(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168791
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085738
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】508337503
【氏名又は名称】株式会社エキスパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇史郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】対象役務等の実施内容の調査の際に、信頼性の高い調査結果を得ること。
【解決手段】サーバ1の当事者調査結果取得部51は、所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等(店舗サービス等)として、当該対象役務等に関与した当事者(例えば店舗の店長等)による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、店長調査レポートとして取得する。調査員調査結果取得部52は、対象役務等について、例えば覆面調査員等による所定項目の調査結果を示す情報を、調査員調査レポートとして取得する。信頼度判定部53は、店長調査レポート及び調査員調査レポートについて、同一の調査項目にかかる内容を対比して店長調査レポートの信頼度を判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した当事者による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報として取得する第1調査結果情報取得手段と、
前記対象役務等について、所定の調査員による前記所定項目の調査の結果を示す情報を、第2調査結果情報として取得する第2調査結果情報取得手段と、
前記第1調査結果情報及び前記第2調査結果情報について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報の信頼度を判定する信頼度判定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記信頼度判定手段は、さらに、前記同一の調査項目の内容について、前記第1調査結果情報及び前記第2調査結果情報の内容が所定以上乖離した場合にその旨をユーザに報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記信頼度に基づいて、前記第1調査結果情報を調整する調査結果調整手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の調査員に対して、前記対象役務等に係る所定の教育コンテンツを出力する教育手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の調査員に対して、前記対象役務等に係る所定の訓練コンテンツを出力する訓練手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象役務等にかかる成果情報を取得する成果情報取得手段と、
前記成果情報、並びに、前記第1調査結果情報若しくは前記第2調査結果情報に基づいて、成果に関連度の高い調査項目を特定する成果関連項目特定手段と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した当事者による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報として取得する第1調査結果情報取得ステップと、
前記対象役務等について、所定の調査員による前記所定項目の調査の結果を示す情報を、第2調査結果情報として取得する第2調査結果情報取得ステップと、
前記第1調査結果情報及び前記第2調査結果情報について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報の信頼度を判定する信頼度判定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した当事者による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報として取得する第1調査結果情報取得ステップと、
前記対象役務等について、所定の調査員による前記所定項目の調査の結果を示す情報を、第2調査結果情報として取得する第2調査結果情報取得ステップと、
前記第1調査結果情報及び前記第2調査結果情報について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報の信頼度を判定する信頼度判定ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、覆面モニタに募集したユーザのうち一部のユーザに抽選により覆面モニタとしての資格を与え、覆面モニタは、店舗でモニタした事項を記述したモニタレポートデータを事業者に提供すると共に、金銭の還元を受けるシステムが開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、店舗のスタッフに覆面調査を含む調査レポートを閲覧させ、調査レポートに対する気づきの入力または/および調査レポートを支持するかどうかの入力を受け付けるシステムも公開されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-210082号公報
【特許文献2】特許第6689648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2を含む従来の技術のみでは、顧客やスタッフの入力に含まれる様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡や嘘の入力が調査対象の調査レポートの信頼度を低下させる可能性があり、調査結果が必ずしも信頼性があるとは言えず、調査対象の評価を正しくできないのが現状であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、信頼性の高い調査結果を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した当事者による調査結果を示す情報を、第1調査結果情報として取得する第1調査結果情報取得手段と、
前記対象役務等について、所定の調査員による調査結果を示す情報を、第2調査結果情報として取得する第2調査結果情報取得手段と、
前記第1調査結果情報及び前記第2調査結果情報について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報の信頼度を判定する信頼度判定手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信頼性の高い調査結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態が適用される本サービスの調査手法の概要を示すイメージ図である。
【
図2】
図1の本サービスに適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2に示した情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示したハードウェア構成を有するサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図4の機能的構成を有するサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】本サービスの具体例として、ホテルのサービスを調査する事例を示す図である。
【
図7】
図6のサービスの調査結果から生成される店長要件診断フィードバックレポートの一例の表を示す図である。
【
図8】
図6のサービスの調査結果から生成される店長要件診断フィードバックレポートの一例のグラフを示す図である。
【
図9】本サービスのサービス提供者により実施される覆面調査の流れを示す図である。
【
図10】調査員育成の際の覆面調査における判定・評価の目的と活用を説明するための図である。
【
図11】調査員育成の際の覆面調査における判定・評価の手順と留意点を説明するための図である。
【
図12】評価エラーの回避の仕方(その1)を示す図である。
【
図13】評価エラーの回避の仕方(その2)を示す図である。
【
図14】評価情報の収集と記録(その1)を示す図である。
【
図15】評価情報の収集と記録(その2)を示す図である。
【
図16】評価の実施(その1)目標の達成度評価を示す図である。
【
図17】評価の実施(その2)職能レベルの達成度評価を示す図である。
【
図18】本サービスの具体例として、レンタカーの貸出サービスを調査する第2事例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本発明の情報処理装置の実施形態の説明の前に、
図1を参照して当該情報処理装置の実施形態が適用されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
本サービスにおいては、サービス提供者は、
図1に示すように、店舗Sにおけるサービス(対象役務等)に関与した店舗の店長T(当事者)による44項目のアンケート(1以上の所定項目)の調査結果を示す情報を、店長調査レポート(例えば折れ線グラフの青線等)として取得する。
また、サービス提供者は、同対象役務等について、例えば調査員C等による44項目の調査結果を示す情報を、調査員調査レポート(例えば折れ線グラフの灰色線等)として取得する。
そして、サービス提供者は、上記のように取得した店長調査レポート及び調査員調査レポートについて、同一の調査項目にかかる内容を対比して店長調査レポートの信頼度を判定する。なお、このようなサービスに用いる調査(手法)を、「クロスボイス調査」等と呼ぶ。
【0012】
この例では、設問項目「17」について、店長Tの自己評価が“1”、調査員Cの評価が“4”であり、店長Tと調査員Cとで互いの評価が3ポイント乖離しており、店長Tの自己評価が低く、調査員Cの評価が高いことが判る。
また、設問項目「21」と「34」について、店長Tの自己評価が“4”、調査員Cの評価が“1”であり、店長Tの自己評価が高く、調査員Cの評価が低いことが判る。
【0013】
このように、評価誤差、嘘、事実認識のズレ等の影響を評価して店長調査レポートの信頼度を判断することで、例えば事実認識が低い項目については店長にそのズレをフィードバックし信頼性の低い項目の認識を正すことで、信頼性の高い調査結果を得ることができるようになる。
【0014】
次に、このような
図1の本サービスに適用される情報処理システムの構成について説明する。
図2は、
図1の本サービスに適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサービス提供者サーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
本実施形態の情報処理システムは、例えば、
図2に示すように、サーバ1と、ユーザ端末4とが、インターネット等のネットワークNに接続されることで構成される。
【0015】
サーバ1は、サービス提供者により管理される情報処理装置であり、インターネットに例えば会員限定等のウェブサイトを開示し、会員登録したユーザがウェブサイトにアクセスすることができる。
ユーザ端末4は、例えば店舗のオーナー等のユーザによる操作を受け付ける、例えばパーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォン等の情報処理装置である。ユーザは、ユーザ端末4からサービス提供者が運営するウェブサイトにアクセスしてサービス提供者により提供される本サービス(
図1参照)を受けることができる。
【0016】
なお、本実施形態では、ユーザ端末4とサーバ1と協働の一例として、例えば、ユーザ端末4がサーバ1のウェブサイトにアクセスしてウェブサイトを表示する第1手法が採用された。第1手法によれば、ユーザ端末4は、サーバ1と適宜通信をしながら主要な処理をサーバ1に実行してもらう。
ただし、ユーザ端末4とサーバ1が協働して本サービスを実現する手法は、第1手法に特に限定されない。
例えば、ユーザ端末4は、サーバ1又はその管理下の図示しない装置から専用のアプリケーションソフトウェアプログラム(以下、「アプリ」と略記する)を予めダウンロード及びインストールして、アプリで実行する第2手法を、「協働」の手法として採用することができる。また、第1手法と第2手法とを適宜組み合わせた手法を、「協働」の手法として採用することもできる。
ただし、以下の例では、説明の便宜上、第1手法が「協働」の手法として採用されているものとして説明する。即ち、以下の例で、処理の動作主体が「サーバ1」となっている個所は例示に過ぎず、実装時には適宜「ユーザ端末4」としてよいことは言うまでもない。
【0017】
本例では、サーバ1が主要な処理を実行するため、
図2の情報処理システムのうちサーバ1に着目して、以下の説明を行う。
【0018】
図3は、
図2に示した情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0022】
出力部16は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、例えば、キーボード等により構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図2の店長端末2、調査員端末3、ユーザ端末4等)との間で通信を行う。
【0023】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0024】
なお、図示はしないが、
図2の店長端末2、調査員端末3、ユーザ端末4等も、
図3に示したハードウェア構成と基本的に同様の構成を有する。従って、店長端末2、調査員端末3、ユーザ端末4のハードウェア構成の説明については省略する。
【0025】
このようなサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、
図1の本サービスを実現するための一連の処理の実行が可能になる。
【0026】
以下、
図4を参照して上述した一連の処理を実行するためのサーバ1の機能的構成の一例について説明する。
図4は、
図3に示したハードウェア構成を有するサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、サーバ1の記憶部18には、DB61が記憶されている。
【0027】
DB61には、会員情報、設問情報、店長調査レポート、調査員調査レポート、オーナー調査レポート、店長要件診断結果、信頼度情報、教育コンテンツ、訓練コンテンツ、成果情報等が記憶されている。
会員情報は、本サービスの会員になった個人の情報であり、例えば氏名、年齢、職業、連絡先、ユーザID及びパスワード等である。
設問情報は、会員に対して行うアンケートに記載される例えば44項目等の設問と回答欄で構成されるアンケートの情報である。
店長調査レポートは、店長に対して行ったアンケートの回答欄に店長が記載した回答を項目順に一覧表にした情報である。
調査員調査レポートは、調査員が店舗に出向きアンケートの回答欄に調査員が記載した回答を項目順に一覧表にした情報である。
オーナー調査レポートは、店舗のオーナーが店舗に出向きアンケートの回答欄に店舗のオーナーが記載した回答を項目順に一覧表にした情報である。
店長要件診断結果は、上記アンケートの回答結果から店長の要件を診断した結果をまとめた情報である。
信頼度情報は、上記アンケートの回答結果のうち、当事者である店長の調査レポート(回答)と第三者である調査員や店舗のオーナーの調査レポート(回答)とを対比して求めた店長の調査結果の信頼度を示す情報である。
教育コンテンツは、例えば業界業種特性、評価基準等といった書籍又は動画のコンテンツ等である。
訓練コンテンツは、例えばロールプレイングアプリやシミュレーションアプリ等のプログラムコンテンツであり、実際に端末上で訓練対象者がアプリを操作して覚えるものである。
成果情報は、例えば売上、利益、顧客満足度等である。
【0028】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、本人調査レポート(店長調査結果情報)の信頼度を判断する処理を実行する際には、当事者調査結果取得部51と、第三者調査結果取得部52と、信頼度判定部53と、調査結果調整部54と、教育部55と、訓練部56と、成果取得部57と、成果関連項目特定部58と、が機能する。
【0029】
当事者調査結果取得部51は、例えば店舗サービス等の所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した例えば店長等の当事者による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、例えば店長調査レポート(本人調査レポート)として取得する。具体的には、当事者調査結果取得部51は、店長により店長端末2が操作されて入力された店長調査レポート(本人調査レポート)を取得する。なお、ここでは、店舗サービスを対象役務等として例示したが、この他、手作り商品等の物品等であっでもよく、対象役務等は、所定の調査対象の役務又は商品であればよい。なお、ここでは、店長等を当事者として例示したが、この他、店舗のスタッフや商品製造スタッフ、顧客等であってもよく、当事者であればよい。
【0030】
第三者調査結果取得部52は、店舗サービスについて、例えば覆面調査員や店舗オーナー等の所定の調査員による所定項目の調査結果を示す情報を、調査員調査レポートや店舗オーナー調査レポート等の第三者調査レポートとして取得する。具体的には、第三者調査結果取得部52は、調査員により調査員端末3が操作されて情報が入力された調査員レポートや店舗オーナーによりユーザ端末4が操作されて情報が入力された店舗オーナー調査レポートを取得する。なお、ここでは、覆面調査員、店舗のオーナー等を所定の調査員として例示したが、この他、例えば管理者、一級建築士等、直接当事者ではない人、つまり第三者であればよい。
【0031】
信頼度判定部53は、店長調査レポートと調査員調査レポートについて、同一の調査項目(例えば
図1の設問項目「1」乃至「44」等)にかかる内容を対比(44問中の設問「17」、「21」、「34」等の3問が3ポイント以上乖離)することにより、店長調査レポートの信頼度を判定する。
具体的には、信頼度判定部53は、店長調査レポートと調査員調査レポートの
図1の設問項目44問のうち、例えば設問項目「1」乃至「44」等)にかかる内容を対比し、例えば設問項目「17」、「21」、「34」等の3問が3ポイント以上乖離していた場合は、例えば41/44×100≒93%等として店長調査レポートの信頼度を判定する。
信頼度判定部53は、同一の調査項目の内容について、店長調査レポートと調査員調査レポートの内容が所定以上乖離した場合にその旨を、例えば店舗オーナー等のユーザに報知する。所定以上とは、例えば評価が「1」-「5」段階であれば、「3」以上を乖離とする。ここで「3」を例示したが、これ以外であってもよい。
これにより、ユーザは、調査員の入力による調査レポートと顧客やスタッフの入力による調査レポートとが所定以上乖離した内容を容易に把握して詳細な現状把握、原因分析を行ったり改善対策を検討したりすることができる。
【0032】
調査結果調整部54は、信頼度に基づいて、店長調査レポートを調整する。具体的には、あまりにも点数の低い項目についてはその回答を除外する等の調整を行う。これにより、店舗オーナー等のユーザは、信頼度の低い様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡や嘘の入力が含まれる調査結果に惑わされることを抑制した上で、より適切に現状を把握することができる。
【0033】
教育部55は、例えば高校生から60代程度の覆面調査員等の所定の調査員に対して、店舗サービス等の対象役務等に係る業界業種特性、評価基準等の所定の教育コンテンツを出力する。
これにより、高校生から60代程度の覆面調査員等が調査を実施する際に様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡による影響を抑制するための教育を容易に実施することができる。
【0034】
訓練部56は、例えば高校生から60代程度の覆面調査員等に対して、店舗サービス等の対象役務等に係るロールプレイングアプリやシミュレーションアプリ等のプログラムコンテンツ(所定の訓練コンテンツ)を出力する。
これにより、所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)が調査を実施する際に様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡による影響を抑制するための訓練を容易に実施することができる。
【0035】
成果取得部57は、店舗サービス等の対象役務等にかかる売上、利益、顧客満足度等の成果情報を取得する。
【0036】
成果関連項目特定部58は、成果取得部57により取得された売上、利益、顧客満足度等の成果情報、並びに、店長調査レポート、若しくは調査員調査レポートに基づいて、成果に関連度の高い調査項目を特定する。
具体的には、成果関連項目特定部58は、例えば店長調査レポートや調査員調査レポートの回答結果のうち良い評価が出ていた項目と顧客満足度が高かった内容との相互関係から、成果に繋がる項目を特定する。
これにより、調査依頼者である店舗オーナー(ユーザ)は、売上、利益、顧客満足度等の成果に繋がる項目を容易に把握して、店長をはじめとする店舗スタッフ等の当事者の振り返りに生かすことができる。
【0037】
ここで、
図5のフローチャートを参照して
図4の機能的構成を有するサーバ1の動作を説明する。
図5は、
図4の機能的構成を有するサーバ1の動作を示すフローチャートである。
【0038】
図5に示すように、サーバ1では、ステップS11において、当事者調査結果取得部51は、店舗サービスとして、当該対象役務等に関与した店長による例えば44項目等(1以上の所定項目)の調査の結果を示す情報を、店長調査レポートとして取得する。
ステップS12において、第三者調査結果取得部52は、店舗サービスについて、覆面調査員による44項目の調査結果を示す情報を、調査員調査レポートとして取得する。
なお、第三者調査結果取得部52は、店舗のオーナーによる調査結果も第三者調査結果として取得する。
ステップS13において、信頼度判定部53は、取得された店長調査レポート及び調査員調査レポートについて、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、店長調査レポートの信頼度を判定する。なお、店舗のオーナーによる調査結果があればこれも対比の対象とする。
具体的には、例えば
図1の設問項目「1」乃至「44」等にかかる内容をレポートどうしで対比したところ、44問中の設問項目「17」、「21」、「34」等の3問が3ポイント以上乖離していたため、その3問の回答を除外して、例えば41/44×100≒93%等といった回答率を計算することで、店長調査レポートの信頼度が求められる。
【0039】
以下、
図6乃至
図8を参照して本サービスの具体例について説明する。
図6は、本サービスの具体例として、ホテルのサービスを調査する事例を示す図である。
図7は、
図6のサービスの調査結果から生成される店長要件診断フィードバックレポートの一例の表を示す図である。
図8は、
図6のサービスの調査結果から生成される店長要件診断フィードバックレポートの一例のグラフを示す図である。
具体例として、例えばホテル等の店舗のサービスの例を説明する。
【0040】
図6に示すように、例えばホテル等の店舗で宿泊サービス等を利用したお客様がサービスに対するアンケート調査に協力して評価を行った調査結果81を取得する。
また、例えば店長等のホテルスタッフの自己評価についてアンケート調査を行い、その調査結果82を取得する。
さらに、覆面調査員をホテルへ訪問及び潜入させてサービスを受けてもらい、覆面調査員が評価した評価結果83を取得する。
そして、夫々の評価結果81乃至83の回答を基に、三者の評価誤差を可視化するためのフラグ付きデータ84を生成し、当該フラグ付きデータ84を基に、三者の評価に矛盾がないかを可視化する。
【0041】
具体的には、店長要件診断フィードバックレポートとして、
図7に示す表形式のものと、
図8に示すグラフ形式のもので可視化される。
図7に示す店長要件診断フィードバックレポートの表は、横軸が要件、質問番号、設問項目、設問項目の詳細、自己評価a、オーナー評価b、SV評価c、b-a、c-aで区分されており、縦軸が店長の8つの要件(大項目)で合計44個の質問が設定されている。SVは、SuperVisorの略称であり、ここでは、覆面調査員のことをいう。
【0042】
店長の8つの要件(大項目)は、例えば戦略推進活動、業務遂行活動、コミュニケーション活動、リーダーシップ活動、モチベーション活動、自己管理活動、LRSオリジナル(店舗運営・管理)、LRSオリジナル(その他)等である。夫々の要件(大項目)には、複数の設問項目(小項目)が含まれている。
【0043】
横軸の自己評価a、オーナー評価b、SV評価cは、夫々の設問項目に対する回答が1-5段階の点数(ポイント)で示されている。b-aは、オーナー評価bと店長の自己評価aとの評価ギャップ(差分)の数値が示されている。c-aは、覆面調査員のSV評価cと店長の自己評価aとの評価ギャップ(差分)の数値が示されている。
この表を見ると、夫々の数値の違いから、三者のどの項目で評価誤差が生じているかを判別することができる。
【0044】
図8に示す店長要件診断フィードバックレポートのグラフのうち、
図8(A)は、各項目の数値を順に線で結び折れ線グラフとして可視化したものであり、
図8(B)は、店長の8つの要件(大項目)毎に、各項目の平均値を算出し、レーダーチャートに数値をプロットし、店長要件の診断結果を可視化したものである。
図8(A)の折れ線グラフを見ると、折れ線どうしの重なり具合で、三者のどの項目で評価誤差が生じているかを判別することができる。
図8(B)のレーダーチャートを見ると、店長の8つの要件(大項目)のうちどの項目に評価誤差が偏っているか等といった分布の偏り具合いを判別することができる。
【0045】
ここで、一般的な覆面調査サービスと本サービスとの違いについて説明する。
覆面調査サービスとは、サービス提供者(調査会社等)が覆面調査員に対して、企業等から調査を依頼されたサービス等の調査を依頼し、ミステリーショッパー(覆面調査員)がそのサービスを体験(調査)し、ミステリーショッパーが実際に体験した顧客サービスの評価結果をサービス提供者に戻し、サービス提供者が調査結果を企業へフィードバックするというものである。
一般的な覆面調査サービスの場合、企業等からサービス提供者(調査会社等)に調査を依頼するため、ミステリーショッパーは、無料でサービス利用報酬がもらえる。
一方、本サービスは、原則、企業からの調査依頼はなく、サービス提供者の高い調査信頼性を納得していただいた企業から調査を請負い有料のコンサルティング指導を行い、その指導料を原資として、サービス提供者がミステリーショッパーを育成及び訓練し、調査を実施したミステリーショッパーにサービス提供者が報酬を支払うものである。
本サービスのサービス提供者は、調査員を雇う際には、候補者に面接し適性(クレーマー意識の有無等)を判定した後、適性と判定した人を調査員として正式採用(登録)する。本サービスのサービス提供者は、正式採用後、調査員に対して、所定の調査訓練を実施して調査員としての一定の調査スキルを身に付けさせる。このように夫々の調査員が一定の調査スキルを身に付けることで、覆面調査における評価誤差を無くすことができる。
【0046】
ここで、評価誤差を無くすための取り組みについて説明する。
評価誤差を無くすために、
本サービスのサービス提供者は、1.覆面調査員と業界業種特性と評価基準の確認、2.覆面調査員との客像想定のロールプレイング実施、3.調査結果の報告に関するシミュレーション実施等を行う。
特に、上記2.については、接遇サービスの指導をしている講師で覆面調査員が、判定・評価の統一トレーニングとロールプレイングを行う。
統一トレーニングは、覆面調査員がチェックする時に判定・評価の失敗のパターンである評価エラーを理解して評価エラーに陥らないようするトレーニングであり、以下の内容をなくすように行われる。
具体的には、例えばハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差、対比誤差、自己投影誤差、最終段階誤差等である。
【0047】
続いて、
図9乃至
図11を参照して、本サービスのサービス提供者により実施される覆面調査員の育成トレーニングについて説明する。
図9は、本サービスのサービス提供者により実施される覆面調査の流れを示す図である。
図10は、調査員育成の際の覆面調査における判定・評価の目的と活用を説明するための図である。
図11は、調査員育成の際の覆面調査における判定・評価の手順と留意点を説明するための図である。
【0048】
本サービスのサービス提供者により実施される覆面調査は、
図9に示すように、調査企画・設計、調査員研修、実査、分析・アフターケアの順に行われる。
調査企画・設計は、調査項目、基準、回数等を含めて調査計画が企画される。期間は3日~1週間程度である。
【0049】
調査員研修は、調査員との秘密保持契約締結の後、E-ラーニングやリモートロールプレイング等でトレーニングが実施される。期間は2週間以上である。
調査員研修のポイントは、3つある。第1ポイントは、絶対評価と相対評価の違いを理解すること、第2ポイントは、評価エラー回避のトレーニング、第3ポイントは、業種業態別の評価視点の知識修得である。この調査員研修は、調査の信頼性確保のために重要なプロセスである。
【0050】
調査における評価エラーは、信頼性を保つことができないため、第2ポイントである調査員の育成トレーニングは特に重要である。
トレーニング中に、画像や動画を見て調査項目に従い4段階で評価するケースが調査員に自動で送られてくるので、調査員は、制限時間内で回答する。
回答結果を自身が観て評価エラーの原因を認識して、合格基準に達するまで100のケースを繰り返し行なう。ケースには、例えば接遇サービス編、ツーツ比較編、製品比較編等が含まれる。
【0051】
実査は、2日間の訓練の後、先輩調査員帯同指導のもと実査が実施される。期間は2週間以上である。調査実施時には調査員本人によりレポート記入も行われる。
分析・アフターケアは、調査結果の分析、報告、報酬等の調査員のアフターケアが行われる。期間は2週間以上である。
【0052】
ここで、育成トレーニングについて説明する。
まず、
図10を参照して、調査員研修中における覆面調査の判定・評価の目的と活用について説明する。
図10に示すように、店舗評価には「選別の側面(店舗を優劣に分ける)」と「育成の側面(求める姿、レベルに向けて育てる)」がある。
育成トレーニングにおける判定や評価の項目は、店舗が成果を出すために必要な能力開発すべき範囲・分野を網羅しており、「選別」のためだけでなく「育成」にも活用しやすくなっている。
育成トレーニングにおいて、評価点を付けることで、店舗の「強み、弱み」を把握して、育成に活用することが大切である。
育成トレーニングでは、店舗のサービスに対する判定・評価を通じて、調査員が店舗の「[強み、弱み]」を把握し、売上向上・リピート率を向上するための店舗の「育成」に活用することができる。
【0053】
次に、
図11を参照して、調査員研修中における覆面調査の判定・評価の手順と留意点について説明する。
調査員研修中は、評価期間の全般にわたり、また、各段階の留意点を踏まえて、評価項目と評価点の選定ができるように取り組む必要がある。
【0054】
図11に示すように、調査員研修開始時の留意点としては、評価シート及び基準等を記載した資料から、項目、定義等を確認する。
実査中の留意点としては、「業務」における「実際の行動(事実)」に限定する。
該当する評価期間に入る前のことは、対象にしない。ある時期に偏らないように行動を記録する(後掲)。店舗の業務上の行動、業務に貢献、関連する活動を対象にする。
【0055】
調査員研修が終了が近づいてきたときの留意点は、項目と判定・評価店の選定を行う。
項目と判定・評価店の選定は、1つの行動(事実)で、1つの項目が原則である。
具体的には、原則として、1つの行動で、1つの項目への評価を対象にする。完全に当てはまる評価項目がなければ、最も関連の強い項目で評価する。実態に近い評価点を選択する。属性(経歴、年齢等)は、加味しない。
【0056】
このように調査員研修では、上記留意点に準じて、[期初]から期末の全ての手順に取り組むようにする。
【0057】
続いて、判定・評価の失敗のパターンである「評価エラー」について説明する。
判定や評価点を付ける際に生じる失敗を人事考課の言葉で「評価エラー」と言う。
一般に起こる評価エラーには、下記に示す10のパターンがある。
10のパターンは、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差、対比誤差、自己投影誤差、期末誤差等である。
ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向は、人物の見え方、印象のエラーである。
【0058】
ハロー効果は、ある特徴が、人物全体の印象に広がって行くエラーである。
寛大化傾向は、実際よりも甘く判定・評価点を付ける傾向である。
厳格化傾向は、実際よりも辛く判定・評価点を付ける傾向である。
中心化傾向は、判定・評価点が中心に集中する傾向である。
二極化傾向は、判定・評価点が最上位か最下位に集中する傾向である。
考課者は、これらに陥らないように注意し、また、これまでの自分の評価エラーの傾向を振り返り、評価の仕方の向上を図ることが大切である。
【0059】
論理誤差、近接誤差、対比誤差、自己投影誤差、期末誤差等は、評価の過程で起こる見かた、考え方のエラーである。
論理誤差は、関係がありそうと思う評価項目に似た評価点をイメージで連鎖して付けるエラーである。
近接誤差は、評価シートで近い位置にある評価項目に似た評価点をイメージで連鎖して付けるエラーである。
対比誤差は、考課者(自分自身)や他の社員との比較で評価点を付けるエラー、また、考課者(自分)が、専門的に詳しい分野は辛く、詳しくない分野は甘く評価するエラーである。
自己投影誤差は、調査員が、自分と考え、経歴・経験が類似する被評価者に高い評価点を付けるエラーである。
期末誤差等は、期末に近い出来事の印象を大きく反映して評価点を付けるエラーである。
現状、一般的に把握される限り、これらで評価エラーは、全てと言える。調査員は、これらのどれかを感じたら、防止、最小化できるように意識し、また、期中は、被考課者の行動、事実をしっかりと記録しておくことが重要である。
【0060】
以上のように調査員は、上述した判定・評価の失敗の10のパターンの「評価エラー」を理解しておき、「評価エラー」に陥らないように注意する必要がある。
【0061】
次に、
図12乃至
図18を参照して、本サービスのサービス提供者により実施される覆面調査員に対する演習(訓練)について説明する。
図12は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価エラーの回避の仕方(その1)を示す図である。
図13は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価エラーの回避の仕方(その2)を示す図である。
図14は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価情報の収集と記録(その1)を示す図である。
図15は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価情報の収集と記録(その2)を示す図である。
図16は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価の実施(その1)目標の達成度評価を示す図である。
図17は、覆面調査員に対する演習(訓練)の際の評価の実施(その2)職能レベルの達成度評価を示す図である。
【0062】
まず、
図12を参照して、演習(訓練)における評価エラーの回避の仕方(その1)について説明する。
評価エラーの回避の仕方(その1)は、「取り組み方」で、評価エラーを回避するものであり、
図12に示す表のように、回避の仕方と、回避に繋がる主な評価エラーとの関係となる。
具体的には、例えば「資料を読み込み、評価項目の定義、評価点の違いを理解する」といった取り組み方であれば、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差、対比誤差、自己投影誤差等の評価エラーの回避に繋がる。
また、例えば「期中全般の行動(事実)を観察、記録し、行動に紐付いた評価項目と評価点を選定する」といった取り組み方であれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差、対比誤差、自己投影誤差、機密誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「「1つの行動(事実)で、1つの評価項目」の原則で評価する。(1つの行動を多くの項目の評価に引用しない)」といった取り組み方であれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差、期末誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「絶対評価をする。なお、絶対評価とは、定められた基準との比較で評価することを言い、相対評価とは、被考課者と被考課者の比較で評価することを言う」といった取り組み方であれば、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、対比誤差、自己投影誤差、期末誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「どのレベルまでできれば(できなければ)、最高点か(最低点か)のイメージを持ち、至らなければ、「やや」の評価点を付ける。
」といった取り組み方であれば、寛大化傾向、厳格化傾向、二極化傾向、対比誤差、自己投影誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「評価項目の順番通りでなくランダムに評価する」といった取り組み方であれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、論理誤差、近接誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
【0063】
次に、
図13を参照して演習(訓練)における評価エラーの回避の仕方(その2)について説明する。
評価エラーの回避の仕方(その2)は、「心構え」で、評価エラーを回避するものであり、
図13に示す表のように、回避の仕方と、回避に繋がる主な評価エラーとの関係となる。
具体的には、例えば「自分が「育成者」であることを意識し、育成のために強み、弱みの両面を幅広く把握する」といった心構えであれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、自己投影誤差、末期誤差の評価エラーの回避に繋がる。
また、例えば「主観や第一印象、属性(職歴・経験、年齢等からの先入観、固定観念をなくす」といった心構えであれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、中心化傾向、二極化傾向、対比誤差、自己投影誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「被考課者による好き嫌いの感情をなくす」といった心構えであれば、ハロー効果、寛大化傾向、厳格化傾向、対比誤差、自己投影誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「公私を分ける」といった心構えであれば、寛大化傾向、自己投影誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「過度に現実的でない期待をしない」といった心構えであれば、厳格化傾向、二極化傾向、対比誤差といった評価エラーの回避に繋がる。
例えば「評価情報の量、具体性や評価スキルに自信を持つ」といった心構えであれば、寛大化傾向、中心化傾向、二極化傾向といった評価エラーの回避に繋がる。
【0064】
次に、
図14を参照して演習(訓練)における評価情報の収集と記録(その1)について説明する。
評価情報の収集と記録(その1)は、調査員は、調査中において、「評価項目の全て」について考察して、[記録]しておく。
【0065】
図14に示すように、期初と期中に夫々の課題が設定されている。
期初においては、評価項目の確認をする。
具体的の評価項目は、例えば「担当する作業の基本事項を理解し、無理無駄を発見できるよう取り組んでいる」、「担当する作業において、必要な情報、知識、技能を正確に把握し、自らの技術力向上に努めている」等である。
戦略的なプランニングと判断という主題における評価項目は、例えば「課題が何かを予測し、効果的にチームを導いている」、「複雑な情報を整理し、優先順位づけされた具体的な戦略とアクションへ結びつけている」等である。
【0066】
期中においては、行動の収集と記録を行う。
詳細定義(及び、チェック項目)に関連する行動の事実を、期初における評価項目毎に情報収集し、記録する。なお、全ての評価項目を評価できるように網羅して、期中の行動を収集する。また、「評価エラー」にならないように留意点を心掛けて、事実を記録する。
【0067】
次に、
図15を参照して演習(訓練)における評価情報の収集と記録(その2)について説明する。
評価情報の収集と記録(その2)は、「調査日誌」に記録して、評価点の決定だけでなく、育成における[フィードバック]にも役立てる。
【0068】
調査員が全てを記憶で思い出すことは困難なため、振り返ることができて、評価に役立つ材料=評価情報(根拠となる事実)を記録しておくツールが必要である。その時に活用するのが、
図15に示す「調査日誌」であり、フィードバックにも活用できる。
その時の状況や結果もわかるように「状況(S)」「行動(事実(A)」「結果(R)」の3つのポイントでそれぞれの内容を記録しておくと、具体的に思い出し易くなる。また、結果以外の部分についても思い出し易くなる。
【0069】
以下、
図6を参照して上記
図3、
図4の構成を有するサーバ1により実現される
図1の本サービスの具体的事例について説明する。
図6は、
図1の本サービスの具体的事例を示す図である。
【0070】
次に、
図16を参照して演習(訓練)における評価の実施(その1)目標の達成度評価について説明する。
評価の実施(その1)目標の達成度評価を行う上で、
図16に示すように、調査中は、評価情報として、例えば「成果物」や「状況」、「モノ・コト」の達成度を把握しておく。
覆面評価で設定することが原則なので、調査期間における数値の達成度を把握する。
具体的には、達成度は、基準を下回る(例えば75%未満の)場合、評価点は「D」とする。基準をやや下回る(例えば90%未満の)場合、評価点は「C」とする。基準通り(例えば90%以上の)場合、評価点は「B」とする。基準を上回る(例えば105%以上の)場合、評価点は「A」とする。基準を大幅に上回る(例えば120%以上の)場合、評価点は「S」とする。
数値化できない成果物の作成や機器等の場合も、調査中における作成や導入の状況(達成度)を評価のために収集しておくことが必要である。
【0071】
次に、
図17を参照して演習(訓練)における評価の実施(その2)職能レベルの達成度評価(職能レベル判定)について説明する。
評価の実施(その2)職能レベルの達成度評価(職能レベル判定)を行う場合、
図17に示すように、評価情報を根拠を説明できるレベルで収集し、収集した評価情報に基づき、『行動・事実の数や質等の指標』で、「満足度再現性」を判定する。具体的には、収集した評価情報を『行動・事実の数や質等の指標』で数値化し、その数値に応じて「満足度再現性」を判定する。
【0072】
独力完遂性については、例えば数、頻度、何度、アウトプットの質、お客様の満足度等を測定指標として判定する。
改善実行、提案については、例えば数、頻度、規模、難度、効果、影響範囲等を測定指標として判定する。
アドバイス・指導については、例えば回数、頻度、人数、範囲、相手の成長度、影響・効果等を測定指標として判定する。
発揮した専門知識については、例えば数、範囲の十分さ、専門性の十分さ、(深さ、詳しさ)等を測定指標として判定する。
判定は、満足度再現性を「確信」できるライン(閾値)で、「はい」又は「いいえ」の2者択一で判定する。
【0073】
職能レベルの達成度評価(職能レベル判定)では、評価エラーの防止を心掛けて期中に定義・項目に関連する「評価情報」を収集し、評価の理由を根拠を持って説明できることが大切である。
その上で、測定指標のイメージで評価して、「はい」、「いいえ」の二者選択をする。汎用性と、満足度の再現性を「確信」できるか否かで判定する。
【0074】
次に、
図18を参照して本サービスの具体例として、レンタカーの貸出サービスを行うレンタカー店のサービス内容を調査する第2事例について説明する。
図18は、本サービスの具体例として、レンタカーの貸出サービスを調査する第2事例を示す図である。
本サービスの具体例として、レンタカーの貸出サービスを調査する第2事例は、
図18に示すように、5つのカテゴリと25個の調査項目を含むアンケートで調査する。
カテゴリは、例えば1.入店時の店内・スタッフの印象[店内総合評価]、2.受付時の基本動作と反応、車のご案内の基本動作と反応、4.車両、5.返却時の基本動作と反応等とされている。カテゴリの夫々には、5個の調査項目が対応付けられている。
【0075】
例えば初めのカテゴリの「1.入店時の店内・スタッフの印象[店内総合評価]」には、例えば「店舗内外の清掃が行き届き、清潔感がある」、「店内は整理整頓されている」、「身だしなみ(服装・髪型・マスク)は適切で清潔感があり、ネームプレートを左胸に着用している」、「どのお客様に対しても、常に笑顔で感じのよい印象を与えている」、「接客用語を活用し、丁寧な言葉づかいが出来ている」等の調査項目が設定されている。2つ目以降のカテゴリについても初めのカテゴリ同様に調査項目が設定されている。
なお、ここに示したカテゴリの例(カテゴリの数と内容)は一例であり、これ以外であってもよい。
【0076】
このアンケートの例の場合、店舗業務の実施度調査の実施要領として、今回覆面調査で評価した25項目と同じ質問を店舗スタッフに回答させる。25項目と自分の意見を書き込む回答時間は、約30分とする。
サーバ1は、アンケートに対する回答が店舗スタッフから得られると、店舗スタッフの回答内容(結果データ)を定量・定性分析を行い、覆面調査の結果と比較分析する。
具体的には、信頼度判定部53は、
図6の例と同様に、覆面調査結果と店舗スタッフの回答内容とを対比することにより、店舗スタッフの回答の信頼度を判定し、ユーザ(レンタカー店のオーナー等)に提示する。
この例の場合、分析結果として、調査を実施したA者、B者、C者のうち、A者とC者の誤差、B者とC者の誤差が各調査項目毎に算出される共に、分析結果に応じた誤差フラグコードが各調査項目毎に付与されている。
【0077】
ここで、誤差フラグコードは、回避に繋がる主な評価エラーに該当する可能性のあるものに付与される。例えば、「店舗内外の清掃が行き届き、清潔感がある」の項目ではA者、B者、C者の評価数値から
図12の「論理誤差」「厳格化誤差」「対比誤差」の可能性があると、誤差フラグコードは、例えば、[×××01]が表示される。再度、現場の事実と写真から誤差調整が必要となる、というサインを示している。
また、A者、B者、C者の評価数値から「寛大化傾向」「自己投影誤差」の可能性があると、例えば[×××15]が表示される。このように誤差フラグコードを見れば、項目について次にやるべきことが分かる。
【0078】
これにより、ユーザ(レンタカー店のオーナー等)は、覆面調査結果と店舗スタッフの回答内容との2つの調査結果の整合性を確認することができる。また、数値化された信頼度と、2つの調査結果で乖離のある各調査項目毎に各調査項目毎に各調査項目毎に各調査項目毎に各調査項目毎ゅょ調査項目とを確認することで、店舗改善テーマを明確化することができる。
【0079】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0080】
例えば、上述した実施形態(
図1等)では、調査員C(第三者)と、店長T(当事者)の2者の調査結果を基に店長T(当事者)の調査結果の信頼度を判定する例を説明したが、ここに示した調査対象者の例は一例であり、他のものを調査対象としてもよい。調査員Cと店舗のオーナーは、第三者として分類してもよく、店長Tと店舗スタッフ等は当事者として分類してもよい。
例えば調査員Cと、店舗を管轄する上位組織(例えばフランチャイズ本部等)のメンバーと、店舗スタッフとの3者の調査結果で店舗スタッフの調査結果の信頼度を判定してもよく、少なくとも当事者と調査員(第三者)とを含むさまざまな組み合わせで調査をしてもよい。
即ち、所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等として、当該対象役務等に関与した当事者による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報として取得し、対象役務等について、所定の調査員による前記所定項目の調査の結果を示す情報を、第2調査結果情報として取得し、第1調査結果情報及び第2調査結果情報について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、第1調査結果情報の信頼度を判定すればはよい。
【0081】
例えば、上述した実施形態(
図5参照)では、
図5のステップS11、S12、S13の順に処理が実行されたが、ステップS11乃至13の処理は必ずしもその順で実行される必要はない。即ち、ステップS12の後にステップS11の処理が実行されてもよい。
【0082】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図5の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に
図5の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図5に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となる機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末4に移譲させてもよい。逆に図示はしないがユーザ端末4の機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部をサーバ1に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0083】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば、サーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0084】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0085】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくともよく、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0086】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)は、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等(店舗サービス、手作り商品等)として、当該対象役務等に関与した当事者(例えば店長、店舗スタッフ、商品製造スタッフ、顧客等)による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等の直接の当事者からの本人調査結果情報等)として取得する第1調査結果情報取得手段(例えば
図4の当事者調査結果取得部51等)と、
前記対象役務等について、所定の調査員(例えば覆面調査員、管理者、店舗オーナー、フランチャイズ本部員等)による前記所定項目の調査結果を示す情報を、第2調査結果情報(例えば調査員調査レポート等の直接の当事者ではない第三者からの第三者調査結果情報)として取得する第2調査結果情報取得手段(例えば
図4の第三者調査結果取得部52等)と、
前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等)及び前記第2調査結果情報(例えば調査員調査レポート等)について、同一の調査項目(例えば
図1の設問項目「1」乃至「44」等)にかかる内容を対比(44問中の設問項目「17」、「21」、「34」等の3問が3ポイント以上乖離)することにより、前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等の店長調査結果情報等)の信頼度(例えば41/44×100≒93%等)を判定する信頼度判定手段(例えば
図4の信頼度判定部53等)と、
を備える。
【0087】
このように店長、顧客や店舗スタッフ等の当事者の入力による第1調査結果情報(店長調査レポート等の店長調査結果情報)と、所定の調査員(例えば覆面調査員や店舗オーナー等の第三者)の入力による第2調査結果情報(調査員調査レポート等の第三者調査結果情報)とを組み合わせて評価誤差、嘘、事実認識のズレ等の影響を考慮して第1調査結果情報(店長調査レポート等)の信頼度を判断するので、例えば調査対象の当事者が事実認識が低い項目について調査対象者本人にそのズレをフィードバックし信頼性の低い項目の認識を正すことで、信頼性の高い調査結果を得ることができる。
【0088】
情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)において、
前記信頼度判定手段(例えば
図4の信頼度判定部53等)は、さらに、前記同一の調査項目の内容について、前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等の本人調査結果情報)及び前記第2調査結果情報(例えば調査員や店舗オーナー等の第三者調査結果情報(店長調査レポート等))の内容が所定以上乖離(例えば3ポイント以上等)した場合にその旨をユーザ(調査依頼者の店舗オーナー等)に報知する。
【0089】
これにより、ユーザ(調査依頼者)は、所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)の入力による第三者調査結果情報(例えば調査員調査レポート等)と顧客やスタッフの入力による本人調査結果情報(例えば店長調査レポート等)とが所定以上(例えば3ポイント以上等)乖離した内容を容易に把握して詳細な現状把握、原因分析を行ったり改善対策を検討したりすることができる。
【0090】
情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)において、
前記信頼度に基づいて、前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等)を調整する調査結果調整手段(例えば
図4の調査結果調整部54等)、
をさらに備える。
【0091】
これにより、ユーザ(例えば調査依頼者の店舗オーナー等)は、信頼度の低い様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡や嘘の入力が含まれる調査結果に惑わされることを抑制した上で、現状をより適切に把握することができる。
【0092】
情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)において、
前記所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)に対して、前記対象役務等に係る所定の教育コンテンツを出力する教育手段(例えば
図4の教育部55等)、
をさらに備える。
【0093】
これにより、所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)が調査を実施する際に様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡による影響を抑制するための教育を容易に実施することができる。
【0094】
情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)において、
前記所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)に対して、前記対象役務等に係る所定の訓練コンテンツ(例えばロールプレイングアプリやシミュレーションアプリ等のプログラムコンテンツ等)を出力する訓練手段(例えば
図4の訓練部56等)、
をさらに備える。
【0095】
これにより、所定の調査員(例えば高校生から60代程度の覆面調査員等)が調査を実施する際に様々な偏り(バイアス)、先入観、色眼鏡による影響を抑制するための訓練を容易に実施することができる。
【0096】
情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1等)において、
前記対象役務等にかかる成果情報(例えば売上、利益、顧客満足度等)を取得する成果情報取得手段(例えば
図4の成果取得部57等)と、
前記成果情報(例えば売上、利益、顧客満足度等)、並びに、前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等の当事者調査結果情報等)若しくは前記第2調査結果情報(例えば調査員調査レポート等の第三者調査結果情報)に基づいて、成果に関連度の高い調査項目を特定する成果関連項目特定手段(例えば
図4の成果関連項目特定部58等)と、
をさらに備える。
【0097】
これにより、ユーザ(例えば調査依頼者の例えば店舗オーナー等)は、例えば売上、利益、顧客満足度等の成果に繋がる項目を容易に把握して、店長をはじめとする店舗スタッフ等の当事者の振り返りに生かすことができる。
【0098】
本発明が適用される情報処理方法は、
情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)が実行する情報処理方法であって、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等(店舗サービス、手作り商品等)として、当該対象役務等に関与した当事者(例えば店長、店舗スタッフ、商品製造スタッフ、顧客等)による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等の直接の当事者からの店長調査結果情報)として取得する第1調査結果情報取得ステップ(例えば
図5の店長調査結果取得ステップS11等)と、
前記対象役務等(店舗サービス、手作り商品等)について、所定の調査員(例えば覆面調査員、管理者、店舗オーナー、フランチャイズ本部員等)による前記所定項目の調査の結果を示す情報を、第2調査結果情報(例えば調査員調査レポート等の第三者調査結果)として取得する第2調査結果情報取得ステップ(例えば
図5の第三者調査結果取得ステップS13等)と、
前記第1調査結果情報(店長調査レポート等)及び前記第2調査結果情報(調査員調査レポート等)について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報(店長調査レポート等)の信頼度を判定する信頼度判定ステップ(例えば
図5の信頼度判定ステップS13等)と、
を含む。
【0099】
このように店長、顧客や店舗スタッフ等の入力による第1調査結果情報(店長調査レポート)と、所定の調査員(例えば覆面調査員や店舗オーナー等)の入力による第2調査結果情報(調査員調査レポート等)とを組み合わせて、分析することにより、評価誤差、嘘、事実認識のズレ等の影響を評価して第1調査結果情報(店長調査レポート等)の信頼度を判断するので、例えば事実認識が低い項目について調査対象者本人(店長等)にそのズレをフィードバックし信頼性の低い項目の認識を正すことで、信頼性の高い調査結果を得ることができる。
【0100】
本発明が適用されるプログラムは、
所定の調査対象の役務又は商品を対象役務等(店舗サービス、手作り商品等)として、当該対象役務等に関与した当事者(例えば店長、店舗スタッフ、商品製造スタッフ、顧客等)による1以上の所定項目の調査の結果を示す情報を、第1調査結果情報(店長調査結果情報等の直接の当事者からの店長調査レポート等)として取得するを取得する第1調査結果情報取得ステップ(例えば
図5の当事者調査結果取得ステップS11等)と、
前記対象役務等(店舗サービス、手作り商品等)について、所定の調査員(例えば覆面調査員、管理者、店舗オーナー、フランチャイズ本部員等)による調査結果を示す情報を、第2調査結果情報(例えば調査員調査レポート等の第三者調査結果)として取得する第2調査結果情報取得ステップ(例えば
図5の調査員調査結果取得ステップS13等)と、
前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等)及び前記第2調査結果情報(例えば第三者調査レポート等)について、同一の調査項目にかかる内容を対比することにより、前記第1調査結果情報(例えば店長調査レポート等)の信頼度を判定する信頼度判定ステップ(例えば
図5の信頼度判定ステップS13等)と、
を含む制御処理をコンピュータ(例えば
図4のサーバ1のCPU11等)に実行させる。
【0101】
このように店長、顧客や店舗スタッフ等の入力による第1調査結果情報(店長調査レポート)と、所定の調査員(例えば覆面調査員や店舗オーナー等)の入力による第2調査結果情報(調査員調査レポート等)とを組み合わせて、分析することにより、評価誤差、嘘、事実認識のズレ等の影響を評価して第1調査結果情報(店長調査レポート等)の信頼度を判断するので、例えば事実認識が低い項目について調査対象者本人(店長等)にそのズレをフィードバックし信頼性の低い項目の認識を正すことで、信頼性の高い調査結果を得ることができる。
【0102】
1・・・サーバ、2・・・店長端末、3・・・調査員端末、4・・・ユーザ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、18・・・記憶部、19・・・通信部、51・・・当事者調査結果取得部、52・・・第三者調査結果取得部、53・・・信頼度判定部、54・・・調査結果調整部、55・・・教育部、56・・・訓練部、57・・・成果取得部、58・・・成果関連項目特定部、61・・・DB