(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168678
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01G4/30 201M
H01G4/30 201N
H01G4/30 201L
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
H01G4/30 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085554
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】星野 悠太
(72)【発明者】
【氏名】大島 知也
(72)【発明者】
【氏名】大川 紀行
(72)【発明者】
【氏名】坪川 大将
(72)【発明者】
【氏名】中野 充
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AD02
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】絶縁膜の外表面が静電気を帯びやすい。
【解決手段】電子部品10は、素体20と、素体20の外表面を覆う絶縁膜50と、絶縁膜50の外表面を覆う第1下地電極及び第2下地電極と、絶縁膜50よりも電気伝導率が大きい帯電防止層70と、を備えている。帯電防止層70は、素体20の外表面と、絶縁膜50の内面と、の間に位置している。且つ、帯電防止層70は、第1下地電極と第2下地電極との間で不連続になっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、
前記素体の外表面を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜の外表面を覆う第1下地電極と、
前記第1下地電極とは離れた箇所で前記絶縁膜の外表面を覆う第2下地電極と、
前記絶縁膜よりも電気伝導率が大きい帯電防止層と、
を備え、
前記帯電防止層は、前記素体の外表面と、前記絶縁膜の内面と、の間に位置しており、且つ、前記帯電防止層は、前記第1下地電極と前記第2下地電極との間で不連続になっている
電子部品。
【請求項2】
前記帯電防止層の材質は、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上の元素を含む
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記帯電防止層の材質は、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、TiO2から選ばれる1以上を含む
請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記素体の外表面のうち、前記帯電防止層に覆われている部分の任意の点における当該外表面に直交する方向を、当該点における厚さ方向としたとき、
前記任意の点での前記厚さ方向において、前記絶縁膜の寸法に対する前記帯電防止層の寸法の比は、0.05以上0.20以下である
請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記素体の外表面のうち、前記帯電防止層に覆われている部分の任意の点における当該外表面に直交する方向を、当該点における厚さ方向としたとき、
前記任意の点での前記厚さ方向において、前記絶縁膜の寸法は10nm以上500nm以下である
請求項1に記載の電子部品。
【請求項6】
前記絶縁膜の材質は、Agを含まない
請求項1に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電子部品は、素体と、絶縁膜と、下地電極と、を備えている。絶縁膜は、第1層と、第2層と、を備えている。第1層は、素体の外表面を覆っている。第2層は、第1層の外表面を覆っている。第1層及び第2層は、いずれも絶縁性の金属酸化物を有する。下地電極は、第1下地電極と、第2下地電極と、を含む。各下地電極は、それぞれ第2層の外表面の一部分を覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような電子部品において、絶縁膜は、外部に露出した部分を有する。ここで、複数の電子部品の絶縁膜同士、又は電子部品の絶縁膜が他の物体と擦れることで、絶縁膜の外表面に静電気が発生し得る。そして、特許文献1の電子部品の絶縁膜は絶縁性を有することから、絶縁膜のうちの外部に露出する面に帯電した静電気は、消散しにくい。換言すると、電子部品の絶縁膜が絶縁性であるが故に、当該絶縁膜の外表面は、静電気を帯びやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、素体と、前記素体の外表面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜の外表面を覆う第1下地電極と、前記第1下地電極とは離れた箇所で前記絶縁膜の外表面を覆う第2下地電極と、前記絶縁膜よりも電気伝導率が大きい帯電防止層と、を備え、前記帯電防止層は、前記素体の外表面と、前記絶縁膜の内面と、の間に位置しており、且つ、前記帯電防止層は、前記第1下地電極と前記第2下地電極との間で不連続になっている電子部品である。
【発明の効果】
【0006】
絶縁膜の外表面に静電気が溜まることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図3は、帯電防止層近傍の拡大断面図である。
【
図4】
図4は、電子部品の製造工程の説明図である。
【
図5】
図5は、第1被覆体塗布工程の説明図である。
【
図6】
図6は、第2被覆体塗布工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<電子部品の一実施形態>
以下、電子部品の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図面中のものと異なる場合がある。
【0009】
(全体構成について)
図1に示すように、電子部品10は、例えば、回路基板等に実装される表面実装型の積層セラミックコンデンサである。
【0010】
電子部品10は、素体20を備えている。素体20は、略四角柱状であり、中心軸線CAを有する。なお、以下では、中心軸線CAに沿って延びる軸を第1軸Xとする。また、第1軸Xに直交する軸の1つを第2軸Yとする。そして、第1軸X及び第2軸Yに直交する軸を第3軸Zとする。さらに、第1軸Xに沿う方向の一方を第1正方向X1とし、第1軸Xに沿う方向のうち第1正方向X1と反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う方向の一方を第2正方向Y1とし、第2軸Yに沿う方向のうち第2正方向Y1と反対方向を第2負方向Y2とする。さらに、第3軸Zに沿う方向の一方を第3正方向Z1とし、第3軸Zに沿う方向のうち第3正方向Z1と反対方向を第3負方向Z2とする。
【0011】
素体20の外表面は、6個の平面を有している。なお、ここでいう素体20の「面」とは、素体20全体を観察したときに面として観察できるものをいう。つまり、例えば素体20の一部を顕微鏡等で拡大して観察しなければわからないような微小な凹凸、段差が存在しても、「平面」又は「曲面」と表現する。6個の平面は、互いに異なる方向を向いている。6個の平面は、第1正方向X1を向く第1端面21Aと、第1負方向X2を向く第2端面21Bと、第2正方向Y1を向く第1側面21Cと、第2負方向Y2を向く第2側面21Dと、第3正方向Z1を向く上面21Eと、第3負方向Z2を向く下面21Fと、である。
【0012】
素体20の第1軸Xに沿う方向の寸法は、第3軸Zに沿う方向の寸法よりも大きい。また、素体20の第1軸Xに沿う方向の寸法は、第2軸Yに沿う方向の寸法よりも大きい。素体20の材質は、誘電体セラミックである。具体的には、素体20の材質は、BaTiO3を主成分とする。また、素体20の材質は、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3等を主成分としてもよい。また、素体20の材質は、副成分として、Mn化合物、Co化合物、Si化合物または希土類化合物等を含んでいてもよい。
【0013】
図2に示すように、電子部品10は、2つの第1内部電極40Aと、2つの第2内部電極40Bと、を備えている。第1内部電極40A及び第2内部電極40Bは、素体20の内部に埋め込まれている。第1内部電極40Aの材質は、導電性の材料である。第1内部電極40Aの材質は、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Sn、Pd等の金属、又はこれらの金属を含む合金をさらに含んでいる。具体的には、第1内部電極40Aの材質は、Niである。第2内部電極40Bの材質は、第1内部電極40Aの材質と同一である。
【0014】
第1内部電極40Aの形状は、長方形板状である。第1内部電極40Aの主面は、第2軸Yに直交している。第2内部電極40Bの形状は、第1内部電極40Aと同じ長方形板状である。第2内部電極40Bの主面は、第1内部電極40Aと同様に、第2軸Yに直交している。
【0015】
第1内部電極40Aの第1軸Xに沿う方向の寸法は、素体20の第1軸Xに沿う方向の寸法より小さくなっている。また、
図1に示すように、第1内部電極40Aの第3軸Zに沿う方向の寸法は、素体20の第3軸Zに沿う方向の寸法の略3分の1となっている。図示は省略するが、第2内部電極40Bの第3軸Zに沿う方向の寸法は、第1内部電極40Aと同じ寸法となっている。
【0016】
図2に示すように、第1内部電極40Aと第2内部電極40Bとは、第2軸Yに沿う方向に互い違いに位置している。すなわち、第2正方向Y1に向かって、第1内部電極40A、第2内部電極40B、第1内部電極40A、第2内部電極40Bの順に並んでいる。本実施形態では、各内部電極間の第2軸Yに沿う方向の距離は、等しくなっている。
【0017】
図1に示すように、2つの第1内部電極40A及び2つの第2内部電極40Bは、いずれも、第3軸Zに沿う方向において、素体20の中央に位置している。その一方で、
図2に示すように、第1内部電極40Aは、第1正方向X1に寄って位置している。第2内部電極40Bは、第1負方向X2に寄って位置している。具体的には、第1内部電極40Aの第1正方向X1側の端は、素体20の第1正方向X1側の端と一致している。第1内部電極40Aの第1負方向X2側の端は、素体20の内部に位置しており、素体20の第1負方向X2側の端にまで至っていない。一方で、第2内部電極40Bの第1負方向X2側の端は、素体20の第1負方向X2側の端と一致している。第2内部電極40Bの第1正方向X1側の端は、素体20の内部に位置しており、素体20の第1正方向X1側の端にまで至っていない。
【0018】
図2に示すように、電子部品10は、絶縁膜50として、第1絶縁膜51Aと、第2絶縁膜51Bと、を有している。以下では、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bを区別する必要がない場合には、単に絶縁膜50と記載する。
【0019】
図1に示すように、第1絶縁膜51Aは、素体20の外表面を部分的に覆っている。具体的には、第1絶縁膜51Aは、上面21Eの全域を覆っている。第1絶縁膜51Aは、第1側面21C、第2側面21D、第1端面21A、及び第2端面21Bにおいて、各面の第3正方向Z1側の略半分の領域を覆っている。より詳細には、各面における第1絶縁膜51Aの端縁の形状は、第3負方向Z2に向かって凸の略円弧状になっている。第1絶縁膜51Aの主な材質は、絶縁性のガラスである。
【0020】
第2絶縁膜51Bは、素体20の外表面を部分的に覆っている。具体的には、第2絶縁膜51Bは、下面21Fの全域を覆っている。第2絶縁膜51Bは、第1側面21C、第2側面21D、第1端面21A、及び第2端面21Bにおいて、各面の第3負方向Z2側の略半分の領域を覆っている。より詳細には、各面における第2絶縁膜51Bの端縁の形状は、第3正方向Z1に向かって凸の略円弧状になっている。第2絶縁膜51Bの材質は、第1絶縁膜51Aと同様である。すなわち、第2絶縁膜51Bの主な材質は、絶縁性のガラスである。
【0021】
第2絶縁膜51Bは、第1側面21C及び第2側面21Dにおいて、第1絶縁膜51Aの表面の一部を覆っている。具体的には、第2絶縁膜51Bは、第1絶縁膜51Aの凸状の端縁の、先端近傍を覆っている。したがって、この部分は、第2絶縁膜51Bと第1絶縁膜51Aとの2層構造になっている。
【0022】
第2絶縁膜51Bは、第1端面21A及び第2端面21Bにおいて、第1絶縁膜51Aに対して離れている。その結果として、第1内部電極40Aは、第1端面21A上において第2絶縁膜51B及び第1絶縁膜51Aから露出している。また、第2内部電極40Bは、第2端面21B上において第2絶縁膜51B及び第1絶縁膜51Aから露出している。
【0023】
図2に示すように、電子部品10は、第1外部電極60Aと、第2外部電極60Bと、を備えている。
第1外部電極60Aは、第1下地電極61Aと、第1金属層62Aと、を有している。第1下地電極61Aは、素体20の外表面のうち、第1端面21Aを含む一部分において、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bの上から積層されている。具体的には、第1下地電極61Aは、素体20の第1端面21Aの全領域を覆っている。また、第1下地電極61Aは、素体20の上面21E、下面21F、第1側面21C、及び第2側面21Dにおいて、各面の第1正方向X1側の一部を覆っている。すなわち、第1下地電極61Aは5面電極である。この実施形態では、第1下地電極61Aの材質は、Cu及びガラスの混合物である。
【0024】
第1金属層62Aは、第1下地電極61Aを外部から覆っている。そのため、第1金属層62Aは、第1下地電極61Aに積層されている。図示は省略するが、第1金属層62Aは、第1下地電極61A側から順に、ニッケル層と、錫層と、の2層構造となっている。
【0025】
第2外部電極60Bは、第2下地電極61Bと、第2金属層62Bと、を有している。第2下地電極61Bは、第1下地電極61Aとは離れた箇所で、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bの外表面を覆っている。具体的には、第2下地電極61Bは、素体20の外表面のうち、第2端面21Bを含む一部分において、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bの上から積層されている。第2下地電極61Bは、素体20の第2端面21Bの全領域を覆っている。また、第2下地電極61Bは、上面21E、下面21F、第1側面21C、及び第2側面21Dにおいて、各面の第1負方向X2側の一部を覆っている。すなわち、第2下地電極61Bは5面電極である。この実施形態では、第2下地電極61Bの材質は、第1外部電極60Aの材質と同一である。すなわち、第2下地電極61Bの材質は、Cu及びガラスの混合物である。
【0026】
第2金属層62Bは、第2下地電極61Bを外部から覆っている。そのため、第2金属層62Bは、第2下地電極61Bに積層されている。具体的には、第2金属層62Bは、第1金属層62Aと同様に、ニッケルめっきと、錫めっきと、の2層構造となっている。
【0027】
第2外部電極60Bは、第1側面21C、第2側面21D、上面21E、下面21Fにおいて、第1外部電極60Aにまでは至っておらず、第1外部電極60Aに対して第1軸Xに沿う方向に離れて配置されている。そして、素体20の第1側面21C、第2側面21D、上面21E、下面21Fにおいて、第1軸Xに沿う方向の中央部分は、第1外部電極60A及び第2外部電極60Bが積層されておらず、絶縁膜50が露出している。なお、
図1及び
図2では、第1外部電極60A及び第2外部電極60Bは、二点鎖線で図示している。
【0028】
(帯電防止層について)
図3に示すように、電子部品10は、帯電防止層70を備えている。なお、
図2では、帯電防止層70の図示を省略している。また、
図3において、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bを区別せずに、両者を一体的な絶縁膜50として図示している。帯電防止層70は、素体20の外表面と、絶縁膜50の内面と、の間に位置している。後述するように、帯電防止層70は、いわゆるインクジェット印刷法による半導体等の製造に用いられる機能材料インクを、素体20に塗布することで形成される。帯電防止層70は、素体20の外表面の略全体に亘って、水玉模様状になっている。したがって、帯電防止層70は、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの間で不連続になっている。なお、不連続とは、次のようにして確認する。まず、透過型電子顕微鏡により、素体20の外表面に直交する方向の断面について、撮像又は観察を行う。そして、帯電防止層70が、5nm以上の間隔を空けて2以上に分離されていることを確認する。同様にして、帯電防止層70が分離されている断面が3以上存在している場合、帯電防止層70は不連続である。
【0029】
また、帯電防止層70の材質は、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上の元素を含んでいる。本実施形態において、帯電防止層70は、Agの粉末を含む機能材料インクから形成されたものである。したがって、帯電防止層70の材質は、Agを主成分とする。また、絶縁膜50の材質がガラスであることから、帯電防止層70は、絶縁膜50よりも電気伝導率が大きい。これにより、絶縁膜50及び帯電防止層70を含めた素体20の外表面を覆う被膜全体の体積抵抗率は、帯電防止層70の主成分であるAgの体積抵抗率よりもはるかに高い。また、このことからも、帯電防止層70は不連続であるといえる。
【0030】
ここで、絶縁膜50の外表面のうち、帯電防止層70に覆われている部分の任意の点Pにおける、当該外表面に直交する方向を、当該点Pにおける厚さ方向Tdとする。任意の点Pでの厚さ方向Tdにおいて、絶縁膜50の寸法TGに対する帯電防止層70の寸法TAの比は、0.05以上0.20以下である。具体的には、
図3において、任意の点Pでの厚さ方向Tdにおいて、絶縁膜50の寸法TGに対する帯電防止層70の寸法TAの比は、0.15である。また、任意の点Pでの厚さ方向Tdにおいて、絶縁膜50の寸法TGは10nm以上500nm以下である。具体的には、絶縁膜50の全体において寸法TGの最小値は、90.4nmである。絶縁膜50の寸法TGの最大値は、176.8nmである。
【0031】
(電子部品の製造方法について)
図4に示すように、電子部品10の製造方法は、素体準備工程S1と、帯電防止層印刷工程S2と、第1被覆体塗布工程S3と、第2被覆体塗布工程S4と、を備える。また、電子部品10の製造方法は、導電体塗布工程S5と、硬化工程S6と、めっき工程S7と、を備える。
【0032】
先ず、素体20を形成するにあたって、素体準備工程S1では、6つの平面を有する直方体状の素体20を準備する。例えば、先ず、素体20となる複数のセラミックスのシートを準備する。当該シートは、薄い板状である。当該シート上に、第1内部電極40Aとなる導電性ペーストを積層する。当該積層ペースト上に、素体20となるセラミックスのシートを積層する。当該シート上に、第2内部電極40Bとなる導電性ペーストを積層する。このように、セラミックスのシートと導電性ペーストとを積層する。そして、所定のサイズにカットすることで、未焼成の積層体を形成する。その後、未焼成の積層体を高温で焼成することで、素体20を成形する。
【0033】
素体準備工程S1の後に、帯電防止層印刷工程S2を行う。帯電防止層印刷工程S2では、素体準備工程S1で成形した素体20の外表面に、帯電防止層70の原料として、金属粉末を含む機能材料インクを印刷する。機能材料インクを印刷する方法は、いわゆるインクジェット印刷法である。また、機能材料インクに含まれる材料は、例えば特開2021-024992号公報に記載されているような、公知の製造方法に準じて決定できる。具体的には、機能材料インクは、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上の元素を含んでいる。本実施形態においては、機能材料インクは、Agを主成分とする。帯電防止層印刷工程S2では、帯電防止層70が、5nm以上の間隔を空けてドット状に、素体20の外表面の略全体に亘って塗布される。
【0034】
次に、第1被覆体塗布工程S3を行う。
図5に示すように、第1被覆体塗布工程S3では、素体20の第3正方向Z1側に、金属アルコキシドを含む被覆体82を塗布する。被覆体82は、溶液状態のゾルである。そのため、被覆体82を乾燥させると、ゾルよりも粘度の高い状態のゲルとなる。ゲルをさらに乾燥させると、固形化する。
【0035】
第1被覆体塗布工程S3では、まず、反応容器81内に、被覆体82を準備する。そして、素体20の第3負方向Z2側に粘着板を張り付けることで、素体20を保持する。なお、
図5では、粘着板の記載を省略している。次に、素体20の第3正方向Z1側が、反応容器81内の被覆体82を向くように姿勢を合わせる。素体20の第3正方向Z1側の略3分の1だけ、被覆体82の中に浸漬する。これにより、被覆体82は、素体20の第1端面21A、第2端面21B、第1側面21C、第2側面21Dの各面において、当該被覆体82の端縁が略円弧状となるように塗布される。より具体的には、被覆体82は、素体20の角から遠い部分ほど、第3正方向Z1側に凸の形状となるように塗布される。また、第1端面21A及び第2端面21Bにおける被覆体82が覆っている範囲の端縁は、第3軸Zに沿う方向において、素体20の中央よりも第3正方向Z1側に位置する。第1側面21C及び第2側面21Dにおける被覆体82が覆っている範囲の端縁は、第3軸Zに沿う方向において、素体20の中央よりも第3負方向Z2側に位置する。その後、素体20に塗布された被覆体82を乾燥させる。
【0036】
次に、第2被覆体塗布工程S4を行う。
図6に示すように、第2被覆体塗布工程S4では、素体20の第3負方向Z2側に、金属アルコキシドを含む被覆体82を塗布する。具体的には、素体20の第3正方向Z1側に粘着板を張り付けることで、素体20を保持する。なお、
図6では、粘着板の記載を省略している。次に、素体20の第3負方向Z2側が、反応容器81内の被覆体82を向くように姿勢を合わせる。なお、第2被覆体塗布工程S4における反応容器81及び被覆体82は、第1被覆体塗布工程S3で使用した反応容器81及び被覆体82である。素体20の第3正方向Z1側の略3分の1だけ、被覆体82の中に没入させる。被覆体82は、素体20の第1端面21A、第2端面21B、第1側面21C、第2側面21Dの各面において、当該被覆体82の端縁が略円弧状となるように塗布される。より具体的には、被覆体82は、素体20の角から遠い部分ほど、第3負方向Z2側に凸の形状となるように塗布される。また、第1端面21A及び第2端面21Bにおける被覆体82が覆っている範囲の端縁は、第3軸Zに沿う方向において、素体20の中央よりも第3負方向Z2側に位置する。第1側面21C及び第2側面21Dにおける被覆体82が覆っている範囲の端縁は、第3軸Zに沿う方向において、素体20の中央よりも第3正方向Z1側に位置する。その後、素体20に塗布された被覆体82を乾燥させる。なお、この結果として、
図1に示すように、素体20、第1内部電極40A、及び第2内部電極40Bの一部分は、外面に露出している。
【0037】
次に、導電体塗布工程S5を行う。導電体塗布工程S5では、まず、第1端面21Aの全領域を含む素体20の第1正方向X1側の一部分に対して、金属アルコキシドを含む導電体ペーストを塗布する。導電体ペーストは、ゾル状である。そして、素体20に塗布された導電体ペーストを乾燥させる。次に、第2端面21Bの全領域を含む、素体20の第2負方向Y2側の一部分に対して、導電体ペーストを塗布する。そして、素体20に塗布された導電体ペーストを乾燥させる。これにより、第1端面21A及び第2端面21Bに塗布されたゾル状の導電体ペーストは、ゲル状になる。
【0038】
次に、硬化工程S6を行う。具体的には、硬化工程S6では、被覆体82及び導電体ペーストを塗布した素体20を加熱する。本実施形態では、窒素雰囲気において、導電体ペーストが塗布された素体20を加熱する。これにより、ゲル状の被覆体82から水及びポリマーが気化することで、素体20の外表面の一部分を覆う被覆体82が硬化する。すなわち、絶縁膜50としてガラス膜が焼成される。さらに、素体20の外表面に塗布された導電体ペーストが硬化する。すなわち、第1下地電極61A及び第2下地電極61Bが焼成される。
【0039】
次に、めっき工程S7を行う。めっき工程S7では、第1下地電極61A及び第2下地電極61Bの部分をめっき液に浸して、電気めっきを行う。めっき工程S7により、第1下地電極61Aの表面に第1金属層62Aが形成される。また、めっき工程S7により、第2下地電極61Bの表面に第2金属層62Bが形成される。図示は省略するが、第1金属層62A及び第2金属層62Bは、ニッケル、錫の2種類で電気めっきされることで、2層構造となる。このようにして、電子部品10が形成される。
【0040】
(本実施形態の効果について)
(1)上記実施形態において、帯電防止層70は、素体20の外表面と、絶縁膜50のうち外部に露出している部分の内面と、の間に位置している。これにより、絶縁膜50の材質がガラスであるために電気抵抗値が高くても、絶縁膜50及び各帯電防止層70を含めた素体20の外表面を覆う被膜全体の電気抵抗値は、静電気が拡散し得る程度の電気抵抗値になる。これにより、複数の電子部品10の絶縁膜50同士、又は電子部品10の絶縁膜50と他の物体とが擦れたとしても、絶縁膜50の外表面に静電気が溜まりにくい。
【0041】
(2)上記実施形態において、帯電防止層70は、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの間で不連続になっている。これにより、一部の帯電防止層70が各下地電極又は各内部電極に接触していたとしても、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの間で短絡してしまうことを防げる。
【0042】
(3)上記実施形態において、帯電防止層70の材質は、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上を含む。これらの金属は、静電気の発生を抑制させる帯電防止層70の材質として好適である。
【0043】
(4)上記実施形態によれば、素体20の外表面のうち帯電防止層70に覆われている部分の任意の点Pにおいて、絶縁膜50の厚さ方向Tdの寸法TGに対する、帯電防止層70の厚さ方向Tdの寸法TAの比は、0.05以上0.20以下である。上記比が当該数値範囲内にあることで、絶縁膜50の表面に帯電した静電気が帯電防止層70へと至りやすい。その一方で、絶縁膜50及び帯電防止層70を含めた素体20の外表面を覆う被膜全体の電気抵抗値が小さくなりすぎることを抑制できる。つまり、素体20の外表面を覆う被膜全体として十分な絶縁性を確保できる。
【0044】
(5)上記実施形態において、素体20の外表面のうち、帯電防止層70に覆われている部分の任意の点Pにおいて、帯電防止層70を覆う絶縁膜50の寸法TGは、10nm以上500nm以下である。絶縁膜50の寸法TGが10nm未満の場合、物理的な衝撃から素体20を保護しにくい。絶縁膜50の寸法TG500nmより大きい場合、外表面から帯電防止層70までの距離が大きくなり、静電気の発生を抑制しにくい。したがって、絶縁膜50の寸法TGが上記数値範囲内にあることで、素体20を物理的な衝撃から保護しつつ、絶縁膜50の外部に露出する部分において、静電気が溜まることを抑制しやすい。
【0045】
(6)上記実施形態では、絶縁膜50はAgを含まない。そのため、第1外部電極60A及び第2外部電極60B間に電圧を印加した場合でも、絶縁膜50中の金属成分がマイグレーションすることはない。つまり、絶縁膜50の表面に金属が異常析出してしまうことを防げる。
【0046】
<変更例>
上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0047】
(全体構成の変更例について)
・電子部品10は、積層セラミックコンデンサに限られない。例えば、負特性サーミスタ部品やインダクタ部品であってもよい。
【0048】
・素体20の材質は、上記実施形態の例に限られない。素体20の材質は、樹脂と金属粉体とのコンポジット体であってもよい。
・素体20の形状は、上記実施形態の例に限られない。例えば、素体20は、中心軸線CAを有する四角形柱状以外の多角形柱状であってもよい。また、素体20は、巻線型のインダクタ部品のコアであってもよい。例えば、コアは、いわゆるドラムコア形状であってもよい。具体的には、コアは、柱状の巻芯部と、巻芯部の各端部に設けられた鍔部とを有していてもよい。
【0049】
・第1内部電極40Aの材質及び形状等の構成、及び第2内部電極40Bの材質及び形状等の構成は、それぞれに対応する第1外部電極60A及び第2外部電極60Bとの電気的導通を確保できれば、上記実施形態の例に限られない。また、第1内部電極40A及び第2内部電極40Bの数は問わず、内部電極の数が1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。つまり、電子部品10として求められる性能等に応じて、内部電極の構成は適宜に変更できる。
【0050】
・第1下地電極61Aの構成は、上記実施形態の例に限られない。具体的には、めっき工程S7において、第1下地電極61Aに第1金属層62Aが積層されるような材質であればよい。例えば、第1下地電極61Aは、銀のみでもよいし、銅を含んでいてもよい。例えば、第1下地電極61Aの材質は、樹脂と金属の混合体であってもよい。また、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの材質が異なっていてもよい。この点、第2下地電極61Bについても同様である。
【0051】
・第1外部電極60Aの構成は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1金属層62Aは、2層構造でなくてもよい。さらに、第1外部電極60Aは、第1下地電極61Aのみで構成されていてもよい。この点、第2外部電極60Bについても同様である。
【0052】
・第1外部電極60Aの配置箇所は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1外部電極60Aが第1端面21Aと上面21Eとにのみ配置されていてもよい。この点、第2外部電極60Bについても同様である。
【0053】
・絶縁膜50の構成は、上記実施形態の例に限られない。例えば、素体20の形状、第1外部電極60A及び第2外部電極60Bの位置等に併せて、第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bが覆う範囲を適宜変更してもよい。
【0054】
・第1絶縁膜51Aの形状等の構成は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1絶縁膜51Aの端縁の形状は、直線状であってもよい。第1絶縁膜51Aの端縁がどのような形状になるのかは、被覆体82の物性、絶縁膜50を素体20に塗布する方法等によって変わり得る。この点、第2絶縁膜51Bについても同様である。
【0055】
・第1絶縁膜51A及び第2絶縁膜51Bが覆っている範囲は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第2絶縁膜51Bは、第1側面21C及び第2側面21Dにおいて第1絶縁膜51Aの端縁近傍を覆っていなくてもよい。
【0056】
・絶縁膜50のうち第1下地電極61Aに覆われている部分について、絶縁膜50に含まれるガラスが、第1下地電極61Aに拡散することで、絶縁膜50及び第1下地電極61Aが一体化していることもある。この点、第2下地電極61Bについても同様である。
【0057】
・絶縁膜50の材質は、上記実施形態の例に限られない。例えば、ガラスは、二酸化ケイ素のみに限られず、B-Si系、Si-Zn系、Zr-Si系、Al-Si系の酸化物のように、Siを含む多成分系の酸化物であってもよい。また、ガラスは、Al-Si系、Na-Si系、Li-Si系の酸化物のように、アルカリ金属とSiを含む多成分系の酸化物であってもよい。さらに、ガラスは、Mg-Si系、Ca-Si系、Ba-Si系、Sr-Si系のようにアルカリ土類金属とSiを含む多成分系の酸化物であってもよい。また、絶縁膜50は、ガラスでなくてもよい。例えば、絶縁膜50の材質は、無機酸化物、セラミック等であってもよい。また、第1絶縁膜51Aと第2絶縁膜51Bとの材質が異なっていてもよい。
【0058】
・第1下地電極61Aの材質は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1下地電極61Aの材質は、樹脂と金属の混合体であってもよい。この点、第2下地電極61Bにおいても同様である。また、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの材質が異なっていてもよい。
【0059】
(帯電防止層の変更例について)
・帯電防止層70の材質は、上記実施形態の例に限られない。例えば、帯電防止層70の材質は、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上の元素を含んでいなくてもよい。帯電防止層70の材質がこれらの元素を含んでいなくても、帯電防止層70電気伝導率が絶縁膜50よりも大きければ、(1)に記載の効果が得られる。また、帯電防止層70の材質は、上記元素を含む錯体、及び金属塩などの前駆体でもよい。例えば上記実施形態において、帯電防止層70は、Agを含む錯体又は金属塩を材質とする機能材料インクであってもよい。
【0060】
また、帯電防止層70の材質は、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、TiO2から選ばれる1以上の金属酸化物を含んでいてもよい。この場合においても、(2)に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0061】
・各帯電防止層70の形状は問わない。第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの間で帯電防止層70が不連続になっていれば、各帯電防止層70の形状はどのような形状であってもよい。さらに、各帯電防止層70の形状が揃っている必要はない。例えば、帯電防止層70毎の形状がランダムに異なっていてもよい。
【0062】
・上記実施形態において、任意の点Pでの厚さ方向Tdにおいて、絶縁膜50の寸法TGに対する帯電防止層70の寸法TAの比は、0.05より小さくてもよいし、0.20より大きくてもよい。この場合においても、絶縁膜50の表面において、静電気の発生を抑制し得る。
【0063】
・上記実施形態において、任意の点Pでの厚さ方向Tdにおいて、絶縁膜50の寸法TGは10nm未満でもよいし、500nmより大きくてもよい。これらの場合であっても、当該任意の点Pでの厚さ方向Tdにおける帯電防止層70の寸法TAを調整することにより、静電気の発生を抑制し得る。
【0064】
(製造方法の変更例について)
・帯電防止層印刷工程S2において、帯電防止層70を形成する方法は、上記実施形態の例に限られない。製造後において、第1下地電極61Aと第2下地電極61Bとの間で帯電防止層70が不連続になっていればよい。
【0065】
・第1被覆体塗布工程S3及び第2被覆体塗布工程S4において、金属アルコキシドに代えて、金属アルコキシドを生成するための前駆体を含む溶液を使用してもよい。例えば、金属アルコキシド前駆体である金属錯体や酢酸塩を使用してもよい。金属錯体としては、例えば、リチウムアセチルアセトナート、チタン(IV)オキシアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウム(IV)トリフルオロアセチルアセトナート、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート、アセチルアセトン酸アルミニウム、アルミニウム(III)アセチルアセトナート、カルシウム(II)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトナートが挙げられる。また例えば、酢酸塩としては、酢酸ジルコニウム、酢酸水酸化ジルコニウム(IV)、塩基性酢酸アルミニウムが挙げられる。
【0066】
・第1被覆体塗布工程S3及び第2被覆体塗布工程S4において、被覆体82を塗布する方法は、上記実施形態の例に限られない。例えば、印刷、スピンコート等によって、被覆体82を素体20の表面に積層させてもよい。この点、導電体塗布工程S5において導電体ペーストを塗布する方法についても同様である。
【0067】
・硬化工程S6は、絶縁膜50と導電体ペーストとを同時に硬化させる工程に限られない。例えば、導電体ペーストが紫外線照射によって硬化される材料であるならば、絶縁膜50を硬化させる工程として加熱を行い、導電体ペーストを硬化させる工程として紫外線照射をしてもよい。
【0068】
<付記>
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に記載する。
[1]
素体と、
前記素体の外表面を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜の外表面を覆う第1下地電極と、
前記第1下地電極とは離れた箇所で前記絶縁膜の外表面を覆う第2下地電極と、
前記絶縁膜よりも電気伝導率が大きい帯電防止層と、
を備え、
前記帯電防止層は、前記素体の外表面と、前記絶縁膜の内面と、の間に位置しており、且つ、前記帯電防止層は、前記第1下地電極と前記第2下地電極との間で不連続になっている電子部品。
【0069】
[2]
前記帯電防止層の材質は、Ag、Cu、Ni、Sn、Au、Ptから選ばれる1以上の元素を含む[1]に記載の電子部品。
【0070】
[3]
前記帯電防止層の材質は、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、TiO2から選ばれる1以上を含む[1]又は[2]に記載の電子部品。
【0071】
[4]
前記素体の外表面のうち、前記帯電防止層に覆われている部分の任意の点における当該外表面に直交する方向を、当該点における厚さ方向としたとき、
前記任意の点での前記厚さ方向において、前記絶縁膜の寸法に対する前記帯電防止層の寸法の比は、0.05以上0.20以下である[1]~[3]のいずれか1つに記載の電子部品。
【0072】
[5]
前記素体の外表面のうち、前記帯電防止層に覆われている部分の任意の点における当該外表面に直交する方向を、当該点における厚さ方向としたとき、
前記任意の点での前記厚さ方向において、前記絶縁膜の寸法は10nm以上500nm以下である[1]~[4]のいずれか1つに記載の電子部品。
【0073】
[6]
前記絶縁膜の材質は、Agを含まない[1]~[5]のいずれか1つに記載の電子部品。
【符号の説明】
【0074】
10 …電子部品
20 …素体
40A…第1内部電極
40B…第2内部電極
50 …絶縁膜
51A…第1絶縁膜
51B…第2絶縁膜
61A…第1下地電極
61B…第2下地電極
70 …帯電防止層
71 …導電性物質
P …点
Td …厚さ方向
TG …寸法
TA …寸法