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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168806
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241128BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085762
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】漆間 智樹
(72)【発明者】
【氏名】山澤 航太朗
(72)【発明者】
【氏名】仲田 敏幸
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA07
5H770AA21
5H770BA01
5H770QA01
5H770QA02
5H770QA28
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】機能付加のための補助基板が取り付けられる電力変換装置において、補助基板のサイズの自由度が高い電力変換装置を提供する。
【解決手段】この電力変換装置100は、主回路基板22を含む電力変換装置本体部20と、電力変換装置本体部20に着脱可能に取り付けられた操作部取付部30と、操作部取付部30に着脱可能に取り付けられた補助基板取付部50とを備え、操作部取付部30は、電力変換装置本体部20に対する操作を行うための操作部10が着脱可能に取り付けられ、補助基板取付部30は、機能付加のための補助基板2の一部が操作部取付部30まで延びて配置されるように補助基板2が取り付けられている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主回路基板を含む電力変換装置本体部と、
前記電力変換装置本体部に着脱可能に取り付けられた操作部取付部と、
前記操作部取付部に着脱可能に取り付けられた補助基板取付部とを備え、
前記操作部取付部は、前記電力変換装置本体部に対する操作を行うための操作部が着脱可能に取り付けられ、
前記補助基板取付部は、機能付加のための補助基板の一部が前記操作部取付部まで延びて配置されるように前記補助基板が取り付けられている、電力変換装置。
【請求項2】
前記操作部は、操作部基板を含み、
前記操作部取付部は、前記主回路基板と前記操作部基板とを中継する第1中継基板を含み、
前記補助基板取付部は、前記第1中継基板と別個に設けられ、前記主回路基板と前記補助基板とを中継する第2中継基板を含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記主回路基板と前記第2中継基板とを接続する第2中継基板用ハーネスをさらに備える、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記操作部取付部は、前記操作部の前記操作部基板と接続する操作部接続基板をさらに含み、
前記操作部接続基板と前記第1中継基板とを接続する第1中継基板用ハーネスをさらに備える、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記操作部取付部は、前記操作部の操作面に対して交差する交差面と、前記交差面に形成された係合孔とを含み、
前記補助基板取付部は、前記係合孔と係合可能な第1突起部が設けられた第1係合部を含み、
前記交差面は、前記第1係合部よりも撓み変形しやすいように構成されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1突起部は、前記操作部の前記操作面に沿った方向に突出するように設けられ、
前記補助基板取付部は、前記第1係合部において、前記操作部取付部に取り付けられる前記操作部の前記操作面側に形成されるとともに、前記第1突起部と前記係合孔との係合が解除される際に、前記操作部取付部に前記操作部が取り付けられた状態において前記操作面が向く方向に沿って工具の先端が挿通されることにより前記交差面を外側に撓ませるための挿通孔をさらに含む、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記補助基板取付部は、棒状部材が係合可能な棒状部材取付部をさらに含み、
前記第1突起部と前記係合孔との係合が解除された後に、前記棒状部材取付部に係合された前記棒状部材が前記操作面が向く方向に引っ張られることにより前記操作部取付部から前記補助基板取付部が離間されるように構成されている、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記補助基板取付部は、前記操作部取付部側の端部に設けられ、第2中継基板を載置する第2中継基板載置部と、前記第2中継基板載置部に設けられた第2係合部とをさらに含み、
前記第2中継基板は、前記第2係合部が係合可能な段差部をさらに含む、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記補助基板取付部の前記第2係合部が前記第2中継基板の前記段差部に係合した状態において、前記第2係合部と前記段差部との間に間隙が形成されている、請求項8に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力変換装置に関し、特に、補助基板が取り付けられた補助基板取付部を含む電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、補助基板が取り付けられた補助基板取付部を含む電力変換装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、中央部、放熱部および操作表示部の三層構造になっているインバータ装置本体を備えるインバータ装置(電力変換装置)が開示されている。インバータ装置本体の中央部には、インバータが収容されている。上記特許文献1には、外部制御装置からの信号を増設したい場合に、外部制御装置の増設分の信号を制御回路(主回路基板)に送るためのオプション部品(補助基板)をインバータ装置の操作表示部の前面部に取り付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-28893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないが、オプション部品は、インバータ装置の操作表示部の前面部において操作部を遮らないように取り付けられる。すなわち、オプション部品のサイズは、操作表示部の前面部において操作部が設けられていない領域よりも小さい必要がある。そのため、オプション部品のサイズの自由度が低い。そこで、オプション部品(補助基板)のサイズの自由度が高いインバータ装置(電力変換装置)が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、機能付加のための補助基板が取り付けられる電力変換装置において、補助基板のサイズの自由度が高い電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電力変換装置は、主回路基板を含む電力変換装置本体部と、電力変換装置本体部に着脱可能に取り付けられた操作部取付部と、操作部取付部に着脱可能に取り付けられた補助基板取付部とを備え、操作部取付部は、電力変換装置本体部に対する操作を行うための操作部が着脱可能に取り付けられ、補助基板取付部は、機能付加のための補助基板の一部が操作部取付部まで延びて配置されるように補助基板が取り付けられている。
【0008】
この発明の一の局面による電力変換装置では、上記のように、操作部取付部は、電力変換装置本体部に対する操作を行うための操作部が着脱可能に取り付けられ、補助基板取付部は、機能付加のための補助基板の一部が操作部取付部まで延びて配置されるように補助基板が取り付けられている。補助基板の一部を操作部取付部に配置させることにより、操作部配置面における操作部以外の領域に補助基板が取り付けられる場合と比べて、補助基板を配置可能なスペースを大きくすることができる。そのため、補助基板のサイズの自由度を高めることができる。また、補助基板取付部は操作部取付部に着脱可能に取り付けられていることにより、電力変換装置の定期点検作業を行う際に、補助基板が取り付けられた補助基板取付部を操作部取付部から分離させて取り外すことができる。そのため、補助基板取付部と操作部取付部とが一体的に形成されている場合と比べて、配線の接続解除を容易に行うことができる。よって、電力変換装置本体部の定期点検の作業性を向上させることができる。
【0009】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、操作部は、操作部基板を含み、操作部取付部は、主回路基板と操作部基板とを中継する第1中継基板を含み、補助基板取付部は、第1中継基板と別個に設けられ、主回路基板と補助基板とを中継する第2中継基板を含む。このように構成すれば、第1中継基板を含む操作部取付部と、第2中継基板を含む補助基板取付部とを分離することができるため、操作部取付部と補助基板取付部とを別々に電力変換装置本体部から着脱することができる。そのため、電力変換装置本体部の定期点検の作業性をより向上させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、主回路基板と第2中継基板とを接続する第2中継基板用ハーネスをさらに備える。このように構成すれば、たとえば電力変換装置が駆動するモータから電力変換装置に伝達する振動や電力変換装置の据え付け面から伝達する振動に起因して主回路基板が振動する場合であっても、第2中継基板用ハーネスの柔軟性により、振動に起因する主回路基板および第2中継基板の相対的な位置ずれを許容することができる。そのため、第2中継基板用ハーネスを介した主回路基板と第2中継基板との接続を解除されにくくすることができる。よって、上記振動に起因する主回路基板と第2中継基板との接触不良の発生を抑制することができる。
【0011】
上記電力変換装置が第1中継基板と第2中継基板とを含む構成において、好ましくは、操作部取付部は、操作部の操作部基板と接続する操作部接続基板をさらに含み、操作部接続基板と第1中継基板とを接続する第1中継基板用ハーネスをさらに備える。このように構成すれば、たとえば電力変換装置が駆動するモータから電力変換装置に伝達する振動や電力変換装置の据え付け面から伝達する振動に起因して第1中継基板が振動する場合であっても、第1中継基板用ハーネスの柔軟性により、振動に起因する第1中継基板および操作部接続基板の相対的な位置ずれを許容することができる。そのため、第1中継基板用ハーネスを介した操作部接続基板と第1中継基板との接続を解除されにくくすることができる。よって、上記振動に起因する操作部接続基板と第1中継基板との接触不良の発生を抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、操作部取付部は、操作部の操作面に対して交差する交差面と、交差面に形成された係合孔とを含み、補助基板取付部は、係合孔と係合可能な第1突起部が設けられた第1係合部を含み、交差面は、第1係合部よりも撓み変形しやすいように構成されている。このように構成すれば、補助基板取付部と操作部取付部との着脱において交差面が撓み変形するため、第1係合部と係合孔とにおける係合および係合解除が容易となる。そのため、補助基板取付部と操作部取付部との着脱が容易となる。また、交差面が撓み変形しやすくても、第1係合部が撓み変形しにくいため、操作部取付部の交差面において撓み変形しにくいように機械的強度を高めるための補強部材を別途設けなくて良い。
【0013】
この場合、好ましくは、第1突起部は、操作部の操作面に沿った方向に突出するように設けられ、補助基板取付部は、第1係合部において、操作部取付部に取り付けられる操作部の操作面側に形成されるとともに、第1突起部と係合孔との係合が解除される際に、操作部取付部に操作部が取り付けられた状態において操作面が向く方向に沿って工具の先端が挿通されることにより交差面を外側に撓ませるための挿通孔をさらに含む。このように構成すれば、操作部取付部に取り付けられる操作部の操作面側から、工具の先端を挿通孔に挿通させて交差面を外側に撓ませることにより、係合孔と第1突起部との係合を容易に解除することができる。そのため、複数の電力変換装置が狭い隙間を介して並列に配置されている場合であっても、工具を用いて電力変換装置の定期点検作業を容易に行うことができる。
【0014】
上記補助基板取付部が第1係合部に挿通孔をさらに含む構成において、好ましくは、補助基板取付部は、棒状部材が係合可能な棒状部材取付部をさらに含み、第1突起部と係合孔との係合が解除された後に、棒状部材取付部に係合された棒状部材が操作面が向く方向に引っ張られることにより操作部取付部から補助基板取付部が離間されるように構成されている。このように構成すれば、第1突起部と係合孔との係合が解除された後に、棒状部材取付部に係合された棒状部材を操作面が向く方向に引っ張ることにより、補助基板取付部を操作部取付部から容易に分離することができる。そのため、電力変換装置の定期点検作業をより容易に行うことができる。
【0015】
上記電力変換装置が第1中継基板と第2中継基板とを含む構成において、好ましくは、補助基板取付部は、操作部取付部側の端部に設けられ、第2中継基板を載置する第2中継基板載置部と、第2中継基板載置部に設けられた第2係合部とをさらに含み、第2中継基板は、第2係合部が係合可能な段差部をさらに含む。このように構成すれば、補助基板取付部の第2係合部が第2中継基板の段差部に係合することにより、第2中継基板の面方向の位置ずれを抑制することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、補助基板取付部の第2係合部が第2中継基板の段差部に係合した状態において、第2係合部と段差部との間に間隙が形成されている。このように構成すれば、第2係合部と段差部との間の間隙(空間)により、たとえば電力変換装置が駆動するモータから電力変換装置に伝達する振動や電力変換装置の据え付け面から伝達する振動が第2中継基板から補助基板へ伝達することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、機能付加のための補助基板が取り付けられる電力変換装置において、補助基板のサイズの自由度が高い電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による電力変換装置の斜視図である。
図2】操作部取付部、補助基板取付部および補助基板取付部カバーの分解斜視図である。
図3】標準の電力変換装置の斜視図である。
図4】一実施形態による電力変換装置の内部の接続を説明するための模式図である。
図5】一実施形態による操作部取付部の斜視図である。
図6】操作部取付部における操作部接続基板の固定を説明するための模式図である。
図7】補助基板取付部および補助基板の分解斜視図である。
図8】一実施形態による補助基板取付部の斜視図である。
図9】補助基板取付部と操作部取付部との係合および係合解除を説明するための模式図である。
図10】操作部取付部に取り付けられた補助基板取付部を説明するための模式図である。
図11】操作部取付部に取り付けられた、補助基板が設けられた補助基板取付部を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[一実施形態]
(電力変換装置の構成)
図1図11を参照して、本発明の一実施形態による電力変換装置100の構成について説明する。
【0021】
電力変換装置100は、たとえば、可変速モータ駆動システムへ適用されるインバータ装置である。このインバータ装置は、パワー半導体素子のスイッチング動作によって電気を所望の形に変換するパワーエレクトロニクス機器の代表的な装置である。この可変速モータ駆動システムは、モータに供給する電圧・電流・周波数をインバータ装置により所望な値に変更することによりモータを高効率かつ高精度に駆動することが可能である。
【0022】
ここで、モータ可変速駆動システムに適用されるインバータ装置は、モータと一対として最適化したインバータ装置を実現する場合と、様々な用途に用いられる汎用インバータ装置に大別される。汎用インバータ装置の場合、適用されるモータが異なるだけでなく用途も様々であることから、多くの機能を有するとともに、顧客が実現したいシステムに合わせて機能が選択されて使用されることが一般的である。ここで、様々な顧客、用途に対応するために、標準のインバータ装置には組み込まれない機能については、機能ごとに設計された補助基板2を追加することにより実現される。なお、補助基板2は、たとえば、イーサネットに接続するためのコントローラを含む回路基板や、入出力端子を増設するための基板などが挙げられるが、特に限定されない。
【0023】
図1に示すように、本実施形態による電力変換装置100は、電力変換装置本体部20と、操作部10と、操作部取付部30と、補助基板取付部50と、補助基板取付部カバー1とを備える。電力変換装置100は、機能付加のための補助基板2(図7参照)が補助基板取付部50に取り付けられる。また、図2は、操作部取付部30、補助基板取付部50および補助基板取付部カバー1の分解斜視図である。本実施形態による電力変換装置100は、標準の電力変換装置100(図3参照)に対して、補助基板2が設けられた補助基板取付部50が取り付けられることにより、追加の機能を実現することが可能な電力変換装置100である。
【0024】
電力変換装置100は、操作部10の操作面11が配置された前面が図示しない床面と直交するように配置されている。本明細書では、上下方向をZ方向とし、上下方向(Z方向)と直交する方向をX方向とし、Z方向およびX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向は、電力変換装置100の左右方向であり、Y方向は、電力変換装置100の前後方向であり、Z方向は、電力変換装置100の上下方向である。
【0025】
なお、図3に示す電力変換装置200は、標準の電力変換装置200である。標準の電力変換装置200は、本実施形態の電力変換装置100と異なり、操作部取付部30と、補助基板2が設けられた補助基板取付部50と、補助基板取付部カバー1とを備えていない。
【0026】
図4に示すように、電力変換装置本体部20は、インバータ装置本体21と、インバータ装置本体21を制御する主回路基板22(制御基板)とを含む。主回路基板22には、主回路基板側第1コネクタ23と、主回路基板側第2コネクタ24とが設けられている。
【0027】
主回路基板側第1コネクタ23は、主回路基板22において、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。主回路基板側第1コネクタ23は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30および補助基板取付部50が取り付けられた状態において、操作部取付部30に設けられた第1中継基板31の第1中継基板側第1コネクタ32と直接接続されている。なお、主回路基板側第1コネクタ23は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30および補助基板取付部50が取り付けられていない状態において、操作部10の操作部基板13に設けられた操作部基板側コネクタ16と直接接続されている。
【0028】
主回路基板側第2コネクタ24は、主回路基板22において、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。主回路基板側第2コネクタ24は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30および補助基板取付部50が取り付けられた状態において、補助基板取付部50に設けられた第2中継基板51の第2中継基板側第1コネクタ52と接続されている。主回路基板側第2コネクタ24と第2中継基板側第1コネクタ52とは、第2中継基板用ハーネス91を介して接続されている。
【0029】
図1に示すように、操作部10は、電力変換装置本体部20に対する操作を行うための機器である。操作部10は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30が取り付けられた状態において、操作取付部に着脱可能(取り付けおよび取り外し可能)に装着されている。なお、操作部10は、図3に示すように、電力変換装置本体部20に操作部取付部30が取り付けられていない状態において、電力変換装置本体部20に着脱可能に装着されている。
【0030】
図1に示すように、操作部10は、操作面11と、操作面11に対して交差する側面12と、操作部基板13(図4参照)とを含む。操作部10が操作部取付部30に装着された状態において、操作部10の操作面11は、電力変換装置100の前面の一部を構成している。
【0031】
操作面11は、操作ボタン14を含む。操作ボタン14は、電力変換装置本体部20に対する操作を行うためのボタンであり、操作部基板13に電気的に接続されている。側面12は、操作部側係合部15を含む。操作部側係合部15は、互いに対向する側面12の両方に形成されている。操作部側係合部15は、操作部取付部30に形成された操作部取付部側第1係合孔40に係合可能な操作部側突起部(不図示)を含む。操作部側突起部は、操作部取付部側第1係合孔40との係合の際に、操作部取付部側第1係合孔40にスナップフィットするように構成されている。
【0032】
図4に示すように、操作部基板13には、操作部基板側コネクタ16が設けられている。操作部基板側コネクタ16は、操作部基板13において、後方向(Y2方向)に突出するように設けられている。操作部基板側コネクタ16は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30が取り付けられた状態において、操作部取付部30に設けられた操作部接続基板34の操作部接続基板側第1コネクタ35と直接接続されている。なお、操作部基板側コネクタ16は、電力変換装置本体部20に操作部取付部30が取り付けられていない状態において、主回路基板22の主回路基板側第1コネクタ23と直接接続されている。
【0033】
図1に示すように、操作部取付部30は、電力変換装置本体部20から取り外された操作部10が着脱可能に取り付けられている。操作部取付部30は、電力変換装置本体部20に着脱可能に取り付けられている。
【0034】
図5に示すように、操作部取付部30は、上面37と、上面37に対して交差するとともに互いに対向する一対の交差面38と、一対の交差面38を接続する梁部39とを含む。一対の交差面38の各々には、操作部側係合部15の突起部が係合可能な操作部取付部側第1係合孔40が形成されている。操作部取付部側第1係合孔40に操作部側係合部15の突起部が係合することにより、操作部取付部30に、操作部10の操作面11が前方向(Y1方向)を向いて取り付けられる。操作部取付部30に操作部10が取り付けられた状態(図1参照)において、交差面38は、操作部10の操作面11に対して交差している。
【0035】
また、一対の交差面38は、操作部取付部側係合部41を含む。操作部取付部側係合部41は、一対の交差面38の各々に形成されている。操作部取付部側係合部41は、電力変換装置本体部20に形成された本体部側係合孔25に係合可能な突起部を含む。突起部は、本体部側係合孔25との係合の際に、係合孔にスナップフィットするように構成されている。
【0036】
また、一対の交差面38の一方には、操作部取付部側第2係合孔42が形成されている。操作部取付部側第2係合孔42は、補助基板取付部50に設けられた第1係合部58の第1突起部59(図9参照)が係合可能なように構成されている。なお、操作部取付部側第2係合孔42は、特許請求の範囲の「係合孔」の一例である。
【0037】
また、操作部取付部30は、第1中継基板31と、操作部接続基板34とを含む。
【0038】
図4に示すように、第1中継基板31は、主回路基板22と操作部接続基板34との接続を中継する。第1中継基板31には、第1中継基板側第1コネクタ32と、第1中継基板側第2コネクタ33とが設けられている。
【0039】
第1中継基板側第1コネクタ32は、第1中継基板31において、後方向(Y2方向)に突出するように設けられている。第1中継基板側第1コネクタ32は、電力変換装置本体部20に設けられた主回路基板22の主回路基板側第1コネクタ23と直接接続されている。また、第1中継基板側第2コネクタ33は、第1中継基板31において、後方向(Y2方向)に突出するように設けられている。第1中継基板側第2コネクタ33は、操作部接続基板34に設けられた操作部接続基板側第2コネクタ36と接続されている。第1中継基板側第2コネクタ33と操作部接続基板側第2コネクタ36とは、第1中継基板用ハーネス90を介して接続されている。
【0040】
操作部接続基板34は、第1中継基板31と操作部基板13との接続を中継する。操作部接続基板34には、操作部接続基板側第1コネクタ35と、操作部接続基板側第2コネクタ36とが設けられている。
【0041】
操作部接続基板側第1コネクタ35は、操作部接続基板34において、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。操作部接続基板側第1コネクタ35は、操作部10に設けられた操作部基板13の操作部基板側コネクタ16と直接接続されている。また、操作部接続基板側第2コネクタ36は、操作部接続基板34において、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。操作部接続基板側第2コネクタ36は、第1中継基板用ハーネス90を介して第1中継基板側第2コネクタ33と接続されている。
【0042】
図5に示すように、第1中継基板31は、梁部39に形成された梁部側爪部43によるスナップフィットにより固定されている。
【0043】
また、一対の交差面38の一方には、第1ねじ穴44が形成されている。補助基板取付部50と補助基板取付部カバー1とがねじ92(図1参照)により共締めされて、操作部取付部30に固定される。
【0044】
操作部接続基板34は、上面37から下方向(Z2方向)に延びるように設けられた操作部接続基板載置部45に載置されている。操作部接続基板34は、図6に示すように、操作部接続基板載置部45に形成された複数の操作部接続基板載置部側爪部46によるスナップフィットにより固定されている。
【0045】
図7に示すように、補助基板取付部50は、機能付加のための補助基板2が着脱可能に取り付けられる。図1に示すように、補助基板取付部50は、操作部取付部30に着脱可能に取り付けられている。
【0046】
図8に示すように、補助基板取付部50は、背面54と、背面54に対して交差するとともに互いに対向する第1側面55および第2側面56と、背面54の上端側に設けられた第2中継基板載置部57とを含む。
【0047】
図9に示すように、第1側面55には、第1係合部58が設けられている。第1係合部58は、第1側面55の上端側において上方向(Z1方向)および後方向(Y2方向)に延びるように形成されている。第1係合部58の後方向(Y2方向)の端部には、本実施形態においてはX1方向に突出する第1突起部59が設けられている。すなわち、第1突起部59は、操作部10の操作面11に沿った方向に突出するように設けられている。また、第1突起部59から後方向(Y2方向)に延びるリブ60が設けられている。第1突起部59は、操作部取付部側第2係合孔42との係合の際に、操作部取付部側第2係合孔42にスナップフィットするように構成されている。第1突起部59が操作部取付部側第2係合孔42に係合することにより、補助基板取付部50は操作部取付部30に取り付けられる。
【0048】
第1係合部58は、第1側面55から繋がって延びるように形成されているとともに、リブ60が設けられているため、操作部取付部30における操作部取付部側第2係合孔42が形成された交差面38よりも、撓み変形しにくいように構成されている。言い換えると、操作部取付部30における操作部取付部側第2係合孔42が形成された交差面38は、第1係合部58よりも撓み変形しやすいように構成されている。
【0049】
また、第1係合部58の前方向(Y1方向)の端部には、第1突起部59に向かって形成された挿通孔61が設けられている。すなわち、挿通孔61は、第1係合部58において、操作部取付部30に取り付けられる操作部10の操作面11側に形成されている。挿通孔61は、第1突起部59と係合孔との係合が解除される際に、前方向(Y1方向)から後方向(Y2方向)に沿って、たとえばマイナスドライバなどの工具93の先端が挿通されることにより、交差面38を外側に撓ませるように構成されている。言い換えると、工具93の先端が、操作部取付部30に操作部10が取り付けられた状態において操作面11が向く方向に沿って挿通孔61に挿通されることにより交差面38が外側に撓むため、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42との係合が解除される。なお、工具93はマイナスドライバでなくても良く、挿通孔61に挿通可能な工具93であれば良い。
【0050】
また、図8に示すように、第2側面56には、第2ねじ穴62が形成されている。補助基板取付部50は、補助基板取付部カバー1と操作部取付部30とに挟まれた状態でねじ92(図1参照)により共締めされて、操作部取付部30に固定される。
【0051】
また、補助基板取付部50は、第2中継基板51を含む。
【0052】
第2中継基板51は、第1中継基板31と別個に設けられている。図4に示すように、第2中継基板51は、主回路基板22と補助基板2との接続を中継する。第2中継基板51には、第2中継基板側第1コネクタ52と、第2中継基板側第2コネクタ53とが設けられている。
【0053】
第2中継基板側第1コネクタ52は、第2中継基板51において、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。第2中継基板側第1コネクタ52は、電力変換装置本体部20に設けられた主回路基板22の主回路基板側第2コネクタ24と接続されている。第2中継基板側第1コネクタ52と主回路基板側第2コネクタ24とは、第2中継基板用ハーネス91を介して接続されている。また、第2中継基板側第2コネクタ53は、補助基板2に設けられた補助基板側コネクタ3と直接接続されている。
【0054】
図8に示すように、第2中継基板51は、第2中継基板載置部57に載置されている。第2中継基板載置部57は、背面54の上端部の上方向(Z1方向)に設けられている。補助基板取付部50が操作部取付部30に取り付けられた状態において、第2中継基板載置部57は、図10に示すように、操作部取付部30の一対の交差面38に囲まれるように配置されている。第2中継基板載置部57に載置された第2中継基板51上に補助基板2の一部が配置されるため、補助基板2は、図11に示すように、補助基板2の一部が操作部取付部30まで延びて配置されるように取り付けられている。これにより、様々な大きさの電力変換装置100の間で補助基板2を共通化した場合に、相対的に小さい電力変換装置100に対しても、共通化した補助基板2を補助基板取付部50に取り付けて電力変換装置100に設けることができる。補助基板2は、第2中継基板51の固定部63(図10参照)に対してねじ94によりねじ留めされて固定されている。
【0055】
図8に示す第2中継基板載置部57には、上方向(Z1方向)の端部に2つの第2係合部64が設けられている。第2係合部64は、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。第2係合部64は、爪形状を有する。また、第2中継基板51は、第2係合部64が係合可能な2つの段差部65を含む。第2中継基板51は、2つの段差部65の各々が2つの第2係合部64の各々に係合するように構成されている。また、第2中継基板51は、2つの段差部65の間に形成される凸部66が第2中継基板載置部57の2つの第2係合部64の間に嵌るように構成されている。なお、第2中継基板載置部57の第2係合部64と第2中継基板51の段差部65とが係合した状態において、第2係合部64と段差部65との間には間隙(マージン)(不図示)が形成されている。また、第2中継基板載置部57には、下方向(Z2方向)の端部に第3係合部67が設けられている。第3係合部67は、前方向(Y1方向)に突出するように設けられている。第3係合部67は、爪形状を有する。第2中継基板51は、第2係合部64および第3係合部67によるスナップフィットにより係合されている。
【0056】
また、補助基板取付部50は、アースバー68と、四角ナット69とを含む。補助基板取付部50に形成された凹部に四角ナット69を配置するとともに、四角ナット69上にアースバー68をスナップフィットにより固定する。これにより、補助基板取付部50の着脱時にアースバー68の脱落や位置ずれが生じることを抑制することができる。
【0057】
図10に示すように、補助基板取付部50は、棒状部材95(図11参照)を取り付け可能な棒状部材取付部70を含む。棒状部材95は、たとえば六角柱状の部材であり、先端に図示しない雄ねじが設けられている。棒状部材取付部70には、雄ねじが係合可能な図示しない雌ねじが取り付けられている。たとえば電力変換装置100の定期点検作業を行うために、補助基板2が取り付けられた補助基板取付部50を操作部取付部30から分離させて取り外す際に、棒状部材取付部70に棒状部材95を係合させて取り付ける。そして、第1突起部59と係合孔との係合が解除された後に、棒状部材取付部70に係合された棒状部材95を前方向(Y1方向)に引っ張ることにより、補助基板取付部50を操作部取付部30から分離させて取り外す。すなわち、棒状部材取付部70に係合された棒状部材95を操作面11が向く方向に引っ張ることにより、操作部取付部30から補助基板取付部50を離間する。
【0058】
(補助基板取付部の脱離)
次に、補助基板取付部50の操作部取付部30からの脱離方法について説明する。たとえば、電力変換装置100の定期点検作業を行う際に、補助基板2が取り付けられた補助基板取付部50を操作部取付部30から分離させて取り外す。
【0059】
図1に示す電力変換装置100において、補助基板取付部50は、第1突起部59が操作部取付部30の操作部取付部側第2係合孔42に係合するとともに、補助基板取付部カバー1と操作部取付部30とに挟まれた状態でねじ92により共締めされることにより、操作部取付部30に固定されている。
【0060】
まず、操作部取付部30にスナップフィットにより取り付けられた操作部10を取り外す。また、操作取付部に補助基板取付部50を介してねじ92により共締めされた補助基板取付部カバー1を、ねじ92を取り外すことにより補助基板取付部50から取り外す。これにより、補助基板取付部50における操作部取付部30との固定は、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42との係合のみとなる。そして、図11に示すように、補助基板取付部50の棒状部材取付部70(図10参照)に、棒状部材95を取り付ける。
【0061】
図9に示すように、マイナスドライバなどの工具93の先端を挿通孔61に挿通する。操作部取付部30における係合孔が形成された交差面38は、第1係合部58よりも撓み変形しやすいように構成されているため、工具93の先端が挿通孔61に挿通されることにより、交差面38が外側に撓む。これにより、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42とのスナップフィットによる係合は解除される。すなわち、補助基板取付部50は、操作部取付部30に固定されていない状態になる。
【0062】
そして、図11に示す棒状部材取付部70に係合された棒状部材95を、前方向(Y1方向)に引っ張ることにより、補助基板取付部50を操作部取付部30から分離させて取り外す。そして、第2中継基板側第1コネクタ52に接続された第2中継基板用ハーネス91を取り外す。これにより、補助基板2が設けられた補助基板取付部50を、操作部取付部30および電力装置本体部から完全に分離することができるため、電力変換装置100の定期点検作業を容易に行うことができる。
【0063】
(補助基板取付部の取付)
次に、補助基板取付部50の操作取付部への取付方法について説明する。たとえば、電力変換装置100の定期点検作業の終了後に、補助基板取付部50を操作部取付部30に取り付ける。
【0064】
図10に示すように、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42とをスナップフィットにより係合させて、補助基板取付部50を操作部取付部30に取り付ける。そして、第2中継基板側第1コネクタ52に第2中継基板用ハーネス91を接続する。
【0065】
そして、図11に示すように、補助基板取付部50に、補助基板2を配置する。その際、第2中継基板側第2コネクタ53と、補助基板2に設けられた補助基板側コネクタ3とを接続するとともに、補助基板2を第2中継基板51の固定部63に対してねじ94によりねじ留めして固定する。なお、このとき、図11に示す棒状部材95は、棒状部材取付部70に取り付けられていない。そして、図1に示すように、補助基板取付部カバー1を、補助基板取付部50と操作部取付部30と共にねじ92により共締めして、補助基板取付部50を操作部取付部30に固定する。そして、操作部10を操作部取付部30にスナップフィットにより取り付ける。これにより、補助基板取付部50の操作取付部への取付は完了する。
【0066】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、操作部取付部30は、電力変換装置本体部20に対する操作を行うための操作部10が着脱可能に取り付けられ、補助基板取付部50は、機能付加のための補助基板2の一部が操作部取付部30まで延びて配置されるように補助基板2が取り付けられている。補助基板2の一部を操作部取付部30に配置させることにより、操作部10配置面における操作部10以外の領域に補助基板2が取り付けられる場合と比べて、補助基板2を配置可能なスペースを大きくすることができる。そのため、補助基板2のサイズの自由度を高めることができる。また、補助基板取付部50は操作部取付部30に着脱可能に取り付けられていることにより、電力変換装置100の定期点検作業を行う際に、補助基板2が取り付けられた補助基板取付部50を操作部取付部30から分離させて取り外すことができる。そのため、補助基板取付部と操作部取付部とが一体的に形成されている場合と比べて、配線の接続解除を容易に行うことができる。よって、電力変換装置本体部20の定期点検の作業性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、操作部10は、操作部基板13を含み、操作部取付部30は、主回路基板22と操作部基板13とを中継する第1中継基板31を含み、補助基板取付部50は、第1中継基板31と別個に設けられ、主回路基板22と補助基板2とを中継する第2中継基板51を含む。これにより、第1中継基板31を含む操作部取付部30と、第2中継基板51を含む補助基板取付部50とを分離することができるため、操作部取付部30と補助基板取付部50とを別々に電力変換装置本体部20から着脱することができる。そのため、電力変換装置本体部20の定期点検の作業性をより向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、主回路基板22と第2中継基板51とを接続する第2中継基板用ハーネス91をさらに備える。これにより、たとえば電力変換装置100が駆動するモータから電力変換装置100に伝達する振動や電力変換装置100の据え付け面から伝達する振動に起因して主回路基板22が振動する場合であっても、第2中継基板用ハーネス91の柔軟性により、振動に起因する主回路基板22および第2中継基板51の相対的な位置ずれを許容することができる。そのため、第2中継基板用ハーネス91を介した主回路基板22と第2中継基板51との接続を解除されにくくすることができる。よって、上記振動に起因する主回路基板22と第2中継基板51との接触不良の発生を抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、操作部取付部30は、操作部10の操作部基板13と接続する操作部接続基板34をさらに含み、操作部接続基板34と第1中継基板31とを接続する第1中継基板用ハーネス90をさらに備える。これにより、たとえば電力変換装置100が駆動するモータから電力変換装置100に伝達する振動や電力変換装置100の据え付け面から伝達する振動に起因して第1中継基板31が振動する場合であっても、第1中継基板用ハーネス90の柔軟性により、振動に起因する第1中継基板31および操作部接続基板34の相対的な位置ずれを許容することができる。そのため、第1中継基板用ハーネス90を介した操作部接続基板34と第1中継基板31との接続を解除されにくくすることができる。よって、上記振動に起因する操作部接続基板34と第1中継基板31との接触不良の発生を抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、操作部取付部30は、操作部10の操作面11に対して交差する交差面38と、交差面38に形成された操作部取付部側第2係合孔42とを含み、補助基板取付部50は、操作部取付部側第2係合孔42と係合可能な第1突起部59が設けられた第1係合部58を含み、交差面38は、第1係合部58よりも撓み変形しやすいように構成されている。これにより、補助基板取付部50と操作部取付部30との着脱において交差面38が撓み変形するため、第1係合部58と、操作部取付部側第2係合孔42とにおける係合および係合解除が容易となる。そのため、補助基板取付部50と操作部取付部30との着脱が容易となる。また、交差面38が撓み変形しやすくても、第1係合部58が撓み変形しにくいため、操作部取付部30の交差面38において撓み変形しにくいように機械的強度を高めるための補強部材を別途設けなくて良い。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、第1突起部59は、操作部10の操作面11に沿った方向に突出するように設けられ、補助基板取付部50は、第1係合部58において、操作部取付部30に取り付けられる操作部10の操作面11側に形成されるとともに、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42との係合が解除される際に、操作部取付部30に操作部10が取り付けられた状態において操作面11が向く方向に沿って工具93の先端が挿通されることにより交差面38を外側に撓ませるための挿通孔61をさらに含む。これにより、操作部取付部30に取り付けられる操作部10の操作面11側から、工具93の先端を挿通孔61に挿通させて交差面38を外側に撓ませることにより、操作部取付部側第2係合孔42と第1突起部59との係合を容易に解除することができる。そのため、複数の電力変換装置100が狭い隙間を介して配置されている場合であっても、工具93を用いて電力変換装置100の定期点検作業を容易に行うことができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、補助基板取付部50は、棒状部材95が係合可能な棒状部材取付部70をさらに含み、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42との係合が解除された後に、棒状部材取付部70に係合された棒状部材95が操作面11が向く方向に引っ張られることにより操作部取付部30から補助基板取付部50が離間されるように構成されている。これにより、第1突起部59と操作部取付部側第2係合孔42との係合が解除された後に、棒状部材取付部70に係合された棒状部材95を操作面11が向く方向に引っ張ることにより、補助基板取付部50を操作部取付部30から容易に分離することができる。そのため、電力変換装置100の定期点検作業をより容易に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、補助基板取付部50は、操作部取付部30側の端部に設けられ、第2中継基板51を載置する第2中継基板載置部57と、第2中継基板載置部57に設けられた第2係合部64とをさらに含み、第2中継基板51は、第2係合部64が係合可能な段差部65をさらに含む。これにより、補助基板取付部50の第2係合部64が第2中継基板51の段差部65に係合することにより、第2中継基板51の面方向の位置ずれを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、補助基板取付部50の第2係合部64が第2中継基板51の段差部65に係合した状態において、第2係合部64と段差部65との間に間隙が形成されている。これにより、第2係合部64と段差部65との間の間隙(空間)により、たとえば電力変換装置100が駆動するモータから電力変換装置100に伝達する振動や電力変換装置100の据え付け面から伝達する振動が第2中継基板51から補助基板2へ伝達することを抑制することができる。
【0076】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0077】
たとえば、上記実施形態では、第1中継基板と、第1中継基板と別個に設けられた第2中継基板を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1中継基板および第2中継基板の替わりに、第1中継基板と第2中継基板とが一体的に形成された基板が設けられていても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、主回路基板と第2中継基板とが第2中継基板用ハーネスにより接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、主回路基板のコネクタと第2中継基板のコネクタとがハーネスを介さずに直接接続されていても良い。
【0079】
また、上記実施形態では、操作部接続基板と第1中継基板とが第1中継基板用ハーネスにより接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作部接続基板のコネクタと第1中継基板のコネクタとが、ハーネスを介さずに直接接続されていても良い。
【0080】
また、上記実施形態では、交差面は、第1係合部よりも撓み変形しやすいように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、交差面は、第1係合部よりも撓み変形しにくいように構成されていても良い。
【0081】
また、上記実施形態では、第1突起部と係合孔との係合が解除される際に、操作部取付部において、工具の先端が挿通されることにより交差面を外側に撓ませるための挿通孔が形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、挿通孔は形成されていなくても良い。
【0082】
また、上記実施形態では、補助基板取付部において棒状部材が係合可能な棒状部材取付部が形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、棒状部材取付部は形成されていなくても良い。
【0083】
また、上記実施形態では、補助基板取付部の第2中継基板載置部には第2係合部が形成され、第2中継基板には第2係合部が係合可能な段差部が形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。第2中継基板載置部と第2中継基板との係合方法は、特に限定されない。また、上記実施形態では、第2係合部と段差部との間に間隙が形成されている例を示したが、第2係合部と段差部との間に間隙は形成されていなくても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、補助基板取付部は、第1突起部が操作部取付部の係合孔に係合するとともに、補助基板取付部カバーと操作部取付部とに挟まれた状態でねじにより共締めされることにより、操作部取付部に固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ねじによる共締めは行われずに、第1突起部が操作部取付部の係合孔に係合するとともに、第1突起部とは別個に形成された突起部が、操作部取付部において別個に形成された他の係合孔に係合するように構成されていても良い。
【符号の説明】
【0085】
2 補助基板
10 操作部
11 操作面
13 操作部基板
15 操作部側係合部
20 電力変換装置本体部
22 主回路基板
30 操作部取付部
31 第1中継基板
34 操作部接続基板
38 交差面
42 操作部取付部側第2係合孔
50 補助基板取付部
51 第2中継基板
58 第1係合部
59 第1突起部
61 挿通孔
64 第2係合部
65 段差部
70 棒状部材取付部
90 第1中継基板用ハーネス
91 第2中継基板用ハーネス
93 工具
95 棒状部材
100 電力変換装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11