(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168821
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/30 20230101AFI20241128BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20241128BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20241128BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241128BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20241128BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
H10B43/30
H01L27/00 301C
H01L27/00 301B
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/02 B
H01L21/90 A
H10B43/40
H10B43/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085789
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】野田 光彦
(72)【発明者】
【氏名】田上 政由
(72)【発明者】
【氏名】下城 義朗
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH11
5F033HH19
5F033JJ19
5F033KK11
5F033KK19
5F033QQ09
5F033QQ13
5F033QQ19
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5F033QQ22
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5F033QQ48
5F033QQ93
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5F083KA03
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5F083PR03
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5F101BA42
5F101BA44
5F101BA46
5F101BB02
5F101BB08
5F101BC01
5F101BC02
5F101BC11
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、基板と、第1プラグと、第1配線と、第2配線と、第2プラグと、第3プラグと、第3配線とを備える。第1プラグは、基板の上方に設けられ、基板の上面に交差する第1方向に延びる。第1配線は、第1プラグ上に設けられ、銅を含有する。第2配線は、第1プラグ下に設けられている。第2プラグは、第1プラグに対して第1方向に交差する第2方向に位置し、第1プラグの上端と異なる高さの上端と、第1プラグの下端と同じ高さの下端とを有する。第3プラグは、第2プラグ上に設けられ、第1方向に延び、タングステンを含有する。第3配線は、第2プラグ下に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上方に設けられ、前記基板の上面に交差する第1方向に延びる第1プラグと、
前記第1プラグ上に設けられ、銅を含有する第1配線と、
前記第1プラグ下に設けられた第2配線と、
前記第1プラグに対して前記第1方向に交差する第2方向に位置し、前記第1プラグの上端と異なる高さの上端と、前記第1プラグの下端と同じ高さの下端とを有する第2プラグと、
前記第2プラグ上に設けられ、前記第1方向に延び、タングステンを含有する第3プラグと、
前記第2プラグ下に設けられた第3配線とを備える、
半導体装置。
【請求項2】
前記第2プラグの上端は、前記第1プラグの上端よりも上方に位置し、
前記半導体装置は、前記第1配線上に設けられ、前記第2プラグの上端と同じ高さの上端を有する第4プラグを更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2プラグは、前記第3プラグの直下に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1プラグおよび前記第2プラグは、同一の材料を含有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2プラグは、前記第1プラグよりも外径が大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2配線および前記第3配線は、同一の材料を含有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1配線下に設けられ、前記第1プラグおよび前記第2プラグにより貫通された絶縁層を更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1方向に積層され互いに絶縁された複数の電極層を含み、前記第3プラグ上に位置し前記第3プラグと電気的に接続された第1領域と、前記第1領域に対して前記第2方向の反対側に位置するとともに前記第4プラグの上方に位置する第2領域と、を有する積層膜と、
前記第2領域内に設けられ、前記第1方向に延びる第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の電極層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、を含む第1柱状部と、
前記第4プラグと前記第1柱状部との間に設けられ、前記第1方向に延びる第5プラグとを更に備える、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1配線は、ビット線である、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2方向に延び、前記積層膜を分断する第1分断部と、
前記第3プラグを間に挟んで前記第1分断部に対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に位置し、前記第2方向に延び、前記積層膜を分断する第2分断部と、
前記第1分断部と前記第2分断部との間において前記第3プラグに対して前記第3方向または前記第3方向の反対側に位置し、前記第3プラグの上端と同じ高さの上端と、前記第3プラグの下端と同じ高さの下端とを有し、タングステンを含有する第6プラグと、
前記第6プラグ下に設けられ、前記第2プラグの上端と同じ高さの上端と、前記第2プラグの下端と同じ高さの下端とを有する第7プラグと、
前記第7プラグ下に設けられた第4配線とを更に備える、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第7プラグは、前記第1プラグおよび前記第2プラグと同一の材料を含有する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第4配線は、前記第2配線および前記第3配線と同一の材料を含有する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記積層膜は、
前記第1領域に対して前記第2方向に位置し、前記第1方向に延びる第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の電極層との間に設けられた第2電荷蓄積層と、を含む第2柱状部が設けられた第3領域と、
前記第1領域に対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向または前記第3方向の反対側に位置し、前記第2領域の電極層と前記第3領域の電極層とを電気的に接続する第4領域とを更に有する、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第3領域内に設けられ、前記第2柱状部と電気的に接続され、銅を含有する第5配線と、
前記第5配線下に設けられ、前記第1方向に延び、前記第1プラグの上端と同じ高さの上端と、前記第1プラグの下端と同じ高さの下端とを有する第8プラグとを更に備える、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記基板上に設けられ、前記第2配線と電気的に接続された第1トランジスタと、
前記基板上に設けられ、前記第3配線と電気的に接続された第2トランジスタとを更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
第1基板の上方に、前記第1基板の上面に交差する第1方向に延び、タングステンを含有する第3プラグを形成し、
前記第1基板の上方に、前記第3プラグに対して前記第1方向に交差する第2方向に間隔を空けて、銅を含有する第1配線を形成し、
前記第1配線上に、前記第1方向に延びる第1プラグを形成し、
前記第3プラグ上に、前記第1プラグの上端と同じ高さの上端と、前記第1プラグの下端と異なる高さの下端とを有する第2プラグを形成し、
前記第1プラグ上に第2配線を形成し、
前記第2プラグ上に第3配線を形成することを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1プラグおよび前記第2プラグは同時に形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1プラグおよび前記第2プラグを形成する前に、前記第1配線上に絶縁層を形成し、
前記絶縁層上に絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に、前記絶縁層を貫通して第3プラグを露出させる第1ホールを形成し、
前記絶縁膜に、前記絶縁層を貫通して前記第1配線を露出させる第2ホールを形成し、
前記第1ホールおよび前記第2ホールが形成された前記第1基板を薬液で処理することを更に含み、
前記第1プラグは、前記第1基板を前記薬液で処理した後に前記第2ホール内に形成され、
前記第2プラグは、前記第1基板を前記薬液で処理した後に前記第1ホール内に形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第3プラグおよび前記第1配線を形成する前に、前記第1基板の上方に、前記第1方向に積層され互いに絶縁された複数の電極層を含み、第1領域と、前記第1領域に対して前記第2方向に位置する第2領域と、を有する積層膜を形成し、
前記第2領域内に、前記第1方向に延びる第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の電極層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、を含む第1柱状部を形成し、
第2基板上に第1トランジスタおよび第2トランジスタを形成し、
前記第2配線および前記第3配線を形成した後に、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせて、前記第2配線を前記第1トランジスタと電気的に接続し、前記第3配線を前記第2トランジスタと電気的に接続し、
前記第1基板を除去することを更に含み、
前記第1配線は、前記第1柱状部と電気的に接続されるように形成され、
前記第3プラグは、前記第1領域において前記電極層と電気的に接続されるように形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際に、電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、基板と、第1プラグと、第1配線と、第2配線と、第2プラグと、第3プラグと、第3配線とを備える。第1プラグは、基板の上方に設けられ、基板の上面に交差する第1方向に延びる。第1配線は、第1プラグ上に設けられ、銅を含有する。第2配線は、第1プラグ下に設けられている。第2プラグは、第1プラグに対して第1方向に交差する第2方向に位置し、第1プラグの上端と異なる高さの上端と、第1プラグの下端と同じ高さの下端とを有する。第3プラグは、第2プラグ上に設けられ、第1方向に延び、タングステンを含有する。第3配線は、第2プラグ下に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【
図2】実施形態による半導体装置の積層膜を示す平面図である。
【
図3】実施形態による半導体装置の電極層を示す分解図である。
【
図4】実施形態による半導体装置のコンタクトプラグを示す横断面図である。
【
図5】実施形態による半導体装置のコンタクトプラグを示す縦断面図である。
【
図6】実施形態による半導体装置の柱状部を示す断面図である。
【
図7】実施形態による半導体装置の配線レイアウトを示す平面図である。
【
図8】実施形態による半導体装置の配線レイアウトを示す断面図である。
【
図9】実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図10】
図9に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図11】実施形態による半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図である。
【
図12】
図11に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13】第1比較例による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図14】第2比較例による半導体装置の製造方法を用いて製造される半導体装置の配線レイアウトを示す平面図である。
【
図15】第2比較例による半導体装置の製造方法を用いて製造される半導体装置の配線レイアウトを示す断面図である。
【
図16】
図12に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図17】変形例による半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~
図17において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書において、複数のビアプラグの高さを表現するために用いられる「同じ」との用語は、厳密に同じ場合に限定されず、実質的に同じ場合も含む。
【0008】
図1は、実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【0009】
図1の半導体装置は、例えば3次元半導体メモリである。
図1の半導体装置は、回路部分1と、回路部分1上に設けられたアレイ部分2とを備える。アレイ部分2は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを備える。回路部分1は、メモリセルアレイを制御するCMOS回路を備える。
図1の半導体装置は、例えば、回路部分1を含む回路ウェハと、アレイ部分2を含むアレイウェハとを貼り合わせることで製造される。
図1は、回路部分1(回路ウェハ)とアレイ部分2(アレイウェハ)との貼合面Sを示している。
【0010】
図1は、互いに垂直なX方向、Y方向、およびZ方向を示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。Z方向は、第1方向の一例である。-X方向は、第1方向に交差する第2方向の一例である。Y方向は、第1方向および第2方向に交差する第3方向の一例である。
【0011】
回路部分1は、基板11と、複数のトランジスタ12と、複数のトランジスタ13と、層間絶縁膜14とを備える。回路部分1はさらに、複数のコンタクトプラグ31と、配線層32と、複数のビアプラグ33と、配線層34と、複数のビアプラグ35と、複数の金属パッド36とを備える。トランジスタ12は、第1トランジスタの一例である。トランジスタ13は、第2トランジスタの一例である。トランジスタ12は、ゲート絶縁膜12aと、ゲート電極12bと、拡散層12cと、拡散層12dとを含む。トランジスタ13は、ゲート絶縁膜13aと、ゲート電極13bと、拡散層13cと、拡散層13dとを含む。配線層32、34の各々は、複数の配線を含んでいてもよい。
【0012】
アレイ部分2は、層間絶縁膜21と、積層膜Pと、複数の柱状部24と、複数のコンタクトプラグ26とを備える。コンタクトプラグ26は、第3プラグの一例である。積層膜Pは、Z方向に積層され互いに絶縁された複数の電極層23を含む。より詳しくは、積層膜Pは、複数の絶縁膜22と、複数の電極層23とを交互に含む。アレイ部分2はさらに、複数の金属パッド41と、複数のビアプラグ42と、配線層43と、複数のビアプラグ44と、配線層45と、複数のビアプラグ46と、複数のビアプラグ47とを備える。配線層43は、第2配線の一例である。ビアプラグ44は、第1プラグの一例である。配線層45は、第1配線の一例である。ビアプラグ46は、第4プラグの一例である。ビアプラグ47は、第5プラグの一例である。配線層43、45の各々は、複数の配線を含んでいてもよい。アレイ部分2はさらに、複数の金属パッド51と、複数のビアプラグ52と、配線層53と、複数のビアプラグ54とを備える。配線層53は、第3配線の一例である。ビアプラグ54は、第2プラグの一例である。配線層53は、複数の配線を含んでいてもよい。
【0013】
先ず、回路部分1について詳述する。基板11は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
図1では、基板11の上面が、X方向およびY方向に平行かつZ方向に垂直となっている。
【0014】
トランジスタ12は、基板11上に設けられている。各トランジスタ12のゲート絶縁膜12aおよびゲート電極12bは、基板11上に順に積層されている。各トランジスタ12の拡散層12cおよび拡散層12dは、ゲート電極12bを挟むように基板11内に形成されている。拡散層12cおよび拡散層12dの一方は、ソース領域として機能する。拡散層12cおよび拡散層12dの他方は、ドレイン領域として機能する。各トランジスタ12は、金属パッド36、41などを介して、対応する柱状部24と電気的に接続されている。トランジスタ12は、積層膜Pのうちの柱状部24が設けられた領域R2、R3に対向して設けられていてもよい。
【0015】
トランジスタ13は、基板11上に設けられている。各トランジスタ13のゲート絶縁膜13aおよびゲート電極13bは、基板11上に順に積層されている。各トランジスタ13の拡散層13cおよび拡散層13dは、ゲート電極13bを挟むように基板11内に形成されている。拡散層13cおよび拡散層13dの一方は、ソース領域として機能する。拡散層13cおよび拡散層13dの他方は、ドレイン領域として機能する。各トランジスタ13は、金属パッド36、41などを介して、対応するコンタクトプラグ26と電気的に接続されている。各トランジスタ13のうちの少なくとも一部のトランジスタ13は、積層膜Pのうちのコンタクトプラグ26が設けられた領域R1に対向して設けられていてもよい。
【0016】
層間絶縁膜14は、基板11上に設けられ、トランジスタ12とトランジスタ13とを覆っている。層間絶縁膜14は例えば、シリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0017】
図1に示すように、コンタクトプラグ31、配線層32、ビアプラグ33、配線層34、ビアプラグ35、および金属パッド36は、基板11上に順に設けられている。
図1に示される例において、各コンタクトプラグ31は、トランジスタ12または13の拡散層12cまたは13cと電気的に接続されている。各コンタクトプラグ31は、トランジスタ12または13のゲート電極12bまたは13bと電気的に接続されていてもよい。
【0018】
次に、アレイ部分2について詳述する。
図2は、実施形態による半導体装置の積層膜を示す平面図である。
図3は、実施形態による半導体装置の電極層23を示す分解図である。
【0019】
図1に示すように、アレイ部分2の層間絶縁膜21は、回路部分1の層間絶縁膜14上に設けられている。層間絶縁膜21は、層間絶縁膜14と積層膜Pとの間に挟まれている。層間絶縁膜21は例えば、シリコン酸化膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0020】
上記複数の絶縁膜22と上記複数の電極層23は、基板11の上方の層間絶縁膜21上に交互に積層され、積層膜Pを形成している。複数の電極層23は、Z方向に互いに離隔されている。各絶縁膜22は例えば、シリコン酸化膜である。各電極層23は例えば、W(タングステン)層を含む金属層である。各電極層23は例えば、ワード線として機能する。
【0021】
図1および
図2に示すように、積層膜Pは、領域R1、R2、R3、R4を有する。領域R1は、第1領域の一例である。領域R2は、第2領域の一例である。領域R3は、第3領域の一例である。領域R4は、第4領域の一例である。
【0022】
領域R1は、コンタクトプラグ26上に位置し、コンタクトプラグ26と電気的に接続された領域である。領域R1は、半導体装置内のフックアップ部に相当する。領域R2は、領域R1に対してX方向に位置するとともに、ビアプラグ46の上方に位置する領域である。言い換えれば、領域R2は、柱状部24が設けられた領域である。領域R2は、半導体装置内のメモリセルアレイ部に相当する。領域R3は、領域R1に対して-X方向に位置するとともに、ビアプラグ46の上方に位置する領域である。言い換えれば、領域R3は、柱状部24が設けられた領域である。領域R3は、半導体装置内のメモリセルアレイ部に相当する。領域R4は、領域R1に対してY方向または-Y方向に位置し、領域R2の電極層23と領域R3の電極層23とを電気的に接続する領域である。すなわち、領域R4の電極層23は、領域R2の電極層23および領域R3の電極層23に連続している。領域R4は、ブリッジ領域とも呼ばれる。
【0023】
図2に示すように、積層膜Pには、スリットST-1、ST-2、ST-3が設けられている。スリットST-1は、第1分断部の一例であり、スリットST-2は、第2分断部の一例である。スリットST-2は、第1分断部の一例でもあり、この場合、スリットST-3は、第2分断部の一例である。
【0024】
スリットST-1は、X方向に延び、積層膜Pを分断している。スリットST-2は、コンタクトプラグ26を間に挟んでスリットST-1に対してY方向に位置する。スリットST-2は、X方向に延び、積層膜Pを分断している。スリットST-3は、コンタクトプラグ26を間に挟んでスリットST-2に対してY方向に位置する。スリットST-3は、X方向に延び、積層膜Pを分断している。
【0025】
積層膜Pの領域R1、R2、R3、R4は、スリットST-1、ST-2、ST-3によって分断されている。スリットST-1、ST-2、ST-3内には、絶縁膜27が設けられている。
【0026】
図1乃至
図3に示すように、領域R1の積層膜Pは、X方向およびY方向に沿って階段状に形成されている。すなわち、領域R1の積層膜Pは、X方向およびY方向に沿った階段構造を有する。より詳しくは、階段構造は、Z方向の端部である最下段からX方向に向かう階段部SPと、最下段から-X方向、Y方向、および-Y方向に向かうダミー階段部SPdとを有する。階段部SPは、緩やかな階段状に形成されている。階段部SPの電極層23は、コンタクトプラグ26が接続されるステップ面(すなわち、テラス領域)を有する。一方、ダミー階段部SPdは、急峻な階段状に形成されている。ダミー階段部SPdの電極層23は、コンタクトプラグ26が接続されるステップ面を有しない。
【0027】
図2に示すように、上段側(
図2におけるX方向側)の階段部SPのステップ面は、下段側(
図2における-X方向側)の階段部のステップ面よりもY方向の寸法が大きい。したがって、上段側の階段部SPのステップ面は、隣接するスリット間にY方向に沿って複数のコンタクトプラグ26を接続可能なマージンを有する。
【0028】
各コンタクトプラグ26は、領域R1内において層間絶縁膜21内に設けられている。各コンタクトプラグ26は、例えばポリシリコン層または金属層である。各コンタクトプラグ26は、階段部SPの絶縁膜22を貫通して、対応する電極層23のステップ面に接触している。ステップ面に接触することで、各コンタクトプラグ26は、対応する電極層23と電気的に接続されている。さらに、各コンタクトプラグ26は、対応するトランジスタ13と電気的に接続されている。
【0029】
図1に示すように、コンタクトプラグ26は、X方向に沿って複数配置されている。
図1および
図3に示すように、X方向に沿って配置された複数のコンタクトプラグ26は、異なる段(すなわち、層)の階段部SPの電極層23に接続されている。
【0030】
図2に示すように、上段側の階段部SPには、隣接するスリットST-1、ST-2間に、Y方向に沿って2つのコンタクトプラグ26、26-2が配置されている。コンタクトプラグ26-2は、第6プラグの一例である。隣接するスリット間ST-1、ST-2にY方向に沿って2つのコンタクトプラグ26、26-2を配置することで、X方向のチップサイズを削減することができる。一方、上段側の階段部SP以外の階段部SPにおいて、コンタクトプラグ26は、隣接するスリット間に1つずつ配置されている。
【0031】
なお、
図2に示すように、上段側の階段部SPの隣接するスリットST-2、ST-3間にも、Y方向に沿って2つのコンタクトプラグ26、26-2が配置されている。スリットST-2、ST-3間の配線構造は、スリットST-1、ST-2間の配線構造と同様である。具体的には、スリットST-2、ST-3間の配線構造は、スリットST-1、ST-2間の配線構造に対して、スリットST-2の中心に定義されたXZ平面を基準とした鏡面対称形状を有する。重複する説明を省略するため、以下では、スリットST-1、ST-2間の配線構造を中心に説明する。
【0032】
図4は、実施形態による半導体装置のコンタクトプラグ26を示す横断面図である。
図5は、実施形態による半導体装置のコンタクトプラグ26を示す縦断面図である。
図4および
図5に示すように、領域R1には、層間絶縁膜21および積層膜Pを貫通する複数の柱状部28が設けられている。積層膜Pを形成する際には、犠牲膜と絶縁膜22とを積層させた後に、犠牲膜を電極層23にリプレースする。柱状部28は、リプレースの前に、犠牲膜および絶縁膜22を貫通して設けられる。柱状部28は、リプレースのときに階段部SPの機械強度を保つ機能をもつ。柱状部28は、シリコン酸化膜などの絶縁膜を有する。
【0033】
柱状部24は、領域R2、R3内において積層膜P内に設けられている。領域R2内に設けられた柱状部24は、第1柱状部の一例である。領域R3内に設けられた柱状部24は、第2柱状部の一例である。各柱状部24は、Z方向に延びる柱状の形状を有し、電極層23を貫通している。
図6は、実施形態による半導体装置の柱状部24を示す断面図である。
図6に示すように、柱状部24は、積層膜Pの側面に順に形成されたブロック絶縁膜24a、電荷蓄積層24b、トンネル絶縁膜24c、チャネル半導体層24d、およびコア絶縁膜24eを含んでいる。
【0034】
ブロック絶縁膜24aは例えば、シリコン酸化膜である。電荷蓄積層24bは例えば、シリコン窒化膜などの絶縁膜である。電荷蓄積層24bは、ポリシリコン層などの半導体層でもよい。トンネル絶縁膜24cは例えば、シリコン酸化膜である。チャネル半導体層24dは例えば、ポリシリコン層である。コア絶縁膜24eは例えば、シリコン酸化膜である。各柱状部24内のチャネル半導体層24dは、対応するトランジスタ12と電気的に接続されている。
【0035】
図1に示すように、金属パッド41、ビアプラグ42、配線層43、ビアプラグ44、配線層45、ビアプラグ46、およびビアプラグ47は、基板11の上方に順に設けられている。ビアプラグ47の上端は、柱状部24に接触している。金属パッド41は、回路部分1の対応する金属パッド36に接合されている。その結果、柱状部24は、ビアプラグ47、46、配線層45、ビアプラグ44、配線層43、ビアプラグ42、金属パッド41、36、ビアプラグ35、配線層34、ビアプラグ33、配線層32、およびコンタクトプラグ31を介して、トランジスタ12と電気的に接続されている。
【0036】
図1に示すように、金属パッド51、ビアプラグ52、配線層53、およびビアプラグ54は、基板11の上方に順に設けられている。ビアプラグ54の上端は、コンタクトプラグ26に接触している。金属パッド51は、回路部分1の対応する金属パッド36に接合されている。その結果、コンタクトプラグ26は、ビアプラグ54、配線層53、ビアプラグ52、金属パッド51、36、ビアプラグ35、配線層34、ビアプラグ33、配線層32、およびコンタクトプラグ31を介して、トランジスタ13と電気的に接続されている。
【0037】
次に、アレイ部分2の配線41~47、51~54のレイアウトについてさらに詳述する。
図7は、実施形態による半導体装置の配線レイアウトを示す平面図である。
図8は、実施形態による半導体装置の配線レイアウトを示す断面図である。
図8において符号Aで示されるコンタクトプラグ26の周辺の断面は、
図7のA-A断面である。
図8において符号Bで示される柱状部24の周辺の断面は、
図1と同じ方向の断面である。なお、
図8において符号Bで示される断面は、積層膜Pの領域R2に対応する断面である。積層膜Pの領域R3に対応する断面も、
図8の符号Bと同様である。
【0038】
ビアプラグ44は、基板11の上方(すなわち、Z方向)に設けられている。領域R2に対向して設けられたビアプラグ44は、第1プラグの一例である。領域R3に対向して設けられたビアプラグ44は、第8プラグの一例である。ビアプラグ44は、基板11の上面に交差する上方に延びている。ビアプラグ44は、例えば、タングステンを含有する。
【0039】
各配線層45は、ビアプラグ44上に設けられている。領域R2に対向して設けられた配線層45は、第1配線の一例である。領域R3に対向して設けられた配線層45は、第5配線の一例である。配線層45は、ビアプラグ44と電気的に接続されている。配線層45は、銅を含有する。配線層45は、例えば、Y方向に延びるビット線である。銅を含有することで、配線層45を低コストで形成することができる。
【0040】
配線層43は、ビアプラグ44下に設けられている。配線層43は、ビアプラグ44と電気的に接続されている。配線層43は、例えば、タングステンを含有する。
【0041】
ビアプラグ54は、ビアプラグ44に対してZ方向に交差する-X方向に位置する。ビアプラグ54は、ビアプラグ44の上端と異なる高さの上端と、ビアプラグ44の下端と同じ高さの下端とを有する。
図8においては、ビアプラグ54の上端および下端の高さが、二点鎖線によって指示されている。ビアプラグ54は、ビアプラグ44と同一の材料、例えばタングステンを含有する。
【0042】
コンタクトプラグ26は、ビアプラグ54上に設けられている。コンタクトプラグ26は、ビアプラグ54と電気的に接続されている。コンタクトプラグ26は、Z方向に延びている。コンタクトプラグ26は、タングステンを含有する。
【0043】
配線層53は、ビアプラグ54下に設けられている。配線層53は、配線層43と同じ層に位置する。配線層53は、配線層43と同一の材料、例えばタングステンを含有する。
【0044】
ビアプラグ54の上端は、ビアプラグ44の上端よりも上方に位置する。ビアプラグ46は、配線層45上に設けられている。ビアプラグ46は、配線層45と電気的に接続されている。ビアプラグ46は、ビアプラグ54の上端と同じ高さの上端を有する。すなわち、ビアプラグ54は、ビアプラグ44が位置する層と、配線層45が位置する層と、ビアプラグ46が位置する層との複数層にわたって設けられたビアプラグである。ビアプラグ54は、ビアプラグ44よりも外径が大きい。
【0045】
ビアプラグ54は、コンタクトプラグ26の直下に設けられている。すなわち、ビアプラグ54は、コンタクトプラグ26に対してX方向およびY方向に殆どずれていない。ビアプラグ54の中心は、コンタクトプラグ26の中心に一致していてもよい。
【0046】
配線層45の下には、絶縁層3が設けられている。絶縁層3は、ビアプラグ44およびビアプラグ54により貫通されている。絶縁層3は、例えばシリコン窒化膜(SiCN)
である。絶縁層3は、ビアプラグ44の銅の拡散を抑制する機能を有する。
【0047】
ビアプラグ47は、ビアプラグ46と柱状部24との間に設けられている。ビアプラグ47は、Z方向に延びている。ビアプラグ47の下端の高さは、コンタクトプラグ26の下端の高さと同じである。ビアプラグ47は、ビアプラグ46および柱状部24と電気的に接続されている。
【0048】
コンタクトプラグ26-2は、スリットST-1とスリットST-2との間において、コンタクトプラグ26に対してY方向に位置する。コンタクトプラグ26-2は、コンタクトプラグ26の上端と同じ高さの上端と、コンタクトプラグ26の下端と同じ高さの下端とを有する。コンタクトプラグ26-2は、タングステンを含有する。
【0049】
コンタクトプラグ26-2下には、ビアプラグ54-2が設けられている。ビアプラグ54-2は、第7プラグの一例である。ビアプラグ54-2は、ビアプラグ54の上端と同じ高さの上端と、ビアプラグ54の下端と同じ高さの下端とを有する。ビアプラグ54-2は、コンタクトプラグ26-2と電気的に接続されている。ビアプラグ54-2は、ビアプラグ54と同様にタングステンを含有する。
【0050】
ビアプラグ54-2下には、配線層53-2が設けられている。配線層53-2は、第4配線の一例である。配線層53-2は、ビアプラグ54-2と電気的に接続されている。配線層53-2は、配線層53と同一の材料、例えばタングステンを含有する。
【0051】
配線層53-2下には、ビアプラグ52-2が設けられている。ビアプラグ52-2下には、金属パッド51-2が設けられている。金属パッド51-2は、回路部分1の金属パッド36と接合されている。したがって、コンタクトプラグ26と同様に、コンタクトプラグ26-2はトランジスタ13と電気的に接続されている。
【0052】
次に、以上の構成を有する実施形態による半導体装置の製造方法について説明する。
図9は、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図10は、
図9に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0053】
図9は、回路ウェハに含まれる回路部分1と、アレイウェハに含まれるアレイ部分2とを示している。
図9に示すアレイ部分2の向きは、
図1に示すアレイ部分2の向きとは逆向きになっている。本実施形態の半導体装置は、上述のように、回路ウェハとアレイウェハとを貼り合わせることで製造される。
図9は、貼合のために向きを反転される前のアレイ部分2を示し、
図10は、貼合のために向きを反転されて回路部分1と貼り合わされた後のアレイ部分2を示している。
【0054】
図9は、回路部分1の上面S1と、アレイ部分2の上面S2とを示している。
図9に示すアレイ部分2は、積層膜P下に設けられた基板6を備えている。基板6は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。基板11は第1基板の一例である。基板6は第2基板の一例である。
【0055】
実施形態による半導体装置は例えば、次のように製造される。まず、基板11上に、複数のトランジスタ12、複数のトランジスタ13、層間絶縁膜14、複数のコンタクトプラグ31、配線層32、複数のビアプラグ33、配線層34、複数のビアプラグ35、および複数の金属パッド36を形成する(
図9)。また、基板6上に、層間絶縁膜21、複数の絶縁膜22、複数の電極層23、複数の柱状部24および複数のコンタクトプラグ26、26-2を形成する(
図8、
図9)。また、基板6上に、複数の金属パッド41、複数のビアプラグ42、配線層43、複数のビアプラグ44、配線層45、複数のビアプラグ46、および複数のビアプラグ47を形成する(
図9)。また、基板6上に、複数の金属パッド51、51-2、複数のビアプラグ52、52-2、配線層53、53-2、および複数のビアプラグ54、54-2を形成する(
図8、
図9)。
【0056】
次に、
図10に示すように、回路ウェハ(回路部分1)とアレイウェハ(アレイ部分2)とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜14と層間絶縁膜21とが接着される。次に、回路ウェハおよびアレイウェハを400℃でアニールする。これにより、金属パッド36と金属パッド41、51、51-2とが接合される。金属パッド36、41、51、51-2は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。
【0057】
その結果、各柱状部24が、対応するトランジスタ12と電気的に接続され、各コンタクトプラグ26、26-2が、対応するトランジスタ13と電気的に接続される(
図10)。
【0058】
その後、基板11をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により薄膜化し、基板6をCMPにより除去した後、回路ウェハおよびアレイウェハを複数のチップに切断する。このようにして、
図1に示す半導体装置が製造される。
【0059】
なお、
図1は、層間絶縁膜14と層間絶縁膜21との境界面や、金属パッド36と金属パッド41、51との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、金属パッド36の側面の傾きや、金属パッド41、51の側面の傾きや、金属パッド36と金属パッド41、51との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0060】
次に、実施形態による半導体装置の一部の製造方法についてより詳細に説明する。
図11は、実施形態による半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図である。先ず、基板6の上方に積層膜Pを形成する。積層膜Pを形成した後、積層膜Pの領域R2、R3内に、柱状部24を形成する(
図11(a))。
【0061】
柱状部24を形成した後、基板6の上方に、タングステンを含有するコンタクトプラグ26、26-2を同時に形成する(
図11(a)、
図8)。なお、
図11(a)においては、積層膜Pおよびコンタクトプラグ26-2の図示を省略している。コンタクトプラグ26、26-2は、積層膜Pの領域R1において積層膜Pの電極層23と電気的に接続されるように形成する。また、柱状部24上に、ビアプラグ47を形成する。
【0062】
コンタクトプラグ26、26-2およびビアプラグ47を形成した後、コンタクトプラグ26に対してX方向に間隔を空けて、基板6の上方に銅を含有する配線層45を形成する(
図11(a))。配線層45は、柱状部24と電気的に接続されるようにビアプラグ46上に形成される。
【0063】
配線層45を形成した後、配線層45上に絶縁層3を形成する(
図11(a))。絶縁層3は、コンタクトプラグ26、26-2の上方にわたって形成される。絶縁層3を形成した後、絶縁層3上に層間絶縁膜21を形成する(
図11(a))。
【0064】
層間絶縁膜21を形成した後、層間絶縁膜21上にマスク層8を形成する(
図11(a))。マスク層8を形成した後、ビアプラグ26、26-2の上方のマスク層8に開口部H1を形成する。開口部H1の形成は、例えば、SMAP(Stacked Mask Process)によって行う。
【0065】
次いで、開口部H1が形成されたマスク層8をマスクとしたRIE(Reactive Ion Etching)によって、層間絶縁膜21にホールH2を形成する(
図11(b))。ホールH2は、層間絶縁膜21および絶縁層3を貫通してコンタクトプラグ26、26-2を露出させるように形成される。ホールH2を形成した後、マスク層8を除去する。マスク層8の除去は、例えば、アッシングによって行う。
【0066】
マスク層8を除去した後、ホールH2を埋めるように層間絶縁膜21上にマスク層9を形成する(
図11(c))。マスク層9を形成した後、配線層45の上方のマスク層9に開口部(図示せず)を形成する。開口部の形成は、例えば、SMAPによって行う。
【0067】
次いで、開口部が形成されたマスク層9をマスクとしたRIEによって、層間絶縁膜21にホールH3を形成する(
図11(c))。このとき、絶縁層3がエッチングストッパとして機能することで、ホールH3は絶縁層3に達するまで形成される。
【0068】
図12は、
図11に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。ホールH3を形成した後、マスク層9を除去する(
図12(a))。マスク層9の除去は、例えば、アッシングによって行う。
【0069】
マスク層9を除去した後、配線層45上の絶縁層3を除去することで、配線層45まで層間絶縁膜21を貫通するホールH4を形成する(
図12(b))。配線層45上の絶縁層3の除去は、例えば、ドライエッチングによって行ってもよい。ホールH2、H4が形成された基板6にウェットエッチングを行うことで、RIEによって生じた残渣を基板6上から除去する(
図12(b))。ウェットエッチングに用いる薬液は、例えば、塩酸(HCL)、希フッ酸(DHF)およびコリン(TMY)を含む。
【0070】
図13は、第1比較例による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図13(a)において、「+」は、RIEに用いる電荷すなわちイオンを示している。ここで、第1比較例として、コンタクトプラグ26の上方に、ビアプラグ54の代わりに銅を含有する配線層450を形成する例を説明する。第1比較例においては、RIEによってコンタクトプラグ26の上方にホールH2を形成するときに(
図13(a))、コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量に、電荷が蓄積される。なお、柱状部24の上方にホールH3を形成するときも、柱状部24と電極層23との間の容量に、電荷が蓄積される。しかし、柱状部24と電極層23との間の容量は、コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量よりも小さい。このため、柱状部24と電極層23との間の容量に蓄積される電荷の電荷量は、コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量に蓄積される電荷の電荷量と比較して無視できるほど小さい。
【0071】
コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量に電荷が蓄積されると、ホールH2を形成した後のウェットエッチングのときに、配線層450が薬液に溶けて消失してしまう(
図13(b))。これは、銅の電位と薬液のpHとの相関関係に基づく電池効果に因るものである。具体的には、ウェットエッチングのときに、コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量に蓄積された電荷が配線層450に移動することで、配線層450が0[V]より大きい電位をもつ。銅で構成された配線層450が0[V]より大きい電位をもった状態で酸性の薬液(塩酸および希フッ酸等)に触れると、電池効果によって配線層450が薬液に溶出してしまう。したがって、第1比較例においては、配線層450の消失によって電気特性が劣化してしまう。
【0072】
次に、第2比較例として、配線層450に複数のビアプラグ440を接続した例を説明する。
図14は、第2比較例による半導体装置の製造方法を用いて製造される半導体装置の配線レイアウトを示す平面図である。
図15は、第2比較例による半導体装置の製造方法を用いて製造される半導体装置の配線レイアウトを示す断面図である。第2比較例においては、1つの配線層450に6個のビアプラグ440を接続する。これにより、ウェットエッチングのときに、コンタクトプラグ26と電極層23との間の容量に蓄積された電荷が、薬液に触れる配線層450の6箇所の位置(すなわち、6個のビアプラグ440がそれぞれ形成される6個のホールH2に対応する位置)まで分散して移動する。これにより、1つの配線層450に1個のビアプラグ440を接続する場合(
図13(a))と比較して、薬液に触れる配線層450の電位を6箇所の位置において約1/6に低減する。配線層450の電位を低減することで、電池効果による配線層450の消失を抑制する。また、電池効果によって部分的な配線層450の消失が生じたとしても、残存する配線層450に接続された少なくとも1つのビアプラグ440によって、金属パッド51とコンタクトプラグ26との導通を維持する。しかしながら、第2比較例においては、配線層450に6個のビアプラグ440を接続する必要上、配線層450のX方向のサイズが大きくなってしまう。また、配線層450のX方向のサイズが大きくなることで、隣接するスリットST-1、ST-2間に2つのコンタクトプラグ26、26-2を形成するマージンを確保することが困難となる。したがって、第2比較例においては、電気特性の劣化をある程度抑制できても、チップサイズを縮小することはできない。
【0073】
これに対して、上述のように実施形態では、ウェットエッチングの前に、コンタクトプラグ26上に銅を含有する配線層450を形成せず、代わりに、コンタクトプラグ26を露出させるようにホールH2を形成する。これにより、銅で構成された配線層450の消失および配線層450のサイズの拡大を構造上回避することができる。したがって、実施形態によれば、電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することができる。
【0074】
図16は、
図12に続く、実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。基板6のウェットエッチングを行った後、配線層45上に、タングステンを含有するビアプラグ44を形成する。ビアプラグ44の形成は、ホールH4(
図12(b)参照)を埋めるように行われる。また、ビアプラグ44の形成と同時に、コンタクトプラグ26上に、タングステンを含有するビアプラグ54を形成する。ビアプラグ54の形成は、ホールH2を埋めるように行われる。ビアプラグ44、54を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polisher)によって層間絶縁膜21上のタングステンを除去する(
図16(a))。
【0075】
CMPを行った後、ビアプラグ44上に、タングステンを含有する配線層43を形成する。配線層43の形成と同時に、ビアプラグ54上に、タングステンを含有する配線層53を形成する(
図16(b))。
【0076】
以上述べたように、実施形態による半導体装置は、基板11と、ビアプラグ44と、配線層45と、配線層43と、ビアプラグ54と、コンタクトプラグ26と、配線層53とを備える。ビアプラグ44は、基板11の上方に設けられ、基板11の上面に交差するZ方向に延びる。配線層45は、ビアプラグ44上に設けられ、銅を含有する。配線層43は、ビアプラグ44下に設けられている。ビアプラグ54は、ビアプラグ44に対してZ方向に交差する-X方向に位置する。ビアプラグ54は、ビアプラグ44の上端と異なる高さの上端と、ビアプラグ44の下端と同じ高さの下端とを有する。コンタクトプラグ26は、ビアプラグ54上に設けられ、Z方向に延び、タングステンを含有する。配線層53は、ビアプラグ54下に設けられている。これにより、コンタクトプラグ26下に銅を含有する配線層450(
図13~
図15参照)を設けることを要しないので、配線層450の消失による電気特性の劣化と、配線層450のサイズの拡大とを回避することができる。したがって、実施形態によれば、電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することが可能となる。
【0077】
また、実施形態では、ビアプラグ54の上端が、ビアプラグ44の上端よりも上方に位置する。また、配線層45上には、ビアプラグ54の上端と同じ高さの上端を有するビアプラグ46が設けられている。これにより、コンタクトプラグ26と配線層53とを導通させる配線(すなわち、ビアプラグ54)の製造工数を最小限に抑えることができる。
【0078】
また、実施形態によれば、ビアプラグ54をコンタクトプラグ26の直下に設けることで、チップサイズを更に縮小化することが可能となる。
【0079】
また、実施形態によれば、ビアプラグ44およびビアプラグ54が同一の材料を含有することで、ビアプラグ44、54を同時に形成することができる。これにより、半導体装置の製造工数を削減することができる。
【0080】
また、実施形態によれば、ビアプラグ54の外径をビアプラグ44の外径よりも大きく形成することで、複数層にわたる高さのビアプラグ54を適切に形成することができる。
【0081】
また、実施形態によれば、配線層43および配線層53が同一の材料を含有することで、配線層43、53を同時に形成することができる。これにより、半導体装置の製造工数を削減することができる。
【0082】
また、実施形態では、配線層45下に、ビアプラグ44、54により貫通された絶縁層3が設けられている。これにより、配線層45に含有される銅が層間絶縁膜21に拡散することを抑制することができる。
【0083】
また、実施形態による半導体装置は、積層膜Pと、柱状部24と、ビアプラグ47とを更に備える。積層膜Pは、Z方向に積層され互いに絶縁された複数の電極層23を含む。積層膜Pは、コンタクトプラグ26上に位置しコンタクトプラグ26と電気的に接続された領域R1を有する。積層膜Pは更に、領域R1に対してX方向に位置するとともにビアプラグ46の上方に位置する領域R2を有する。柱状部24は、領域R2内に設けられている。柱状部24は、Z方向に延びる半導体層24dと、半導体層24dと電極層23との間に設けられた電荷蓄積層24bとを含む。ビアプラグ47は、ビアプラグ46と柱状部24との間に設けられ、Z方向に延びる。これにより、三次元半導体記憶装置において、電気特性の劣化を抑制しつつチップサイズを縮小化することが可能となる。
【0084】
また、実施形態による半導体装置は、スリットST-1と、スリットST-2と、コンタクトプラグ26-2と、ビアプラグ54-2と、配線層53-2とを更に備える。スリットST-1は、X方向に延び、積層膜Pを分断する。スリットST-2は、コンタクトプラグ26を間に挟んでスリットST-1に対してY方向に位置する。スリットST-2は、X方向に延び、積層膜Pを分断する。コンタクトプラグ26-2は、スリットST-1とスリットST-2との間においてコンタクトプラグ26に対してY方向に位置する。コンタクトプラグ26-2は、コンタクトプラグ26の上端と同じ高さの上端と、コンタクトプラグ26の下端と同じ高さの下端とを有し、タングステンを含有する。ビアプラグ54-2は、コンタクトプラグ26-2下に設けられている。ビアプラグ54-2は、ビアプラグ54の上端と同じ高さの上端と、ビアプラグ54の下端と同じ高さの下端とを有する。配線層53-2は、ビアプラグ54-2下に設けられている。これにより、隣接するスリットST-1、ST-2間に、Y方向に沿って2つのコンタクトプラグ26、26-2を設けることができるので、チップサイズを効果的に縮小化することができる。
【0085】
また、実施形態によれば、ビアプラグ54-2がビアプラグ44、54と同一の材料を含有することで、ビアプラグ44、54、54-2を同時に形成することができる。これにより、チップサイズを効果的に縮小化しつつ半導体装置の製造工数を削減することができる。
【0086】
また、実施形態によれば、配線層53-2が配線層43、53と同一の材料を含有することで、配線層43、53、53-2を同時に形成することができる。これにより、チップサイズを効果的に縮小化しつつ半導体装置の製造工数を削減することができる。
【0087】
また、実施形態では、積層膜Pが、領域R3と領域R4とを更に有する。領域R3は、領域R1に対して-X方向に位置し、領域R2と同様に柱状部24が設けられている。領域R4は、領域R1に対してY方向に位置する。領域R4は、領域R2の電極層23と、領域R3の電極層23とを電気的に接続する。これにより、階段構造をセル領域の中央部に形成することができるので、階段構造をセル領域の外側に形成する場合と比較して電極層23の長さおよび抵抗値を低減させることができる。
【0088】
次に、実施形態の変形例について説明する。これまでは、領域R1の積層膜Pが階段構造を有する実施形態について説明した。これに対して、
図17に示すように、領域R1内の積層膜Pは、コンタクトプラグ26およびコンタクトプラグ26の外周に設けられた絶縁層25による貫通部分を除いて、領域R2、R3内の積層膜Pに連続していてもよい。
【0089】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0090】
3:絶縁層、11:基板、12:トランジスタ、13:トランジスタ、21:層間絶縁膜、23:電極層、24:柱状部、26:コンタクトプラグ、26-2:コンタクトプラグ、41:金属パッド、42:ビアプラグ、43:配線層、44:ビアプラグ、45:配線層、46:ビアプラグ、47:ビアプラグ、51:金属パッド、52:ビアプラグ、53:配線層、54:ビアプラグ