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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168655
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241128BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F3/12 322
G06F3/12 339
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085518
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】筬島 健太郎
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB38
5C062AC34
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できるようにする。
【解決手段】画像処理装置10の制御部11では、ユーザの端末が画像処理装置10にリモート接続されると、特定部104が、ユーザに予め付与されている権限の種類を特定し、範囲判定部105が、ユーザの端末による画像処理装置10に対するリモート操作の内容がユーザの権限の範囲に属するかどうかを判定する。そして、操作判定部106が、範囲判定部105による判定の結果に基づいて、ユーザの端末からのリモート操作が有効であるかどうかを判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定し、
前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付けることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記権限の種類ごとに予め設定された、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容を管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容ごとに予め設定された排他の有無を管理することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に前記端末をリモート接続させた複数のユーザのうち、予め定められた条件を満たす親ユーザからの指示に基づいて、他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示として、当該親ユーザにより個別に指定されたユーザに前記権限をさらに付与することを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に最初にリモート接続した端末のユーザを前記親ユーザとして設定し、当該親ユーザからの指示に基づいて、前記他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、当該親ユーザから当該親ユーザの地位の移譲先となるユーザが指定されている場合、当該移譲先となるユーザを、リモート接続が解除された後の新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記移譲先となるユーザの指定がなされていない場合、リモート接続が解除された前記親ユーザの端末の次に前記画像処理装置にリモート接続した端末のユーザを新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、
前記他のユーザに関する情報を前記親ユーザに向けて報知させ、
前記親ユーザからの前記指示として、前記他のユーザに対し前記権限を付与させるための指示と、当該他のユーザの端末の前記リモート接続を維持させるための指示とを受け付けることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザに関する情報として、前記権限が付与された他のユーザに関する情報と、当該権限が付与されていない他のユーザに関する情報とを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザの属性ごとに設定された前記権限を当該他のユーザに付与させるための指示に基づいて、当該他のユーザに当該権限を付与することを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記属性が、前記他のユーザが所属する組織、当該他のユーザの役職、および当該他のユーザの種別のうちいずれか1以上であることを特徴とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに前記権限を付与することで当該親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる場合、その旨を示す警告を当該親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記1または複数のプロセッサは、前記警告として、前記親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる旨を通知するための通知メッセージと、当該リモート操作が排他されることを許可するかどうかを確認するための確認メッセージとのいずれかを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザに向けた前記警告として、前記通知メッセージを報知するか、前記確認メッセージを報知するか、何も報知しないかのいずれかを警告レベルにより管理し、前記リモート操作の内容ごとに当該警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、
請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記1または複数のプロセッサは、複数の前記リモート操作の内容の組み合わせごとに、前記警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに付与した権限と、当該親ユーザの権限とを比較し、権限の優先順位が高いユーザを新たな親ユーザとして設定し直すことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項18】
コンピュータに、
ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定する機能と、
前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付ける機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の読み取りや印刷などを可能にするいわゆる複合機等の画像処理装置にモバイル端末を接続し、モバイル端末からリモート操作できるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-066044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、画像処理装置に接続されたモバイル端末以外の他のモバイル端末からのリモート操作を制限することがある。この場合、画像処理装置に接続されたモバイル端末のユーザによる排他的な操作を認めることになるため、画像処理装置を共有する他のユーザの利便性を損ねることがある。その一方で、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末から制限なくリモート操作できるようにすると、意図せぬユーザによる意図せぬ操作が行われることがある。
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定し、前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付けることを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記権限の種類ごとに予め設定された、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容を管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容ごとに予め設定された排他の有無を管理することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に前記端末をリモート接続させた複数のユーザのうち、予め定められた条件を満たす親ユーザからの指示に基づいて、他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示として、当該親ユーザにより個別に指定されたユーザに前記権限をさらに付与することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に最初にリモート接続した端末のユーザを前記親ユーザとして設定し、当該親ユーザからの指示に基づいて、前記他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、当該親ユーザから当該親ユーザの地位の移譲先となるユーザが指定されている場合、当該移譲先となるユーザを、リモート接続が解除された後の新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記移譲先となるユーザの指定がなされていない場合、リモート接続が解除された前記親ユーザの端末の次に前記画像処理装置にリモート接続した端末のユーザを新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザに関する情報を前記親ユーザに向けて報知させ、前記親ユーザからの前記指示として、前記他のユーザに対し前記権限を付与させるための指示と、当該他のユーザの端末の前記リモート接続を維持させるための指示とを受け付けることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザに関する情報として、前記権限が付与された他のユーザに関する情報と、当該権限が付与されていない他のユーザに関する情報とを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザの属性ごとに設定された前記権限を当該他のユーザに付与させるための指示に基づいて、当該他のユーザに当該権限を付与することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、前記属性が、前記他のユーザが所属する組織、当該他のユーザの役職、および当該他のユーザの種別のうちいずれか1以上であることを特徴とする、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに前記権限を付与することで当該親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる場合、その旨を示す警告を当該親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記警告として、前記親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる旨を通知するための通知メッセージと、当該リモート操作が排他されることを許可するかどうかを確認するための確認メッセージとのいずれかを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザに向けた前記警告として、前記通知メッセージを報知するか、前記確認メッセージを報知するか、何も報知しないかのいずれかを警告レベルにより管理し、前記リモート操作の内容ごとに当該警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、請求項14に記載の情報処理システムである。
請求項16に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、複数の前記リモート操作の内容の組み合わせごとに、前記警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、請求項15に記載の情報処理システムである。
請求項17に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに付与した権限と、当該親ユーザの権限とを比較し、権限の優先順位が高いユーザを新たな親ユーザとして設定し直すことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項18に記載された発明は、コンピュータに、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定する機能と、前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付ける機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、そのユーザの権限の種類が特定され、リモート操作の内容がそのユーザの権限の範囲に属する場合には、そのリモート操作が有効なものとして受け付けられる。これにより、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できる。
請求項2の本発明によれば、権限の種類ごとにリモート操作の内容が管理されるので、ユーザごとにリモート操作できる内容を個別に設定する必要がなくなる。
請求項3の本発明によれば、画像処理装置に対するリモート操作の内容ごとに排他の有無が設定されるので、権限に応じた詳細な排他設定が可能となる。
請求項4の本発明によれば、画像処理装置に端末を接続した複数のユーザのうち親ユーザからの指示に基づき他のユーザに権限が付与されるので、権限を付与する主体が明確化する。その結果、責任の所在を明確化させることができる。
請求項5の本発明によれば、親ユーザは、画像処理装置に端末を接続した他のユーザのみならず、特定のユーザを呼び出し、そのユーザに権限を付与することができる。
請求項6の本発明によれば、画像処理装置に最初にリモート接続した端末のユーザが親ユーザとなるので、既にリモート操作を行っているユーザが、後から接続した他のユーザからの指示によりリモート操作が制限されることを防ぐことができる。
請求項7の本発明によれば、親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、親ユーザの地位の移譲先が指定されると、その移譲先が、リモート操作が解除された後の親ユーザとなるので、他のユーザに権限を付与する親ユーザが不在になることを避けることができる。
請求項8の本発明によれば、親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、親ユーザの地位の移譲先が指定されていない場合であっても、リモート操作が解除された後の親ユーザが新たに設定されるので、他のユーザに権限を付与する親ユーザが不在になることを避けることができる。
請求項9の本発明によれば、他のユーザに関する情報が親ユーザに向けて報知されるので、親ユーザは、他のユーザに関する情報を参照しながら、他のユーザに権限を設定するための指示と、他のユーザの端末のリモート接続を維持させるかどうかの指示とを行うことができる。
請求項10の本発明によれば、権限が付与された他のユーザに関する情報と、権限が付与されていない他のユーザに関する情報とが親ユーザに向けて報知されるので、どのユーザに権限を付与するべきかを一見して判断できるようになる。
請求項11の本発明によれば、親ユーザが他のユーザに権限を付与する際、他のユーザの属性の単位で権限の付与を指示できるので、ユーザの人数に応じた操作が不要となる。
請求項12の本発明によれば、親ユーザが他のユーザに権限を付与する際、他のユーザが所属する組織、他のユーザの役職、他のユーザの種別の単位で権限の付与を指示できるので、他のユーザの人数に応じた操作が不要となる。
請求項13の本発明によれば、親ユーザからの指示に基づき他のユーザに権限を付与することで親ユーザの端末からのリモート操作が排他されることになる場合、その旨を示す警告が親ユーザに向けて報知されるので、親ユーザの意図せぬ指示が行われることを抑制できる。
請求項14の本発明によれば、リモート操作の内容の重要性に応じて、親ユーザの端末からのリモート操作が排他されることになる旨の通知メッセージと、リモート操作が排他されることを許可するかどうかの確認メッセージとのいずれかが親ユーザに向けて報知される。これにより、排他されることが業務上重要な意味を持つリモート操作については親ユーザの確認を要することとし、それ以外は通知のみとするような柔軟な運用が可能となる。
請求項15の本発明によれば、親ユーザに向けた警告として、通知メッセージを報知するか、確認メッセージを報知するか、何も報知しないかのいずれかが警告レベルにより管理され、リモート操作の内容ごとに警告レベルが対応付けられている。これにより、リモート操作の内容の重要性に応じた警告が可能となる。
請求項16の本発明によれば、複数のリモート操作の内容の組み合わせごとに警告レベルが対応付けられるので、リモート操作の内容の重要性の有無をより細かく設定することができる。
請求項17の本発明によれば、親ユーザが可変となるため、親ユーザが不変である場合に比べて、親ユーザとして他のユーザの権限の付与を指示することが困難な場合などの対応が容易化される。
請求項18の本発明によれば、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、そのユーザの権限の種類が特定され、リモート操作の内容がそのユーザの権限の範囲に属する場合には、そのリモート操作が有効なものとして受け付けられる。これにより、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像処理装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】画像処理装置の処理のうち、ユーザ端末にリモート接続されたときの処理の流れを示すフローチャートである。
図6】画像処理装置の処理のうち、ユーザ端末によるリモート操作が行われたときの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】画像処理装置の処理のうち、親ユーザのユーザ端末とのリモート接続が解除されたときの処理の流れを示すフローチャートである。
図8】親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面の具体例を示す図である。(A)は、親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面のうち、画像処理装置にリモート接続された他のユーザの権限を指定する操作を行う際に表示される画面の具体例を示す図である。(B)は、親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面のうち、親ユーザが任意のユーザを呼び出して権限を指定する操作を行う際に表示される画面の具体例を示す図である。
図9】親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面の具体例を示す図である。(A)は、親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面のうち、他のユーザに権限を付与すると親ユーザからのリモート操作が排他されることになる場合に警告のために表示される通知画面の具体例を示す図である。(B)は、親ユーザのユーザ端末の表示部に表示される画面のうち、他のユーザに権限を付与すると親ユーザからのリモート操作が排他されることになる場合に警告のために表示される確認画面の具体例を示す図である。
図10】(A)および(B)は、データベースに記憶されている情報のうち権限情報の具体例を示す図である。
図11】(A)乃至(C)は、データベースに記憶されている情報のうち警告情報の具体例を示す図である。
図12】データベースに記憶されている情報のうちテンプレート情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、画像処理装置10と、ユーザ端末30-1乃至30-n(nは1以上の整数値)とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。以下、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々を区別して説明する必要がない場合には、これらをまとめて「ユーザ端末30」と呼ぶ。
【0010】
(画像処理装置)
画像処理装置10は、情報処理システム1を利用するユーザの入力操作に応じて各種の処理を行う情報処理装置である。例えば、画像処理装置10は、用紙等の媒体に画像を形成する処理、画像が形成された記録媒体を出力する処理、用紙等に形成された画像を読み取る処理などを行う。画像処理装置10としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。
【0011】
また、画像処理装置10は、各種の情報をデータベースに記憶して管理する。また、画像処理装置10は、ユーザにより操作されるユーザ端末30から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、画像処理装置10は、ユーザ端末30に向けて各種の情報を送信する。例えば、画像処理装置10は、ユーザ端末30が画像処理装置10にリモート接続されると、そのユーザに付与されている権限の種類を特定する。そして、画像処理装置10は、ユーザ端末30による画像処理装置10に対するリモート操作の内容がユーザの権限の範囲に属する場合、そのリモート操作を有効なものとして受け付ける。
【0012】
ここで、「ユーザに予め付与されている権限の種類」とは、例えば、権限の優先度に応じて「高」、「中」、「低」の3段階に分類したものなどである。また、「ユーザ端末30による画像処理装置10に対するリモート操作の内容」には、例えば、画面をタップする操作、キーボードに入力する操作などといった操作の手法や、ログインするための操作、設定を変更するための操作などといった操作の目的などが含まれる。また、画像処理装置10は、ユーザに付与されている権限の種類ごとに予め設定された、自機に対するリモート操作の内容を管理する。また、画像処理装置10は、自機に対するリモート操作の内容ごとに予め設定された排他の有無を管理する。
【0013】
画像処理装置10は、自機に対してユーザ端末30をリモート接続させる操作を行った複数のユーザのうち、予め定められた条件を満たすユーザ(以下、「親ユーザ」と呼ぶ。)を設定する。例えば、画像処理装置10は、予め定められた条件として、自機に最初にリモート接続された端末のユーザを親ユーザとして設定する。この場合、画像処理装置10にリモート接続されているユーザ端末30が1台である場合には、そのユーザ端末30のユーザが親ユーザとして設定される。以下、画像処理装置10に接続されている複数のユーザ端末30のユーザうち、親ユーザ以外のユーザのことを単に「他のユーザ」と呼ぶ場合がある。
【0014】
画像処理装置10は、設定した親ユーザからの指示に基づいて、他のユーザに権限を付与する。例えば、画像処理装置10は、親ユーザからの指示として、親ユーザにより個別に指定されたユーザに権限を付与する。ここで、「親ユーザにより個別に指定されたユーザ」とは、例えば、親ユーザが任意に呼び出したユーザなどである。
【0015】
画像処理装置10は、親ユーザのユーザ端末30のリモート接続が解除される場合には、以下の処理を行う。すなわち、リモート接続が解除される前に、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが指定されている場合には、画像処理装置10は、指定されているユーザを、リモート接続が解除された後の新たな親ユーザとして設定する。
【0016】
これに対して、リモート接続が解除される前に、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが指定されていない場合、画像処理装置10は、リモート接続が解除された親ユーザのユーザ端末30の次に自機にリモート接続したユーザ端末30のユーザを新たな親ユーザとして設定する。
【0017】
画像処理装置10は、他のユーザに関する情報を親ユーザに向けて報知するための制御を行う。そして、画像処理装置10は、親ユーザからの指示として、他のユーザに対し権限を付与させるための指示を受け付ける。また、画像処理装置10は、他のユーザのユーザ端末30からのリモート接続を維持させるための指示を受け付ける。
【0018】
画像処理装置10は、他のユーザに関する情報として、権限が付与された他のユーザに関する情報と、権限が付与されていない他のユーザに関する情報とを親ユーザに向けて報知するための制御を行う。
【0019】
画像処理装置10は、他のユーザの属性ごとに設定された権限に関する情報を「テンプレート情報」として管理する。画像処理装置10は、他のユーザに権限を付与させるための指示が、テンプレート情報に基づくものである場合には、テンプレート情報から特定されるユーザの属性と権限との対応関係に応じた権限を付与する。ここで、「属性」とは、例えば、ユーザが所属する組織、ユーザの役職、ユーザの種別などである。
【0020】
画像処理装置10は、テンプレート情報に基づいて、または、親ユーザからの指示に基づいて他のユーザに権限を付与することにより、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作が排他されることになる場合には、その旨を示す警告に関する情報(以下、「警告情報」と呼ぶ。)を親ユーザに向けて報知するための制御を行う。
【0021】
画像処理装置10は、親ユーザからの指示に基づき他のユーザに付与した権限と、親ユーザに付与した権限とを比較し、権限の優先順位が高いユーザを新たな親ユーザとして設定し直す。ここで、「権限の優先順位が高いユーザ」とは、例えば、権限の種類が「高」、「中」、および「低」に分類されている場合、権限の優先度が「高」であるユーザは、権限が「中」や「低」であるユーザに対して「権限の優先順位が高いユーザ」となる。また、権限の優先度が「中」であるユーザは、権限の優先度が「低」であるユーザに対して「権限の優先順位が高いユーザ」となる。なお、画像処理装置10の構成および処理の詳細については後述する。
【0022】
(ユーザ端末)
ユーザ端末30は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末等のモバイル型の情報処理装置である。ユーザ端末30には、画像処理装置10の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされている。ユーザ端末30は、画像処理装置10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末30は、画像処理装置10に向けて各種の情報を送信する。例えば、ユーザ端末30は、他のユーザの権限を設定するための入力操作を受け付けて、その入力情報を画像処理装置10に向けて送信する。また、ユーザ端末30は、画像処理装置10をリモート操作するための入力操作を受け付けて、その入力情報を画像処理装置10に向けて送信する。また、ユーザ端末30は、警告情報としての通知メッセージや確認メッセージを表示する。なお、ユーザ端末30の構成および処理の詳細については後述する。
【0023】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、ユーザ端末30の機能の一部または全部を画像処理装置10の機能としてもよいし、また、画像処理装置10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成するユーザ端末30および画像処理装置10の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0024】
(画像処理装置のハードウェア構成)
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、読取部17と、画像形成部18とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0025】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じてユーザ端末30の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0026】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ。)が記憶されているユーザDB131、ユーザに付与される権限に関する情報(以下、「権限情報」と呼ぶ。)が記憶されている権限DB132、警告情報が記憶されている警告DB133、テンプレート情報が記憶されているテンプレートDB134等が格納されている。
【0027】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばソフトウェアキーボード、機械式のボタン、スイッチ等で構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0028】
読取部17は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部17は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部18は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0029】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
ユーザ端末30のハードウェア構成は、図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成のうち、読取部17および画像形成部18以外の構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0030】
(画像処理装置の制御部の機能構成)
図3は、画像処理装置10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
画像処理装置10の制御部11では、管理部101と、取得部102と、設定部103と、特定部104と、範囲判定部105と、操作判定部106と、表示制御部107と、送信制御部108とが機能する。
【0031】
管理部101は、記憶部13(図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部101は、ユーザ情報をユーザDB131に格納して管理し、権限情報を権限DB132に格納して管理する。ユーザ情報には権限情報が対応付けられている。また、管理部101は、警告情報を警告DB133に格納して管理する。また、管理部101は、テンプレート情報をテンプレートDB134に格納して管理する。
【0032】
取得部102は、各種の情報を取得する。例えば、取得部102は、自機の操作部15(図2参照)により入力が受け付けられた入力情報を取得する。また、例えば、取得部102は、ユーザ端末30および外部の各々から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部102により取得される情報のうち、ユーザ端末30から送信されてくる情報としては、例えば、ユーザ端末30に入力された入力情報などが挙げられる。取得部102により取得される入力情報は、例えば、他のユーザに権限を付与するための指示に関する情報(以下、「指示情報」と呼ぶ。)、他のユーザのユーザ端末30からのリモート接続を維持させるための指示情報、画像処理装置10をリモート操作するために入力された情報などである。
【0033】
設定部103は、画像処理装置10にリモート接続されたユーザ端末30のユーザの中から親ユーザを設定する。具体的には、設定部103は、ユーザ端末30が画像処理装置10にリモート接続されると、リモート接続されたユーザ端末30が複数台であるかどうかを判定する。そして、設定部103は、リモート接続されたユーザ端末30が複数台である場合には、最初にリモート接続されたユーザ端末30のユーザを親ユーザとして設定する。これに対して、リモート接続されたユーザ端末30が1台である場合、設定部103は、リモート接続されたユーザ端末30のユーザを親ユーザとして設定する。
【0034】
また、設定部103は、画像処理装置10にリモート接続されたユーザ端末30のユーザの権限を付与するための設定を行う。具体的には、設定部103は、テンプレート情報が作成されている場合には、テンプレート情報に基づいて権限を付与するための設定を行い、テンプレート情報が作成されていない場合には、親ユーザからの指示に基づいて権限を付与するための設定を行う。具体的には、設定部103は、親ユーザのユーザ端末30から画像処理装置10に向けて送信される指示情報に基づいて権限を付与するための設定を行う。
【0035】
また、設定部103は、後述する送信制御部108の制御により、親ユーザのユーザ端末30に向けて警告情報が送信された場合には、警告を受けた親ユーザのユーザ端末30から権限を付与することについての確認が得られたことを条件として、テンプレート情報または指示情報に基づき他のユーザに権限を付与するための設定を行う。
【0036】
また、設定部103は、テンプレート情報または指示情報に基づき他のユーザに権限を付与することにより、親ユーザよりも他のユーザの権限の優先順位が高くなる場合には、親ユーザが可変設定されているかどうかに応じて親ユーザを設定し直す。具体的には、設定部103は、親ユーザが可変設定されている場合には、権限の優先順位が親ユーザよりも高い他のユーザを新たな親ユーザとして設定し直す。これに対して、親ユーザが可変設定されていない場合、設定部103は、親ユーザの設定を変更しない。
【0037】
また、設定部103は、親ユーザのユーザ端末30とのリモート接続が解除されると、親ユーザの地位の移譲の有無を確認する。そして、設定部103は、リモート接続が解除される前に、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが予め指定されている場合には、親ユーザの移譲先として予め指定されているユーザを親ユーザとして設定する。これに対して、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが予め指定されていない場合、設定部103は、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザを探索する。そして、設定部103は、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザを特定できると、特定したユーザを親ユーザとして設定する。これに対して、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザが特定できなかった場合、設定部103は、親ユーザを不要と判断し、親ユーザを設定しない。
【0038】
特定部104は、画像処理装置10にリモート接続されたユーザ端末30のユーザの権限の種類を特定する。具体的には、特定部104は、取得部102により取得された、ユーザ端末30からのリモート操作の入力情報に基づいて、そのリモート操作の内容と、そのユーザ端末30のユーザの権限の種類とを特定する。
【0039】
範囲判定部105は、ユーザ端末30からのリモート操作の内容が、そのユーザ端末30のユーザに付与されている権限の範囲に属するかどうかを判定する。具体的には、範囲判定部105は、ユーザ端末30からのリモート操作の内容が、特定部104により特定された権限の範囲に属するかどうかを判定する。
【0040】
操作判定部106は、範囲判定部105による判定の結果に基づいて、画像処理装置10に対するユーザ端末30からのリモート操作を受け付けるかどうかを判定する。具体的には、操作判定部106は、リモート操作の内容が、リモート操作を行うユーザに付与されている権限の範囲に属すると判定されると、そのリモート操作を有効なものとして受け付ける。これに対して、リモート操作の内容が、リモート操作を行うユーザに付与されている権限の範囲に属しないと判定されると、操作判定部106は、そのリモート操作を有効なものとして受け付けることなく排他する。
【0041】
表示制御部107は、表示部16(図2参照)に各種の情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部107は、画像処理装置10を操作するためのユーザインターフェースを表示させる制御を行う。画像処理装置10の表示部16に表示されるユーザインターフェースは、画像処理装置10にリモート接続されたユーザ端末30の表示部にて共有される。
【0042】
送信制御部108は、通信部14(図2参照)を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部108は、ユーザ端末30および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部108は、テンプレート情報に基づいて、または、親ユーザからの指示に基づいて他のユーザに権限を付与することにより、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作が排他されることになる場合には、親ユーザのユーザ端末30に向けて警告情報を送信する制御を行う。
【0043】
この場合、送信制御部108は、警告情報として、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作が排他されることになる旨の通知メッセージと、リモート操作が排他されることを許可するかどうかの確認メッセージとのいずれかを親ユーザに向けて送信する制御を行う。送信制御部108は、警告情報として、通知メッセージを送信するか、確認メッセージを送信するか、それとも何も送信しないかの判断を、警告DB133(図2参照)に格納されている警告情報に基づいて行う。
【0044】
また、送信制御部108は、ユーザ端末30に各種の情報を表示させるための制御情報を送信する制御を行う。ここで、ユーザ端末30に各種の情報を表示させるための制御情報としては、例えば、他のユーザに関する情報や他のユーザの権限を設定するためのユーザインターフェースを親ユーザのユーザ端末30に表示させるための制御情報などが挙げられる。他のユーザの権限を設定するためのユーザインターフェースには、権限を選択可能とするボタンや、親ユーザが参照可能な情報として、例えば、権限が付与されている情報や、権限が付与されていない他のユーザに関する情報などが表示される。
【0045】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図4は、ユーザ端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末30の制御部では、取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0046】
取得部301は、各種の情報を取得する。例えば、取得部301は、自機の操作部により入力が受け付けられた入力情報を取得する。また、例えば、取得部301は、画像処理装置10および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部301により取得される情報のうち画像処理装置10から送信されてくる情報としては、例えば、警告情報としての通知メッセージや確認メッセージ、他のユーザの権限を設定するためのユーザインターフェースを親ユーザのユーザ端末30に表示させるための制御情報などが挙げられる。
【0047】
送信制御部302は、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、画像処理装置10および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部302は、取得部301により取得された入力情報を画像処理装置10に向けて送信する制御を行う。画像処理装置10に向けて送信される入力情報としては、例えば、他のユーザの権限を設定するため入力された情報、画像処理装置10をリモート操作するために入力された情報などが挙げられる。
【0048】
表示制御部303は、各種の情報を表示部に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部303は、画像処理装置10の操作画面を表示部に共有させる制御を行う。また、表示制御部303は、第2ユーザが第1ユーザではないが、第2ユーザに対する第2認証を許可してもよい関係にあることを第1ユーザに確認させるための情報を表示部に表示させる制御を行う。
【0049】
<処理の流れ>
(画像処理装置の処理の流れ)
図5は、画像処理装置10の処理のうち、ユーザ端末30にリモート接続されたときの処理の流れを示すフローチャートである。
画像処理装置10は、ユーザ情報および権限情報を管理する(ステップ501)。具体的には、画像処理装置10は、記憶部13(図2参照)のユーザDB131および権限DB132の各々に、ユーザ情報および権限情報の各々を格納して管理する。
【0050】
画像処理装置10は、ユーザ端末30にリモート接続されると(ステップ502でYES)、ステップ503の処理に進む。これに対して、ユーザ端末30にリモート接続されていない場合(ステップ502でNO)、画像処理装置10は、ユーザ端末30にリモート接続されるまでステップ502の判断処理を繰り返す。
【0051】
画像処理装置10は、リモート接続されたユーザ端末30が複数台である場合には(ステップ503でYES)、最初にリモート接続されたユーザ端末30のユーザを親ユーザとして設定し(ステップ507)、ステップ508の判断処理に進む。これに対して、リモート接続されたユーザ端末30が1台である場合には(ステップ503でNO)、リモート接続されたユーザ端末30のユーザを親ユーザとして設定し(ステップ504)、ステップ505の判断処理に進む。
【0052】
画像処理装置10は、リモート接続された親ユーザのユーザ端末30に加えて、他のユーザのユーザ端末30にリモート接続されると(ステップ505でYES)、ステップ508の判断処理に進む。これに対して、他のユーザのユーザ端末30にリモート接続されていない場合(ステップ505でNO)、画像処理装置10は、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作を有効なものとして受け付けて(ステップ506)、ステップ505の判断処理に戻る。
【0053】
画像処理装置10は、自機に接続されたユーザ端末30のユーザに権限を自動付与するためのテンプレート情報が作成されている場合には(ステップ508でYES)、ステップ511の判断処理に進む。これに対して、他のユーザに権限を自動付与するためのテンプレート情報が作成されておらず(ステップ508でNO)、親ユーザのユーザ端末30から指示情報が送信されてきた場合には(ステップ509でYES)、画像処理装置10は、送信されてきた指示情報を取得し(ステップ510)、ステップ511の判断処理に進む。また、画像処理装置10は、他のユーザに権限を自動付与するためのテンプレート情報が作成されておらず(ステップ508でNO)、指示情報も送信されてきていない場合には(ステップ509でNO)、指示情報が送信されてくるまでステップ509の判断処理を繰り返す。
【0054】
画像処理装置10は、親ユーザの指示に基づいて他のユーザに権限を付与することにより、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作が排他されることになる場合には(ステップ511でYES)、親ユーザに向けてその旨を警告する(ステップ512)。これに対して、親ユーザのユーザ端末30からのリモート操作が排他されることにならない場合には(ステップ511でNO)、画像処理装置10は、警告することなく当初の指示に基づいて他のユーザに権限を付与する(ステップ514)。
【0055】
また、画像処理装置10は、警告を受けた親ユーザから他のユーザに権限を付与することについて確認が得られた場合には(ステップ513でYES)、親ユーザからの当初の指示に基づいて、他のユーザに権限を付与し(ステップ514)、ステップ516の判断処理に進む。これに対して、警告を受けた親ユーザから他のユーザに権限を付与することについて確認が得られなかった場合(ステップ513でNO)、画像処理装置10は、他のユーザに権限を付与することなく(ステップ515)、処理を終了させる(END)。
【0056】
画像処理装置10は、親ユーザからの指示に基づき他のユーザに権限を付与することにより、親ユーザよりも他のユーザの権限の優先順位が高くなる場合には(ステップ516でYES)、ステップ517の判断処理に進む。これに対して、親ユーザよりも他のユーザの権限の優先順位が高くならない場合(ステップ516でNO)、画像処理装置10は、処理を終了させる(END)。
【0057】
画像処理装置10は、親ユーザが可変設定されている場合には(ステップ517でYES)、権限の優先順位が親ユーザよりも高い他のユーザを新たな親ユーザとして設定し直して(ステップ518)、処理を終了させる(END)。これに対して、親ユーザが可変設定されていない場合(ステップ517でNO)、画像処理装置10は、親ユーザの設定を変更することなく処理を終了させる(END)。
【0058】
図6は、画像処理装置10の処理のうち、ユーザ端末30によるリモート操作が行われたときの処理の流れを示すフローチャートである。
画像処理装置10は、ユーザ端末30から、リモート操作するための入力情報が送信されてくると(ステップ601でYES)、その入力情報を取得する(ステップ602)。そして、画像処理装置10は、取得した入力情報に基づいて、リモート操作の内容と、ユーザの権限の種類とを特定する(ステップ603)。これに対して、リモート操作するための入力情報が送信されてきていない場合(ステップ601でNO)、画像処理装置10は、リモート操作するための入力情報が送信されてくるまでステップ601の処理を繰り返す。
【0059】
次に、画像処理装置10は、ユーザ端末30によるリモート操作の内容がユーザの権限の範囲に属する場合には(ステップ604でYES)、そのリモート操作を有効なものとして受け付けて(ステップ605)、処理を終了させる(END)。これに対して、リモート操作の内容がユーザの権限の範囲に属しない場合(ステップ604でNO)、画像処理装置10は、そのリモート操作を排他し(ステップ606)、処理を終了させる(END)。すなわち、画像処理装置10は、リモート操作を有効なものとして受け付けることなく処理を終了させる。
【0060】
図7は、画像処理装置10の処理のうち、親ユーザのユーザ端末30とのリモート接続が解除されたときの処理の流れを示すフローチャートである。
画像処理装置10は、何らかの理由で親ユーザのユーザ端末30とのリモート接続が解除されると(ステップ701でYES)、親ユーザの地位の移譲の有無を確認する(ステップ702)。これに対して、画像処理装置10は、親ユーザのユーザ端末30とのリモート接続が解除されていない場合(ステップ701でNO)、画像処理装置10は、親ユーザのユーザ端末30とのリモート接続が解除されるまでステップ701の判断処理を繰り返す。
【0061】
画像処理装置10は、リモート接続が解除される前に、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが予め指定されている場合には(ステップ703でYES)、親ユーザの移譲先として予め指定されているユーザを親ユーザとして設定する(ステップ704)。これに対して、親ユーザから親ユーザの地位の移譲先となるユーザが予め指定されていない場合(ステップ703でNO)、画像処理装置10は、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザを探索する(ステップ705)。
【0062】
画像処理装置10は、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザを特定できると(ステップ706でYES)、特定したユーザを親ユーザとして設定し(ステップ707)、処理を終了させる(END)。これに対して、親ユーザの次にリモート接続が早いユーザが特定できなかった場合(ステップ706でNO)、画像処理装置10は、親ユーザを不要と判断し(ステップ708)、処理を終了させる(END)。
【0063】
<具体例>
図8および図9は、親ユーザのユーザ端末30の表示部に表示される画面の具体例を示す図である。
図8(A)は、親ユーザのユーザ端末30の表示部に表示される画面のうち、画像処理装置10にリモート接続された他のユーザの権限を指定する操作を行う際に表示される画面の具体例を示す図である。
【0064】
図8(A)に示す画面800には、「他のユーザの権限設定」という表記と、「以下の優先度でユーザID:004の接続を行います」というメッセージと、権限の優先度を選択するためのドロップダウンボタン801とが表示されている。ドロップダウンボタン801は、ユーザIDが「004」であるユーザに付与される権限を指示するためのボタンである。ここで、親ユーザが、ドロップダウンボタン801を押下すると、図示はしないが、権限の優先度としての「高」、「中」、および「低」が表記されたドロップダウンリストが表示される。なお、図8(A)の例では、権限の優先度として「低」が選択されている。
【0065】
また、画面800には、「接続済みユーザ一覧」という表記とともに、画像処理装置10にリモート接続された他のユーザを示す情報が一覧表示されている。画面800の例では、画像処理装置10にリモート接続された他のユーザを示す情報として、ユーザIDおよび権限の優先度が表示されている。具体的には、画像処理装置10にリモート接続された2人のユーザの各々を示す情報として、ユーザIDが「002」であるユーザに付与された権限の優先度が「中」であことと、ユーザIDが「003」であるユーザに付与された権限の優先度が「低」であることとが一見して把握可能な態様で表示されている。
【0066】
また、画面800には、「承認」と表記されたボタン802が表記されている。親ユーザは、まず、ドロップダウンボタン801を押下することで表示されるドロップダウンリストから権限の優先度を選択し、最後にボタン802を押下する。これにより、親ユーザによる、他のユーザに付与される権限の種類の指示と、リモート接続の維持の承認とが行われる。
【0067】
図8(B)は、親ユーザのユーザ端末30の表示部に表示される画面のうち、親ユーザが任意のユーザを呼び出して権限を指定する操作を行う際に表示される画面の具体例を示す図である。
図8(B)に示す画面810には、上述の図8(A)と同様に、「他のユーザの権限設定」という表記と、「以下の優先度でユーザID:004の接続を行います。」というメッセージと、権限の優先度を選択するためのドロップダウンボタン811とが表示されている。ここで、親ユーザが、ドロップダウンボタン811を押下すると、図示はしないが、権限の優先度としての「高」、「中」、および「低」が表記されたドロップダウンリストが表示される。なお、図8(B)の例では、権限の優先度として「高」が選択されている。
【0068】
また、画面810には、「接続済みユーザ一覧」という表記とともに、画像処理装置10にリモート接続された他のユーザを示す情報が一覧表示されている。画面810の例では、画像処理装置10にリモート接続された他のユーザを示す情報として、ユーザIDと権限の優先度とが表示されている。具体的には、画像処理装置10にリモート接続された2人のユーザの各々を示す情報として、上述の図8(A)の例と同様に、ユーザIDが「002」であるユーザに付与された権限の優先度が「中」であることと、ユーザIDが「003」であるユーザに付与された権限の優先度が「低」であることとが一見して把握可能な態様で表示されている。
【0069】
また、画面810には、「通知」と表記されたボタン812が表記されている。親ユーザは、まず、ドロップダウンボタン811を押下することで表示されるドロップダウンリストから権限の優先度を選択し、最後にボタン812を押下する。これにより、親ユーザによる、他のユーザに付与される権限の種類の指示と、そのユーザを呼び出しとが行われる。
【0070】
図9(A)は、親ユーザのユーザ端末30の表示部に表示される画面のうち、他のユーザに権限を付与すると親ユーザからのリモート操作が排他されることになる場合に警告のために表示される通知画面の具体例を示す図である。
図9(A)に示す通知画面900には、「このまま接続を行うとユーザID:001のユーザは操作不可となります」という親ユーザに向けた通知のためのメッセージが表記されている。また、通知画面900には、「はい」と表記されたボタン901が表記されている。
【0071】
図9(B)は、親ユーザのユーザ端末30の表示部に表示される画面のうち、他のユーザに権限を付与すると親ユーザからのリモート操作が排他されることになる場合に警告のために表示される確認画面の具体例を示す図である。
図9(B)に示す確認画面910には、「このまま接続を行うとユーザID:001のユーザは操作不可となります」、「よろしいですか?」という警告のメッセージと、親ユーザによる確認の内容を入力するための「はい」、「いいえ」の確認ボタン911とが表記されている。確認ボタン911のうち、「はい」と表記されたボタンが押下されると、リモート接続の維持の承認が行われて、リモート接続が維持される。これに対して、「いいえ」と表記されたボタンが押下されると、リモート接続の維持が承認されず、リモート接続が解除される。
【0072】
図10乃至図12は、データベースに記憶されている情報の具体例を示す図である。
図10(A)および(B)は、データベースに記憶されている情報のうち権限情報の具体例を示す図である。
図10(A)には、優先度が「高」である権限の権限情報が例示されている。図10(A)に示すように、優先度が「高」である権限の権限情報には、リモート操作の内容としての「画面操作」、「キーボード入力」、「ログイン」、「設定変更」、「コピー実行」、「スキャン(保存)実行」、および「スキャン(送信)実行」がいずれも「無効」である(すなわち、排他される)ことが設定されている。一方、「ファクス送信実行」については「有効」である(すなわち、排他されない)ことが設定されている。なお、権限情報の設定は、例えば、情報処理システム1の管理者により行われる。
【0073】
図10(B)には、優先度が「低」である権限の権限情報が示されている。図10(B)に示すように、優先度が「低」である権限の権限情報には、リモート操作の内容としての「ログイン」、「設定変更」、「コピー実行」、「スキャン(保存)実行」、「スキャン(送信)実行」、および「ファクス送信実行」がいずれも「無効」である(すなわち、排他される)ことが設定されている。一方、「画面操作」および「キーボード入力」が「有効」である(すなわち、排他されない)ことが設定されている。
【0074】
図11(A)乃至(C)は、データベースに記憶されている情報のうち警告情報の具体例を示す図である。
図11(A)には、警告情報に含まれる警告レベルの具体例が示されている。警告情報は、警告レベルと、処理の内容とを対応付けた情報である。図11(A)には、警告レベルの具体例として、0乃至2の3段階に分類された警告レベルが例示されている。このうち警告レベル「0」は「警告しない」ものとして管理されており、警告レベル「1」は「通知のみ行う」ものとして管理されている。ここで、「通知」とは、例えば、上述の図9(A)に例示された通知画面900の表示などである。また、警告レベル「2」は、「確認画面を表示する」ものとして管理されている。ここで、「確認画面」とは、例えば、上述の図9(B)に例示された確認画面910などである。
【0075】
図11(B)には、デフォルト設定された警告情報の具体例が示されている。警告情報は、複数のリモート操作の内容の組み合わせと、警告レベルとを対応付けた情報であり、例えば、図11(B)に示すように、2つのリモート操作の内容の組み合わせと、警告レベルとを対応付けた情報であってもよい。図11(B)に示す例では、「画面操作」と「ファックス送信実行」との組み合わせと、警告レベル「2」とが対応付けられている。また、「キーボード入力」と「プリント実行」との組み合わせと、警告レベル「2」とが対応付けられている。また、「ログイン」と「プリント実行」との組み合わせと、警告レベル「1」とが対応付けられている。
【0076】
このような警告情報がデータベースに記憶されている状態で、親ユーザよりも権限の優先度が高いユーザのユーザ端末30によるリモート操作が行われたとする。例えば、「画面操作」と「ファックス送信実行」とを組み合わせたリモート操作が行われたとする。この場合、親ユーザのユーザ端末30の表示部に、上述の図9(B)に示す確認画面910が表示される。また、例えば、「ログイン」と「プリント実行」とを組み合わせた操作が行われたとする。この場合、親ユーザのユーザ端末30の表示部に、上述の図9(A)に示す通知画面900が表示される。
【0077】
図11(C)には、上述の図11(B)の警告情報をカスタマイズした警告情報の具体例が示されている。デフォルト設定された警告情報では運用上不都合が生じる場合、警告情報の内容をカスタマイズできるようにしてもよい。例えば、図11(B)の警告情報をカスタマイズすることで、リモート操作の内容としての「画面操作」と「プリント実行」との組み合わせと、警告レベル「2」とを対応付けた警告情報を追加してもよい。また、図11(B)の警告情報のうち、リモート操作の内容としての「ログイン」と「プリント実行」との組み合わせの警告レベルを「1」から「0」に修正してもよい。
【0078】
警告情報の内容のカスタマイズは、情報処理システム1の管理者のみならず、各ユーザが行えるようにしてもよい。この場合、情報処理システム1の管理者が警告情報の内容をカスタマイズすると、カスタマイズ後の内容が情報処理システム1を利用するすべてのユーザに適用されるようにしてもよい。また、各ユーザが警告情報の内容をカスタマイズすると、そのユーザにのみカスタマイズ後の警告情報の内容が適用されるようにしてもよい。
【0079】
図12は、データベースに記憶されている情報のうちテンプレート情報の具体例を示す図である。
図12に示すテンプレート情報には、他のユーザの属性としての「所属組織」ごとに、権限の優先度である「高」、「中」、「低」のいずれかが対応付けられている。このため、例えば、「営業部」または「開発部」に所属するユーザの権限の優先度は、「低」が自動付与され、「人事部」に所属するユーザの権限は、「高」が自動付与される。なお、図12の例では、他のユーザの属性としての「所属組織」が例示されているが、これに限定されず、例えば、ユーザの役職の有無や、ユーザの種別などであってもよい。
【0080】
テンプレート情報を運用すると、デフォルト設定された値に不都合が生じることがあるので、内容をカスタマイズできるようにしてもよい。テンプレート情報の内容のカスタマイズは、情報処理システム1の管理者のみならず、各ユーザが行えるようにしてもよい。この場合、情報処理システム1の管理者がテンプレート情報の内容をカスタマイズすると、カスタマイズ後の内容が情報処理システム1を利用するすべてのユーザに適用されるようにしてもよい。また、各ユーザがテンプレート情報の内容をカスタマイズすると、そのユーザにのみカスタマイズ後のテンプレート情報の内容が適用されるようにしてもよい。
【0081】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図3に示す画像処理装置10の機能構成、および図4に示すユーザ端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図3および図4の例に限定されない。
【0082】
また、図5乃至図7に示す画像処理装置10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図8乃至図12に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0083】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定し、
前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付けることを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記権限の種類ごとに予め設定された、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容を管理することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に対するリモート操作の内容ごとに予め設定された排他の有無を管理することを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に前記端末をリモート接続させた複数のユーザのうち、予め定められた条件を満たす親ユーザからの指示に基づいて、他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、
(((1)))または(((2)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示として、当該親ユーザにより個別に指定されたユーザに前記権限をさらに付与することを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置に最初にリモート接続した端末のユーザを前記親ユーザとして設定し、当該親ユーザからの指示に基づいて、前記他のユーザに前記権限を付与することを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、当該親ユーザから当該親ユーザの地位の移譲先となるユーザが指定されている場合、当該移譲先となるユーザを、リモート接続が解除された後の新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記移譲先となるユーザの指定がなされていない場合、リモート接続が解除された前記親ユーザの端末の次に前記画像処理装置にリモート接続した端末のユーザを新たな親ユーザとして設定することを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記他のユーザに関する情報を前記親ユーザに向けて報知させ、
前記親ユーザからの前記指示として、前記他のユーザに対し前記権限を付与させるための指示と、当該他のユーザの端末の前記リモート接続を維持させるための指示とを受け付けることを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザに関する情報として、前記権限が付与された他のユーザに関する情報と、当該権限が付与されていない他のユーザに関する情報とを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、前記他のユーザの属性ごとに設定された前記権限を当該他のユーザに付与させるための指示に基づいて、当該他のユーザに当該権限を付与することを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記属性が、前記他のユーザが所属する組織、当該他のユーザの役職、および当該他のユーザの種別のうちいずれか1以上であることを特徴とする、
(((11)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに前記権限を付与することで当該親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる場合、その旨を示す警告を当該親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
(((4)))乃至(((12)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((14)))
前記1または複数のプロセッサは、前記警告として、前記親ユーザの端末からの前記リモート操作が排他されることになる旨を通知するための通知メッセージと、当該リモート操作が排他されることを許可するかどうかを確認するための確認メッセージとのいずれかを前記親ユーザに向けて報知させることを特徴とする、
(((13)))に記載の情報処理システム。
(((15)))
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザに向けた前記警告として、前記通知メッセージを報知するか、前記確認メッセージを報知するか、何も報知しないかのいずれかを警告レベルにより管理し、前記リモート操作の内容ごとに当該警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、
(((14)))に記載の情報処理システム。
(((16)))
前記1または複数のプロセッサは、複数の前記リモート操作の内容の組み合わせごとに、前記警告レベルを対応付けて管理することを特徴とする、
(((15)))に記載の情報処理システム。
(((17)))
前記1または複数のプロセッサは、前記親ユーザからの指示に基づき前記他のユーザに付与した権限と、当該親ユーザの権限とを比較し、権限の優先順位が高いユーザを新たな親ユーザとして設定し直すことを特徴とする、
(((4)))乃至(((16)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((18)))
コンピュータに、
ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、当該ユーザに予め付与されている権限の種類を特定する機能と、
前記端末による前記画像処理装置に対するリモート操作の内容が前記ユーザの権限の範囲に属する場合、当該リモート操作を有効なものとして受け付ける機能と、
を実現させるプログラム。
【0084】
(((1)))の本発明によれば、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、そのユーザの権限の種類が特定され、リモート操作の内容がそのユーザの権限の範囲に属する場合には、そのリモート操作が有効なものとして受け付けられる。これにより、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できる。
(((2)))の本発明によれば、権限の種類ごとにリモート操作の内容が管理されるので、ユーザごとにリモート操作できる内容を個別に設定する必要がなくなる。
(((3)))の本発明によれば、画像処理装置に対するリモート操作の内容ごとに排他の有無が設定されるので、権限に応じた詳細な排他設定が可能となる。
(((4)))の本発明によれば、画像処理装置に端末を接続した複数のユーザのうち親ユーザからの指示に基づき他のユーザに権限が付与されるので、権限を付与する主体が明確化する。その結果、責任の所在を明確化させることができる。
(((5)))の本発明によれば、親ユーザは、画像処理装置に端末を接続した他のユーザのみならず、特定のユーザを呼び出し、そのユーザに権限を付与することができる。
(((6)))の本発明によれば、画像処理装置に最初にリモート接続した端末のユーザが親ユーザとなるので、既にリモート操作を行っているユーザが、後から接続した他のユーザからの指示によりリモート操作が制限されることを防ぐことができる。
(((7)))の本発明によれば、親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、親ユーザの地位の移譲先が指定されると、その移譲先が、リモート操作が解除された後の親ユーザとなるので、他のユーザに権限を付与する親ユーザが不在になることを避けることができる。
(((8)))の本発明によれば、親ユーザの端末のリモート接続が解除される前に、親ユーザの地位の移譲先が指定されていない場合であっても、リモート操作が解除された後の親ユーザが新たに設定されるので、他のユーザに権限を付与する親ユーザが不在になることを避けることができる。
(((9)))の本発明によれば、他のユーザに関する情報が親ユーザに向けて報知されるので、親ユーザは、他のユーザに関する情報を参照しながら、他のユーザに権限を設定するための指示と、他のユーザの端末のリモート接続を維持させるかどうかの指示とを行うことができる。
(((10)))の本発明によれば、権限が付与された他のユーザに関する情報と、権限が付与されていない他のユーザに関する情報とが親ユーザに向けて報知されるので、どのユーザに権限を付与するべきかを一見して判断できるようになる。
(((11)))の本発明によれば、親ユーザが他のユーザに権限を付与する際、他のユーザの属性の単位で権限の付与を指示できるので、ユーザの人数に応じた操作が不要となる。
(((12)))の本発明によれば、親ユーザが他のユーザに権限を付与する際、他のユーザが所属する組織、他のユーザの役職、他のユーザの種別の単位で権限の付与を指示できるので、他のユーザの人数に応じた操作が不要となる。
(((13)))の本発明によれば、親ユーザからの指示に基づき他のユーザに権限を付与することで親ユーザの端末からのリモート操作が排他されることになる場合、その旨を示す警告が親ユーザに向けて報知されるので、親ユーザの意図せぬ指示が行われることを抑制できる。
(((14)))の本発明によれば、リモート操作の内容の重要性に応じて、親ユーザの端末からのリモート操作が排他されることになる旨の通知メッセージと、リモート操作が排他されることを許可するかどうかの確認メッセージとのいずれかが親ユーザに向けて報知される。これにより、排他されることが業務上重要な意味を持つリモート操作については親ユーザの確認を要することとし、それ以外は通知のみとするような柔軟な運用が可能となる。
(((15)))の本発明によれば、親ユーザに向けた警告として、通知メッセージを報知するか、確認メッセージを報知するか、何も報知しないかのいずれかが警告レベルにより管理され、リモート操作の内容ごとに警告レベルが対応付けられている。これにより、リモート操作の内容の重要性に応じた警告が可能となる。
(((16)))の本発明によれば、複数のリモート操作の内容の組み合わせごとに警告レベルが対応付けられるので、リモート操作の内容の重要性の有無をより細かく設定することができる。
(((17)))の本発明によれば、親ユーザが可変となるため、親ユーザが不変である場合に比べて、親ユーザとして他のユーザの権限の付与を指示することが困難な場合などの対応が容易化される。
(((18)))の本発明によれば、ユーザの端末が画像処理装置にリモート接続されると、そのユーザの権限の種類が特定され、リモート操作の内容がそのユーザの権限の範囲に属する場合には、そのリモート操作が有効なものとして受け付けられる。これにより、画像処理装置に接続された複数のモバイル端末からのリモート操作が可能な状態であっても、意図せぬユーザによる意図せぬ操作を制限できる。
【符号の説明】
【0085】
1…情報処理システム、10…画像処理装置、11…制御部、30…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…管理部、102…取得部、103…設定部、104…特定部、105…範囲判定部、106…操作判定部、107…表示制御部、108…送信制御部、301…取得部、302…送信制御部、303…表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12