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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168646
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】防災制御盤
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G08B17/00 L
G08B17/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085503
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217021
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 進吾
(72)【発明者】
【氏名】臼井 理美
(72)【発明者】
【氏名】為廣 克起
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA06
5G405AA08
5G405CA22
5G405CA51
(57)【要約】
【課題】表示上の言語を、使用する場面に適した言語に切り替えることができる防災制御盤を得る。
【解決手段】防災制御盤(1、2)は、火災報知設備における監視制御に使用される防災制御盤であって、表示部(10、20)と、表示部(10、20)による表示を制御する制御部(15、25)と、を有し、制御部(15、25)は、第1言語によって表記されている表示部(10、20)の表示を、所定のタイミングで、第1言語とは異なる第2言語による表記に切り替える言語切り替え機能を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災報知設備における監視制御に使用される防災制御盤であって、
表示部と、
前記表示部による表示を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、第1言語によって表記されている前記表示部の表示を、所定のタイミングで、前記第1言語とは異なる第2言語による表記に切り替える言語切り替え機能を実行する、
防災制御盤。
【請求項2】
前記制御部は、火災感知器から少なくとも第2報以降の火災検知信号を受信したタイミングを前記所定のタイミングとして、前記言語切り替え機能を実行し、前記第2言語による表記を行う
請求項1に記載の防災制御盤。
【請求項3】
前記制御部は、火災断定操作が行われた信号を受信したタイミングを前記所定のタイミングとして前記言語切り替え機能を実行し、前記第2言語による表記を行う
請求項1または2に記載の防災制御盤。
【請求項4】
前記制御部は、保守点検作業を実施する信号を受信したタイミングを前記所定のタイミングとして前記言語切り替え機能を実行し、前記第2言語による表記を行う
請求項1または2に記載の防災制御盤。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部をスクリーンオフとするタイミングで、前記第2言語の表記から前記第1言語の表記に戻す、
請求項1または2に記載の防災制御盤。
【請求項6】
前記第1言語による表記と前記第2言語による表記とを手動操作タイミングによって切り替えるための切り替え信号を出力する手動スイッチ
をさらに有し、
前記制御部は、前記切り替え信号を受け付けるごとに、前記第1言語による表記と前記第2言語による表記との切り替えを実行する、
請求項1または2に記載の防災制御盤。
【請求項7】
前記第2言語は、前記火災報知設備が設置されている国の母国語である、
請求項1または2に記載の防災制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示上の言語を切り替えることができる防災制御盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本に進出してきた外国企業、外国語を社内公用語として用いるグローバル企業などでは、防災関連の責任者または担当者として、外国人が選任されるケースがある。
【0003】
このようなケースの場合、火災受信機、総合操作盤、消火設備制御盤などで日常的に表示される標準言語を、日本語に代えて英語などの他の言語にして欲しいという要望がある。
【0004】
ここで、複数の言語の中から表示上の言語を選択することができる防災制御盤として、次のものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に係る防災制御盤は、複数の言語から少なくとも1つを設定する言語設定部と、複数の言語のうち、設定された1つの言語により火災等の状態情報を表示部に表示させる制御部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-67857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術を用いることにより、表示上の標準言語を所望の言語に変更して、防災制御盤を使用することができる。
【0007】
しかしながら、有事の際に日本国内の消防隊員が防災制御盤を扱う場合、即座に理解できるように、日本語による表記が要求される。また、日本国内の業者が防災制御盤に対して保守点検を行う場合においても、理解のしやすい日本語による表記が要求される。
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、表示上の言語を、使用する場面に適した言語に切り替えることができる防災制御盤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る防災制御盤は、火災報知設備における監視制御に使用される防災制御盤であって、表示部と、表示部による表示を制御する制御部と、を有し、制御部は、第1言語によって表記されている表示部の表示を、所定のタイミングで、第1言語とは異なる第2言語による表記に切り替える言語切り替え機能を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、表示上の言語を、使用する場面に適した言語に切り替えることができる防災制御盤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態1における火災受信機及び操作盤を示す図である。
図2図1に示す火災受信機及び操作盤の構成例を示すブロック図である。
図3図2に示す火災受信機によって平常時における標準言語の一例である英語として表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
図4図3に示す言語切り替えボタンが選択されたときに標準言語以外の他の言語の一例である日本語表記により表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
図5】火災感知器から第1報目の火災検知信号を受信したときの英語表記による通知画面の一例を示す図である。
図6】火災感知器から第2報以降の火災検知信号を受信したときの日本語表記による通知画面の一例を示す図である。
図7図6に示す言語切り替えボタン501が選択されたときの英語表記による表示例を示す図である。
図8図2に示す火災受信機の表示部及び操作部を示す図である。
図9図2に示す火災受信機の言語切り替え機能の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の防災制御盤の好適な態様につき、図面を用いて説明する。
本開示の実施の形態1に係る防災制御盤は、日本語以外の外国語を、平常時に表示する標準言語として設定する機能を備える。
【0013】
また、本開示の実施の形態1に係る防災制御盤は、有事の際または保守点検の際に、表示上の言語を、外国語から日本語に切り替える言語切り替え機能を備えることを技術的特徴としている。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1における火災受信機及び操作盤を示す図である。
【0015】
図1に示す火災受信機1及び操作盤2は、いずれも、火災報知設備における監視制御に使用される防災制御盤である。
【0016】
火災受信機1は、火災報知設備を構成する防災用設備をそれぞれ制御し、統制する防災制御盤である。ここで、防災用設備とは、火災が発生したことを知らせる設備、および災害発生時に被害を抑えるために作動する設備であり、例えば、火災感知器、防火戸、排煙設備、非常放送設備、地区音響装置、消火設備である。火災受信機1は、火災感知器から火災発生信号を受信したり、防災用設備を作動させたり、状態確認を行ったりすることができる。
【0017】
操作盤2は、施設内の防災に関する情報を一元的に集約して表示する防災制御盤である。また、操作盤2は、施設内の防災担当者からの操作を受け付けて、当該操作の内容に応じた指令を、火災受信機1を介して各防災用設備に送信する。これにより、防災担当者は、感知器等の警報動作を確認したり、現場状況に応じて、排煙口などの防災設備を遠隔制御したりすることができる。
【0018】
図2は、図1に示す火災受信機1及び操作盤2の構成例を示すブロック図である。
【0019】
図2において、火災受信機1は、表示部10、操作部11、制御部15、及び設備統制部16を備える。
【0020】
表示部10は、各種の情報を防災担当者に対して表示するディスプレイである。
【0021】
操作部11は、防災担当者からの操作を受け付ける物理キー、または表示部10の表示面に設けられているタッチパネルである。
【0022】
制御部15は、演算処理部12、記憶部13、及び通信部14を備えており、火災受信機1の内部のハードウェアを統括的に制御する。
【0023】
演算処理部12は、中央演算処理装置、及び主記憶装置を含んでおり、記憶部13に記憶されているソフトウェアを演算実行する。
【0024】
記憶部13は、補助記憶装置を含んでおり、演算処理部12によって演算実行されるソフトウェアを記憶する。
【0025】
また、記憶部13には、表示部10に表示される各言語のテキストデータが記憶されている。ここでは、各言語のテキストデータとして、日本語用テキストデータ31、英語用テキストデータ32、及び中国語用テキストデータ33を例示しているが、フランス語、ドイツ語など、その他の言語も記憶されている。
【0026】
火災受信機1は、これらの各言語のテキストデータを用いることにより、平常時に表示される標準言語を、所望の言語に選択して設定することができる。
【0027】
通信部14は、防災LAN(Local Area Network)を介して操作盤2との間でデータの送受信を行う。
【0028】
設備統制部16は、防災システムを構成する各防災用設備を監視、制御する機能部である。設備統制部16は、火災感知器からの信号を受信したり、各防災用設備を監視したり、作動させたりする。
【0029】
操作盤2は、表示部20、操作部21、及び制御部25を備える。
【0030】
表示部20は、文字、記号、図形などを、GUI(Graphical User Interface)によって描画することができる高解像度のディスプレイである。実施の形態1においては、表示部20は、火災受信機1の表示部10よりも多くの情報を、防災担当者に提供することができる。
【0031】
操作部21は、マウス、トラックボールなどのポインティングデバイス、または表示部20の表示面に設けられているタッチパネルである。加えて、操作部21には、メンテナンスの際に使用されるキーボードも構成上含まれる。
【0032】
制御部25は、火災受信機1の制御部15と同じ機能を有しており、演算処理部22、記憶部23、及び通信部24を備える。演算処理部22、記憶部23、及び通信部24についても、火災受信機1に備えられている演算処理部12、記憶部13、及び通信部14と同様の機能を備える。
【0033】
また、火災受信機1と同様に、記憶部23には、日本語用テキストデータ31、英語用テキストデータ32、中国語用テキストデータ33など、表示部20に表示される各言語のテキストデータが記憶されている。
【0034】
操作盤2も同様に、これらの各言語のテキストデータを用いることにより、平常時に表示される標準言語を選択的に設定することができる。
【0035】
引き続き、実施の形態1における言語切り替え機能について説明する。
【0036】
以降の説明において、火災受信機1及び操作盤2は、日本国内に設けられていることを前提とし、日本国内に進出してきた外国企業内の施設において、火災受信機1及び操作盤2が使用されるものとする。また、火災受信機1及び操作盤2には、標準言語として、防災担当者にとって最も理解のしやすい英語が設定されているものとする。
【0037】
また、以降の説明においては、一例として火災受信機1を対象に説明するが、操作盤2でも同様のことを実施することができる。
【0038】
図3は、図2に示す火災受信機1によって平常時における標準言語の一例である英語として表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
【0039】
火災受信機1は、平常時においては、標準言語として設定されている言語、すなわち英語表記のメインメニュー画面を、表示部10に表示する。なお、ここではメインメニュー画面を例示しているが、その他の画面も同様に英語によって表記される。
【0040】
また、図3に示すように、火災受信機1によって表示される各画面には、手動スイッチとして、それぞれ言語切り替えボタン501が設けられている。
【0041】
図4は、図3に示す言語切り替えボタン501が選択されたときに標準言語以外の他の言語の一例である日本語表記により表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
【0042】
言語切り替えボタン501が選択されると、火災受信機1は、図4に示すように、表示上の言語を、標準言語以外の他の言語に切り替える。すなわち、制御部15は、言語切り替えボタン501が選択されたときの切り替え信号を受け付けるタイミングごとに、言語表記の切り替えを実行する。ここでは、日本国内に火災受信機1が設置されていることから、母国語である日本語の表記に切り替わる。
【0043】
また、図4の日本語表記の状態で、言語切り替えボタン501が選択されると、火災受信機1は、図3に示す英語表記の画面に戻す。
【0044】
図5は、火災感知器から第1報目の火災検知信号を受信したときの英語表記による通知画面の一例を示す図である。
【0045】
火災受信機1は、火災感知器から第1報目の火災検知信号を受信すると、図5に示すように、標準言語である英語表記によって通知を行う。
【0046】
防災担当者は、英語表記であることから、発報内容を容易に理解することができる。このため、実際に火災が発生していれば、早い段階で消防へ連絡したり、避難指示を行ったりすることができる。
【0047】
なお、図5に示す通知画面においても、防災担当者が言語切り替えボタン501を選択することにより、表示内容が英語表記から図示しない日本語表記に切り替わる。
【0048】
図6は、火災感知器から第2報以降の火災検知信号を受信したときの日本語表記による通知画面の一例を示す図である。
【0049】
火災受信機1は、第1報を受けた後、同じ火災感知器、または別の火災感知器から新たに火災検知信号を受信した場合、実火災が発生したと断定する。そして、火災受信機1は、現場に駆け付けて消火活動を行う消防隊員の理解を助けるため、表示上の言語を、図6に示すように消防隊員にとって理解のしやすい日本語表記に切り替える。
【0050】
このように、火災受信機1は、第1報目の火災検知信号を受信した段階までは、図5に示すように防災担当者にとって理解のしやすい英語による表記を行う。このため、防災担当者は、災害の内容を即座に理解することができ、迅速な対応をとることができる。
【0051】
その後、火災受信機1は、第2報以降の火災検知信号を受信した場合は、図6に示すように、消防隊員にとって理解のしやすい日本語の表記に切り替える。このため、消防隊員は、言語の相違による不都合を感じることなく、消火活動に専念することができる。
【0052】
図7は、図6に示す言語切り替えボタン501が選択されたときの英語表記による表示例を示す図である。
【0053】
火災受信機1は、第2報以降の火災検知信号を受信した場合においても、言語切り替えボタン501が選択されると、図7に示すように英語表記に切り替える。また、図7の英語表記の状態で、言語切り替えボタン501が選択されると、火災受信機1は、図6に示す日本語表記に表示画面を戻す。
【0054】
上記の態様により、外国企業からの要望である外国語表記と、有事の際に必要な日本語表記とを両立することができる。よって、所轄消防にとっても、操作性を損なわずに円滑な消火活動を行うことができる。
【0055】
上記の態様においては、火災受信機1は、第2報以降の火災検知信号を受信することにより、実火災が発生したと断定し、英語表記から日本語表記に自動で切り替えるものとする。すなわち、制御部15は、火災感知器から少なくとも第2報以降の火災検知信号を受信したタイミングを所定のタイミングとして、言語切り替え機能を実行し、日本語による表記を行うものとする。
【0056】
引き続き、上記以外の自動切り替えのケースについて例示する。
【0057】
図8は、図2に示す火災受信機1の表示部10及び操作部11を示す図である。
【0058】
火災受信機1は、図8に示す火災断定ボタンB1が防災担当者によって押された場合も、実火災が発生したと断定し、英語表記から日本語表記へ切り替える。
【0059】
これに加えて、火災受信機1は、図示しない発信機から、ボタンが押されたことを示す信号を受信した場合も、実火災が発生したと断定して英語表記から日本語表記へ切り替える。
【0060】
すなわち、制御部15は、火災断定ボタンB1の操作、発信機のボタン操作などの火災断定操作が行われた信号を受信し、この受信したタイミングを所定のタイミングとして言語切り替え機能を実行し、日本語による表記を行う。
【0061】
また、火災受信機1は、実火災が発生した場合以外にも、保守点検作業の際、保守作業者を助けるため日本語表記にすることができる。この点について引き続き説明する。
【0062】
保守作業者は、保守点検の作業中に不用意に発報しないようにするため、作業を行う前に、図8に示すトップ画面移行ボタンB2及び音響停止ボタンB3の両方を同時に押すという特殊な操作を行う。
【0063】
火災受信機1は、この特殊な操作が行われたことを検知した場合、これから保守点検作業が行われるものとして、英語表記から日本語表記へ切り替える。
【0064】
すなわち、制御部15は、保守点検作業を実施する信号を受信したタイミングを所定のタイミングとして言語切り替え機能を実行し、日本語による表記を行う。
【0065】
なお、発報通知を抑止する操作は、上記の操作に限られず、火災受信機の機種ごとに操作手順が用意されている。
【0066】
また、保守点検の際に、防災用設備が不用意に作動しないようにするため、一括遮断ボタンB5が押される。火災受信機1は、この操作が行われたことを検知した場合、英語表記から日本語表記へ切り替えてもよい。
【0067】
次に、日本語表記から英語表記への切り替えについて説明する。
【0068】
消火活動が終了した後、または保守点検が終了した後、日本語表記から英語表記へ戻す必要がある。実施の形態1においては、表示画面がスクリーンオフになった場合、火災受信機1は、日本語表記から英語表記に自動的に切り替えるものとする。
【0069】
火災受信機1は、入力情報が何もない状態が一定時間経過した場合、表示画面をスクリーンオフにする。もしくは、火災受信機1は、図3に示す「Scrren OFF」と表示されているボタン、または、図4に示す「画面オフ」と表示されているボタンが操作された場合、表示画面をスクリーンオフにする。
【0070】
火災受信機1は、スクリーンオフが検知された場合、その後の表記を日本語表記から英語表記に切り替える。すなわち、制御部15は、表示部10をスクリーンオフとするタイミングで、日本語の表記から英語の表記に戻す。
【0071】
なお、実災害が発生しているときは、図5図7に示すように、スクリーンオフに遷移させるためのボタンが表示されない。また、一定時間経過しても、スクリーンオフにはならずに画面の表示が維持される。すなわち、実災害が発生した後は上記の操作が行われないため、表示画面がスクリーンオフにならない。
【0072】
この場合、防災担当者は、図8に示す復旧ボタンB4を押す。この操作により、火災受信機1は、スクリーンオフに遷移可能な状態になる。その後、表示画面は、スクリーンオフに遷移させるためのボタンが操作されるか、一定時間経過すると、スクリーンオフになり、日本語表記から英語表記に切り替わる。
【0073】
図9は、図2に示す火災受信機1の言語切り替え機能の動作例を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートは、繰り返し実行される。
【0074】
以降の説明において、第1言語は、上記の例における英語であり、標準言語として設定されている言語である。また、第2言語は、上記の例における日本語であり、火災受信機1が設置されている国の母国語である。
【0075】
図9において、火災受信機1の制御部15は、ステップS101において、現在の動作モードが、第1言語によって表記を行う第1言語モードであるか否かを判定する。
【0076】
制御部15は、第1言語モードで動作していると判定した場合、ステップS102において、所定のタイミングになったか否かを判定する。ここで、所定のタイミングとは、上記の例の場合、火災断定操作が行われたことを示す信号を制御部15が受信したタイミング、または、保守点検作業を実施する信号を制御部15が受信したタイミングである。
【0077】
制御部15は、所定のタイミングになったと判定した場合、ステップS103において、第1言語モードから第2言語モードで動作するように切り替える。ここで、第2言語モードは、第2言語によって表記を行うモードである。
【0078】
制御部15は、以降、記憶部13から日本語用テキストデータ31を取得し、日本語のテキストを表示部10に表示させる。
【0079】
また、制御部15は、ステップS102において、所定のタイミングになっていないと判定した場合、図9のフローチャートの処理を終了する。この場合、第1言語モードが維持される。
【0080】
一方、ステップS101において、制御部15は、第1言語モードではなく第2言語モードにより動作していると判定した場合、ステップS104において、表示部10がスクリーンオフになったか否かを判定する。
【0081】
制御部15は、表示部10がスクリーンオフになったと判定した場合、ステップS105において、第2言語モードから第1言語モードに切り替わる。
【0082】
表示部10は、以降、記憶部13から英語用テキストデータ32を取得し、英語のテキストを表示部10に表示させる。
【0083】
また、制御部15は、ステップS104において、表示部10がスクリーンオフになっていないと判定した場合、図9のフローチャートの処理を終了する。この場合、第2言語モードが維持される。
【0084】
なお、実施の形態1においては、第1言語として英語が用いられる態様を主に説明したが、フランス語、ドイツ語、中国語などの他の言語が、第1言語として用いられてもよい。
【0085】
また、日本国内に火災受信機1または操作盤2が設置されているものとして説明し、第2言語として、母国語の日本語が使用される態様を主に説明した。これに対し、火災受信機1または操作盤2は、日本国以外の国に設置されてもよく、この場合、当該国の母国語が第2言語として使用されてもよい。
【0086】
もしくは、第1言語とは異なる言語のうち、火災受信機1または操作盤2に記憶されている言語を、第2言語としてもよい。
【0087】
このような火災受信機1または操作盤2を例にして説明した防災制御盤の特徴を整理すると、以下のような構成を有し、効果を実現できることとなる。
【0088】
本開示に係る防災制御盤は、火災報知設備における監視制御に使用される防災制御盤であって、表示部10と、表示部10による表示を制御する制御部15とを有する。
【0089】
制御部15は、第1言語によって表記されている表示部10の表示を、所定のタイミングで、第1言語とは異なる第2言語による表記に切り替える言語切り替え機能を実行する。
【0090】
このため、表示上の言語を、使用する場面に適した言語に切り替えることができる防災制御盤を得ることができる。
【0091】
また、制御部15は、火災感知器から少なくとも第2報以降の火災検知信号を受信したタイミングを前記所定のタイミングとして、言語切り替え機能を実行し、第2言語による表記を行う。
【0092】
このため、実火災が発生した場合、消火活動に当たる消防隊員にとって理解のしやすい言語に切り替えることができる。
【0093】
また、制御部15は、火災断定操作が行われた信号を受信したタイミングを所定のタイミングとして言語切り替え機能を実行し、第2言語による表記を行う。
【0094】
この場合においても、上記と同様に、実火災が発生した場合、消火活動に当たる消防隊員にとって理解のしやすい言語に切り替えることができる。
【0095】
また、制御部15は、保守点検作業を実施する信号を受信したタイミングを所定のタイミングとして言語切り替え機能を実行し、第2言語による表記を行う。
【0096】
このため、保守点検作業に当たる作業者にとって理解のしやすい言語に切り替えることができる。
【0097】
また、制御部15は、表示部10をスクリーンオフとするタイミングで、第2言語の表記から第1言語の表記に戻す。
【0098】
このため、平常時の状態に戻ったことを意味するスクリーンオフのタイミングで、自動的に第1言語に戻すことができる。
【0099】
また、防災制御盤は、第1言語による表記と第2言語による表記とを手動操作タイミングによって切り替えるための切り替え信号を出力する言語切り替えボタン501をさらに有する。
【0100】
また、制御部15は、切り替え信号を受け付けるごとに、第1言語による表記と第2言語による表記との切り替えを実行する。
【0101】
このため、第1言語による表記と第2言語による表記とを、必要に応じて手動で切り替えることができる。
【0102】
また、第2言語は、防災制御盤が設置されている国の母国語である。このため、消防隊員、保守作業者など、その国に住んでいる現地の者が防災制御盤を使用する際、その者にとって容易に理解できる言語となるように切り替えることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 火災受信機(防災制御盤)、2 操作盤(防災制御盤)、10、20 表示部、15、25 制御部、31 日本語用テキストデータ(第2言語)、32 英語用テキストデータ(第1言語)、501 言語切り替えボタン(手動スイッチ)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9