(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168671
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20241128BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/38 170
H02J3/38 130
H02J3/00 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085545
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪口 寛
(72)【発明者】
【氏名】永田 定嗣
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 裕也
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅基
(72)【発明者】
【氏名】宮部 善和
(72)【発明者】
【氏名】大見 正宣
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA04
5G066HA15
5G066HB01
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
5G066KA06
(57)【要約】
【課題】 電力供給システムにおいて、電力供給手段から供給される電力が途絶えた場合であっても、好適に電力を賄うことができる技術を提供する。
【解決手段】 電力供給システムは、特定の地域へ電力を供給する電力供給手段を備える。特定の地域内には、電力供給手段から供給される電力を管理する電力管理装置と、電力管理装置と通信可能に構成されている少なくとも1つの発電装置と、が設けられている。電力管理装置は、電力供給手段から特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、余剰電力を発電する指令を発電装置に送信し、発電装置により発電した余剰電力を特定の地域内の配電線に供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の地域へ電力を供給する電力供給手段を備える電力供給システムであって、
前記特定の地域内には、
前記電力供給手段から供給される電力を管理する電力管理装置と、
前記電力管理装置と通信可能に構成されている少なくとも1つの発電装置と、が設けられており、
前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、余剰電力を発電する指令を前記発電装置に送信し、前記発電装置により発電した前記余剰電力を前記特定の地域内の配電線に供給する、
電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記発電装置は、前記特定の地域内の家屋に設けられた燃料電池発電装置または太陽光発電装置である、
電力供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記特定の地域内には、複数の前記発電装置が設けられており、
前記電力管理装置は、前記発電装置のそれぞれが発電する前記余剰電力の価格に関する価格情報を記憶しており、
前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、前記価格情報に基づいて、前記余剰電力の売電価格が低い前記発電装置に対して前記指令を送信する、
電力供給システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記発電装置は、第1の発電装置と、前記第1の発電装置よりも発電能力が低い第2の発電装置を含み、
前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力の不足量が所定の閾値よりも大きい場合に、前記第1の発電装置に前記指令を送信し、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力の不足量が前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記第2の発電装置に前記指令を送信する、
電力供給システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電力管理装置は、蓄電手段を備える、
電力供給システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電力管理装置は、前記発電装置により発電した電力を定常の供給電圧よりも低い電圧で前記特定の地域内の前記配電線に供給する、
電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力供給手段である発電所からの供給電力が不足した場合に、定常の供給電圧よりも低い電圧で、電力を特定の地域の配電線に供給するように構成された電力供給システムが開示されている。また、特許文献1では、発電所からの供給電力が不足した場合に、補助的な電力供給手段としての燃料電池自動車が発電した電力を配電線に供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、例えば、落雷等により、発電所から特定の地域へ電力を供給するための配電線が断線した場合には、特定の地域内への電力供給が完全に途絶えてしまう。特許文献1の技術では、このような場合に、特定の地域内への電力供給ができない。また、補助的な電力供給手段として燃料電池自動車を利用するためには、ユーザの意思で当該自動車を移動させる必要があり、システム管理の面で不十分である。本明細書では、電力供給手段から供給される電力が途絶えた場合であっても、好適に電力を賄うことができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、第1の態様として、特定の地域へ電力を供給する電力供給手段を備える電力供給システムを開示する。前記特定の地域内には、前記電力供給手段から供給される電力を管理する電力管理装置と、前記電力管理装置と通信可能に構成されている少なくとも1つの発電装置と、が設けられている。前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、余剰電力を発電する指令を前記発電装置に送信し、前記発電装置により発電した前記余剰電力を前記特定の地域内の配電線に供給する。
【0006】
上記の電力供給システムでは、特定の地域内において、電力管理装置と発電装置とが互いに通信可能に構成されている。電力管理装置は、特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、特定の地域内に設けられた発電装置に余剰電力を発電する指令を送信する。そして、電力管理装置は、発電装置が発電した余剰電力を特定の地域内の配電線に供給することにより、当該特定の地域内で不足している電力を賄うことができる。なお、「特定の地域内に供給される電力が不足している場合」とは、当該特定の地域内に供給される電力が必要量よりも少ない場合だけでなく、例えば、電力供給手段から電力管理装置へ電力を供給する送電線に断線が生じ、特定の地域内に全く電力が供給されていない場合も含む。
【0007】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記発電装置は、前記特定の地域内の家屋に設けられた燃料電池発電装置または太陽光発電装置であってもよい。
【0008】
このような構成では、特定の地域内の家屋に設置された発電装置を用いて、不足した電力を賄うことができる。
【0009】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記特定の地域内には、複数の前記発電装置が設けられていてもよい。前記電力管理装置は、前記発電装置のそれぞれが発電する前記余剰電力の価格に関する価格情報を記憶していてもよい。前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力が不足している場合に、前記価格情報に基づいて、前記余剰電力の売電価格が低い前記発電装置に対して前記指令を送信してもよい。
【0010】
このような構成では、特定の地域内の電力が不足している場合に、売電価格が低い発電装置により発電された余剰電力を利用するので、システムを稼働するためのコストを低減することができる。
【0011】
第4の態様では、上記第1から第3の態様において、前記発電装置は、第1の発電装置と、前記第1の発電装置よりも発電能力が低い第2の発電装置を含んでもよい。前記電力管理装置は、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力の不足量が所定の閾値よりも大きい場合に、前記第1の発電装置に前記指令を送信し、前記電力供給手段から前記特定の地域内に供給される電力の不足量が前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記第2の発電装置に前記指令を送信してもよい。
【0012】
このような構成では、特定の地域内の電力の不足量に応じて、発電能力が異なる発電装置に対して指令を送信する。例えば、電力の不足量が大きい(すなわち、所定の閾値よりも大きい)場合には、発電能力が高い第1の発電装置に指令を送信することで、電力不足を迅速に解消することができる。また、電力の不足量が小さい(すなわち、所定の閾値よりも小さい)場合には、発電能力が低い第2の発電装置に指令を送信することで、余剰電力の発電量の微調整を行い易く、過剰な発電を抑制することができる。
【0013】
第5の態様では、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記電力管理装置は、蓄電手段を備えてもよい。
【0014】
このような構成では、電力管理装置自体が動作するための電力の不足を抑制することができる。
【0015】
第6の態様では、上記第1から第5のいずれかの態様において、前記電力管理装置は、前記発電装置により発電した電力を定常の供給電圧よりも低い電圧で前記特定の地域内の前記配電線に供給してもよい。
【0016】
このような構成では、消費電力を低減しつつ、特定の地域内に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1の電力供給システムの構成を示す模式図。
【
図2】実施例1の電力管理装置と家屋の構成を示す模式図。
【
図3】実施例1の電力管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャート。
【
図5】実施例2の電力管理装置と家屋の構成を示す模式図。
【
図6】実施例2の電力管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
以下、図面を参照して、実施例1の電力供給システム2について説明する。
図1に示すように、電力供給システム2は、発電所10と、給電指令所12と、複数の電力管理装置14と、複数の家屋16と、を備える。
【0019】
発電所10は、発電した電力を給電指令所12に供給する。発電所10の発電方法は特に限定されるものではなく、例えば、火力発電、水力発電、原子力発電等が挙げられる。給電指令所12は、配電線18を介して、各地域A~Fに設けられている各電力管理装置14に電力を供給する。
【0020】
各地域A~F内には、複数の家屋16が建てられている。各地域A~Fに設けられている電力管理装置14は、配電線20を介してそれぞれの地域内の家屋16に電力を供給する。以下では、説明の便宜上、地域B内に設けられた電力管理装置14を電力管理装置14Bといい、地域B内に建てられた家屋16をそれぞれ家屋16a、16bという。
【0021】
図2は、地域B内の家屋16aを模式的に示している。
図2に示すように、家屋16a内には、発電装置22が設けられている。本実施例では、発電装置22は、燃料電池発電装置22aである。以下、説明の便宜上、「燃料電池」を「FC」と表記することがある。FC発電装置22aは、燃料電池を用いて水素と酸素の電気化学反応により発生した電力を出力する装置である。FC発電装置22aは、電力管理装置14Bと通信可能に構成されている。また、FC発電装置22aは、送電線32を介して、発電した電力を電力管理装置14Bに送電することができるように構成されている。本実施例では、地域B内の家屋16b内にも同様に、FC発電装置22bが設けられている。また、地域A、C~F内の各家屋16内にも、FC発電装置22が設けられている。各地域A、C~F内の各FC発電装置22も同様に、同じ地域の電力管理装置14と通信可能に構成されている。
【0022】
本実施例の電力供給システム2において、落雷等によって、給電指令所12から各地域A~F内の電力管理装置14へ電力を供給するための配電線18が断線する場合がある。例えば、
図1に示すように、地点Mにおいて配電線18の断線が生じた場合、地域B及びC内への電力管理装置14への電力供給が途絶える。その結果、地域B及びC内で利用可能な電力が不足する。本実施例の電力供給システム2では、このような場合であっても、地域B及びC内の電力を賄うことができる。
図3は、配電線18が断線した場合等に、地域B内の電力管理装置14Bが実行する処理を示すフローチャートである。
【0023】
まず、S12において、電力管理装置14Bは、地域B内の電力が不足しているか否かを判断する。上述したように、例えば、地点Mにおいて配電線18が断線した場合、給電指令所12からの電力供給が途絶えるため、地域B内には十分な電力が供給されない。電力管理装置14Bは、例えば、季節や時間帯に対応する電力消費量の過去の実績に基づいて電力需要量を予測し、地域B内で必要とする電力が不足していると判断する場合(S12でYES)、S14へ進む。
【0024】
次に、S14において、電力管理装置14Bは、地域B内の不足電力量を算出する。例えば、電力管理装置14Bは、予測した電力需要量と供給可能な電力量との差を不足電力量として算出する。
【0025】
次に、S16において、電力管理装置14Bは、地域B内に設置されている発電装置22に対して、余剰電力を発電する指令を送信する。ここでは、電力管理装置14Bは、複数の発電装置22のうち、売電価格が最も低い発電装置22に対して当該指令を送信する。電力管理装置14Bは、地域B内に設置されている発電装置22が発電する電力の価格に関する情報を記憶している。
図4は、地域B内に設置されているFC発電装置22a、22bの売電価格の一例を示す表である。
図4に示すように、FC発電装置22aの売電価格は14円/kWhであり、FC発電装置22bの売電価格は16円/kWhである。このため、電力管理装置14Bは、より売電価格が低いFC発電装置22aに対して、余剰電力を発電する指令を送信する。
【0026】
次に、S18において、電力管理装置14Bは、FC発電装置22aから電力が供給されたか否かを判断する。電力管理装置14Bは、送電線32を介してFC発電装置22aから電力が供給された場合(S18でYES)、S20に進む。
【0027】
S20では、電力管理装置14Bは、地域B内の電力不足が解消したか否かを判断する。電力管理装置14Bは、電力不足が解消していないと判断する場合(S20でNO)、S16に戻って、余剰電力を発電する指令を送信していない発電装置22のうち、最も売電価格が低い発電装置22に対して、余剰電力を発電する指令を送信する。すなわち、本実施例では、S20からS16に戻った場合、FC発電装置22bに対して当該指令を送信する。一方、電力管理装置14Bは、地域B内の電力不足が解消したと判断する場合(S20でYES)、一連の処理を終了する。
【0028】
以上に説明したように、本実施例の電力供給システム2では、各地域A~F内において、電力管理装置14と各家屋16に設置されている発電装置22とが互いに通信可能に構成されている。そして、上述の通り、電力管理装置14Bは、地域B内に供給される電力が不足している場合に(S12でYES)、地域B内に設けられた発電装置22に余剰電力を発電する指令を送信する(S16)。電力管理装置14Bは、発電装置22が発電した余剰電力を地域B内の配電線20に供給することにより、地域B内で不足している電力を賄うことができる。
【0029】
また、本実施例では、地域B内の電力が不足している場合に(S12でYES)、売電価格が低い発電装置(地域BではFC発電装置22a)により発電された余剰電力を利用する。このため、システムを稼働するためのコストを低減することができる。
【0030】
(実施例2)
実施例2では、家屋16に設けられる発電装置22の種類が実施例1と異なっている。実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。実施例2では、家屋16aにはFC発電装置22a(
図2参照)が設けられている一方、
図5に示すように、家屋16bの屋根上には、太陽光発電装置22bが設けられている。太陽光発電装置22bは、太陽光パネルにより、太陽の光エネルギーを電力に変換して出力する装置である。太陽光発電装置22bは、電力管理装置14Bと通信可能に構成されている。また、太陽光発電装置22bは、送電線34を介して、発電した電力を電力管理装置14Bに送電することができるように構成されている。
図6は、実施例1と同様に、配電線18が断線した場合等に、地域B内の電力管理装置14Bが実行する処理を示すフローチャートである。
【0031】
図6のS22の処理は、
図3のS12の処理と同様である。S24において、電力管理装置14Bは、地域B内の電力の不足量が所定の閾値Wthよりも大きいか否かを判断する。電力管理装置14Bは、不足電力量が閾値Wthよりも大きいと判断する場合(S24でYES)にはS26へ進み、不足電力量が閾値Wthよりも小さいと判断する場合(S24でNO)にはS32へ進む。
【0032】
電力管理装置14Bは、不足電力量が閾値Wthよりも大きいと判断する場合(S24でYES)、S26において、地域B内に設置されている発電装置22の中で、発電能力が高い発電装置22に対して余剰電力を発電する指令を送信する。本実施例では、地域B内に、FC発電装置22aと太陽光発電装置22bが設置されている。一般的に、太陽光発電装置22bは大型であり、その発電能力は、FC発電装置22aの発電能力よりも高い。このため、S26では、電力管理装置14Bは、太陽光発電装置22bに対して上記指令を送信する。その後のS28及びS30の処理は、
図3のS18及びS20の処理と同様である。
【0033】
電力管理装置14Bは、不足電力量が閾値Wthよりも小さいと判断する場合(S24でNO)、S32において、地域B内に設置されている発電装置22の中で、発電能力が低い発電装置22に対して余剰電力を発電する指令を送信する。すなわち、電力管理装置14Bは、FC発電装置22aに対して上記指令を送信する。その後のS34及びS36の処理は、
図3のS18及びS20の処理と同様である。
【0034】
以上に説明したように、実施例2の電力供給システム2では、地域B内の電力の不足量に応じて、発電能力が異なる発電装置22に対して余剰電力を発電する指令を送信する。このような構成とすることにより、電力の不足量が大きい(すなわち、所定の閾値Wthよりも大きい)場合(S24でYES)には、発電能力が高い太陽光発電装置22bに指令を送信することで、電力不足を迅速に解消することができる。また、電力の不足量が小さい(すなわち、所定の閾値Wthよりも小さい)場合(S24でNO)には、発電能力が低いFC発電装置22aに指令を送信することで、余剰電力の発電量の微調整を行い易く、過剰な発電を抑制することができる。
【0035】
なお、実施例2の
図6の処理において、実施例1のように、各発電装置22の売電価格を比較し、より売電価格が低い発電装置22に対して上記指令を送信する処理をさらに実行してもよい。
【0036】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下、上述した実施例の変形例を以下に列挙する。
【0037】
上述した各実施例において、各電力管理装置14が蓄電手段を備えてもよい。例えば、各電力管理装置14が、太陽光電池、二次電池、または発電手段等を備えてもよい。このような構成では、電力管理装置14自身の動作(例えば、
図3及び
図6の処理の実行等)のための電力の不足を抑制することができる。
【0038】
また、上述した各実施例において、電力の不足が生じた場合に、各電力管理装置14は、配電線20に送電する電力を定常の給電電圧よりも低い電圧で供給してもよい。例えば、電力管理装置14は、配電線20に送電する電力の電圧を調整するための調整器を備えてもよい。このような構成では、地域内の電力が不足した際に、消費電力を低減しつつ、当該地域内に好適に電力を供給することができる。
【0039】
また、上述した実施例において、発電装置22は、家屋16に設置されていなくてもよい。すなわち、各発電装置22は、家庭用の発電装置でなくてもよい。
【0040】
また、上述した各実施例では、電力管理装置14が、余剰電力の価格情報や発電装置22の発電能力に基づいて、指令を送信する発電装置22を選択した(
図3のS16、
図6のS24)が、例えば、指令を送信する発電装置22は、ランダムに選択されてもよい。また、一度に複数の発電装置22に対して指令を送信してもよい。
【0041】
また、上述した実施例において、例えば、地点Mで断線が生じた場合に、地域B内の発電装置22により発電した余剰電力を、配電線18を介して地域C内の電力管理装置14に送電してもよい。
【0042】
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0043】
2:電力供給システム、10:発電所、12:給電指令所、14:電力管理装置、16:家屋、18:配電線、20:配電線、22:発電装置