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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168670
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】運搬用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/00 20060101AFI20241128BHJP
   B65D 21/032 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65D71/00 211
B65D21/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085544
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 凌太郎
【テーマコード(参考)】
3E006
3E067
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006CA01
3E067AA11
3E067BA08A
3E067BB14A
3E067EE38
3E067EE50
3E067FC02
(57)【要約】
【課題】底壁が撓みにくい運搬用容器を提供する。
【解決手段】運搬用容器1は、側壁2及び板状をした底壁3を備え、上方に向けて開口する。運搬用容器1は、外縁リブ4と、補強リブ5と、を備える。外縁リブ4は、底壁3の下面30より下方に突出する平面視環状をしている。補強リブ5は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の部分から下方に突出する平面視格子状をしている。補強リブ5は、第1リブ群6と、第2リブ群7と、を有する。第1リブ群6は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の平面視環状をした第1領域31から下方に突出する。第2リブ群7は、底壁3の下面30の第1領域31の内側の第2領域32から下方に突出する。第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度は、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁及び板状をした底壁を備え、上方に向けて開口する運搬用容器であって、
前記底壁の下面より下方に突出する平面視環状をした外縁リブと、
前記底壁の下面の前記外縁リブの内側の部分から下方に突出する平面視格子状をした補強リブと、を備え、
前記補強リブは、
前記底壁の下面の前記外縁リブの内側の平面視環状をした第1領域から下方に突出する第1リブ群と、
前記底壁の下面の前記第1領域の内側の第2領域から下方に突出する第2リブ群と、を有し、
前記第2リブ群の平面視における単位面積当たりの樹脂密度は、前記第1リブ群の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高い、
運搬用容器。
【請求項2】
前記第2リブ群の平面視における単位面積当たりの本数は、前記第1リブ群の平面視における単位面積当たりの本数よりも多い、
請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
平面視において前記第2リブ群の四個の格子点のうちの二対の対角の二点をそれぞれ結ぶ補助リブが前記底壁の下面から下方に突出する、
請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項4】
前記第2リブ群の平面視における厚みは、前記第1リブ群の平面視における厚みよりも厚い、
請求項1に記載の運搬用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側壁及び板状をした底壁を備え、上方に向けて開口する運搬用容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3465053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した運搬用容器にあっては、底壁が板状をしており、物品を収容したとき、すなわち底壁上に物品を載置したとき、底壁が撓みやすい。そのため、底壁の下面に平面視格子状をしたリブを有する運搬用容器がよく用いられている。
【0005】
しかしながら、底壁は依然として撓みやすい、という問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、底壁が撓みにくい運搬用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る運搬用容器は、側壁及び板状をした底壁を備え、上方に向けて開口する。
【0008】
前記運搬用容器は、外縁リブと、補強リブと、を備える。前記外縁リブは、前記底壁の下面より下方に突出する平面視環状をしている。前記補強リブは、前記底壁の下面の前記外縁リブの内側の部分から下方に突出する平面視格子状をしている。前記補強リブは、第1リブ群と、第2リブ群と、を有する。前記第1リブ群は、前記底壁の下面の前記外縁リブの内側の平面視環状をした第1領域から下方に突出する。前記第2リブ群は、前記底壁の下面の前記第1領域の内側の第2領域から下方に突出する。前記第2リブ群の平面視における単位面積当たりの樹脂密度は、前記第1リブ群の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高い。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る運搬用容器にあっては、底壁が撓みにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第一実施形態に係る運搬用容器の斜め上方より見た斜視図である。
図2図2は、同上の運搬用容器の下面図である。
図3図3Aは、図2の要部拡大図である。図3Bは、同上の運搬用容器の斜め下方より見た要部拡大斜視図である。
図4図4は、本開示の第二実施形態に係る運搬用容器の下面図である。
図5図5は、本開示の第三実施形態に係る運搬用容器の下面図である。
図6図6は、本開示の第四実施形態に係る運搬用容器の要部下面図である。
図7図7は、本開示の第五実施形態に係る運搬用容器の要部下面図である。
図8図8は、本開示の第六実施形態に係る運搬用容器の要部下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、運搬用容器に関し、さらに詳しくは、底壁の下面に平面視格子状をしたリブを有する運搬用容器に関する。以下、本開示に係る運搬用容器の第一実施形態について、図1図3に基いて説明する。
【0012】
図1に示すように、運搬用容器1は、側壁2及び底壁3を備えて内部に収容空間10を有し、上方に向けて開口する。運搬用容器1は、樹脂により一体に成形される。以下の説明において、上下については、運搬用容器1において収容空間10が開放されている方を上方とし、その反対を下方とする。また、運搬用容器1の中心から離れる方を外方とするとともに中心に近づく方を内方とする。
【0013】
底壁3は、平面視において矩形状(特に長方形状)をした板状に形成される。第一実施形態では、図2に示すように、平面視における矩形状の下面30の中央300から、底壁3の短辺までの長さがL13(すなわち底壁3の長辺の長さがL13×2)、底壁3の長辺までの長さがL23(すなわち底壁3の短辺の長さがL23×2)である。底壁3は、平面視(下面視)において、中央部に位置して収容空間10に面する本体部301と、本体部301の周囲に位置して収容空間10に面しない周縁部302と、を有する。
【0014】
本体部301は、平面視において矩形状に形成される。本体部301の上面は、収容空間10に収容される収容物の載置面となる。周縁部302は、本体部301の周縁より横方向(水平方向)に突出するリブ状をしたものである。周縁部302は、平面視において矩形状に形成されているが、角部においては弧状に形成されている。周縁部302には、収容物は載置されない。
【0015】
図1に示すように、側壁2は、底壁3から上方に突出する。底壁3の一対の長辺部から、一対の正面視長方形状をした長側壁部21が上方に突出する。また、底壁3の一対の短辺部から、一対の正面視長方形状をした短側壁部22が上方に突出する。隣接する長側壁部21と短側壁部22とは、連続して一体に形成されている。側壁2は、平面視環状に連続して一体に形成されている。
【0016】
側壁2の上端部の周縁には、平面視環状となるように横方向に突出するフランジ23が形成されている。フランジ23の外郭は、平面視において矩形状に形成されているが、角部においては弧状に形成されている。平面視において、フランジ23の外郭は、周縁部302の外郭と重なる。
【0017】
側壁2の上端部のフランジ23の下側の部分には、平面視環状となるように横方向に突出するリブ24が形成されている。リブ24の外郭は、平面視において矩形状に形成されているが、角部においては弧状に形成されている。平面視において、リブ24の外郭は、フランジ23の外郭及び周縁部302の外郭と重なる。
【0018】
側壁2の外面には、上下方向に延びるリブ25及びリブ26が形成される。リブ25及びリブ26は、フランジ23からリブ24を通って周縁部302にかけて形成される。リブ25は、隣接する長側壁部21と短側壁部22との間の部分から外方に向けて突出する。平面視において、リブ25が延びる方向は、長側壁部21と短側壁部22の表面に対してそれぞれ135度をなしている。リブ26は、長側壁部21及び短側壁部22のそれぞれにおいて、間隔をあけて二本形成されている。平面視において、リブ26が延びる方向は、長側壁部21又は短側壁部22の表面に対してそれぞれ90度をなしている。
【0019】
図2に示すように、底壁3の下面30には、下方に突出する外縁リブ4と、補強リブ5と、が形成される。底壁3の下面30に外縁リブ4及び補強リブ5が形成されることにより、底壁3上に収容物が載置されても、底壁3が撓みにくくなる。
【0020】
外縁リブ4は、底壁3の下面30の周縁部302に沿って平面視環状をしている。外縁リブ4は、平面視において、側壁2と重なる位置に形成される。第一実施形態では、図2に示すように、平面視における矩形状の下面30の中央300から、外縁リブ4の短辺までの長さがL12(すなわち外縁リブ4の長辺の長さがL12×2)、外縁リブ4の長辺までの長さがL22(すなわち外縁リブ4の短辺の長さがL22×2)である。長さL12は、長さL13の90%以上95%以下であり、長さL22は、長さL23の90%以上95%以下であるが、具体的な数値は限定されない。
【0021】
図3A及び図3Bに示すように、補強リブ5は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の部分から下方に突出する平面視格子状をしたものである。補強リブ5は、第1リブ群6と、第2リブ群7と、を有する。
【0022】
第1リブ群6は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の平面視環状をした第1領域31から下方に突出する。第1リブ群6を構成するリブ61は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と平行に延びて格子点50にて交差し、正方形の格子を構成している。第1領域31は、底壁3の下面30のうち、本体部301に対応する部分(後述する第2領域32に対応する部分を除く)である。第1領域31の外周縁(外郭)及び内周縁は、ともに矩形状をしている。
【0023】
第2リブ群7は、底壁3の下面30の第1領域31の内側の第2領域32から下方に突出する。第2領域32の外周縁(外郭)は、矩形状をしている。第2領域32は、図2に示すように、平面視における矩形状の下面30の中央300から、第2領域32の短辺までの長さがL11(すなわち第2領域32の長辺の長さがL11×2)、第2領域32の長辺までの長さがL21(すなわち第2領域32の短辺の長さがL21×2)の領域である。長さL11は、長さL12の40%以上60%以下であり、長さL22は、長さL23の40%以上60%以下であるが、具体的な数値は限定されない。
【0024】
第1領域31及び第2領域32を合わせた面積に対する、第2領域32の面積の比率は、10%以上50%以下であり、好ましくは20%以上40%以下であり、更に好ましくは20%以上30%以下である。
【0025】
図3A及び図3Bに示すように、第2リブ群7は、本体リブ71と、補助リブ72と、を有する。本体リブ71は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と平行に延びて格子点50にて交差し、正方形の格子を構成している。本体リブ71の突出長さ及び厚み(短手方向の長さ)は、リブ61の突出長さ及び厚みと同じであり、本体リブ71はリブ61と連続して一体的に形成される。
【0026】
補助リブ72は、平面視において、本体リブ71の四個の格子点50のうちの二対の対角の二点をそれぞれ結ぶ。補助リブ72は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と45度をなす方向に延びており、それぞれ十字状をなしている。補助リブ72の突出長さ及び厚みは、本体リブ71の突出長さ及び厚みと同じであり、補助リブ72は本体リブ71と連続して一体的に形成される。
【0027】
外縁リブ4及び補強リブ5は、底壁3の下面30において、中央300を中心として点対称となるように形成されている。また、外縁リブ4及び補強リブ5は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の長辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。また、外縁リブ4及び補強リブ5は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の短辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。
【0028】
第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度は、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高い。第1実施形態では、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりのリブ(本体リブ71及び補助リブ72)の本数を、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりのリブ(リブ61)の本数よりも多くすることにより、第2リブ群7の樹脂密度を第1リブ群6の樹脂密度よりも高くしている。ここで、単位面積当たりのリブの本数については、リブの隣接する格子点50同士を結ぶ部分を1本とする。
【0029】
底壁3の第2領域32における単位面積当たりの重量(すなわち底壁3及び第2リブ群7の重量)の底壁3の第1領域31における単位面積当たりの重量(すなわち底壁3及び第1リブ群6の重量)に対する比率は、1.5以上でかつ2.0以下である。なお、第2領域32における単位面積当たりの重量の第1領域31における単位面積当たりの重量に対する比率は、1よりも大きければよく、数値は特に限定されない。
【0030】
第2リブ群7の単位面積当たりのリブの本数のうち、本体リブ71の本数は、第1リブ群6の単位面積当たりのリブ61の本数と等しい。このため、第2リブ群7においては更に補助リブ72を有する分、第2リブ群7の単位面積当たりのリブの本数は第1リブ群6の単位面積当たりのリブ61の本数よりも多くなる。リブ61、本体リブ71及び補助リブ72の突出長さ及び厚みは、互いに等しいため、リブの本数の多い第2リブ群7の樹脂密度は、第1リブ群6の樹脂密度よりも高くなる。
【0031】
このように、底壁3の中央部の第2領域32に形成される第2リブ群7の樹脂密度が、第2領域32の周辺部の第1領域31に形成される第1リブ群6の樹脂密度よりも高いため、底壁3上に収容物が載置されても、より一層、底壁3が撓みにくくなる。また、底壁3の中央部においてのみ樹脂密度を高めればよいため、運搬用容器1全体の重量を大きくすることなく効率よく運搬用容器1(特に底壁3)の剛性や強度を上げることができる(底壁3においては、第2リブ群7の設けられた部分が撓みにくく、第1リブ群6の設けられた部分が撓みやすいため、撓んだ場合には逆台形状になる)。
【0032】
第1リブ群6と第2リブ群7とを平均化したリブ群を補強リブ5の全体に形成した場合、運搬用容器の重量が本実施形態の運搬用容器1の重量と同じであっても、本実施形態の方が運搬用容器1の全体の撓みを抑えることができる。
【0033】
また、第2リブ群7は第1リブ群6と連続して一体的に形成されることにより、より一層、底壁3が撓みにくくなる。
【0034】
また、単位面積当たりの第2リブ群7の本数を調節するだけで、第2リブ群7の単位面積当たりの樹脂密度を高めることができる。
【0035】
なお、平面視における単位面積当たりのリブの本数に替えて、平面視における単位面積当たりのリブの長さを採用してもよい。
【0036】
次に、第二実施形態に係る運搬用容器1について、図4に基いて説明する。なお、第二実施形態は大部分において第一実施形態と同じであるため、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0037】
第一実施形態では、第2領域32は一つの連続した領域であり、第2領域32に形成される第2リブ群7も一つの連続したリブ群であった。これに対して、第二実施形態では、第2領域32は四つの分離された領域であり、第2リブ群7も四つの分離されたリブ群である。
【0038】
第2領域32は、平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向において長さL10の位置から長さL11の位置まで、短辺方向において長さL20の位置から長さL21の位置までの領域である。平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向において長さL10の位置まで、短辺方向において長さL20の位置までの領域は、第1領域31となる。
【0039】
第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を中心として点対称となるように形成されている。また、第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の長辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。また、第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の短辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。
【0040】
各第2リブ群7は、第1リブ群6と連続して一体的に形成されており、第1リブ群6を介して他の第2リブ群7と連続して一体的に形成されている。
【0041】
第二実施形態では、平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向において長さL10の位置まで、短辺方向において長さL20の位置までの領域が第1領域31となり、この部分に形成される補強リブ5は第1リブ群6となる。このため、この部分に形成されるリブの単位面積当たりの樹脂密度が低くなり、運搬用容器1の軽量化が図られる。
【0042】
次に、第三実施形態に係る運搬用容器1について、図5に基いて説明する。なお、第三実施形態は大部分において第一実施形態及び第二実施形態と同じであるため、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0043】
第一実施形態では、第2領域32は一つの連続した領域であり、第2領域32に形成される第2リブ群7も一つの連続したリブ群であり、第二実施形態では、第2領域32は四つの分離された領域であり、第2リブ群7も四つの分離されたリブ群であった。これに対して、第三実施形態では、第2領域32は二つの分離された領域であり、第2リブ群7も二つの分離されたリブ群である。
【0044】
第2領域32は、平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向において長さL10の位置から長さL11の位置まで、短辺方向において長さL21の位置までの領域である。平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向における長さL10の位置までの領域は、第1領域31となる。
【0045】
第三実施形態でも第二実施形態と同様に、第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を中心として点対称となるように形成されている。また、第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の長辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。また、第2領域32及び第2リブ群7は、底壁3の下面30において、中央300を通り底壁3の短辺に平行な直線を基準として線対称となるように形成されている。また、各第2リブ群7は、第1リブ群6と連続して一体的に形成されており、第1リブ群6を介して他の第2リブ群7と連続して一体的に形成されている。
【0046】
第三実施形態では、平面視における矩形状の下面30の中央300から、長辺方向において長さL10の位置までの領域が第1領域31となり、この部分に形成される補強リブ5は第1リブ群6となる。このため、この部分に形成されるリブの単位面積当たりの樹脂密度が低くなり、運搬用容器1の軽量化が図られる。
【0047】
次に、第四実施形態に係る運搬用容器1について、図6に基いて説明する。なお、第四実施形態は大部分において第一実施形態と同じであるため、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0048】
第一実施形態では、平面視において、第1リブ群6のリブ61の厚み(短手方向の長さ)と、第2リブ群7の本体リブ71及び補助リブ72の厚みとは、同じであった。これに対して、第四実施形態では、平面視において、第2リブ群7の本体リブ71の厚みT71は、第1リブ群6のリブ61の厚みT61よりも厚い。また、第2リブ群7は、本体リブ71のみ有し、第一実施形態における補助リブ72を有しないが、第一実施形態のように補助リブ72を有してもよい。
【0049】
第2リブ群7は、第1リブ群6と連続して一体的に形成されており、第1リブ群6を介して他の第2リブ群7と連続して一体的に形成されている。
【0050】
第四実施形態では、第2リブ群7の単位面積当たりのリブの本数は、第1リブ群6の単位面積当たりのリブ61の本数と等しい。このため、第2リブ群7においては厚みが厚い分、第2リブ群7の樹脂密度は、第1リブ群6の樹脂密度よりも高くなる。このように、第2リブ群7の平面視における厚みを第1リブ群6の平面視における厚みよりも厚くするだけで、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度を、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高くすることができる。
【0051】
次に、第五実施形態に係る運搬用容器1について、図7に基いて説明する。なお、第五実施形態は大部分において第一実施形態と同じであるため、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0052】
第一実施形態では、補助リブ72は、平面視において、本体リブ71の四個の格子点50のうちの二対の対角の二点をそれぞれ結んでいた。これに対して、第五実施形態では、平面視において、補助リブ72は、平面視において、隣接する格子点50を結ぶ本体リブ71の中点同士を結んでいる。補助リブ72は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向及び本体リブ71の延びる方向と平行に延びており、それぞれ十字状をなしている。第五実施形態にあっても、第一実施形態と同様に、より一層、底壁3が撓みにくくなる。
【0053】
次に、第六実施形態に係る運搬用容器1について、図8に基いて説明する。なお、第六実施形態は大部分において第一実施形態と同じであるため、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0054】
第一実施形態では、リブ61及び本体リブ71は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と平行に延びていた。これに対して、第六実施形態では、リブ61及び本体リブ71は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と45度をなす方向に延びている。また、補助リブ72は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と平行に延びている。第六実施形態にあっても、第一実施形態と同様に、より一層、底壁3が撓みにくくなる。
【0055】
次に、本開示の運搬用容器1の変形例について説明する。
【0056】
運搬用容器1は、いわゆる折り畳み可能な折り畳み運搬用容器であってもよい。
【0057】
運搬用容器1の形状及び大きさは、特に限定されない。底壁3の平面視における形状は、長方形状に限定されず、正方形状、その他の四角形状又は多角形状であってもよい。底壁3は、リブ状の周縁部302を有しなくてもよい。底壁3は、本体部301のみを指すものとしてもよい。
【0058】
運搬用容器1の材質は、樹脂のみに限定されない。すなわち、運搬用容器1の材質は、主に樹脂であるが、一部に樹脂以外の材質(例えば金属)を含んでもよい。
【0059】
フランジ23及びリブ24の平面視における形状は、矩形状に限定されず、その他の四角形状又は多角形状であってもよい。フランジ23及びリブ24の角部は、弧状に形成されなくてもよい。平面視において、フランジ23及びリブ24の外郭は、周縁部302の外郭と重ならなくてもよい。フランジ23及びリブ24~26は、任意の構成であり、必ずしも運搬用容器1に設けられなくてもよい。
【0060】
平面視においてリブ25が延びる方向は、長側壁部21と短側壁部22の表面に対してそれぞれ45度をなさなくてもよく、特に限定されない。
【0061】
平面視においてリブ26が延びる方向は、長側壁部21又は短側壁部22の表面に対してそれぞれ90度をなさなくてもよく、特に限定されない。
【0062】
外縁リブ4は、平面視環状に連続せず、一部に不連続部を有してもよい。外縁リブ4の突出長さ、厚み(短手方向の長さ)は限定されない。下面30の外端縁から外縁リブ4が形成される部分までの長さも限定されない。外縁リブ4は、平面視において、側壁2と重なる位置に形成されなくてもよい。
【0063】
補強リブ5(第1リブ群6、第2リブ群7)の突出長さ、厚みは限定されない。
【0064】
第1領域31の外周縁及び内周縁は、矩形状に限定されない。また、第1領域31の面積は限定されない。
【0065】
第2領域32の外周縁は、矩形状に限定されない。第2領域32の形状は、円形状、楕円形状、多角形状(正多角形状)、十字形状等、様々な形状をとり得る。また、第2領域32の面積は限定されない。
【0066】
第2リブ群7の最小単位を構成するリブの形状は、円形状、楕円形状、多角形状(正多角形状)、十字形状等、様々な形状をとり得る。
【0067】
運搬用容器1を成形する金型において、第2リブ群7を成形する部分にゲート部を設けてもよい。このようにすることで、金型により運搬用容器1を成形する際に、樹脂が流れやすく、応力が分散されるため、運搬用容器1が変形しにくい。この場合、運搬用容器1(底壁3)の第2リブ群7が形成された部分には、ゲート部の跡が形成される。
【0068】
第1リブ群6又は第2リブ群7のそれぞれにおいて、樹脂密度が均一でなくてもよい。すなわち、第1リブ群6の内部又は第2リブ群7の内部にそれぞれ、リブの単位面積当たりの樹脂密度の高い部分と低い部分が生じてもよい。
【0069】
第2リブ群7を構成するリブの突出長さは、第1リブ群6を構成するリブの突出長さと同じでなくてもよい。第2リブ群7を構成するリブの突出長さは、第1リブ群6を構成するリブの突出長さより短くてもよい。
【0070】
本体リブ71の突出長さは、リブ61の突出長さと同じでなくてもよいし、本体リブ71の厚みは、リブ61の厚みと同じでなくてもよいし、本体リブ71はリブ61と連続して形成されなくてもよい。本体リブ71の延びる方向は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と平行でなくてもよい。
【0071】
補助リブ72の突出長さ及び厚みは、本体リブ71の突出長さ及び厚みと同じでなくてもよいし、補助リブ72は本体リブ71と連続して形成されなくてもよい。補助リブ72の延びる方向は、平面視において、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向と45度をなさなくてもよく、長側壁部21又は短側壁部22の延びる方向となす角度は特に限定されない。
【0072】
以上、述べた第一実施形態~第六実施形態およびその変形例から明らかなように、第1の態様の運搬用容器1は、側壁2及び板状をした底壁3を備え、上方に向けて開口する。運搬用容器1は、外縁リブ4と、補強リブ5と、を備える。外縁リブ4は、底壁3の下面30より下方に突出する平面視環状をしている。補強リブ5は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の部分から下方に突出する平面視格子状をしている。補強リブ5は、第1リブ群6と、第2リブ群7と、を有する。第1リブ群6は、底壁3の下面30の外縁リブ4の内側の平面視環状をした第1領域31から下方に突出する。第2リブ群7は、底壁3の下面30の第1領域31の内側の第2領域32から下方に突出する。第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度は、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高い。
【0073】
第1の態様によれば、底壁3上に収容物が載置されても、より一層、底壁3が撓みにくくなる。
【0074】
第2の態様では、第1の態様との組み合わせにより実現される。第2の態様では、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの本数は、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの本数よりも多い。
【0075】
第2の態様によれば、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの本数を第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの本数よりも多くするだけで、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度を、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高くすることができる。
【0076】
第3の態様では、第2の態様との組み合わせにより実現される。第3の態様では、平面視において第2リブ群7の四個の格子点のうちの二対の対角の二点をそれぞれ結ぶ補助リブ72が底壁3の下面30から下方に突出する。
【0077】
第3の態様によれば、格子をなす第2リブ群7(本体リブ71)のスペースを有効に利用して補助リブ72を配置して、平面視における単位面積当たりのリブ(本体リブ71及び補助リブ72)の本数を多くすることができる。
【0078】
第4の態様では、第1~3のいずれかの態様との組み合わせにより実現される。第4の態様では、第2リブ群7の平面視における厚みは、第1リブ群6の平面視における厚みよりも厚い。
【0079】
第4の態様によれば、第2リブ群7の平面視における厚みを第1リブ群6の平面視における厚みよりも厚くするだけで、第2リブ群7の平面視における単位面積当たりの樹脂密度を、第1リブ群6の平面視における単位面積当たりの樹脂密度よりも高くすることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 運搬用容器
2 側壁
3 底壁
30 下面
4 外縁リブ
5 補強リブ
6 第1リブ群
7 第2リブ群
72 補助リブ
31 第1領域
32 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8