(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168834
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および教材生成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085826
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】514162623
【氏名又は名称】株式会社ワカゾウ
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 章太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC37
5L050CC37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】選挙における投票行動を通じて投票に関する情報を出力する情報処理システム、情報処理装置、情報処理端末、情報処理方法、プログラム及び教材生成システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、選挙において投票を行うユーザが用いる投票者端末30と、当該端末から受け付けた情報を処理する情報処理装置とから構成されている。情報処理装置は、予め定められた選挙において、当該選挙の選挙権を有していないユーザから当該選挙の候補者に関する投票先情報を受け付ける投票手段である投票先情報受付部116と、ユーザの投票に関する投票行動情報を取得する取得手段である投票理由取得部140と、投票行動情報を用いてユーザの投票に関する特定情報を出力する出力手段である出力部160と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた選挙において、当該選挙の選挙権を有していないユーザから当該選挙の候補者に対する投票の投票先情報を受け付ける投票手段と、
前記ユーザの投票に関する投票行動情報を取得する取得手段と、
前記投票行動情報を用いて前記ユーザの投票の統計または分析に関する特定情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記投票行動情報として前記ユーザの投票理由に関する投票理由情報を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記投票行動情報は、前記ユーザの選挙に関わる思考、思想及び心理の少なくとも何れか一つを特定し得る情報を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記投票行動情報は、前記選挙に関わる質問に対する前記ユーザの回答に基づいて特定される、ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記投票行動情報として前記ユーザの投票履歴に関する投票履歴情報を取得し、
前記出力手段は、前記投票履歴情報に前記ユーザの個人情報を関連付けた前記特定情報を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記投票を行うユーザの個人情報と、前記投票先情報とに基づいて、前記特定情報として選挙における主権者教育を行うための教材を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
選挙において投票を行うユーザが用いる端末と、当該端末から受け付けた情報を処理する情報処理装置と、備える教材生成システムであって、
前記投票を行うユーザの個人情報と、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報とを前記端末から受け付ける受付手段と、
前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする教材生成システム。
【請求項8】
前記個人情報は、前記ユーザの特定がされることのない属性に関する情報である、ことを特徴とする請求項7に記載の教材生成システム。
【請求項9】
前記受付手段は、前記個人情報として、前記ユーザが所属する学校名情報を受け付ける、ことを特徴とする請求項7に記載の教材生成システム。
【請求項10】
前記ユーザの投票理由を特定可能な質問情報に対する当該ユーザの回答情報を受け付ける投票理由取得手段を備える、ことを特徴とする請求項7に記載の教材生成システム。
【請求項11】
前記質問情報として、予め定められた評価項目の判定に対応する質問アンケート情報を用いる、ことを特徴とする請求項10に記載の教材生成システム。
【請求項12】
前記生成手段は、前記個人情報、前記投票先情報および前記投票理由に基づいて前記教材を生成する、ことを特徴とする請求項10に記載の教材生成システム。
【請求項13】
前記回答情報の受け付けに応じて前記ユーザに対して特典を付与する特典付与手段を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の教材生成システム。
【請求項14】
前記質問情報として用いる前記質問アンケート情報の変更を要求するカスタマイズ情報を受け付ける質問変更情報受付手段を備える、ことを特徴とする請求項11に記載の教材生成システム。
【請求項15】
一の選挙において投票を可能とするユーザの条件と、前記個人情報とに基づいて、投票が可能か否かを判定する投票者判定手段を備える、ことを特徴とする請求項7に記載の教材生成システム。
【請求項16】
ユーザごとに、当該ユーザの属性に関する個人情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
選挙名と、当該選挙に立候補された候補者に関する情報とを関連付けて記憶する候補者情報記憶手段と、
ユーザごとに、選挙名と、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報とを関連付けて記憶する投票履歴情報記憶手段と、
選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付け、前記ユーザ情報記憶手段へ記憶するユーザ情報受付手段と、
前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、前記候補者情報記憶手段を参照して投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信する投票参加受付手段と、
前記ユーザ端末からユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付け、前記投票履歴情報記憶手段へ記憶する投票先情報受付手段と、
前記投票履歴情報記憶手段に記憶された前記投票先情報と、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する教材生成手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
選挙において投票を行うユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付け、当該情報を保存し利用する装置へ送信する手段と、
所定の選挙への投票要求の送信に応じ、立候補された候補者に関する情報を受け付け、ユーザが投票する候補者を特定する投票先情報の選択を受け付けて、前記装置へ送信する手段と、
前記投票先情報の送信に応じ、ユーザの投票理由に関する投票理由情報を受け付け、前記装置へ送信する手段と、
選挙における主権者教育を行うための教材の提供要求の送信に応じ、前記装置より受け付けた当該教材を表示する手段と、
を備えていることを特徴とする情報処理端末。
【請求項18】
選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から、当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付けるステップと、
受け付けた個人情報を所定の記憶手段へ記憶するステップと、
前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信するステップと、
前記ユーザ端末から、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付けるステップと、
受け付けた投票先情報を所定の記憶手段へ記憶するステップと、
所定の記憶手段に記憶された前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータに、
選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から、当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付ける機能と、
受け付けた個人情報を所定の記憶手段へ記憶する機能と、
前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信する機能と、
前記ユーザ端末から、ユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付ける機能と、
受け付けた投票先情報を所定の記憶手段へ記憶する機能と、
所定の記憶手段に記憶された前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および教材生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、国政選挙や地方選挙において投票率の低下が問題となっている。そこで、これらの選挙の投票率を向上させるべく、より多くの有権者が選挙に関心を持つことを期待して、投票をすることにともない特典が付与される仕組みが、本出願人によって提案されている。この仕組みは、「センキョ割(登録商標)」と称され、有権者であるユーザが操作する端末から、予め定めた選挙においてユーザが投票したことを示す信号を受信したことに基づき、ユーザが投票したことを確認し、当該ユーザに特典を付与するものである(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで投票という行為は、個人の性格もあるだろうが、育った家庭や地域、学校など周囲の環境や、そこでの教育が少なからずとも影響していると思われる。しかしながら、例えばこれを分析し、例えば投票率の向上に寄与すべく主権者教育に結びつけようとする取り組みは、出願人が知る限り何らなされていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて成されたものであり、選挙における投票行動を通じて投票者の投票に関する情報を出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、予め定められた選挙において、当該選挙の選挙権を有していないユーザから当該選挙の候補者に対する投票の投票先情報を受け付ける投票手段と、前記ユーザの投票に関する投票行動情報を取得する取得手段と、前記投票行動情報を用いて前記ユーザの投票の統計または分析に関する特定情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0007】
ここで、前記取得手段は、前記投票行動情報として前記ユーザの投票理由に関する投票理由情報を取得するとよい。
また、前記投票行動情報は、前記ユーザの選挙に関わる思考、思想及び心理の少なくとも何れか一つを特定し得る情報を含むとよい。
また、前記投票行動情報は、前記選挙に関わる質問に対する前記ユーザの回答に基づいて特定されるとよい。
また、前記取得手段は、前記投票行動情報として前記ユーザの投票履歴に関する投票履歴情報を取得し、前記出力手段は、前記投票履歴情報に前記ユーザの個人情報を関連付けた前記特定情報を出力するとよい。
また、前記出力手段は、前記投票を行うユーザの個人情報と、前記投票先情報とに基づいて、前記特定情報として選挙における主権者教育を行うための教材を出力するとよい。
【0008】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、選挙において投票を行うユーザが用いる端末と、当該端末から受け付けた情報を処理する情報処理装置と、備える教材生成システムであって、前記投票を行うユーザの個人情報と、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報とを前記端末から受け付ける受付手段と、前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する生成手段、を備えることを特徴とする教材生成システムである。
【0009】
ここで、前記個人情報は、前記ユーザの特定がされることのない属性に関する情報であるとよい。
また、前記受付手段は、前記個人情報として、前記ユーザが所属する学校名情報を受け付けるとよい。
また、前記ユーザの投票理由を特定可能な質問情報に対する当該ユーザの回答情報を受け付ける投票理由取得手段を備えるとよい。
また、前記質問情報として、予め定められた評価項目の判定に対応する質問アンケート情報を用いるとよい。
また、前記生成手段は、前記個人情報、前記投票先情報および前記投票理由に基づいて前記教材を生成するとよい。
また、前記回答情報の受け付けに応じて前記ユーザに対して特典を付与する特典付与手段を備えるとよい。
また、前記質問情報として用いる前記質問アンケート情報の変更を要求するカスタマイズ情報を受け付ける質問変更情報受付手段を備えるとよい。
また、一の選挙において投票を可能とするユーザの条件と、前記個人情報とに基づいて、投票が可能か否かを判定する投票者判定手段を備えるとよい。
【0010】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザごとに、当該ユーザの属性に関する個人情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、選挙名と、当該選挙に立候補された候補者に関する情報とを関連付けて記憶する候補者情報記憶手段と、ユーザごとに、選挙名と、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報とを関連付けて記憶する投票履歴情報記憶手段と、選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付け、前記ユーザ情報記憶手段へ記憶するユーザ情報受付手段と、前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、前記候補者情報記憶手段を参照して投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信する投票参加受付手段と、前記ユーザ端末からユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付け、前記投票履歴情報記憶手段へ記憶する投票先情報受付手段と、前記投票履歴情報記憶手段に記憶された前記投票先情報と、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する教材生成手段と、を少なくとも備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0011】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、選挙において投票を行うユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付け、当該情報を保存し利用する装置へ送信する手段と、所定の選挙への投票要求の送信に応じ、立候補された候補者に関する情報を受け付け、ユーザが投票する候補者を特定する投票先情報の選択を受け付けて、前記装置へ送信する手段と、前記投票先情報の送信に応じ、ユーザの投票理由に関する投票理由情報を受け付け、前記装置へ送信する手段と、選挙における主権者教育を行うための教材の提供要求の送信に応じ、前記装置より受け付けた当該教材を表示する手段と、を備えていることを特徴とする情報処理端末である。
【0012】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から、当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付けるステップと、受け付けた個人情報を所定の記憶手段へ記憶するステップと、前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信するステップと、前記ユーザ端末から、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付けるステップと、受け付けた投票先情報を所定の記憶手段へ記憶するステップと、所定の記憶手段に記憶された前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成するステップと、を有することを特徴とする情報処理方法である。
【0013】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、コンピュータに、選挙において投票を行うユーザが用いるユーザ端末から、当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付ける機能と、受け付けた個人情報を所定の記憶手段へ記憶する機能と、前記ユーザ端末から選挙への投票要求を受け付け、投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を返信する機能と、前記ユーザ端末から、ユーザが投票した候補者に関する投票先情報を受け付ける機能と、受け付けた投票先情報を所定の記憶手段へ記憶する機能と、所定の記憶手段に記憶された前記投票先情報と前記個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する機能と、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、選挙における投票行動を通じて投票者の投票に関する情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムに含まれる装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4-1】本実施形態に係る情報処理システムでの処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図4-2】本実施形態に係る情報処理システムでの処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図5】ユーザ端末に表示される情報処理システムのホ-ム画面の構成例を示す模式図である。
【
図6】ユーザ端末に表示されるログイン後の画面の構成例を示す模式図である。
【
図7】装置における情報処理の第一の動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図6において模擬投票ボタン選択後のユーザ端末に表示される選挙選択画面の構成例を示す模式図である。
【
図9】ユーザ端末に表示される投票候補者選択画面の構成例を示す模式図である。
【
図10】ユーザ端末に表示されるアンケート回答画面の構成例を示す模式図である。
【
図11】ユーザ端末に表示される特典付与画面の構成例を示す模式図である。
【
図12】装置における情報処理の第二の動作を示すフローチャートである。
【
図13】
図6において投票履歴ボタン選択後のユーザ端末に表示される教材画面の構成例を示す模式図である。
【
図14】装置における情報処理の第三の動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図6において投票マップボタン選択後のユーザ端末に表示される他の教材選択画面の構成例を示す模式図である。
【
図16】ユーザ端末に表示される他の教材(投票マップ)画面の構成例を示す模式図である。
【
図17】装置における情報処理の第四の動作を示すフローチャートである。
【
図18】本実施形態に係る情報処理システムでの他の処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図19】他のユーザ端末に表示されるログイン後の画面の構成例を示す模式図である。
【
図20】装置における他の情報処理の第一の動作を示すフローチャートである。
【
図21】
図19においてアンケート編集ボタン選択後のユーザ端末に表示されるアンケート作成画面の構成例を示す模式図である。
【
図22】装置における他の情報処理の第二の動作を示すフローチャートである。
【
図23】
図19において生徒投票履歴ボタン選択後のユーザ端末に表示される教材画面の構成例を示す模式図である。
【
図24】装置における他の情報処理の第二の動作を示すフローチャートである。
【
図25】
図19において投票マップボタン選択後のユーザ端末に表示される他の教材選択画面の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態の一例として、公職選挙法に基づく選挙権を有していない多くの中高校生などが、学校などの教育機関での主権者教育の一環として授業で投票(以下、「模擬投票」と呼ぶことがある。)を行い、その投票行動を通じて、今後、選挙権を有することとなる当該中高校生に対して、教育機関が主権者教育を行うための教材を生成することを想定した例について、図面に基づき説明する。
【0017】
すなわち、本実施形態では、公職選挙法に基づく選挙権を有していない非有権者による選挙における投票行動を通じて(分析して)、投票者個人または複数の投票者の投票の統計および/または分析に関する統計分析情報(特定情報の一例)として、主権者教育を行うための教材を生成・出力し、今後選挙権を有することとなる非有権者の投票率の向上を図るようにした主権者教育の仕組みを例に説明する。例えば、出力は、選挙における主権者教育を行うための教材として、ユーザの投票履歴や、地域別の投票行動などを知るためマップを生成することを例示できる。
なお、本システムは、選挙の投票行動に関する情報という、政治的な不公正につながるおそれのある非常にデリケートな情報を収集するものであるので、得られた情報のアウトプットは、あくまで教育や行政での利活用を目的とする。
【0018】
また、本実施形態の実施にあたり、以下の倫理規約事項を定めるものとすることができる。
・公職選挙法遵守
・学習指導要領遵守
・総務省、選挙管理委員会への確認の徹底
・有識者による試問機関の設置による運営、データ利用の在り方を検討し、あくまで日本社会に歴史的に資する運用を心がけることで倫理性を担保し続ける
・特定政党候補者への供出厳禁
・中立性を厳密に担保されていないメディアへの供出厳禁
【0019】
なお、以下に述べる実施形態は、好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0020】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態における情報処理システムは、受け付けた情報を処理する情報処理装置10と、この情報処理システムを用いた選挙において模擬投票を行うユーザが用いるユーザ端末30と、この情報処理システムを用いて非有権者である中高校生に対して主権者教育を行う教育機関が用いる教育機関端末50と、模擬投票を行ったユーザに対して付与される特典の管理処理を行う特典管理装置70が、インターネットなどの所定のネットワークNを介して相互に接続して構成される。すなわち、本実施形態では、情報処理システムの一例として、主権者教育を行うための教材を生成が実施される教材生成システムとして説明され、情報処理装置10は、主権者教育を行うための教材生成処理を行う装置として機能する。
【0022】
なお、以下の説明においては、情報処理装置10を「サーバ」と呼ぶことがあり、ユーザ端末30を操作するユーザを「生徒」と呼ぶことがあり、教育機関端末50を操作する教育機関を「学校」と呼ぶことがある。
また、ネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、例えばLAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークであってもよい。
【0023】
ここで、本実施形態における選挙とは、例えば、国会議員や都道府県知事・都道府県議会議員、市区町村長・市区町村議会議員など公務員を選ぶために行われる実際の選挙はもちろん、例えば、この選挙のシステムを模したWeb上で実施する仮想の選挙や、学校で行う生徒会委員選挙のほか、各種投票イベントでの選挙も含む。また、投票とは、候補者の中から特定の者を選出するため意思表示をいい、公職選挙法に基づく投票ではなく、例えば、主権者教育の一環として授業において実際の選挙と並行して行う非有権者による通信端末を用いての模擬投票や、イベントでの通信端末を用いた投票をいう。
【0024】
また、本システムにおける投票先情報は、選挙の種類(区分)に応じて候補者でなく、政党であってもよい。
【0025】
図1に示す情報処理装置10は、ユーザ端末30および教育機関端末50から受け付けた情報を保存し、主権者教育を行う教材の生成処理に利用する装置である。この情報処理装置10は、演算処理機能や通信機能を有し、教材生成システムにおけるサーバとして機能する。本実施形態の情報処理装置10は、例えば、サーバ装置や、パーソナルコンピュータ等の電子機器により実現される。
【0026】
ユーザ端末30は、模擬投票を実施する投票者としての生徒が操作するコンピュータであり、演算処理機能、通信機能を有する装置である。このユーザ端末30は、例えば、デスクトップまたはラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどにより実現される。
【0027】
このユーザ端末30は、例えば、選挙において投票を行うユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を入力し、当該情報を保存し利用する情報処理装置10へ送信する手段と、所定の選挙への投票要求の送信に応じ、立候補された候補者に関する情報を受け付け、前記ユーザが投票する候補者を特定する投票先情報の選択を行って、情報処理装置10へ送信する手段と、前記投票先情報の送信に応じ、当該ユーザが投票に至った経緯や行動に関する投票理由情報を入力し、情報処理装置10へ送信する手段と、選挙における主権者教育を行うための教材の提供要求の送信に応じ、当該教材情報を情報処理装置10より受け付けて表示する手段を有する。
【0028】
教育機関端末50は、主権者教育の授業を行う学校の職員が操作するコンピュータであり、演算処理機能、通信機能を有する装置である。この教育機関端末50もまた、
ユーザ端末30と同様に、例えば、デスクトップまたはラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどにより実現される。
【0029】
この教育機関端末50は、例えば、質問情報としてユーザ端末30へ送信する質問アンケート情報の変更を要求するカスタマイズ情報を入力し、当該情報を保存し利用する情報処理装置10へ送信する手段と、選挙における主権者教育を行うための教材の提供要求の送信に応じ、当該教材情報を情報処理装置10より受け付けて表示する手段を有する。
【0030】
特典管理装置70は、模擬投票を行ったユーザに対して付与される特典として、例えば、街の飲食店などの店舗で割引きなどのサービスを受けられるようにしたクーポンの利用処理を管理する装置であって、演算処理機能や通信機能を有する。この特典管理装置70は、例えば、サーバ装置や、パーソナルコンピュータ等の電子機器により実現される。
【0031】
この特典管理装置70は、例えば、割引サービスなどを提供する店舗を登録するサービス店舗登録手段と、投票者のユーザ端末30へ割引サービスを受けることが可能な画像情報や店舗情報を提供するサービス提供手段と、を少なくとも有する。
【0032】
サービス店舗登録手段は、例えば、店舗の名称を登録する店舗名登録部、店舗のジャンル(飲食店、クリーニング店など)を登録するジャンル登録部、店舗の住所を登録する住所登録部、店舗の詳細情報を登録する詳細情報登録部を有する。また、店舗の詳細情報は、店舗ID(識別情報)、電話番号、店舗画像、メニューなどを含む。
【0033】
サービス提供手段は、例えば、サービス店舗表示部、割引画像表示部、近隣情報通知部、利用履歴記録部を有する。サービス店舗表示部は、サービスを受けられる店舗の画像をユーザ端末30に表示する。割引画像表示部は、サービスを受けるためのいわゆるクーポンなどの画像をユーザ端末30に表示する。近隣情報通知部は、ユーザ端末30の近隣におけるサービス店舗に関する情報をユーザ端末30に通知する。利用履歴記録部は、投票者がサービスを利用した店舗を記憶する。
【0034】
この特典管理装置70としては、例えば、本出願人の特許第7060888号において提案された、投票をすることにともない特典が付与される投票特典提供システムにおける管理装置の仕組みを利用することができ、ネットワークNを介して、この管理装置と通信可能に接続するものとしてもよい。
【0035】
図1の例においては、ユーザ端末30および教育機関端末50は、それぞれ1つずつしか示されていないが、その数は特に限定されない。また、本教材生成システムでは、生徒以外の投票者がユーザとして用いる端末や、学校以外の教育機関(例えば、学習塾や予備校)が授業において用いる端末が存在していてもよい。
【0036】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、を備えている。
【0038】
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラム、または記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。すなわち、CPU11は、プログラムに従って各種の処理を実行する、サーバ1全体の動作を制御するプロセッサである。また、プログラムは、例えば、情報処理装置10の各部を動作させるためのオペレーティングシステム(システムソフトウェア)や、後述の機能ブロックを実現するためのアプリケーションソフトウェアといったプログラムである。
【0039】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU11、ROM12およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、および通信部19が接続されている。
【0040】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、キーボードやマウス、マイク、カメラ等で構成され、受け付けた指示操作に応じて各種情報を入力する。なお、例えば、タッチパネルにより、出力部16と入力部17とを一体にして実現してもよい。
【0041】
記憶部18は、サーバ1が情報処理を実行するために必要な各種データを記憶するものであって、例えば、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0042】
なお、情報処理装置10には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディアが適宜装着されるドライブを備えるものとしてもよい。このドライブにより、リムーバブルメディアから読み出されたプログラムを記憶部18にインストールすることができる。
また、リムーバブルメディアは、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0043】
なお、情報処理装置10は単体で動作する装置に限らず、ネットワークNを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムや、クラウドサーバでもよい。
【0044】
<情報処理装置10>
図3は、本実施形態においてサーバとして機能する情報処理装置10の構成例を説明するブロック図である。
【0045】
図3に示すように、情報処理装置10は、受付部110と、投票条件設定部120と、投票者判定部130と、投票理由取得部140と、特典付与部150と、出力部160と、質問変更情報受付部170と共に、ユーザ情報DB210と、候補者情報DB220と、投票履歴情報DB230と、質問情報DB240とを有する。
【0046】
受付部110は、投票を行うユーザの個人情報と、当該ユーザが投票した候補者に関する投票先情報とをユーザ端末30から受け付ける手段である。この受付部110は、ユーザ情報受付部112と、投票参加受付部114と、投票先情報受付部116とを有する。
【0047】
ユーザ情報受付部112は、ユーザ端末30から当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報を受け付け、この個人情報をユーザ情報DB210へ記憶する機能を有する手段である。つまり、ユーザ情報受付部112は、いわゆる属性情報を収集する。
【0048】
個人情報とは、一般的に、氏名や生年月日、性別、住所といった、誰であるか特定される可能性のある情報全体をいうが、ユーザ情報受付部112で受け付けるのは、ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報である。つまり、氏名であれば、本名の代わりにニックネームとすることができる。また、住所であれば、番地や建物名、部屋番号まで求めるのではなく、少なくとも実際の選挙区の特定が可能な市区町村、丁目または地域名などの区画がわかる居住地域、もしくは郵便番号とすることができる。
【0049】
本実施形態は、学校での主権者教育の一環として生徒が授業で行う模擬投票を通じて生徒の投票行動に関する情報を収集し、この収集した情報を用いて主権者教育を行うための教材を生成することを想定するものである。ゆえに、ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報として、ユーザが所属する教育機関情報を含めるものとしてもよい。
【0050】
この教育機関情報としては、例えば、学校名やその設置区分(国立・公立・私立)、授業での主権者教育の有無などとすることができる。つまり、ユーザ情報受付部112は、教育機関の法人情報と共に、教育活動に関する情報を収集することができる。
また、学校が生徒の投票履歴を確認する場合を想定して、教育機関情報に学籍番号やクラス名・出席番号などを含めるものとしてもよい。
【0051】
さらに、ユーザ情報受付部112は、本システムの利用を享受するための認証情報として、メールアドレスと、パスワードも属性情報として受け付け、ユーザ情報DB210へ記憶する。
【0052】
投票参加受付部114は、ユーザ端末30から選挙への投票要求を受け付け、候補者情報DB220を参照して投票が可能な所定の選挙に立候補された候補者に関する情報を当該ユーザ端末30へ送信する機能を有する手段である。
本実施形態において、投票参加受付部114は、投票者判定部130が投票可能と判断した場合に、候補者に関する情報をユーザ端末30へ送信する。
【0053】
投票先情報受付部116は、ユーザ端末30から当該ユーザが投票した候補者や政党に関する投票先情報を受け付け、投票履歴情報DB230へ記憶する機能を有する手段である。つまり、この投票先情報受付部116は、予め定められた選挙において、当該選挙の選挙権を有していないユーザから当該選挙の候補者に関する投票先情報を受け付ける投票手段として機能する。
この投票先情報受付部116が投票先情報を受け付けることにより、投票履歴に関する情報を継続的に収集することができる。
【0054】
投票条件設定部120は、所定の選挙において投票を可能とするユーザの条件を設定する機能を有する手段である。
この投票条件設定部120で設定するユーザの条件とは、例えば、学生とか18歳未満というものであり、条件の設定は、本システムの管理者や、Webでの投票を実施する主催者が行うことができる。
【0055】
投票者判定部130は、ユーザ情報受付部112で受け付けた個人情報と、前記投票条件設定手段で設定した前記条件に基づいて、投票が可能か否かを判定する機能を有する手段である。つまり、投票者判定部130は、一の選挙において投票を可能とするユーザの条件と個人情報に基づいて投票が可能か否かを判定するものである。
【0056】
このような投票条件設定部120および投票者判定部130を設けることで、ユーザの個人情報に基づいて投票可否の制限を自由に設定することができ、公職選挙法に基づく選挙権を有する有権者となり得るユーザに限定することなく、様々なユーザによる投票を、いわゆる、模擬投票という形で行うことができる。
【0057】
また、投票を可能とする条件は、単にユーザの性別や年齢で分けるのではなく、例えば、ユーザの居住地域(住所)や、所属先の地域(例えば、学校や職場の所在地)、ユーザの職業といった様々な条件で分けることで、条件ごとの傾向を知ることが可能となる。
【0058】
具体的には、ユーザの職業として学校名の登録を必須事項として設定することで、投票者を中高校生に制限することができる。ゆえに、授業の一環として実際の選挙への投票に結び付くような主権者教育を行うことができる。また、収集した情報を用いて主権者教育を行うことができ、ユーザ(生徒)へのフィードバックよる探求学習材料や、教育内容を決定する際の判断材料(教育カリキュラムの策定資料)とし、教育の充実と質の向上を図ることが期待できる。
【0059】
投票理由取得部140は、投票先情報受付部116での投票先情報の受け付けに応じ、当該ユーザに対して投票の理由を問う質問情報をユーザ端末30へ送信すると共に、当該ユーザの投票理由を特定可能な質問情報に対する回答情報を受け付け、当該回答を投票理由として投票履歴情報DB230へ記憶する機能を有する手段である。つまり、この投票理由取得部140は、ユーザの投票に対する投票行動に関する投票行動情報を取得する取得手段として機能する。
【0060】
このような投票理由取得部140を設けることで、ユーザの投票行動に結び付いた理由を知ることができる。つまり、投票時のユーザの心理や思想または思考関する情報を得ることができると共に、その理由ごとに客観的な評価が行える、主権者教育に望ましい教材を生成することができる。
【0061】
本実施形態において、投票理由取得部140は、質問情報として、予め定められた評価項目の判定に対応する質問アンケート情報をユーザ端末30へ送信する。つまり、投票理由取得部140は、質問アンケートに対する回答により、例えば、心理に関する情報、思想に関する情報、思考に関する情報といった、生徒の投票行動おける複数の情報を多角的に収集することができる。
【0062】
質問アンケートとしては、例えば、以下のような内容を挙げることができる。
Q.投票する上で、何を参考にしましたか?
Q.候補者・政党に投票する際に、どのポイントを最も重視していますか?
Q.家庭内で政治の話題が出ることはありますか?
Q.友人と政治の話はしづらいと思いますか?
Q.自分の好きな芸能人・スポーツ選手などの著名人が出馬したら、その人のために投票しますか?
Q.自分の人生を充実させるために、自分の所属する社会がより良くなるよう、何かしらの努力をし、貢献したいという思いはありますか?
Q.選挙当日、投票に行かなくなるとしたら、どのような理由が最もありえそうですか?
Q.選挙に行きたくないと思うとしたら、どのような理由が最もありえそうですか?
【0063】
また、収集した回答情報から判断する所定の評価項目としては、例えば、心理に関する情報に基づくポピュリズム影響度や、思想に関する情報に基づく政治的思想傾向、思考に関する情報に基づく投票行動成熟度といった三要素とすることができる。
【0064】
ポピュリズム影響度は、メディアなど大衆の情報による投票者(生徒)の影響の受けやすさの度合い(大きさ)を評価するものである。例えば、周囲の仲間が支持している人気がある候補者だからといって、候補者について何も調べずに見た目で投票してしまうような場合には、ポピュリズム影響度が高いと判断することができる。
【0065】
政治的思想傾向は、政治的な思想の傾向を評価するものである。例えば、支持政党の有無であれば、支持政党がある場合は政治的思想傾向が高い、一方、支持政党がない場合は政治的思想傾向が低いと判断することができる。
【0066】
投票行動成熟度は、投票者(生徒)が候補者に投票をするために必要な思考力の充実度の有無や度合い(大きさ)を評価するものである。この投票行動成熟度はさらに、例えば、論理的緻密性、論理的整合性、論理的一貫性、他の正義への配慮と理解、および緻密な政策実現過程への配慮と理解といった五要素に分けて判断することができる。
【0067】
論理的緻密性は、投票者(生徒)が投票する候補者を選ぶ際の論理的な思考の緻密性の度合いである。つまり、色々な観点で情報を分析して、候補者や政策を評価する能力に関する投票者の性質をいう。例えば、ポジティブな意見の媒体を見た後に、ネガティブな意見の媒体も見て判断しようとする場合には、緻密性が高いと判断することができる。
【0068】
論理的整合性は、投票者(生徒)が投票する候補者を選ぶ際の論理的な思考の整合性の度合いである。例えば、投票者が候補者の政策を判断する際に、思考に矛盾なく、論理が破綻することなく判断できる場合には、整合性がある(高い)と判断することができる。
【0069】
論理的一貫性は、投票者(生徒)が投票する候補者を選ぶ際の論理的な思考の一貫性の度合いである。例えば、投票者が候補者の政策を判断する際に、自信の持つ判断基準を最初から最後までは変えずに判断できる場合には、一貫性がある(高い)と判断することができる。
【0070】
他の正義への配慮と理解は、投票者(生徒)自身が信じる正義を他人に押し付けたり、他人の正義を否定したりしないとする投票者(生徒)の配慮の有無であって、例えば、投票者自身が信じる正義がある場合に、他人の正義を理解できるか否かによって判断することができる。
【0071】
緻密な政策実現過程への配慮と理解は、候補者や政党が実現しようとする政策を分析したり評価したりする投票者(生徒)の理解力の有無であって、例えば、候補者や政党が実現しようとする政策を否定したりしないかなどの配慮ができるか否かによって判断することができる。
【0072】
このような質問アンケートを質問情報とすることで、質問アンケートへの回答という簡単な方法で、心理・思想・思考にする各情報を収集することができ、これらの情報に基づくユーザの投票理由を知ることができる。つまり、質問アンケートは、ユーザの心理や思想または思考に結び付いた内容であって、所定の評価項目の判定に対応するものとなっている。ゆえに、ユーザの抽象的な表現ではなく、質問アンケートよる具体的な表現で無理なく自然に投票理由を知ることができると共に、ユーザの心理や思想または思考の度合いや傾向を簡単に判定(評価)することもできる。
【0073】
質問アンケートの評価の方法としては、例えば、Q.投票する上で、何を参考にしましたか?という質問アンケートに対して、テレビやラジオ、新聞など複数のメディアを参考にしているという回答でれば、色々な観点で情報を分析して評価するような力があると判断し、参考にしたメディアの数に応じて論理的緻密性は高いという判定ができる。また、同じ質問に対する回答であっても、友人との会話を参考にしているという回答であれば、周りからの影響を受けやすいと判断することもでき、ポピュリズム影響度は高いという判定ができるものとなる。
【0074】
このように質問アンケートは、所定の評価項目の判定に対応するものとなっているが、全てが単一の評価項目を判定するのではなく、上述したように複数の観点から評価を行うことができるものも含まれる。
なお、評価においては数値化すると望ましい。数値化の方法は、例えば、質問アンケートに対する回答の数に応じてカウントして数値化してもよいし、質問アンケートの回答にポイントや重みを付けて数値化するものとしてもよい。
【0075】
また、本実施形態において、投票理由取得部140は、ユーザ端末30からの投票先情報の受け付けに応じ、ユーザ情報DB210を参照して当該ユーザの個人情報として教育機関情報が含まれるとき、質問変更情報受付部170で受け付けた後述するカスタマイズ情報に従って変更した質問アンケート情報をユーザ端末30へ送信することができるものとなっている。
【0076】
特典付与部150は、投票先情報受付部116での投票先情報の受け付けに応じて、もしくは投票理由取得部140での回答情報(投票理由情報)の受け付けに応じて、当該ユーザに対して特典を付与する機能を有する手段である。
特典とは、例えば、上述したように所定の店舗において割引サービスを受けるためのいわゆるクーポンをいう。このような特典が付与されることで、模擬投票や質問アンケートへの回答の動機付けとなり、投票率や回答率の向上が期待できる。
本実施形態において、特典付与部150は、回答情報の受け付けに応じて特典を付与するものとなっている。
【0077】
出力部160は、投票行動情報を用いてユーザの投票に関する統計分析情報(特定情報の一例)を作成し出力する手段である。ここで、統計分析情報とは、例えば、選挙に関する関心度や参加意識、投票傾向などを見極めることが可能な、ユーザの投票の統計および/または分析に関する情報のことをいう。この出力部160は、教材生成部162と、教材提供部164とを有する。
【0078】
教材生成部162は、投票履歴情報DB230に記憶された投票先情報と、ユーザ情報DB210に記憶された個人情報とに基づいて、選挙における主権者教育を行うための教材を生成する機能を有する手段である。
本実施形態において、投票理由取得部140は、投票の理由を問う質問情報に対する回答情報(投票理由情報)を受け付けて投票履歴情報DB230へ記憶するものとなっている。ゆえに、教材生成部162は、投票履歴情報DB230に記憶された投票先情報と投票理由情報、およびユーザ情報DB210に記憶された個人情報とに基づいて教材を生成する。
【0079】
教材提供部164は、ユーザ端末30から教材の出力要求を受け付け、教材生成部162が生成した教材情報をユーザ端末30へ送信する機能を有する手段である。
教材とは、例えば、既述したように投票者であるユーザの投票履歴や、地域ごとの投票の傾向が視覚的に分かる地域別マップとすることができる。
【0080】
このような教材提供部164を設けることで、ユーザが自分の投票履歴を確認することや、他者の投票行動や投票理由を知ることができる。ゆえに、ユーザ自身の投票行動と対比することで、選挙を通した社会参加意識を高める、より望ましい主権者教育を行うことができる。しかも、継続的に選挙の投票履歴を残せば、後からこの投票履歴を確認することで、当時の投票行動をユーザ自身で客観的に評価することができる。
【0081】
また、地域別マップとして、所望の情報に応じて該当する地域ごとに色分けやグラデーション表示が施されたマップとすることで、地域ごとの特色を一目で見分ける(確認する)ことができる。
なお、マップの種類としては、例えば、地域別投票先情報マップ、地域別投票先変化率情報マップ、地域別投票行動成熟度情報マップ、地域別投票行動成熟度変化率情報マップ、地域別政治思想傾向情報マップ、地域別政治思想傾向変化率情報マップ、地域別ポピュリズム影響度情報マップ、地域別センキョ割活動情報マップなどとすることができる。
このような教材を生成することで、生徒の投票行動おける多角的時系列的情報により教育と選挙広報の効果測定指標とすることができる。
【0082】
質問変更情報受付部170は、教育機関端末50から、投票理由取得部140が質問情報としてユーザ端末30へ送信する質問アンケート情報の内容変更を要求するカスタマイズ情報を受け付ける機能を有する手段である。
質問アンケート情報の変更とは、質問の数の増減や、予め準備された質問内での内容の変更のほか、新たに質問を作って質問の数を増やしたり、差し替えたりすることをいう。
【0083】
このような質問変更情報受付部170を設けることで、教育機関が欲する情報を収集することができるカスタマイズされた質問アンケートを作成し、これに自校の生徒であるユーザへ提供することで、その回答より生徒の現状を把握することができる。ゆえに、自らの校風に適合した生徒を育成する教育の一助とすることができる。
【0084】
ユーザ情報DB210は、ユーザごとに、当該ユーザの属性に関する個人情報を記憶する手段である。
候補者情報DB220は、選挙名と、当該選挙に立候補された候補者に関する情報とを関連付けて記憶する手段である。
投票履歴情報DB230は、ユーザごとに、選挙名と、当該ユーザが投票した候補者や政党に関する投票先情報、質問アンケートへの回答情報を関連付けて継続的に記憶する手段である。
質問情報DB240は、ユーザに対して投票の理由を問う質問アンケート情報を記憶する手段であって、質問アンケート情報は、上述した所定の評価項目の判定に対応するものとなっている。
【0085】
ゆえに、本実施形態に係る情報処理装置10は、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS、アプリケーションなど)が主記憶装置にロードされ、CPU11により実行されることによって、ユーザ情報受付部112、投票参加受付部114、投票先情報受付部116、投票条件設定部120、投票者判定部130、投票理由取得部140、特典付与部150、教材生成部162、教材提供部164、質問変更情報受付部170を含む装置として機能する。
【0086】
<第1の実施形態>
次に、本実施形態に係る情報処理システムでの処理の流れを説明する。
ここでは、生徒が模擬投票を行い、その投票行動を通じて教材を生成する場合を説明する。
図4-1および
図4-2は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【0087】
まず、ユーザは、本システムの利用を享受するため、ユーザ端末30の通信機能を用いて本システムのサイトにアクセスし、専用アプリケーションソフトをインストール(ダウンロード)しておく。
【0088】
そして、
図4-1に示すように、専用アプリケーションソフトの取得に続き、ステップS301において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムを利用するための新規ユーザ登録の要求を送信する。
ステップS302において、情報処理装置10は、ユーザ端末30からの新規ユーザ登録の要求に応じ、投票者としてユーザ登録するための所定の登録用画面情報(図示せず)をユーザ端末30へ送信(返信)する。
ステップS303において、ユーザ端末30は、情報処理装置10より送信されたユーザ登録用画面情報を表示し、所定の登録情報の受け付け後、情報処理装置10に対して登録情報を送信する。
【0089】
ステップS302において、情報処理装置10は、ユーザ端末30から所定の必須登録情報を受け付けたか否か判定し、所定の必須登録情報を受け付けた場合、受け付けた登録情報をユーザ情報DB210へ登録(記憶)する。なお、所定の必須登録情報を受け付けていない場合、所定の必須登録情報をすべて入力するように注意喚起するメッセージをユーザ端末30へ送信する。
なお、ユーザ情報受付部112で受け付けられる登録情報は、当該ユーザの特定がされることのない属性に関する個人情報である。
新規ユーザとしての登録を行うことで、所定の選挙において疑似投票などのサービスを行うことができる。
【0090】
ステップS305において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムでのサービス利用の要求を送信する。
ステップS306において、情報処理装置10は、ユーザ端末30から受け付けたメールアドレスとパスワードの認証を行い、ログインOKであれば、本システムでのサービスの利用を許可し、本システムのホーム画面情報をユーザ端末30へ送信する。
【0091】
ステップS307において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである模擬投票の要求を送信する。
ステップS308において、情報処理装置10は、ユーザ端末30から受け付けた模擬投票の要求に応じ、候補者選択画面情報をユーザ端末30へ送信する。
ステップS309において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して投票した候補者に関する投票先情報を送信する。
ステップS310において、情報処理装置10は、ユーザ端末30から送信された投票先情報を受信し、受け付けた投票先情報を投票履歴情報DB230へ登録(記憶)する。
【0092】
ステップS311において、情報処理装置10は、投票理由を問うアンケート情報をユーザ端末30へ送信する。
ステップS312において、ユーザ端末30は、アンケートに対する回答情報を受け付けた後、情報処理装置10回答情報を送信する。
ステップS313において、情報処理装置10は、ユーザ端末30から受け付けた回答情報を、先に受け付けた投票先情報に関連付けて投票履歴情報DB230へ登録(記憶)する。
【0093】
そして、
図4-2に示すように、ステップS314において、情報処理装置10は、ユーザ端末30からの回答情報の受け付け後、特典情報を当該ユーザ端末30へ送信する。
ステップS315において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである投票履歴閲覧の要求を送信する。
ステップS316において、情報処理装置10は、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて投票履歴を生成し、投票履歴情報をユーザ端末30へ送信する。
【0094】
ステップS317において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである投票マップ閲覧の要求を送信する。
ステップS318において、情報処理装置10は、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、所望の投票マップを生成し、投票マップ情報をユーザ端末30へ送信する。
【0095】
ステップS319において、ユーザ端末30は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである店舗検索の要求を送信する。
ステップS320において、情報処理装置10は、ユーザ端末30からの店舗検索の要求を特典管理装置70へ送信する。
ステップS321において、特典管理装置70は、特典付与が可能な店舗情報をユーザ端末30へ送信する。
【0096】
ここで、ステップS301においてユーザ端末30で行う新規ユーザ登録方法は、例えば、
図5に示すように行うことができる。
図5は、ユーザが専用アプリケーションソフトを起動させたときに、ユーザ端末30に表示される本システムを利用するための認証画面300の構成の例を示す模式図である。
【0097】
図5に示すように、この認証画面300には、本システムのタイトル画像301と、ログインするためのメールアドレス入力ボックス302と、ログインするためのパスワード入力ボックス303と、ログインを選択するログインボタン304と、投票者として新規ユーザ登録を選択する投票者登録ボタン305と、教育機関として新規ユーザ登録を選択する教育機関登録ボタン306が示されている。
【0098】
したがって、投票者として新規登録を希望するユーザは、投票者登録ボタン305を選択(タップ)し、教育機関として新規登録を希望するユーザは、教育機関登録ボタン306を選択する。
一方、既にユーザ登録が完了しており、ユーザ端末30においてログインする場合は、
図5に示すメールアドレス入力ボックス302に登録したメールアドレスを入力すると共に、パスワード入力ボックス303に設定したパスワードを入力し、ログインボタン304を選択する。これにより、本システムが提供する様々なサービスを利用することが可能となる。
【0099】
また、ステップS307においてユーザ端末30で行う模擬投票要求や、ステップS315においてユーザ端末30で行う投票履歴閲覧要求、ステップS317においてユーザ端末30で行う投票マップ閲覧要求、及びステップS319においてユーザ端末30で行う店舗検索要求の方法は、例えば、
図6に示すように行うことができる。
【0100】
図6は、ユーザがログインに成功したときに、ユーザ端末30に表示される本システムのホーム画面310の構成の例を示す模式図である。
【0101】
図6に示すように、このホーム画面310には、本システムのサービス名称であるタイトル画像311と、イメージキャラクタを示すキャラクタ画像312と、本システムで提供されるサービスの各動作を実行する画面に切り替える切替画像313が示されている。
また、
図6には、切替画像313として、模擬投票の実施を選択する模擬投票ボタン314と、投票履歴の閲覧を選択する投票履歴ボタン315と、投票マップの閲覧を選択する投票マップボタン316と、模擬投票により付与された特典の利用場所の検索を選択する店舗検索ボタン317が示されている。
【0102】
したがって、模擬投票を希望するユーザは、模擬投票ボタン314を選択(タップ)する。また、投票履歴の閲覧を希望するユーザは、投票履歴ボタン315を選択(タップ)する。また、投票マップの閲覧を希望するユーザは、投票マップボタン316を選択(タップ)する。そして、特典の利用場所の検索を希望するユーザは、店舗検索ボタン317を選択(タップ)すればよい。
【0103】
次に、情報処理装置10での詳細な教材生成処理の流れについて説明する。
図7,12,14および
図17は、本実施形態に係る教材生成処理の一例をそれぞれ示すフローチャート図である。
ここでは、ユーザが本システムを利用するためのログインに成功した(許可された)後、ユーザ端末30から模擬投票の要求を受け付けた場合の流れを、
図7に基づいて説明する。
【0104】
図7に示すように、ステップS401において、投票参加受付部114は、ユーザ端末30から本システムで実施される選挙への模擬投票要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。投票参加受付部114が、模擬投票要求を受け付けた場合(S401でYES)、ステップS402へ進み、そうでない場合(S401でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
ステップS401において、投票参加受付部114は、ユーザ情報DB210に記憶する居住地域情報または郵便番号情報から当該ユーザの選挙区を特定し、さらに候補者情報DB220を参照して、投票が可能な所定の選挙に関する情報をユーザ端末30へ送信する。
【0105】
引き続き、ステップS402において、投票参加受付部114は、投票を行う選挙の選択情報を受け付けたか否か判定する処理を行う。
投票参加受付部114が、投票を行う選挙の選択情報を受け付けた場合(S402でYES)、ステップS403へ進み、そうでない場合(S402でNO)は、投票を行う選挙情報を選択(入力)するように注意喚起するメッセージをユーザ端末30へ送信すると共に、ステップS402での判定を繰り返し行う。
【0106】
ステップS403において、投票者判定部130は、ユーザは選択された選挙において投票が可能か否か判定する処理を行う。投票者判定部130が、判定を行う方法は、ユーザ情報受付部112で受け付けてユーザ情報DB210に記憶する個人情報と、事前に投票条件設定部120で設定した、所定の選挙において投票を可能とするユーザの条件に基づいて行う。
【0107】
ゆえに、投票者判定部130は、例えば、投票条件設定部120で設定されたユーザの条件を確認して学生と設定されていた場合、ユーザ情報DB210においてユーザが所属する教育機関情報が登録されているか否か確認し、教育機関情報が登録されていれば、ユーザは学生と判断して投票は可能と判断する。また、投票者判定部130は、例えば、投票条件設定部120で設定されたユーザの条件を確認して18歳未満と設定されていた場合、ユーザ情報DB210においてユーザの年齢または生年月日を確認し、年齢が17歳と確認されれば、ユーザは18歳未満であると判断して投票は可能と判断する。
【0108】
投票者判定部130が、ユーザは選択された選挙において投票が可能と判定した場合(S403でYES)、投票者判定部130は、投票が可能であることを知らせる判断結果を投票参加受付部114へ送信してステップS404へ進み、そうでない場合(S403でNO)は、ステップS410へ進む。
【0109】
ステップS404において、投票参加受付部114は、投票者判定部130からの判断結果を受け付け、候補者情報DB220を参照して、選択された所定の選挙に立候補された候補者に関する情報をユーザ端末30へ送信する。
ステップS405において、投票先情報受付部116は、引き続きユーザ端末30から投票情報を受け付けたか否か判定する処理を行う。この投票情報の受付の判定は、ユーザ端末30から当該ユーザが選択した候補者に関する投票先情報を受け付けたか否かにより判定することができる。
【0110】
投票先情報受付部116が、投票先情報を受け付けたと判定した場合(S405でYES)、投票先情報受付部116は、当該投票先情報を投票履歴情報DB230へ登録してステップS406へ進み、そうでない場合(S405でNO)は、投票を行う候補者を選択するように注意喚起するメッセージをユーザ端末30へ送信すると共に、ステップS405での判定を繰り返し行う。
【0111】
ステップS406において、投票理由取得部140は、模擬投票を行ったユーザに対して投票の理由を問う質問として、所定の評価項目の判定に対応する質問アンケート情報をユーザ端末30へ送信する処理を行う。
引き続きステップS407において、投票理由取得部140は、送信した質問アンケート情報に対する回答情報を受け付けたか否か判定する処理を行う。
【0112】
投票理由取得部140が、回答情報を受け付けたと判定した場合(S407でYES)、ステップS408へ進み、そうでない場合(S407でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
ステップS408において、投票理由取得部140は、受け付けた回答情報を投票理由として投票履歴情報DB230へ登録する処理を行う。
【0113】
そして、ステップS409において、特典付与部150は、投票理由取得部140が回答情報を受け付けたことに応じ、当該ユーザに対して特典を付与するため特典情報をユーザ端末30へ送信する処理を行う。具体的には、特典付与部150は、回答情報を受け付けた回答受付情報を特典管理装置70へ送信し、特典管理装置70が発行した特典情報を、特典付与部150を介してまたは特典管理装置70から直接ユーザ端末30へ送信する。
ステップS409において、特典情報がユーザ端末30へ送信された後、サーバ10での一連の動作は終了する(END)。
【0114】
一方、ステップS403において、投票が可能でない場合(S403でNO)は、ステップS410において、エラー情報をユーザ端末30へ送信する処理を行う。
その後、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0115】
ここで、ステップS401において、ユーザ端末30で行う投票を行う選挙の選択方法は、例えば、
図8に示すように行うことができる。
図8は、ホーム画面310においてユーザが模擬投票ボタン314を選択したときに、ユーザ端末30に表示される投票選挙選択画面320の構成の例を示す模式図である。
【0116】
図8に示すように、この投票選挙選択画面320には、タイトル画像321と、投票を行う選挙情報を入力する選挙情報入力ボックス322と、参加可能な選挙情報の一覧を表示するためのプルダウンボタン323と、参加可能な選挙情報の一覧が表示されたプルダウンメニュ324と、投票を行う選挙情報の決定を行う決定ボタン325が示されている。
【0117】
また、
図8において、プルダウンメニュ324には、参加可能な選挙情報として、2023春:第20回統一地方選挙、2022夏:第26回参議院選挙(比例代表)、2022夏:第26回参議院選挙(選挙区)・・・と例示されている。
【0118】
したがって、模擬投票を行うユーザは、プルダウンボタン323を押してプルダウンメニュ324を表示させ、この一覧の中から投票を行う選挙情報を選択すると、選択された選挙情報が選挙情報入力ボックス322に入力される。そして、この選挙に投票することを希望するのであれば、決定ボタン325を押す。
【0119】
また、ステップS404において、ユーザ端末30で行う投票を行う候補者の選択方法は、例えば、
図9に示すように行うことができる。
図9は、投票選挙選択画面320ユーザが投票を行う選挙を選択し、決定ボタン325を押したときに、ユーザ端末30に表示される候補者選択画面330の構成の例を示す模式図である。
【0120】
図9に示すように、この候補者選択画面330には、タイトル画像331と、投票を行う選挙名情報332と、候補者の一覧情報333と、投票を行う候補者を選択する選択ボタン334と、投票を実行する決定ボタン335が示されている。
また、
図9において、投票を行う選挙名情報332として、2022夏:第26回参議院選挙(選挙区)、候補者の一覧情報333として、恵比寿一男と渋谷二郎と原宿三彦と、代々木四介が例示されている。
【0121】
したがって、模擬投票を行うユーザは、候補者の一覧情報333として表示された候補者の中から投票を行う候補者を決め、当該候補者に対応する選択ボタン334を選択して印を付した後、決定ボタン335を押す。
図9において、恵比寿一男に対応する選択ボタン334に印が付され、投票されたことが示されている。
【0122】
また、ステップS406において、ユーザ端末30で行う質問アンケートに対する回答方法は、例えば、
図10に示すように行うことができる。
【0123】
図10は、候補者選択画面330においてユーザが投票を行う候補者を選択し、決定ボタン335を押した後に、ユーザ端末30に表示されるアンケート回答画面340の構成の例を示す模式図である。
【0124】
図10に示すように、このアンケート回答画面340には、タイトル画像341と、質問アンケート情報342と、回答を入力する回答情報入力ボックス343と、回答情報の一覧を表示するためのプルダウンボタン344と、回答情報の一覧が表示されたプルダウンメニュ345と、回答情報の決定を行う決定ボタン346が示されている。
【0125】
また、
図10において、質問アンケート情報342として、Q.投票する上で何を最も参考にしましたか?が例示され、プルダウンメニュ345には、選択可能な回答情報として、テレビ、新聞、ラジオ、AAATubeなどのネットメディア、BBBgram、などのポータルサイト、ニュースサイト・ニュースアプリ、検索サイトなどでの検索、候補者のWebサイトやSNSが例示されている。
【0126】
したがって、模擬投票を行うユーザは、プルダウンボタン344を押してプルダウンメニュ345を表示させ、この一覧の中から質問アンケートに対する回答を選択すると、選択された回答情報が回答情報入力ボックス343に入力される。そして、この回答を良いのであれば、決定ボタン346を押す。
【0127】
なお、本実施形態では、質問アンケートが、最も参考にしたものを問うているので一つだけ選択するものとしているが、複数の回答を選択できるようにしてもよい。
また、質問アンケート情報342は、上述したものに限定されず、所定の評価項目を判断することできる内容であれば、自由に設定することができる。
【0128】
さらに、ステップS609において、ユーザ端末30で特典情報を受け取る方法は、例えば、
図11に示すように行うことができる。
図11は、アンケート回答画面340においてユーザが質問アンケートに対する回答を選択し、決定ボタン346を押した後に、ユーザ端末30に表示される特典取得画面350の構成の例を示す模式図である。
【0129】
図11に示すように、この特典取得画面350には、特典としてクーポンを取得したことを示すクーポン獲得画像351と、割引などのサービスを受ける際に店舗へ提示することとなるクーポン画像352が示されている。また、クーポン画像352には、サービスを受ける際に店舗で読み取られるQRコード(登録商標)のような読取画像353が含まれている。
【0130】
次に、ユーザがログインに成功した(許可された)後、ユーザ端末30から投票履歴の閲覧要求を受け付けた場合の流れを、
図12に基づいて説明する。
図12に示すように、ステップS501において、教材提供部164が、ユーザ端末30から本システムで提供される投票履歴の閲覧要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
教材提供部164が、投票履歴の閲覧要求を受け付けた場合(S501でYES)、ステップS502へ進み、そうでない場合(S501でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0131】
ステップS502において、教材生成部162は、受け付けた投票履歴の閲覧要求に従い、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、投票履歴情報を生成する処理を行う。
そして、ステップS503において、教材提供部164は、教材生成部162が生成した教材としての投票履歴情報をユーザ端末30へ送信する処理を行う。
ステップS503において、投票履歴情報がユーザ端末30へ送信された後、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0132】
ここで、ステップS501において、ユーザ端末30で行う投票履歴の閲覧要求の方法は、例えば、
図6に示すホーム画面310から行うことができる。
つまり、投票履歴の閲覧を要求するユーザは、投票履歴ボタン315を選択(タップ)する。
【0133】
また、ステップS503において、ユーザ端末30で投票履歴を閲覧する方法は、例えば、
図13に示すように行うことができる。
図13は、ホーム画面310において投票履歴ボタン315を選択した後に、ユーザ端末30に表示されるMy投票履歴画面360の構成の例を示す模式図である。
【0134】
図13において、このMy投票履歴画面360には、ユーザ画像361と、ユーザの現在の学籍番号362と、自分の投票履歴であることを示すタイトル画像363と、ユーザの投票時年齢364と、ユーザが投票を行った候補者(政党)を示す投票先情報365と、投票先の変化を示すグラフ366と、ユーザが模擬投票を行った年齢ごとの回数を示す投票行動履歴情報367と、ユーザが特典を利用した年齢ごとの回数を示す選挙割行動履歴368が示されている。この際、タイトル画像363には自分の本名ではなくニックネームが表示される。
【0135】
つまり、ユーザ画像361やユーザの学籍番号362、ユーザの投票時年齢364は、ユーザ情報の新規登録時にユーザ情報受付部112において個人情報として収集されている。また、投票先情報365は、模擬投票の際に投票先情報受付部116にて収集され、投票先の変化を示すグラフ366は、収集した投票先情報に基づいて作成することができる。また、投票行動履歴情報367は、投票先情報受付部116にて受け付けた投票先情報の数をカウントすればよく、選挙割行動履歴368は、特典管理装置70から取得することができる。
【0136】
図13において、学籍番号2020-0123のユーザが、14歳から18歳まで模擬投票を行い、投票先は、最初CだったものがDへ変更され、続いてBへ変更されたが最終的にDに落ち着いていることが示されている。また、
図12において、14歳のときは4回模擬投票を行って、そのうち2回は付与された特典を利用し、15歳のときは7回模擬投票を行って、そのうち4回は付与された特典を利用し、16歳のときは8回模擬投票を行って、そのうち6回は付与された特典を利用し、17歳のときは8回模擬投票を行って、そのうち8回は付与された特典を利用し、18歳のときは9回模擬投票を行って、そのうち4回は付与された特典を利用していることが示されている。
【0137】
次に、ユーザがログインに成功した(許可された)後、ユーザ端末30から投票マップの閲覧要求を受け付けた場合の流れを、
図14に基づいて説明する。
図14に示すように、ステップS601において、教材提供部164が、ユーザ端末30から本システムで提供される投票マップの閲覧要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
教材提供部164が、投票マップの閲覧要求を受け付けた場合(S601でYES)、ステップS602へ進み、そうでない場合(S601でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0138】
ステップS602において、教材生成部162は、受け付けた投票マップの閲覧要求に従い、閲覧が可能な所定のマップに関する情報をユーザ端末30へ送信する。
引き続き、ステップS603において、教材生成部162は、表示(マップの生成)を行うマップの選択情報を受け付けたか否か判定する処理を行う。
【0139】
教材生成部162が、表示するマップの選択情報を受け付けた場合(S603でYES)、ステップS604へ進み、そうでない場合(S603でNO)は、表示を行うマップを選択するように注意喚起するメッセージをユーザ端末30へ送信すると共に、ステップS603での判定を繰り返し行う。
【0140】
ステップS604において、教材生成部162は、受け付けたマップの選択情報に従い、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、所望の投票マップを生成する処理を行う。
そして、ステップS605において、教材提供部164は、教材生成部162が生成した教材としての投票マップ情報をユーザ端末30へ送信する処理を行う。
【0141】
引き続き、ステップS606において、教材生成部162は、ユーザ端末30から投票マップの変更要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
ゆえに、教材生成部162が、マップ変更要求情報を受け付けた場合(S606でYES)、ステップS603へ戻り、そうでない場合(S606でNO)は、マップ情報がユーザ端末30へ送信された後、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0142】
ここで、ステップS601において、ユーザ端末30で行う投票マップの閲覧要求の方法は、例えば、
図6に示すホーム画面310から行うことができる。
つまり、投票マップの閲覧を要求するユーザは、投票マップボタン316を選択(タップ)する。
【0143】
また、ステップS621において、ユーザ端末30で行うマップの選択方法は、例えば、
図15に示すように行うことができる。
図15は、ホーム画面310においてユーザが投票マップボタン316を選択したときに、ユーザ端末30に表示されるマップ選択画面370の構成の例を示す模式図である。
【0144】
図15に示すように、このマップ選択画面370には、タイトル画像371と、表示を行うマップ情報を入力するマップ情報入力ボックス372と、表示可能なマップ情報の一覧を表示するためのプルダウンボタン373と、表示可能なマップ情報の一覧が表示されたプルダウンメニュ374と、表示を行うマップ情報の決定を行う決定ボタン375が示されている。
【0145】
したがって、投票マップの閲覧を希望するユーザは、プルダウンボタン373を押してプルダウンメニュ374を表示させ、この一覧の中から表示を希望するマップ情報を選択すると、選択されたマップ情報がマップ情報入力ボックス372に入力される。そして、このマップを表示することを希望するのであれば、決定ボタン375を押す。
【0146】
また、ステップS623において、ユーザ端末30で投票マップを閲覧する方法は、例えば、
図16に示すように行うことができる。
図16は、マップ選択画面370において所望のマップ情報を選択した後に、ユーザ端末30に表示される投票マップ画面380の構成の例を示す模式図である。
【0147】
図16に示すように、この投票マップ画面380には、表示する投票マップの種類を示すタイトル画像381と、投票マップ画像382と、一つ前のマップ選択画面370へ戻ることを要求する戻るアイコン383が示されている。
この投票マップ画面380には、投票マップ画像382として都道府県ごとに、どの投票先が最も多いかを示す地域別投票先情報マップが示されている。具体的には、
図16において、投票先Aは白色、投票先Bは平行斜線、投票先Cは網掛け、投票先Dは黒色で示されたものとなっている。
【0148】
つまり、地域情報は、ユーザ情報の新規登録時にユーザ情報受付部112において個人情報として収集されている。また、投票先情報365は、模擬投票の際に投票先情報受付部116にて収集されている。
【0149】
さらに、ステップS624において、ユーザ端末30で行う投票マップの変更要求の方法は、例えば、
図16に示す投票マップ画面380において戻るアイコン383を押して、
図15に示すマップ選択画面370に戻ることで行うことができる。つまり、マップ選択画面370で再度プルダウンボタン373を押してプルダウンメニュ374を表示させ、この一覧の中から表示を希望する新たなマップ情報を選択し、決定ボタン375を押せばよい。
【0150】
このような投票マップは、選挙の投票行動に関する情報に基づいて生成されるものであるので、政治的な不公正につながるおそれのある活動に利用されかねない。ゆえに、ユーザ登録する際に求める個人情報や、質問アンケートの中に、政治的関係者を見極める項目を設け、投票マップの閲覧に制限をかけるブロック機能を設けるようにしてもよい。具体的には、例えば、Q.貴方の親族に政治家はいますか?というアンケートを設け、「はい」という回答をしたユーザは、自分の投票履歴は閲覧できるが、投票マップを閲覧することができないようにする。
【0151】
なお、本情報処理装置(サーバ)10では、収集された各情報を用いることで投票履歴や投票マップ以外にも、設定により選挙における主権者教育を行うための教材を生成することができる。
【0152】
次に、ユーザがログインに成功した(許可された)後、ユーザ端末30から店舗検索の要求を受け付けた場合の流れを、
図17に基づいて説明する。
図17に示すように、ステップS701において、特典付与部150が、ユーザ端末30から本システムで付与される特典の利用可能な店舗を問う店舗検索要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
【0153】
その結果、特典付与部150は、店舗検索要求を受け付けたと判定した場合(S701でYES)、ステップS702へ進み、そうでない場合(S701でNO)は、サーバ10での一連の動作を終了する(END)。
そして、ステップS702において、特典付与部150は、特典管理装置70へ接続する処理を行い、サーバ10での一連の動作を終了する(END)。
【0154】
ここで、ステップS701において、ユーザ端末30で行う店舗検索要求の方法は、例えば、
図6に示すホーム画面310から行うことができる。
つまり、店舗検索を要求するユーザは、店舗検索ボタン317を選択(タップ)する。
なお、図示しないが、店舗検索が実行された後、ユーザ端末30へ送信される店舗情報は、例えば、ユーザ端末30の位置情報に基づいて、ユーザ端末30の表示部にプッシュ通知画像が表示されるものとしてもよい。さらに説明をすると、ユーザ端末30を所有する投票者が移動することで、投票者(ユーザ端末30)から予め定めた距離(例えば、300m)内に、特典が提供される店舗が存在する状態となると、プッシュ通知画像がユーザ端末30の表示部に表示されるものとする。
【0155】
この際、投票者がプッシュ通知画像を操作すると、ユーザ端末30の周辺を示す地図である近隣店舗画像がユーザ端末30に表示される。この近隣店舗画像は、ユーザ端末30すなわち投票者の現在地を示す現在地画像と、それぞれ近隣店舗を示す近隣第1店舗画像 および近隣第2店舗画像とを有する。
【0156】
そして、近隣第1店舗画像および近隣第2店舗画像のいずれかが投票者によって選択されると、選択された店舗におけるクーポン画像がユーザ端末30に表示される。このクーポン画像を該当する店舗の店舗管理者に見せることで、投票者は料金の割引を受けることができる。このとき、店舗においては、クーポン画像の読取画像を読取装置で読み取ることにより利用記録がなされる。
【0157】
上述の実施形態によれば、実際の選挙に基づいた単発的な投票調査ではなく、模擬投票を通じてユーザ(投票者)の投票行動に関する情報を収集することができるので、ユーザの個人情報と関連付けられた投票先を知ることができる。しかも、ユーザの個人情報は個人が特定されることのない属性に関するものであるので、その情報を第三者が用いることで、今後の選挙への投票に結び付くような主権者教育を行うための投票履歴や地域別投票マップといった教材を生成することができる。
【0158】
つまり、本実施形態では、取集した情報を、年代や地域、学校別に主権者教育の効果測定として活かし、より意義のある教育カリキュラム策定資料として取り扱うことで、ユーザの投票履歴や地域別マップといった主催者教育のための教材とすることができる。ゆえに、この教材を用いた教育によって、選挙を通した社会参加意識を高めることが期待できる。さらに、取集した情報を、選挙広報などの効果測定として活かし、より効果的な選挙広報の実施に繋げることができる。
【0159】
また、本実施形態では、選挙の候補者情報などに基づいた模擬投票をアプリで実施し、併せて投票理由、投票するまでの情報収集過程を問うアンケートに回答することにより、主権者教育を行うための種々の教材を生成すると共、割引きサービスなどの特典を享受することができる。
【0160】
また、本実施形態による模擬選挙におけるアンケートの回答結果と、本出願人が提唱するセンキョ割活動教育の実績とを連動し、個人の投票活動時系列データを多様に相関させ、地域や学校における教育の成熟度やメディア影響度を客観的指標で明示化させる教材生成システムとすることができる。
【0161】
なお、センキョ割活動教育とは、学校の主権者教育や探究学習、公共科目などを対象に、生徒たちがチームを組み、地域や企業に選挙をきっかけとした地域活性化策を提案、参加を促し、その中でヒアリングも行いつつ地域課題等を腑に落とし、内発的動機づけを育てつつ、社会参加意識を高める教育プログラムのことである。
【0162】
<第2の実施形態>
次に、模擬投票を行った生徒の投票行動を通じて、教育機関が主権者教育を行うための教材を生成する場合を説明する。
なお、以下に述べる他の実施形態では、上述した第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第1の実施形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0163】
図18は、本実施形態に係る情報処理の他の一例を示すシーケンス図である。
【0164】
図18に示すように、ステップS801において、教育機関端末50が、情報処理装置10に対して本システムでのサービス利用の要求し、ステップS802において、ログインOKであって本システムでのサービスの利用が許可された後の処理の流れについて説明する。
なお、情報処理装置10では、ログインの際に受け付けたメールアドレスから、ユーザが生徒であるか教育機関であるか判定し、それぞれの処理ステップを実行するように振り分けている。
【0165】
ステップS803において、教育機関端末50は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである独自アンケートを作成するためのアンケート編集の要求を送信する。
ステップS804において、情報処理装置10は、教育機関端末50から受け付けたアンケート編集の要求に応じ、独自アンケート作成情報を教育機関端末50へ送信する。
【0166】
ステップS805において、教育機関端末50は、情報処理装置10に対して予め準備された質問アンケートを独自のアンケートへ変更したカスタマイズ情報を送信する。
ステップS806において、情報処理装置10は、教育機関端末50から送信されたカスタマイズ情報を受信する。
そして、ステップS807において、情報処理装置10は、受け付けたカスタマイズ情報を質問情報DB240へ登録(記憶)する。
【0167】
ステップS808において、教育機関端末50は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである生徒の投票履歴閲覧の要求を送信する。
ステップS809において、情報処理装置10は、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて投票履歴を生成し、投票履歴情報を教育機関端末50へ送信する。
【0168】
ステップS810において、教育機関端末50は、情報処理装置10に対して本システムが提供するサ-ビスの一つである投票マップ閲覧の要求を送信する。
ステップS811において、情報処理装置10は、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、所望の投票マップを生成し、投票マップ情報を教育機関端末50へ送信する。
【0169】
ここで、ステップS803において教育機関端末50で行うアンケート編集要求や、ステップS808において教育機関端末50で行う生徒投票履歴閲覧要求、ステップS810において教育機関端末50で行う投票マップ閲覧要求の方法は、例えば、
図19に示すように行うことができる。
【0170】
図19は、ユーザ(教育機関)がログインに成功したときに、教育機関端末50に表示される本システムの教育機関用のホーム画面510の構成の例を示す模式図である。
【0171】
図19に示すように、このホーム画面510には、本システムのサービス名称であるタイトル画像511と、イメージキャラクタを示すキャラクタ画像512と、本システムで提供されるサービスの各動作を実行する、アンケート編集ボタン513、生徒投票履歴ボタン514、投票マップボタン515が示されている。
【0172】
アンケート編集ボタン513は、模擬投票を行ったユーザに対して送信する質問アンケートの内容を変更する編集を要求するものである。生徒投票履歴ボタン514は、生徒の投票履歴と、質問アンケートへの回答に基づく各項目の評価結果の閲覧を要求するものである。投票マップボタン515は、生徒の投票行動に基づく地域別の投票マップの閲覧を要求するものである。
【0173】
したがって、質問アンケートの内容を変更することを要求する教育機関は、アンケート編集ボタン513を選択(クリック)する。また、生徒の投票履歴の閲覧を希望する教育機関は、生徒投票履歴ボタン514を選択(クリック)する。そして、投票マップの閲覧を希望する教育機関は、投票マップボタン515を選択(クリック)すればよい。
【0174】
次に、情報処理装置10での詳細な教材生成処理の他の流れについて説明する。
図20,
図22,および
図24は、本実施形態に係る教材生成処理の他の一例をそれぞれ示すフローチャート図である。
ここでは、上述した第1の実施形態と同じ処理の説明は省略し、ユーザ(教育機関)が本システムを利用するためのログインに成功した(許可された)後、教育機関端末50からアンケート編集の要求を受け付けた場合の流れを、
図20に基づいて説明する。
【0175】
図20に示すように、ステップS901において、質問変更情報受付部170が質問アンケートの編集要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
質問変更情報受付部170が質問アンケートの編集要求を受け付けた場合(S901でYES)、ステップS902へ進み、そうでない場合(S901でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0176】
ステップS902において、質問変更情報受付部170は、質問アンケートの内容を変更したカスタマイズ情報を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
質問変更情報受付部170が、カスタマイズ情報を受け付けた場合(S902でYES)、ステップS903へ進み、そうでない場合(S902でNO)は、カスタマイズ情報(編集後のアンケート情報)を送信するように注意喚起するメッセージを教育機関端末50へ送信すると共に、ステップS902での判定を繰り返し行う。
【0177】
そして、ステップS903において、質問変更情報受付部170は、受け付けたカスタマイズ情報を教育機関情報に関連付けて質問情報DB240へ登録(記憶)する処理を行う。
その後、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0178】
ここで、ステップS901において、教育機関端末50で行う質問アンケートの編集要求の方法は、例えば、
図19に示すホーム画面510から行うことができる。
つまり、質問アンケートの編集を要求するユーザ(教育機関)は、アンケート編集ボタン513を選択(クリック)する。
【0179】
また、ステップS902において、教育機関端末50で行う質問アンケートの内容を変更する方法は、例えば、
図21に示すアンケート作成画面520から行うことができる。
図21は、ホーム画面510においてアンケート編集ボタン513を選択した後に、教育機関端末50に表示されるアンケート作成画面520の構成の例を示す模式図である。
【0180】
図21に示すように、このアンケート作成画面520には、質問情報DB240に登録されているアンケート項目の一覧を表示する登録アンケート表示欄521と、編集後のアンケートの一覧を表示する編集アンケート表示欄522と、登録アンケート表示欄521において選択されたアンケートを編集アンケート表示欄522へ取り込む移行ボタン523と、編集アンケート表示欄522に表示されているアンケートの登録を解除する取消ボタン524が表示されている。
【0181】
また、
図21において、新たなアンケートを作成するアンケート入力欄525と、アンケートに対する回答より判定する所定の評価項目表示欄526と、アンケートに関連付ける評価項目を選択する選択ボタン527と、新たに作成したアンケートを編集アンケート表示欄522へ取り込む追加ボタン528と、編集アンケート表示欄522に表示された内容を投票者へ送信する教育機関独自のアンケートとして登録する登録ボタン529が表示されている。
【0182】
つまり、既に登録されているアンケート項目の中で数の増減を行う場合は、登録アンケート表示欄521に表示されたアンケート項目を選択して移行ボタン523を押したり、編集アンケート表示欄522に表示されたアンケート項目を選択して取消ボタン524を押したりすることで、教育機関独自のアンケートを編集することができる。
【0183】
また、教育機関独自のアンケート項目を追加したい場合は、アンケート入力欄525へ新たなアンケートを入力すると共に、当該アンケートに関連付ける評価項目に該当する追加ボタン528を選択した後、追加ボタン528を押すことで、教育機関独自のアンケートを編集することができる。
そして、アンケートの編集後、登録ボタン529を押すことで、カスタマイズ情報がサーバ10へ送信される。
【0184】
次に、ユーザがログインに成功した(許可された)後、教育機関端末50から生徒投票履歴の閲覧要求を受け付けた場合の流れを、
図22に基づいて説明する。
図22に示すように、ステップS1001において、教材提供部164が、教育機関端末50から本システムで提供される生徒の投票履歴の閲覧要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
教材提供部164が、生徒投票履歴の閲覧要求を受け付けた場合(S1001でYES)、ステップS1002へ進み、そうでない場合(S1001でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0185】
ステップS1002において、教材生成部162は、受け付けた生徒投票履歴の閲覧要求に従い、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、生徒投票履歴情報を生成する処理を行う。この際、生徒投票履歴の閲覧を要求する教育機関情報はログインの際に分かっているので、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報の中に当該教育機関情報が登録されているユーザに限定して生徒投票履歴情報は生成される。
【0186】
そして、ステップS1003において、教材提供部164は、教材生成部162が生成した教材としての生徒投票履歴情報を教育機関端末50へ送信する処理を行う。
ステップS1003において、生徒投票履歴情報が教育機関端末50へ送信された後、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0187】
ここで、ステップS1001において、教育機関端末50で行う生徒投票履歴の閲覧要求の方法は、例えば、
図19に示すホーム画面510から行うことができる。
つまり、生徒の投票履歴の閲覧を要求する教育機関は、生徒投票履歴ボタン514を選択(クリック)する。
【0188】
また、ステップS1003において、教育機関端末50が生徒投票履歴を閲覧する方法は、例えば、
図23に示すように行うことができる。
図23は、ホーム画面510において生徒投票履歴ボタン514を選択した後に、教育機関端末50に表示される生徒投票履歴画面530の構成の例を示す模式図である。
【0189】
図23において、この生徒投票履歴画面530には、既述したMy投票履歴画面360と同様に、生徒画像531と、生徒の学籍番号532と、所定の生徒の投票履歴であることを示すタイトル画像533と、生徒の投票時年齢534と、生徒が投票を行った候補者(政党)を示す投票先情報535と、投票先の変化を示すグラフ536と、生徒が模擬投票を行った年齢ごとの回数を示す投票行動履歴情報537と、生徒が特典を利用した年齢ごとの回数を示す選挙割行動履歴538が示されている。
【0190】
また、この生徒投票履歴画面530は、教育機関が閲覧するものなので、さらに、質問アンケートの回答から判定した評価情報として、心理に関する情報と、思想に関する情報と、思考に関する情報といった三要素から判定した三要素評価レーダーチャート539aや、思考に関する情報をさらに、論理的緻密性、論理的整合性、論理的一貫性、他の正義への配慮と理解、および緻密な政策実現過程への配慮と理解といった五要素に分けて判定した思考詳細評価レーダーチャート539bが示されている。
【0191】
図23に示すように、生徒投票履歴画面530に示された生徒投票履歴情報は、既述したMy投票履歴画面360に示された投票履歴情報と同様なので説明は省略する。また、生徒投票履歴画面530に示された三要素評価レーダーチャート539aは、心理に関する評価は高いが、思想に関する評価は低く、思考に関する評価は平均的であることを示している。また、思考詳細評価レーダーチャート539bは、他の正義への配慮と理解に関する評価や論理的一貫性の評価は高いが、論理的緻密性や論理的整合性、および緻密な政策実現過程への配慮と理解に関する評価が低いことが示されている。
【0192】
したがって教育機関は、この評価情報を、探求学習や教育カリキュラムの策定の教材とすることで、教育の充実と質の向上を図ることが期待できる。
【0193】
次に、ユーザがログインに成功した(許可された)後、教育機関端末50から投票マップの閲覧要求を受け付けた場合の流れを、
図24に基づいて説明する。
図24に示すように、ステップS1101において、教材提供部164が、教育機関端末50から本システムで提供される投票マップの閲覧要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
教材提供部164が、投票マップの閲覧要求を受け付けた場合(S1101でYES)、ステップS1102へ進み、そうでない場合(S1101でNO)は、サーバ10での動作は終了する(END)。
【0194】
ステップS1102において、教材生成部162は、受け付けた投票マップの閲覧要求に従い、閲覧が可能な所定のマップに関する一覧情報を教育機関端末50へ送信する。
引き続き、ステップS1103において、教材生成部162は、表示(マップの生成)を行うマップの選択情報を受け付けたか否か判定する処理を行う。
【0195】
教材生成部162が、表示するマップの選択情報を受け付けた場合(S1103でYES)、ステップS1104へ進み、そうでない場合(S1103でNO)は、表示を行うマップを選択するように注意喚起するメッセージを教育機関端末50へ送信すると共に、ステップS1103での判定を繰り返し行う。
【0196】
ステップS1104において、教材生成部162は、受け付けたマップの選択情報に従い、ユーザ情報DB210に記憶されている個人情報と、投票履歴情報DB230に記憶されている投票先情報、および投票理由情報とに基づいて、所望の投票マップを生成する処理を行う。
そして、ステップS1105において、教材提供部164は、教材生成部162が生成した教材としての投票マップ情報を教育機関端末50へ送信する処理を行う。
【0197】
引き続き、ステップS1106において、教材生成部162は、教育機関端末50から投票マップの変更要求を受け付けたか(受信したか)否か判定する処理を行う。
教育機関端末50において投票マップの変更要求の方法は、図示しないが、ユーザ端末30と同様に行うことができる。
そして、教材生成部162が、マップ変更要求情報を受け付けた場合(S1106でYES)、ステップS1103へ戻り、そうでない場合(S1106でNO)は、マップ情報が教育機関端末50へ送信された後、サーバ10での一連の動作は終了する(END)。
【0198】
ここで、ステップS1101において、教育機関端末50で行う投票マップの閲覧要求の方法は、例えば、
図19に示すホーム画面510から行うことができる。
つまり、投票マップの閲覧を要求する教育機関は、投票マップボタン515を選択(クリック)する。
【0199】
また、ステップS1103において、教育機関端末50が行うマップの選択方法は、例えば、
図15に示すようにユーザ端末30と同様に行うことができる。
そして、ステップS1105において、教育機関端末50で投票マップを閲覧する方法は、例えば、
図25に示すように行うことができる。
図25は、所望のマップ情報を選択した後に、教育機関端末50に表示される投票マップ画面540の構成の例を示す模式図である。
【0200】
図25に示すように、この投票マップ画面540には、表示する投票マップの種類を示すタイトル画像541と、投票マップ画像542が示されているが、
図16においてユーザ端末30に表示される投票マップ画面380と同様なので、詳しい説明は省略する。
【0201】
このように本実施形態のシステムは、生徒の社会参加意識を確認することができるので、教育機関においても有効に活用することができる教材を生成することができる。つまり、本実施形態のシステムは、地域ごとの教育の助けになることから教育界にプラスとなり、ひいては選挙の投票率を上げる一助になるものと考えられる。
【0202】
なお、上述した一連の処理は例示に過ぎず、特に限定されない。ゆえに、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実装させることもできる。つまり、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるかは、特に上述の例に限定されない。
【0203】
本システムは、単純な投票結果だけでなく、投票行動に関する情報も継続的に時系列で収集し、年代別や地域別の効果測定として活かすことができるので、行政におけるサービス向上や、企業における商品開発などに寄与する資料の生成に応用されることが期待される。
【0204】
以上、本実施形態について説明したが、上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0205】
10…情報処理装置(サーバ)、30…ユーザ端末、50…教育機関端末、70…特典管理装置、110…受付部、112…ユーザ情報受付部、114…投票参加受付部、116…投票先情報受付部(例えば投票手段の一例)、120…投票条件設定部、130…投票者判定部、140…投票理由取得部(例えば取得手段の一例)、150…特典付与部、160…出力部(例えば出力手段の一例)、162…教材生成部、164…教材提供部、170…質問変更情報受付部、210…ユーザ情報DB、220…候補者情報DB、230…投票履歴情報DB、240…質問情報DB