(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168822
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ファイバレーザ装置
(51)【国際特許分類】
H01S 3/067 20060101AFI20241128BHJP
H01S 3/10 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01S3/067
H01S3/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085797
(22)【出願日】2023-05-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、防衛装備庁、委託事業、産業技術力強化法第17条第1項の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】島 研介
(72)【発明者】
【氏名】長岡 隆二
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AM04
5F172AM08
5F172DD03
5F172NN09
5F172ZZ01
5F172ZZ03
(57)【要約】
【課題】 誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】 ファイバレーザ装置は、第1増幅用光ファイバ61と、第1増幅用光ファイバ61を挟む第1FBG51及び第2FBG52と、第2FBG52の第1増幅用光ファイバ61側と反対側に配置される第2増幅用光ファイバ62と、第1増幅用光ファイバに第1FBG51側から励起光を導入する第1励起光源11と、第2増幅用光ファイバ62に第2FBG52側と反対側から励起光を導入する第2励起光源12と、を備え、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコアに添加される活性元素の濃度より高く、第1励起光源11からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバ61を透過して第2増幅用光ファイバ62に伝搬する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有する第1増幅用光ファイバと、
前記第1増幅用光ファイバの一方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部の波長の光を反射する第1ミラーと、
前記第1増幅用光ファイバの他方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、前記第1ミラーが反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、
前記第2ミラーの前記第1増幅用光ファイバ側と反対側に配置され、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有し、当該コアが前記第2ミラーと光学的に結合し、当該クラッドが前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドと光学的に結合する第2増幅用光ファイバと、
前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第1ミラー側から励起光を導入する第1励起光源と、
前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第2ミラー側と反対側から励起光を導入する第2励起光源と、
を備え、
前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度より高く、
前記第1励起光源からの前記励起光の一部は、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドを透過して前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに伝搬する
ことを特徴とするファイバレーザ装置。
【請求項2】
前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度の2倍以上4倍以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
【請求項3】
前記第1増幅用光ファイバと前記第2増幅用光ファイバとで、前記第1励起光源及び前記第2励起光源が出射する前記励起光の99%以上を吸収する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のファイバレーザ装置。
【請求項4】
前記第2増幅用光ファイバは、入射する前記励起光の98%以上を吸収する
ことを特徴とする請求項3に記載のファイバレーザ装置。
【請求項5】
前記第1励起光源からの前記励起光の33%以上66%以下が前記第2増幅用光ファイバに伝搬する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
【請求項6】
前記第1励起光源が出射する前記励起光のパワーと、前記第2励起光源が出射する前記励起光のパワーとは、概ね等しい
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
【請求項7】
前記第1増幅用光ファイバの前記コアの直径と、前記第2増幅用光ファイバの前記コアの直径とは概ね同じである
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザ装置は、レーザ加工分野、医療分野等の様々な分野で用いられている。下記特許文献1には、ファイバレーザ装置の一例が記載されている。このファイバレーザ装置は、種光源と、種光源に接続され種光源からの光を増幅する光増幅器と、を備える。種光源は、高反射率ミラー、低反射率ミラー、及びこれらミラー間に配置される増幅用光ファイバにより形成される共振器と、増幅用光ファイバに高反射率ミラー側から励起光を導入する励起光源とを備える。光増幅器は、種光源に光学的に結合される増幅用光ファイバと、この増幅用光ファイバに種光源側と反対側から励起光を導入する励起光源とを備える。
【0003】
このファイバレーザ装置では、高反射率ミラーと低反射率ミラーとの間で光が共振し、これらミラーの間の増幅用光ファイバにおいて当該光が増幅され、増幅された光の一部が種光源から出射する。出射した光は、増幅器に入射し、増幅用光ファイバでさらに増幅されて出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この様なファイバレーザ装置において、共振器内では、前方に伝搬する光と後方に伝搬する光とが存在するため、光のパワー密度が大きくなり、誘導ラマン散乱が生じる懸念がある。誘導ラマン散乱が生じると、意図しない波長の光が増幅して、出力が不安定になる懸念がある。そこで、共振器における増幅用光ファイバを短くして、誘導ラマン散乱が生じることを抑えることが考えられる。しかし、出力パワーがより大きなファイバレーザ装置が求められているため、出力パワーの低下が抑制されることが好ましい。このため、共振器にパワーの大きな励起光を入射すると、増幅用光ファイバのコアにおける光の透過損失が増加するフォトダークニングが生じる場合がある。そこで、本発明は、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のファイバレーザ装置は、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有する第1増幅用光ファイバと、前記第1増幅用光ファイバの一方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部の波長の光を反射する第1ミラーと、前記第1増幅用光ファイバの他方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、前記第1ミラーが反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、前記第2ミラーの前記第1増幅用光ファイバ側と反対側に配置され、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有し、当該コアが前記第2ミラーと光学的に結合し、当該クラッドが前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドと光学的に結合する第2増幅用光ファイバと、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第1ミラー側から励起光を導入する第1励起光源と、前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第2ミラー側と反対側から励起光を導入する第2励起光源と、を備え、前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度より高く、前記第1励起光源からの前記励起光の一部は、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドを透過して前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに伝搬することを特徴とするものである。
【0007】
上記のように誘導ラマン散乱が生じやすい部位は、共振器内である。このファイバレーザ装置では、第1ミラーと第1増幅用光ファイバと第2ミラーとにより共振器が構成される。しかし、このファイバレーザ装置によれば、第1励起光源からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバを透過するため、第1励起光源からの励起光が全て第1増幅用光ファイバで吸収される場合と比べて、共振器内でのコアを伝搬する光のパワー密度が大きくなり過ぎず、誘導ラマン散乱の発生を抑制することができる。ところで、フォトダークニングの生じ易さは、増幅用光ファイバのコアを伝搬する光のパワー密度を励起光のパワー密度で除した値で活性元素の濃度を除した値が影響する。このため、このため第1励起光源からの励起光のパワーが大きいほど第1増幅用光ファイバにおけるフォトダークニングが生じやすい。しかし、このファイバレーザ装置の第1増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度は、第2増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度より低い。従って、第1増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度が第2増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度と同じくらい高い場合と比べると、第1増幅用光ファイバにおけるフォトダークニングの発生が抑えられている。また、このファイバレーザ装置では、第1励起光源からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバよりも活性元素の濃度が高い第2増幅用光ファイバに伝搬する。このため、第1励起光源からの励起光が第2増幅用光ファイバに伝搬しない場合と比べて、第2増幅用光ファイバにおける光の増幅率が高い。従って、本発明のファイバレーザ装置は、出力パワーの低下を抑制し得る。以上のように、本発明のファイバレーザ装置によれば、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得る。
【0008】
また、前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度の2倍以上4倍以下であることが好ましい。
【0009】
また、前記第1増幅用光ファイバと前記第2増幅用光ファイバとで、前記第1励起光源及び前記第2励起光源が出射する前記励起光の99%以上を吸収することが好ましい。
【0010】
このように構成さることで、漏洩する励起光のパワーが小さく、コアを伝搬する光が効率よく増幅され、漏洩する励起光による部材の損傷を抑制することができる。
【0011】
この場合、前記第2増幅用光ファイバは、入射する前記励起光の98%以上を吸収することが好ましい。
【0012】
このような構成により、第2増幅用光ファイバから出射する励起光のパワーが小さく、第2増幅用光ファイバから出射する励起光が第1増幅用光ファイバに伝搬して、第1増幅用光ファイバ内でコアを伝搬する光が増幅され過ぎることを抑制し、誘導ラマン散乱の発生をより抑制し得る。また、第1増幅用光ファイバを透過して第2増幅用光ファイバに入射する励起光を効率的に用いることができる。
【0013】
また、前記第1励起光源からの前記励起光の33%以上66%以下が前記第2増幅用光ファイバに伝搬することが好ましい。
【0014】
このように構成されることで、第1増幅用光ファイバにおける誘導ラマン散乱の発生を抑制しつつ、第1増幅用光ファイバ及び第2増幅用光ファイバのコアを伝搬する光を安定させて増幅し得る。
【0015】
また、前記第1励起光源が出射する前記励起光のパワーと、前記第2励起光源が出射する前記励起光のパワーとは、概ね等しいことが好ましい。
【0016】
このように構成することで、できる限りパワーの大きな励起光を第1、第2増幅用光ファイバに導入して、ファイバレーザ装置からハイパワーの光を出射することができる。
【0017】
また、前記第1増幅用光ファイバの前記コアの直径と、前記第2増幅用光ファイバの前記コアの直径とは概ね同じであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るファイバレーザ装置を示す図である。
【
図2】増幅用光ファイバの長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るファイバレーザ装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0021】
図1は、本実施形態に係るレーザ装置を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のファイバレーザ装置1は、第1励起光源11及び第2励起光源12と、第1ミラーとしての第1FBG(Fiber Bragg Grating)51及び第2ミラーとしての第2FBG52と、第1増幅用光ファイバ61及び第2増幅用光ファイバ62と、を主な構成として備える。
【0022】
第1励起光源11は、複数のレーザダイオード11dから構成され、後述の第1増幅用光ファイバ61及び第2増幅用光ファイバ62のそれぞれに添加される活性元素を励起する波長の励起光を出射する。この励起光の波長は、後述のように第1増幅用光ファイバ61、及び第2増幅用光ファイバ62に添加される活性元素がイッテルビウム(Yb)である場合、例えば976nmである。なお、第1励起光源11は、所定の電源に接続されており、当該電源からの電流に応じたパワーの励起光を出射する。この電源は出力する電流を可変できることが好ましい。第1励起光源11のそれぞれのレーザダイオード11dは、励起光用光ファイバ21の一端に接続されている。励起光用光ファイバ21は、例えば、直径が125μmのコアを有する光ファイバである。それぞれの励起光用光ファイバ21の他端は、励起光コンバイナ31に接続されている。
【0023】
励起光コンバイナ31には、後述の光ファイバ41の一端が接続されており、光ファイバ41の他端には、第1増幅用光ファイバ61の一端が接続されている。
【0024】
図2は、
図1に示す第1増幅用光ファイバ61の断面の様子を示す図である。
図2に示すように第1増幅用光ファイバ61は、コア611と、コア611の外周面を隙間なく囲む内側クラッド612と、内側クラッド612の外周面を被覆する外側クラッド613と、外側クラッド613を被覆する被覆層614とを主な構成として備える。つまり、第1増幅用光ファイバ61は、構造的観点ではダブルクラッド光ファイバである。内側クラッド612の屈折率はコア611の屈折率よりも低く、外側クラッド613の屈折率は内側クラッド612の屈折率よりも低い。コア611の直径は、例えば28μmであり、内側クラッド612の外径は、例えば400μmである。本実施形態では、第1増幅用光ファイバ61は、光学的観点では、マルチモード光ファイバであり、コア611を例えば4LPモードの光が伝搬する。また、第1増幅用光ファイバ61の長さは、例えば20mである。なお、コア611は、例えば2LPモード以上10LPモード以下の光が伝搬可能な構成であってもよい。なお、内側クラッド612には、後述のように励起光が伝搬し、このような励起光が伝搬する内側クラッドは単にクラッドと呼ばれる場合がある。
【0025】
コア611には、第1励起光源11から出射される励起光で励起される活性元素が添加されている。本実施形態では、活性元素としてイッテルビウムが添加される。なお、コア611には、フォトダークニングに対する耐性を高めるためにアルミニウム及びリンが更に添加されることが好ましい。また、コア611には、屈折率を調整するために、フッ素(F)やホウ素(B)等のドーパントが少なくとも一部に添加されても良い。また、本実施形態と異なるが、コア611に添加される活性元素はイッテルビウム以外の活性元素であっても良い。このような活性元素として、イッテルビウムの他に、例えばツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)等が挙げられる。さらに活性元素として、希土類元素の他に、ビスマス(Bi)等が挙げられる。
【0026】
また、内側クラッド612は、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英や、フッ素等の屈折率を低下させるドーパントが添加された石英から成る。また、外側クラッド613は、例えば、内側クラッド612より屈折率の低い樹脂や、フッ素等の屈折率を低下させる元素が添加された石英から成る。被覆層614は、例えば、熱硬化型や紫外線硬化型の樹脂から成り、外側クラッド613が樹脂から成る場合、外側クラッド613の樹脂と異なる樹脂から成る。
【0027】
第1増幅用光ファイバ61の一端に接続されている光ファイバ41は、コアに活性元素が添加されていない点を除いて第1増幅用光ファイバ61と同じ構成である。従って、光ファイバ41は、構造的観点ではダブルクラッド光ファイバであり、光学的観点ではマルチモード光ファイバである。第1増幅用光ファイバ61のコア611と光ファイバ41のコアとが光学的に結合し、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612と光ファイバ41の内側クラッドとが光学的に結合している。
【0028】
光ファイバ41のコアには、第1ミラーである第1FBG51が設けられている。こうして第1FBG51は、第1増幅用光ファイバ61の一端側に設けられ、コア611と光学的に結合されている。第1FBG51は、光ファイバ41の長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる部分が繰り返されることで構成されている。この周期が調整されることにより、第1FBG51は、励起状態とされた第1増幅用光ファイバ61の活性元素が放出する光のうち少なくとも一部の波長の光を反射する。第1FBG51は、上述のように第1増幅用光ファイバ61に添加される活性元素がイッテルビウムである場合、例えば波長が1070nm±3nmの光を例えば99%以上の反射率で反射する。
【0029】
励起光コンバイナ31は、それぞれの励起光用光ファイバ21のコアと接続されており、それぞれの励起光用光ファイバ21のコアと光ファイバ41の内側クラッドとを光学的に結合している。従って、第1励起光源11から出射する励起光は、励起光用光ファイバ21、励起光コンバイナ31、及び光ファイバ41を介して、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612に伝搬することができる。このため、第1励起光源11は、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612に第1FBG51側から励起光を導入する光源である。
【0030】
第1増幅用光ファイバ61の他端には、光ファイバ42の一端が接続されている。光ファイバ42は、光ファイバ41と同様の構成である。従って、光ファイバ42は、構造的観点ではダブルクラッド光ファイバであり、光学的観点ではマルチモード光ファイバである。第1増幅用光ファイバ61のコア611と光ファイバ42のコアとが光学的に結合し、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612と光ファイバ42の内側クラッドとが光学的に結合している。
【0031】
光ファイバ42のコアには、第2ミラーである第2FBG52が設けられている。こうして第2FBG52は、第1増幅用光ファイバ61の他端側に設けられ、コア611と光学的に結合されている。第2FBG52は、光ファイバ42の長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる部分が繰り返されており、第1FBG51が反射する光の少なくとも一部の波長の光を第1FBG51よりも低い反射率で反射するように構成されている。第2FBG52は、例えば、第1FBG51が反射する光と同じ波長の光を例えば10%の反射率で反射するように構成されている。こうして、第1FBG51と第1増幅用光ファイバ61と第2FBG52とで、共振器が形成されている。この共振器で共振する光の一部は、第2FBG52を透過する。
【0032】
光ファイバ42の他端には、第2増幅用光ファイバ62の一端が接続されている。第2増幅用光ファイバ62は、後述のコアに添加される活性元素の濃度を除き、第1増幅用光ファイバ61と同様の構成である。従って、第2増幅用光ファイバ62は、構造的観点ではダブルクラッド光ファイバであり、光学的観点ではマルチモード光ファイバである。また、本実施形態では、第2増幅用光ファイバ62のコアの直径や内側クラッドの外径は、第1増幅用光ファイバ61のコア611の直径や内側クラッド612の外径と等しく、第2増幅用光ファイバ62の長さは、第1増幅用光ファイバ61の長さと等しい。光ファイバ42のコアと第2増幅用光ファイバ62のコアとが光学的に結合し、光ファイバ42の内側クラッドと第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドとが光学的に結合している。従って、第2増幅用光ファイバ62のコアは、第2FBG52と光学的に結合されており、第2FBG52を透過する光は、第2増幅用光ファイバ62のコアに伝搬する。また、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612と第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドとは、光ファイバ42の内側クラッドを介して光学的に結合しているため、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612から光が出射する場合には、当該光は第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射する。
【0033】
第2励起光源12は、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに第2FBG52側と反対側から励起光を導入する光源である。第2励起光源12は、第1励起光源11の複数のレーザダイオード11dと同様の構成の複数のレーザダイオード12dから構成され、第1励起光源11と同様の光を出射する。従って、第1励起光源11が出射する励起光のパワーと、第2励起光源12が出射する励起光のパワーとは、概ね等しい。また、第2励起光源12から出射する光は、第1励起光源11が出射する励起光の波長と概ね等しい波長であり、第2増幅用光ファイバ62に添加される活性元素を励起する。なお、第2励起光源12は、第1励起光源11に接続される電源と同様の電源に接続されている。第2励起光源12のそれぞれのレーザダイオード12dは、励起光用光ファイバ21と同様の構成の励起光用光ファイバ22の一端に接続されている。それぞれの励起光用光ファイバ22の他端は、励起光コンバイナ32に接続されている。
【0034】
励起光コンバイナ32には、第2増幅用光ファイバ62の他端が接続されており、それぞれの励起光用光ファイバ22のコアと第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドとを光学的に結合している。従って、第2励起光源12から出射する励起光は、励起光用光ファイバ22、及び励起光コンバイナ32を介して、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに伝搬することができる。
【0035】
励起光コンバイナ32には、デリバリ光ファイバ71の一端が接続されている。デリバリ光ファイバ71は、コア及びクラッドを有し、当該コア及びクラッドは、例えば第2増幅用光ファイバ62のコア及び内側クラッドと同径である。デリバリ光ファイバのコアは、励起光コンバイナ32を介して、第2増幅用光ファイバ62のコアと光学的に結合されている。また、デリバリ光ファイバ71の他端には、出射部75が接続されている。出射部75は、例えばデリバリ光ファイバ71のコアよりも太い直径のガラスロッドで構成される。従って、デリバリ光ファイバ71のコアから出射部75に入射する光は、直径が広げられて出射部75から出射する。
【0036】
次に、第1増幅用光ファイバ61及び第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度について説明する。
【0037】
第1増幅用光ファイバ61は、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612に入射する励起光の一部がコア611に添加される活性元素に吸収され、当該励起光の他の一部が第1増幅用光ファイバ61から出射するよう構成される。このように励起光が吸収されるよう第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度及び第1増幅用光ファイバ61の長さが調整されている。第1増幅用光ファイバ61から出射する励起光は、光ファイバ42を介して第2増幅用光ファイバ62に入射する。
【0038】
また、第1増幅用光ファイバ61は、第1増幅用光ファイバ61に入射する励起光の33%以上66%以下が出射するよう構成されることが好ましい。このように構成されることで、第1増幅用光ファイバ61における誘導ラマン散乱の発生を抑制しつつ、コア611を伝搬する光を効率よく増幅し得る。この場合、当該33%以上66%以下の励起光が第2増幅用光ファイバ62に入射する。更に、第1増幅用光ファイバ61は、第1増幅用光ファイバ61に入射する励起光の概ね50%が出射するよう構成されることがより好ましく、この場合、当該概ね50%の励起光が第2増幅用光ファイバ62に入射する。
【0039】
なお、本実施形態では、第1励起光源11及び第2励起光源12から出射する励起光の99%以上は、第1増幅用光ファイバ61及び第2増幅用光ファイバ62で吸収される。このため、漏洩する励起光のパワーが小さく、コアを伝搬する光が効率よく増幅され、漏洩する励起光による部材の損傷を抑制することができる。
【0040】
また、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度より高い。具体的には、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、コア611に添加される活性元素の濃度の2倍以上4倍以下であることが好ましく、概ね3倍であることがより好ましい。このため、第2増幅用光ファイバ62は第1増幅用光ファイバ61よりも多くの励起光を吸収できる構成であり、本実施形態では、第2増幅用光ファイバ62は、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射する励起光の殆どが、第2増幅用光ファイバ62で吸収されるよう構成される。具体的には、第2増幅用光ファイバ62は、入射する励起光の98%以上を吸収することが好ましく、99%以上を吸収することがより好ましい。このように第2増幅用光ファイバ62が入射する励起光の殆どを吸収することで、第2増幅用光ファイバ62から出射する励起光のパワーが小さい。従って、第2増幅用光ファイバ62から出射する励起光が第1増幅用光ファイバ61に伝搬して、第1増幅用光ファイバ61内でコア611を伝搬する光が増幅され過ぎることを抑制し、誘導ラマン散乱の発生をより抑制し得る。
【0041】
次に、ファイバレーザ装置1の動作について説明する。
【0042】
まず、第1励起光源11のそれぞれのレーザダイオード11d及び第2励起光源12のそれぞれのレーザダイオード12dから励起光が出射される。第1励起光源11から出射する励起光は、励起光用光ファイバ21から励起光コンバイナ31及び光ファイバ41を介して、第1増幅用光ファイバ61の一端から内側クラッド612に入射して、当該内側クラッド612を主に伝搬する。内側クラッド612を伝搬する励起光の一部は、コア611を通過する際にコア611に添加されている活性元素に吸収され当該活性元素を励起する。励起状態とされた活性元素は、所定波長を含む波長帯域の自然放出光を放出する。この自然放出光を起点として、第1FBG51及び第2FBG52で共通して反射される所定波長を含む光が、第1FBG51と第2FBG52との間を共振する。共振する光が第1増幅用光ファイバ61のコア611を伝搬するときに、励起状態の活性元素が誘導放出を起こして、共振する光が増幅される。共振する光のうち、一部の光は第2FBG52を透過する。そして、第1FBG51と第1増幅用光ファイバ61と第2FBG52とを含む共振器内における利得と損失が等しくなったところでレーザ発振状態となり、第2増幅用光ファイバ62のコアに一定のパワーの光が入射する。
【0043】
また、第1増幅用光ファイバ61に入射し内側クラッド612を伝搬する励起光の他の一部は、第1増幅用光ファイバ61で吸収されず、第1増幅用光ファイバ61の他端から出射して、光ファイバ42の内側クラッドを介して、第2増幅用光ファイバ62の一端から第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射して、当該内側クラッドを主に伝搬する。更に、第2励起光源12から出射する励起光は、励起光用光ファイバ22から励起光コンバイナ32を介して、第2増幅用光ファイバ62の他端から第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射して、第1増幅用光ファイバ61から入射する励起光の進行方向とは逆方向に当該内側クラッドを主に伝搬する。第2増幅用光ファイバ62を伝搬する励起光は、第2増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素に吸収される。上記のように本実施形態では、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射する励起光の殆どが、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素で吸収される。このため、当該活性元素が励起状態となり、当該活性元素が第1増幅用光ファイバのコア611から第2増幅用光ファイバ62のコアに伝搬する光により誘導放出を起こして、コアを伝搬する光は増幅される。
【0044】
第2増幅用光ファイバ62で増幅された光は、第2増幅用光ファイバ62からデリバリ光ファイバ71のコアに入射して、当該コアから出射部75に伝搬して、出射部75で直径が広げられて、出射部75から出射する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のファイバレーザ装置1では、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度より高く、第1励起光源11からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバ61を透過して第2増幅用光ファイバ62に伝搬する。このように、本実施形態のファイバレーザ装置1によれば、第1励起光源11からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバ61を透過するため、第1励起光源11からの励起光が全て第1増幅用光ファイバ61で吸収される場合と比べて、共振器内でのコアを伝搬する光のパワー密度が大きくなり過ぎず、誘導ラマン散乱の発生を抑制することができる。
【0046】
また、上記のように、ファイバレーザ装置の出力パワーが増加すると、フォトダークニングが生じる場合があり、フォトダークニングの生じ易さは、増幅用光ファイバのコアを伝搬する光のパワー密度を励起光のパワー密度で除した値で活性元素の濃度を除した値が影響する。従って、コアに添加される活性元素の濃度が高いほどフォトダークニングは生じ易く、また、コアを伝搬する光のパワー密度に対して励起光のパワー密度が大きいほどフォトダークニングは生じ易い。本実施形態のファイバレーザ装置1では、第1増幅用光ファイバ61における第1励起光源11側である一方の端部側では、コア611を伝搬する光のパワー密度が小さく、内側クラッド612を伝搬する励起光のパワー密度が大きい。従って、第1増幅用光ファイバ61では、一方の端部側で最もフォトダークニングが生じやすい。しかし、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度は、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度より低い。従って、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度が第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度と同じくらい高い場合と比べると、第1増幅用光ファイバ61におけるフォトダークニングの発生が抑制される。
【0047】
また、本実施形態のファイバレーザ装置1では、第1増幅用光ファイバ61を透過する第1励起光源11からの一部の励起光が、第2増幅用光ファイバに入射する。第2増幅用光ファイバ62の活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61の濃度よりも高いため、第2増幅用光ファイバ62において、第1励起光源11からの励起光は効率的に吸収され、コアを伝搬する光の増幅に用いられる。従って、本実施形態のファイバレーザ装置は、出力の低下が抑制されている。
【0048】
なお、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度よりも高い。しかし、第2増幅用光ファイバ62における第1増幅用光ファイバ61側である一方の端部側では、第1励起光源から伝搬する励起光のパワー密度は、当該励起光の一部が第1増幅用光ファイバ61で吸収される分小さく、第2励起光源からの励起光のパワー密度は、当該励起光の一部が第2増幅用光ファイバ62で吸収される分小さい。従って、第2増幅用光ファイバ62の一方の端部側におけるフォトダークニングの発生が抑制されている。また、第2増幅用光ファイバの他方の端部側では、コアを伝搬する光が増幅されており、当該光のパワー密度が大きい。従って、第2増幅用光ファイバ62の他方の端部側においてもフォトダークニングの発生が抑制されている。このように本実施形態のファイバレーザ装置1によれば、フォトダークニングの発生が抑制されている。
【0049】
なお、上記のように、第1励起光源11から出射する励起光のパワーと第2励起光源から出射する励起光のパワーが互いに概ね等しく、第2増幅用光ファイバ62が入射する励起光の99%以上を吸収する場合、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度の2倍以上4倍以下で、第1増幅用光ファイバ61から出射して第2増幅用光ファイバ62に入射する第1励起光源11からの励起光は33%以上66%以下であることが好ましい。このようなバランスであることで、フォトダークニングの発生をより抑制しつつ、ファイバレーザ装置1をよりハイパワー化することができる。さらに第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度が第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の概ね3倍で、第1増幅用光ファイバ61から出射して第2増幅用光ファイバ62に入射する第1励起光源11からの励起光が概ね50%であることがフォトダークニングの発生を更に抑制する観点からより好ましい。
【0050】
以上、本発明について実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されて解釈されるものではなく、本発明の目的を達成する範囲において適宜構成を変更することができる。
【0051】
例えば、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコア611に添加される活性元素の濃度より高ければ、コア611に添加される活性元素の濃度の2倍以上4倍以下でなくてもよい。
【0052】
また、第1増幅用光ファイバ61と第2増幅用光ファイバ62とで、第1励起光源11及び第2励起光源12が出射する励起光の99%より低い効率で吸収してもよい。ただし、効率よくハイパワーの光を出射するためには、第1増幅用光ファイバ61と第2増幅用光ファイバ62とで、励起光の99%以上を吸収することが好ましい。
【0053】
また、第2増幅用光ファイバ62は、入射する励起光を98%より低い効率で吸収してもよい。例えば、第2増幅用光ファイバ62が入射する励起光を97%で吸収してもよく、この場合、第2励起光源12からの励起光のうち概ね3%の励起光が第2増幅用光ファイバ62から出射して第1増幅用光ファイバ61に入射する。
【0054】
また、第1励起光源11からの励起光の一部が第2増幅用光ファイバ62に伝搬する限りにおいて、第1励起光源11からの励起光の33%より低いパワーの励起光や、66%より高いパワーの励起光が第2増幅用光ファイバ62に伝搬してもよい。
【0055】
また、第1励起光源11が出射する励起光のパワーと第2励起光源12が出射する励起光のパワーとが互いに異なってもよい。ただし、できる限りパワーの大きな励起光を増幅用光ファイバに導入して、ファイバレーザ装置1からハイパワーの光を出射する観点から、第1励起光源11が出射する励起光のパワーと第2励起光源12が出射する励起光のパワーとが互いに等しいことが好ましい。
【0056】
また、第1増幅用光ファイバ61のコア611の直径と、第2増幅用光ファイバ62のコアの直径とが互いに異なってもよく、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612の外径と、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッド612の外径とが互いに異なってもよい。この場合、第2増幅用光ファイバ62のコアの直径が第1増幅用光ファイバ61のコア611の直径よりも大きいことが、第1増幅用光ファイバ61のコア611から出射する光が効率よく第2増幅用光ファイバ62のコアに入射する観点から好ましい。また、第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドの外径が第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612の外径よりも大きいことが、第1増幅用光ファイバ61の内側クラッド612から出射する光が効率よく第2増幅用光ファイバ62の内側クラッドに入射する観点から好ましい。また、第1増幅用光ファイバ61の長さと、第2増幅用光ファイバ62の長さとが互いに異なってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制して、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置が提供され、加工用のレーザ装置等においての利用が期待される。
【符号の説明】
【0058】
1・・・ファイバレーザ装置
11・・・第1励起光源
12・・・第2励起光源
51・・・第1FBG(第1ミラー)
52・・・第2FBG(第2ミラー)
61・・・第1増幅用光ファイバ
62・・・第2増幅用光ファイバ
71・・・デリバリ光ファイバ