(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168684
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】警報システム及び警報方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241128BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20241128BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08B21/00 U
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085560
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000233169
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂呂 雄己
【テーマコード(参考)】
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086DA08
5C086FA01
5C086FA11
5C086FA20
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB17
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】移動体の搭乗者に対して異常の発生をより確実に伝えることが可能な警報システムを提供する。
【解決手段】音源体102は、搭乗者に向けて音として警告音を出力する。振動体103は、搭乗者に対して振動を与える。光源体104は、搭乗者に向けて光を出射する。異常検知システム101は、車両1の異常の有無を監視し、異常を検知した場合、音源体102、振動体103及び光源体104の全てを駆動して、前記移動体の異常を前記搭乗者に通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される警報システムであって、
前記移動体の搭乗者に向けて光を出射する光源体と、
前記搭乗者に向けて音を出力する音源体と、
前記搭乗者に対して振動を与える振動体と、
前記移動体の異常の有無を監視し、当該異常を検知した場合、前記光源体、前記音源体及び前記振動体の全てを駆動して、前記移動体の異常を前記搭乗者に通知する制御部と、を有する警報システム。
【請求項2】
前記音源体は、前記搭乗者が着座するシートのヘッドレストに設けられる、請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記振動体は、前記搭乗者が着座するシートの座面に設けられる、請求項1に記載の警報システム。
【請求項4】
前記光源体は、前記移動体に備わった窓の窓枠に設けられる、請求項1に記載の警報システム。
【請求項5】
前記音源体及び前記振動体は、前記移動体を操縦する操縦者用のシートと、前記移動体に同乗する同乗者用のシートとの両方に設けられる、請求項1に記載の警報システム。
【請求項6】
前記移動体は、自動車又は飛行機である、請求項1に記載の警報システム。
【請求項7】
移動体に搭載される警報システムによる警報方法であって、
前記警報システムは、前記移動体の搭乗者に向けて光を出射する光源体と、前記搭乗者に向けて音を出力する音源体と、前記搭乗者に対して振動を与える振動体とを備え、
前記移動体の異常の有無を監視し、
異常を検知した場合、前記光源体、前記音源体及び前記振動体の全てを駆動して、前記移動体の異常を前記搭乗者に通知する、警報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、警報システム及び警報方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のような移動体には、異常の発生を操縦者に通知する警報システムが備わっていることがある。例えば、特許文献1には、車両停止が必要となる事態の発生が予測される場合に、操縦者に対して注意喚起を促す車両停止警報システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の車両停止警報システムは、車両を停止させるエリアの近傍にある道路に沿って配設された発信器と、車両に搭載された受信器とを有する。発信器は、近づいてくる車両に信号を発信する。受信器が発信機からの信号を受信すると、車両停止警報システムは、その信号に基づいて、操縦者に対して警報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、警報を出力する装置として音源体、光源体及び振動体のいずれか1つが使用されている。しかしながら、音源体、光源体及び振動体のいずれか1つでは、警報が操縦者に伝わらない恐れがある。例えば、日光が強い場合、光源体からの光が運転手に視認されないことがある。また、特許文献1に記載の技術では、警報の通知先が操縦者に限定されるため、同乗者には異常の発生が伝わらない恐れもある。
【0006】
本開示の目的は、移動体の搭乗者に対して異常の発生をより確実に伝えることが可能な警報システム及び警報方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に従う警報システムは、移動体に搭載される警報システムであって、前記移動体の搭乗者に対して光を出射する光源体と、前記搭乗者に向けて音を出力する音源体と、前記搭乗者に対して振動を与える振動体と、前記移動体の異常の有無を監視し、当該異常を検知した場合、前記光源体、前記音源体及び前記振動体の全てを駆動して、前記移動体の異常を前記搭乗者に通知する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体の搭乗者に対して異常の発生をより確実に伝えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態の警報システムを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態の警報システムが搭載される車両の一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態の警報システムによる異常通知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態の警報システムを示す図である。
図1に示す警報システム100は、自動車などの車両1に搭載され、異常検知システム101と、音源体102と、振動体103と、光源体104とを有する。異常検知システム101は、音源体102、振動体103及び光源体104のそれぞれと通信可能に接続される。
【0012】
車両1は、搭乗者が着座するシート2と、搭乗者が車両1の外を視認するための窓3とを有する。シート2は、ヘッドレスト21と、背もたれ22と、座面23とを有する。シート2及び窓3は、
図1の例では、1つずつ示されているが、
図2に示すように、複数ずつ存在してもよい。
図2の例では、シート2として、車両1を運転(操縦)する運転手(操縦者)用のシート2Aと車両1に同乗する同乗者用のシート2Bとが示され、窓3として、フロント窓3Aと同乗者側のサイド窓3Bとが示されているが、シート2及び窓3の構成はこの例に限らない。例えば、当然ながら窓3は、運転手側のサイド窓を含んでもよい。
【0013】
図1の説明に戻る。異常検知システム101は、車両1に搭載されている車載システムであり、音源体102、振動体103及び光源体104を制御する制御部として機能する。具体的には、異常検知システム101は、車両1の異常の有無を監視し、異常を検知した場合、音源体102、振動体103及び光源体104の全てを駆動して、車両1の異常を搭乗者に通知する。異常の種類は、特に限定されず、例えば、車両1を構成する部品の異常でもよいし、車両1の走行に影響を与えるイベント(救急車のような緊急車両など含む他の車両又は障害物の接近など)でもよい。また、異常検知システム101による異常の検知方法も特に限定されない。
【0014】
音源体102は、搭乗者に向けた音として警告音を出力する音声出力部である。音源体102は、シート2、より具体的には、ヘッドレスト21に設けられる。
【0015】
振動体103は、搭乗者に対して振動を与える振動出力部である。振動体103は、シート2、より具体的には、座面23に設けられる。
【0016】
音源体102及び振動体103は、運転手用のシート2Aだけでなく、同乗者用のシート2Bにも設けられることが望ましい。
【0017】
光源体104は、搭乗者に向けて光を出射する光出力部である。光源体104は、窓3、より具体的には、窓3の窓枠31に設けられる。
図1の例では、光源体104は、窓3を囲むように複数設けられているが、この配置例に限らず、窓枠31の一部に設けられていてもよい。また、光源体104が設けられる窓3は、
図2に示したフロント窓3Aでもよいし、サイド窓などでもよい。光源体104がサイド窓に設けられる場合、光源体104は、運転手側のサイド窓だけでなく、同乗者側のサイド窓3Bに設けられることが望ましい。
【0018】
図3は、警報システム100による異常通知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0019】
異常検知システム101は、車両の異常の有無を監視する(ステップS101)。異常が検知されなかった場合、異常検知システム101は、ステップS101の処理に戻る。
【0020】
一方、異常が検知された場合、異常検知システム101は、光源体104を駆動して、光源体104から光を出射させる(ステップS102)。光源体104が出射する光の強さは、搭乗者が視認可能であり、かつ、搭乗者による窓3を介した外部の視認に影響を与えない範囲であることが好ましい。なお、光の強さは、外部の明るさに応じて変更されてもよい。
【0021】
また、異常検知システム101は、音源体102を駆動して、音源体102から警告音を出力させる(ステップS103)。警告音は、ビープ音のような所定の音でもよいし、異常の内容などを知らせる音声メッセージなどでもよい。
【0022】
また、異常検知システム101は、振動体103を駆動して、振動体103に振動を発生させる(ステップS104)。振動のパターンなどは、特に限定されない。
【0023】
そして、異常検知システム101は、異常を検知してから一定時間が経過するまで待機し(ステップS105)、一定時間が経過すると、音源体102、振動体103及び光源体104を停止して(ステップS106)、異常通知処理を終了する。
【0024】
図3を用いて説明した異常通知処理では、光源体104、音源体102、振動体103の順に駆動されていたが、この駆動の順序は単なる一例であり、この例に限らない。また、異常検知システム101は、音源体102、振動体103及び光源体104を同時に駆動してもよい。
【0025】
以上説明した警報システム100は、車両1に搭載されていたが、車両1以外の移動体に搭載されてもよい。例えば、警報システム100は、飛行機に搭載されてもよい。この場合でも、音源体102は、シート2(より具体的には、ヘッドレスト21)に設けられ、振動体103は、シート2(より具体的には、座面23)に設けられ、光源体104は、窓3(より具体的には、窓枠31)に設けられる。なお、この場合、シート2は、操縦者用のシート(操縦席)及び副操縦者用のシート(副操縦席)だけでなく、同乗者用のシートを含む。また、異常検知システム101は、飛行機に搭載されている機体搭載システムとなる。
【0026】
以上説明したように本実施形態によれば、音源体102は、搭乗者に向けて警告音を出力する。振動体103は、搭乗者に対して振動を与える。光源体104は、搭乗者に向けて光を出射する。異常検知システム101は、車両1の異常の有無を監視し、異常を検知した場合、音源体102、振動体103及び光源体104の全てを駆動して、車両1の異常を搭乗者に通知する。このため、異常が検知された場合、搭乗者に対して音、振動及び光を用いて異常を通知することが可能となるため、搭乗者に対して異常の発生をより確実に伝えることが可能となる。
【0027】
また、本実施形態では、音源体102がシート2のヘッドレスト21に設けられているため、異常の検知を知らせる音を搭乗者により確実に伝えることが可能となる。
【0028】
また、本実施形態では、振動体103がシート2の座面23に設けられている。座面23は、背もたれ22などとは異なり、車両1の移動中には搭乗者が常に接触していると考えられるため、異常の検知を知らせる振動を搭乗者により確実に伝えることが可能となる。
【0029】
また、本実施形態では、光源体104は、搭乗者の顔が向きやすい窓3(より具体的には、窓枠31)に設けられるため、異常の検知を知らせる光を搭乗者により確実に伝えることが可能となる。
【0030】
また、本実施形態では、音源体102及び振動体103は、運転手用のシート2A及び同乗者用のシート2Bの両方に設けられるため、運転手だけでなく同乗者にも異常を伝えることが可能となる。したがって、搭乗者に対して異常の発生をより確実に伝えることが可能となる。
【0031】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
【符号の説明】
【0032】
1:車両 2:シート 3:窓 21:ヘッドレスト 22:背もたれ 23:座面 31:窓枠 100:警報システム 101:異常検知システム 102:音源体 103:振動体 104:光源体