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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168824
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20241128BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241128BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20241128BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G02F1/1368
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G09F9/30 349B
G09F9/30 348A
G02F1/1339 500
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085799
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 仁
(72)【発明者】
【氏名】長澤 順子
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H088EA08
2H088EA10
2H088HA07
2H088HA08
2H088HA24
2H088HA28
2H088MA01
2H189DA07
2H189DA32
2H192AA24
2H192BB12
2H192BB52
2H192BC31
2H192CB44
2H192DA12
2H192DA24
2H192EA04
2H192EA32
2H192EA42
2H192EA67
2H192FA35
2H192GB71
2H192GD42
2H192GD43
5C094AA02
5C094BA43
5C094DA15
5C094DB01
5C094EA04
5C094EA07
5C094ED02
5C094ED15
(57)【要約】
【課題】スペーサに対応する遮光領域が表示に与える影響を抑制する表示装置及び表示システムを提供する。
【解決手段】表示装置は、アレイ基板と、対向基板と、を有している。アレイ基板は、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、カラーフィルタと、画素毎に配置された複数の画素電極と、絶縁膜を介して複数の画素電極と重畳する共通電極と、カラーフィルタを覆う絶縁膜と、アレイ基板と対向基板との間の距離を規制する、少なくとも1つのスペーサと、共通電極と積層され、平面視で複数の信号線及び複数の走査線に沿う格子状の導電層とを有する。導電層は、スペーサが配置され、第1方向及び第2方向のうち少なくとも1つの導電層の幅を拡幅した遮光領域を有している。スリット部は、遮光領域とは非重畳である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
前記アレイ基板に対向する対向基板と、を有し、
前記アレイ基板は、
第1方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、
第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、
隣り合う2つの信号線及び隣り合う2つの走査線に囲まれる開口と重なる位置に配置されたカラーフィルタと、
画素毎に配置された複数の画素電極と、
絶縁膜を介して複数の前記画素電極と重畳する透光性の導電体であって、前記開口のそれぞれに設けられたスリット部を有する共通電極と、
前記カラーフィルタを覆う絶縁膜と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間の距離を規制する、少なくとも1つのスペーサと、
前記共通電極と積層され、平面視で複数の前記信号線及び複数の前記走査線に沿う格子状の導電層と、を有し、
前記導電層は、平面視で、前記スペーサが配置され、前記第1方向及び前記第2方向の少なくとも1つの前記導電層の幅を拡幅した遮光領域を有し、
前記スリット部は、前記遮光領域とは非重畳である、
表示装置。
【請求項2】
前記遮光領域が重畳する前記第1方向に隣接する2つの画素の前記スリット部の長手方向の延在方向は、異なる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記遮光領域が重畳する前記第2方向に隣接する2つの画素の前記スリット部の長手方向の延在方向は、異なる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記遮光領域が重畳する前記第1方向及び前記第2方向に隣接する4つの画素の前記スリット部の長手方向の延在方向は、異なる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮光領域が重畳する画素の前記スリット部の面積と、前記遮光領域が非重畳の画素の前記スリット部の面積の大きさは、異なる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記遮光領域が重畳する画素と同じ色であって、かつ前記遮光領域と非重畳の画素の前記スリット部の面積は、前記遮光領域が重畳する前記スリット部の面積と同じである、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記遮光領域は、前記信号線と前記走査線とが交差する複数の交差部分のうち1つの前記スペーサが配置される交差部分毎に、配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記遮光領域は、前記信号線に非重畳で、前記走査線に重畳する前記スペーサが配置される部分毎に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記遮光領域は、前記走査線に非重畳で、前記信号線に重畳する前記スペーサが配置される部分毎に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
レンズと、
請求項1から9のいずれか1項に記載の表示装置と、
前記表示装置に画像を出力する制御装置と、を備える、
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スイッチング素子を備えるアレイ基板側に、カラーフィルタ、画素電極及び共通電極が配置された、いわゆるCOA(Color Filter On Array)構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-063897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、アレイ基板と対向基板との重ねズレの影響を小さくするため、対向基板の表示領域には、カラーフィルタがない。このため、アレイ基板にカラーフィルタが設けられる。一方、アレイ基板と対向基板との基板間距離を保つスペーサも、アレイ基板との重ねずれが生じる可能性がある。このため、アレイ基板に対する重ねずれでスペーサが移動してもスペーサの光学的な影響を抑制する遮光領域が必要になる。画素のサイズが小さくなると、スペーサに対応する遮光領域が表示に影響を与える可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、スペーサに対応する遮光領域が表示に与える影響を抑制する、表示装置及び表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、を有し、前記アレイ基板は、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、隣り合う2つの信号線及び隣り合う2つの走査線に囲まれる開口と重なる位置に配置されたカラーフィルタと、画素毎に配置された複数の画素電極と、絶縁膜を介して複数の前記画素電極と重畳する透光性の導電体であって、前記開口毎に設けられたスリット部を有する共通電極と、前記カラーフィルタを覆う絶縁膜と、前記アレイ基板と前記対向基板との間の距離を規制する、少なくとも1つのスペーサと、前記共通電極と積層され、平面視で複数の前記信号線及び複数の前記走査線に沿う格子状の導電層と、を有し、前記導電層は、平面視で、前記スペーサが配置され、前記第1方向及び前記第2方向の少なくとも1つの前記導電層の幅を拡幅した遮光領域を有し、前記スリット部は、前記遮光領域とは非重畳である。
【0007】
一態様の表示システムは、レンズと、上述した表示装置と、前記表示装置に画像を出力する制御装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る表示システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。
図3図3は、実施形態1に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。
図5図5は、実施形態1において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図6図6は、図5のVI-VI’の断面を模式的に示す断面図である。
図7図7は、図5のVII-VII’の断面を模式的に示す断面図である。
図8図8は、実施形態1のスペーサに対する遮光領域と、スリット部との関係を模式的に示す平面図である。
図9図9は、実施形態1に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図10図10は、比較例のスペーサに対する遮光領域と、スリット部との関係を模式的に示す断面図である。
図11図11は、実施形態1に係る表示領域と周辺領域の境界を模式的に示す断面図である。
図12図12は、実施形態2に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図13図13は、実施形態3に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図14図14は、実施形態4に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図15図15は、実施形態5に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図16図16は、実施形態6に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。
図17図17は、実施形態7に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。
図18図18は、実施形態7に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示システムの一例を示す構成図である。図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。
【0011】
本実施形態において、表示システム1は、ユーザの動きに伴って表示を変更する表示システムである。例えば、表示システム1は、仮想空間上の3次元のオブジェクト等を示すVR(Virtual Reality)画像を立体表示し、ユーザの頭部の向き(位置)に伴って立体表示を変更することにより、ユーザに仮想現実感を生じさせるVRシステムである。
【0012】
表示システム1は、例えば、表示装置100と、制御装置200と、を有する。表示装置100と制御装置200とは、ケーブル300を介して情報(信号)の入出力が可能な構成になっている。ケーブル300は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のケーブルを含む。表示装置100と制御装置200とは、無線通信によって情報の入出力が可能な構成としてもよい。
【0013】
また、表示装置100は、制御装置200からケーブル300を介して電力が供給されている。例えば、表示装置100は、制御装置200の電源部からケーブル300を介して電力が供給される受電部を有し、表示装置100の表示パネル110、センサ120等の各構成が制御装置200から供給される電力を用いて駆動するようにしてもよい。このようにすることで、表示装置100からバッテリー等を除くことができ、より安価で軽量な表示装置100を提供できる。なお、装着部材400又は表示装置100に、バッテリーが備えられており、表示装置に供給されるようにしてもよい。
【0014】
表示装置100は、表示パネルを有する。表示パネルは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)である。
【0015】
表示装置100は、装着部材400に固定される。装着部材400は、例えば、ヘッドセット、ゴーグル、ユーザの両目を覆うヘルメット及びマスク等を含む。装着部材400は、ユーザの頭部に装着される。装着部材400は、装着時に、ユーザの両目を覆うように、ユーザの正面に配置される。装着部材400は、内部に固定した表示装置100をユーザの両目の前に位置付けることにより、没入型の装着部材として機能する。装着部材400は、制御装置200から出力される音信号等を出力する出力部を有してもよい。また、装着部材400は、制御装置200の機能を内蔵する構造であってもよい。
【0016】
図1に示す一例では、表示装置100は、装着部材400にスロットインされる場合を示しているが、装着部材400に固定されてもよい。言い換えると、表示システムは、装着部材400と表示装置100を含む装着型表示装置と制御装置200とで構成されてもよい。
【0017】
図2に示すように、装着部材400は、例えば、ユーザに両目に対応したレンズ410を有する。レンズ410は、ユーザの目に画像を結像させるための拡大レンズである。装着部材400は、ユーザの頭部に装着されると、レンズ410をユーザの目Eの前方に位置付ける。ユーザは、レンズ410によって拡大された表示装置100の表示領域を視認する。そのため、表示装置100は、画像(画面)を鮮明に表示するため、解像度を高める必要がある。なお、本開示において、レンズが1つを例示して説明したが、例えば、複数のレンズを有し、表示装置100を眼前とは異なる位置に配置してもよい。
【0018】
制御装置200は、例えば、画像を表示装置100に表示させる。制御装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の電子機器を用いることができる。仮想画像は、例えば、コンピュータグラフィック映像、360度の実写映像等の画像を含む。制御装置200は、ユーザの両目の視差を利用した3次元の画像を表示装置100に出力する。制御装置200は、ユーザの頭部の向きに追従する右目用及び左目用の画像を表示装置100に出力する。
【0019】
図3は、実施形態1に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、表示装置100は、2つの表示パネル110と、センサ120と、画像分離回路150と、インタフェース160と、を備える。
【0020】
表示装置100は、2つの表示パネル110から構成され、1つを左目用の表示パネル110とし、他方を右目用の表示パネル110として用いる。
【0021】
2つの表示パネル110のそれぞれは、表示領域AAと、表示制御回路112と、を有する。なお、表示パネル110は、表示領域AAを背後から照射する図示しない光源装置を有する。
【0022】
表示領域AAは、画素Pixが、P×Q個(行方向にP個、列方向にQ個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。本実施形態では、P=2880、Q=1700とする。図3では、複数の画素Pixの配列を模式的に表しており、詳細な画素Pixの配列は、後述する。レンズを通して表示装置の画素を視認するので、画素ピッチは、例えば、3μm以上10μm以下となっており、表示領域AAは、高精細な画素Pixの配列となっている。表示領域AAは、周辺領域GAに囲まれている。
【0023】
表示パネル110は、X方向に延在する走査線と、X方向と交差するY方向に延在する信号線を有する。例えば、表示パネル110は、2880本の信号線SLと、1700本の走査線GLとを有する。表示パネル110において、信号線SLと走査線GLとに囲まれた領域には、画素Pixが配置される。画素Pixは、信号線SL及び走査線GLと接続されるスイッチング素子SW(TFT:薄膜トランジスタ)、及び、スイッチング素子SWに接続された画素電極を有する。1つの走査線GLは、走査線GLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。また、1つの信号線SLは、信号線SLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。
【0024】
2つの表示パネル110のうち、一方の表示パネル110の表示領域AAが右目用であり、他方の表示パネル110の表示領域AAが左目用である。実施形態1では、表示パネル110は、左目用と右目用の2つの表示パネル110を有する場合について説明する。ただし、表示装置100は、上述のように2つの表示パネル110を用いる構造に限定されない。例えば、表示パネル110は、1つであって、右半分の領域には右目用の画像を表示し、左半分の領域には左目用の画像を表示するように、1つの表示パネル110の表示領域を2分割するようにしてもよい。
【0025】
表示制御回路112は、ドライバIC(Integrated Circuit:集積回路)115、信号線接続回路113及び走査線駆動回路114を備えている。信号線接続回路113は、信号線SLと電気的に接続されている。ドライバIC115は、走査線駆動回路114によって、画素Pixの動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、TFT)のON/OFFを制御する。走査線駆動回路114は、走査線GLと電気的に接続されている。
【0026】
センサ120は、ユーザの頭部の向きを推定可能な情報を検出する。例えば、センサ120は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報を検出し、表示システム1は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報に基づいて、表示装置100を頭部に装着したユーザの頭部の向きを推定する。
【0027】
センサ120は、例えば、表示装置100や装着部材400の角度、加速度、角速度、方位、距離の少なくとも1つを用いて、視線の向きを推定可能な情報を検出する。センサ120は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサ等を用いることができる。センサ120は、例えば、ジャイロセンサによって表示装置100や装着部材400の角度及び角速度を検出してもよい。センサ120は、例えば、加速度センサによって表示装置100や装着部材400に働く加速度の方向及び大きさを検出してもよい。センサ120は、例えば、方位センサによって表示装置100の方位を検出してもよい。センサ120は、例えば、距離センサ、GPS(Global Positioning System)受信機等によって表示装置100や装着部材400の移動を検出してもよい。センサ120は、ユーザの頭部の向き、視線の変化、移動等を検出するためのセンサであれば、光センサ等の他のセンサでもよく、複数のセンサを組み合わせて用いてもよい。センサ120は、後述するインタフェース160を介して、画像分離回路150と電気的に接続されている。
【0028】
画像分離回路150は、ケーブル300を介して制御装置200から送られてきた左目用画像データと右目用画像データを受けとり、左目用画像データを左目用の画像を表示する表示パネル110に送り、右目用画像データを右目用の画像を表示する表示パネル110に送る。
【0029】
インタフェース160には、ケーブル300(図1)が接続されるコネクタを含む。インタフェース160は、接続されたケーブル300を介して、制御装置200からの信号が入力される。画像分離回路150は、インタフェース160およびインタフェース240を介して、センサ120から入力された信号を制御装置200へ出力する。ここで、センサ120から入力された信号には、上述した視線の向きを推定可能な情報が含まれる。あるいは、センサ120から入力された信号は、インタフェース160を介して直接、制御装置200の制御部230へ出力されてもよい。インタフェース160は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して制御装置200との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0030】
制御装置200は、操作部210と、記憶部220と、制御部230と、インタフェース240と、を備える。
【0031】
操作部210は、ユーザの操作を受け付ける。操作部210は、例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン等の入力デバイスを用いることができる。操作部210は、制御部230と電気的に接続されている。操作部210は、操作に応じた情報を制御部230に出力する。
【0032】
記憶部220は、プログラム及びデータを記憶する。記憶部220は、制御部230の処理結果を一時的に記憶する。記憶部220は、記憶媒体を含む。記憶媒体は、例えば、ROM、RAM、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等を含む。記憶部220は、表示装置100に表示させる画像のデータを記憶してもよい。
【0033】
記憶部220は、例えば、制御プログラム211、VRアプリケーション212等を記憶する。制御プログラム211は、例えば、制御装置200を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。VRアプリケーション212は、仮想現実の画像を表示装置100に表示させる機能を提供できる。記憶部220は、例えば、センサ120の検出結果を示すデータ等の表示装置100から入力された各種情報を記憶できる。
【0034】
制御部230は、例えば、MCU(Micro Control Unit)、CPU(Central Processing Unit)等を含む。制御部230は、制御装置200の動作を統括的に制御できる。制御部230の各種機能は、制御部230の制御に基づいて実現される。
【0035】
制御部230は、例えば、表示する画像を生成するGPU(Graphics Processing Unit)を含む。GPUは、表示装置100に表示する画像を生成する。制御部230は、GPUが生成した画像を、インタフェース240を介して表示装置100に出力する。本実施形態では、制御装置200の制御部230は、GPUを含む場合について説明するが、これに限定されない。例えば、GPUは、表示装置100又は表示装置100の画像分離回路150に設けてもよい。この場合、表示装置100は、例えば、制御装置200、外部の電子機器等からデータを取得し、当該データに基づいてGPUが画像を生成すればよい。
【0036】
インタフェース240には、ケーブル300(図1参照)が接続されるコネクタを含む。インタフェース240は、ケーブル300を介して、表示装置100からの信号が入力される。インタフェース240は、制御部230から入力された信号を、ケーブル300を介して表示装置100へ出力する。インタフェース240は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して表示装置100との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0037】
制御部230は、VRアプリケーション212を実行すると、ユーザ(表示装置100)の動きに応じた画像を表示装置100に表示させる。制御部230は、画像を表示装置100に表示させた状態で、ユーザ(表示装置100)の変化を検出すると、当該変化した方向の画像へ表示装置100に表示している画像を変化させる。制御部230は、画像の作成開始時に、仮想空間上の基準視点及び基準視線に基づく画像を作成し、ユーザ(表示装置100)の変化を検出した場合、表示させている画像を作成する際の視点又は視線を、基準視点又は基準視線方向からユーザ(表示装置100)の動きに応じて変更し、変更した視点又は視線に基づく画像を表示装置100に表示させる。
【0038】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、ユーザの頭部の右方向への移動を検出する。この場合、制御部230は、現在表示させている画像から右方向へ視線を変化させた場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像の右方向の画像を視認することができる。
【0039】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、表示装置100の移動を検出すると、検出した移動に応じて画像を変化させる。制御部230は、表示装置100が前方へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の前方へ移動した場合の画像へ変化させる。制御部230は、表示装置100が後方方向へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の後方へ移動した場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像から、自身の移動方向の画像を視認することができる。
【0040】
図4は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。本開示では、走査線GLと、信号線SLとは直角に交わっていると限らないが、図3では説明の便宜上、走査線GLと、信号線SLとは直角になっている。
【0041】
図4に示す画素Pixは、画素PixR、画素PixG、画素PixBのいずれかである。以下、画素PixR、画素PixG及び画素PixBのそれぞれを区別しない場合には、画素PixR、画素PixG及び画素PixBは、画素Pixと称する。
【0042】
表示領域AAには、図4に示す各画素PixR、PixG、PixBのスイッチング素子SW、信号線SL、走査線GL等が形成されている。信号線SLは、各画素電極PE(図6参照)に画素信号を供給するための配線である。走査線GLは、各スイッチング素子SWを駆動するゲート信号を供給するための配線である。
【0043】
図4に示すように、画素PixR、PixG、PixBは、それぞれスイッチング素子SW及び液晶層LCの容量を備えている。スイッチング素子SWは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。後述する画素電極PEと共通電極CEとの間に絶縁膜が設けられ、画素電極PEと共通電極CEとの間に、図4に示す保持容量Csが形成される。
【0044】
図5は、図5は、実施形態1において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。図6は、図5のVI-VI’の断面を模式的に示す断面図である。図7は、図5のVII-VII’の断面を模式的に示す断面図である。図8は、実施形態1のスペーサに対する遮光領域と、スリット部との関係を模式的に示す平面図である。
【0045】
図5及び図6に示すスペーサSPは、アレイ基板SUB1と、対向基板SUB2との間の距離を規制する部材である。スペーサSPの材料は、例えば、アクリル樹脂である。スペーサSPは、円柱状であり、図5には、スペーサSPの最大径が示されている。なお、スペーサSPは、形状は円柱に限られず、例えば角柱のスペーサとして形成されていてもよい。図5では、1つのスペーサを例示するが、実際には、複数のスペーサが配置されている。
【0046】
図5に示すように、複数の信号線SLは、方向Vxに間隔をおいて並ぶ。複数の走査線GLは、方向Vyに間隔をおいて並ぶ。導電層TLは、平面視で複数の信号線SL及び複数の走査線GLと重畳しており、格子状である。導電層TLの方向Vxの幅は、信号線SLの方向Vxの幅よりも大きい。走査線GLの方向Vyの幅は、導電層TLの方向Vyの幅よりも大きい。
【0047】
信号線SLと走査線GLとが交差する交差部分の一部に、スペーサSPが配置される。アレイ基板SUB1に対する重ねずれで、スペーサSPの位置がばらつく可能性がある。スペーサSPが、導電層TLと重なっていないと、スペーサSPが光学的なノイズの原因となる。そこで、実施形態1の導電層TLは、スペーサSPの光学的な影響を抑制する遮光領域TLRを有している。
【0048】
遮光領域TLRは、導電層TLの一部である。遮光領域TLRは、信号線SLと走査線GLとの交点を中心に弧を描く、外縁を有している。高精細化により、画素Pixのサイズが小さいと相対的に遮光領域TLRの大きさが大きくなり、スペーサSPに対応する遮光領域TLRが画素Pixの開口部が小さくなってしまう。遮光領域TLRの縁を円として、遮光領域TLRの面積を求め、遮光領域TLRの面積が画素Pixの開口部の80%以上であると、スリット部CESが遮光領域TLRに重なりやすくなる。
【0049】
画素Pixには、2つの信号線SL及び2つの走査線GLに囲まれる開口部ごとに画素電極PE及びスイッチング素子SWが配置されている。共通電極CEは、複数の画素Pixに渡って共通の電極である。共通電極CEは、2つの信号線SL及び2つの走査線GLに囲まれる開口部ごとに、スリット部CES、スリット部CESA及びスリット部CESBを有している。スリット部CESは、共通電極CEの透光性導電材料がない部分である。スリット部CES、スリット部CESA及びスリット部CESBは、画素電極PEと重なっている。
【0050】
スリット部CES、スリット部CESA及びスリット部CESBは、遮光領域TLRと重ならない。このため、画素PixRにある遮光領域TLRを避けて、画素PixRのスリット部CESAは、遮光領域TLRがない画素PixGのスリット部CESよりも方向Vxの幅が小さくなっている。また、画素PixBにある遮光領域TLRを避けて、画素PixBのスリット部CESBは、遮光領域TLRがない画素PixGのスリット部CESよりも方向Vxの幅が小さくなっている。画素PixRと画素PixBでは、遮光領域TLRが占める位置が異なることから、方向Vyに対する画素PixRのスリット部CESの長手方向の傾きは、方向Vyに対する画素PixBのスリット部CESの長手方向の傾きが異なっている。
【0051】
図5に示すように、半導体SCは、U字状に形成されている。図7に示すように、信号線SLと半導体SCとは、コンタクトホールCH1を介して電気的に接続している。半導体SCと中継電極REとは、コンタクトホールCH2を介して電気的に接続している。図6に示すように、中継電極REと画素電極PEとは、コンタクトホールCH3を介して電気的に接続している。
【0052】
実施形態1は、図6及び図7に示すように、カラーフィルタCFがアレイ基板SUB1に設けられている。表示装置100は、カラーフィルタCF、画素電極PE及び共通電極CEがアレイ基板SUB1に配置された、いわゆるCOA(Color Filter On Array)構造を有する。
【0053】
図6及び図7に示すように、アレイ基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第1絶縁基板10を基体としている。図5に示す走査線GLは、ゲート電極GL1及びゲート電極GL2を有する。アレイ基板SUB1は、第1絶縁基板10の対向基板SUB2と対向する側に、走査線GLのゲート電極GL1、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、走査線GLのゲート電極GL2、第4絶縁膜14、カラーフィルタCF、第5絶縁膜15、画素電極PE1、第6絶縁膜16、共通電極CE1、第7絶縁膜17、画素電極PE2、第1平坦化膜18、第2平坦化膜19、導電層TL、共通電極CE2、第1配向膜AL1などを備えている。以下の説明において、アレイ基板SUB1から対向基板SUB2に向かう方向を上方、あるいは、単に上と称する。
【0054】
走査線GLのゲート電極GL1は、第1絶縁基板10の上に位置している。第1絶縁膜11は、走査線GLのゲート電極GL1及び第1絶縁基板10の内側面10Aの上に位置している。第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上に位置している。半導体SCは、第2絶縁膜12の上に位置している。第3絶縁膜13は、半導体SC及び第2絶縁膜12の上に位置している。走査線GLのゲート電極GL2は、第3絶縁膜13の上に位置している。
【0055】
第4絶縁膜14は、走査線GLのゲート電極GL2及び第3絶縁膜13の上に位置している。半導体SCに重なる位置に、第3絶縁膜13及び第4絶縁膜14に穴をあけて、コンタクトホールCH1が形成され、第4絶縁膜14の上に形成された信号線SLが、コンタクトホールCH1を介して、半導体SCに電気的に接続している。
【0056】
半導体SCに重なる位置に、第3絶縁膜13及び第4絶縁膜14に穴をあけて、コンタクトホールCH2が形成され、第4絶縁膜14の上に形成された中継電極REが、コンタクトホールCH2を介して、半導体SCに電気的に接続している。
【0057】
第5絶縁膜15は、信号線SL、中継電極RE及び第4絶縁膜14の上に位置している。カラーフィルタCFは、第5絶縁膜15の上に位置している。第6絶縁膜16は、カラーフィルタCF及び第5絶縁膜15の上に位置している。
【0058】
図6に示すように、中継電極REに重なる位置に、第5絶縁膜15及び第6絶縁膜16に穴を画素電極PE1が、コンタクトホールCH3を介して、中継電極REに電気的に接続している。第1中間絶縁膜17Aは、第6絶縁膜16及び画素電極PE1の上に位置している。画素電極PE1は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)、IGO(Indium Gallium Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。
【0059】
共通電極CE1は、第1中間絶縁膜17Aの上に位置している。共通電極CE1は、例えば、ITOやIZO、IGOなどの透光性を有する導電材料によって形成されている。第2中間絶縁膜17Bは、共通電極CE1及び第1中間絶縁膜17Aの上に位置している。画素電極PE2は、第2中間絶縁膜17Bの上に位置している。画素電極PE2は、例えば、ITOやIZO、IGOなどの透光性を有する導電材料によって形成されている。第2中間絶縁膜17Bには、コンタクトホールCH4が形成されている。第2中間絶縁膜17Bが画素電極PE2と共通電極CE1とが電気的に絶縁されつつ、コンタクトホールCH4を介して、画素電極PE2が画素電極PE1と電気的に導通している。
【0060】
第3中間絶縁膜17Cは、画素電極PE2及び第2中間絶縁膜17Bの上に位置している。第1中間絶縁膜17A、第2中間絶縁膜17B及び第3中間絶縁膜17Cは、第7絶縁膜である。
【0061】
コンタクトホールCH3には、第3中間絶縁膜17Cの表面の凹部が形成されるので、凹部は、第1平坦化膜18で平坦化される。第2平坦化膜19は、第3中間絶縁膜17C及び第1平坦化膜18の上に位置している。
【0062】
第1平坦化膜18は、ノボラック樹脂又はアクリル樹脂である。第2平坦化膜19は、第1平坦化膜18と同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。第2平坦化膜19は、例えば、窒化シリコンなどの無機絶縁膜や、ノボラック樹脂又はアクリル樹脂などの有機絶縁膜である。
【0063】
導電層TLは、第2平坦化膜19の上に位置している。導電層TLは金属の導電体であり、共通電極CEに電気的に接続しているので、共通電極CE及び導電層TLの単位面積当たりの抵抗値が小さくなる。導電層TLは、例えばアルミニウム(Al)等の金属の単層でもよいが、アルミニウムの上層及び下層にチタン(Ti)、モリブデン(Mo)を配置し、チタン/アルミニウム/チタンあるいは、モリブデン/アルミニウム/モリブデン等の複数の金属層で形成してもよい。導電層TLは、薄膜干渉により、遮光性を有している。
【0064】
共通電極CE2は、導電層TL及び第2平坦化膜19の上に位置している。共通電極CE2及びスリット部CESは、第1配向膜AL1によって覆われている。
【0065】
対向基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第2絶縁基板20を基体としている。対向基板SUB2は、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に、オーバーコート層21、第2配向膜AL2を備えている。
【0066】
上述したアレイ基板SUB1及び対向基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。液晶層LCは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に封入されている。第1配向膜AL1と第2配向膜AL2により、液晶分子の長軸が、図5に示す初期配向方向ADと平行になるように配向されている。液晶層LCは、誘電率異方性が負のネガ型液晶材料、あるいは、誘電率異方性が正のポジ型液晶材料によって構成されている。
【0067】
アレイ基板SUB1がバックライトユニットと対向し、対向基板SUB2が表示面側に位置する。バックライトユニットとしては、種々の形態のものが適用可能であるが、その詳細な構造については説明を省略する。
【0068】
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10の外側面10B、あるいは、バックライトユニットと対向する面に配置される。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、第2絶縁基板20の外側面20B、あるいは、観察位置側の面に配置される。第1偏光板PL1の第1偏光軸及び第2偏光板PL2の第2偏光軸は、例えばVx-Vy平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0069】
例えば、液晶層LCがネガ型液晶材料である場合であって、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、液晶分子LMは、Vx-Vy平面内において、その長軸が所定の方向に沿う方向に初期配向している。一方、液晶層LCに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン時において、液晶分子LMは、電界の影響を受けてその配向状態が変化する。オン時において、入射した直線偏光は、その偏光状態が液晶層LCを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。
【0070】
図5に示すように、スリット部CES、スリット部CESA及びスリット部CESBは、遮光領域TLRと重ならない。図5及び図8に示すように、スリット部CESC及びスリット部CESDは、同様に、遮光領域TLRと重ならない。このため、画素PixRにある遮光領域TLRを避けて、画素PixRのスリット部CESA及びスリット部CESCは、遮光領域TLRがない画素PixGのスリット部CESよりも方向Vxの幅が小さくなっている。また、画素PixBにある遮光領域TLRを避けて、画素PixBのスリット部CESB及びスリット部CESDは、遮光領域TLRがない画素PixGのスリット部CESよりも方向Vxの幅が小さくなっている。
【0071】
画素PixRと画素PixBでは、遮光領域TLRが占める位置が異なることから、方向Vyに対する画素PixRのスリット部CESAの長手方向の傾きは、方向Vyに対する画素PixBのスリット部CESBの長手方向の傾きが異なっている。図8に示すように、遮光領域TLRは、信号線SLと走査線GLとの交点を中心に弧を描くので、方向Vyに隣り合う画素PixRにおけるスリット部CESAとスリット部CESCとは、走査線GLに対して線対称となる。同様に、方向Vyに隣り合う画素PixBにおけるスリット部CESBとスリット部CESDとは、走査線GLに対して線対称となる。
【0072】
図8に示すように、方向Vxに隣り合う画素PixRのスリット部CESAと画素PixBのスリット部CESBは、信号線SLに対して線対称となる。言い換えると、方向Vxに隣り合う画素PixRのスリット部CESAの長手方向の延在方向と、画素PixBのスリット部CESBの長手方向の延在方向とは、異なる。
【0073】
図8に示すように、方向Vxに隣り合う画素PixRのスリット部CESCと画素PixBのスリット部CESDは、信号線SLに対して線対称となる。言い換えると、方向Vxに隣り合う画素PixRのスリット部CESCの長手方向の延在方向と、画素PixBのスリット部CESDの長手方向の延在方向とは、異なる。
【0074】
図8に示すように、方向Vyに隣り合う画素PixRにおいて、スリット部CESAとスリット部CESCとは、信号線SLに対して線対称となる。方向Vyに隣り合う画素PixRにおいて、スリット部CESAの長手方向の延在方向と、スリット部CESCの長手方向の延在方向とは、異なる。
【0075】
図8に示すように、方向Vyに隣り合う画素PixBにおいて、スリット部CESCとスリット部CESDとは、信号線SLに対して線対称となる。方向Vyに隣り合う画素PixBにおいて、スリット部CESBの長手方向の延在方向と、スリット部CESDの長手方向の延在方向とは、異なる。
【0076】
図9は、実施形態1に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。図10は、比較例のスペーサに対する遮光領域と、スリットとの関係を模式的に示す断面図である。
【0077】
図9に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。上述したように、スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixRには、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDがある。図9において、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDの区別は、Fの文字の向きで表されている。遮光領域TLRが重畳する方向Vx及び方向Vyに隣接する4つの画素のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDの長手方向の延在方向は、異なる。スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixR以外の画素Pixには、スリット部CESがある。スリット部CESがある画素Pixは、Aの文字で表されている。
【0078】
図10に示すように、比較例のスペーサSPに対する遮光領域TLRは、スリット部CESと重畳する。遮光領域TLRがスリット部CESの一部を塞ぐので、遮光領域TLRがない画素PixGにおけるスリット部CESよりも、遮光領域TLRが重なるスリット部CESの導電材料がない部分が小さくなる。遮光領域TLRの周りの複数のスリット部CESA、スリット部CESBは、遮光領域TLRの縁の円弧にそった電界の分布に影響を受ける。その結果、画素PixGの液晶分子の回転に比べ、遮光領域TLRの周りの画素PixR及び画素PixBは、液晶分子の回転が乱れ、遮光領域TLRが表示に影響を与える可能性がある。
【0079】
これに対して、実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDは、スペーサSPに対する遮光領域TLRに重畳していない。実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDは、遮光領域TLRの縁の円弧にそった電界の分布に影響を受けにくい。
【0080】
図9に示すように、実施形態1のスリット部CESの面積は、実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC又はスリット部CESDの面積よりも大きい。実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC又はスリット部CESDがスペーサSPの周りにあるだけなので、実施形態1のスリット部CESの数が、実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC又はスリット部CESDの数よりも相対的に多いので、実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC又はスリット部CESDの影響を抑制できる。
【0081】
図11は、実施形態1に係る表示領域と周辺領域の境界を模式的に示す断面図である。図8及び図11に示すように、周辺領域GAには、共通電位を供給する配線COMが第4絶縁膜14の上に配置されている。第5絶縁膜15は、配線COMを覆って保護している。第5絶縁膜15の一部には、コンタクトホールCHGが設けられ、配線COMは、表示領域AAから引き出されてきた共通電極CE1、導電層TL、共通電極CE2にコンタクトホールCHGを介して、電気的に接続される。
【0082】
図8及び図11に示すように、周辺領域GAでは、対向基板SUB2に遮光層BMが設けられ、アレイ基板SUB1の周辺領域GAを遮光層BMが隠すことができる。図8及び図11に示すように、表示領域AAでは、対向基板SUB2に遮光層BMが設けられていない。遮光層BMは、黒色の樹脂材料によって形成されている。
【0083】
図8及び図11に示す、実施形態1のCOA構造では、対向基板SUB2の表示領域AAには、カラーフィルタCFと、カラーフィルタCFの各色の境界にある遮光層がないので、画素Pixが小さくても、画素Pixの開口が遮光されない。
【0084】
以上説明したように、表示装置100は、アレイ基板SUB1と、アレイ基板SUB1に対向する対向基板SUB2と、を有している。対向基板SUB2の表示領域AAには、遮光層がない。これにより、アレイ基板SUB1と対向基板SUB2との重ねズレの影響が小さくなる。
【0085】
アレイ基板SUB1は、方向Vxに間隔をおいて並ぶ複数の信号線SLと、方向Vyに間隔をおいて並ぶ複数の走査線GLと、を有する。アレイ基板SUB1のカラーフィルタCFは、隣り合う2つの信号線SL及び隣り合う2つの走査線GLに囲まれる開口と重なる位置に配置されている。アレイ基板SUB1は、画素Pix毎に配置された複数の画素電極PEと、絶縁膜を介して複数の画素電極PEと重畳する共通電極CEとを有している。共通電極CEには、開口のそれぞれに設けられたスリット部CES、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDを有している。
【0086】
第6絶縁膜16は、カラーフィルタCFを覆う。コンタクトホールCH3は、第6絶縁膜16に開けられた凹部であって、画素電極PEと、半導体SCとを中継電極REを介して電気的に接続する。
【0087】
導電層TLは、平面視で、スペーサSPが配置され、方向Vx及び方向Vyの両方の導電層の幅を拡幅した遮光領域TLRを有している。
【0088】
実施形態1において、スリット部CES、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDは、遮光領域TLRとは非重畳である。実施形態1のスリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDは、遮光領域TLRの影響が抑制されている。その結果、スペーサSPに対応する遮光領域TLRが表示に与える影響は、抑制される。
【0089】
(実施形態2)
図12は、実施形態2に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。以下の説明において、同様の構成要素について実施形態1と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0090】
図12に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixRには、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDがある。図12において、スリット部CESA、スリット部CESB、スリット部CESC及びスリット部CESDの区別は、Fの文字の向きで表されている。スペーサSPの周りの画素PixRに加え、スペーサSPが周りにない画素PixRにも、スリット部CESA及びスリット部CESCがある。スペーサSPの周りの画素PixBに加え、スペーサSPが周りにない画素PixBにも、スリット部CESB及びスリット部CESDがある。画素PixGには、スリット部CESがある。スリット部CESがある画素Pixは、Aの文字で表されている。
【0091】
遮光領域TLRが重畳する画素PixB及び画素PixRと同じ色であって、かつ遮光領域TLRと非重畳の画素のスリット部の面積は、遮光領域TLRが重畳するスリット部の面積と同じである。同じ色の画素のスリット部の面積が同じになるので、スペーサSPの周りの表示品位の低下が目立たなくなる。
【0092】
(実施形態3)
図13は、実施形態3に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。以下の説明において、実施形態1および実施形態2と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0093】
実施形態3では、実施形態1とは異なり、2つの列に跨がってスペーサSPがない。図13に示すように、スペーサSPは、信号線SL上にはなく、走査線GL上に配置される。
【0094】
図13に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。遮光領域は、信号線SLに非重畳で、走査線GLに重畳するスペーサSPが配置される部分毎に配置される。つまり、導電層TLは、遮光領域で、方向Vyに幅を拡幅する。スペーサSPの周りの画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESCがある。図13において、スリット部CESA及びスリット部CESCの区別は、Fの文字の向きで表されている。スペーサSPが周りにない画素PixRには、スリット部CESがある。画素PixB及び画素PixGには、スリット部CESがある。スリット部CESがある画素Pixは、Aの文字で表されている。
【0095】
(実施形態4)
図14は、実施形態4に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。以下の説明において、実施形態1および実施形態2と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0096】
実施形態4では、実施形態3とは異なり、スペーサSPの周りの画素PixRに加え、スペーサSPが周りにない画素PixRにも、スリット部CESA及びスリット部CESBがある。
【0097】
図14に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。遮光領域は、信号線SLに非重畳で、走査線GLに重畳するスペーサSPが配置される部分毎に配置される。つまり、導電層TLは、遮光領域で、方向Vyに幅を拡幅する。スペーサSPの周りの画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESCがある。図14において、スリット部CESA及びスリット部CESCの区別は、Fの文字の向きで表されている。スペーサSPが周りにない画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESCがある。画素PixB及び画素PixGには、スリット部CESがある。スリット部CESがある画素Pixは、Aの文字で表されている。
【0098】
(実施形態5)
図15は、実施形態5に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。以下の説明において、実施形態1および実施形態2と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0099】
実施形態5では、実施形態1とは異なり、2つの行に跨がってスペーサSPがない。図15に示すように、スペーサSPは、走査線GL上にはなく、信号線SL上に配置される。
【0100】
図15に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。遮光領域は、走査線GLに非重畳で、信号線SLに重畳するスペーサSPが配置される部分毎に配置される。つまり、導電層TLは、遮光領域で、方向Vxに幅を拡幅する。スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESBがある。スリット部CESA及びスリット部CESBの区別は、Fの文字の向きで表されている。スペーサSPの周りの画素PixR以外の画素PixR、画素PixB及び画素PixGには、スリット部CESがある。スリット部CESがある画素Pixは、Aの文字で表されている。
【0101】
(実施形態6)
図16は、実施形態6に係る表示領域の画素配列とスペーサとの関係を模式的に示す断面図である。以下の説明において、実施形態1から実施形態5と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0102】
実施形態6では、実施形態5とは異なり、スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixRに加え、スペーサSPが周りにない画素PixB及び画素PixRにも、スリット部CESA及びスリット部CESCがある。
【0103】
図16に示すように、複数のスペーサSPが一定の間隔で配置されている。遮光領域は、走査線GLに非重畳で、信号線SLに重畳するスペーサSPが配置される部分毎に配置される。つまり、導電層TLは、遮光領域で、方向Vxに幅を拡幅する。スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESBがある。スペーサSPの周りの画素PixB及び画素PixR以外の画素PixB及び画素PixRには、スリット部CESA及びスリット部CESBがある。スリット部CESA及びスリット部CESBの区別は、Fの文字の向きで表されている。スリット部CESがある画素PixGは、Aの文字で表されている。
【0104】
(実施形態7)
図17は、実施形態7に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。図18は、実施形態7に係る表示パネルの一例を示す模式図である。以下の説明において、実施形態1から実施形態6と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0105】
実施形態7では、実施形態1とは、画素PixR、PixG、PixBの配置が異なる。
【0106】
図17に示すように、方向Vx(第1方向)において、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれており、方向Vy(第2方向)において、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれている。
【0107】
また、方向Vxにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれており、方向Vyにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれている。
【0108】
また、方向Vxにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれており、方向Vyにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれている。
【0109】
方向Vxにおいて、画素PixR、画素PixG、画素PixBが、順に繰り返し並べられている。方向Vyにおいて、画素PixR、画素PixB、画素PixGが、順に繰り返し並べられている。なお、方向Vyにおける配列は、画素PixR、画素PixG、画素PixBの順に繰り返し並べられるようにしてもよい。
【0110】
図18に示すカラーフィルタCFR1、カラーフィルタCFG1、カラーフィルタCFB1は、例えば赤(第1色:R)、緑(第2色:G)、青(第3色:B)の3色に着色された色領域が周期的に配列されている。図17に示す各画素PixR、PixG、PixBに、R、G、Bの3色の色領域が対応付けられる。そして、3色の色領域に対応する画素PixR、PixG、PixBは、1組で画素となる。なお、カラーフィルタは、4色以上の色領域を含んでいてもよい。画素PixR、PixG、PixBがそれぞれ、副画素と呼ばれることもある。
【0111】
図18に示すカラーフィルタCFR1、カラーフィルタCFG1、カラーフィルタCFB1は、2つの信号線SL及び2つの走査線GLに囲まれる開口部に配置されている。
【0112】
図18に示すように、カラーフィルタCFR1同士は、同じ赤色のカラーフィルタCFR2で接続されており、カラーフィルタCFR1、カラーフィルタCFR2を繋ぐと、方向Vx及び方向Vyのそれぞれに交差する斜め方向に同じ色のカラーフィルタが配置される。同様に、カラーフィルタCFG1同士は、同じ緑色のカラーフィルタCFG2で接続され、カラーフィルタCFB1同士は、同じ青色のカラーフィルタCFB2で接続されている。
【0113】
カラーフィルタCFR1と、カラーフィルタCFR2とは、一体形成されているので、説明の都合上、カラーフィルタCFR1と、カラーフィルタCFR2とが区別されない場合は、以下、カラーフィルタCFRという。同様に、カラーフィルタCFG1と、カラーフィルタCFG2とが区別されない場合は、以下、カラーフィルタCFGという。カラーフィルタCFB1と、カラーフィルタCFB2とが区別されない場合は、以下、カラーフィルタCFBという。さらに、カラーフィルタCFR、カラーフィルタCFG、カラーフィルタCFBを区別しない場合、カラーフィルタCFR、カラーフィルタCFG、カラーフィルタCFBは、カラーフィルタCFという。
【0114】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0115】
例えば、走査線GLは、ゲート電極GL1及びゲート電極GL2を含むが、ゲート電極GL1又はゲート電極GL2のみを含んでいる態様でもよい。共通電極CEは、共通電極CE1及び共通電極CE2を含むが、共通電極CE1又は共通電極CE2のみを含む態様でもよい。画素電極PEは、画素電極PE1及び画素電極PE2を含むが、画素電極PE1又は画素電極PE2のみを含んでいる態様でもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 表示システム
10 第1絶縁基板
11 第1絶縁膜
12 第2絶縁膜
13 第3絶縁膜
14 第4絶縁膜
15 第5絶縁膜
16 第6絶縁膜
17 第7絶縁膜
17A 第1中間絶縁膜
17B 第2中間絶縁膜
17C 第3中間絶縁膜
18 第1平坦化膜
19 第2平坦化膜
20 第2絶縁基板
20B 外側面
21 オーバーコート層
100 表示装置
110 表示パネル
112 表示制御回路
200 制御装置
410 レンズ
AA 表示領域
BM 遮光層
CE、CE1、CE2 共通電極
CES、CESA、CESB、CESC、CESD スリット部
CF カラーフィルタ
GA 周辺領域
GL 走査線
PE、PE1、PE2 画素電極
SL 信号線
SUB1 アレイ基板
SUB2 対向基板
TL 導電層
TLR 遮光領域
図1
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図3
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図5
図6
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図17
図18