IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開-温水暖房システム 図1
  • 特開-温水暖房システム 図2
  • 特開-温水暖房システム 図3
  • 特開-温水暖房システム 図4
  • 特開-温水暖房システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168844
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】温水暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20220101AFI20241128BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F24D3/00 A
F25B1/00 399Y
F25B1/00 397C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085846
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】田中 結衣
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勝
【テーマコード(参考)】
3L070
【Fターム(参考)】
3L070BB14
(57)【要約】
【課題】騒音発生を未然に阻止可能な温水暖房システムを提供する。
【解決手段】第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低くなるよう、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34を設置する。第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とを直列に接続した負荷側循環回路31において、第1液出口33bが第2液出口34bと同一高さ以下の場合、負荷側循環回路31内を循環液が流動すると、第1液出口33b付近に空気溜まりが発生しやすく騒音発生の原因となる。第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低い位置にあることで、循環液が流動するときに第1液出口33bが循環液で満たされ空気溜まりが発生しないことから、騒音発生を未然に阻止することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圧縮機、第1負荷側熱交換器、第1減圧手段、第1熱源側熱交換器を備え内部に冷媒を循環させる第1ヒートポンプ回路と、
第2圧縮機、第2負荷側熱交換器、第2減圧手段、第2熱源側熱交換器を備え内部に冷媒を循環させる第2ヒートポンプ回路と、
室内端末に循環液を循環させる負荷側循環ポンプを有した負荷側循環回路と、を備え、
前記負荷側循環回路は、前記第1負荷側熱交換器が前記第2負荷側熱交換器の上流側に位置すると共に、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器とが直列に設置され、
前記第1ヒートポンプ回路及び前記第2ヒートポンプ回路にある駆動部を動作させると共に前記負荷側循環ポンプを駆動させ、前記第1負荷側熱交換器及び前記第2負荷側熱交換器で前記循環液を加熱するものであり、
前記第1負荷側熱交換器は、
下部に位置し前記循環液が流入する第1液入口と、
上部に位置し前記第1液入口から流入した前記循環液が流出する第1液出口と、を有し、
前記第2負荷側熱交換器は、
下部に位置し前記第1液出口から流出した前記循環液が流入する第2液入口と、
上部に位置し前記第2液入口から流入した前記循環液が流出する第2液出口と、を有し、
前記第1液出口が前記第2液出口よりも高さが低くなるよう、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器を設置することを特徴とした温水暖房システム。
【請求項2】
前記第1液出口の上端が前記第2液出口の下端よりも高さが低くなるよう、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器を設置することを特徴とした請求項1記載の温水暖房システム。
【請求項3】
前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器は、水平方向に隣り合うよう設置することを特徴とした請求項2記載の温水暖房システム。
【請求項4】
前記第1負荷側熱交換器は、少なくとも前記第1液出口が水平方向を向くように設置することを特徴とした請求項1から3のいずれか1項に記載の温水暖房システム。
【請求項5】
前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器は、プレート式熱交換器で構成されたことを特徴とする請求項4記載の温水暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱された水や不凍液等の循環液を室内端末に供給する温水暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、圧縮機と、負荷側熱交換器と、膨張弁と、熱源側熱交換器とを冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路を複数備え、第1ヒートポンプ回路の第1負荷側熱交換器及び第2ヒートポンプ回路の第2負荷側熱交換器を直列に設置し、循環ポンプが駆動することで2つの負荷側熱交換器で加熱した循環液を室内に設置された室内端末に供給し、室内の暖房を行う負荷側循環回路を備えたものにおいて、第1負荷側熱交換器と第2負荷側熱交換器とを互いに隣り合うように設置するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6873988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、第1負荷側熱交換器の循環液が流出する第1液出口と、第2負荷側熱交換器の循環液が流出する第2液出口とが同一高さ位置となるよう、第1負荷側熱交換器と第2負荷側熱交換器とを設置した場合、上流側に位置する第1負荷側熱交換器の第1液出口の全体に循環液が行き渡らず空気溜まりが発生し、負荷側循環回路内を循環液が流動するとき空気溜まりにより第1液出口で騒音が発生することから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、第1圧縮機、第1負荷側熱交換器、第1減圧手段、第1熱源側熱交換器を備え内部に冷媒を循環させる第1ヒートポンプ回路と、
第2圧縮機、第2負荷側熱交換器、第2減圧手段、第2熱源側熱交換器を備え内部に冷媒を循環させる第2ヒートポンプ回路と、
室内端末に循環液を循環させる負荷側循環ポンプを有した負荷側循環回路と、を備え、
前記負荷側循環回路は、前記第1負荷側熱交換器が前記第2負荷側熱交換器の上流側に位置すると共に、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器とが直列に設置され、
前記第1ヒートポンプ回路及び前記第2ヒートポンプ回路にある駆動部を動作させると共に前記負荷側循環ポンプを駆動させ、前記第1負荷側熱交換器及び前記第2負荷側熱交換器で前記循環液を加熱するものであり、
前記第1負荷側熱交換器は、
下部に位置し前記循環液が流入する第1液入口と、
上部に位置し前記第1液入口から流入した前記循環液が流出する第1液出口と、を有し、
前記第2負荷側熱交換器は、
下部に位置し前記第1液出口から流出した前記循環液が流入する第2液入口と、
上部に位置し前記第2液入口から流入した前記循環液が流出する第2液出口と、を有し、
前記第1液出口が前記第2液出口よりも高さが低くなるよう、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器を設置する
ことを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記第1液出口の上端が前記第2液出口の下端よりも高さが低くなるよう、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器を設置することを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器は、水平方向に隣り合うよう設置することを特徴とした。
【0008】
また、請求項4では、前記第1負荷側熱交換器は、少なくとも前記第1液出口が水平方向を向くように設置することを特徴とした。
【0009】
また、請求項5では、前記第1負荷側熱交換器と前記第2負荷側熱交換器は、プレート式熱交換器で構成されたことを特徴とした。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、第1負荷側熱交換器が有する第1液出口が第2負荷側熱交換器が有する第2液出口よりも高さが低くなるよう、第1負荷側熱交換器と第2負荷側熱交換器を設置するので、負荷側循環回路内を循環液が流動するとき第1液出口の全体を循環液で十分に満たすことができ、空気溜まりの発生を防ぐことができるため、第1液出口での騒音発生を未然に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例における温水暖房システムの主要なユニットを示す構成図である。
図2】実施例の全体構成を示す構成図である。
図3】実施例の循環ポンプユニットの内部について主要な構成を示した正面視図である。
図4図3の負荷側熱交換器の上部付近を示す要部拡大正面視図
図5】比較例を示す要部拡大正面視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例を添付図に基づいて以下に説明する。
【0013】
図1を参照する。温水暖房システム1は、第1ヒートポンプ装置10と、第2ヒートポンプ装置20と、循環ポンプユニット30と、室内端末40と、リモコン50と、を有している。
第1ヒートポンプ装置10と循環ポンプユニット30は第1ヒートポンプ回路11を構成する第1冷媒配管12で接続され、第2ヒートポンプ装置20と循環ポンプユニット30は第2ヒートポンプ回路21を構成する第2冷媒配管22で接続されている。
循環ポンプユニット30と室内端末40は負荷側循環回路31を構成する往き管32a、及び戻り管32bで接続されている。
リモコン50は、図示しない複数のスイッチと画面とを備え、ユーザの指示に合うスイッチを押すことで画面表示が変化し、第1ヒートポンプ装置10、第2ヒートポンプ装置20、及び循環ポンプユニット30内の駆動部を動作させ、ユーザの指示に合う状態にする。
【0014】
図2を参照する。第1ヒートポンプ装置10は、第1ヒートポンプ回路11を構成する環状の第1冷媒配管12を有している。第1冷媒配管12には、冷媒を圧縮する回転数可変で駆動部としての第1圧縮機13と、冷媒を減圧する第1減圧手段であり駆動部としての第1膨張弁14と、内部を通流する冷媒が駆動部としての第1送風ファン16から送風された空気と熱交換し蒸発する蒸発器としての第1熱源側熱交換器15と、が配管途中に設置されている。
【0015】
また、第1ヒートポンプ装置10には、第1圧縮機13から吐出する冷媒温度を検知する第1吐出温度センサ17aと、第1膨張弁14から第1熱源側熱交換器15へ向かう冷媒の温度を検知する第1冷媒温度センサ17bと、外気温を検知する第1外気温センサ17cと、マイコンで構成され記憶部、及び演算部を備えた第1制御部19と、が配置されている。
【0016】
第1制御部19は、第1吐出温度センサ17aで異常高温が検知されたと判断したら、第1ヒートポンプ装置10、第2ヒートポンプ装置20、及び循環ポンプユニット30内の駆動部を強制停止させ安全を図る。また、第1制御部19は、第1冷媒温度センサ17bと第1外気温センサ17cとでの検知温度に基づき、第1熱源側熱交換器15の除霜有無を判断する。
【0017】
図2を参照する。第2ヒートポンプ装置20は、第2ヒートポンプ回路21を構成する環状の第2冷媒配管22を有している。第2冷媒配管22には、冷媒を圧縮する回転数可変で駆動部としての第2圧縮機23と、冷媒を減圧する第2減圧手段であり駆動部としての第2膨張弁24と、内部を通流する冷媒が駆動部としての第2送風ファン26から送風された空気と熱交換し蒸発する蒸発器としての第2熱源側熱交換器25と、が配管途中に設置されている。
【0018】
また、第2ヒートポンプ装置20には、第2圧縮機23から吐出する冷媒温度を検知する第2吐出温度センサ27aと、第2膨張弁24から第2熱源側熱交換器25へ向かう冷媒の温度を検知する第2冷媒温度センサ27bと、外気温を検知する第2外気温センサ27cと、マイコンで構成され記憶部、及び演算部を備えた第2制御部29と、が配置されている。
【0019】
第2制御部29は、第2吐出温度センサ27aで異常高温が検知されたと判断したら、第1ヒートポンプ装置10、第2ヒートポンプ装置20、及び循環ポンプユニット30内の駆動部を強制停止させ安全を図る。また、第2制御部29は、第2冷媒温度センサ27bと第2外気温センサ27cとでの検知温度に基づき、第2熱源側熱交換器25の除霜有無を判断する。
【0020】
図2を参照する。循環ポンプユニット30には、第1ヒートポンプ回路11を構成する第1冷媒配管12と負荷側循環回路31を構成する往き管32aとに接続された第1負荷側熱交換器33と、第2ヒートポンプ回路21を構成する第2冷媒配管22と負荷側循環回路31を構成する戻り管32bとに接続された第2負荷側熱交換器34と、配管内にあり水や不凍液等である循環液を循環させる負荷側循環ポンプ35と、循環液を所定量だけ溜めることができ圧力調整のためのシスターンタンク36と、戻り管32b内を通流する循環液の温度を検知する戻り温度センサ37と、マイコンで構成され記憶部、及び演算部を備えたメイン制御部39と、が配置されている。
【0021】
また、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34との間は中継管32cで接続されている。よって、負荷側循環回路31において、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とが直列に設置されており、上流側にある第1負荷側熱交換器33を通過した循環液が下流側の第2負荷側熱交換器34を通過し、往き管32aを介して室内端末40へ循環液が流入する。これにより、循環液の温度を効率よく上昇させることができ、暖房効率が向上する。
【0022】
また、第1負荷側熱交換器33、及び第2負荷側熱交換器34は、プレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と循環液等の流体を流通させる流体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されている。
【0023】
図1を参照する。リモコン50とメイン制御部39とは通信線で接続されており、メイン制御部39と第1制御部19、及び第2制御部29とは通信線で接続されている。ユーザによる指示を受けたリモコン50からメイン制御部39に指示内容が送信され、メイン制御部39から負荷側循環ポンプ35の駆動内容と、第1制御部19、及び第2制御部29へ指示内容に沿う駆動部の動作内容が送信されることで、リモコン50で受けた指示内容に沿った動作が実行可能となる。
【0024】
次に、温水暖房システム1の運転動作を説明する。
【0025】
メイン制御部39は、リモコン50の図示しないスイッチ操作がされ、ユーザによる暖房運転の開始指示があったと判断したら、負荷側循環ポンプ35を所定の回転数で駆動させると共に、第1制御部19及び第2制御部29に信号を送信する。信号を受信した第1制御部19及び第2制御部29は、第1圧縮機13、及び第2圧縮機23を所定の回転数で駆動させ、第1膨張弁14及び第2膨張弁24を所定の開度にすることで、第1負荷側熱交換器33及び第2負荷側熱交換器34で循環液を加熱し、往き管32aを介して室内端末40へ送ることで、室内端末40が設置された室内の暖房運転が実施される。
【0026】
メイン制御部39は、戻り温度センサ37での検知値がリモコン50で指示されたモードの暖房出力に即した目標温度となるよう、第1制御部19及び第2制御部29で第1圧縮機13、及び第2圧縮機23の回転数と、第1膨張弁14及び第2膨張弁24の開度とを調節する。これにより、室内端末40が設置された室内をユーザの指示に沿う状態にすることができる。
【0027】
次に、循環ポンプユニット30内に配置された各部材の構成、及び配置場所について詳述する。
【0028】
図3を参照する。プレート式熱交換器で構成された第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34は、伝熱プレートが鉛直方向に沿うよう縦向きに設置する。これにより、第1負荷側熱交換器33は、下部に位置し戻り管32bと接続し循環液が流入する第1液入口33aと、上部に位置し中継管32cと接続し循環液が流出する第1液出口33bと、が水平方向を向いて設置される。また、第2負荷側熱交換器34は、下部に位置し中継管32cと接続し循環液が流入する第2液入口34aと、上部に位置し往き管32aと接続し循環液が流出する第2液出口34bと、が水平方向を向いて設置される。
【0029】
また、第1負荷側熱交換器33、及び第2負荷側熱交換器34は、共に上部から冷媒が流入し下部から冷媒が流出する構成である。下部から上部に向けて流動する循環液と、上部から下部に向けて流動する冷媒とで熱交換することで、循環液を効率よく温度上昇させ往き管32aを介して室内端末40へ送ることができる。
【0030】
図3、及び図4を参照する。第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34は、第1液出口33bよりも上方に第2液出口34bが位置するよう、高さ方向において段違いとなるように設置されている。第1負荷側熱交換器33の上端と第2負荷側熱交換器34は、高さ方向についてdだけ差がある。当該dは、少なくとも第1液出口33bの内径よりも大きくなるよう設定されており、第1液出口33bの上端よりも上方に第2液出口34bが位置するよう、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とが設置される。
【0031】
次に、第2負荷側熱交換器34の第2液出口34bとの相対的な位置関係による第1負荷側熱交換器33の第1液出口33bにおける空気溜まりの発生有無について説明する。
【0032】
第1負荷側熱交換器33の第1液出口33bは、第1負荷側熱交換器33の上部に位置しており、第1液出口33bが一端側に接続した中継管32cの他端側が第2負荷側熱交換器34の下部に位置する第2液入口34aと接続していることも相まって、空気溜まりが発生しやすい箇所となる。特に、図5で示すように第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とを同一高さ位置となるよう設置すると、第1液出口33bと第2液出口34bとが同一高さ位置になり、負荷側循環回路31内を循環液が循環すると第1液出口33b、及び第1液出口33bに接続する中継管32c内の全体を十分に循環液で満たすことができず、空気溜まりが発生しやすい。空気溜まりが発生した状態で循環液が流動すると、騒音が発生するので好ましくない。
【0033】
そこで、図3、及び図4で示すように第1液出口33bが第2液出口34bよりも低い位置となるよう、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34を段違いに設置する。
これにより、負荷側循環ポンプ35が駆動し負荷側循環回路31内を循環液が循環したとき、第1液出口33bと第1液出口33bに接続する中継管32cの全体が循環液で満たされる。第1液出口33bと第1液出口33bに接続する中継管32cの上部において空気溜まりが発生せず、騒音の発生を未然に阻止することができる。
【0034】
また、第1液出口33bの上端よりも上方に第2液出口34bの下端が位置することで、第2液出口34bに接続する往き管32aを第1負荷側熱交換器33の上方に設置することができ、省スペースでの配管の引き回しが可能となることから循環ポンプユニット30を構成する筐体の大型化を阻止することができるため、製品性が向上する。
【0035】
次に、本発明の効果を説明する。
【0036】
第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低くなるよう、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34を設置する。第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とを直列に接続した負荷側循環回路31において、第1液出口33bが第2液出口34bと同一高さ以下の場合、負荷側循環回路31内を循環液が流動すると、第1液出口33b付近に空気溜まりが発生しやすく騒音発生の原因となる。第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低い位置にあることで、循環液が流動するときに第1液出口33bの全体が循環液で満たされ空気溜まりが発生しないことから、騒音発生を未然に阻止することができる。
【0037】
また、第1液出口33bの上端が第2液出口34bの下端よりも高さが低くなるよう、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34を設置する。負荷側循環回路31内を循環液が流動するとき、第1液出口33bの上端まで確実に循環液で満たすことができ、第1液出口33b付近で空気溜まりが発生しないことから、騒音発生を未然に阻止することができる。
【0038】
また、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34は、水平方向に隣り合うよう設置する。これにより、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34とが占める設置スペースを小さくすることができるため、循環ポンプユニット30を構成する筐体の大型化を阻止することができ、製品性が向上する。
【0039】
また、第1負荷側熱交換器33は、少なくとも第1液出口33bが水平方向を向くように設置する。第1液出口33bが鉛直方向を向いた場合と比較し、水平方向を向いた場合の方が第1液出口33b全体を循環液で満たすことが難しく、空気溜まりが発生しやすい。よって、特に第1液出口33bが水平方向を向くように第1負荷側熱交換器33を設置したとき、空気溜まりによる騒音発生を未然に阻止することができる効果が高い。更に、第1液出口33bが水平方向を向くことで第1液出口33bの上方にスペースができ、配管の引き回しが可能となることから、循環ポンプユニット30を構成する筐体の大型化を阻止することができる。
【0040】
また、第1負荷側熱交換器33と第2負荷側熱交換器34は、プレート式熱交換器で構成された。循環液が流入する液入口、及び循環液が流出する液出口が水平方向を向いたプレート式熱交換において、第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低い位置にあるようにしたので、空気溜まりによる騒音発生を未然に阻止することができる効果が特に高い。
【0041】
本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は、例として提示したものであり、特許請求の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0042】
例えば、本発明に係る第1負荷側熱交換器33、及び第2負荷側熱交換器34は、プレート式熱交換である例を用いて説明したが、プレート式熱交換に限られない。少なくとも、2つの負荷側熱交換器を直列に設置したもので、上流側にある負荷側熱交換器の循環液の出口である液出口が水平方向を向いており、当該液出口付近で空気溜まりが発生する熱交換器において、本発明は適用可能である。
【0043】
また、第1液出口33bの上端が第2液出口34bの下端より高さが低いものである例を用いて説明したが、高さ方向において第1液出口33bが第2液出口34bより低いが、水平方向に第1液出口33bと第2液出口34bの一部が重なるよう第1負荷側熱交換器33及び第2負荷側熱交換器34を設置したものであってもよい。全体として第1液出口33bが第2液出口34bよりも高さが低い位置にあれば、第1液出口33b付近での空気溜まり発生を阻止する効果があるため、水平方向において第1液出口33bと第2液出口34bの一部が重なったものであっても本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0044】
1 温水暖房システム
10 第1ヒートポンプ装置
11 第1ヒートポンプ回路
13 第1圧縮機
14 第1膨張弁
15 第1熱源側熱交換器
20 第2ヒートポンプ装置
21 第2ヒートポンプ回路
23 第2圧縮機
24 第2膨張弁
25 第2熱源側熱交換器
31 負荷側循環回路
33 第1負荷側熱交換器
33a 第1液入口
33b 第1液出口
34 第2負荷側熱交換器
34a 第2液入口
34b 第2液出口
35 負荷側循環ポンプ
40 室内端末
図1
図2
図3
図4
図5