(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168637
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
A47F 10/06 20060101AFI20241128BHJP
A47F 10/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A47F10/06
A47F10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085479
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悟史
(57)【要約】
【課題】収容スペースのサイズを容易に変更できるようにする。
【解決手段】ストッカは、正面に開口部を有し、物品を収容可能な収容ボックスと、収容ボックスに取り付けられ、収容ボックス内に物品をそれぞれ収容可能な複数の収容スペースを形成するように該収容ボックスを左右方向または上下方向に仕切る1つ以上の仕切り部材と、収容ボックスに対して左右方向または上下方向に所定ピッチで等間隔に形成され、仕切り部材がそれぞれ取り付け可能な複数の被取付部と、所定ピッチの整数倍に相当する幅を有し、複数の収容スペースに対してそれぞれの正面を覆うように設けられた複数の開閉扉と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に開口部を有し、物品を収容可能な収容ボックスと、
前記収容ボックスに取り付けられ、前記収容ボックス内に物品をそれぞれ収容可能な複数の収容スペースを形成するように該収容ボックスを左右方向または上下方向に仕切る1つ以上の仕切り部材と、
前記収容ボックスに対して前記左右方向または前記上下方向に所定ピッチで等間隔に形成され、前記仕切り部材がそれぞれ取り付け可能な複数の被取付部と、
前記所定ピッチの整数倍に相当する幅を有し、前記複数の収容スペースに対してそれぞれの正面を覆うように設けられた複数の開閉扉と、
を備えるストッカ。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカであって、
前記開閉扉は、左右方向に仕切られた前記収容ボックスの開口部四辺のうち上辺または下辺を回動軸として回動可能に着脱可能に取り付けられ、又は、上下方向に仕切られた前記収容ボックスの開口部四辺のうち左辺または右辺を回動軸として回動可能に着脱可能に取り付けられる、
ストッカ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストッカであって、
前記収容ボックスは、正面と背面とに開口部を有する、
ストッカ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のストッカであって、
前記複数の収容スペースに対してそれぞれ割り当てられた管理情報を記憶する記憶部と、
前記収容スペースに対する前記管理情報の割り当てを更新する更新部と、
を備えるストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカについて開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の収容スペースの大きさを変更可能なストッカが提案されている。例えば、特許文献1には、弁当収納室の底板を本体部に対して着脱可能に構成することで、弁当収納室のサイズを適宜変更可能な弁当保存庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した弁当保存庫では、サイズが異なる飲食物をサイズに適した弁当収納室に納品することができる。しかしながら、上述した弁当保存庫において、本体部に対して底板を着脱可能とするための構成については何ら言及されておらず、尚、改善の余地がある。
【0005】
本開示は、収容スペースのサイズを容易に変更できるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のストッカは
正面に開口部を有し、物品を収容可能な収容ボックスと、
前記収容ボックスに取り付けられ、前記収容ボックス内に物品をそれぞれ収容可能な複数の収容スペースを形成するように該収容ボックスを左右方向または上下方向に仕切る1つ以上の仕切り部材と、
前記収容ボックスに対して前記左右方向または前記上下方向に所定ピッチで等間隔に形成され、前記仕切り部材がそれぞれ取り付け可能な複数の被取付部と、
前記所定ピッチの整数倍に相当する幅を有し、前記複数の収容スペースに対してそれぞれの正面を覆うように設けられた複数の開閉扉と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
このストッカでは、複数の被取付部は所定ピッチで等間隔に形成されるため、所定ピッチの整数倍に相当する幅を有する複数種類の開閉扉を準備しておき、収容ボックスに対して仕切り部材を取り付ける位置を変更することにより、収容スペースのサイズを容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】収容ボックス31と仕切板32の斜視図である。
【
図5】電気錠50で開閉扉37を施錠する様子を示す説明図である。
【
図6】ストッカシステム1の電気的な接続関係を示すブロック図である。
【
図7】納品庫情報64aの一例を示す説明図である。
【
図8】使用前準備手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
図1はストッカシステム1の概略構成図である。
図2,3は、ストッカ20の斜視図である。
図4は、収容ボックス31と仕切板32の斜視図である。
図5は、電気錠50で開閉扉37を施錠する様子を示す説明図である。
図6は、ストッカシステム1の電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、本実施形態では、
図2~5において、左右方向がX軸方向であり、前後方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向(
図5では紙面垂直方向)である。
【0010】
ストッカシステム1は、
図1に示すように、販売管理装置10と、ストッカ20と、ストッカ20を管理するストッカ管理装置70とを備える。販売管理装置10とストッカ20とストッカ管理装置70とは、インターネットなどのネットワーク13に接続されている。
【0011】
販売管理装置10は、ネットワーク13を介して、注文者14の携帯端末15などと情報のやりとりを行い、注文者14に商品としての飲食物に関する情報を含む商品情報を提供するコンピュータである。販売管理装置10には、例えば、商品の情報を含む商品データベース(DB)や、顧客(注文者14)の情報を含む顧客DB、購入品(商品)の注文番号などを含む販売情報などが記憶されている。
【0012】
ストッカ20は、注文者14が注文した商品を受け渡すのに用いられる。本実施形態では、ストッカ20は、
図1に示すように、飲食店80内に設置され、飲食店80で提供される商品(飲食物)を注文者14に受け渡すのに用いられる。ストッカ20は、ストッカ本体30と、ストッカ20全体の制御を司る制御装置60とを備える。
【0013】
ストッカ本体30は、
図2~4に示すように、箱状の収容ボックス31と、複数の収容スペース90を形成するように収容ボックス31を左右方向に仕切る仕切板32と、各収容スペース90の前方(正面)を開閉可能な開閉扉37と、開閉扉37を施錠および解錠可能な電気錠50と、を有する。
【0014】
収容ボックス31は、
図4に示すように、平板状の上壁31aと、上壁31aと同じ平面視形状を有し上壁31aの真下に配置される平板状の下壁31bと、上壁31aの左端と下壁31bの左端とに繋がる平板状の左壁31cと、上壁31aの右端と下壁31bの右端とに繋がる平板状の右壁31dとを有する。これにより、収容ボックス31の前面(正面)には、矩形状の開口部31eが形成され、収容ボックス31の後面(背面)には、矩形状の開口部31fが形成される。本実施形態では、収容ボックス31と仕切板32と開閉扉37とによって画成される一つの収容スペース90を納品庫100と称する。
【0015】
なお、収容ボックス31の背面(後面)には、開口部31fが形成されており、仕切板32によって仕切られて形成される各納品庫100の背面は開口している。このため、本実施形態では、納品庫100への商品の納品は、納品者(店舗従業員19)によって背面の開口から行なわれる。また、納品庫100からの商品の受取は、受取者(注文者14)によって正面の開口から行なわれる。したがって、納品庫100に納品された商品が背面の開口から取り出されないようにするため、ストッカ20は、飲食店80において店舗従業員19等の店舗関係者以外の者(例えば、注文者14)が立ち入ることができない場所に、背面が向くように配置されている。
【0016】
収容ボックス31は、仕切板32が着脱可能に取り付けられる仕切板被取付部Aや、開閉扉37の2つのヒンジ(第1ヒンジ37b,第2ヒンジ37c)が着脱可能に取り付けられる第1ヒンジ被取付部E1および第2ヒンジ被取付部E2を有する。また、収容ボックス31は、下壁31bに左右方向(X軸方向)に一定のピッチPで等間隔に形成された複数のスリット39を有する。
【0017】
仕切板被取付部Aは、上壁31aを上下方向(Z軸方向)に貫通し、前後に並ぶように形成された複数のネジ穴(本実施形態では、2つのネジ穴A11,A12)と、下壁31bを上下方向(Z軸方向)に貫通し、下壁31bにおいて上壁31aのネジ穴A11,A12と同じ左右方向(X軸方向)の位置に前後に並ぶように形成された複数のネジ穴(本実施形態では、2つのネジ穴A21,A22)とを有する。仕切板被取付部Aは、左右方向(X軸方向)において一定のピッチP(本実施形態では、収容ボックス31の左右方向の幅をh等分(hは、2以上の整数であって、本実施形態では例えば8)した間隔)で等間隔に形成されている。なお、本実施形態では、上壁31aおよび下壁31bの右端からi番目(iは、1以上(h-1)以下の整数であって、本実施形態では1以上7以下の整数)に設けられた仕切板被取付部Aの位置を仕切位置Liと称するものとする。また、いずれの仕切位置であるかを特に限定しない場合には、単に仕切位置Lと称する。
【0018】
仕切板32は、
図4に示すように、左壁31cおよび右壁31dよりも上下方向(Z軸方向)において若干低い高さで左壁31cおよび右壁31dと前後方向(Y軸方向)における奥行きが略同じ板状の部材であり、上端部と下端部とには、直交方向に屈曲して延在する第1フランジ部32a,第2フランジ部32bが形成されている。仕切板32は、上下方向(Z軸方向)において第1フランジ部32aを貫通し、前後に並ぶ複数のネジ穴(本実施形態では、前後方向(Y軸方向)に上壁31aのネジ穴A11,A12と同じ間隔をおいて前後に並ぶ2つのネジ穴C11,C12)を有する。また、仕切板32は、上下方向(Z軸方向)において第2フランジ部32bを貫通し、前後に並ぶ複数のネジ穴(本実施形態では、前後方向(Y軸方向)に下壁31bのネジ穴A21,A22と同じ間隔をおいて前後に並ぶ2つのネジ穴C21,C22)を有する。左右方向(X軸方向)および前後方向(Y軸方向)において、ネジ穴C11,C12,C21,C22の位置をそれぞれ仕切位置Lにおける仕切板被取付部Aのネジ穴A11,A12,A21,A22の位置に合わせた状態で、それらのネジ穴に取付ネジBをねじ込むことで、仕切板32は、収容ボックス31に固定される。ストッカ20では、仕切板32を取り付ける際の仕切位置Lを変更したり、取り付ける仕切板32の数を変更したりすることで、
図2,3に示すように、収容スペース90のサイズや数を変更することができる。
【0019】
第1ヒンジ被取付部E1には、開閉扉37の2つのヒンジのうち一方の第1ヒンジ37bが取り付けられる。第2ヒンジ被取付部E2には、開閉扉37の2つのヒンジのうち他方の第2ヒンジ37cが取り付けられる。第1ヒンジ被取付部E1と第2ヒンジ被取付部E2とは、上壁31aの前面において、左壁31cと最も左に位置する被取付部Aとの間、隣り合う仕切板被取付部A同士の間および最も右に位置する被取付部Aと右壁31dの間に一組ずつ設けられている。第1ヒンジ被取付部E1と第2ヒンジ被取付部E2との組は、左右方向(X軸方向)に、一定のピッチPで等間隔に設けられている。第1ヒンジ被取付部E1は、左右方向に並ぶ複数のネジ穴(本実施形態では左右方向に並ぶ2つのネジ穴E11,E12)を有する。第2ヒンジ被取付部E2は、第1ヒンジ被取付部E1よりも右側に設けられ、左右方向に並ぶ複数のネジ穴(本実施形態では左右方向に並ぶ2つのネジ穴E21,E22)を有する。
【0020】
第1ヒンジ被取付部E1および第2ヒンジ被取付部E2を有する収容ボックス31に対する開閉扉37の取り付けは、左右方向(X軸方向)における収容スペース90の所望の幅に適した幅の開閉扉37を準備し、第1ヒンジ37bを第1ヒンジ被取付部E1に取り付け、第2ヒンジ37cを第2ヒンジ被取付部E2に取り付けることにより行なう。このとき、開閉扉37の第1ヒンジ37bは、左右方向(X軸方向)における収容スペース90の幅に含まれる第1ヒンジ被取付部E1のうち最も左に位置するものに取り付けられる。開閉扉37の第2ヒンジ37cは、当該収容スペース90の幅に含まれる第2ヒンジ被取付部E2のうち最も右に位置するものに取り付けられる。このように、開閉扉37を収容ボックス31に取り付ける際に用いられる第1ヒンジ被取付部E1および第2ヒンジ被取付部E2の組み合せを扉被取付部Dと称する。
【0021】
開閉扉37は、扉本体37aと、いずれも図示しない軸と当該軸を中心として回動可能に設けられた一対の羽根とを有する第1ヒンジ37bと、第1ヒンジ37bと同様の構成の第2ヒンジ37cと、被ロック片37dとを備える。扉本体37aは、ピッチPに対する左右方向(X軸方向)における納品庫100の幅の整数倍(ピッチ数n(nは、1以上(h-1)以下の整数であり、本実施形態では1以上7以下の整数))に相当する幅を有する。本実施形態では、扉本体37aは、左右方向(X軸方向)において、ピッチPに上述のピッチ数nを乗じて得られる長さ(=P×n)から所定のマージンMを減じた幅(=P×n-M)を有する。左右方向(X軸方向)における扉本体37aの幅をこのような幅に設定することで、隣合う開閉扉37同士が干渉するのを防止できる。ここで、マージンMは、予め定められた長さであり、例えば数[mm]である。第1ヒンジ37bおよび第2ヒンジ37cの一方の羽根は、図示しない取付ネジによって、軸が左右方向を向くように、扉本体37aの背面の上端部にネジ止めされている。また、第1ヒンジ37bおよび第2ヒンジ37cの他方の羽根は、図示しない取付ネジによって、軸が左右方向を向くように、上壁31aの前面(収容ボックス31の前面における開口周縁部の上辺)に形成された扉被取付部D(第1ヒンジ被取付部E1,第2ヒンジ被取付部E2)にネジ止めされている。これにより、開閉扉37は、開放される際には上から下に向かって回動し、閉鎖される際には下から上に向かって回動する。被ロック片37dは、扉本体37aの背面のうち、開閉扉37が扉被取付部Dに取り付けられた場合には複数のスリット39のいずれか1つに侵入するような左右方向(X軸方向)および上下方向(Z軸方向)の位置に取り付けられている。被ロック片37dには、ロック孔37eが形成されている。
【0022】
電気錠50は、
図4,5に示すように、下壁31bに内蔵されている。電気錠50は、各スリット39に対応する位置に、スリット39の数(本実施形態では8個)だけ設けられている。電気錠50は、ハウジング51と、回動レバー52とを備える。電気錠50は、例えば、ソレノイドロック/メカニカルリリース方式の錠装置である。ハウジング51は、下壁31bに固定されている。ハウジング51は、回動レバー52を収容している。ハウジング51には、回動レバー52の回動をガイドする略円弧状のガイド孔51aが形成されている。回動レバー52は、二股状に形成された係合爪52aと被押圧爪52bとを有し、ハウジング51に設けられた回動軸54によって回動可能に支持される。また、回動レバー52には、ガイド孔51aに係合するガイドピン52dが設けられている。回動レバー52は、ガイド孔51aの円弧の範囲内で回動する。回動レバー52は、通常、図示しないバネの弾性力により、回動軸54を中心として
図5中、時計回りに付勢され、ガイドピン52dが、ガイド孔51aの
図5中、右側の端部に突き当たっている状態である。開閉扉37を上から下に向かって閉鎖方向に回動させると、扉本体37aの背面の下端に設けられた被ロック片37dが、
図5(a)に示すようにスリット39内に進入する。そして、被ロック片37dは、
図5(b)に示すように被押圧爪52bと接触し、ばねの弾性力に抗して被押圧爪52bを押圧する。被押圧爪52bが押圧されると、回動レバー52は、回動軸54を回動中心として図中、反時計回りに回動する。
図5(c)に示すように、ガイドピン52dがガイド孔51aの左側の端部に突き当たるまで回動すると、係合爪52aがロック孔37eに入り込む。この状態で、図示しないソレノイドを作動させて、回動レバー52を
図5(c)に示す位置に固定する。これにより、開閉扉37は施錠される。また、ソレノイドの動作を解除すると、回動レバー52は、図示しないバネの弾性力により、
図5(a)に示す位置に戻り、開閉扉37は、解錠される。
【0023】
上述のように、仕切板32は収容ボックス31を左右方向(X軸方向)に仕切り、収容ボックス31は左右方向に並ぶ複数の収容スペース90を有するため、収容ボックス31に対して各収容スペース90の前面に開閉扉37を左右方向に回動するように取り付けようとすると、開閉扉37や電気錠50の設置が困難な場合がある。仕切板32に扉被取付部Dを形成したり電気錠50を取り付けて配線したりする必要があるためである。しかし、本実施形態では、開閉扉37を上壁31aの前面(収容ボックス31の正面における開口周縁部の上辺)に取り付けて収容ボックス31の上辺を中心に上下方向に回動可能とし、下壁31bに電気錠50を設けることで、収容ボックス31に扉被取付部Dを形成したり電気錠50を取り付けたりすることができ、比較的簡単に開閉扉37を設置することができる。また、本実施形態では、スリット39の数だけ電気錠50を配置したため、仕切板32と開閉扉37とを取り付けるだけで、収容スペース90の数やサイズを容易にカスタマイズすることができる。
【0024】
制御装置60は、
図2~4に示すように、制御ボックス68に収容されている。制御装置60は、
図6に示すように、CPU61と、ROM62と、RAM63と、ストレージ(例えば、SSDやHDD)64と、通信部65とを備えるコンピュータとして構成されている。ストレージ64には、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。通信部65は、ストッカ管理装置70などの外部機器と通信を行なう。
【0025】
ストレージ64には、
図7に示す納品庫情報64aなどが記憶される。納品庫情報64aには、各納品庫100の使用状態であるステータス(例えば、納品庫100内に商品が納品されていない空き状態や、店舗従業員19による商品の納品を待つ納品待ち状態、商品の納品が完了すると共に開閉扉37の解錠に必要な情報の認証を伴って開閉扉37を解錠可能な納品済状態等)や、仕切板32の仕切位置L、左右方向(X軸方向)における納品庫100(収容スペース)のサイズ、使用する電気錠50の識別情報などが納品庫番号に対応付けて記憶されている。また、納品庫情報64aには、その他、販売管理装置10により設定される注文番号の情報なども納品庫番号に対応付けて登録されている。本実施形態では、注文番号は、注文者14が納品庫100の開閉扉37を解錠する際にパスワードとして用いられるものである。また、開閉扉37を解錠する際のパスワードは別途生成されてもよい。
【0026】
制御装置60を収容する制御ボックス68には、
図1に示すように、表示操作装置66と、読取装置67とが設けられている。表示操作装置66は、制御ボックス68の前面に配置されたタッチパネルであり、注文者14への各種情報の表示や、注文者14からの各種操作の入力を行なう。読取装置67は、注文者14が納品庫100の解錠に用いる注文番号や納品者IDなどのコードを読み取らせるコードリーダである。
【0027】
制御装置60は、電気錠50への制御信号や、表示操作装置66への画像信号を出力する。また、制御装置60は、表示操作装置66からの操作信号や、読取装置67からの読取信号などを入力する。
【0028】
ストッカ管理装置70は、ネットワーク13を介してストッカ20の制御装置60や販売管理装置10と情報のやりとりを行なう。ストッカ管理装置70は、CPU71と、ROM72と、RAM73と、ストレージ74と、通信部75とを備えるコンピュータとして構成されている。ストレージ74は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。ストレージ74は、制御装置60のストレージ64に記憶されている納品庫情報64aと同様の納品庫情報74aや、注文者14のメールアドレスなどを記憶している。通信部75は、ストッカ20の制御装置60などの外部機器と通信を行なう。ストッカ管理装置70は、ストッカ20の制御装置60と通信することにより、納品庫情報74aを更新する。
【0029】
こうして構成されたストッカシステム1の動作を説明する。まず、注文者14が、商品の発注を行った際のストッカシステム1の動作について説明する。商品の発注は、注文者14が携帯端末15などを操作して、販売管理装置10から提供される商品情報から希望する商品を選択することにより行なわれる。
【0030】
携帯端末15などを介して注文者14から商品の発注を受けると、飲食店80の販売管理装置10は、注文された商品に関する情報と、注文者14のメールアドレスを含む通知先情報とを商品の注文番号に対応付けて販売情報として記憶する。そして、販売管理装置10は、販売情報をストッカ管理装置70へ送信する。
【0031】
販売情報を受信すると、ストッカ管理装置70のCPU71は、納品庫情報から、ステータス情報が空き状態の納品庫100のうち注文された商品のサイズに対応するサイズの納品庫100を検索すると共に検索した納品庫100を確保して納品先の納品庫100に決定する。次に、CPU71は、納品庫情報74aにおいて、確保した納品庫100の納品庫番号に対応するステータスを納品待ち状態に設定する。続いて、CPU71は、販売情報(通知先情報)に含まれるメールアドレスを注文番号に対応付けてストレージ74に記憶する。そして、CPU71は、納品先の納品庫100の納品庫番号を販売管理装置10に送信すると共に納品先の納品庫100の番号と注文番号とを受取希望のストッカ20に送信する。販売管理装置10は、受信した納品庫番号を販売情報に記憶する。販売管理装置10は、商品の注文がされた旨の情報および商品を納品すべき納品庫番号に関する情報を図示しない表示装置に表示させるなどして店舗従業員19に対して商品の注文があった旨と商品を納品すべき納品庫100の納品庫番号とを報知する。ストッカ20の制御装置60は、受信した注文番号を納品先の納品庫100の納品庫番号に対応付けてストレージ64の納品庫情報64aに記憶すると共に当該納品庫番号の納品庫100のステータスを納品待ち状態に設定する。
【0032】
次に、店舗従業員19が、納品庫100に商品を納品する際の納品手順の一例について説明する。商品の注文があった旨の報知を受けた店舗従業員19は、注文の対象となった商品を準備する。続いて、店舗従業員19は、準備した商品を対象納品庫の背面側の開口部から納品する。そして、店舗従業員19は、ストッカ20の背面側に設けられ、制御装置60に接続された図示しない納品完了ボタンを押下して本手順を終了する。制御装置60のCPU61は、当該納品完了ボタンの押下により商品が納品されたことを認識する。なお、制御装置60のCPU61は、店舗従業員19による表示操作装置66の操作を受け付けて商品が納品されたことを認識するようにしてもよいし、物品検知センサにより商品が納品されたことを認識するようにしてもよい。制御装置60のCPU61は、納品の完了を認識すると、納品庫情報64aにおいて、対応する納品庫100のステータスを納品済状態に設定する。そして、CPU61は、ストッカ管理装置70に対して納品済情報(納品庫100に商品が納品された旨の情報)と共に商品が納品された納品庫100の納品庫番号を送信する。ストッカ管理装置70のCPU71は、受信した納品庫番号に対応する注文番号を取得し、当該注文番号に対応するメールアドレスに対して、商品が納品された旨の情報と、注文番号と、解錠コード(注文番号コード)を送信する。このように、ストッカ20では、背面が開口しているため、店舗従業員19が納品庫100に商品を納品する際に、開閉扉37を開放する必要がなく、簡単に商品を納品することができる。
【0033】
次に、制御装置60のCPU61によって実行される受取処理について説明する。受取処理は、制御ボックス68に設けられた図示しない人感センサでストッカ20の利用者を検出した後に実行される。本処理を開始すると、CPU61は、注文番号の入力を受け付ける。注文番号の入力は、注文者14による表示操作装置66の操作によって行なわれたり、注文者14が解錠コードを読取装置67に読み取らせたりすることにより行なわれる。そして、CPU61は、入力した注文番号と、納品庫情報64aに記憶されている注文番号とを照合することにより、注文番号の認証を行なう。次に、CPU61は、入力した注文番号に対応する納品庫番号の納品庫100の開閉扉37が解錠されるように対応する電気錠50を制御する。注文者14は、納品庫100から商品を取り出し、開閉扉37を閉鎖する。開閉扉37の閉鎖は、開閉扉37の開閉を検知可能な図示しない開閉検知センサにより検知される。開閉扉37が閉鎖されると、電気錠50は、開閉扉37を施錠する。CPU61は、開閉扉37が閉鎖した旨の信号が入力されるまで待ち、納品庫情報64aにおいて、それまで商品が納品されていた納品庫100のステータスを空き状態に設定する。そして、CPU61は、ストッカ管理装置70に空き状態情報(それまで商品が納品されていた納品庫のステータスが空き状態である旨の情報)を送信して、本処理を終了する。空き状態情報を受信したならば、ストッカ管理装置70のCPU71は、納品庫情報74aにおいて、それまで商品が納品されていた納品庫100のステータスを空き状態に設定する。
【0034】
次に、ストッカ20の使用を開始する前に行なわれる使用前準備手順について説明する。この手順は、顧客(店舗関係者等)が注文したストッカ20の組み付け時に行なわれる。ストッカ20の注文に係る情報には、納品庫100の数と、納品庫100のサイズとに関する情報が含まれる。
図8は、使用前準備手順の一例を示すフローチャートである。この手順を開始すると、作業員は、まず、納品庫100のサイズと、納品庫100の数とがストッカ20の注文通りになるように、仕切板被取付部Aに仕切板32をネジ止めする(S100)。次に、作業員は、仕切板の仕切位置Lに対応する開閉扉37を準備する(S110)。具体的には、作業者は、左右方向(X軸方向)においてピッチ数nに対応する幅を有する複数種類の開閉扉37のうち収容スペース90の幅に対応する幅を有するものを選ぶ。続いて、作業員は、開閉扉37を対応する幅を有する収容スペース90の前面(上壁31aの前面に設けられた扉被取付部D)にネジ止めする(S120)。そして、作業員は、表示操作装置66を操作することにより、
図7に示すように、仕切位置Lと、納品庫100のサイズと、使用する電気錠50とを納品庫番号に対応付けて、制御装置60のストレージ64に登録させて(S130)、本手順を終了する。具体的には、作業者は、まず、納品庫100の数(本実施形態では4)を入力する。納品庫数が入力されると、制御装置60のCPU61は、入力した納品庫100の数だけ納品庫番号を割り当て、納品庫番号毎に仕切位置L、左右方向(X軸方向)における納品庫100のサイズおよび使用する電気錠50に関する情報の入力を要求する。ここで、使用する電気錠50は、開閉扉37を閉鎖した際に被ロック片37dが進入するスリット39に対応する位置に設けられた電気錠50である。また、納品庫100のサイズは、上述したピッチ数n(上述したように、nは、本実施形態では、1以上7以下の整数)として表される。すなわち、サイズが「n」である納品庫100の幅は、ピッチ数nにピッチPを乗じた幅である。これらの手順により、注文の内容に適合した、サイズおよび数の納品庫100を有するストッカ20が作製される。
【0035】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のストッカ20が本開示のストッカに相当し、収容ボックス31が収容ボックスに相当し、仕切板32が仕切り部材に相当し、仕切板被取付部Aが被取付部に相当し、開閉扉37が開閉扉に相当する。また、納品庫情報64aを記憶したストレージ64が記憶部に相当し、作業員の操作を受け付けて各種情報を登録するCPU61が、更新部に相当する。
【0036】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
上述した実施形態では、ストッカ本体30の背面に商品を入れるための開口を有するものとした。しかし、ストッカ本体30の背面は開口していなくてもよい。この場合、納品者(店舗従業員19)は、ストッカ本体30の前面の開口から商品を納品すればよい。
【0038】
上述した実施形態では、開閉扉37は、収容ボックスの上辺(上壁31aの前面)に取り付けられていた。しかし、開閉扉37は、収容ボックスの下辺(下壁31bの前面)に取り付けられていてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、仕切板32は、収容ボックス31を左右方向(X軸方向)に仕切るものとした。しかし、仕切板32は、
図9に示すように収容ボックス31を上下方向(Z軸方向)に仕切るものとしてもよい。この場合、開閉扉37は、収容ボックスの左辺(左壁31cの前面)または収容ボックスの右辺(右壁31dの前面)に、左右方向に回動可能に取り付ければよい。
【0040】
上述した実施形態では、本開示の被取付部を、ネジ穴として説明した。しかし、本開示の被取付部を他の態様としてもよい。例えば、被取付部は、上壁31aに前後方向(Y軸方向)に延在するように形成され仕切板32の上端部を挿入可能な溝と、下壁31bに前後方向(Y軸方向)に延在するように形成され仕切板32の下端部を挿入可能な溝とによって構成されていてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、使用前準備手順は、ストッカ20の製造業者における作業員が行なうものとした。しかし、使用前準備手順は、店舗従業員19が行なうものとしてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、制御装置60は、使用前準備手順において、作業員による表示操作装置66の操作により、仕切板32の仕切位置Lと納品庫100のサイズの入力を直接受け付けて登録するものとした。しかし、制御装置60は、使用前準備手順において、作業員による表示操作装置66の操作により、仕切板32の仕切位置Lの入力を受け付けて、仕切位置Lに基づいて納品庫100のサイズを算出して登録してもよい。
【0043】
以上説明した本開示のストッカでは、複数の被取付部は所定ピッチで等間隔に形成されるため、所定ピッチの整数倍に相当する幅を有する複数種類の開閉扉を準備しておき、収容ボックスに対して仕切り部材を取り付ける位置を変更することにより、収容スペースのサイズを容易に変更することができる。
【0044】
また、本開示のストッカにおいて、前記開閉扉は、左右方向に仕切られた前記収容ボックスの開口部四辺のうち上辺または下辺を回動軸として回動可能に着脱可能に取り付けられ、又は、上下方向に仕切られた前記収容ボックスの開口部四辺のうち左辺または右辺を回動軸として回動可能に着脱可能に取り付けられていてもよい。こうすれば、比較的簡単に収容ボックスに開閉扉を取り付けることができる。
【0045】
また、本開示のストッカにおいて、前記収容ボックスは、正面と背面とに開口部を有していてもよい。こうすれば、開閉扉を開放することなく背面の開口からストッカ内に物品を収容することができる。
【0046】
また、本開示のストッカにおいて、前記複数の収容スペースに対してそれぞれに割り当てられた管理情報を記憶する記憶部と、前記収容スペースに対する前記管理情報の割り当てを更新する更新部と、を備えていてもよい。本開示のストッカは、収容ボックスに対して仕切り部材を取り付ける位置によって収容スペースに対する収容スペースの管理情報が異なる。このため、管理情報を記憶して更新できることの意義は大きい。
【0047】
なお、本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1または2に記載のストッカ」を「請求項1ないし3のいずれか1項に記載のストッカ」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示は、商品をストッカに納品して注文者に対して商品を受け渡す販売システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 ストッカシステム、10 販売管理装置、13 ネットワーク、14 注文者、15 携帯端末、19 店舗従業員、20 ストッカ、30 ストッカ本体、31 収容ボックス、31a 上壁、31b 下壁、31c 左壁、31d 右壁、31e 開口部、31f 開口部、32 仕切板、32a 第1フランジ部、32b 第2フランジ部、33 仕切板被取付部、34 仕切板被取付部、37 開閉扉、37a 扉本体、37b 第1ヒンジ、37c 第2ヒンジ、37d 被ロック片、37e ロック孔、39 スリット、50 電気錠、51 ハウジング、51a ガイド孔、52 回動レバー、52a 係合爪、52b 被押圧爪、52d ガイドピン、54 回動軸、60 制御装置、61 CPU、62 ROM、63 RAM、64 ストレージ、64a 納品庫情報、65 通信部、66 表示操作装置、67 読取装置、68 制御ボックス、70 ストッカ管理装置、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 ストレージ、74a 納品庫情報、75 通信部、80 飲食店、90 収容スペース、100 納品庫、A 仕切板被取付部、A1,A12,A21,A22 ネジ穴、B 取付ネジ、C11,C12,C21,C22 ネジ穴、D 扉被取付部、E1 第1ヒンジ被取付部、E11,E12,E2 第2ヒンジ被取付部、E21,E22 ネジ穴。