ上側縁部60の構成、上述の耳通過孔31に関する他の構成のいずれか一以上との組合せにより、相乗的に鼻筋を強調させることもできる。
【0086】
なお、
図5に示された例において、凹んだ上側縁部60の一部分は、第1方向D1に対して、最小内寸法の方向D3及び第2直線分35と同じ側に傾斜している。すなわち、上側縁部60の一部分は、第1方向D1において基準軸線45に接近するにつれて第2方向D2において上端42から離間して下端43に接近するように、第1方向D1に対して傾斜している。この上側縁部60の一部分が第1方向D1に対してなす角度θxより、上述の角度θ3及び角度θ4は大きくなっている。同様に、下側縁部50は、第1方向D1において基準軸線45に接近するにつれて第2方向D2において上端42から離間して下端43に接近するように、第1方向D1に対して傾斜している。そして、下側縁部50が第1方向D1に対してなす角度θyは、上述の角度θ3及び角度θ4は大きくなっている。第2方向D2における上端42から下端43に向けた角度θx、角度θ3、角度θ4、角度θyの大きさの変化は、錯視により、より効果的に、着用者Pの顎のラインが耳に向けて持ち上がるように見せることができる。これにより、着用者Pの顔を小さく見せる効果がより顕著となる。
【0087】
また、
図5に示された例において、耳通過孔31を大面積化してもよい。例えば、
図5に示された折り畳まれた状態でのマスク10の平面視において、耳通過孔31の第1方向D1に沿った長さLIを、マスク10の第1方向D1に沿った長さLCの半分以上としてもよい。言い換えると、マスク10の第1方向D1に沿った長さLCを、耳通過孔31の第1方向D1に沿った長さLIの二倍以下としてもよい。このように耳通過孔31を大面積化することにより、角度θ3及び角度θ4に関連した上述の作用効果をより顕著とすることができる。
【0088】
なお、
図5に示された例では、耳通過孔31が対面積化されているので、上側最大凹み位置62から基準軸線45までの第1方向D1に沿った長さLHを、37mm以上47mm以下としてもよく、さら39mm以上45mm以下としてもよい。この例によれば、正面からの観察においてマスク10から露出する肌の部分と、側方からの観察においてマスク10から露出する肌の部分とが異なる。これにより、着用者されたマスク10の立体感を理想的に強調することができる。
【0089】
なお、
図5に示された例でも、中心位置32よりも第1方向D1における基準軸線45に接近する側において、上側縁部60から耳通過孔31までの第2方向D2に沿った長さLJは、下側縁部50から耳通過孔31までの第2方向D2に沿った長さLKよりも、短くなっている。このような例によれば、上述した角度θ3及び角度θ4を調整することの作用効果をより顕著とすることができる。
【0090】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0091】
P:着用者P、D1:第1方向、D2:第2方向、10:マスク、20:マスク本体部、30:耳掛け部、31:耳通過孔、31C:輪郭線、32:中心位置、34A:第1位置、34B:第2位置、35:直線分、40:折り曲げ線、41:屈曲点、42:上端、43:下端、45:基準軸線、47:最大突出位置、48:直線分、49:直線分、50:下側縁部、51:下側接点、52:下側最大凹み位置、53:下側接線、60:上側縁部、61:上側接点、62:上側最大凹み位置、63:上側接線