(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168721
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20241128BHJP
F24H 15/14 20220101ALI20241128BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20241128BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20241128BHJP
F24H 15/335 20220101ALI20241128BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
A47K3/00 G
A47K3/00 Q
F24H15/14
F24H15/281
F24H15/32
F24H15/335
F24H1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085621
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 優子
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA34
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA75
(57)【要約】
【課題】浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムを、比較的低コストで製造することが可能な技術を提供する。
【解決手段】風呂システムは、逆流防止機構を有する貯留タンクと、ポンプと、洗剤混合ユニットと、微細気泡発生ユニットと、風呂回路と、制御ユニットを備える。風呂回路は、貯留タンクからポンプと洗剤混合ユニットを経由して浴槽に至る第1流路と、浴槽からポンプと微細気泡発生ユニットを経由して浴槽に戻る第2流路と、を選択的に構成可能である。制御ユニットは、風呂回路に第1流路を構成させた上でポンプを動作させることにより、浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転と、風呂回路に第2流路を構成させた上でポンプを動作させることにより、浴槽に貯留された湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、を実行可能に構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源から供給される湯水を貯留するとともに、貯留された湯水が前記給水源に向けて逆流することを防止する逆流防止機構を有する貯留タンクと、
湯水を圧送するポンプと、
湯水の中に洗剤を混合させる洗剤混合ユニットと、
湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生ユニットと、
浴槽に接続されており、前記貯留タンク、前記ポンプ、前記洗剤混合ユニット、および前記微細気泡発生ユニットが設けられる風呂回路と、
制御ユニットと、を備えており、
前記風呂回路は、前記制御ユニットからの指示に応じて、前記貯留タンクから前記ポンプと前記洗剤混合ユニットを経由して前記浴槽に至る第1流路と、前記浴槽から前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に戻る第2流路と、を選択的に構成可能であり、
前記制御ユニットは、
前記風呂回路に前記第1流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクから送られる湯水に前記洗剤混合ユニットによって洗剤を混合させ、洗剤が混合された湯水を前記浴槽に供給することで前記浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転と、
前記風呂回路に前記第2流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記浴槽に貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに循環させて前記浴槽に貯留された湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、を実行可能に構成される、風呂システム。
【請求項2】
前記風呂回路は、前記貯留タンクから前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に至る第3流路をさらに構成可能であり、
前記制御ユニットは、前記風呂回路に前記第3流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクに貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに通過させて前記微細気泡発生ユニットを洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成される、請求項1の風呂システム。
【請求項3】
前記浴槽には、前記浴槽洗浄運転の際に前記第1流路を流れる湯水が前記浴槽の内部へと吐出される洗浄ノズルと、前記微細気泡発生運転の際に前記浴槽の内部の湯水が前記第2流路へと流入する流入口と、前記微細気泡発生運転の際に前記第2流路を流れる湯水が前記浴槽の内部へと流出する流出口と、が設けられており、
前記風呂回路は、
前記ポンプが設けられるポンプ路と、
前記ポンプ路の上流端に設けられる第1切替機構と、
前記ポンプ路の下流端に設けられる第2切替機構と、
一端が前記洗浄ノズルに接続され、他端が前記第2切替機構に接続される洗剤混合路と、
一端が前記流入口に接続され、他端が前記第1切替機構に接続される循環復路と、
一端が前記流出口に接続され、他端が前記第2切替機構に接続される循環往路と、を備えており、
前記貯留タンクは、前記第1切替機構に接続されており、
前記洗剤混合ユニットは、前記洗剤混合路に設けられており、
前記微細気泡発生ユニットは、前記ポンプ路、前記循環往路、および前記循環復路のうちいずれか一つに設けられており、
前記第1切替機構は、前記ポンプ路の上流端と前記貯留タンクの間を連通させるとともに前記ポンプ路の上流端と前記循環復路の前記他端の間を非連通にするタンク連通状態と、前記ポンプ路の上流端と前記貯留タンクの間を非連通にするとともに前記ポンプ路の上流端と前記循環復路の前記他端の間を連通させる流入口連通状態と、の間で選択的に切り替え可能であり、
前記第2切替機構は、前記ポンプ路の下流端と前記洗剤混合路の前記他端の間を連通させるとともに前記ポンプ路の下流端と前記循環往路の前記他端の間を非連通にする洗浄ノズル連通状態と、前記ポンプ路の下流端と前記洗剤混合路の前記他端の間を非連通にするとともに前記ポンプ路の下流端と前記循環往路の前記他端の間を連通させる流出口連通状態と、の間で選択的に切り替え可能であり、
前記制御ユニットは、前記第1切替機構を前記タンク連通状態とし、前記第2切替機構を前記洗浄ノズル連通状態とすることで、前記風呂回路に前記第1流路を構成させ、
前記制御ユニットは、前記第1切替機構を前記流入口連通状態とし、前記第2切替機構を前記流出口連通状態とすることで、前記風呂回路に前記第2流路を構成させる、請求項1の風呂システム。
【請求項4】
前記微細気泡発生ユニットは、前記ポンプ路および前記循環往路のうちいずれか一つに設けられており、
前記風呂回路は、前記第1切替機構を前記タンク連通状態とし、前記第2切替機構を前記流出口連通状態とすることで、前記貯留タンクから前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に至る第3流路をさらに構成可能であり、
前記制御ユニットは、前記風呂回路に前記第3流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクに貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに通過させて前記微細気泡発生ユニットを洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成される、請求項3の風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給水源から供給される湯水を貯留するとともに、貯留された湯水が前記給水源に向けて逆流することを防止する逆流防止機構を有する貯留タンクと、湯水を圧送するポンプと、湯水の中に洗剤を混合させる洗剤混合ユニットと、前記貯留タンクから前記ポンプと前記洗剤混合ユニットを経由して浴槽に至る流路と、制御ユニットと、を備える風呂システムが開示される。前記制御ユニットは、前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクから送られる湯水に前記洗剤混合ユニットによって洗剤を混合させ、洗剤が混合された湯水を前記浴槽に供給することで前記浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転を実行可能に構成される。
【0003】
特許文献2には、湯水を圧送するポンプと、湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生ユニットと、浴槽から前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に戻る流路と、を備える微細気泡発生装置が開示される。微細気泡発生装置では、前記ポンプを動作させることにより、前記浴槽に貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに循環させて前記浴槽に貯留された湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転を実行可能となっている。
【0004】
例えば、特許文献1の風呂システムに、特許文献2の微細気泡発生装置を組み込むことにより、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムを構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-82148号公報
【特許文献2】特開2017-148717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムは、その製造コストが大きくなる傾向にある。本明細書では、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムを、比較的低コストで製造することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の第1の態様では、風呂システムは、給水源から供給される湯水を貯留するとともに、貯留された湯水が前記給水源に向けて逆流することを防止する逆流防止機構を有する貯留タンクと、湯水を圧送するポンプと、湯水の中に洗剤を混合させる洗剤混合ユニットと、湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生ユニットと、浴槽に接続されており、前記貯留タンク、前記ポンプ、前記洗剤混合ユニット、および前記微細気泡発生ユニットが設けられる風呂回路と、制御ユニットと、を備える。前記風呂回路は、前記制御ユニットからの指示に応じて、前記貯留タンクから前記ポンプと前記洗剤混合ユニットを経由して前記浴槽に至る第1流路と、前記浴槽から前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に戻る第2流路と、を選択的に構成可能である。前記制御ユニットは、前記風呂回路に前記第1流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクから送られる湯水に前記洗剤混合ユニットによって洗剤を混合させ、洗剤が混合された湯水を前記浴槽に供給することで前記浴槽を洗浄する浴槽洗浄運転と、前記風呂回路に前記第2流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記浴槽に貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに循環させて前記浴槽に貯留された湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、を実行可能に構成される。
【0008】
浴槽洗浄運転は、浴槽に湯水が貯留されていない状況で実行される。一方、微細気泡発生運転は、浴槽に湯水が貯留されている状況で実行される。このことから、浴槽洗浄運転の実行時期と、微細気泡発生運転の実行時期と、が互いに重なり合うことはない。上記の風呂システムは、この特徴を考慮して、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の間で、ポンプを共用する構成となっている。この構成によれば、浴槽洗浄運転の際に駆動されるポンプと微細気泡発生運転の際に駆動されるポンプを互いに別個に設ける構成と比較して、風呂システムに設けられるポンプの数を減らすことができる。従って、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムを、比較的低コストで製造することができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システムを、比較的コンパクトにすることができる。
【0009】
本技術の第2の態様では、上記第1の態様において、前記風呂回路は、前記貯留タンクから前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に至る第3流路をさらに構成可能であってもよい。前記制御ユニットは、前記風呂回路に前記第3流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクに貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに通過させて前記微細気泡発生ユニットを洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成されてもよい。
【0010】
浴槽に貯留された湯水には、汚れ(例えば、ユーザの皮脂)が混入していることがある。浴槽に貯留された湯水は、微細気泡発生運転が実行される場合、微細気泡発生ユニットに送られる。このため、微細気泡発生ユニットには、汚れが侵入することがある。上記の構成によれば、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行することにより、貯留タンクに貯留された清潔な湯水を用いて、微細気泡発生ユニットを洗浄することができる。これにより、微細気泡発生ユニットに侵入した汚れを除去することができるので、微細気泡発生ユニットを清潔に保つことができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と、微細気泡発生運転と、微細気泡発生ユニット洗浄運転と、の間でポンプが共用される。このため、微細気泡発生ユニット洗浄運転のためのポンプを別個に設ける必要がない。従って、風呂システムに、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行するための構成を比較的低コストで組み込むことができる。
【0011】
本技術の第3の態様では、上記第1の態様において、前記浴槽には、前記浴槽洗浄運転の際に前記第1流路を流れる湯水が前記浴槽の内部へと吐出される洗浄ノズルと、前記微細気泡発生運転の際に前記浴槽の内部の湯水が前記第2流路へと流入する流入口と、前記微細気泡発生運転の際に前記第2流路を流れる湯水が前記浴槽の内部へと流出する流出口と、が設けられてもよい。前記風呂回路は、前記ポンプが設けられるポンプ路と、前記ポンプ路の上流端に設けられる第1切替機構と、前記ポンプ路の下流端に設けられる第2切替機構と、一端が前記洗浄ノズルに接続され、他端が前記第2切替機構に接続される洗剤混合路と、一端が前記流入口に接続され、他端が前記第1切替機構に接続される循環復路と、一端が前記流出口に接続され、他端が前記第2切替機構に接続される循環往路と、を備えてもよい。前記貯留タンクは、前記第1切替機構に接続されてもよい。前記洗剤混合ユニットは、前記洗剤混合路に設けられてもよい。前記微細気泡発生ユニットは、前記ポンプ路、前記循環往路、および前記循環復路のうちいずれか一つに設けられてもよい。前記第1切替機構は、前記ポンプ路の上流端と前記貯留タンクの間を連通させるとともに前記ポンプ路の上流端と前記循環復路の前記他端の間を非連通にするタンク連通状態と、前記ポンプ路の上流端と前記貯留タンクの間を非連通にするとともに前記ポンプ路の上流端と前記循環復路の前記他端の間を連通させる流入口連通状態と、の間で選択的に切り替え可能であってもよい。前記第2切替機構は、前記ポンプ路の下流端と前記洗剤混合路の前記他端の間を連通させるとともに前記ポンプ路の下流端と前記循環往路の前記他端の間を非連通にする洗浄ノズル連通状態と、前記ポンプ路の下流端と前記洗剤混合路の前記他端の間を非連通にするとともに前記ポンプ路の下流端と前記循環往路の前記他端の間を連通させる流出口連通状態と、の間で選択的に切り替え可能であってもよい。前記制御ユニットは、前記第1切替機構を前記タンク連通状態とし、前記第2切替機構を前記洗浄ノズル連通状態とすることで、前記風呂回路に前記第1流路を構成させてもよい。前記制御ユニットは、前記第1切替機構を前記流入口連通状態とし、前記第2切替機構を前記流出口連通状態とすることで、前記風呂回路に前記第2流路を構成させてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、簡素な機構によって、第1流路が構成される状態と、第2流路が構成される状態と、の間の切り替えを行うことができる。
【0013】
本技術の第4の態様では、上記第3の態様において、前記微細気泡発生ユニットは、前記ポンプ路および前記循環往路のうちいずれか一つに設けられてもよい。前記風呂回路は、前記第1切替機構を前記タンク連通状態とし、前記第2切替機構を前記流出口連通状態とすることで、前記貯留タンクから前記ポンプと前記微細気泡発生ユニットを経由して前記浴槽に至る第3流路をさらに構成可能であってもよい。前記制御ユニットは、前記風呂回路に前記第3流路を構成させた上で前記ポンプを動作させることにより、前記貯留タンクに貯留された湯水を前記微細気泡発生ユニットに通過させて前記微細気泡発生ユニットを洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成されてもよい。
【0014】
浴槽に貯留された湯水には、汚れ(例えば、ユーザの皮脂)が混入していることがある。浴槽に貯留された湯水は、微細気泡発生運転が実行される場合、微細気泡発生ユニットに供給される。このため、微細気泡発生ユニットには、汚れが蓄積していくことが予想される。上記の構成によれば、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行することにより、貯留タンクに貯留された清潔な湯水を用いて、微細気泡発生ユニットを洗浄することができる。これにより、微細気泡発生ユニットを清潔に保つことができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と、微細気泡発生運転と、微細気泡発生ユニット洗浄運転と、の間でポンプが共用される。このため、微細気泡発生ユニット洗浄運転のためのポンプを別個に設ける必要がない。従って、風呂システムに、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行するための構成を比較的低コストで組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例に係る風呂システム2において第1流路F1が構成される様子を模式的に示す図である。
【
図2】実施例に係る浴槽20に設けられる浴槽アダプタ22の構成を模式的に示す図である。
【
図3】実施例に係る風呂システム2において第2流路F2が構成される様子を模式的に示す図である。
【
図4】実施例に係る風呂システム2において第3流路F3が構成される様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の風呂システム2は、風呂回路4と、熱源ユニット6と、貯留タンク8と、共用ポンプ10と、洗剤混合ユニット12と、微細気泡発生ユニット14と、制御ユニット16を備える。風呂システム2は、給水源18(例えば、水道)から供給される湯水を加熱して、所望の温度まで加熱された湯水を、台所等に設置されたカラン(図示せず)や、浴室に設置された浴槽20に供給することができる。また、風呂システム2は、浴槽20に貯留された湯水(浴槽水とも呼ぶ。)を追い焚きしたり、浴槽水に微細気泡を発生させたりすることができる。また、風呂システム2は、浴槽20を洗浄することもできる。
【0017】
浴槽20には、浴槽アダプタ22と、洗浄ノズル24と、排水栓26が設けられる。浴槽アダプタ22は、浴槽20の側壁に取り付けられる。浴槽アダプタ22は、浴槽20に湯水を供給したり、浴槽20から湯水を吸い出したりするために必要な器具である。洗浄ノズル24は、浴槽20の底壁の中央部に取り付けられる。洗浄ノズル24は、供給される液体を浴槽20の内壁に向けて噴射するように構成された器具である。洗浄ノズル24は、例えば、浴槽20を上方から見た時に液体を放射状に噴射するように構成されている。排水栓26は、浴槽20の底壁に形成された排水口(図示せず)に取り付けられる。排水栓26は、排水口を開閉する。排水栓26を閉じた状態では、排水口が閉鎖されるので、浴槽20に湯水を貯留することができる。排水栓26を開いた状態では、排水口が開放されるので、浴槽20に貯留された湯水を排水口から排出することができる。排水栓26には、排水栓26を開閉させるためのアクチュエータ28が取り付けられる。排水栓26は、ユーザが手動で開閉させることもできる。
【0018】
(風呂回路4)
風呂回路4は、給水路30と、出湯路32と、風呂往路34と、風呂復路36と、補水路38と、補水弁40と、タンク出湯路42と、第1三方弁44と、ポンプ路46と、ポンプ路開閉弁48と、第2三方弁50と、第1洗剤混合路52と、逆止弁54と、第2洗剤混合路56と、第1循環往路58と、第2循環往路60と、循環復路62と、を備える。
【0019】
給水路30の一端は、給水源18に接続される。給水路30の他端は、熱源ユニット6に接続される。出湯路32の一端は、熱源ユニット6に接続される。出湯路32の他端は、例えば、カラン(図示せず)に接続される。風呂往路34の一端は、熱源ユニット6に接続される。風呂往路34の他端は、浴槽アダプタ22に接続される。風呂復路36の一端は、浴槽アダプタ22に接続される。風呂復路36の他端は、熱源ユニット6に接続される。補水路38の一端は、出湯路32の途中に接続される。補水路38の他端は、貯留タンク8の上部に接続される。補水弁40は、補水路38に設けられる。タンク出湯路42の一端は、貯留タンク8の底部に接続される。タンク出湯路42の他端は、第1三方弁44に接続される。ポンプ路46の一端は、第1三方弁44に接続される。ポンプ路46の他端は、第2三方弁50に接続される。ポンプ路開閉弁48は、ポンプ路46に設けられる。第1洗剤混合路52の他端は、第2三方弁50に接続される。第1洗剤混合路52の一端は、洗剤混合ユニット12に接続される。逆止弁54は、第1洗剤混合路52に設けられる。第2洗剤混合路56の他端は、洗剤混合ユニット12に接続される。第2洗剤混合路56の一端は、洗浄ノズル24に接続される。第1循環往路58の他端は、第2三方弁50に接続される。第1循環往路58の一端は、微細気泡発生ユニット14に接続される。第2循環往路60の他端は、微細気泡発生ユニット14に接続される。第2循環往路60の一端は、浴槽アダプタ22に接続される。循環復路62の一端は、浴槽アダプタ22に接続される。循環復路62の他端は、第1三方弁44に接続される。
【0020】
補水弁40は、補水路38を開閉する。補水弁40は、通常時は閉じられている。ポンプ路開閉弁48は、ポンプ路46を開閉する。ポンプ路開閉弁48は、通常時は閉じられている。第1三方弁44は、ポンプ路46とタンク出湯路42の間を連通させるとともにポンプ路46と循環復路62の間を非連通にする第1連通状態(
図1、
図4参照)と、ポンプ路46とタンク出湯路42の間を非連通にするとともにポンプ路46と循環復路62の間を連通させる第2連通状態(
図3参照)と、の間で切り替え可能である。第2三方弁50は、ポンプ路46と第1洗剤混合路52の間を連通させるとともにポンプ路46と第1循環往路58の間を非連通にする第3連通状態(
図1参照)と、ポンプ路46と第1洗剤混合路52の間を非連通にするとともにポンプ路46と第1循環往路58の間を連通させる第4連通状態(
図3、
図4参照)と、の間で切り替え可能である。逆止弁54は、第1洗剤混合路52において、第2三方弁50から洗剤混合ユニット12に向かう湯水の流れを許容し、洗剤混合ユニット12から第2三方弁50に向かう湯水の流れを禁止する。
【0021】
共用ポンプ10は、ポンプ路46に設けられる。共用ポンプ10は、ポンプ路46に流れる湯水を、第1三方弁44から第2三方弁50に向かう方向に圧送する。共用ポンプ10は、例えば、浴槽20の外壁と、浴槽エプロン(図示せず)との間に設置される。
【0022】
(熱源ユニット6の構成)
熱源ユニット6は、第1熱源機64と、第2熱源機66と、熱源給水路68と、熱源出湯路70と、熱源風呂復路72と、熱源風呂往路74と、バイパス路76と、バイパスサーボ78と、注湯路80と、湯はり弁82と、追い焚きポンプ84と、を備える。熱源ユニット6は、例えば、屋外に設置される。
【0023】
熱源給水路68の一端は、給水路30に接続される。熱源給水路68の他端は、第1熱源機64に接続される。熱源出湯路70の一端は、第1熱源機64に接続される。熱源出湯路70の他端は、出湯路32に接続される。第1熱源機64は、例えばガスの燃焼によって湯水を加熱する。第1熱源機64は、熱源給水路68から流れ込む水を加熱して、加熱された湯水を熱源出湯路70に送り出す。
【0024】
バイパス路76の一端は、熱源給水路68に接続される。バイパス路76の他端は、熱源出湯路70に接続される。バイパスサーボ78は、バイパス路76が熱源給水路68に接続する箇所に設けられている。バイパスサーボ78は、内蔵された弁体の開度を調整することによって、熱源給水路68から第1熱源機64を経由して熱源出湯路70に流れる湯水の流量と、熱源給水路68からバイパス路76を経由して熱源出湯路70に流れる湯水の流量の割合を調整可能である。バイパスサーボ78の開度を調整することで、バイパス路76が接続する箇所よりも下流側の熱源出湯路70には、第1熱源機64から流れ込む高温の湯水と、バイパス路76から流れ込む低温の湯水が所望の割合で混合されて、所望の温度に調温された湯水が供給される。
【0025】
注湯路80の一端は、バイパス路76が熱源出湯路70に接続する箇所よりも下流側において、熱源出湯路70に接続される。注湯路80の他端は、熱源風呂復路72に接続される。湯はり弁82は、注湯路80に設けられており、注湯路80を開閉する。湯はり弁82は、通常時は閉じられている。
【0026】
熱源風呂復路72の一端は、風呂復路36に接続される。熱源風呂復路72の他端は、第2熱源機66に接続される。熱源風呂往路74の一端は、第2熱源機66に接続される。熱源風呂往路74の他端は、風呂往路34に接続される。第2熱源機66は、例えばガスの燃焼によって湯水を加熱する。第2熱源機66は、熱源風呂復路72から流れ込む湯水を加熱して、加熱された湯水を熱源風呂往路74に送り出す。
【0027】
追い焚きポンプ84は、熱源風呂復路72において、注湯路80が熱源風呂復路72に接続する箇所と、第2熱源機66との間に設けられている。追い焚きポンプ84は、熱源風呂復路72に流れる湯水を第2熱源機66に向けて圧送する。
【0028】
(貯留タンク8の構成)
貯留タンク8は、例えば、浴槽20の外壁と、浴槽エプロン(図示せず)との間に設置される。貯留タンク8には、オーバーフロー路86が設けられる。オーバーフロー路86の一端は、貯留タンク8に接続される。オーバーフロー路86の他端は、所定の排水箇所(例えば、下水道)に接続される。また、オーバーフロー路86の一端が貯留タンク8に接続する箇所は、補水路38の他端が貯留タンク8に接続する箇所よりも低い位置であって、タンク出湯路42の一端が貯留タンク8に接続する箇所よりも高い位置に配置される。貯留タンク8に貯留された湯水が、オーバーフロー路86の一端が接続する箇所の高さに達すると、当該湯水はオーバーフロー路86を介して排水箇所に排出される。このため、貯留タンク8内の水位は、オーバーフロー路86の一端が接続する箇所の高さ以下に維持される。その結果、貯留タンク8に貯留された湯水が補水路38(即ち、給水源18)に向けて逆流することが防止される。また、貯留タンク8には、貯留タンク8内の水位を検出可能な水位センサ(図示せず)が設けられる。
【0029】
(洗剤混合ユニット12の構成)
洗剤混合ユニット12は、洗剤タンク88と、洗剤導入路90と、洗剤弁92と、混合器94を備える。洗剤タンク88には、浴槽20を洗浄するための液体の洗剤が貯留されている。洗剤混合ユニット12は、例えば、浴槽20の外壁と、浴槽エプロン(図示せず)との間に設置される。
【0030】
洗剤導入路90の一端は、洗剤タンク88の底部に接続される。洗剤導入路90の他端は、混合器94に接続される。洗剤弁92は、洗剤導入路90に設けられており、洗剤導入路90を開閉する。洗剤弁92は、通常時は閉じられている。混合器94は、第1洗剤混合路52と第2洗剤混合路56の間に設けられる。混合器94はベンチュリ(図示せず)を備える。洗剤弁92が開いた状態で、混合器94の内部に湯水が流れると、混合器94の内部において負圧が生じる。この負圧により、洗剤タンク88に貯留された洗剤が、洗剤導入路90を通じて混合器94へと吸い出される。そして、混合器94の内部では、洗剤が混合された湯水(洗浄液とも呼ぶ。)が生成される。
【0031】
(微細気泡発生ユニット14の構成)
微細気泡発生ユニット14は、加圧タンク96と、タンク流入路98と、タンク流出路100と、加圧ポンプ102と、タンク開閉弁104と、空気導入路106と、空気導入弁108と、空気導入ポンプ110と、を備える。微細気泡発生ユニット14は、例えば、浴槽20の外壁と、浴槽エプロン(図示せず)との間に設置される。
【0032】
加圧タンク96は、内部に湯水を貯留することができる。加圧タンク96の内部には、加圧タンク96内の水位を検出するための低水位電極112および高水位電極114が設けられている。低水位電極112は、加圧タンク96内に貯留されている湯水の水面に接触することで水位を検出する。高水位電極114は、加圧タンク96内に貯留されている湯水の水面に接触することで水位を検出する。低水位電極112によって検出される水位(以下では下限水位ともいう)は、高水位電極114によって検出される水位(以下では上限水位ともいう)よりも低い。加圧タンク96は、空気を湯水に加圧溶解させるために利用される。
【0033】
タンク流入路98の一端は、第1循環往路58に接続される。タンク流入路98の他端は、加圧タンク96の上部に接続される。加圧ポンプ102は、タンク流入路98に設けられている。加圧ポンプ102は、タンク流入路98に流れる湯水を加圧タンク96に向けて圧送する。
【0034】
タンク流出路100の一端は、加圧タンク96の底部に接続される。タンク流出路100の他端は、第2循環往路60に接続される。タンク開閉弁104はタンク流出路100に設けられており、タンク流出路100を開閉する。タンク開閉弁104は、通常時は閉じられている。
【0035】
空気導入路106の一端は、加圧タンク96に接続される。空気導入路106の他端には、空気導入ポンプ110が設けられる。空気導入弁108は、空気導入路106の途中に設けられる。空気導入弁108は、空気導入路106を開閉する。空気導入弁108は、通常時は閉じられている。空気導入ポンプ110は、大気中の空気を取り込んで、取り込んだ空気を、空気導入路106を介して加圧タンク96に送り込む。
【0036】
(浴槽アダプタ22の構成)
図2に示すように、浴槽アダプタ22は、第1流入路116と、第1流入口118と、第2流入路120と、第2流入口122と、第1流出路124と、第1流出口126と、第2流出路128と、第2流出口130と、4つの逆止弁132、134、136、138と、微細気泡発生ノズル140を備える。第1流入路116の一端は、第1流入口118を介して浴槽20の内部に連通する。第1流入路116の他端は、循環復路62に接続される。逆止弁132は、第1流入路116に設けられる。逆止弁132は、第1流入口118から循環復路62に向かう湯水の流れを許容し、循環復路62から第1流入口118に向かう湯水の流れを禁止する。第2流入路120の一端は、第2流入口122を介して浴槽20の内部に連通する。第2流入路120の他端は、風呂復路36に接続される。逆止弁134は、第2流入路120に設けられる。逆止弁134は、第2流入口122から風呂復路36に向かう湯水の流れを許容し、風呂復路36から第2流入口122に向かう湯水の流れを禁止する。第1流出路124の一端は、第1流出口126を介して浴槽20の内部に連通する。第1流出路124の他端は、第2循環往路60に接続される。逆止弁136は、第1流出路124に設けられる。逆止弁136は、第2循環往路60から第1流出口126に向かう湯水の流れを許容し、第1流出口126から第2循環往路60に向かう湯水の流れを禁止する。微細気泡発生ノズル140は、第1流出路124において、逆止弁136と第1流出口126の間に設けられる。微細気泡発生ノズル140は、ベンチュリ(図示せず)を備えており、微細気泡発生ノズル140を通過する湯水を減圧させる。第2流出路128の一端は、第2流出口130を介して浴槽20の内部に連通する。第2流出路128の他端は、風呂往路34に接続される。逆止弁138は、第2流出路128に設けられる。逆止弁138は、風呂往路34から第2流出口130に向かう湯水の流れを許容し、第2流出口130から風呂往路34に向かう湯水の流れを禁止する。
【0037】
(制御ユニット16の構成)
図1に示す制御ユニット16は、CPU、ROM、RAM等を備える。制御ユニット16は、風呂システム2の各部の動作を制御することにより、後述する各種運転(湯はり運転、追い焚き運転、浴槽洗浄運転、微細気泡発生運転、および微細気泡発生ユニット洗浄運転)を実行可能に構成されている。また、制御ユニット16は、ユーザが操作可能なリモコン160と通信可能に構成されている。ユーザは、リモコン160を介して、各種運転の開始や終了等を指示したり、各種設定を変更したりすることができる。ここでいう各種設定とは、例えば、湯はり運転における設定温度や設定水量、追い焚き運転における設定温度を含む。
【0038】
(湯はり運転)
湯はり運転は、例えば、ユーザがリモコン160において湯はり運転の開始を指示した場合に開始される。あるいは、湯はり運転は、ユーザがリモコン160において設定した湯はり運転の開始時刻が到来した場合に開始される。制御ユニット16は、湯はり運転が開始されると、排水栓26が既に閉じている場合を除き、アクチュエータ28を動作させて排水栓26を閉じる。その後、制御ユニット16は、湯はり弁82を開くとともに、第1熱源機64による加熱を開始する。これによって、湯はり運転における設定温度に調温された湯水が、熱源出湯路70から注湯路80を介して熱源風呂復路72に流れ込む。ここで、熱源風呂復路72において、注湯路80が接続する箇所から第2熱源機66に向かう流れは許容されているが、注湯路80が接続する箇所から風呂復路36に向かう流れは、浴槽アダプタ22の逆止弁134(
図2参照)により禁止されている。このため、注湯路80から熱源風呂復路72に流れ込んだ湯水は、第2熱源機66、熱源風呂往路74、風呂往路34、浴槽アダプタ22の第2流出路128(
図2参照)および第2流出口130(
図2参照)を経由して、浴槽20に流れ込む。制御ユニット16は、例えば注湯路80に設けられる水量センサ(図示せず)で検出される積算水量が、湯はり運転における設定水量に達するまで待機する。なお、ここでいう積算水量とは、湯はり運転が開始されてから水量センサが検出した積算水量を意味する。積算水量が設定水量に達すると、制御ユニット16は、湯はり弁82を閉じるとともに、第1熱源機64による湯水の加熱を終了する。その後、制御ユニット16は、湯はり運転を終了する。
【0039】
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、例えば、ユーザがリモコン160において追い焚き運転の開始を指示した場合に開始される。制御ユニット16は、追い焚き運転が開始されると、追い焚きポンプ84を動作させるとともに、第2熱源機66による湯水の加熱を開始する。これによって、浴槽20内の湯水が、浴槽アダプタ22の第2流入口122(
図2参照)および第2流入路120(
図2参照)、風呂復路36、熱源風呂復路72を経由して、第2熱源機66に送られる。第2熱源機66で加熱された湯水は、熱源風呂往路74、風呂往路34、浴槽アダプタ22の第2流出路128(
図2参照)および第2流出口130(
図2参照)を経由して、浴槽20に戻される。制御ユニット16は、例えば熱源風呂復路72に設けられる温度センサ(図示せず)で検出される温度が追い焚き運転における設定温度以上となると、追い焚きポンプ84を停止させるとともに、第2熱源機66による湯水の加熱を終了する。その後、制御ユニット16は、追い焚き運転を終了する。
【0040】
(浴槽洗浄運転)
浴槽洗浄運転は、例えば、ユーザがリモコン160において浴槽洗浄運転の開始を指示した場合に開始される。制御ユニット16は、浴槽洗浄運転が開始されると、第1三方弁44を第1連通状態とし、第2三方弁50を第3連通状態とする(
図1参照)。この状態では、貯留タンク8から、タンク出湯路42、ポンプ路46、第1洗剤混合路52、洗剤混合ユニット12、第2洗剤混合路56を経由して、洗浄ノズル24に至る流路が構成される。本実施例では、この流路を「第1流路F1」とも呼ぶ。第1流路F1は、ポンプ路開閉弁48を開くと開放され、ポンプ路開閉弁48を閉じると閉鎖される。
【0041】
浴槽洗浄運転は、準備工程と、予備洗浄工程と、洗浄液噴射工程と、すすぎ工程を含む。
【0042】
(準備工程)
準備工程は、浴槽洗浄運転の開始時に、開始される。制御ユニット16は、準備工程が開始されると、排水栓26が既に開いている場合を除き、アクチュエータ28を動作させて排水栓26を開く。その後、制御ユニット16は、浴槽20が空になるまで待機する(例えば、10分間待機する)。制御ユニット16は、浴槽20が空になると、ポンプ路開閉弁48が既に閉じている場合を除き、ポンプ路開閉弁48を閉じる。また、制御ユニット16は、補水弁40を開くとともに、第1熱源機64による加熱を開始する。これによって、所定温度に調温された湯水が、熱源出湯路70から補水路38を介して貯留タンク8に流れ込む。この時、貯留タンク8に湯水が貯留されていくので、貯留タンク8内の水位は上昇していく。制御ユニット16は、貯留タンク8に設けられた水位センサ(図示せず)で検出される水位が、所定の水位に達するまで待機する。制御ユニット16は、水位センサで検出される水位が所定の水位に達すると、補水弁40を閉じるとともに、第1熱源機64による湯水の加熱を終了する。その後、制御ユニット16は、準備工程を終了する。
【0043】
(予備洗浄工程)
制御ユニット16は、準備工程が終了することに応じて、予備洗浄工程を開始する。制御ユニット16は、予備洗浄工程が開始されると、ポンプ路開閉弁48を開くとともに、共用ポンプ10を動作させる。これによって、貯留タンク8に貯留された湯水が、第1流路F1を経由して、洗浄ノズル24に送られる。洗浄ノズル24に送られた湯水は、洗浄ノズル24から噴射される。制御ユニット16は、予備洗浄工程が開始されてからの経過時間が所定時間(例えば、40秒)に達すると、共用ポンプ10を停止させるとともに、ポンプ路開閉弁48を閉じる。その後、制御ユニット16は、予備洗浄工程を終了する。予備洗浄工程では、浴槽20の内壁に付着した汚れが、湯水によって簡易的に洗い流される。
【0044】
(洗浄液噴射工程)
制御ユニット16は、予備洗浄工程が終了してからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)に達すると、洗浄液噴射工程を開始する。制御ユニット16は、洗浄液噴射工程が開始されると、ポンプ路開閉弁48および洗剤弁92を開くとともに、共用ポンプ10を動作させる。これによって、貯留タンク8に貯留された湯水が、第1流路F1を経由して、洗浄ノズル24に送られる。洗浄液噴射工程では、洗剤混合ユニット12において湯水に洗剤が混合されるので、洗浄ノズル24からは洗浄液が噴射される。制御ユニット16は、洗浄液噴射工程が開始されてからの経過時間が所定時間(例えば、3秒)に達すると、共用ポンプ10を停止させるとともに、ポンプ路開閉弁48および洗剤弁92を閉じる。その後、制御ユニット16は、所定の待機時間(例えば、40秒)が経過するまで待機する。制御ユニット16は、洗浄ノズル24からの洗浄液の噴射と、それに続く待機と、を所定回数だけ繰り返した後、洗浄液噴射工程を終了する。洗浄液噴射工程では、洗浄液が浴槽20の内壁に吹き付けられる。洗浄液噴射工程で待機時間が設けられる理由は、浴槽20の内壁に付着した汚れに洗浄液を浸透させるためである。
【0045】
(すすぎ工程)
制御ユニット16は、洗浄液噴射工程が終了すると、すすぎ工程を開始する。制御ユニット16は、すすぎ工程が開始されると、ポンプ路開閉弁48を開くとともに、共用ポンプ10を動作させる。これによって、貯留タンク8に貯留された湯水が、第1流路F1を経由して、洗浄ノズル24に送られる。洗浄ノズル24に送られた湯水は、洗浄ノズル24から噴射される。制御ユニット16は、すすぎ工程が開始されてからの経過時間が所定時間(例えば、90秒)に達すると、共用ポンプ10を停止させるとともに、ポンプ路開閉弁48を閉じる。その後、制御ユニット16は、すすぎ工程を終了する。すすぎ工程では、浴槽20の内壁に付着した汚れが、洗浄液とともに、湯水によって洗い流される。すすぎ工程が終了すると、浴槽洗浄運転も終了する。
【0046】
制御ユニット16は、予備洗浄工程、洗浄液噴射工程、および、すすぎ工程の実行中、貯留タンク8内の湯水が不足してきたと判断される場合、補水弁40を開くとともに第1熱源機64による加熱を開始して、貯留タンク8に湯水を補給してもよい。
【0047】
(微細気泡発生運転)
微細気泡発生運転は、浴槽20に湯水が貯留された状態で、ユーザがリモコン160において微細気泡発生運転の開始を指示した場合に開始される。あるいは、微細気泡発生運転は、湯はり運転が終了することに応じて、開始される。制御ユニット16は、微細気泡発生運転が開始されると、第1三方弁44を第2連通状態とし、第2三方弁50を第4連通状態とする(
図3参照)。この状態では、浴槽20から、浴槽アダプタ22の第1流入口118(
図2参照)および第1流入路116(
図2参照)、循環復路62、ポンプ路46、第1循環往路58、タンク流入路98、加圧タンク96、タンク流出路100、第2循環往路60、浴槽アダプタ22の第1流出路124(
図2参照)および第1流出口126(
図2参照)を経由して、浴槽20に戻る流路が構成される。本実施例では、この流路を「第2流路F2」とも呼ぶ。第2流路F2は、ポンプ路開閉弁48およびタンク開閉弁104を開くと開放され、ポンプ路開閉弁48またはタンク開閉弁104を閉じると閉鎖される。
【0048】
微細気泡発生運転は、空気導入工程と加圧溶解工程を含む。
【0049】
(空気導入工程)
空気導入工程は、微細気泡発生運転の開始時、および、加圧溶解工程の終了後に開始される。制御ユニット16は、空気導入工程が開始されると、ポンプ路開閉弁48、タンク開閉弁104、および空気導入弁108を開くとともに、共用ポンプ10と空気導入ポンプ110を動作させる。これによって、浴槽水が浴槽20と第2流路F2の間で循環されるとともに、加圧タンク96に空気が導入される。空気導入工程では、加圧タンク96で湯水に溶解する空気量よりも、加圧タンク96に導入される空気量のほうが多いため、加圧タンク96内の水位は下降していく。制御ユニット16は、加圧タンク96内の水位が下限水位未満になると、空気導入弁108を閉じるとともに、空気導入ポンプ110を停止させる。その後、制御ユニット16は、空気導入工程を終了する。空気導入工程が終了する際、ポンプ路開閉弁48とタンク開閉弁104は開いたままとなっており、共用ポンプ10は動作されたままとなっている。
【0050】
(加圧溶解工程)
加圧溶解工程は、空気導入工程の終了後に開始される。制御ユニット16は、加圧溶解工程が開始されると、加圧ポンプ102を動作させる。これによって、浴槽水が浴槽20と第2流路F2の間で循環されるとともに、加圧タンク96において、湯水に対する空気の加圧溶解が促進される。加圧溶解工程では、加圧タンク96に空気が導入されないので、加圧タンク96で湯水に空気が溶解するにつれて、加圧タンク96内の空気量が減少していく。これにより、加圧タンク96内の水位は上昇していく。制御ユニット16は、加圧タンク96内の水位が上限水位以上になると、加圧ポンプ102を停止させて、加圧溶解工程を終了する。加圧溶解工程が終了する際、ポンプ路開閉弁48とタンク開閉弁104は開いたままとなっており、共用ポンプ10は動作されたままとなっている。
【0051】
微細気泡発生運転の実行中、浴槽水が浴槽20と第2流路F2の間で循環される。浴槽水が浴槽20と第2流路F2の間で循環される過程(特に加圧工程)では、加圧タンク96において、湯水に空気が加圧溶解される。そして、空気が加圧溶解された湯水が、浴槽アダプタ22に設けられた微細気泡発生ノズル140(
図2参照)を通過した上で、浴槽20に供給される。空気が加圧溶解された湯水が微細気泡発生ノズル140を通過する際には、湯水が大気圧以下まで減圧されるので、湯水に加圧溶解された空気が、微細気泡となって現れる。従って、微細気泡発生運転の実行中、微細気泡を含む湯水が、浴槽20に供給される。なお、浴槽20に供給される微細気泡の量(即ち、微細気泡の発生量)は、空気導入工程の実行中よりも、加圧溶解工程の実行中の方が多い。これは、加圧溶解工程の実行中は、空気導入工程の実行中と比較して、湯水にかかる圧力が高く、それに伴って、湯水に加圧溶解される空気の量も多くなるからである。
【0052】
空気導入工程と加圧溶解工程の実行回数が所定の繰り返し回数(例えば、5回)に達すると、制御ユニット16は、共用ポンプ10、空気導入ポンプ110、および加圧ポンプ102を停止させるとともに、ポンプ路開閉弁48、タンク開閉弁104、および空気導入弁108を閉じる。その後、制御ユニット16は、微細気泡発生運転を終了する。
【0053】
(微細気泡発生ユニット洗浄運転)
微細気泡発生ユニット洗浄運転は、微細気泡発生運転が終了することに応じて、開始される。あるいは、微細気泡発生ユニット洗浄運転は、ユーザがリモコン160において微細気泡発生ユニット洗浄運転の開始を指示した場合に開始される。制御ユニット16は、微細気泡発生ユニット洗浄運転が開始されると、第1三方弁44を第1連通状態とし、第2三方弁50を第4連通状態とする(
図4参照)。この状態では、貯留タンク8から、タンク出湯路42、ポンプ路46、第1循環往路58、タンク流入路98、加圧タンク96、タンク流出路100、第2循環往路60、浴槽アダプタ22の第1流出路124(
図2参照)および第1流出口126(
図2参照)を経由して、浴槽20に至る流路が構成される。本実施例では、この流路を「第3流路F3」とも呼ぶ。第3流路F3は、ポンプ路開閉弁48およびタンク開閉弁104を開くと開放され、ポンプ路開閉弁48またはタンク開閉弁104を閉じると閉鎖される。
【0054】
微細気泡発生ユニット洗浄運転は、貯湯工程と洗浄工程を含む。
【0055】
(貯湯工程)
貯湯工程は、微細気泡発生ユニット洗浄運転の開始時に、開始される。制御ユニット16は、貯湯工程が開始されると、ポンプ路開閉弁48が既に閉じている場合を除き、ポンプ路開閉弁48を閉じる。また、制御ユニット16は、補水弁40を開くとともに、第1熱源機64による加熱を開始する。これによって、所定温度に調温された湯水が、熱源出湯路70から補水路38を介して貯留タンク8に流れ込む。この時、貯留タンク8に湯水が貯留されていくので、貯留タンク8内の水位は上昇していく。制御ユニット16は、貯留タンク8に設けられた水位センサ(図示せず)で検出される水位が、所定の水位に達するまで待機する。制御ユニット16は、水位センサで検出される水位が所定の水位に達すると、補水弁40を閉じるとともに、第1熱源機64による湯水の加熱を終了する。その後、制御ユニット16は、貯湯工程を終了する。
【0056】
(洗浄工程)
制御ユニット16は、貯湯工程が終了することに応じて、洗浄工程を開始する。制御ユニット16は、洗浄工程が開始されると、タンク開閉弁104が既に開いている場合を除き、タンク開閉弁104を開く。また、制御ユニット16は、ポンプ路開閉弁48を開くとともに、共用ポンプ10を動作させる。これによって、貯留タンク8に貯留された湯水が、第3流路F3を経由して、浴槽20に送られる。この過程では、貯留タンク8に貯留された清潔な湯水が、微細気泡発生ユニット14を通過した上で、浴槽20に排出される。これにより、微細気泡発生ユニット14に存在する汚れ(例えば、ユーザの皮脂)が除去される。制御ユニット16は、洗浄工程が開始されてからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)に達すると、共用ポンプ10を停止させるとともに、ポンプ路開閉弁48とタンク開閉弁104を閉じる。その後、制御ユニット16は、洗浄工程を終了する。洗浄工程が終了すると、微細気泡発生ユニット洗浄運転も終了する。
【0057】
制御ユニット16は、洗浄工程の実行中、貯留タンク8内の湯水が不足してきたと判断される場合、補水弁40を開くとともに第1熱源機64による加熱を開始して、貯留タンク8に湯水を補給してもよい。
【0058】
(変形例)
空気以外の気体(例えば、炭酸ガス、水素、酸素)が、加圧タンク96に導入されてもよい。これにより、空気以外の気体が、微細気泡として浴槽20に供給されてもよい。
【0059】
風呂回路4は、ポンプ路開閉弁48を備えていなくてもよい。
【0060】
制御ユニット16は、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行可能に構成されていなくてもよい。
【0061】
例えば、浴槽洗浄運転の開始時に、浴槽20が既に空になっており、貯留タンク8に十分な量の湯水が貯留されていることがある。この場合、制御ユニット16は、浴槽洗浄運転の開始時に、準備工程を実行することなく、予備洗浄工程を実行してもよい。あるいは、制御ユニット16は、浴槽洗浄運転の開始時に、準備工程および予備洗浄工程を実行することなく、洗浄液噴射工程を実行してもよい。
【0062】
例えば、微細気泡発生ユニット洗浄運転の開始時に、貯留タンク8に十分な量の湯水が貯留されていることがある。この場合、制御ユニット16は、微細気泡発生ユニット洗浄運転の開始時に、貯湯工程を実行することなく、洗浄工程を実行してもよい。
【0063】
風呂回路4において、微細気泡発生ユニット14を設ける箇所は、適宜変更されてもよい。例えば、微細気泡発生ユニット14は、ポンプ路46において、共用ポンプ10よりも上流側の部分に設けられてもよい。あるいは、微細気泡発生ユニット14は、循環復路62の途中に設けられてもよい。このように、微細気泡発生ユニット14の下流側に共用ポンプ10が設けられる場合、微細気泡発生運転の空気導入工程において、空気導入ポンプ110の動作がなくとも、共用ポンプ10の動作のみによって、大気中の空気を空気導入路106を介して加圧タンク96へと引き込むことができる。即ち、空気導入ポンプ110が不要となる。
【0064】
微細気泡発生ユニット14は、液体に気体を加圧溶解させた上で、液体に加圧溶解された気体を微細気泡として析出させる、加圧溶解方式のものである。微細気泡発生ユニット14は、加圧溶解方式以外の方式で微細気泡を発生させるものに置き換えられてもよい。例えば、微細気泡発生ユニット14は、旋回流を生成するとともに、当該旋回流によって気泡を微細化させることで微細気泡を発生させる、せん断方式のものに置き換えられてもよい。
【0065】
第1三方弁44は、第1三方弁44と同様の機能を有する別の機構に置き換えられてもよい。例えば、第1三方弁44は、タンク出湯路42の下流端を開閉する開閉弁と、循環復路62の下流端を開閉する開閉弁と、から構成される機構に置き換えられてもよい。この機構は、タンク出湯路42の下流端を開き、循環復路62の下流端を閉じることで、第1三方弁44の第1連通状態を再現することができる。また、タンク出湯路42の下流端を閉じ、循環復路62の下流端を開くことで、第1三方弁44の第2連通状態を再現することができる。
【0066】
第2三方弁50は、第2三方弁50と同様の機能を有する別の機構に置き換えられてもよい。例えば、第2三方弁50は、第1洗剤混合路52の上流端を開閉する開閉弁と、第1循環往路58の上流端を開閉する開閉弁と、から構成される機構に置き換えられてもよい。この機構は、第1洗剤混合路52の上流端を開き、第1循環往路58の上流端を閉じることで、第2三方弁50の第3連通状態を再現することができる。また、第1洗剤混合路52の上流端を閉じ、第1循環往路58の上流端を開くことで、第2三方弁50の第4連通状態を再現することができる。
【0067】
加圧ポンプ102は、微細気泡発生運転の加圧溶解工程において動作され、共用ポンプ10により加圧された湯水を、さらに加圧する構成となっている。即ち、加圧ポンプ102は、共用ポンプ10の加圧能力を補うために設けられている。ただし、加圧溶解工程において要求される加圧能力を、共用ポンプ10単体で発揮可能である場合には、加圧ポンプ102は不要ともいえる。この場合、微細気泡発生ユニット14は、加圧ポンプ102を備えていなくてもよい。
【0068】
制御ユニット16は、微細気泡発生運転の空気導入工程において、共用ポンプ10の代わりに、加圧ポンプ102を動作させてもよい。
【0069】
制御ユニット16は、微細気泡発生運転の空気導入工程において、共用ポンプ10も加圧ポンプ102も動作させなくてもよい。この場合、空気導入ポンプ110から加圧タンク96に向けて送り出された空気によって、加圧タンク96内の湯水が、タンク流出路100、第2循環往路60、浴槽アダプタ22の第1流出路124および第1流出口126を経由して、浴槽20に押し出されてもよい。
【0070】
風呂往路34および風呂復路36を浴槽20に接続するためのアダプタと、第2循環往路60および循環復路62を浴槽20に接続するためのアダプタは、互いに別個に設けられてもよい。
【0071】
(実施例の特徴)
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、風呂システム2は、給水源18から供給される湯水を貯留するとともに、貯留された湯水が給水源18に向けて逆流することを防止するオーバーフロー路86(逆流防止機構の例)を有する貯留タンク8と、湯水を圧送する共用ポンプ10と、湯水の中に洗剤を混合させる洗剤混合ユニット12と、湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生ユニット14と、浴槽20に接続されており、貯留タンク8、共用ポンプ10、洗剤混合ユニット12、および微細気泡発生ユニット14が設けられる風呂回路4と、制御ユニット16と、を備える。風呂回路4は、制御ユニット16からの指示に応じて、貯留タンク8から共用ポンプ10と洗剤混合ユニット12を経由して浴槽20に至る第1流路F1と、浴槽20から共用ポンプ10と微細気泡発生ユニット14を経由して浴槽20に戻る第2流路F2と、を選択的に構成可能である。制御ユニット16は、風呂回路4に第1流路F1を構成させた上で共用ポンプ10を動作させることにより、貯留タンク8から送られる湯水に洗剤混合ユニット12によって洗剤を混合させ、洗剤が混合された湯水を浴槽20に供給することで浴槽20を洗浄する浴槽洗浄運転と、風呂回路4に第2流路F2を構成させた上で共用ポンプ10を動作させることにより、浴槽20に貯留された湯水を微細気泡発生ユニット14に循環させて浴槽20に貯留された湯水の中に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、を実行可能に構成される。
【0072】
浴槽洗浄運転は、浴槽20に湯水が貯留されていない状況で実行される。一方、微細気泡発生運転は、浴槽20に湯水が貯留されている状況で実行される。このことから、浴槽洗浄運転の実行時期と、微細気泡発生運転の実行時期と、が互いに重なり合うことはない。上記の風呂システム2は、この特徴を考慮して、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の間で、共用ポンプ10を共用する構成となっている。この構成によれば、浴槽洗浄運転の際に駆動されるポンプと微細気泡発生運転の際に駆動されるポンプを互いに別個に設ける構成と比較して、風呂システム2に設けられるポンプの数を減らすことができる。従って、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システム2を、比較的低コストで製造することができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と微細気泡発生運転の両方を実行可能な風呂システム2を、比較的コンパクトにすることができる。
【0073】
1つまたはそれ以上の実施形態において、風呂回路4は、貯留タンク8から共用ポンプ10と微細気泡発生ユニット14を経由して浴槽20に至る第3流路F3をさらに構成可能である。制御ユニット16は、風呂回路4に第3流路F3を構成させた上で共用ポンプ10を動作させることにより、貯留タンク8に貯留された湯水を微細気泡発生ユニット14に通過させて微細気泡発生ユニット14を洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成される。
【0074】
浴槽20に貯留された湯水には、汚れ(例えば、ユーザの皮脂)が混入していることがある。浴槽20に貯留された湯水は、微細気泡発生運転が実行される場合、微細気泡発生ユニット14に送られる。このため、微細気泡発生ユニット14には、汚れが侵入することがある。上記の構成によれば、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行することにより、貯留タンク8に貯留された清潔な湯水を用いて、微細気泡発生ユニット14を洗浄することができる。これにより、微細気泡発生ユニット14に侵入した汚れを除去することができるので、微細気泡発生ユニット14を清潔に保つことができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と、微細気泡発生運転と、微細気泡発生ユニット洗浄運転と、の間で共用ポンプ10が共用される。このため、微細気泡発生ユニット洗浄運転のためのポンプを別個に設ける必要がない。従って、風呂システム2に、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行するための構成を比較的低コストで組み込むことができる。
【0075】
1つまたはそれ以上の実施形態において、浴槽20には、浴槽洗浄運転の際に第1流路F1を流れる湯水が浴槽20の内部へと吐出される洗浄ノズル24と、微細気泡発生運転の際に浴槽20の内部の湯水が第2流路F2へと流入する第1流入口118(流入口の例)と、微細気泡発生運転の際に第2流路F2を流れる湯水が浴槽20の内部へと流出する第1流出口126(流出口の例)と、が設けられる。風呂回路4は、共用ポンプ10が設けられるポンプ路46と、ポンプ路46の上流端に設けられる第1三方弁44(第1切替機構の例)と、ポンプ路46の下流端に設けられる第2三方弁50(第2切替機構の例)と、一端が洗浄ノズル24に接続され、他端が第2三方弁50に接続される洗剤混合路52、56と、一端が第1流入口118に接続され、他端が第1三方弁44に接続される循環復路62と、一端が第1流出口126に接続され、他端が第2三方弁50に接続される循環往路58、60と、を備える。貯留タンク8は、第1三方弁44に接続される。洗剤混合ユニット12は、洗剤混合路52、56に設けられる。微細気泡発生ユニット14は、循環往路58、60(ポンプ路、循環往路、および循環復路のうちいずれか一つの例)に設けられる。第1三方弁44は、ポンプ路46の上流端と貯留タンク8の間を連通させるとともにポンプ路46の上流端と循環復路62の他端の間を非連通にする第1連通状態(タンク連通状態の例)と、ポンプ路46の上流端と貯留タンク8の間を非連通にするとともにポンプ路46の上流端と循環復路62の他端の間を連通させる第2連通状態(流入口連通状態の例)と、の間で選択的に切り替え可能である。第2三方弁50は、ポンプ路46の下流端と洗剤混合路52、56の他端の間を連通させるとともにポンプ路46の下流端と循環往路58、60の他端の間を非連通にする第3連通状態(洗浄ノズル連通状態の例)と、ポンプ路46の下流端と洗剤混合路52、56の他端の間を非連通にするとともにポンプ路46の下流端と循環往路58、60の他端の間を連通させる第4連通状態(流出口連通状態の例)と、の間で選択的に切り替え可能である。制御ユニット16は、第1三方弁44を第1連通状態とし、第2三方弁50を第3連通状態とすることで、風呂回路4に第1流路F1を構成させる。制御ユニット16は、第1三方弁44を第2連通状態とし、第2三方弁50を第4連通状態とすることで、風呂回路4に第2流路F2を構成させる。
【0076】
上記の構成によれば、簡素な機構によって、第1流路F1が構成される状態と、第2流路F2が構成される状態と、の間の切り替えを行うことができる。
【0077】
1つまたはそれ以上の実施形態において、微細気泡発生ユニット14は、循環往路58、60(ポンプ路および循環往路のうちいずれか一つの例)に設けられる。風呂回路4は、第1三方弁44を第1連通状態とし、第2三方弁50を第4連通状態とすることで、貯留タンク8から共用ポンプ10と微細気泡発生ユニット14を経由して浴槽20に至る第3流路F3をさらに構成可能である。制御ユニット16は、風呂回路4に第3流路F3を構成させた上で共用ポンプ10を動作させることにより、貯留タンク8に貯留された湯水を微細気泡発生ユニット14に通過させて微細気泡発生ユニット14を洗浄する微細気泡発生ユニット洗浄運転をさらに実行可能に構成される。
【0078】
浴槽20に貯留された湯水には、汚れ(例えば、ユーザの皮脂)が混入していることがある。浴槽20に貯留された湯水は、微細気泡発生運転が実行される場合、微細気泡発生ユニット14に供給される。このため、微細気泡発生ユニット14には、汚れが蓄積していくことが予想される。上記の構成によれば、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行することにより、貯留タンク8に貯留された清潔な湯水を用いて、微細気泡発生ユニット14を洗浄することができる。これにより、微細気泡発生ユニット14を清潔に保つことができる。さらに上記の構成によれば、浴槽洗浄運転と、微細気泡発生運転と、微細気泡発生ユニット洗浄運転と、の間で共用ポンプ10が共用される。このため、微細気泡発生ユニット洗浄運転のためのポンプを別個に設ける必要がない。従って、風呂システム2に、微細気泡発生ユニット洗浄運転を実行するための構成を比較的低コストで組み込むことができる。
【0079】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0080】
2:風呂システム、4:風呂回路、6:熱源ユニット、8:貯留タンク、10:共用ポンプ、12:洗剤混合ユニット、14:微細気泡発生ユニット、16:制御ユニット、18:給水源、20:浴槽、22:浴槽アダプタ、24:洗浄ノズル、26:排水栓、28:アクチュエータ、30:給水路、32:出湯路、34:風呂往路、36:風呂復路、38:補水路、40:補水弁、42:タンク出湯路、44:第1三方弁、46:ポンプ路、48:ポンプ路開閉弁、50:第2三方弁、52:第1洗剤混合路、54:逆止弁、56:第2洗剤混合路、58:第1循環往路、60:第2循環往路、62:循環復路、64:第1熱源機、66:第2熱源機、68:熱源給水路、70:熱源出湯路、72:熱源風呂復路、74:熱源風呂往路、76:バイパス路、78:バイパスサーボ、80:注湯路、82:湯はり弁、84:追い焚きポンプ、86:オーバーフロー路、88:洗剤タンク、90:洗剤導入路、92:洗剤弁、94:混合器、96:加圧タンク、98:タンク流入路、100:タンク流出路、102:加圧ポンプ、104:タンク開閉弁、106:空気導入路、108:空気導入弁、110:空気導入ポンプ、112:低水位電極、114:高水位電極、160:リモコン、116:第1流入路、118:第1流入口、120:第2流入路、122:第2流入口、124:第1流出路、126:第1流出口、128:第2流出路、130:第2流出口、132:逆止弁、134:逆止弁、136:逆止弁、138:逆止弁、140:微細気泡発生ノズル、F1:第1流路、F2:第2流路、F3:第3流路