IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社第一興商の特許一覧

<>
  • 特開-カラオケ装置 図1
  • 特開-カラオケ装置 図2
  • 特開-カラオケ装置 図3
  • 特開-カラオケ装置 図4
  • 特開-カラオケ装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168813
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085774
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永沼 宇将
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA09
5D208CE07
5D208CG00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者に配布された専用のカードを活用し、搭載されているコンテンツの利用を推奨するカラオケ装置を提供する。
【解決手段】カラオケ本体、スピーカ、表示装置、マイク及びリモコン装置を備え、それぞれ異なる対象が写っている複数枚のコンテンツ用カードを用い、利用者に対してコンテンツの利用を推奨するカラオケ装置であって、カラオケ本体10は、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する特定部、撮影手段に対応付けられた集音手段で集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する判定部、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、所定のキーワードに対応付けられた推奨映像を表示手段に表示させる表示制御部を含む制御手段10eを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる対象が写っている複数枚のコンテンツ用カードを用い、利用者に対してコンテンツの利用を推奨するためのカラオケ装置であって、
撮影手段で撮影された利用者の映像から、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する特定部と、
前記所定の対象が特定された場合、前記撮影手段に対応付けられた集音手段で集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する判定部と、
前記所定のキーワードが含まれていると判定された場合、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、当該所定のキーワードに対応付けられた前記コンテンツの推奨映像を表示手段に表示させる表示制御部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記所定のキーワードが所定回数以上含まれている場合に、前記所定のキーワードが含まれていると判定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記所定のキーワードは異なる複数のキーワードからなり、
前記判定部は、全てのキーワードが含まれている場合に、前記所定のキーワードが含まれていると判定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記コンテンツの推奨映像が表示されている間に楽曲のカラオケ演奏が予約された場合、当該カラオケ演奏時の背景映像として、前記所定の対象に対応付けられた専用の背景映像を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、歌唱機能以外に採点機能やゲーム機能等、様々なコンテンツを搭載している。
【0003】
たとえば、グラビアアイドルのオリジナル映像をカラオケの背景映像として楽しめるコンテンツがある(非特許文献1参照)。また、販促強化等のため、当該コンテンツに登場するグラビアアイドルが写ったカードを利用者に配布することがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】グラカラDX 株式会社第一興商、[令和5年5月20日検索]、インターネット<URL:https://www.clubdam.com/movie/gurakaradx/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、利用者に配布された専用のカードを活用し、搭載されているコンテンツの利用を推奨することが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、それぞれ異なる対象が写っている複数枚のコンテンツ用カードを用い、利用者に対してコンテンツの利用を推奨するためのカラオケ装置であって、撮影手段で撮影された利用者の映像から、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する特定部と、前記所定の対象が特定された場合、前記撮影手段に対応付けられた集音手段で集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する判定部と、前記所定のキーワードが含まれていると判定された場合、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、当該所定のキーワードに対応付けられた前記コンテンツの推奨映像を表示手段に表示させる表示制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者に配布された専用のカードを活用し、搭載されているコンテンツの利用を推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るカラオケ店舗を示す図である。
図2】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図3】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図4】実施形態に係る記憶手段が記憶しているテーブルを示す図である。
図5】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1図5を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0010】
==カラオケ店舗==
カラオケ店舗は、訪れた利用者がカラオケ歌唱を行うことができる場所である。カラオケ店舗には、カラオケ装置が設置されている。
【0011】
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置は、様々なコンテンツを搭載している。本実施形態に係るカラオケ装置は、複数枚のコンテンツ用カードを用い、利用者に対してコンテンツの利用を推奨することができる。
【0012】
コンテンツ用カードは、カラオケ店舗に来店した利用者に配布される。コンテンツ用カードは、コンテンツに登場する対象が写っているカードである。複数枚のコンテンツ用カードは、それぞれ異なる対象が写っている。対象は、キャストやアイドルのような実在の人物であってもよいし、アニメやゲームのキャラクタ等であってもよい。
【0013】
また、カラオケ店舗の客席毎に、利用者を撮影するための撮影手段及び利用者が発声した音声を集音するための集音手段が設けられている。一の客席における撮影手段と集音手段とは予め対応付けられている。撮影手段は、コンテンツ用カードを眺める利用者を撮影しやすい位置(たとえば、客席の天井)に設けられることが好ましい。また、集音手段は、利用者が発した音声を集音しやすい位置(たとえば、客席のテーブルと椅子の間)に設けられることが好ましい。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ店舗Sに設置されている。カラオケ装置KはコンテンツPを搭載している。コンテンツPは、特定のアイドルを選択して楽曲を予約した場合、当該楽曲のカラオケ演奏時における背景映像として、通常の背景映像(すなわち予め楽曲に対応付けられている背景映像)ではなく、当該特定のアイドルに対応した専用の背景映像が表示されるコンテンツである。
【0015】
利用者Uは、カラオケ店舗Sを利用する者である。利用者Uの客席にあるテーブルTには、カラオケ店舗Sで配布された複数枚のコンテンツ用カードp1~p4が置かれている。コンテンツ用カードp1~p4は、コンテンツPに登場するアイドルGA1~GA4の顔画像が写っている。
【0016】
テーブルT近傍には、利用者Uを撮影するためのカメラC及び利用者Uが発声した音声を集音するためのマイクMが設けられている。カラオケ装置Kは、カメラCとマイクMとを対応付けて記憶している。カメラCは撮影手段の一例であり、マイクMは集音手段の一例である。なお、図1では一のテーブルTを記載しているが、一般にカラオケ店舗には複数の客席が設けられている(すなわち、複数のテーブルと各客席に対応するカメラ及びマイクとが設置されている)。
【0017】
==カラオケ装置==
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50を備える。
【0018】
カラオケ本体10は、楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する操作をおこなうための装置である。
【0019】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0020】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。楽曲データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、カラオケ演奏データ、リファレンスデータ等を含む。
【0021】
また、記憶手段10aは、楽曲毎に、カラオケ演奏時に表示される背景映像に対応する背景映像データ、楽曲の歌詞を表示するための歌詞テロップデータ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を記憶する。
【0022】
ここで、本実施形態に係る記憶手段10aは、コンテンツ用テーブルを記憶している。コンテンツ用テーブルは、カラオケ装置が利用者に対してあるコンテンツを推奨する際に参照するテーブルである。コンテンツ用テーブルは、対象の識別情報、所定のキーワード、対象を特定するための画像、専用の背景映像、及び推奨映像が対象毎に対応付けられている。
【0023】
対象の識別情報は、対象を識別するための対象ID等、各対象に固有の情報である。所定のキーワードは、対象の名前やニックネーム、或いは所定の用語(かわいい、きれい等)等、予め設定された用語である。所定のキーワードは一のキーワードのみ設定されていてもよいし、異なる複数のキーワードが設定されていてもよい。対象を特定するための画像は、対象の顔画像や半身画像等、各対象に固有の画像である。専用の背景映像は、対象のイメージ映像や対象が登場する撮りおろし映像等、各対象に固有の映像である。推奨映像は、コンテンツの紹介映像やコンテンツに登場する対象のダイジェスト映像等、コンテンツの利用を推奨するための映像である。推奨映像は、コンテンツの紹介用音声が含まれていてもよい。また、対象を特定するための画像、専用の背景映像、及び推奨映像のデータは、記憶手段10aに記憶されている。
【0024】
図4は、コンテンツPに対応するテーブルを示した図である。図4のテーブルは、アイドル毎に、アイドルID、アイドル名、顔画像、専用の背景映像、推奨映像が対応付けられている。アイドルIDは「対象の識別情報」の一例であり、アイドル名は「所定のキーワード」の一例であり、顔画像は「対象を特定するための画像」の一例である。またこの例では、全てのアイドルに対して同一の推奨映像RVが対応付けられている。なお、アイドル毎に異なる推奨映像が対応付けられていてもよい。
【0025】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、外部との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、カラオケ店舗の従業員やカラオケ店舗Sの利用者が指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0026】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0027】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0028】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、特定部100、判定部200、及び表示制御部300として機能する(図3参照)。
【0029】
(特定部)
特定部100は、撮影手段で撮影された利用者の映像から、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する。
【0030】
撮影手段による撮影は、利用者が客席に着いてから退席するまでに所定のタイミングで行われる。たとえば、撮影手段は、利用者が客席に着いた時点から退席するまで連続で撮影をおこなってもよい。或いは、撮影手段は、たとえば30秒毎、5分毎のように一定間隔で撮影を行ってもよい。撮影手段は、撮影した利用者の映像をカラオケ装置Kに送信する。
【0031】
特定部100は、撮影手段で撮影された利用者の映像を解析し、コンテンツ用カードに写っている対象の画像を抽出する。映像の解析は公知の手法を利用することができる。特定部100は、抽出した対象の画像と、コンテンツ用テーブルに含まれる対象を特定するための画像とを対比し、一致する対象を所定の対象として特定する。特定部100は、特定した所定の対象の識別情報を判定部200に出力する。
【0032】
なお、利用者の映像を解析した結果、コンテンツ用カードが含まれていない場合や写っている対象が明瞭でない場合、特定部100は、所定の対象を特定しない。よって、カラオケ装置Kは、以下の処理を行わない。
【0033】
(判定部)
判定部200は、所定の対象が特定された場合、撮影手段に対応付けられた集音手段で集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する。
【0034】
判定に用いる音声は所定時間に集音されたものである。所定時間は、たとえば所定の対象が特定された後の一定時間(たとえば、10秒、30秒)である。或いは、所定時間は、所定の対象が特定されたタイミングから、特定された所定の対象が撮影手段で撮影された映像に含まれなくなるまでのタイミングであってもよい。
【0035】
特定部100により所定の対象が特定された場合、判定部200は、記憶手段10aに記憶されているテーブルを参照し、特定された所定の対象の識別情報に対応付けられた所定のキーワードを読み出す。判定部200は、集音手段で所定時間に集音された音声を解析し、読み出した所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する。音声の解析は公知の手法を利用することができる。所定のキーワードが含まれているかどうかの判定は、たとえば、解析した音声をテキスト化し、所定のキーワードに対応するテキストが全て含まれているかどうかにより行う。
【0036】
また、判定部200は、所定のキーワードが所定回数以上含まれている場合に、所定のキーワードが含まれていると判定してもよい。
【0037】
所定回数は予め一の値が設定されている。たとえば、判定部200は、集音手段で集音された音声を解析し、読み出した所定のキーワードが含まれるかどうか、及び含まれている場合にはその回数を確認する。所定のキーワードが所定回数以上含まれている場合、判定部200は、音声に所定のキーワードが含まれていると判定する。
【0038】
また、所定のキーワードが異なる複数のキーワードからなる場合がある。この場合、判定部200は、全てのキーワードが含まれている場合に、所定のキーワードが含まれていると判定することができる。
【0039】
たとえば、所定のキーワードが3つのキーワードからなるとする。この場合、判定部200は、集音手段で集音された音声を解析し、読み出した3つのキーワードが全て含まれているかどうかを確認する。3つのキーワードが全て含まれている場合、判定部200は、音声に所定のキーワードが含まれていると判定する。
【0040】
(表示制御部)
表示制御部300は、所定のキーワードが含まれていると判定された場合、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、当該所定のキーワードに対応付けられたコンテンツの推奨映像を表示手段に表示させる。
【0041】
判定部200により所定のキーワードが含まれていると判定された場合、表示制御部300は、記憶手段10aに記憶されているテーブルを参照し、所定のキーワードに対応付けられている推奨映像のデータを読み出す。
【0042】
また、表示制御部300は、カラオケ装置Kにおいてカラオケ演奏が行われているかどうかを確認する。表示制御部300は、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、読み出した推奨映像のデータを再生し、推奨映像を表示装置30の表示画面に表示させる。表示装置30は「表示手段」の一例である。
【0043】
==カラオケ装置の動作について==
次に、図5を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図5は、カラオケ装置Kにおける動作を示すフローチャートである。この例では、図1に示したカラオケ店舗Sにおけるカラオケ装置Kの動作を説明する。また、カラオケ装置Kは、図4に示したテーブルを記憶しているとする。
【0044】
利用者Uはカラオケ店舗Sを訪れ、配布されたコンテンツ用カードp1~p4をテーブルTに並べる。利用者Uが客席に着いた場合、カメラCは利用者Uの撮影を開始する。カラオケ装置Kは、カメラCで撮影された映像を受信する(カメラで撮影された映像を受信。ステップ10)。
【0045】
特定部100は、カメラCで撮影された利用者Uの映像から、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する(コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定。ステップ11)。
【0046】
具体例として、特定部100は、映像中の利用者Uの手元の画像を解析し、映像中に人物の顔が映っているかどうかを確認する。ここで、利用者Uは、コンテンツ用カードp1を手に取って眺めていたとする。またコンテンツ用カードp1にはアイドルGA1の顔が写っているとする。
【0047】
この場合、特定部100は、コンテンツ用カードp1に写っているアイドルGA1の顔画像を抽出する。特定部100は、抽出したアイドルGA1の顔画像と、記憶手段10aに記憶されているコンテンツ用テーブルに含まれる各アイドルの顔画像とを対比し、一致するアイドルGA1を所定の対象として特定する。特定部100は、アイドルGA1のアイドルID***GA1を判定部200に出力する。
【0048】
次に、ステップ11で所定の対象が特定された場合、マイクMは利用者Uの発した音声の集音を開始する。カラオケ装置Kは、マイクMで集音された音声を受信する(マイクで集音された音声を受信。ステップ12)。
【0049】
判定部200は、カメラCに対応付けられたマイクMで集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する(音声に所定のキーワードが含まれているかどうかを判定。ステップ13)。
【0050】
所定のキーワードが含まれていると判定された場合(ステップ14でYの場合)、表示制御部300は、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、当該所定のキーワードに対応付けられたコンテンツの推奨映像を表示装置30に表示させる(推奨映像を表示。ステップ15)。
【0051】
上記例において、判定部200は、特定部100から出力されたアイドルID***GA1の入力を受けた場合、記憶手段10aに記憶されているテーブルから、アイドルID***GA1に対応付けられたキーワード「GA1(アイドル名)」を読み出す。判定部200は、カメラCに対応付けられたマイクMで集音された音声を解析し、読み出したキーワード「GA1」が含まれているかどうかを判定する。
【0052】
ここで、利用者Uは、アイドルGA1のコンテンツ用カードp1を眺めながら「GA1ちゃんいいなぁ」と呟いたとする。
【0053】
この場合、マイクMは利用者Uが呟いた「GA1ちゃんいいなぁ」という音声を集音し、カラオケ装置Kに送信する。判定部200は、集音された音声を解析し、読み出したキーワード「GA1」が含まれるかどうかを判定する。この例では、キーワード「GA1」が音声に含まれる。よって、判定部200は、所定のキーワードが含まれているという判定結果を表示制御部300に出力する。なお、所定のキーワードが含まれていない場合、カラオケ装置Kは、以降の処理を実施しない。
【0054】
表示制御部300は、所定のキーワードが含まれているという判定結果の入力を受けた場合、その時点においてカラオケ演奏が行われているかどうかを確認する(具体的に、表示制御部300は、演奏手段10dが稼働しているかどうかを確認する)。カラオケ演奏が行われていなかった場合、表示制御部300は、記憶手段10aからキーワード「GA1」に対応付けられた推奨映像RVの映像データを読み出し、表示装置30に表示させる。このような推奨映像RVを表示させることにより、利用者Uに対してコンテンツPの利用を勧めることができる。
【0055】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、それぞれ異なる対象が写っている複数枚のコンテンツ用カードを用い、利用者に対してコンテンツの利用を推奨するための装置である。カラオケ装置Kは、撮影手段で撮影された利用者の映像から、コンテンツ用カードに写っている所定の対象を特定する特定部100と、所定の対象が特定された場合、撮影手段に対応付けられた集音手段で集音された音声に当該所定の対象に対応付けられた所定のキーワードが含まれているかどうかを判定する判定部200と、所定のキーワードが含まれていると判定された場合、カラオケ演奏が行われていないタイミングにおいて、当該所定のキーワードに対応付けられたコンテンツの推奨映像を表示手段に表示させる表示制御部300と、を有する。
【0056】
このようなカラオケ装置Kによれば、利用者を撮影した映像及び利用者が発した音声に基づいて、コンテンツ用カードに写っている対象に興味を持った利用者に対し、コンテンツの利用を勧めることができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、利用者に配布された専用のカードを活用し、搭載されているコンテンツの利用を推奨することができる。
【0057】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kの判定部200は、所定のキーワードが所定回数以上含まれている場合に、所定のキーワードが含まれていると判定することができる。或いは、本実施形態において、所定のキーワードは異なる複数のキーワードからなり、判定部200は、全てのキーワードが含まれている場合に、所定のキーワードが含まれていると判定することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、利用者が発声した音声に所定のキーワードが含まれていること(すなわちコンテンツ用カードに写っている対象に対して興味を持っているかどうか)をより正確に判定することができる。
【0058】
<変形例>
実施形態の例において、推奨されたコンテンツの利用を希望する利用者は、カラオケ店舗の従業員にコンテンツ利用の旨を伝えてコンテンツを設定してもらったり、楽曲の予約をする際に自らコンテンツの設定を行う必要があるため煩雑である。
【0059】
そこで、本変形例において、表示制御部300は、コンテンツの推奨映像が表示されている間に楽曲のカラオケ演奏が予約された場合、当該カラオケ演奏時の背景映像として、所定の対象に対応付けられた専用の背景映像を表示手段に表示させることができる。
【0060】
たとえば、実施形態の例において、コンテンツPの推奨映像RVを見ている利用者Uが、推奨映像RVの表示中にリモコン装置50を操作し、選曲画面を介してカラオケ歌唱を希望する楽曲Xの選曲を行ったとする。リモコン装置50は、利用者Uが選曲した楽曲Xの楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。カラオケ装置Kは、受信した楽曲IDを予約待ち行列に登録することで、楽曲Xのカラオケ演奏の予約を行う。
【0061】
カラオケ装置Kは、予約待ち行列に登録されている楽曲IDを元に、楽曲Xのカラオケ演奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得したカラオケ演奏データを演奏手段10dに出力する。カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏データを再生し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。
【0062】
この際、表示制御部300は、記憶手段10aからアイドルID***GA1に対応付けられている専用の背景映像の映像データを読み出し、楽曲Xの背景映像データの代わりに読み出した映像データを用いて表示装置30に専用の背景映像を表示させる。
【0063】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kの表示制御部300は、コンテンツの推奨映像が表示されている間に楽曲のカラオケ演奏が予約された場合、当該カラオケ演奏時の背景映像として、所定の対象に対応付けられた専用の背景映像を表示手段に表示させることができる。このようなカラオケ装置Kによれば、利用者の選曲に応じて、推奨したコンテンツを自動的に実施することができる。一方、利用者は楽曲を予約するだけで推奨されたコンテンツを楽しむことができる。
【0064】
<その他>
上記実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
100 特定部
200 判定部
300 表示制御部
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5