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特開2024-168651食品組成物、カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168651
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】食品組成物、カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20241128BHJP
   A23L 35/00 20160101ALI20241128BHJP
   A23F 3/14 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 2/39 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20241128BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 5/20 20160101ALI20241128BHJP
【FI】
A23L5/00 M
A23L35/00
A23F3/14
A23L2/00 Q
A23L2/00 B
A23L2/52
A23L2/38 N
A23L2/38 C
A23L2/52 101
A23L2/66
A23L2/00 J
A23L5/20
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085511
(22)【出願日】2023-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月26日、青山学院大学において、カイコパウダーを含む食品組成物(抹茶プロテインバー)を販売した。ほか25件の公開
(71)【出願人】
【識別番号】521393340
【氏名又は名称】Morus株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179578
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100195062
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 涼子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 将太
(72)【発明者】
【氏名】上原 裕史
【テーマコード(参考)】
4B027
4B035
4B036
4B117
【Fターム(参考)】
4B027FB06
4B027FB30
4B027FC01
4B027FE02
4B027FK08
4B027FK15
4B027FK17
4B027FP68
4B035LC01
4B035LE01
4B035LG32
4B035LG37
4B035LG41
4B035LK02
4B036LC01
4B036LE01
4B036LF19
4B036LH29
4B036LH34
4B036LH42
4B036LK06
4B036LP05
4B036LP09
4B117LC02
4B117LC03
4B117LE01
4B117LG02
4B117LG17
4B117LK17
4B117LL09
4B117LP03
4B117LP20
(57)【要約】
【課題】カイコパウダーを含有する食品組成物における脂肪臭を抑制する。
【解決手段】食品組成物は、次の成分(A)及び成分(B);(A)カイコパウダー、(B)抹茶パウダーを含有し、カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法は、次の成分(A)及び成分(B);(A)カイコパウダー、(B)抹茶パウダーを含有させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び成分(B);
(A)カイコパウダー
(B)抹茶パウダー
を含有する、食品組成物。
【請求項2】
前記成分(A)の含有量が10~95質量%である、請求項1記載の食品組成物。
【請求項3】
前記成分(A)と前記成分(B)との質量比[(A)/(B)]が1~30である請求項1記載の食品組成物。
【請求項4】
前記食品組成物が固体状食品組成物である、請求項1記載の食品組成物。
【請求項5】
前記成分(A)の含有量が40~95質量%である、請求項4記載の食品組成物。
【請求項6】
前記成分(B)の含有量が1~30質量%である、請求項4記載の食品組成物。
【請求項7】
前記食品組成物が飲料である、請求項1記載の食品組成物。
【請求項8】
前記成分(A)の含有量が5~60質量%である、請求項7記載の食品組成物。
【請求項9】
前記成分(B)の含有量が1~40質量%である、請求項7記載の食品組成物。
【請求項10】
さらに、成分(C)として、ゆず、レモン、及びすだちからなる群より選択される1種以上の柑橘類を含有する、請求項1記載の食品組成物。
【請求項11】
前記成分(A)と前記成分(C)との固形分換算での質量比[(A)/(C)]が1~40である請求項10記載の食品組成物。
【請求項12】
前記成分(C)と前記成分(B)との固形分換算での質量比[(C)/(B)]が0.25~5である請求項10記載の食品組成物。
【請求項13】
前記成分(C)の含有量が固形分換算で1~40質量%である、請求項10記載の食品組成物。
【請求項14】
次の成分(A)及び成分(B);
(A)カイコパウダー
(B)抹茶パウダー
を含有させる、カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、絹の製造のため、カイコ(蚕)は日本において広く飼育されている。また、カイコを食べることにより特有の効果が得られることが知られており、例えば、特許文献1には、カイコを食べることにより糖尿病を治療する効果が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-337530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カイコは、タンパク質が比較的豊富であるため、新たなタンパク源としても注目されている。しかしながら、カイコは脂肪臭を有するため継続して摂食するうえで障害となりやすいことを、本願発明者らは見出した。したがって、カイコパウダーを含有する食品組成物における脂肪臭を抑制できる技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、食品組成物が提供される。この食品組成物は、次の成分(A)及び成分(B);(A)カイコパウダー、(B)抹茶パウダーを含有する。この形態の食品組成物によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制することができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載の食品組成物において、前記成分(A)の含有量が10~95質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコ特有の効果を得つつ、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制できる。
【0008】
(3)上記(1)又は上記(2)に記載の食品組成物において、前記成分(A)と前記成分(B)との質量比[(A)/(B)]が1~30であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭をより抑制できる。
【0009】
(4)上記(1)から上記(3)までのいずれか一項に記載の食品組成物において、前記食品組成物が固体状食品組成物であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭が抑制された食品組成物を提供できる。
【0010】
(5)上記(4)に記載の食品組成物において、前記成分(A)の含有量が40~95質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコ特有の効果を得つつ、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制できる。
【0011】
(6)上記(4)に記載の食品組成物において、前記成分(B)の含有量が1~30質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコ特有の効果をより得つつ、カイコパウダー由来の脂肪臭をより抑制できる。
【0012】
(7)上記(1)から上記(3)までのいずれか一項に記載の食品組成物において、前記食品組成物が飲料であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭が抑制された飲料を提供できる。
【0013】
(8)上記(7)に記載の食品組成物において、前記成分(A)の含有量が5~60質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコ特有の効果を得つつ、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制できる。
【0014】
(9)上記(7)に記載の食品組成物において、前記成分(B)の含有量が1~40質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコ特有の効果をより得つつ、カイコパウダー由来の脂肪臭をより抑制できる。
【0015】
(10)上記(1)から上記(9)までのいずれか一項に記載の食品組成物において、さらに、成分(C)として、ゆず、レモン、及びすだちからなる群より選択される1種以上の柑橘類を含有してもよい。この形態の食品組成物によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭を更に抑制できる。
【0016】
(11)上記(10)に記載の食品組成物において、前記成分(A)と前記成分(C)との固形分換算での質量比[(A)/(C)]が1~40であってもよい。この形態の食品組成物によれば、脂肪臭及びエグ味を抑制しつつ、旨味を向上できる。
【0017】
(12)上記(10)又は上記(11)に記載の食品組成物において、前記成分(C)と前記成分(B)との固形分換算での質量比[(C)/(B)]が0.25~5であってもよい。この形態の食品組成物によれば、脂肪臭及びエグ味を抑制しつつ、旨味を向上できる。
【0018】
(13)上記(10)から上記(12)までのいずれか一項に記載の食品組成物において、前記成分(C)の含有量が固形分換算で1~40質量%であってもよい。この形態の食品組成物によれば、脂肪臭及びエグ味を抑制しつつ、旨味を向上できる。
【0019】
(14)本開示の他の形態によれば、カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法が提供される。この抑制方法は、次の成分(A)及び成分(B);(A)カイコパウダー、(B)抹茶パウダーを含有させる。この形態の抑制方法によれば、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制することができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能である。例えば、食品組成物の製造方法等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<食品組成物>
本開示の食品組成物は、例えば、固体状でも、液状の飲料でもよく、適宜の形態を採り得る。なお、本明細書における「液状」には、比較的粘性が高い液状やゼリー状が含まれ得る。
【0022】
本開示の食品組成物が固体状食品組成物である場合、常温(20℃±15℃)において固体であればその形状は特に限定されず、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等の種々の固形の形状とすることができる。より具体的には、固体状食品組成物には、例えば、プロテインバー等の固形状の食品組成物や、プロテインパウダー等の粉末状の食品組成物が該当する。また、本開示の固体状食品組成物の大きさは、咀嚼摂取が可能であれば、食品組成物の形態に応じて適宜選択することができる。
【0023】
本開示の食品組成物が飲料である場合、利便性の観点から、シングルストレングスが好ましい。ここで、本明細書において「シングルストレングス」とは、希釈せずにそのまま飲用できる飲料をいう。飲料には、例えば、プロテイン飲料が該当する。
【0024】
20℃における飲料のpHは、特に限定されないが、安定性及び風味の観点から、好ましくは2.0~8.0、より好ましくは2.5~7.5、更に好ましくは2.6~7.0、殊更好ましくは3.0~6.5である。
【0025】
本開示の食品組成物は、成分(A)としてカイコパウダーを含有する。ここで、本明細書において「カイコパウダー」とは、蚕を乾燥させることにより粉末化させたものである。
【0026】
成分(A)としては、市販の製品を用いてもよく、蚕から製造したものを用いてもよい。カイコパウダーを製造する方法は特に限定されないが、例えば、特開平08-337530号公報に記載の方法で製造したものを用いてもよい。特開平08-337530号公報には、4齢期蚕から5齢末極大重蚕を、窒素ガスを用いて酸化防止処理を行った後、冷凍乾燥して粉末化する方法が記載されている。
【0027】
本開示の食品組成物中の成分(A)の含有量は、特に限定されないが、カイコ特有の効果を得る観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、25質量%以上が殊更好ましく、また、脂肪臭抑制の観点から、95質量%以下が好ましく、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、食品組成物中に、好ましくは10~95質量%、より好ましくは15~93質量%、更に好ましくは20~90質量%、殊更好ましくは25~85質量%である。ここで、脂肪臭とは、脂っぽい匂いを示す。本開示において、食品組成物中の成分(A)の含有量は、食品組成物に配合した成分(A)の配合量に相当する。本開示において、ある成分の「含有量」は、組成物全体の質量を100質量%とした場合の当該成分の占める質量の割合を意味する。
【0028】
また、本開示の食品組成物中の成分(A)の含有量は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0029】
食品組成物が固体状食品組成物である場合には、固体状食品組成物中の成分(A)の含有量は、カイコ特有の効果を得る観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、70質量%以上が殊更好ましく、75質量%以上がより一層好ましく、80質量%以上が特に好ましく、また、脂肪臭抑制の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、88質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、固体状食品組成物中に、好ましくは40~95質量%、より好ましくは50~90質量%、更に好ましくは60~88質量%、殊更好ましくは70~85質量%である。
【0030】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、飲料中の成分(A)の含有量は、カイコ特有の効果を得る観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、20質量%以上が殊更好ましく、25質量%以上がより一層好ましく、27質量%以上が特に好ましく、また、脂肪臭抑制の観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が殊更好ましく、30質量%以下がより一層好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、飲料中に、好ましくは5~60質量%、より好ましくは10~50質量%、更に好ましくは15~40質量%、殊更好ましくは20~35質量%、より一層好ましくは25~30質量%、特に好ましくは27~30質量%である。
【0031】
本開示の食品組成物は、カイコパウダー由来の脂肪臭を抑制するために、成分(B)として抹茶パウダーを含有する。本開示において、「抹茶パウダー」とは、粉末状の抹茶を意味する。また、本開示において、「抹茶」とは、緑茶を粉砕して粉末化したものをいう。したがって、成分(B)としては、碾茶を原料とするパウダーに限らず、玉露、煎茶等の緑茶を粉末化したものであれば、特に限定されない。成分(B)としては、特に限定されないが、調達のしやすさから、好ましくは市販品の抹茶パウダーが挙げられる。
【0032】
本開示の食品組成物中の成分(B)の含有量は、脂肪臭抑制の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、5質量%以上が殊更好ましく、また抹茶由来のエグ味抑制の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、食品組成物中に、好ましくは0.1~40質量%、より好ましくは1~30質量%、更に好ましくは3~20質量%、殊更好ましくは5~10質量%である。ここで、エグ味とは、舌がしびれる感覚をもたらしたりするような、食品として違和感のある風味を意味する。本開示において、食品組成物中の成分(B)の含有量は、食品組成物に配合した成分(B)の配合量に相当する。
【0033】
また、本開示の食品組成物中の成分(B)の含有量は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0034】
例えば、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、固体状食品組成物中の成分(B)の含有量は、脂肪臭抑制の観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、7質量%以上が殊更好ましく、また抹茶由来のエグ味抑制の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、固体状食品組成物中に、好ましくは1~30質量%、より好ましくは3~20質量%、更に好ましくは5~15質量%、殊更好ましくは7~10質量%である。
【0035】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、飲料中の成分(B)の含有量は、脂肪臭抑制の観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、7質量%以上が殊更好ましく、また抹茶由来のエグ味抑制の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、飲料中に、好ましくは1~40質量%、より好ましくは3~30質量%、更に好ましくは5~20質量%、殊更好ましくは7~10質量%である。
【0036】
なお、本開示の食品組成物は濃縮飲料であっても構わないが、濃縮飲料である場合、規定の用法にしたがって希釈し還元飲料を調製したときに、還元飲料中の成分(A)及び成分(B)の各含有量が上記要件を満たすことが好ましい。
【0037】
本開示の食品組成物中の成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]は、脂肪臭抑制の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、また脂肪臭抑制の観点から、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が更に好ましく、12以下がより更に好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは1~30、より好ましくは2~20、更に好ましくは3~15である。
【0038】
また、本開示の食品組成物における成分(A)と成分(B)とのの質量比[(A)/(B)]は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0039】
例えば、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、質量比[(A)/(B)]は、脂肪臭抑制の観点から、1以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。また、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、質量比[(A)/(B)]は、脂肪臭抑制の観点から、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が更に好ましく、12以下が殊更好ましい。食品組成物が固体状食品組成物である場合には、かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは1~30、より好ましくは2.5~20、更に好ましくは5~15、殊更に好ましくは5~12である。
【0040】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、質量比[(A)/(B)]は、脂肪臭抑制の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。また、質量比[(A)/(B)]は、脂肪臭抑制の観点から、10以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは1~10、より好ましくは2~7、更に好ましくは3~5である。
【0041】
更に、本開示の食品組成物は、以下の態様も好適である。
【0042】
本開示の食品組成物が固体状食品組成物である場合には、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、成分(A)の含有量が60~95質量%、成分(B)の含有量が3~15質量%、かつ質量比[(A)/(B)]が5~20であることが好ましく、成分(A)の含有量が70~90質量%、成分(B)の含有量が5~10質量%、かつ質量比[(A)/(B)]が7~15であることがより好ましい。
【0043】
また、本開示の食品組成物が飲料である場合には、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、成分(A)の含有量が20~40質量%、成分(B)の含有量が5~20質量%、かつ質量比[(A)/(B)]が1~7であることが好ましく、成分(A)の含有量が25~35質量%、成分(B)の含有量が7~15質量%、かつ質量比[(A)/(B)]が2~5であることがより好ましい。
【0044】
さらに、本開示の食品組成物は、カイコパウダー由来の脂肪臭を更に抑制するために、成分(C)柑橘類を含有してもよい。成分(C)は、特に限定されないが、例えば、みかん、オレンジ、夏みかん、レモン、ゆず、すだち、カボス、グレープフルーツ、シークワァーサー、はっさく、及びライムからなる群より選択される1種以上が挙げられる。成分(C)は、カイコパウダー由来の脂肪臭をより抑制する観点から、ゆず、レモン、及びすだちからなる群より選択される1種以上であることが好ましく、ゆずを含むことがより好ましい。換言すると、本開示の食品組成物は、成分(C)として、ゆず、レモン、及びすだちからなる群より選択される1種以上の柑橘類を含むことが好ましく、ゆずを含むことがより好ましい。なお、成分(C)として複数種の柑橘類成分を含む場合は、配合量や含有量はいずれも合計量を意味する。さらに、本開示の食品組成物は、カイコパウダー由来の脂肪臭を更に抑制するために、成分(C)として、ゆず、レモン、及びすだちを除く、1種以上の他の柑橘類を含有してもよい。かかる他の柑橘類としては、特に限定されないが、例えば、みかん、オレンジ、夏みかん、カボス、グレープフルーツ、シークワァーサー、はっさく、及びライムからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0045】
成分(C)の形態は特に限定されず、液体でもよく、固体でもよい。食品組成物が固体状食品組成物である場合には、混合する際の作業性の観点から、固体状の成分(C)を用いることが好ましい。具体的には、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、パウダー状の成分(C)、すなわち、柑橘類パウダーを用いることが好ましい。
【0046】
本開示の食品組成物中の成分(C)の含有量は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、固形分換算で、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が殊更好ましく、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、食品組成物中に、固形分換算で、好ましくは1~40質量%、より好ましくは2~30質量%、更に好ましくは3~20質量%、殊更好ましくは4~10質量%である。本開示において、食品組成物中の成分(C)の固形分換算における含有量は、食品組成物に配合した成分(C)の固形分換算における配合量に相当する。また、本開示において、「固形分換算」とは、試料を窒素気流下において120℃で12時間乾燥させた後の残渣の質量に換算することを意味する。
【0047】
また、本開示の食品組成物中の成分(C)の含有量は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0048】
例えば、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、固体状食品組成物中の成分(C)の含有量は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、固形分換算で、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、また脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、固体状食品組成物中に、固形分換算で、好ましくは1~40質量%、より好ましくは3~30質量%、更に好ましくは5~20質量%、殊更好ましくは5~10質量%である。
【0049】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、飲料中の成分(C)の含有量は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、固形分換算で、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、5質量%以上が殊更好ましく、また脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、飲料中に、固形分換算で、好ましくは1~40質量%、より好ましくは2~30質量%、更に好ましくは3~20質量%、殊更好ましくは5~10質量%である。
【0050】
本開示の食品組成物中の成分(A)と成分(C)との固形分換算での質量比[(A)/(C)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、また脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。かかる質量比[(A)/(C)]の範囲としては、好ましくは1~40、より好ましくは3~30、更に好ましくは5~20である。
【0051】
また、本開示の食品組成物における成分(A)と成分(C)との固形分換算での質量比[(A)/(C)]は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0052】
例えば、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、固形分換算での質量比[(A)/(C)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、2.5以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましい。また、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、質量比[(A)/(C)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が更に好ましく、12以下が殊更好ましい。食品組成物が固体状食品組成物である場合には、かかる質量比[(A)/(C)]の範囲としては、好ましくは2.5~30、より好ましくは5~20、更に好ましくは7~15、殊更好ましくは7~12である。
【0053】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、固形分換算での質量比[(A)/(C)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。また、質量比[(A)/(C)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、10以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下が殊更好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは1~10、より好ましくは2~7、更に好ましくは3~5である。
【0054】
本開示の食品組成物中の成分(C)と成分(B)との固形分換算での質量比[(C)/(B)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、0.25以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、また脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.25~5、より好ましくは0.4~4、更に好ましくは0.5~2である。
【0055】
また、本開示の食品組成物における成分(C)と成分(B)との固形分換算での質量比[(C)/(B)]は、食品組成物の形態により適宜選択可能である。
【0056】
例えば、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、固形分換算での質量比[(C)/(B)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、0.25以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.75以上が更に好ましい。また、食品組成物が固体状食品組成物である場合には、質量比[(C)/(B)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましく、12以下が殊更好ましい。食品組成物が固体状食品組成物である場合には、かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.25~5、より好ましくは0.5~3、更に好ましくは0.75~1.5である。
【0057】
本開示の食品組成物が飲料である場合には、固形分換算での質量比[(C)/(B)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、0.25以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましい。また、質量比[(C)/(B)]は、脂肪臭及びエグ味の抑制と旨味の向上の観点から、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、1以下が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.25~5、より好ましくは0.4~3、更に好ましくは0.5~1である。
【0058】
本開示の食品組成物は、嗜好性等を高めるために、所望により、酸味料、甘味料、アミノ酸、タンパク質、ビタミン、ミネラル、香料、果汁、植物エキス、エステル、色素、乳成分、ココアパウダー、調味料、油脂、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。なお、添加剤の含有量は、本開示の目的を損なわない範囲内で適宜設定することが可能である。
【0059】
更に、本発明の食品組成物が固体状である場合、必要に応じて許容される担体を含有することができる。例えば、賦形剤(例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖等の二糖類、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール、デキストリン、粉飴等の澱粉分解物);結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等);崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素等);嬌味剤(例えば、ステビア等);オリゴ糖、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。なお、担体の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することが可能である。
【0060】
本開示の食品組成物は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得るが、例えば、特定量の成分(A)、成分(B)及び任意の成分(C)、必要に応じて担体及び/又は添加剤を、好ましくは上述の含有量や質量比の範囲内となるように、混合して製造することができる。成分(A)と成分(B)と任意の成分(C)との混合順序は特に限定されず、ある成分を他の成分に添加して混合してもよく、全ての成分をほぼ同時に添加して混合してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することができ、混合装置を使用してもよい。また、本開示の食品組成物が固形状である場合には、例えば、所望の形状とするために圧縮等により成形してもよく、公知の造粒法等により造粒してもよい。
【0061】
本開示の食品組成物が飲料である場合、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。また、飲料は、加熱殺菌済でもよく、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
【0062】
<カイコパウダーの脂肪臭の抑制方法>
本開示のカイコパウダーの脂肪臭の抑制方法は、次の成分(A)及び(B);
(A)カイコパウダー
(B)抹茶パウダー
を含有させるものである。
【0063】
本開示の抑制方法は、成分(A)と成分(B)とが最終的に食品組成物中に含有された状態にあればよく、含有させるタイミングや配合順序は特に限定されない。また、食品組成物の形態は、経口摂取可能なものであれば特に限定されず、固体状でも、液状でもよい。なお、食品組成物の具体的構成、並びに成分(A)及び(B)の具体的構成(例えば、各含有量、質量比等)については、上記において説明したとおりである。
【0064】
本開示の抑制方法は、さらに、成分(C)を含有させるものであってもよい。この形態の方法においても、成分(A)と成分(B)と成分(C)とが最終的に食品組成物中に含有された状態にあればよく、含有させるタイミングや配合順序は特に限定されない。また、食品組成物の形態は、経口摂取可能なものであれば特に限定されず、固体状でも、液状でもよい。なお、食品組成物の具体的構成、並びに成分(A)、(B)及び(C)の具体的構成(例えば、各含有量、質量比等)については、上記において説明したとおりである。
【実施例0065】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
<官能試験>
各粉末食品及び飲料に対し、それぞれ「脂肪臭の強度」、「エグ味の強度」及び「旨味の強度」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。その後、専門パネルが協議により最終評点を決定した。
【0067】
(1)脂肪臭の強度の評価基準
評点「1」が最も脂肪臭が強いために好ましくなく、評点「5」が最も脂肪臭が弱いため好ましい。粉末食品については、実施例1の粉末食品の脂肪臭の強度を評点「5」とし、実施例9の粉末食品の脂肪臭の強度を評点「3」とし、比較例1の粉末食品の脂肪臭の強度を評点「1」として評価した。飲料については、実施例11の飲料の脂肪臭の強度を評点「5」とし、実施例15の飲料の脂肪臭の強度を評点「3」とし、比較例2の飲料の脂肪臭の強度を評点「1」として評価した。
【0068】
具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:脂肪臭がない(実施例1又は実施例11と同等、又はそれ以上である。)
4:脂肪臭が弱い(実施例9又は実施例15と比べて優れるが、実施例1又は実施例11と比べて劣る。)
3:脂肪臭がやや弱い(実施例9又は実施例15と同等、又はそれ以上である。)
2:脂肪臭がやや強い(比較例1又は比較例2と比べて優れるが、実施例9又は実施例15と比べて劣る。)
1:脂肪臭が強い(比較例1又は比較例2と同等、又はそれ以下である。)
【0069】
(2)エグ味の強度の評価基準
評点「1」が最もエグ味が強いために好ましくなく、評点「5」が最もエグ味が弱いため好ましい。粉末食品については、実施例1の粉末食品のエグ味の強度を評点「5」とし、実施例9の粉末食品のエグ味の強度を評点「3」とし、比較例1の粉末食品のエグ味の強度を評点「1」として評価した。飲料については、実施例11の飲料のエグ味の強度を評点「5」とし、実施例15の飲料のエグ味の強度を評点「3」とし、比較例2の飲料のエグ味の強度を評点「1」として評価した。
【0070】
具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:エグ味がない(実施例1又は実施例11と同等、又はそれ以上である。)
4:エグ味が弱い(実施例9又は実施例15と比べて優れるが、実施例1又は実施例11と比べて劣る。)
3:エグ味がやや弱い(実施例9又は実施例15と同等、又はそれ以上である。)
2:エグ味がやや強い(比較例1又は比較例2と比べて優れるが、実施例9又は実施例15と比べて劣る。)
1:エグ味が強い(比較例1又は比較例2と同等、又はそれ以下である。)
【0071】
(3)旨味の強度の評価基準
評点「1」が最も旨味が弱いために好ましくなく、評点「5」が最も旨味が強いため好ましい。粉末食品については、実施例1の粉末食品の旨味の強度を評点「5」とし、実施例9の粉末食品の旨味の強度を評点「3」とし、比較例1の粉末食品の旨味の強度を評点「1」として評価した。飲料については、実施例11の飲料の旨味の強度を評点「5」とし、実施例15の飲料の旨味の強度を評点「3」とし、比較例2の飲料の旨味の強度を評点「1」として評価した。
【0072】
具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:旨味が強い(実施例1又は実施例11と同等、又はそれ以上である。)
4:旨味がやや強い(実施例9又は実施例15と比べて優れるが、実施例1又は実施例11と比べて劣る。)
3:旨味がやや弱い(実施例9又は実施例15と同等、又はそれ以上である。)
2:旨味が弱い(比較例1又は比較例2と比べて優れるが、実施例9又は実施例15と比べて劣る。)
1:旨味がない(比較例1又は比較例2と同等、又はそれ以下である。)
【0073】
<実施例1~10、比較例1>
表1に示す処方で各成分を混合して、粉末食品を得た。得られた粉末食品の官能評価の結果を表1に併せて示す。
【0074】
【表1】
【0075】
<実施例11~18、比較例2>
表2に示す処方で各成分を混合して、シングルストレングスの飲料を得た。得られた飲料の官能評価の結果を表2に併せて示す。
【0076】
【表2】
【0077】
表1~2から、カイコパウダーに対して抹茶パウダーを含有させることにより、カイコパウダーの脂肪臭を抑制できることがわかる。
【0078】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。