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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168667
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20241128BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241128BHJP
   A62B 35/00 20060101ALI20241128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241128BHJP
【FI】
H05B47/115
F21V23/00 140
F21V23/00 110
A62B35/00 J
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085541
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】523195119
【氏名又は名称】SMCシビルテクノス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598016829
【氏名又は名称】株式会社東産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】門出 英揮
(72)【発明者】
【氏名】山田 崇
(72)【発明者】
【氏名】萱 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】木室 浩一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴哉
【テーマコード(参考)】
2E184
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
2E184KA11
2E184LA14
2E184MA01
3K014AA01
3K273PA02
3K273PA09
3K273QA36
3K273QA37
3K273RA13
3K273SA11
3K273SA24
3K273SA35
3K273SA40
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA41
3K273TA47
3K273UA22
3K273VA02
(57)【要約】
【課題】作業者が接続ストラップを正しく使用しているか否かを表示することができる表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置は、フルハーネスと安全ブロックとに接続する接続ストラップに対し固定される。表示装置は、前記表示装置の外部に光を照射するように構成された発光部と、前記表示装置の傾きに応じて前記発光部が光を照射する態様を変化させるように構成された発光制御部と、を備える。前記発光制御部は、例えば、基準方向と、鉛直下向きの方向とが成す角度である角度θが閾値以上である場合の前記態様と、前記角度θが前記閾値未満である場合の前記態様とを異ならせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルハーネスと安全ブロックとに接続する接続ストラップに対し固定される表示装置であって、
前記表示装置の外部に光を照射するように構成された発光部と、
前記表示装置の傾きに応じて前記発光部が光を照射する態様を変化させるように構成された発光制御部と、
を備える表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記表示装置は、(a)前記表示装置に対し固定された基準方向と、(b)前記接続ストラップのうち、前記表示装置が固定された部分における前記接続ストラップの長手方向であって、前記フルハーネスの側の接続端から前記安全ブロックの側の接続端へ向かう方向とが一致するように前記接続ストラップに固定され、
前記発光制御部は、前記基準方向と、鉛直下向きの方向とが成す角度θが閾値以上である場合の前記態様と、前記角度θが前記閾値未満である場合の前記態様とを異ならせるように構成された、
表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記角度θが前記閾値を超える場合の前記態様は、前記発光部が点灯又は点滅する態様であり、
前記角度θが前記閾値未満である場合の前記態様は、前記発光部が消灯する態様である、
表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置であって、
前記発光部が消灯する態様から、前記発光部が点灯又は点滅する態様に切り換わるときの前記閾値は、前記発光部が点灯又は点滅する態様から、前記発光部が消灯する態様に切り換わるときの前記閾値より大きい、
表示装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記発光制御部は、
筒状の容器と、
前記容器における一方の底部に固定されたリードスイッチと、
前記容器に収容され、前記表示装置の傾きに応じて、前記容器の軸方向に沿って移動可能な磁石と、
を備え、
前記表示装置の傾きに応じて、前記リードスイッチのオンとオフとが切り換わるように構成され、前記リードスイッチがオンであるか否かに応じて、前記態様を変化させるように構成された、
表示装置。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置であって、
第1部と、
第2部と、
前記第1部と前記第2部とを開閉可能に接続するヒンジ部と、
を備え、
前記第1部と前記第2部との間に前記接続ストラップを挟むことで、前記接続ストラップに対し固定される、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者が高所作業をするとき、フルハーネス、安全ブロック、及び接続ストラップが使用される。フルハーネスの正式名称は、フルハーネス型墜落制止用器具である。フルハーネスは作業者の胴体、腿、肩等に取り付けられる。フルハーネスに関する技術は特許文献1に開示されている。
【0003】
安全ブロックの正式名称は、リトラクタ式墜落阻止器具である。安全ブロックは、作業者よりも高い位置に固定される。接続ストラップは帯状の部材である。接続ストラップの一方の端部は、フルハーネスに接続される。接続ストラップの反対の端部は、安全ブロックに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-321487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者は、高所作業を行うとき、接続ストラップを正しく使用しない場合がある。作業者を監督する者(以下では監督者とする)等は、作業者が接続ストラップを正しく使用しているか否かを容易に認識できることが望ましい。
【0006】
本開示の1つの局面では、作業者が接続ストラップを正しく使用しているか否かを表示することができる表示装置を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの局面は、フルハーネスと安全ブロックとに接続する接続ストラップに対し固定される表示装置である。前記表示装置は、前記表示装置の外部に光を照射するように構成された発光部と、前記表示装置の傾きに応じて前記発光部が光を照射する態様を変化させるように構成された発光制御部と、を備える。
【0008】
本開示の1つの局面である表示装置は、表示装置の傾きに応じて、発光部が光を照射する態様を変化させる。表示装置の傾きは、表示装置を固定している接続ストラップの傾きを反映する。さらに、接続ストラップの傾きは、接続ストラップを正しく使用しているか否かを反映している。よって、表示装置は、接続ストラップを正しく使用しているか否かに応じて、発光部が光を照射する態様を変化させることができる。その結果、監督者等は、発光部が光を照射する態様を見ることで、接続ストラップが正しく使用されているか否かを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】接続ストラップと、その接続ストラップに固定された表示装置とを表す斜視図である。
図2】第1部と第2部とを開いた状態にある表示装置を表す斜視図である。
図3】スイッチ部の構成と動作とを表す説明図である。
図4】方向X、方向Z、及び角度θを表す説明図である。
図5】表示装置の電気的構成を表すブロック図である。
図6図6Aは、角度θが0°の状態から、角度θが徐々に増加し、180°に達するまでの期間における、リードスイッチの状態を表す説明図である。図6Bは、角度θが180°の状態から、角度θが徐々に減少し、0°に達するまでの期間における、リードスイッチの状態を表す説明図である。
図7】表示装置を使用するときの表示装置及び接続ベルトの傾きの変化を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.表示装置1の構成
表示装置1の構成を、図1図5に基づき説明する。図1に示すように、表示装置1は、接続ストラップ3に対し固定される。接続ストラップ3は、帯状の部材である。接続ストラップ3の長手方向における一方の端部は、D環接続部5である。D環接続部5は、フルハーネスのうち、作業者の背中の部分にあるD環に接続する端部である。D環接続部5は、フルハーネスの側の接続端に対応する。
【0011】
接続ストラップ3の長手方向における他方の端部は、安全ブロック接続部7である。安全ブロック接続部7は、安全ブロックに接続する端部である。安全ブロック接続部7は、安全ブロックの側の接続端に対応する。
【0012】
表示装置1は、本体部11を備える。本体部11は中空の円筒状の部材である。本体部11は、例えば、樹脂等の材質から成る。表示装置1を接続ストラップ3に対し固定したとき、円筒の軸方向は、接続ストラップ3の長手方向と一致する。
【0013】
本体部11は、第1部13と、第2部15と、ヒンジ部17と、を備える。第1部13及び第2部15は、それぞれ、中空の円筒を、その中心軸を通る断面で二等分した形状を有する。
【0014】
ヒンジ部17は、第1部13と第2部15とを、開閉可能に接続する。ヒンジ部17は、円筒の外周面上の位置であって、第1部13と第2部15との境界の位置に設けられている。ヒンジ部17における回動の軸方向は、円筒の軸方向と平行である。第1部13と第2部15とを閉じたとき、図1に示すように、それらは1つの円筒状の形態となる。図2に示すように、ヒンジ部17は、第1部13と第2部15とを開くことができる。
【0015】
図1に示すように、第1部13と第2部15との間に接続ストラップ3を挟むことで、表示装置1は接続ストラップ3に対し固定される。本体部11は、例えば、第1部13と第2部15とが閉じた状態を維持するロック機構を備える。
【0016】
図1に示すように、円筒状の本体部11の一方の底面を、底面11Aとする。また、底面11Bとは反対側の底面を底面11Bとする。円筒状の本体部11の軸方向に平行な方向であって、底面11Aから底面11Bに向かう方向を、方向Xとする。方向Xは、表示装置1に対し固定された基準方向に対応する。例えば、表示装置1が、任意の方向に任意の角度だけ回転すると、方向Xも同じ方向に同じ角度だけ回転する。
【0017】
図1に示すように、接続ストラップ3のうち、表示装置1が固定された部分における長手方向であって、D環接続部5から安全ブロック接続部7へ向かう方向を、方向Yとする。方向Yは、接続ストラップ3に対し固定された方向である。表示装置1は、方向Xと方向Yとが一致するように、接続ストラップ3に対し固定される。
【0018】
表示装置1は、発光部21を備える。図1に示すように、発光部21は、本体部11の外周面に取り付けられている。発光部21は、例えば、複数のLEDである。発光部21は、LED以外の部材であってもよい。発光部21は、例えば、本体部11の外周面における周方向に沿って、全周にわたって設けられている。発光部21は、例えば、方向Xに沿って複数並んでいる。
【0019】
発光部21は、表示装置1の外部に光を照射する。方向Xから見て、発光部21は、例えば、本体部11の全周にわたって、放射状に光を照射する。
図2に示すように、表示装置1は、スイッチ部23を備える。スイッチ部23は本体部11の内部に収容されている。スイッチ部23は、本体部11に対し固定されている。そのため、本体部11が任意の方向に任意の角度だけ回転すると、スイッチ部23も同じ方向に同じ角度だけ回転する。
【0020】
図3に示すように、スイッチ部23は、筒状の容器25と、リードスイッチ27と、磁石29と、を備える。リードスイッチ27は、容器25の一方の底部25Aに固定されている。底部25Aは、容器25の軸方向における端部である。
【0021】
リードスイッチ27は、磁石29を近づけると、リードスイッチ27の内部の2極の先端が磁化され、互いに接触して電流を流すことができる半導体である。リードスイッチ27から磁石29を遠ざけると、リードスイッチ27に電流は流れなくなる。以下では、リードスイッチ27に電流が流れる状態をオンとし、電流が流れない状態をオフとする。リードスイッチ27の市販品として、例えば、Standex Electronics Japan社製のORD213等が挙げられる。
【0022】
磁石29は、容器25に収容されている。磁石29は、容器25の軸方向において移動可能である。磁石29を移動させる力は、磁石29に作用する重力である。容器25において、底部25Aとは反対側の底部を底部25Bとする。スイッチ部23は、底部25Aから底部25Bに向かう方向が方向Xとなるように、本体部11に固定されている。方向Xは容器25の軸方向と平行である。
【0023】
鉛直下向き方向を方向Zとする。図3に示すように、方向Xが方向Zに近いとき、磁石29は底部25Bの方向に移動し、リードスイッチ27から離れる。このときリードスイッチ27はオフとなる。一方、方向Xが方向Zの反対方向に近いとき、磁石29はリードスイッチ27に接近する。このときリードスイッチ27はオンとなる。
【0024】
図4に示すように、方向Xと方向Zとが成す角度を角度θとする。角度θは、0°以上180°以下の数値である。角度θは、表示装置1の傾きに対応する。リードスイッチ27のオンとオフとは、角度θに応じて切り換わる。角度θが後述する閾値未満である場合、リードスイッチ27はオフである。角度θが閾値以上である場合、リードスイッチ27はオンである。
【0025】
図2に示すように、表示装置1は、制御ボックス31を備える。制御ボックス31は本体部11の内部に収容されている。
表示装置1は、図5に示す電気的構成を有する。制御ボックス31は、制御部33と、電池35とを備える。電池35は、発光部21に電力を供給する。制御部33は、リードスイッチ27がオンであるかに応じて、発光部21が光を照射する態様(以下では照射態様とする)を変化させる。照射態様として、例えば、消灯する態様、点灯する態様、点滅する態様等が挙げられる。発光部21の照射態様の変化については後述する。
【0026】
なお、制御部33とスイッチ部23とは、表示装置1の傾き(すなわち角度θ)に応じて、発光部21の照射態様を変化させるように構成された発光制御部に対応する。
2.表示装置1が実行する処理
角度θが0°の状態から、角度θが徐々に増加し、180°に達するまでの期間における、リードスイッチ27の状態を図6Aに示す。角度θが0°以上135°未満の場合、リードスイッチ27の状態はオフである。リードスイッチ27の状態がオフである場合、制御部33は、発光部21の照射態様を、消灯する態様にする。
【0027】
角度θが135°以上の場合、リードスイッチ27の状態はオンである。リードスイッチ27の状態がオンである場合、制御部33は、発光部21の照射態様を、例えば、点灯又は点滅する態様とする。
【0028】
角度θが135°を超えたとき、リードスイッチ27の状態は、オフからオンに切り換わる。角度θが135°を超えたとき、制御部33は、発光部21の照射態様を、消灯する態様から、点灯又は点滅する態様に切り換える。
【0029】
なお、135°は、閾値に対応する。また、135°は、発光部21の照射態様が消灯する態様から、点灯又は点滅する態様に切り換わるときの閾値に対応する。
角度θが180°の状態から、角度θが徐々に減少し、0°に達するまでの期間における、リードスイッチ27の状態を図6Bに示す。角度θが90°以上180°以下の場合、リードスイッチ27の状態はオンである。リードスイッチ27の状態がオンである場合、制御部33は、発光部21の照射態様を、点灯又は点滅する態様とする。
【0030】
角度θが90°未満の場合、リードスイッチ27の状態はオフである。リードスイッチ27の状態がオフである場合、制御部33は、発光部21の照射態様を、消灯する態様とする。
【0031】
角度θが90°未満となったとき、リードスイッチ27の状態は、オンからオフに切り換わる。角度θが90未満となったとき、制御部33は、発光部21の照射態様を、点灯又は点滅する態様から、消灯する態様に切り換える。
【0032】
なお、90°は、閾値に対応する。また、90°は、発光部21の照射態様が点灯又は点滅する態様から、発光部21が消灯する態様に切り換わるときの閾値に対応する。
本実施形態では、発光部21が消灯する態様から、発光部21が点灯又は点滅する態様に切り換わるときの閾値(すなわち135°)は、発光部21が点灯又は点滅する態様から、発光部21が消灯する態様に切り換わるときの閾値(すなわち90°)より大きい。
【0033】
なお、閾値は適宜調整することができる。例えば、磁石29を重くするほど、発光部21の照射態様が消灯する態様から、点灯又は点滅する態様に切り換わるときの閾値は小さくなる。磁石29を重くするほど、発光部21の照射態様が点灯又は点滅する態様から、発光部21が消灯する態様に切り換わるときの閾値は大きくなる。
【0034】
また、磁石29の外径と容器25の内径との差を小さくし、磁石29と容器25との間の静止摩擦力を大きくするほど、発光部21の照射態様が消灯する態様から、点灯又は点滅する態様に切り換わるときの閾値は大きくなる。磁石29と容器25との間の静止摩擦力を大きくするほど、発光部21の照射態様が点灯又は点滅する態様から、発光部21が消灯する態様に切り換わるときの閾値は小さくなる。
【0035】
3.表示装置1の使用方法
表示装置1は、例えば、図1図7に示すように使用することができる。作業者が高所作業を始める前に、まず、図1に示すように、表示装置1を接続ストラップ3に固定する。このとき、方向Xと方向Yとは一致する。
【0036】
次に、D環接続部5をD環に接続する。このとき、安全ブロック接続部7は未だ安全ブロックに接続していない。そのため、接続ストラップ3は、図7に示す状態S1のように、D環接続部5が高く、安全ブロック接続部7が低い状態となる。状態S1のとき、角度θは小さいので、リードスイッチ27の状態はオフであり、発光部21の照射態様は、消灯する態様である。
【0037】
次に、安全ブロック接続部7を持ち上げ、上方にある安全ブロックに接続する。このとき、接続ストラップ3は、図7に示す状態S2のように、D環接続部5よりも、安全ブロック接続部7が高い状態となる。
【0038】
状態S1から状態S2に移行する過程で、角度θが135°以上となる。角度θが135°以上となると、リードスイッチ27の状態はオフからオンに切り換わり、発光部21の照射態様は、消灯する態様から、点灯又は点滅する態様に切り換わる。
【0039】
よって、D環接続部5をD環に接続し、安全ブロック接続部7を安全ブロックに接続した場合(すなわち、接続ストラップ3を正しく使用している場合)、発光部21の照射態様は、点灯又は点滅する態様となる。
【0040】
一方、安全ブロック接続部7を安全ブロックに接続していない場合(すなわち、接続ストラップ3を正しく使用していない場合)、発光部21の照射態様は、消灯する態様となる。
【0041】
高所作業を終了するとき、安全ブロック接続部7を安全ブロックから外す。すると、接続ストラップ3は、状態S1に戻る。状態S2から状態S1に移行する過程で、角度θが90°未満となる。角度θが90°未満となると、リードスイッチ27の状態はオンからオフに切り換わり、発光部21の照射態様は、点灯又は点滅する態様から消灯する態様に切り換わる。
【0042】
4.表示装置1が奏する効果
(1A)表示装置1は、角度θに応じて発光部21の照射態様を変化させる。角度θは、表示装置1を固定している接続ストラップ3の傾きを反映する。さらに、接続ストラップ3の傾きは、接続ストラップ3を正しく使用しているか否かを反映している。
【0043】
よって、表示装置1は、接続ストラップ3を正しく使用しているか否かに応じて、発光部21の照射態様を変化させることができる。その結果、監督者等は、発光部21の照射態様を見ることで、接続ストラップ3が正しく使用されているか否かを認識することができる。
【0044】
(1B)制御部33は、角度θが閾値以上である場合の発光部21の照射態様と、角度θが閾値未満である場合の発光部21の照射態様とを異ならせる。
角度θが閾値以上である場合とは、接続ストラップ3が正しく使用されている場合である。角度θが閾値未満である場合とは、接続ストラップ3が正しく使用されてない場合である。
【0045】
よって、制御部33は、接続ストラップ3が正しく使用されている場合の発光部21の照射態様と、接続ストラップ3が正しく使用されてない場合の発光部21の照射態様とを異ならせる。その結果、監督者等は、発光部21の照射態様を見ることで、接続ストラップ3が正しく使用されているか否かを一層容易に認識することができる。
【0046】
(1C)角度θが閾値を超える場合の発光部21の照射態様は、点灯又は点滅する態様である。また、角度θが閾値未満である場合の発光部21の照射態様は、消灯する態様である。そのため、監督者等は、発光部21の照射態様の違いを一層容易に認識することができる。
【0047】
(1D)発光部21が消灯する態様から、発光部21が点灯又は点滅する態様に切り換わるときの閾値は、発光部21が点灯又は点滅する態様から、発光部21が消灯する態様に切り換わるときの閾値より大きい。
【0048】
そのため、本来は発光部21が消灯しているべき場合に、外乱等により、発光部21が点灯又は点滅してしまうことを抑制できる。また、本来は発光部21が点灯又は点滅しているべき場合に、外乱等により、発光部21が消灯してしまうことを抑制できる。
【0049】
(1E)表示装置1は、スイッチ部23を備える。スイッチ部23は、角度θに応じて、リードスイッチ27のオンとオフとが切り換わるように構成されている。表示装置1は、リードスイッチ27がオンであるか否かに応じて、発光部21の照射態様を変化させる。そのため、表示装置1は、角度θに応じて、発光部21の照射態様を一層確実に変化させることができる。
【0050】
(1F)表示装置1は、第1部13と、第2部15と、ヒンジ部17とを備える。表示装置1は、第1部13と第2部15との間に接続ストラップ3を挟むことで、接続ストラップ3に対し固定される。そのため、表示装置1を、接続ストラップ3に対し、容易且つ確実に固定することができる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0051】
(1)角度θが閾値未満である場合の発光部21の照射態様と、角度θが閾値以上である場合の発光部21の照射態様とは、第1実施形態とは異なっていてもよい。例えば、角度θが閾値未満である場合の発光部21の照射態様は、点灯又は消灯する態様であってもよい。また、角度θが閾値未満である場合の発光部21の照射態様は、消灯する態様であってもよい。また、照射態様として、特定の色で発光する態様等が挙げられる。例えば、角度θが閾値を超えると、光の色を変化させることができる。
【0052】
(2)スイッチ部23は、表示装置1の傾きを検出できるスイッチであれば、リードスイッチ27以外のスイッチを備えていてもよい。
(3)リードスイッチ27のオンとオフとが切り換わるときのθは適宜設定することができ、90度、135度以外の数値であってもよい。
(4)本開示に記載の制御部33及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部33及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部33及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部33に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0053】
(5)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0054】
(5)上述した表示装置1の他、当該表示装置1を構成要素とするシステム、制御部33としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、表示装置1の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
フルハーネスと安全ブロックとに接続する接続ストラップに対し固定される表示装置であって、
前記表示装置の外部に光を照射するように構成された発光部と、
前記表示装置の傾きに応じて前記発光部が光を照射する態様を変化させるように構成された発光制御部と、
を備える表示装置。
[項目2]
項目1に記載の表示装置であって、
前記表示装置は、(a)前記表示装置に対し固定された基準方向と、(b)前記接続ストラップのうち、前記表示装置が固定された部分における前記接続ストラップの長手方向であって、前記フルハーネスの側の接続端から前記安全ブロックの側の接続端へ向かう方向とが一致するように前記接続ストラップに固定され、
前記発光制御部は、前記基準方向と、鉛直下向きの方向とが成す角度θが閾値以上である場合の前記態様と、前記角度θが前記閾値未満である場合の前記態様とを異ならせるように構成された、
表示装置。
[項目3]
項目2に記載の表示装置であって、
前記角度θが前記閾値を超える場合の前記態様は、前記発光部が点灯又は点滅する態様であり、
前記角度θが前記閾値未満である場合の前記態様は、前記発光部が消灯する態様である、
表示装置。
[項目4]
項目3に記載の表示装置であって、
前記発光部が消灯する態様から、前記発光部が点灯又は点滅する態様に切り換わるときの前記閾値は、前記発光部が点灯又は点滅する態様から、前記発光部が消灯する態様に切り換わるときの前記閾値より大きい、
表示装置。
[項目5]
項目1~4のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記発光制御部は、
筒状の容器と、
前記容器における一方の底部に固定されたリードスイッチと、
前記容器に収容され、前記表示装置の傾きに応じて、前記容器の軸方向に沿って移動可能な磁石と、
を備え、
前記表示装置の傾きに応じて、前記リードスイッチのオンとオフとが切り換わるように構成され、前記リードスイッチがオンであるか否かに応じて、前記態様を変化させるように構成された、
表示装置。
[項目6]
項目1~5のいずれか1項に記載の表示装置であって、
第1部と、
第2部と、
前記第1部と前記第2部とを開閉可能に接続するヒンジ部と、
を備え、
前記第1部と前記第2部との間に前記接続ストラップを挟むことで、前記接続ストラップに対し固定される、
表示装置。
【符号の説明】
【0055】
1…表示装置、3…接続ストラップ、5…D環接続部、7…安全ブロック接続部、11…本体部、11A、11B…底面、13…第1部、15…第2部、17…ヒンジ部、21…発光部、23…スイッチ部、25…容器、25A、25B…底部、27…リードスイッチ、29…磁石、31…制御ボックス、33…制御部、35…電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7