(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168622
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】光学機器
(51)【国際特許分類】
G03B 9/02 20210101AFI20241128BHJP
G02B 7/10 20210101ALI20241128BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20241128BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
G03B9/02 A
G02B7/10 E
G02B7/04 D
G03B17/14
G03B9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085460
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 充
【テーマコード(参考)】
2H044
2H080
2H101
【Fターム(参考)】
2H044BD11
2H044EE01
2H080AA21
2H080AA36
2H080AA38
2H080AA54
2H101EE08
(57)【要約】
【課題】光軸方向における大型化を抑制する。
【解決手段】交換レンズ101は、光軸方向に移動するフォーカスレンズ307を含む第二のズーム群112と、光軸方向において第二のズーム群112に隣接し、光量を調節する絞り群201とを有する。絞り群201は、複数の羽根部材204と、回転することで羽根部材204を従動させる回転部材206と、を有する。回転部材206は、光軸Oを中心とした周方向の領域として、第1領域263と第1領域263の外周側に隣接する第2領域264とを含んでいる。光軸方向において、第1領域263の最大厚みは第2領域264の最大厚みよりも薄い。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に移動する移動レンズを含む移動レンズ群と、
前記光軸方向において前記移動レンズ群に隣接し、前記移動レンズを通過する光量を調節する絞り群と、を有し、
前記絞り群は、任意の口径を形成する複数の羽根部材と、前記光軸中心に回転することで前記羽根部材を従動させる回転部材と、を有し、
前記回転部材は、前記光軸を中心とした周方向の領域である第1領域と、前記第1領域の外周側に隣接し前記光軸を中心とした周方向の領域である第2領域とを含み、
前記光軸方向における前記第1領域の最大厚みは前記第2領域の最大厚みよりも薄いことを特徴とする光学機器。
【請求項2】
前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材を有し、
前記第1領域は、前記光軸方向からみて前記保持部材が前記移動レンズを保持している部分と重なる領域であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記羽根部材は、凸部を有し、
前記回転部材は、前記光軸を中心として周方向に配置され前記凸部と係合する複数の穴部を有し、
前記第2領域は、前記複数の穴部の配置領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項4】
前記光軸方向における前記移動レンズの移動範囲のうち、前記光軸方向において前記凸部と前記移動レンズとが重なる範囲が存在することを特徴とする請求項3に記載の光学機器。
【請求項5】
前記絞り群は、絞りベース部材を有し、
前記回転部材は、前記絞りベース部材と係合することで前記光軸方向に直交する方向における前記回転部材の位置を規制する規制部を有し、
前記複数の穴部は、前記規制部に対して、前記光軸を中心とする径方向内側に位置することを特徴とする請求項3に記載の光学機器。
【請求項6】
前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材を有し、
前記絞り群は、前記光軸方向における前記回転部材の位置を規制する絞りベース部材を有し、
前記光軸方向における前記保持部材と前記絞りベース部材との最短距離は、前記光軸方向における前記保持部材と前記回転部材との最短距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項7】
前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材と、前記光軸方向への前記保持部材の移動をガイドするガイドバーと、を有し、
さらに、前記ガイドバーを保持するレンズベース部材と、
前記保持部材を前記光軸方向に駆動する駆動部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項8】
前記光軸方向における前記レンズベース部材と前記保持部材との最短距離は、前記光軸方向における前記保持部材と前記回転部材との最短距離よりも短いことを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項9】
前記ガイドバーおよび前記駆動部は、前記光軸方向において、前記絞り群における内周方向の端位置と重なることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項10】
前記ガイドバーの一部は、前記絞り群の外周側に位置することを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項11】
前記絞り群における内周方向の端位置の、前記光軸からの径方向の寸法は、前記移動レンズの外径の半分よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項12】
前記移動レンズは、焦点距離を調整するフォーカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項13】
前記光学機器は、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ鏡筒であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項14】
前記光学機器は、光学像を光電変換する撮像素子を有する撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、ビデオカメラまたは交換レンズ等の光学機器には、光軸方向に移動する移動レンズを含む移動レンズ群や、移動レンズ群に隣接し、移動レンズを通過する光量を調節する絞り群を有するものがある。移動レンズ群には例えば、焦点距離調整動作を行うフォーカス群がある。
【0003】
また、絞り群は一般に、任意の口径を形成するための複数枚の羽根部材と、光軸中心に回転して羽根部材を従動させる回転部材とを含む。そしてこれらの構成部材の配置によって光学機器の光軸方向における大きさが決まる場合がある。
【0004】
特許文献1には、光軸方向の寸法を縮小するために、レンズ収納状態時に光量制御部材の開口を開き、その開口内にレンズ群を入り込ませるレンズ鏡筒が開示されている。また、特許文献2には、光量調整装置と移動レンズ群との光軸方向の距離を、撮影状態時よりも沈胴状態時に長くなるようにして、沈胴状態時における光量調整装置と移動レンズ群との衝突を避けるレンズ鏡筒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-347615号公報
【特許文献2】特開2014-52446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、撮影状態時における絞り群と移動レンズ群との光軸方向の距離を短縮することができない。さらに、特許文献1の技術は、光量調整装置における光量制御部材の開口径が移動レンズの外径より小さい場合には適用できない。一方、仮に、絞り群と移動レンズ群の光軸方向の距離を短縮する場合には、各々の衝突懸念が高まるため、工夫が必要となる。従って、光学機器の光軸方向における拡大を抑制する観点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、光軸方向における大型化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の光学機器は、光軸方向に移動する移動レンズを含む移動レンズ群と、前記光軸方向において前記移動レンズ群に隣接し、前記移動レンズを通過する光量を調節する絞り群と、を有し、前記絞り群は、任意の口径を形成する複数の羽根部材と、前記光軸中心に回転することで前記羽根部材を従動させる回転部材と、を有し、前記回転部材は、前記光軸を中心とした周方向の領域である第1領域と、前記第1領域の外周側に隣接し前記光軸を中心とした周方向の領域である第2領域とを含み、前記光軸方向における前記第1領域の最大厚みは前記第2領域の最大厚みよりも薄いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光軸方向における大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】光軸を含むXY断面によるカメラシステムの縦断面図である。
【
図4】光軸を含むXY断面によるカメラシステムの縦断面図である。
【
図5】絞り群、ズーム群等の前方分解斜視図である。
【
図7】絞り群、ズーム群およびその周辺の正面図、A-A線に沿う断面図、B部の拡大図である。
【
図8】回転部材を-X側から見た図、I-I線に沿う断面図、J部の拡大図、斜視図である。
【
図9】絞り群、ズーム群およびその周辺の正面図、C-C線に沿う断面図、D部の拡大図である。
【
図10】絞り群、ズーム群およびその周辺の正面図、E-E線に沿う断面図、F部の拡大図である。
【
図11】絞り群、ズーム群およびその周辺の正面図、G-G線に沿う断面図、H部の拡大図である。
【
図12】変形例の回転部材を-X側から見た図、K-K線に沿う断面図、L部の拡大図、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る光学機器を含むカメラシステムの斜視図である。本実施形態では、光学機器の一例として交換レンズ101を挙げる。交換レンズ101は、撮像装置本体であるカメラ本体1に着脱可能である。カメラ本体1に交換レンズ101が装着されたものがカメラシステム100である。なお、本発明は、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ鏡筒に限らず、レンズ一体型の撮像装置など、他の光学機器にも適用可能である。
【0013】
交換レンズ101が収容する撮像光学系の光軸をOとする。以降、各部の方向を、
図1等に示したX、Y、Z座標軸を基準として呼称する。ここでは便宜上、光軸Oと平行な方向(以下、光軸方向と記す)において、被写体側を前方とする。従って、
図1(a)、(b)は、それぞれ前方(正面側)斜視図、後方(背面側)斜視図である。
【0014】
光軸方向をX軸方向とし、これに直交する方向をZ軸方向(水平方向)およびY軸方向(垂直方向)とする。特に、+Y方向が上方、+X方向が前方である。+Z方向は、被写体側から見て右方である。以下、Z軸方向とY軸方向をまとめてZ/Y軸方向とも記す。また、Z軸回りの回転方向をピッチ(Pitch)方向とし、Y軸回りの回転方向をヨー(Yaw)方向とする。ピッチ方向とヨー方向(以下、まとめてピッチ/ヨー方向とも記す)は、互いに直交するZ軸とY軸である2軸回りの回転方向である。
【0015】
カメラ本体1のうち-Z側の部分には、ユーザがカメラ本体1を手で把持するためのグリップ部2が設けられている。また、カメラ本体1の上部には電源操作部3が配置されている。カメラ本体1が電源オフ状態にあるときにユーザが電源操作部3をオン操作すると、カメラ本体1が電源オン状態となって撮像が可能となる。また、カメラ本体1が電源オン状態にあるときにユーザが電源操作部3をオフ操作すると、カメラ本体1が電源オフ状態になる。
【0016】
カメラ本体1の上部には、モードダイアル4、レリーズボタン5およびアクセサリシュー6が設けられている。モードダイアル4をユーザが回転操作することで、撮像モードを切り替えることができる。撮像モードには、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件をユーザが任意に設定可能なマニュアル静止画撮像モード、自動で適正な露光量が得られるオート静止画撮像モード、および動画の撮像を行うための動画撮像モード等が含まれる。
【0017】
ユーザは、レリーズボタン5を半押し操作することで、オートフォーカスや自動露出制御等の撮像準備動作を指示することができ、全押し操作することで撮像を指示することができる。アクセサリシュー6には、不図示の外部フラッシュや外部ファインダ(EVF)等のアクセサリが脱着可能に装着される。また、カメラ本体1内には、交換レンズ101内の撮像光学系により形成される被写体像(光学像)を光電変換(撮像)する撮像素子16(
図2参照)が設けられている。
【0018】
交換レンズ101は、レンズマウント102を介して、カメラ本体1に設けられたカメラマウント7に機械的および電気的に接続される。交換レンズ101内に収容された撮像光学系は、被写体からの光を結像させて被写体像を形成する。交換レンズ101の外周には、ユーザ操作により光軸回りに回転可能なズーム操作環103が設けられている。ズーム操作環103の外周部には、ユーザが操作する際、手が滑ることがないようにローレット形状が設けられている。ズーム操作環103が回転操作されると、撮像光学系を構成するズーム群がズーム操作環103の角度に対応した所定の光学位置へと移動する。こうしてユーザは、所望の画角での撮影が可能となる。
【0019】
図1(b)に示すように、カメラ本体1の背面には、背面操作部8と表示部9とが設けられている。背面操作部8は、様々な機能が割り当てられた複数のボタンやダイアルを含む。カメラ本体1の電源がオン状態であり、静止画または動画撮像モードが設定されているとき、表示部9には、撮像素子により撮像されている被写体像のスルー画像が表示される。また、表示部9には、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件を示す撮像パラメータが表示される。ユーザはその表示を見ながら背面操作部8を操作することによって、撮像パラメータの設定値を変更することが可能である。背面操作部8は、記録された撮像画像の再生を指示するための再生ボタンを含み、再生ボタンをユーザが操作することで、撮像画像が表示部9に再生表示される。
【0020】
図2は、カメラシステム100のブロック図である。カメラ本体1は、電源部10、操作部11、カメラ制御部12を有する。電源部10は、カメラ本体1および交換レンズ101に電力を供給する。操作部11は、いずれも上述した電源操作部3、モードダイアル4、レリーズボタン5、背面操作部8、および表示部9のタッチパネル機能を含む。
【0021】
カメラ本体1および交換レンズ101を含むカメラシステム100全体の制御は、カメラ制御部12と交換レンズ101に設けられたレンズ制御部104とが互いに連係することによって行われる。カメラ制御部12は、記憶部13に格納されているコンピュータプログラムを読み出して実行する。その際、カメラ制御部12は、レンズマウント102に設けられた電気接点105の通信端子を介して、レンズ制御部104と各種制御信号やデータ等の通信を行う。電気接点105は、電源部10からの電力を交換レンズ101に供給する電源端子を含む。
【0022】
交換レンズ101が有する撮像光学系には、一例として七群構成が採用される。撮像光学系は、第一のズーム群111、第二のズーム群112、絞り群201、第三のズーム群113、第四のズーム群114を含む(
図3も参照)。撮像光学系はさらに、レンズ防振群115(第五のズーム群)、第六のズーム群116、固定群117を含む(
図3も参照)。
【0023】
第一のズーム群111は、ズーム操作環103と連結し、光軸方向に移動して画角を変更する。第二のズーム群112はフォーカス群であり、光軸方向に移動して焦点調節を行う移動レンズであるフォーカスレンズ307(
図5参照)を含む移動レンズ群である。絞り群201は光量調節動作を行う。レンズ防振群115は、像振れを低減する防振素子としてのシフトレンズを含む。レンズ防振群115は、シフトレンズを光軸に対して直交するZ/Y軸方向に移動(シフト)させて像振れを低減する防振動作を行う。
【0024】
さらに、交換レンズ101は、防振駆動部402、絞り駆動部202およびフォーカス駆動部302を有する。防振駆動部402は、レンズ防振群115を駆動してシフトレンズをシフトさせる。絞り駆動部202は絞り群201を駆動する。駆動部としてのフォーカス駆動部302は、第二のズーム群112を駆動してフォーカスレンズを移動させる。
【0025】
カメラ本体1は、シャッタユニット14、シャッタ駆動部15、撮像素子16、画像処理部17を有する。シャッタユニット14は、交換レンズ101内の撮像光学系で集光され撮像素子16で露光される光の量を制御する。撮像素子16は、撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して撮像信号を出力する。画像処理部17は、撮像信号に対して各種画像処理を行った後、画像信号を生成する。表示部9は、画像処理部17から出力された画像信号(スルー画像)を表示したり、前述したように撮像パラメータを表示したり、記憶部13や不図示の記録媒体に記録された撮像画像を再生表示したりする。
【0026】
カメラ制御部12は、操作部11から受けた絞り値やシャッタ速度の設定値に応じて、絞り駆動部202およびシャッタ駆動部15を介して、絞り群201およびシャッタユニット14の駆動を制御する。また、カメラ制御部12は、操作部11(レリーズボタン5)における撮像準備操作(半押し操作)に応じて、第二のズーム群112の駆動を制御する。例えば、オートフォーカスの動作が指示された場合、焦点検出部18は、画像処理部17で生成された画像信号をもとに、撮像素子16で結像される被写体像の焦点状態を判定し、焦点信号を生成してカメラ制御部12に送信する。それと並行して、フォーカス駆動部302は、第二のズーム群112の現在位置を検出し、レンズ制御部104を介してその検出信号をカメラ制御部12に送信する。カメラ制御部12は、被写体像の焦点状態と第二のズーム群112の現在位置とを比較し、そのずれ量からフォーカス駆動量を算出してレンズ制御部104に送信する。そして、レンズ制御部104は、フォーカス駆動部302を介して第二のズーム群112を目標位置まで駆動制御し、被写体像の焦点ずれを補正する。
【0027】
さらに、自動露出制御の動作が指示された場合、カメラ制御部12は、画像処理部17で生成された輝度信号を受信して測光演算を行う。この測光演算結果をもとに、カメラ制御部12は、操作部11(レリーズボタン5)における撮像指示操作(全押し操作)に応じて、絞り群201の駆動を制御する。それとともに、カメラ制御部12は、シャッタ駆動部15を介してシャッタユニット14の駆動を制御し、撮像素子16による露光処理を行う。
【0028】
カメラ本体1は、ユーザによる手振れ等の像振れを検出するために、ピッチ振れ検出部19およびヨー振れ検出部20を有する。ピッチ振れ検出部19、ヨー振れ検出部20は角速度センサ(振動ジャイロ)や角加速度センサを用いて、それぞれ、ピッチ方向(Z軸回りの回転方向)、ヨー方向(Y軸回りの回転方向)の像振れを検出して振れ信号を出力する。カメラ制御部12は、ピッチ振れ検出部19からの振れ信号を用いてレンズ防振群115(シフトレンズ)のY軸方向でのシフト位置を算出する。同様にカメラ制御部12は、ヨー振れ検出部20からの振れ信号を用いてレンズ防振群115のZ軸方向でのシフト位置を算出する。そして、カメラ制御部12は、算出したピッチ/ヨー方向のシフト位置に応じて、レンズ防振群115を目標位置まで駆動制御し、露光中やスルー画像表示中の像振れを低減する防振動作を行う。
【0029】
交換レンズ101は、撮像光学系の画角を変更するためのズーム操作環103と、そのズーム操作環103の角度を検出するズーム検出部106を有する。ズーム検出部106は、ユーザが操作するズーム操作環103の角度を絶対値として検出するものであり、例えば抵抗式のリニアポテンショメータを用いて構成されている。ズーム検出部106によって検出された画角の情報は、レンズ制御部104に送信され、前述したカメラ制御部12による各種の制御に反映される。また一方で、こうした各種の情報の一部は、撮像画像とともに記憶部13や記録媒体に記録される。
【0030】
次に、
図3と
図4を用いて、交換レンズ101とカメラ本体1における構成部品の位置関係について説明する。
図3、
図4は、光軸を含むXY断面によるカメラシステム100の縦断面図である。
図3、
図4はそれぞれ、ズームの繰り込み状態、繰り出し状態を示している。
【0031】
七群構成の撮像光学系のうち、画角に応じた所定の光学位置へと移動した各ズーム群は、被写体からの光を撮像素子16の撮像面上に結像させる。なお、レンズ群の構成は例示したものに限定されず、例えばレンズ防振群115は、第三のズーム群113に代わる第三のズーム群として機能するものであってもよい。また、一部のレンズ群が移動可能でなく固定されたものであっても構わない。
【0032】
直進案内筒107は、不図示の固定筒を介してレンズマウント102に固定される固定部品である。直進案内筒107の外周面には、等分位置に不図示のバヨネット爪が配置されている。一方、カム筒108の内周面には、不図示の周溝が設けられている。さらに、カム筒108は、ズーム操作環103と連結されている。ズーム操作環103が回転操作されると、カム筒108は、上記バヨネット爪と上記周溝との係合によって、光軸Oを中心として回転する。
【0033】
直進案内筒107には、各ズーム群の回転方向への移動を規制して、光軸方向への直進を案内する直進案内溝(不図示)が形成されている。また、カム筒108には、各ズーム群に対応して、回転方向にそれぞれ異なる角度の軌跡を持つカム溝(不図示)が形成されている。一方で、第一のズーム群111と第二のズーム群112とには、それぞれカムフォロアが設けられており、各カムフォロアは、対応する直進案内溝とカム溝とに係合している。さらに、第二のズーム群112とズーム群(111、113、114、115、116)および絞り群201とは連結されている。光軸方向において絞り群201は第二のズーム群112に隣接している。ユーザがズーム操作環103を回転操作すると、カム筒108が回転し、カムフォロアは直進案内溝とカム溝との係合によって、それぞれのズーム群を同時に光軸方向へ進退させる。
【0034】
図5は、絞り群201、ズーム群112、113、114等の前方分解斜視図である。フォーカス駆動部302はモータである。フォーカスレンズ307は、光軸方向に移動して交換レンズ101の焦点距離を調整する。フォーカス鏡筒303(保持部材)はフォーカスレンズ307を保持する。フォーカス鏡筒303に設けられた第一の突き当て端331、第二の突き当て端332は、フォーカス鏡筒303の光軸方向の移動を規制する。第一のガイドバー304の一端および第二のガイドバー305の一端は、レンズベース部材としてのフォーカスベース部材306によって保持される。第一のガイドバー304の他端および第二のガイドバー305の他端は、第三のズーム群113、第四のズーム群114によって保持される。第一のガイドバー304および第二のガイドバー305は、光軸Oに直交する方向へのフォーカス鏡筒303の移動を規制する。
【0035】
第三のズーム群113、第四のズーム群114は、フォーカスベース部材306に連結される。フォーカス駆動部302はフォーカスベース部材306に連結される。フォーカス駆動部302はフォーカス鏡筒303と係合して、フォーカス鏡筒303を光軸方向へ移動させる。さらに、絞り群201、第三のズーム群113もフォーカスベース部材306に連結される。
【0036】
図6は、絞り群201の後方分解斜視図である。絞り群201は、絞りカム部材205、複数(9枚)の羽根部材204、回転部材206、絞りベース部材203、絞り駆動部202、フォトセンサ207を含む。絞りベース部材203は絞り群201のベースとなる部材である。絞り駆動部202はモータである。回転部材206は光軸中心に回転する。フォトセンサ207は回転部材206の回転位置を検知する。
【0037】
絞りベース部材203は絞りカム部材205と連結され、且つ、羽根部材204および回転部材206を内包し、羽根部材204および回転部材206の光軸方向の位置を規制する。羽根部材204の各々には、第一凸部241、第二凸部242が形成されている。第一凸部241は-X方向に突出し、第二凸部242は+X方向に突出する。絞りカム部材205には、9個の第二凸部242のそれぞれと係合する9個のカム溝が形成されている。
【0038】
絞り駆動部202およびフォトセンサ207は絞りベース部材203に連結される。絞り駆動部202は回転部材206と係合される。絞り駆動部202の回転によって回転部材206が光軸中心に回転し、絞りカム部材205のカム溝と回転部材206の回転位置とに応じて9枚の羽根部材204が従動する。そして、9枚の羽根部材204によって任意の口径が形成されることで、フォーカスレンズ307を含む撮像光学系を通過する光量が調整される。
【0039】
回転部材206には、第二嵌合部262が形成され、第二嵌合部262の内周側に9つの回転部材穴部261が形成されている。回転部材穴部261は、光軸Oを中心として周方向に配置される。回転部材穴部261は、第一凸部241に対応して設けられ、対応する第一凸部241に係合される。
【0040】
絞りベース部材203には、第四の突き当て端231、第一嵌合部232(
図7(c)も参照)が形成されている。光軸方向において、第四の突き当て端231とフォーカス鏡筒303の第二の突き当て端332(
図5)とが対向する。第一嵌合部232と回転部材206の第二嵌合部262とが係合する。これにより、第二嵌合部262は、光軸Oに直交する方向における回転部材206の位置を規制する規制部となる。回転部材穴部261は、第二嵌合部262に対して、光軸Oを中心とする径方向内側に位置する。これにより、第二嵌合部262と回転部材穴部261とが光軸方向において重なるので、光軸方向の短縮化に寄与する。
【0041】
図7(a)は、絞り群201、ズーム群およびその周辺の正面図である。
図7(b)は、
図7(a)のA-A線に沿う断面図である。
図7(c)は、
図7(b)のB部の拡大図である。
【0042】
フォーカス鏡筒303には、受け部333、カシメ部334が形成されている。受け部333およびカシメ部334が協働してフォーカスレンズ307を保持する。すなわち、受け部333およびカシメ部334は、保持部材としてのフォーカス鏡筒303がフォーカスレンズ307を保持している部分(以下、保持部分と称する)である。受け部333は、主として、光軸方向におけるフォーカスレンズ307の位置を規制する。カシメ部334は、光軸方向と光軸Oに直交する方向とにおけるフォーカスレンズ307の位置を規制する。
【0043】
図8(a)は、回転部材206を-X側から見た図である。
図8(b)は、
図8(a)のI-I線に沿う断面図である。
図8(c)は、
図8(b)のJ部の拡大図である。
図8(d)は、回転部材206の斜視図である。以下、
図7および
図8を参照して、絞り群201の主に回転部材206と第二のズーム群112との位置関係について説明する。
【0044】
回転部材206は、光軸Oを中心とした周方向の領域ないし範囲として、第1領域263と第2領域264とを含んでいる。第2領域264は第1領域263の外周側に隣接する領域である。第1領域263、第2領域264はいずれも、-X側からみて環状の領域である。
【0045】
第1領域263は、光軸方向からみて、フォーカス鏡筒303がフォーカスレンズ307を保持している上記保持部分(受け部333、カシメ部334)と重なる領域である。第2領域264は、複数の回転部材穴部261の配置領域を含む。
【0046】
光軸方向における第1領域263の最大厚みは第2領域264の最大厚みよりも薄い。これにより、羽根部材204の可動時に負荷のかかりやすい回転部材穴部261および第二嵌合部262の付近の剛性が保たれる。また、
図7(c)に示すように、光軸方向におけるフォーカスレンズ307の移動範囲のうち、光軸方向において第一凸部241とフォーカスレンズ307とが重なる範囲が存在する。第一凸部241に対してフォーカスレンズ307は光軸方向において重なる位置まで移動可能であるので、絞り群201と第二のズーム群112との光軸方向の距離を短縮でき、交換レンズ101の光軸方向における短縮化に寄与する。
【0047】
また、本実施形態のように、絞り群201と第二のズーム群112とが隣接する光学系においては、両者の距離を近づけるように設計することで、光学系全体においても光軸方向および径方向の小型化に寄与する。特に最も被写体側のレンズに関して小型化の効果が大きい。
【0048】
図9(a)は、絞り群201、ズーム群およびその周辺の正面図である。
図9(b)は、
図9(a)のC-C線に沿う断面図である。
図9(c)は、
図9(b)のD部の拡大図である。
【0049】
フォーカスベース部材306には、第三の突き当て端361が形成されている。光軸方向における第二のズーム群112の移動行程において、第三の突き当て端361とフォーカス鏡筒303の第一の突き当て端331とが突き当たることで、光軸方向におけるフォーカス鏡筒303の移動が規制される。
【0050】
光軸方向において、回転部材206とフォーカス鏡筒303との最短距離を第二距離L2とし、第三の突き当て端361と第一の突き当て端331との距離を第三距離L3とする。第三距離L3は、光軸方向におけるフォーカスベース部材306とフォーカス鏡筒303との最短距離である。
【0051】
ここで、光軸方向において第三距離L3は第二距離L2より短い。これにより、光軸方向における第二のズーム群112の移動行程において、通常、回転部材206とフォーカス鏡筒303とは突き当たることない。仮に両者が突き当たる場合であっても、第三の突き当て端361と第一の突き当て端331とが先に突き当たる。フォーカスベース部材306(第三の突き当て端361)は堅牢(高剛性)である。一方、回転部材206はフォーカスベース部材306と比べて堅牢ではない。従って、フォーカス鏡筒303が回転部材206に優先して第三の突き当て端361に当たることで、絞り群201と第二のズーム群112との衝突による絞り群201の衝撃を低下させ、回転部材206を保護することができる。
【0052】
図10(a)は、絞り群201、ズーム群およびその周辺の正面図である。
図10(b)は、
図10(a)のE-E線に沿う断面図である。
図10(c)は、
図10(b)のF部の拡大図である。
【0053】
光軸方向において、絞りベース部材203の第四の突き当て端231とフォーカス鏡筒303の第二の突き当て端332との距離を第一距離L1とする。第一距離L1は、光軸方向における絞りベース部材203とフォーカス鏡筒303との最短距離である。なお、本実施形態において、「最短距離」とは、撮影状態、沈胴状態を含む任意の状態における最短の距離を意味する。
【0054】
ここで、光軸方向において第一距離L1は第二距離L2より短い。これにより、光軸方向における第二のズーム群112の移動行程において、通常、回転部材206とフォーカス鏡筒303とは突き当たることない。仮に両者が突き当たる場合であっても、第四の突き当て端231と第二の突き当て端332とが先に突き当たる。
【0055】
第四の突き当て端231は回転部材206よりも堅牢である。従って、フォーカス鏡筒303が回転部材206に優先して第四の突き当て端231に当たることで、絞り群201と第二のズーム群112との衝突による絞り群201の衝撃を低下させ、回転部材206を保護することができる。
【0056】
第二のズーム群112の移動行程において、通常、第三の突き当て端361と第一の突き当て端331とが突き当たるか、または第四の突き当て端231と第二の突き当て端332とが突き当たることで、第二のズーム群112の移動が規制される。なお、第一距離L1と第三距離L3とは同一であってもよいし異なっていてもよい。例えば、フォーカスベース部材306が絞りベース部材203よりも堅牢な場合は、L3<L1としてもよい。
【0057】
図11(a)は、絞り群201、ズーム群およびその周辺の正面図である。
図11(b)は、
図11(a)のG-G線に沿う断面図である。
図11(c)は、
図11(b)のH部の拡大図である。
【0058】
絞り群201における内周方向の端位置211は、絞り群201のうち最も内径側に位置する部分であり、絞りカム部材205に含まれる。第一のガイドバー304およびフォーカス駆動部302は、光軸方向において端位置211と重なる。言い換えると、光軸Oに直交する仮想面S211が第一のガイドバー304およびフォーカス駆動部302を通る。
【0059】
光軸方向および径方向における配置に関しては、第二のガイドバー305も第一のガイドバー304と同様である。ガイドバー304、305の一部が絞り群201の外周側に位置することで、絞り群201の外周の空間を利用してフォーカス駆動部302およびガイドバー304、305が配置される。これにより、光軸方向における交換レンズ101の全長の短縮化に寄与する。
【0060】
特に、本実施形態では、光軸Oからの端位置211の径方向の寸法(端位置211の半径相当)は、フォーカスレンズ307の外径の半分よりも小さい。このような構成においては、絞り群201の外径を小さく設計することが容易となり、絞り群201の外周の空間を活用しやすくなる。従って、外周空間にガイドバー304、305の一部を位置させることで、光軸方向における交換レンズ101の全長を効果的に短くできる。
【0061】
本実施形態によれば、交換レンズ101は、光軸方向に移動するフォーカスレンズ307を含む第二のズーム群112と、光軸方向において第二のズーム群112に隣接し、光量を調節する絞り群201とを有する。絞り群201の回転部材206は、光軸Oを中心とした周方向の領域として、第1領域263と第1領域263の外周側に隣接する第2領域264とを含んでいる。光軸方向において、第1領域263の最大厚みは第2領域264の最大厚みよりも薄い(
図8(c))。
【0062】
これにより、フォーカスレンズ307の外縁部の位置が第1領域263と対向するように配置すれば、光軸方向においてフォーカスレンズ307が回転部材206により近づくことが可能となることから、光軸方向の短縮化が容易である。本実施形態では特に、第1領域263は、光軸方向からみてフォーカス鏡筒303が移動レンズを保持している保持部分(受け部333、カシメ部334)と重なる領域である(
図7(c))。これにより、保持部分が回転部材206により近づくことが可能であることから、光軸方向の短縮化を実現できている。よって、光軸方向における交換レンズ101の大型化を抑制することができる。
【0063】
しかも、第2領域264は、複数の回転部材穴部261の配置領域を含む(
図8(a))。回転部材穴部261には羽根部材204の第一凸部241が係合するので、羽根部材204の可動時に回転部材穴部261に負荷がかかりやすい。従って、第1領域263の最大厚みよりも第2領域264の最大厚みが厚いことで、可動時に負荷がかかりやすい回転部材穴部261付近の剛性を保つことができる。
【0064】
また、光軸方向におけるフォーカスレンズ307の移動範囲のうち、光軸方向において第一凸部241とフォーカスレンズ307とが重なる範囲が存在する(
図7(c))。この点でも、光軸方向における大型化を抑制することができる。
【0065】
また、回転部材穴部261は、第二嵌合部262に対して、光軸Oを中心とする径方向内側に位置し、第二嵌合部262と回転部材穴部261とが光軸方向において重なるので(
図7(c))、光軸方向の短縮化に寄与する。
【0066】
さらに、光軸方向において第三距離L3は第二距離L2より短く、第一距離L1は第二距離L2より短い(
図9(c)、
図10(c))。これらにより、回転部材206を保護することができる。
【0067】
また、
図11(c)に示すように、絞り群201のうち最も内径に位置する部分である端位置211に対して、光軸方向において第一のガイドバー304およびフォーカス駆動部302が重なる。さらに、ガイドバー304、305の一部が絞り群201の外周側に位置する。また、光軸Oからの端位置211の径方向の寸法は、フォーカスレンズ307の外径の半分よりも小さい。これらのことから、光軸方向における交換レンズ101の全長の短縮化が容易である。
【0068】
なお、回転部材206を、
図12(a)~(d)に示す変形例のように構成してもよい。
図12(a)は、変形例の回転部材206を-X側から見た図である。
図12(b)は、
図12(a)のK-K線に沿う断面図である。
図12(c)は、
図12(b)のL部の拡大図である。
図12(d)は、変形例の回転部材206の斜視図である。
【0069】
図8(a)に示す回転部材206の第2領域264は、主として、隣接する回転部材穴部261間に位置する凸部によって構成された。これに対し、
図12(a)に示す回転部材206では、第2領域264は、全周に亘って繋がり、回転部材穴部261を除いて均一の厚みに構成される。第1領域263の最大厚みは第2領域264の最大厚みよりも薄い。このような構成においても、回転部材穴部261付近の剛性を保ちつつ、光軸方向における交換レンズ101の大型化を抑制することができる。
【0070】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0071】
例えば、カシメ部334は、フォーカス鏡筒303とは別部材のレンズ押え環として構成されてもよい。また、光軸方向に移動する移動レンズはフォーカスレンズ307に限らない。
【0072】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1) 光軸方向に移動する移動レンズを含む移動レンズ群と、
前記光軸方向において前記移動レンズ群に隣接し、前記移動レンズを通過する光量を調節する絞り群と、を有し、
前記絞り群は、任意の口径を形成する複数の羽根部材と、前記光軸中心に回転することで前記羽根部材を従動させる回転部材と、を有し、
前記回転部材は、前記光軸を中心とした周方向の領域である第1領域と、前記第1領域の外周側に隣接し前記光軸を中心とした周方向の領域である第2領域とを含み、
前記光軸方向における前記第1領域の最大厚みは前記第2領域の最大厚みよりも薄いことを特徴とする光学機器。
(構成2) 前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材を有し、
前記第1領域は、前記光軸方向からみて前記保持部材が前記移動レンズを保持している部分と重なる領域であることを特徴とする構成1に記載の光学機器。
(構成3) 前記羽根部材は、凸部を有し、
前記回転部材は、前記光軸を中心として周方向に配置され前記凸部と係合する複数の穴部を有し、
前記第2領域は、前記複数の穴部の配置領域を含むことを特徴とする構成1または2に記載の光学機器。
(構成4) 前記光軸方向における前記移動レンズの移動範囲のうち、前記光軸方向において前記凸部と前記移動レンズとが重なる範囲が存在することを特徴とする構成3に記載の光学機器。
(構成5) 前記絞り群は、絞りベース部材を有し、
前記回転部材は、前記絞りベース部材と係合することで前記光軸方向に直交する方向における前記回転部材の位置を規制する規制部を有し、
前記複数の穴部は、前記規制部に対して、前記光軸を中心とする径方向内側に位置することを特徴とする構成3または4に記載の光学機器。
(構成6) 前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材を有し、
前記絞り群は、前記光軸方向における前記回転部材の位置を規制する絞りベース部材を有し、
前記光軸方向における前記保持部材と前記絞りベース部材との最短距離は、前記光軸方向における前記保持部材と前記回転部材との最短距離よりも短いことを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成7) 前記移動レンズ群は、前記移動レンズを保持する保持部材と、前記光軸方向への前記保持部材の移動をガイドするガイドバーと、を有し、
さらに、前記ガイドバーを保持するレンズベース部材と、
前記保持部材を前記光軸方向に駆動する駆動部と、を有することを特徴とする構成1乃至6のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成8) 前記光軸方向における前記レンズベース部材と前記保持部材との最短距離は、前記光軸方向における前記保持部材と前記回転部材との最短距離よりも短いことを特徴とする構成7に記載の光学機器。
(構成9) 前記ガイドバーおよび前記駆動部は、前記光軸方向において、前記絞り群における内周方向の端位置と重なることを特徴とする構成7または8に記載の光学機器。
(構成10) 前記ガイドバーの一部は、前記絞り群の外周側に位置することを特徴とする構成7乃至9のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成11) 前記絞り群における内周方向の端位置の、前記光軸からの径方向の寸法は、前記移動レンズの外径の半分よりも小さいことを特徴とする構成1乃至10のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成12) 前記移動レンズは、焦点距離を調整するフォーカスレンズであることを特徴とする構成1乃至11のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成13) 前記光学機器は、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ鏡筒であることを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の光学機器。
(構成14) 前記光学機器は、光学像を光電変換する撮像素子を有する撮像装置であることを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の光学機器。
【符号の説明】
【0073】
101 交換レンズ
112 第二のズーム群
201 絞り群
204 羽根部材
206 回転部材
263 第1領域
264 第2領域
307 フォーカスレンズ