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特開2024-168789フレキシブル表示装置用金属支持体及びフレキシブル表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168789
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置用金属支持体及びフレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241128BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085733
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】小澤 昂平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 善博
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅允
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA47
5C094DA06
5C094FA01
5C094HA08
5C094JA08
5G435EE04
5G435EE13
5G435LL07
(57)【要約】
【課題】金属支持体の剛性の低下を抑えつつ、金属支持体の軽量化を図ることが可能な、フレキシブル表示装置用金属支持体及びフレキシブル表示装置を提供する。
【解決手段】フレキシブル表示装置用金属支持体10は、第1面21と第2面22とを有する基材20を備える。基材20は、第1領域BAと第2領域NAとを有する。第2領域NAに、複数の第2穴31が形成される。複数の第2穴31は、それぞれ平面視六角形の貫通孔であり、複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示装置用金属支持体において、
第1面と第2面とを有する基材を備え、
前記基材は、第1領域と第2領域とを有し、
前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、
前記複数の第2穴は、それぞれ平面視六角形の貫通孔であり、
前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項2】
互いに隣接する前記第2穴の中心点同士の間隔は、100μm以上4mm以下である、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項3】
互いに隣接する前記第2穴同士の間には、線状部が形成され、前記線状部の幅は、前記間隔の5%以上40%以下である、請求項2に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項4】
フレキシブル表示装置用金属支持体において、
第1面と第2面とを有する基材を備え、
前記基材は、第1領域と第2領域とを有し、
前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、
前記複数の第2穴は、それぞれ前記第2面側に開口する非貫通孔であり、
前記複数の第2穴は、パターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項5】
前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、請求項4に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項6】
前記複数の第2穴は、平面視でライン状、千鳥状又はメッシュ状に配置されている、請求項4に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項7】
前記第1面及び前記第2面は、それぞれ第1方向と第2方向とによって形成される平面に平行であり、前記複数の第2穴の前記第1方向に沿う長さ、前記複数の第2穴の前記第2方向に沿う長さ、及び、前記複数の第2穴の深さのうちの少なくとも1つは、前記第1方向の一方から他方に向かうにつれて変化する、請求項4に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項8】
フレキシブル表示装置用金属支持体において、
第1面と第2面とを有する第1基材と、
前記第1基材の前記第1面上に接合された第2基材と、を備え、
前記第1基材は、第1領域と第2領域とを有し、
前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、
前記複数の第2穴は、パターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項9】
前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、請求項8に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項10】
前記第2基材は穴を有さない、請求項8に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項11】
前記第2基材は、複数の第3穴を有する、請求項8に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項12】
前記第2基材の厚みは、前記第1基材の厚みよりも薄い、請求項8に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項13】
前記第1領域に、複数の第1穴が形成されている、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項14】
前記第1穴は、非貫通孔である、請求項13に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項15】
前記第1穴は、貫通孔である、請求項13に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項16】
表示部材と、
前記表示部材を支持する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体と、を備えた、フレキシブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレキシブル表示装置用金属支持体及びフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスマートフォン、タブレット等の表示装置において、折り畳み可能なものが知られている。このような表示装置としては、その一部分に屈曲可能な屈曲部分を有する、フレキシブル表示装置が存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6603764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、フレキシブル表示装置を更に軽量化することが求められている。しかしながら、フレキシブル表示装置の金属支持体を過度に薄くすると、金属支持体の剛性が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、金属支持体の剛性の低下を抑えつつ、金属支持体の軽量化を図ることが可能な、フレキシブル表示装置用金属支持体及びフレキシブル表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[16]に関する。
【0007】
[1]フレキシブル表示装置用金属支持体において、第1面と第2面とを有する基材を備え、前記基材は、第1領域と第2領域とを有し、前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、前記複数の第2穴は、それぞれ平面視六角形の貫通孔であり、前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【0008】
[2]互いに隣接する前記第2穴の中心点同士の間隔は、100μm以上4mm以下である、[1]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0009】
[3]互いに隣接する前記第2穴同士の間には、線状部が形成され、前記線状部の幅は、前記間隔の5%以上40%以下である、[2]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0010】
[4]フレキシブル表示装置用金属支持体において、第1面と第2面とを有する基材を備え、前記基材は、第1領域と第2領域とを有し、前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、前記複数の第2穴は、それぞれ前記第2面側に開口する非貫通孔であり、前記複数の第2穴は、パターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【0011】
[5]前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、[4]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0012】
[6]前記複数の第2穴は、平面視でライン状、千鳥状又はメッシュ状に配置されている、[4]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0013】
[7]前記第1面及び前記第2面は、それぞれ第1方向と第2方向とによって形成される平面に平行であり、前記複数の第2穴の前記第1方向に沿う長さ、前記複数の第2穴の前記第2方向に沿う長さ、及び、前記複数の第2穴の深さのうちの少なくとも1つは、前記第1方向の一方から他方に向かうにつれて変化する、[4]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0014】
[8]フレキシブル表示装置用金属支持体において、第1面と第2面とを有する第1基材と、前記第1基材の前記第1面上に接合された第2基材と、を備え、前記第1基材は、第1領域と第2領域とを有し、前記第2領域に、複数の第2穴が形成され、前記複数の第2穴は、パターン状に配置されている、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【0015】
[9]前記複数の第2穴は、ハニカムパターン状に配置されている、[9]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0016】
[10]前記第2基材は穴を有さない、[8]又は[9]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0017】
[11]前記第2基材は、複数の第3穴を有する、[8]又は[9]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0018】
[12]前記第2基材の厚みは、前記第1基材の厚みよりも薄い、[8]乃至[11]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0019】
[13]前記第1領域に、複数の第1穴が形成されている、[1]乃至[12]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0020】
[14]前記第1穴は、非貫通孔である、[13]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0021】
[15]前記第1穴は、貫通孔である、[13]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0022】
[16]表示部材と、前記表示部材を支持する、[1]乃至[15]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体、を備えた、フレキシブル表示装置。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、金属支持体の剛性の低下を抑えつつ、金属支持体の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図。
図2図2は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す平面図。
図3図3は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置(展開状態)を示す断面図(図2のIII-III線断面図)。
図4図4は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置(折畳状態)を示す断面図。
図5図5は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す平面図。
図6図6は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図(図5のVI-VI線断面図)。
図7図7は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す部分拡大平面図(図5のVII部拡大図)。
図8図8(a)-(c)は、それぞれ基材の屈曲領域の変形例を示す平面図。
図9図9(a)-(d)は、第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法を示す断面図。
図10図10は、第2の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す平面図。
図11図11は、第2の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図(図10のXI-XI線断面図)。
図12図12(a)-(d)は、それぞれ第2の実施の形態における非屈曲領域の第2穴の変形例を示す平面図。
図13図13は、第3の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す平面図。
図14図14は、第3の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図(図13のXIV-XIV線断面図)。
図15図15は、第3の実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
本開示の第1の実施の形態について、図1乃至図9を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
【0026】
本明細書中、第1方向D1とは、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の主たる面に平行な平面上に位置し、かつ折り曲げ中心線FLに対して垂直な方向をいう。第2方向D2とは、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の主たる面に平行な平面上に位置し、かつ折り曲げ中心線FLに対して平行な方向をいう。第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれフレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の各辺に平行な方向であっても良い。また第1方向D1と第2方向D2とは互いに直交する。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の両方に対して垂直な方向であり、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の厚み方向に平行な方向をいう。
【0027】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
図1乃至図4により、本実施の形態によるフレキシブル表示装置の概略について説明する。図1乃至図4は、本実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す図である。
【0028】
図1及び図2に示すフレキシブル表示装置70は、例えば有機EL表示装置であっても良い。フレキシブル表示装置70は、フレキシブルであり、折り曲げ可能な構造となっている。フレキシブル表示装置70は、折り曲げた状態の折曲状態(図4参照)と、開いた状態の展開状態(図2及び図3参照)とをとることができる。折曲状態とは、フレキシブル表示装置70を、折り曲げ中心線FLを中心に折り曲げた状態である。折曲状態において、表示部材71の外面同士が接近する方向に折り曲げられる。なお、これに限らず、筐体78の外面同士が接近する方向に折り曲げられても良い。展開状態とは、フレキシブル表示装置70を、折り曲げることなく、開いた状態である。展開状態において、表示部材71の面は、その全体が実質的に同一平面上に位置する。フレキシブル表示装置70は、画像を表示する部分を有する薄型の電子機器であっても良い。このような電子機器は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器であっても良い。
【0029】
図3に示すように、フレキシブル表示装置70は、表示部材71と、フレキシブル表示装置用金属支持体10と、を備える。以下、フレキシブル表示装置用金属支持体10を、単に金属支持体10ともいう。金属支持体10は、表示部材71を支持する。表示部材71と金属支持体10との間には、クッションシート等の緩衝層76が設けられる。金属支持体10は、接着層79を介して緩衝層76に接着される。金属支持体10の、表示部材71の反対側の面には、放熱層77が配置される。さらに、表示部材71、緩衝層76、接着層79、金属支持体10及び放熱層77は、筐体78に支持される。
【0030】
表示部材71は、支持基材72と、薄膜トランジスタ(TFT)73と、有機EL素子74と、封止樹脂75とを有する。薄膜トランジスタ73は、支持基材72上に配置される。有機EL素子74は、薄膜トランジスタ73上に配置される。封止樹脂75は、有機EL素子74上に配置される。
【0031】
支持基材72は、表示部材71の全体を支持するものであり、可撓性を有するフィルムであっても良い。支持基材72としては、例えばポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料を用いても良い。薄膜トランジスタ73は、有機EL素子74を駆動するためのものであり、有機EL素子74の電極に印加される電圧を制御する。有機EL素子74は、それ自体が発光することにより画像等を表示する。有機EL素子74は、薄膜トランジスタ73に電気的に接続されている。有機EL素子74は、発光部と称しても良い。有機EL素子74は、図示しない反射電極と、有機発光層と、透明電極とを有しても良い。封止樹脂75は、有機EL素子74を封止し、有機EL素子74を保護するためのものである。表示部材71は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示部材71は、それ自体が発光する機能をもつ他の表示装置であっても良い。表示部材71は、マイクロLED素子(発光体)を含むマイクロLED表示装置であっても良い。
【0032】
緩衝層76は、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに表示部材71へ加わる応力を緩和する層である。緩衝層76は、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂等の弾力性をもつ樹脂材料の層であっても良い。金属支持体10は、フレキシブル表示装置70を折り曲げるときの屈曲強度を高める部材である。なお、金属支持体10の構成については後述する。
【0033】
放熱層77は、表示部材71からの熱を外部へ放出するための層である。放熱層77は、銅、ニッケル等の金属層であっても良い。放熱層77は、電解めっきにより作製されためっき層であっても良い。筐体78は、表示部材71、緩衝層76、金属支持体10及び放熱層77を収容して保護する。筐体78は、折り曲げ中心線FLを中心に折り曲げ可能な構造を有する。
【0034】
接着層79は、金属支持体10を表示部材71に直接的又は間接的に接着する層である。接着層79は、光学透明性を有していても良い。接着層79は、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。OCA層は、例えば以下のようにして作製された層である。まずポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布する。次に、硬化性接着層用組成物を例えば紫外線(UV)等を用いて硬化し、OCAシートを得る。このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCA層を得る。
【0035】
フレキシブル表示装置70は、屈曲領域BAと、非屈曲領域NAとを含む。屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、物理的に変形する領域である。屈曲領域BAは、第1領域と称しても良い。折り曲げ中心線FLは、屈曲領域BAの略中心に位置する。非屈曲領域NAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、実質的に変形しない領域である。非屈曲領域NAは、第2領域と称しても良い。第1方向D1において、屈曲領域BAの両側にそれぞれ非屈曲領域NAが存在する。2つの非屈曲領域NAの、第1方向D1に沿う長さは互いに略同一であっても良い。これに限らず、2つの非屈曲領域NAの、第1方向D1に沿う長さは互いに異なっても良い。また屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70の第1方向D1の中央に存在する。これに限らず、屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70の第1方向D1の中央以外の位置にあっても良い。
【0036】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
図5乃至図7により、本実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体の概略について説明する。図5及び図6は、本実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す図である。図7は、図5の部分拡大平面図である。
【0037】
図5及び図6に示すように、金属支持体10は、基材20を備える。基材20は、第1面21と、第2面22と、複数の第1穴23と、複数の第2穴31とを有する。第1面21は、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面である。第2面22は、フレキシブル表示装置70の放熱層77側を向く面である。第2面22は、第1面21の反対側に位置する。金属支持体10の基材20は、屈曲領域BAと、非屈曲領域NAとを含む。第1面21及び第2面22は、それぞれ第1方向D1軸と第2方向D2軸とによって形成される平面に平行である。複数の第2穴31は、非屈曲領域NAに形成されている。複数の第2穴31は、それぞれ平面視六角形の貫通孔である。複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されている。
【0038】
上述したように、基材20は、屈曲領域BAと、非屈曲領域NAとを含む。屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに物理的に変形する領域である。屈曲領域BAは、第1領域と称しても良い。折り曲げ中心線FLは、屈曲領域BAの略中心に位置する。非屈曲領域NAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、実質的に変形しない領域である。非屈曲領域NAは、第2領域と称しても良い。屈曲領域BA及び非屈曲領域NAは、それぞれ上述したフレキシブル表示装置70の屈曲領域BA及び非屈曲領域NAに対応する。非屈曲領域NAの面積は、屈曲領域BAの面積より広くても良い。
【0039】
基材20は、フレキシブル表示装置70を折り曲げるときの屈曲強度を高める部材である。基材20は、平面視で長方形形状を有している。この長方形は、一対の長辺が第1方向D1に平行であり、一対の短辺が第2方向D2に平行である。なお、これに限らず、一対の短辺が第1方向D1に平行であり、一対の長辺が第2方向D2に平行であっても良い。長方形の各角部は丸みを帯びていても良い。基材20は、平面視で正方形、多角形、又は円形であっても良い。基材20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状に対応していても良い。この場合、基材20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状と同一であっても良い。あるいは、基材20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状よりも小さくても良い。
【0040】
基材20は、フレキシブルで屈曲可能な薄板の形状を有する。なお、本明細書中、「フレキシブル」とは、「曲率半径を少なくとも5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下に曲げることが可能であること」をいう。
【0041】
基材20の第1方向D1に沿う長さL1は、100mm以上としても良く、200mm以上としても良い。基材20の第1方向D1に沿う長さL1は、500mm以下としても良く、400mm以下としても良い。基材20の第2方向D2に沿う長さL2は、50mm以上としても良く、150mm以上としても良い。基材20の第2方向D2に沿う長さL2は、400mm以下としても良く、350mm以下としても良い。
【0042】
基材20の厚みT1は、50μm以上としても良く、75μm以上としても良い。基材20の厚みT1を50μm以上とすることにより、基材20の強度が弱く支持体として成り立たなくなることを抑制できる。基材20の厚みT1は、150μm以下としても良い。基材20の厚みT1を150μm以下とするにより、屈曲領域BAの曲率半径を小さくし、屈曲耐性を向上できる。また金属支持体10が過度に重くなることを抑制できる。
【0043】
基材20の主たる材料は、金属材料であっても良い。基材20の主たる材料が金属材料である場合、金属材料としては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用いても良い。基材20の主たる金属材料としてステンレスを用いた場合、基材20が良好なバネ性を持つため、基材20を屈曲させ易い。基材20の主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。本明細書中、「主たる材料」とは、ある部材に50質量%超、好ましくは80質量%超含まれる材料をいう。
【0044】
基材20は、複数の第1穴23を有する。複数の第1穴23は、屈曲領域BAに設けられている。複数の第1穴23は、ライン状に形成されても良い。複数の第1穴23は、互いに平行に配置されても良い。複数の第1穴23の平面形状は互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。複数の第1穴23の深さd1は互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。各第1穴23は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。各第1穴23は、平面視で長方形状であっても良い。これに限らず、各第1穴23は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第1穴23は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。各第1穴23は、基材20の第2方向D2の全体にわたって延びているが、基材20の第2方向D2の一部のみに存在しても良い。
【0045】
各第1穴23は、基材20を第2面22側から薄肉化することにより形成されている。各第1穴23は、第1面21までは達していない。すなわち各第1穴23は、基材20を厚み方向に貫通しない非貫通孔である。本明細書中、「穴」とは、非貫通孔及び貫通孔の両方を含む概念である。各第1穴23は、ハーフエッチングにより形成されたものであっても良い。本明細書中、「ハーフエッチング」とは、被エッチング材料をその厚み方向に途中までエッチングすることをいう。ハーフエッチング後の被エッチング材料の厚みは、ハーフエッチング前の被エッチング材料の厚みの例えば30%以上90%以下、好ましくは40%以上80%以下となる。本実施の形態において、屈曲領域BAに位置する第1面21には、凹部が形成されていないが、屈曲領域BAに位置する第1面21に凹部が形成されていても良い。
【0046】
各第1穴23の第1方向D1に沿う長さL3は、50μm以上としても良く、100μm以上としても良い。各第1穴23の第1方向D1に沿う長さL3は、1000μm以下としても良く、500μm以下としても良い。各第1穴23の第1方向D1に沿う長さL3は、各第1穴23の幅と称しても良い。各第1穴23の第2方向D2に沿う長さL4は、50mm以上としても良く、100mm以上としても良い。各第1穴23の第2方向D2に沿う長さL4は、400mm以下としても良く、300mm以下としても良い。各第1穴23の第2方向D2に沿う長さL4は、基材20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良い。なお、長さL3及び長さL4は、それぞれ第2面22における距離をいう。
【0047】
各第1穴23の深さd1は、基材20の厚みT1の30%以上としても良く、50%以上としても良く、70%以上としても良い。各第1穴23の深さd1は、基材20の厚みT1の90%以下としても良く、87%以下としても良く、85%以下としても良い。第1穴23の深さd1は、第1穴23の最深部の深さである。第1穴23の深さd1は、第1穴23の最深部と第2面22との、第3方向D3に沿う距離をいう。各第1穴23の深さd1は、25μm以上としても良く、50μm以上としても良く、70μm以上としても良い。各第1穴23の深さd1は、135μm以下としても良く、120μm以下としても良く、100μm以下としても良い。また、第1穴23の最深部における基材20の厚みT2は、基材20の厚みT1の5%以上としても良く、10%以上としても良く、15%以上としても良い。第1穴23の最深部における基材20の厚みT2は、基材20の厚みT1の50%以下としても良く、40%以下としても良く、30%以下としても良い。なお、第1穴23の最深部における基材20の厚みT2とは、第1穴23の最深部と第1面21との第3方向D3に沿う距離をいう。
【0048】
基材20の屈曲領域BAに複数の第1穴23が形成されることにより、金属支持体10をフレキシブル表示装置70に組み込んだ際、フレキシブル表示装置70の屈曲領域BAの屈曲性を高めることができる。この結果、フレキシブル表示装置70を折り畳んだときに屈曲領域BAの曲率半径をより小さくできる。また、基材20が第1穴23を有することにより、金属支持体10を軽量化できる。第1穴23は、平面視でライン状に配置される。これにより、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときの屈曲性を向上できる。
【0049】
基材20は、屈曲領域BAにおいて複数の土手部25を有する。各土手部25は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。複数の土手部25は、第1方向D1に互いに間隔を空けて配置されている。複数の土手部25の間には、それぞれ第1穴23が形成される。すなわち第1穴23と土手部25とは、第1方向D1に沿って交互に形成される。この場合、第1穴23と土手部25とが互い違いに配置されるので、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに屈曲領域BAの特定の箇所に応力が集中することを緩和できる。
【0050】
複数の土手部25は、互いに平行に配置される。複数の土手部25の形状は互いに同一であっても良く、異なっても良い。各土手部25は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。各土手部25は、平面視で長方形状であっても良い。これに限らず、各土手部25は、平面視で第1穴23の周囲を取り囲む形状を有していても良い。各土手部25は、基材20の第2方向D2の全体にわたって延びているが、基材20の第2方向D2の一部のみに存在しても良い。各土手部25は、少なくとも第2面22側からは薄肉化されていない。土手部25の厚みは、基材20の厚みT1と同一である。
【0051】
各土手部25の第1方向D1に沿う長さL5は、50μm以上としても良く、100μm以上としても良い。各土手部25の第1方向D1に沿う長さL5は、400μm以下としても良く、200μm以下としても良い。なお、長さL5は、第2面22における距離をいう。各土手部25の第2方向D2に沿う長さは、基材20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良い。
【0052】
各土手部25の第1方向D1に沿う長さL5は、互いに同一であっても良い。あるいは、各土手部25の第1方向D1に沿う長さL5は、土手部25の場所によって変更しても良い。例えば、折り曲げ中心線FLに近い位置の土手部25の第1方向D1に沿う長さL5を、折り曲げ中心線FLから離れた位置の土手部25の第1方向D1に沿う長さL5よりも広くしても良い。これにより、金属支持体10を折り畳んだ際、屈曲領域BAのうち、折り曲げ中心線FLに近く、曲率半径が小さくなりやすい部分に負荷が加わることを抑制できる。
【0053】
基材20は、複数の第2穴31を有する。複数の第2穴31は、非屈曲領域NAに形成されている。第2穴31は、それぞれ平面視正六角形の貫通孔である。複数の第2穴31の平面形状は互いに同一であるが、一部の第2穴31の平面形状が他の第2穴31の平面形状と異なっても良い。例えば、非屈曲領域NAの縁部に位置する第2穴31は、平面視で三角形又は四角形となっていても良い。
【0054】
複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されている。複数の第2穴31は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置された第1列R1の第2穴31と、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置された第2列R2の第2穴31とを含む。第1列R1の第2穴31と第2列R2の第2穴31とは第2方向D2にずれて配置されている。すなわち、各第2穴31の中心点C1(図7参照)は、正三角格子状に配置される。本実施の形態によれば、複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されるので、基材20の剛性を損なうことなく基材20を軽量化できる。各第2穴31は、平面視で角部が丸められた六角形形状を有していても良い。本明細書において、角部が丸められた六角形も、六角形に含む。
【0055】
各第2穴31は、第1面21及び第2面22の両方に開口している。すなわち各第2穴31は、基材20を厚み方向に貫通する貫通孔となっている。第2穴31が貫通孔であることにより、金属支持体10をより軽量化できる。
【0056】
図7を参照して、第2穴31の平面形状について更に説明する。上述したように、複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されている。すなわち、1つの第2穴31の周囲には、第2穴31の各辺に隣接して6個の第2穴31が配置されている。第2穴31は、中心点C1を有する。互いに隣接する第2穴31の中心点C1同士の間隔P1は、100μm以上としても良く、500μm以上としても良い。互いに隣接する第2穴31の中心点C1同士の間隔P1は、4mm以下としても良く、1mm以下としても良い。上記間隔P1を上記範囲とすることにより、基材20の剛性を損なうことなく基材20を軽量化できる。
【0057】
第2穴31の対角線の長さL6は、60μm以上としても良く、300μm以上としても良い。第2穴31の対角線の長さL6は、5mm以下としても良く、1mm以下としても良い。第2穴31の一辺の長さL7は、30μm以上としても良く、150μm以上としても良い。第2穴31の一辺の長さL7は、2.5mm以下としても良く、550μm以下としても良い。なお、長さL6及び長さL7は、それぞれ第2面22における距離をいう。長さL6及び長さL7を上記範囲とすることにより、基材20の剛性を損なうことなく基材20を軽量化できる。本実施の形態において、各第2穴31の1対の辺が第2方向D2に平行となっているが、各第2穴31の1対の辺が第1方向D1に平行となっていても良い。
【0058】
互いに隣接する第2穴31同士の間には、平面視で直線状の線状部32が形成されている。線状部32は、その端部で他の線状部32に連結されている。線状部32と他の線状部32とは平面視で120°の角度をなす。第2穴31は、6本の線状部32によって取り囲まれている。線状部32の幅w1は、互いに隣接する第2穴31の中心点C1同士の間隔P1の5%以上としても良く、10%以上としても良い。線状部32の幅w1は、互いに隣接する第2穴31の中心点C1同士の間隔P1の40%以下としても良く、20%以上としても良い。線状部32の幅w1は、5μm以上としても良く、25μm以上としても良い。線状部32の幅w1は、2mm以下としても良く、400μm以下としても良い。なお、線状部32の幅w1は、第2面22における距離をいう。線状部32の幅w1を上記範囲とすることにより、基材20の剛性を損なうことなく基材20を軽量化できる。
【0059】
図8(a)-(c)は、それぞれ屈曲領域BAの変形例を示す平面図である。
【0060】
図8(a)に示すように、基材20の屈曲領域BAには穴が形成されていなくても良い。すなわち、屈曲領域BAにおいて、基材20の第1面21及び第2面22のいずれにも穴が形成されていない。屈曲領域BAにおいて、第1面21及び第2面22はそれぞれ平坦面となっている。本変形例によれば、屈曲領域BAの穴加工が不要となるため、安価かつ容易に金属支持体10を製造できる。
【0061】
図8(b)に示すように、屈曲領域BAにおいて、複数の第1穴23はそれぞれ貫通孔であっても良い。各第1穴23は、第1面21及び第2面22の両方に開口している。すなわち各第1穴23は、基材20を厚み方向に貫通する。各第1穴23の第2方向D2に沿う長さL4は、50mm以上としても良く、100mm以上としても良い。各第1穴23の第2方向D2に沿う長さL4は、400mm以下としても良く、300mm以下としても良い。本変形例によれば、第1穴23が貫通孔であることにより、金属支持体10を折り畳んだ際、屈曲領域BAの曲率半径をより小さくできる。また、金属支持体10をより軽量化できる。
【0062】
図8(c)に示すように、屈曲領域BAにおいて、複数の第1穴23が互い違い(千鳥状)に配置されていても良い。各第1穴23は、平面視で略長方形形状を有している。各第1穴23は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第1穴23は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。複数の第1穴23は、第3列R3の第1穴23と、第4列R4の第1穴23とを含む。第3列R3の第1穴23は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第4列R4の第1穴23は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第3列R3の第1穴23と第4列R4の第1穴23とは、第2方向D2にずれて配置されている。本変形例によれば、複数の第1穴23が互い違いになっていることにより、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに、第1穴23の周辺の特定箇所に応力が集中することを抑制できる。
【0063】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法)
次に、図5乃至図7に示す金属支持体10の製造方法について、図9(a)-(d)を用いて説明する。
【0064】
まず図9(a)に示すように、エッチングされていない平板状の基材20Aを準備する。この基材20Aとしては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等の金属材料を用いても良い。基材20Aは、第1面21と第2面22とを有する。なお基材20Aは、第1面21及び第2面22に対して脱脂等を行い、洗浄処理を施したものを使用することが好ましい。
【0065】
次に、図9(b)に示すように、基材20A上に第1保護層51及び第2保護層52を設ける。具体的には、基材20Aの第1面21上に第1保護層開口51aを有する第1保護層51を設け、基材20Aの第2面22上に第2保護層開口52aを有する第2保護層52を設ける。第1保護層51及び第2保護層52は、それぞれレジスト層であっても良い。この際、まず基材20Aの第1面21及び第2面22の全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、基材20Aの第1面21及び第2面22上の感光性レジストに対してそれぞれフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、基材20Aの第1面21上に第1保護層開口51aを有する第1保護層51を形成し、第2面22上に第2保護層開口52aを有する第2保護層52を形成する。第1保護層開口51aの平面形状は、第2穴31の平面形状に対応する。第2保護層開口52aの平面形状は、第1穴23及び第2穴31の平面形状に対応する。
【0066】
次いで、図9(c)に示すように、第1保護層51及び第2保護層52を耐腐蝕膜として基材20Aの第2面22に腐蝕液でエッチングを施す。腐蝕液は、基材20Aの材質に応じて適宜選択できる。例えば、基材20Aとしてステンレスを用いる場合、腐蝕液として塩化第二鉄を主成分とする塩酸との混合液、またはこれに硝酸を加えた混合液を用いてもよい。上記腐蝕液は、基材20Aに対してスプレーエッチングしても良い。これにより、第1面21及び第2面22の両面側から基材20Aがエッチングされ、基材20Aを貫通する第2穴31が形成される。また第2面22側から基材20Aがエッチングされ、基材20Aを貫通しない第1穴23が形成される。
【0067】
その後、図9(d)に示すように、基材20Aの第1面21上の第1保護層51と、基材20Aの第2面22上の第2保護層52とをそれぞれ剥離除去する。このようにして、図5乃至図7に示す金属支持体10が得られる。
【0068】
なお、第1穴23及び第2穴31は、プレス加工、レーザー加工又は機械加工によって形成されても良い。また基材20Aの主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。
【0069】
このように本実施の形態によれば、基材20の非屈曲領域NAに、複数の第2穴31が形成されている。複数の第2穴は、それぞれ貫通孔である。これにより、基材20の体積を減らし、金属支持体10を軽量化できる。また、複数の第2穴31は、それぞれ平面視六角形であり、ハニカムパターン状に配置されている。これにより、基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることができる。基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることにより、非屈曲領域NAが湾曲することを抑制できる。この結果、フレキシブル表示装置70の平坦性を高めることができる。
【0070】
(第2の実施の形態)
次に、図10乃至図12を参照して第2の実施の形態について説明する。図10乃至図12は第2の実施の形態を示す図である。図10乃至図12に示す第2の実施の形態は、主として、第2穴31が非貫通孔である点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図10乃至図12において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
図10は本実施の形態による金属支持体10を示す平面図であり、図11は本実施の形態による金属支持体10を示す断面図である。
【0072】
図10及び図11に示す金属支持体10において、金属支持体10は、基材20を備える。基材20は、第1面21と、第2面22と、複数の第1穴23と、複数の第2穴31とを有する。基材20は、屈曲領域BAと非屈曲領域NAとを有し、非屈曲領域NAに、複数の第2穴31が形成されている。複数の第2穴31は、それぞれ第2面22側に開口する非貫通孔である。複数の第2穴31は、所定のパターン状に配置されている。屈曲領域BAは、第1領域と称しても良い。非屈曲領域NAは、第2領域と称しても良い。
【0073】
基材20は、複数の第1穴23を有する。複数の第1穴23は、屈曲領域BAに設けられている。複数の第1穴23は、ライン状に形成されても良い。屈曲領域BAの構成は、上述した第1の実施の形態における屈曲領域BAの構成と同様にしても良い。また屈曲領域BAは、上述した図8(a)-(c)に示す例と同様にしても良い。
【0074】
複数の第2穴31は、非屈曲領域NAに設けられている。第2穴31は、それぞれ平面視正六角形の貫通孔である。複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されている。複数の第2穴31がハニカムパターン状に配置されることにより、基材20の剛性を損なうことなく基材20を軽量化できる。複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に限らず、所定のパターン状に配置されていても良い。複数の第2穴31は、非屈曲領域NA内で、平面視で一定の規則性をもった状態で配置されていても良い。
【0075】
各第2穴31は、基材20を第2面22側から薄肉化することにより形成されている。各第2穴31は、第1面21までは達していない。すなわち各第2穴31は、基材20を厚み方向に貫通しない非貫通孔である。各第2穴31は、ハーフエッチングにより形成されたものであっても良い。複数の第2穴31の深さd2は互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。複数の第2穴31の深さd2は、複数の第1穴23の深さd1と同一であっても良く、異なっても良い。
【0076】
各第2穴31の深さd2は、基材20の厚みT1の30%以上90%以下としても良い。第2穴31の深さd2は、第2穴31の最深部の深さである。第2穴31の深さd2は、第2穴31の最深部と第2面22との、第3方向D3に沿う距離をいう。各第2穴31の深さd2は、25μm以上135μm以下としても良い。また、第2穴31の最深部における基材20の厚みT3は、基材20の厚みT1の5%以上40%以下としても良い。なお、第2穴31の最深部における基材20の厚みT3とは、第2穴31の最深部と第1面21との第3方向D3に沿う距離をいう。
【0077】
なお、第2穴31の平面形状及び寸法は、上述した第1の実施の形態における第2穴31の平面形状及び寸法と同一としても良い。
【0078】
図12(a)-(d)は、それぞれ非屈曲領域NAの第2穴31の変形例を示す平面図である。
【0079】
図12(a)に示すように、複数の第2穴31は、ライン状に形成されても良い。複数の第2穴31は、互いに平行に配置されても良い。複数の第2穴31の平面形状は互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。各第2穴31は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。各第2穴31は、平面視で長方形状であっても良い。これに限らず、各第2穴31は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第2穴31は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。各第2穴31は、基材20の第2方向D2の全体にわたって延びているが、基材20の第2方向D2の一部のみに存在しても良い。
【0080】
各第2穴31の第1方向D1に沿う長さL8は、50μm以上1000μm以下としても良い。各第2穴31の第1方向D1に沿う長さL8は、各第2穴31の幅と称しても良い。各第2穴31の第2方向D2に沿う長さL9は、50mm以上400mm以下としても良い。各第2穴31の第2方向D2に沿う長さL9は、基材20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良い。なお、長さL8及び長さL9は、それぞれ第2面22における距離をいう。
【0081】
本変形例によれば、複数の第2穴31がライン状に形成されていることにより、金属支持体10を軽量化できる。
【0082】
図12(b)に示すように、非屈曲領域NAにおいて、複数の第2穴31が互い違い(千鳥状)に配置されていても良い。各第2穴31は、平面視で略長方形形状を有している。これに限らず、各第2穴31は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第2穴31は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。複数の第2穴31は、第5列R5の第2穴31と、第6列R6の第2穴31とを含む。第5列R5の第2穴31は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第6列R6の第2穴31は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第5列R5の第2穴31と第6列R6の第2穴31とは、第2方向D2にずれて配置されている。
【0083】
互いに第1方向D1に隣接する第2穴31同士の間隔P2は、20μm以上150μm以下としても良い。互いに第2方向D2に隣接する第2穴31同士の間隔P3は、100μm以上500μm以下としても良い。各第2穴31の第1方向D1に沿う長さL10は、50μm以上1000μm以下としても良い。各第2穴31の第2方向D2に沿う長さL11は、200μm以上3000μm以下としても良い。
【0084】
本変形例によれば、複数の第2穴31が千鳥状に形成されていることにより、金属支持体10を軽量化できる。
【0085】
図12(c)に示すように、非屈曲領域NAにおいて、基材20がメッシュ状に形成されていても良い。この場合、非屈曲領域NAにおいて、複数の第2穴31が第1方向D1及び第2方向D2の両方向に整列されるように配置されている。各第2穴31は、平面視で略長方形形状を有している。これに限らず、各第2穴31は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第2穴31は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。複数の第2穴31は、それぞれ中心点C2を有する。複数の第2穴31の中心点C2は、正方格子点上又は矩形格子点上に配置される。
【0086】
互いに第1方向D1に隣接する第2穴31同士の間隔P4は、20μm以上150μm以下としても良い。互いに第2方向D2に隣接する第2穴31同士の間隔P5は、100μm以上500μm以下としても良い。各第2穴31の第1方向D1に沿う長さL12は、50μm以上1000μm以下としても良い。各第2穴31の第2方向D2に沿う長さL13は、200μm以上3000μm以下としても良い。
【0087】
本変形例によれば、複数の第2穴31が第1方向D1及び第2方向D2の両方向に整列されるように配置されることにより、金属支持体10を軽量化できる。
【0088】
図12(d)に示すように、複数の第2穴31は、ライン状に形成されても良い。複数の第2穴31は、互いに平行に配置されても良い。複数の第2穴31の第1方向D1に沿う長さL14は、第1方向D1の一方から他方に向かうにつれて変化している。複数の第2穴31の第2方向D2に沿う長さL15は、第1方向D1の一方から他方に向かうにつれて変化している。第2穴31の深さは、第1方向D1の一方から他方に向かうにつれて変化している。複数の第2穴31の第1方向D1に沿う長さL14、第2方向D2に沿う長さL15、及び深さのうち、1つ又は複数が第1方向D1の一方から他方に向かうにつれて変化しても良い。
【0089】
本変形例によれば、金属支持体10を軽量化できる。また例えば、複数の第2穴31の第1方向D1に沿う長さL14、複数の第2穴31の第2方向D2に沿う長さL15、及び/又は、複数の第2穴31の深さを、屈曲領域BAから遠ざかるに従って長く(深く)しても良い。これにより、屈曲領域BAと非屈曲領域NAとの境界に応力が集中することを抑制できる。また屈曲領域BAと非屈曲領域NAとの境界にしわ等の変形が生じることを抑制できる。
【0090】
このほか、金属支持体10の構成は、第1の実施の形態の場合と略同一としても良い。本実施の形態による金属支持体10を用いて作製されるフレキシブル表示装置は、金属支持体10以外の構成は、上述した第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置70と略同一である。
【0091】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法)
本実施の形態による金属支持体10の製造方法は、第2穴31を例えばハーフエッチングにより非貫通孔として形成するほか、図9(a)-(d)に示す金属支持体10の製造方法と略同様にして行うことができる。
【0092】
本実施の形態によれば、基材20の非屈曲領域NAに、パターン状に複数の第2穴31が形成されている。複数の第2穴は、それぞれ非貫通孔である。これにより、基材20の体積を減らし、金属支持体10を軽量化できる。
【0093】
また本実施の形態によれば、第1穴23は第2面22に形成され、第1面21には形成されていない。これにより、第1面21の凹部によって生じる凹凸が表示部材71に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、フレキシブル表示装置70の平坦性を維持できる。
【0094】
また本実施の形態によれば、複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されていても良い。この場合、基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることができる。基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることにより、非屈曲領域NAが湾曲することを抑制できる。この結果、フレキシブル表示装置70の平坦性を高めることができる。
【0095】
(第3の実施の形態)
次に、図13乃至図15を参照して第3の実施の形態について説明する。図13乃至図15は第3の実施の形態を示す図である。図13乃至図15に示す第3の実施の形態は、主として、第1基材20の第2面22上に第2基材40が接合されている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図13乃至図15において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0096】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
図13は本実施の形態による金属支持体10を示す平面図であり、図14は本実施の形態による金属支持体10を示す断面図である。
【0097】
図13及び図14に示す金属支持体10において、金属支持体10は、第1基材20と、第2基材40とを備える。第1基材20は、第1面21と、第2面22と、複数の第1穴23と、複数の第2穴31とを有する。第2基材40は、第1基材20の第1面21上に接合されている。第1基材20は、屈曲領域BAと非屈曲領域NAとを有する。非屈曲領域NAに、複数の第2穴31が形成されている。複数の第2穴31は、それぞれ第1面21及び第2面22の両方に開口する貫通孔である。複数の第2穴31は、所定のパターン状に配置されている。屈曲領域BAは、第1領域と称しても良い。非屈曲領域NAは、第2領域と称しても良い。以下、第1基材20を、単に基材20ともいう。
【0098】
基材20は、複数の第1穴23を有する。複数の第1穴23は、屈曲領域BAに設けられている。複数の第1穴23は、ライン状に形成されても良い。基材20は、上述した第1の実施の形態における基材20と同様に構成しても良い。基材20の屈曲領域BAの構成は、上述した第1の実施の形態における、屈曲領域BAの構成と同一としても良い。基材20の屈曲領域BAは、上述した図8(a)-(c)に示す例と同様にしても良い。あるいは、基材20は、上述した第2の実施の形態における基材20と同様に構成しても良い。すなわち、第2穴31は、貫通孔であっても良く、非貫通孔であっても良い。
【0099】
第2基材40は、第1面41と第2面42とを有する。第1面41は、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面である。第1面41は、第3面と称しても良い。第2面42は、フレキシブル表示装置70の放熱層77側を向く面である。第2面42は、第4面と称しても良い。第1面41及び第2面42は、それぞれ第1方向D1軸と第2方向D2軸とによって形成される平面に平行である。
【0100】
第2基材40は、基材20に接合されている。具体的には、第2基材40の第2面42が、基材20の第1面21に接合されている。第2基材40は、基材20に直接接合されても良く、他の層を介して基材20に接合されても良い。第2基材40は、例えば、拡散接合法、ろう付けによる接合法、接着剤による接合法、超音波接合法、又はレーザー溶接法により、基材20に接合されても良い。
【0101】
第2基材40は、金属支持体10の強度を高めるものであっても良い。第2基材40は、フレキシブルで屈曲可能な薄板の形状を有する。第2基材40は、基材20の第1面21の全体に設けられていても良い。第2基材40の外周の形状は、基材20の外周の形状と同一であっても良い。第2基材40の第1方向D1に沿う長さは、基材20の第1方向D1に沿う長さL1と同一であっても良い。第2基材40の第2方向D2に沿う長さは、基材20の第2方向D2に沿う長さL2と同一であっても良い。
【0102】
第2基材40は穴を有していなくても良い。すなわち、第2基材40の第1面41及び第2面42のいずれにも穴が形成されていなくてもよい。第2基材40の第1面41及び第2面42はそれぞれ平坦面となっている。この場合、金属支持体10の、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面に凹凸が存在しない。これにより、金属支持体10の穴によって生じる凹凸が表示部材71に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、フレキシブル表示装置70の平坦性を向上できる。また、基材20の加工性を考慮しなくても良く、基材20として様々な材料を選択できる。例えば、基材20として軽い材料を選択することにより、金属支持体10の全体を軽量化できる。
【0103】
第2基材40の厚みT4は、30μm以上としても良く、35μm以上としても良い。第2基材40の厚みT4は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。第2基材40の厚みT4は、基材20の厚みT1よりも薄くても良い。第2基材40の厚みT4は、基材20の厚みT1の10%以上としても良く、30%以上としても良い。第2基材40の厚みT4は、基材20の厚みT1の100%以下としても良く、70%以下としても良い。第2基材40の厚みT4が、基材20の厚みT1よりも薄いことにより、金属支持体10に占める基材20の割合を高められる。基材20は、第2穴31を有し、軽量化されている。これにより、金属支持体10の全体としての軽量化を図れる。なお、これに限らず、第2基材40の厚みT4は、基材20の厚みT1と同一であっても良く、基材20の厚みT1よりも厚くても良い。
【0104】
第2基材40の主たる材料は、金属材料であっても良い。第2基材40の主たる材料が金属材料である場合、金属材料としては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用いても良い。第2基材40の主たる金属材料としてステンレスを用いた場合、第2基材40が良好なバネ性を持つため、第2基材40を屈曲させ易い。第2基材40の主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。第2基材40の主たる材料は、基材20の主たる材料と同一であっても良く、異なっても良い。
【0105】
金属支持体10の全体の厚みT0は、50μm以上としても良く、75μm以上としても良い。金属支持体10の全体の厚みT0を50μm以上とすることにより、金属支持体10の剛性を保持できる。金属支持体10の全体の厚みT0は、150μm以下としても良く、125μm以下としても良い。金属支持体10の全体の厚みT0を150μm以下とするにより、金属支持体10が過度に重くなることを抑制できる。
【0106】
図15は、本実施の形態による金属支持体10の変形例を示す断面図である。
【0107】
第2基材40は、複数の第3穴43を有する。複数の第3穴43は、非屈曲領域NAに設けられている。各第3穴43は、第1面41及び第2面42の両方に開口している。すなわち各第3穴43は、第2基材40を厚み方向に貫通する貫通孔となっている。これに限らず、各第3穴43は、非貫通孔であっても良い。
【0108】
複数の第3穴43は、所定のパターン状に配置されている。複数の第3穴43のパターン形状は、複数の第2穴31のパターン形状と同一であっても良く、異なっても良い。各第3穴43の平面形状は、各第2穴31の平面形状と同一であっても良く、異なっても良い。複数の第3穴43のパターン形状が複数の第2穴31のパターン形状と同一である場合、複数の第3穴43は、複数の第2穴31に重なって配置されても良く、ずれて配置されても良い。複数の第3穴43は、屈曲領域BAに設けられていても良い。この場合、複数の第3穴43のパターン形状は、複数の第1穴23のパターン形状と同一であっても良く、異なっても良い。
【0109】
本変形例によれば、第2基材40が複数の第3穴43を有することにより、金属支持体10をさらに軽量化できる。
【0110】
このほか、金属支持体10の構成は、第1の実施の形態の場合と略同一としても良い。本実施の形態による金属支持体10を用いて作製されるフレキシブル表示装置は、金属支持体10以外の構成は、上述した第1の実施の形態によるフレキシブル表示装置70と略同一である。
【0111】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法)
次に、本実施の形態による金属支持体10の製造方法について説明する。
【0112】
まず、例えば図9(a)-(d)に示す金属支持体10の製造方法と略同様にして、基材20を作製する。この基材20は、非屈曲領域NAに複数の第2穴31を有する。
【0113】
次に、第2基材40を準備し、第2基材40を基材20に接合する。この場合、基材20と第2基材40とは、拡散接合法によって互いに接合されても良い。拡散接合法を用いる場合、第2基材40を溶融点に近い温度で基材20に圧着する。これにより、基材20と第2基材40との接触面付近に位置する金属原子を相互に拡散させ、基材20と第2基材40とを互いに接合できる。拡散接合法を用いた場合、金属支持体10の全体の厚みT0を抑えられる。なお、第2基材40は、例えば、ろう付け、接着剤、超音波接合、又はレーザー溶接により、基材20に接合されても良い。
【0114】
このように本実施の形態によれば、基材20の非屈曲領域NAに、複数の第2穴31が形成されている。これにより、基材20の体積を減らし、金属支持体10を軽量化できる。また本実施の形態によれば、基材20に第2基材40を接合することにより、金属支持体10の屈曲耐性を向上できる。さらに、基材20の厚みT1及び第2基材40の厚みT4をそれぞれ単体で薄くできるため、基材20及び第2基材40をそれぞれ加工しやすい。
【0115】
また本実施の形態によれば、複数の第2穴31は、ハニカムパターン状に配置されていても良い。この場合、基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることができる。基材20の非屈曲領域NAの剛性を高めることにより、非屈曲領域NAが湾曲することを抑制できる。この結果、フレキシブル表示装置70の平坦性を高めることができる。
【0116】
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0117】
10 フレキシブル表示装置用金属支持体
20 基材
21 第1面
22 第2面
23 第1穴
25 土手部
31 第2穴
40 第2基材
70 フレキシブル表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15