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特開2024-168851調理システムおよび調理機器制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168851
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】調理システムおよび調理機器制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20241128BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20241128BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20241128BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F21/44
F24C7/04 301A
F24C15/00 D
F24C15/00 M
H05B6/12 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085864
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】山田 恭平
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
【Fターム(参考)】
3K151AA01
3K151CA61
3K151CA63
3L087AA01
3L087AA03
3L087AA04
3L087BA04
3L087BC02
3L087BC09
3L087DA24
(57)【要約】
【課題】利用者により調理機器が適切に使用される調理システムおよび調理機器制御方法を提供する。
【解決手段】調理システムの調理機器1は、調理対象物を加熱する加熱部と、調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を端末装置2へ送信する機器情報通知部111と、端末装置2から送信される調理機器1を制御するための制御情報に基づいて、加熱部による調理対象物の加熱を制御する加熱制御部114と、有する。端末装置2は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報を抽出する機器情報取得部212と、機器識別情報に基づいて、調理機器1の認証処理を実行する認証部213と、認証処理において認証が成功した場合、利用者による調理機器1に対する操作の内容に応じて選択された制御情報を調理機器1へ送信することにより調理機器1を制御する機器制御部216と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理対象物を加熱調理するための調理機器と、
前記調理機器を操作する端末装置と、を備え、
前記調理機器は、
前記調理対象物を加熱する加熱部と、
前記調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を前記端末装置へ送信する機器情報通知部と、
前記端末装置から送信される前記調理機器を制御するための制御情報に基づいて、前記加熱部による前記調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有し、
前記端末装置は、
前記機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報を抽出する機器情報取得部と、
前記機器識別情報に基づいて、前記調理機器の認証処理を実行する認証部と、
前記認証処理において認証が成功した場合、利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記制御情報を、ネットワークを介して前記調理機器へ送信することにより前記調理機器を制御する機器制御部と、を有する、
調理システム。
【請求項2】
前記調理機器は、前記端末装置に対して非接触給電を行うとともに前記端末装置との間で通信を行うための送電モジュールを更に有し、
前記端末装置は、
前記調理機器から非接触で受電するための受電モジュールと、
前記受電モジュールによる受電を検知する受電検知部と、を更に有し、
前記機器情報通知部は、前記機器情報を、前記送電モジュールを介して前記端末装置へ送信し、
前記機器情報取得部は、前記受電モジュールによる受電が検知されると、前記受電モジュールを介して前記機器情報を取得する、
請求項1に記載の調理システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
表示部と、
前記受電モジュールによる受電が検知された後、前記受電モジュールによる受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第1基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間が前記第1基準時間に到達したと判定されると、前記端末装置と前記調理機器との間の前記ネットワークを介した通信を遮断することを予告する遮断予告画像を形成して前記表示部に表示させる表示制御部と、を更に有する、
請求項2に記載の調理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記受電モジュールによる受電が検知された後、前記受電モジュールによる受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第2基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間が前記第2基準時間に到達したと判定されると、前記端末装置と前記調理機器との間の前記ネットワークを介した通信を遮断する遮断処理部と、を更に有する、
請求項2または3に記載の調理システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
前記受電モジュールによる受電が検知された時点、または、前記受電モジュールによる受電が検知されている状態で前記利用者による前記調理機器に対する操作が行われた後、前記受電モジュールによる受電が検知された状態での経過時間が予め設定された第3基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部を更に有し、
前記機器制御部は、前記経過時間が前記第3基準時間に到達したと判定されると、前記調理対象物の加熱を停止するように前記加熱部を制御する、
請求項2または3に記載の調理システム。
【請求項6】
調理対象物を加熱調理するための調理機器と、
前記調理機器を操作する端末装置と、
前記調理機器において前記端末装置を認証するための認証コードを示す認証コード情報を管理する認証コード管理サーバと、を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置を識別する端末識別情報を含む端末情報を前記認証コード管理サーバへ送信する端末情報通知部と、
利用者によるコード情報を入力する操作を受け付けると、前記コード情報を前記調理機器へ送信するコード通知部と、
前記調理機器にネットワークを介して接続するための接続情報を取得すると、取得した接続情報に基づいて、前記利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記調理機器を制御するための制御情報を、前記ネットワークを介して前記調理機器へ送信することにより前記調理機器を制御する機器制御部と、を有し、
前記認証コード管理サーバは、前記端末情報を取得すると、これに応じて、前記調理機器において前記端末装置を認証するための認証コードを示す認証コード情報を前記調理機器へ送信する認証コード通知部と、を有し、
前記調理機器は、
前記調理対象物を加熱する加熱部と、
表示部と、
前記認証コード情報を取得する認証コード取得部と、
前記認証コード情報が示す認証コードを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記端末装置から送信される前記コード情報を取得するコード取得部と、
前記コード情報と前記認証コード情報とに基づいて、前記調理機器の認証処理を実行する認証部と、
前記認証処理において認証が成功した場合、前記接続情報を前記端末装置へ送信する接続情報通知部と、
前記端末装置から送信される前記制御情報に基づいて、前記加熱部による前記調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有する、
調理システム。
【請求項7】
調理対象物を加熱調理するための調理機器が、前記調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を、前記調理機器を操作する端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置が、前記調理機器から送信される前記機器情報を取得し、取得した前記機器情報に含まれる機器識別情報を抽出するステップと、
前記機器識別情報に基づいて、前記調理機器の認証処理を実行するステップと、
前記認証処理において認証が成功した場合、利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記調理機器を制御するための制御情報を、ネットワークを介して前記調理機器へ送信するステップと、
前記端末装置から送信される前記制御情報に基づいて、前記調理対象物を加熱する加熱部による前記調理対象物の加熱を制御するステップと、を含む、
調理機器制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調理システムおよび調理機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
調理対象物を加熱部で加熱する加熱調理機器に、通信回線により相互に通信可能な多機能携帯端末を連携した加熱調理システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-223401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された加熱調理システムにおいて、加熱調理機器を操作できる多機能携帯端末を、加熱調理機器の使用権限のある利用者が所持する多機能携帯端末に限定することにより加熱調理機器が適切に使用されることが要請されている。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、利用者により調理機器が適切に操作される調理システムおよび調理機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る調理システムは、
調理対象物を加熱調理するための調理機器と、
前記調理機器を操作する端末装置と、を備え、
前記調理機器は、
前記調理対象物を加熱する加熱部と、
前記調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を前記端末装置へ送信する機器情報通知部と、
前記端末装置から送信される前記調理機器を制御するための制御情報に基づいて、前記加熱部による前記調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有し、
前記端末装置は、
前記機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報を抽出する機器情報取得部と、
前記機器識別情報に基づいて、前記調理機器の認証処理を実行する認証部と、
前記認証処理において認証が成功した場合、利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記制御情報を、ネットワークを介して前記調理機器へ送信することにより前記調理機器を制御する機器制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、調理機器の加熱制御部が、端末装置から送信される制御情報に基づいて、加熱部による調理対象物の加熱を制御し、端末装置の認証部が、調理機器から送信される機器情報を取得し、認証部が、取得した機器情報に含まれる機器識別情報に基づいて、調理機器の認証処理を実行する。そして、端末装置の機器制御部が、認証処理において認証が成功した場合、利用者による調理機器に対する操作の内容に応じて選択された制御情報を調理機器へ送信する。これにより、端末装置において調理機器の認証に成功した場合のみ、利用者が端末装置を介して調理機器を制御することができるので、調理機器が適切に操作されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る調理システムの概略構成図
図2】実施の形態1に係る調理システムのハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態1に係る調理システムの機能構成を示すブロック図
図4】実施の形態1に係る調理システムの動作を示すシーケンス図
図5】実施の形態1に係る調理システムの動作を示すシーケンス図
図6】実施の形態1に係る端末装置が実行する調理機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図7】本開示の実施の形態2に係る調理システムの概略構成図
図8】実施の形態2に係る調理システムのハードウェア構成を示すブロック図
図9】実施の形態2に係る調理システムの機能構成を示すブロック図
図10】実施の形態2に係る調理システムの動作を示すシーケンス図
図11】実施の形態2に係る調理システムの動作を示すシーケンス図
図12】実施の形態2に係る端末装置が実行する調理機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図13】実施の形態2に係る調理機器が実行する調理処理の流れの一例を示すフローチャート
図14】変形例に係る調理システムの機能構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態に係る調理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る調理システムは、調理対象物を加熱調理するための調理機器と、調理機器を操作する端末装置と、を備える。調理機器は、調理対象物を加熱する加熱部と、調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を端末装置へ送信する機器情報通知部と、端末装置から送信される調理機器を制御するための制御情報に基づいて、加熱部による調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有する。端末装置は、機器識別情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報を抽出する機器情報取得部と、機器識別情報に基づいて、調理機器の認証処理を実行する認証部と、認証処理において認証が成功した場合、利用者による調理機器に対する操作の内容に応じて選択された制御情報を調理機器へ送信することにより調理機器を制御する機器制御部と、を有する。
【0010】
本実施の形態に係る調理システムは、図1に示すように、調理機器1と、端末装置2と、を備える。調理機器1と端末装置2とは、局所ネットワークNW2に接続されている。局所ネットワークNW2は、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであり、ルータ82が接続されている。また、調理機器1は、端末装置2を近づけると端末装置2へ非接触給電を実行する機能を有する。
【0011】
調理機器1は、図2に示すように、制御ユニット100と、加熱部11と、加熱駆動部12と、を有する。加熱部11は、例えばIH加熱部、グリル加熱部、レンジ加熱部等である。加熱駆動部12は、制御ユニット100から入力される制御信号に基づいて、加熱部11を駆動する。
【0012】
制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、インタフェース105と、通信部106と、送電モジュール107と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリから構成され、CPU101の作業領域として用いられる。補助記憶部103は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリから構成され、制御ユニット100の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、局所ネットワークNW2に接続されており、CPU101から通知される各種情報を局所ネットワークNW2へ送出したり、局所ネットワークNW2から受信した各種情報をCPU101へ通知したりする。インタフェース105には、加熱駆動部12が接続されている。インタフェース105は、CPU101から加熱駆動部12を制御するための制御情報が入力されると、入力された制御情報に基づいて制御信号を生成して加熱駆動部12へ出力する。送電モジュール107は、例えばQi規格に基づいて、端末装置2に対して非接触給電を行うとともに端末装置2との間で通信を行う。
【0013】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、機器情報通知部111、接続処理部112、制御情報取得部113および加熱制御部114として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、機器情報記憶部131と、アドレス記憶部132と、制御情報記憶部133と、を有する。機器情報記憶部131は、例えば調理機器1を識別する機器識別情報と、調理機器1の製造元を識別する製造元識別情報と、を記憶する。なお、機器識別情報としては、例えば調理機器1に固有のMACアドレスを示すものであってもよい。アドレス記憶部132は、例えば調理機器1に固有のMACアドレスを示すアドレス情報を記憶する。制御情報記憶部133は、端末装置2から送信された、調理機器1の加熱部11を制御するための制御情報を記憶する。
【0014】
機器情報通知部111は、機器情報記憶部131が記憶する機器識別情報と製造元識別情報とを含む機器情報を生成し、生成した機器情報を、送電モジュール107を介して送信する。ここで、機器情報通知部111は、例えば調理機器1の動作中、継続的に機器情報を、送電モジュール107を介して送出し続ける。接続処理部112は、端末装置2から送信される、調理機器1との局所ネットワークNW2を介した通信を確立することを要求する接続要求情報を取得すると、これに応じて、アドレス記憶部132が記憶するアドレス情報を含む接続応答情報を生成する。ここで、接続処理部112は、端末装置2から送信される接続要求情報に含まれる調理機器1の機器識別情報を抽出し、抽出した機器識別情報が自機の機器識別情報と一致するか否かを判定する。そして、接続処理部112は、機器識別情報が一致すると判定すると、アドレス記憶部132が記憶するアドレス情報を含む接続応答情報を生成する。そして、接続処理部112は、生成した接続応答情報を、局所ネットワークNW2を介して端末装置2へ送信する。
【0015】
制御情報取得部113は、端末装置2から送信される制御情報を取得すると、取得した制御情報を制御情報記憶部133に記憶させる。加熱制御部114は、制御情報記憶部133が記憶する制御情報に基づいて、加熱部11の動作を制御する。
【0016】
端末装置2は、例えばスマートフォンであり、図2に示すように、CPU201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、表示部204と、入力部205と、通信部206と、受電モジュール207と、計時部208と、これらを互いに接続するバス209と、を備える。主記憶部202は、揮発性メモリを有し、CPU201の作業領域として使用される。補助記憶部203は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU201が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部204は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部205は、例えば表示部504に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部206は、局所ネットワークNW2に接続され、CPU201から転送される情報を、局所ネットワークNW2を介して調理機器1へ送信したり、調理機器1から局所ネットワークNW2を介して取得した情報をCPU201へ転送したりする。受電モジュール207は、例えばQi規格に基づいて、調理機器1から非接触で受電を行うとともに調理機器1との間で通信を行う。
【0017】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み出して実行することにより、図3に示すように、受電検知部211、機器情報取得部212、認証部213、接続処理部214、受付部215、機器制御部216、表示制御部217、経過時間判定部218および遮断処理部219として機能する。また、図2に示す補助記憶部203は、図3に示すように、認証情報記憶部231と、アドレス記憶部232と、制御情報記憶部233と、を有する。認証情報記憶部231は、端末装置2において調理機器1を認証するための調理機器1の機器識別情報、製造元識別情報を記憶する。アドレス記憶部232は、調理機器1から送信された接続応答情報に含まれるアドレス情報を記憶する。制御情報記憶部233は、調理機器1を制御するための複数種類の制御情報を、利用者が入力部205に対して行う操作の内容を示す操作情報に対応づけて記憶する。
【0018】
受電検知部211は、受電モジュール207における調理機器1からの非接触の受電が実行されていることを検知する。機器情報取得部212は、受電検知部211により非接触の受電が実行されていることが検知されると、調理機器1から送電モジュール107を介して送信される機器情報を、受電モジュール207を介して取得する。そして、機器情報取得部212は、取得した機器情報から機器識別情報、製造元識別情報を抽出し、抽出した機器識別情報、製造元識別情報を認証部213に通知する。認証部213は、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報と、機器情報取得部212から通知される機器識別情報、製造元識別情報と、に基づいて、調理機器1についての認証処理を実行する。ここで、認証部213は、例えば、機器情報取得部212から通知される機器識別情報、製造元識別情報の組み合わせが、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報の組み合わせの中のいずれかと一致する場合、認証成功と判定する。一方、認証部213は、機器情報取得部212から通知される機器識別情報、製造元識別情報の組み合わせが、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報の組み合わせのいずれとも一致しない場合、認証失敗と判定する。
【0019】
接続処理部214は、認証部213による認証が成功すると、調理機器1の機器識別情報を含み、調理機器1に対して局所ネットワークNW2を介した通信の確立を要求する接続要求情報を生成する。そして、接続処理部214が、生成した接続要求情報をルータ82へ送信することにより、ルータ82が、接続要求情報を局所ネットワークNW2へブロードキャスト送信する。これにより、接続処理部214は、調理機器1から送信される接続応答情報を取得し、取得した接続応答情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させる。
【0020】
受付部215は、利用者が入力部205に対して行った操作の内容を受け付け、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して機器制御部216に通知する。機器制御部216は、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、利用者による調理機器1に対する操作の内容に応じて制御情報を選択し、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報に基づいて、選択した制御情報を調理機器1へ送信することにより調理機器1を制御する。具体的には、機器制御部216は、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、受付部215から通知される操作情報に対応する制御情報を選択して調理機器1へ送信する。また、機器制御部216は、後述するように、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知された時点、または、受電モジュール207による受電が検知されている状態で利用者による調理機器1に対する操作が行われた後、受電モジュール207により受電が検知されている状態での経過時間が第3基準時間に到達したと判定されると、調理対象物の加熱を停止するための制御情報を選択して調理機器1へ送信する。
【0021】
経過時間判定部218は、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第1基準時間に到達したか否かを判定する。この第1経過時間は、受電モジュール207による受電が検知されなくなった場合に、表示部204に端末装置2と調理機器1との間の通信を遮断することを予告する遮断予告通知画像が表示されるまでの時間に相当し、例えば5min程度に設定される。また、経過時間判定部218は、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第1基準時間よりも長い第2基準時間に到達したか否かを判定する。この第2経過時間は、受電モジュール207による受電が検知されなくなった場合に、表示部204に端末装置2と調理機器1との間の通信を遮断するまでの時間に相当し、例えば10min程度に設定される。更に、経過時間判定部218は、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知された時点、または、受電モジュール207による受電が検知されている状態で利用者による調理機器1に対する操作が行われた後、受電モジュール207により受電が検知されている状態での経過時間が予め設定された第3基準時間に到達したか否かを判定する。この第3経過時間は、受電モジュール207による受電が継続している状態で放置された場合に調理機器1の加熱部11による調理対象物の加熱を停止させる時期を設定するものである。
【0022】
表示制御部217は、経過時間判定部218により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第1基準時間に到達したと判定されると、前述の遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる。
【0023】
遮断処理部219は、経過時間判定部218により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第2基準時間に到達したと判定すると、端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断する。具体的には、遮断処理部219は、アドレス記憶部232が記憶する調理機器1のアドレス情報を消去する。これにより、機器制御部216は、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報に基づいて、制御情報を調理機器1へ送信不可能となる。
【0024】
次に、本実施の形態に係る調理システムの動作について図4および図5を参照しながら説明する。まず、図4に示すように、利用者が端末装置2を調理機器1に接近させることで、調理機器1から端末装置2への給電が開始される。このとき、調理機器1の機器識別情報、製造元識別情報を含む機器情報が、調理機器1から端末装置2へ送信される(ステップS1)。一方、端末装置2は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報、製造元情報と、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報と、に基づいて、認証処理を実行する(ステップS2)。ここで、端末装置2が、調理機器1の認証に成功したと判定したとする(ステップS3)。この場合、端末装置2が、前述の接続要求情報を生成し(ステップS4)、生成された接続要求情報が、端末装置2から調理機器1へ送信される(ステップS5)。一方、調理機器1が接続要求情報を取得すると、これに応じて、アドレス記憶部132が記憶する調理機器1のアドレス情報を含む接続応答情報が、調理機器1から端末装置2へ送信される(ステップS6)。一方、端末装置2は、接続応答情報を取得すると、取得した接続応答情報に含まれるアドレス情報を抽出し、抽出したアドレス情報をアドレス記憶部232に記憶させる(ステップS7)。
【0025】
次に、利用者が端末装置2の入力部205に対して調理機器1を制御するための機器操作を行ったとする。この場合、端末装置2は、機器操作を受け付けて(ステップS8)、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、受け付けた操作の内容を示す操作情報に対応する制御情報を特定する(ステップS9)。続いて、特定された制御情報が、端末装置2から調理機器1へ送信される(ステップS10)。一方、調理機器1は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて動作する(ステップS11)。
【0026】
その後、端末装置2が調理機器1から離脱して調理機器1から端末装置2への給電が遮断されたとする。この場合、端末装置2は、給電が遮断されたと判定する(ステップS12)。次に、端末装置2が、給電が遮断された状態で前述の第1基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS13)。この場合、端末装置2は、前述の遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる(ステップS14)。続いて、端末装置2が、給電が遮断された状態で前述の第2基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS15)。この場合、端末装置2は、図5に示すように、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報を消去する(ステップS16)。これにより、調理機器1と端末装置2との間での局所ネットワークNW2を介した通信が遮断される。
【0027】
また、ステップS14からS16までの一連の処理が実行された後、利用者が再び端末装置2を調理機器1に接近させたとする。この場合、再び調理機器1から端末装置2への給電が開始され、前述の機器情報が、調理機器1から端末装置2へ送信される(ステップS17)。一方、端末装置2は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報、製造元情報と、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報と、に基づいて、認証処理を実行する(ステップS18)。ここで、端末装置2が、調理機器1の認証に成功したと判定したとする(ステップS19)。この場合、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報が維持され、調理機器1と端末装置2との間での通信が維持される。
【0028】
また、ステップS8からS11までの一連の処理が実行され、調理機器1が制御情報に基づいて動作を開始した後、端末装置2が、調理機器1から端末装置2への給電が維持された状態で前述の第3基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS20)。この場合、端末装置2が、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、調理機器1の加熱部11による調理対象物の加熱を停止させるための制御情報を選択し(ステップS21)、選択された制御情報が、端末装置2から調理機器1へ送信される(ステップS22)。一方、調理機器1は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて、加熱部11による調理対象物の加熱を停止する(ステップS23)。
【0029】
次に、本実施の形態に係る端末装置2が実行する調理機器制御処理について図6を参照しながら説明する。この調理機器制御処理は、例えば端末装置2へ電源投入後、調理機器制御処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、受電検知部211は、受電モジュール207を介して調理機器1からの給電が開始されたか否かを判定する(ステップS201)。ここで、受電検知部211が、未だ調理機器1からの給電が遮断されていると判定される限り(ステップS201:No)、ステップS201の処理が繰り返し実行される。一方、受電検知部211が、調理機器1からの給電が開始されたと判定すると(ステップS201:Yes)、機器情報取得部212は、調理機器1から送電モジュール107を介して送信される機器情報を、受電モジュール207を介して取得する(ステップS202)。このとき、機器情報取得部212は、取得した機器情報から機器識別情報、製造元識別情報を抽出し、抽出した機器識別情報、製造元識別情報を認証部213に通知する。次に、認証部213は、認証情報記憶部231が記憶する機器識別情報、製造元識別情報と、機器情報取得部212から通知される機器識別情報、製造元識別情報と、に基づいて、調理機器1についての認証処理を実行する(ステップS203)。続いて、認証部213は、認証に成功したか否かを判定する(ステップS204)。ここで、認証部213が、認証に失敗したと判定すると(ステップS204:No)、再びステップS201の処理が実行される。
【0030】
一方、認証部213が、認証に成功したと判定すると(ステップS204:Yes)、接続処理部214が、調理機器1の機器識別情報を含む接続要求情報を生成して、局所ネットワークNW2へブロードキャスト送信する(ステップS205)。これにより、接続処理部214は、調理機器1から送信される接続応答情報を取得し(ステップS206)、取得した接続応答情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させる(ステップS207)。
【0031】
その後、受付部215は、利用者が入力部205に対して行った前述の機器操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、受付部215が機器操作を受け付けていないと判定すると(ステップS208:No)、後述のステップS210の処理が実行される。一方、受付部215は、機器操作を受け付けたと判定すると(ステップS208:Yes)、受け付けた機器操作の内容を示す操作情報を生成して機器制御部216に通知する。そして、機器制御部216は、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、利用者による調理機器1に対する操作の内容に応じて制御情報を選択し、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報に基づいて、選択した制御情報を調理機器1へ送信する(ステップS209)。
【0032】
次に、受電検知部211は、受電モジュール207を介した調理機器1からの給電が遮断されたか否かを判定する(ステップS210)。ここで、受電検知部211が、受電モジュール207を介した調理機器1からの給電が継続していると判定したとする(ステップS210:No)。この場合、経過時間判定部218は、受電モジュール207による受電が開始された時点、または、受電モジュール207を介して給電が検知されている状態で利用者による調理機器1に対する操作が行われた後、受電モジュール207による受電が検知されている状態での経過時間が前述の第3基準時間に到達したか否かを判定する(ステップS211)。ここで、経過時間判定部218が、前述の経過時間が未だ第3基準時間に到達していないと判定すると(ステップS211:No)、再びステップS208の処理が実行される。一方、経過時間判定部218が、前述の経過時間が第3基準時間に到達したと判定すると(ステップS211:Yes)、機器制御部216は、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、調理対象物の加熱を停止するための制御情報を選択して調理機器1へ送信する(ステップS212)。続いて、再びステップS208の処理が実行される。
【0033】
また、受電検知部211が、ステップS210において、受電モジュール207を介した調理機器1からの給電が遮断されたと判定したとする(ステップS210:Yes)。この場合、経過時間判定部218は、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第1基準時間に到達したか否かを判定する(ステップS213)。ここで、経過時間判定部218が、前述の経過時間が未だ第1基準時間に到達していないと判定すると(ステップS213:No)、後述のステップS215の処理が実行される。一方、経過時間判定部218が、前述の経過時間が第1基準時間に到達したと判定すると(ステップS213:Yes)、表示制御部217は、前述の遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる(ステップS214)。
【0034】
その後、経過時間判定部218は、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第2基準時間に到達したか否かを判定する(ステップS215)。ここで、経過時間判定部218が、前述の経過時間が未だ第2基準時間に到達していないと判定すると(ステップS215:No)、再びのステップS210の処理が実行される。一方、経過時間判定部218が、前述の経過時間が第2基準時間に到達したと判定すると(ステップS215:Yes)、遮断処理部219は、アドレス記憶部232が記憶する調理機器1のアドレス情報を消去する(ステップS216)。これにより、遮断処理部219は、端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断する。次に、再びステップS201の処理が実行される。
【0035】
ところで、ワイヤレス給電の規格であるQiで規定される調理機器1であれば、端末装置2との間で、送電モジュール107と受電モジュール207との間で、調理機器1の規格バージョン、製造元識別情報、機器識別情報の送受信が可能である、これらの情報は、通常、調理機器1から端末装置2へ給電する電力量、給電の状態を検出するために用いられる。これに対して、本実施の形態に係る調理システムでは、この製造元識別情報、機器識別情報を、調理機器1を認証するための認証情報として用いている。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態に係る調理システムでは、調理機器1の加熱制御部114が、端末装置2から送信される制御情報に基づいて、加熱部11による調理対象物の加熱を制御し、端末装置2の認証部213が、調理機器1から送信される機器情報に含まれる機器識別情報に基づいて、調理機器1の認証処理を実行する。そして、端末装置2の機器制御部216が、認証処理において認証が成功した場合、利用者による調理機器1に対する操作の内容に応じて選択された制御情報を調理機器1へ送信する。これにより、端末装置2において調理機器1の認証に成功した場合のみ、利用者が端末装置2を介して調理機器1を操作することができるので、調理機器1が適切に操作されるという利点がある。
【0037】
ところで、一般的に建物内に構築されている無線LANで使用する無線モジュールでは、無線モジュールを中心とした半径50mから100mの範囲まで電波が届く場合が多い。そうすると、端末装置2と調理機器1とにこのような無線モジュールを搭載した場合、端末装置2は、調理機器1から比較的離れた場所から調理機器1の機器情報を取得して認証が成功すると、調理機器1から比較的離れた場所から調理機器1を制御することが可能となり、調理機器1がその実際の使用状況に応じて適切に操作されない虞がある。これに対して、本実施の形態に係る調理機器1は、端末装置2に対して非接触給電を行うとともに端末装置2との間で通信を行うための送電モジュール107を有する。そして、端末装置2は、調理機器1から非接触で受電するための受電モジュール207と、受電モジュール207による受電を検知する受電検知部211と、を有する。そして、機器情報通知部111は、機器情報を、送電モジュール107を介して端末装置2へ送信し、機器情報取得部212は、受電モジュール207による受電が検知されると、受電モジュール207を介して機器情報を取得する。ここで、例えばワイヤレス給電についての規格であるQi1.2では、送電モジュール107と受電モジュール207との間での通信が可能な送電モジュール107と受電モジュール207との間の距離が最大45mmに限定されている。このため、端末装置2は、調理機器1に少なくとも45mm以下の距離まで近づけないと調理機器1の機器情報を取得することができない。このため、端末装置2は、調理機器1の近くに配置されない限り、調理機器1を制御することができないので、利用者は、端末装置2を調理機器1の近くに配置した場合にのみ端末装置2を介して調理機器1を制御することができる。従って、利用者が端末装置2を介して調理機器1から離れた場所から制御することを抑制できるので、調理機器1が適切に操作されるという利点がある。
【0038】
また、本実施の形態に係る端末装置2は、調理機器1から送信される機器情報に含まれる機器識別情報が認証情報記憶部231に記憶されていない場合、認証処理に失敗する。このため、調理機器1の保有者が、調理機器1の操作権限を与えていない、即ち、認証情報記憶部231に調理機器1の機器識別情報を記憶させていない端末装置2からの制御を制限することができるので、調理機器1が不特定多数の端末装置2から制御されてしまうことを回避できる。
【0039】
更に、本実施の形態に係る端末装置2の経過時間判定部218は、受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第1基準時間に到達したか否かを判定する。そして、表示制御部217が、前述の経過時間が第1基準時間に到達したと判定されると、端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断することを予告する遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる。そして、経過時間判定部218が、前述の経過時間が前述の第1基準時間よりも長い第2基準時間に到達したと判定すると、遮断処理部219が、端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断する。これにより、端末装置2を調理機器1から一時的に離れた位置に配置しても端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信が維持されるので、利用者の利便性を高めることができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る端末装置2の機器制御部216は、利用者による調理機器1に対する操作がなされない状態で前述の第3基準時間だけ経過したと判定されると、調理対象物の加熱を停止するように調理機器1の加熱部11を制御する。これにより、調理機器1の近くに利用者が存在しない状態で放置されることを抑制できる。
【0041】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態に係る調理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る調理システムは、クラウドサーバで管理される認証情報を使用して、調理機器において端末装置を認証する点で実施の形態1と相違する。
【0042】
本実施の形態に係る調理システムは、図7に示すように、調理機器2001と、端末装置2002と、クラウドサーバ2003と、を備える。また、調理機器1は、局所ネットワークNW2に接続されている。局所ネットワークNW2は、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであり、ルータ82およびデータ回線終端装置81を介して広域ネットワークNW1に接続されている。データ回線終端装置81は、モデム、ゲートウェイ等である。端末装置2002とクラウドサーバ2003とは、広域ネットワークNW1に接続されている。そして、調理機器2001、端末装置2002は、広域ネットワークNW1を介して通信可能となっている。
【0043】
調理機器2001は、図8に示すように、制御ユニット2100と、加熱部11と、加熱駆動部12と、を有する。なお、図8において、実施の形態1と同様の構成については図2と同一の符号を付している。制御ユニット2100は、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、インタフェース105と、通信部106と、表示部2104と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。表示部2104は、例えば液晶ディスプレイのような表示装置である。
【0044】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図9に示すように、制御情報取得部113、加熱制御部114、認証コード取得部2115、表示制御部2116、コード取得部2117、認証部2118およびアドレス通知部2119として機能する。なお、図9において、実施の形態1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、図8に示す補助記憶部103は、図9に示すように、アドレス記憶部132と、制御情報記憶部133と、認証コード記憶部2133と、を有する。認証コード記憶部2133は、クラウドサーバ2003から送信される認証コード情報を記憶する。
【0045】
認証コード取得部2115は、クラウドサーバ2003から送信される認証コード情報を取得すると、取得した認証コード情報を認証コード記憶部2133に記憶させる。表示制御部2116は、認証コード情報が認証コード記憶部2133に新たに記憶されると、認証コード記憶部2133が記憶する認証コード情報が示す認証コードを表す画像を形成して表示部2104に表示させる。
【0046】
コード取得部2117は、端末装置2002から送信される後述のコード通知情報を取得すると、取得したコード通知情報に含まれるコード情報を抽出して認証部2118に通知する。認証部2118は、認証コード記憶部2133が記憶する認証コード情報と、コード取得部2117から通知されるコード情報と、に基づいて、認証処理を実行する。具体的には、認証部2118は、認証コード情報が示す認証コードと、コード取得部2117から通知されるコード情報が示すコードと、が一致する場合、認証に成功したと判定する。一方、認証部2118は、認証コード情報が示す認証コードと、コード取得部2117から通知されるコード情報が示すコードと、が不一致である場合、認証に失敗したと判定する。
【0047】
アドレス通知部2119は、端末装置2002を調理機器2001に局所ネットワークNW2を介して接続するための接続情報であるアドレス情報を、端末装置2002へ送信する接続情報通知部である。アドレス通知部2119は、認証部2118による認証が成功すると、アドレス記憶部132が記憶するアドレス情報と、認証コード取得部2115から通知される端末識別情報と、を含むアドレス通知情報を生成する。そして、アドレス通知部2119は、生成したアドレス通知情報を、局所ネットワークNW2を介して端末装置2002へ送信する。
【0048】
端末装置2002は、図8に示すように、CPU201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、表示部204と、入力部205と、広域通信部261と、局所通信部262と、計時部208と、これらを互いに接続するバス209と、を備える。CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み出して実行することにより、図9に示すように、受付部215、機器制御部216、表示制御部217、経過時間判定部2218、遮断処理部219、端末情報通知部2220、コード通知部2221およびアドレス取得部2222として機能する。また、図8に示す補助記憶部203は、図9に示すように、アドレス記憶部232と、制御情報記憶部233と、端末情報記憶部2334と、を有する。端末情報記憶部2334は、端末装置2002を識別する端末識別情報を記憶する。ここで、端末識別情報としては、例えば端末装置2002に付与された局所ネットワークNW2内において端末装置2002を識別できるIPアドレス、または、端末装置2002に固有のMACアドレスを示す情報を採用することができる。
【0049】
端末情報通知部2220は、利用者が入力部205に対してクラウドサーバ2003に対して認証コード情報を要求する認証コード要求操作を行うと、これに応じて、端末装置識別情報を含む認証コード要求情報を生成してクラウドサーバ2003へ送信する。コード通知部2221は、利用者が入力部205に対してコード情報を入力するコード入力操作を行うと、これに応じて、入力されたコード情報を含むコード通知情報を生成して調理機器2001へ送信する。
【0050】
アドレス取得部2222は、調理機器2001から送信されるアドレス通知情報を取得すると、取得したアドレス通知情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させる。経過時間判定部2218は、調理機器2001から送信されるアドレス情報を取得し、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が予め設定された第1基準時間だけ経過したか否かを判定する。また、経過時間判定部2218は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が予め設定された第1基準時間よりも長い第2基準時間だけ経過したか否かを判定する。更に、経過時間判定部2218は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が予め設定された第3基準時間だけ経過したか否かを判定する。
【0051】
表示制御部217は、経過時間判定部2218により前述の経過時間が前述の第1基準時間だけ経過したと判定されると、遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる。遮断処理部219は、経過時間判定部2218により前述の経過時間が前述の第2基準時間だけ経過したと判定すると、端末装置2002と調理機器2001との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断する。機器制御部216は、経過時間判定部2218により前述の経過時間が前述の第3基準時間だけ経過したと判定されると、調理対象物の加熱を停止するための制御情報を選択して調理機器2001へ送信する。
【0052】
図8に戻って、クラウドサーバ2003は、調理機器2001において端末装置2002を認証するための認証コードを示す認証コード情報を管理する認証コード管理サーバである。クラウドサーバ2003は、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、通信部306と、これらを相互に接続するバス309と、を備える。CPU301は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部302は、揮発性メモリから構成され、CPU301の作業領域として用いられる。補助記憶部303は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ2003の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部306は、広域ネットワークNW1に接続されている。CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部に読み出して実行することにより、図9に示すように、端末情報取得部2311、調理機器特定部2312および認証コード通知部2313として機能する。また、図8に示す補助記憶部303は、図9に示すように、調理機器情報記憶部2331と、認証コード記憶部2332を有する。調理機器情報記憶部2331は、調理機器1を識別する調理機器識別情報を、例えば調理機器1の利用者が所持する端末装置2の端末識別情報に対応づけて記憶する。ここで、調理機器識別情報としては、例えば調理機器1に予め付与されたホスト名を示すホスト名情報を採用することができる。認証コード記憶部2332は、認証コード情報を記憶する。
【0053】
端末情報取得部2311は、端末装置2002から送信される端末情報を取得すると、取得した端末情報に含まれる端末識別情報を抽出して調理機器特定部2312および認証コード通知部2313に通知する。調理機器特定部2312は、調理機器情報記憶部2331が記憶する調理機器識別情報の中から、端末情報取得部2311から通知される端末識別情報に対応する調理機器識別情報を特定し、特定した調理機器識別情報を認証コード通知部2313に通知する。認証コード通知部2313は、認証コード記憶部2332が記憶する認証コード情報の中から1つの認証コード情報を選択し、選択した認証コード情報と端末情報取得部2311から通知される端末識別情報とを含む認証コード通知情報を生成する。そして、認証コード通知部2313は、特定された調理機器識別情報に基づいて、生成した認証コード通知情報を調理機器1へ送信する。
【0054】
次に、本実施の形態に係る調理システムの動作について図10および図11を参照しながら説明する。なお、図10および図11において、実施の形態1と同様の処理については図4および図5と同一の符号を付している。まず、図10に示すように、利用者が端末装置2002の入力部205に対して、クラウドサーバ2003に対して認証コード情報の調理機器1への送信を要求する認証コード要求操作を行ったとする。この場合、端末装置2002は、機器操作を受け付けて(ステップS2001)、クラウドサーバ2003に対して認証コード情報の調理機器1への送信を要求する認証コード要求情報を生成する(ステップS2002)。次に、生成された認証コード要求情報が、端末装置2002からクラウドサーバ2003へ送信される(ステップS2003)。一方、クラウドサーバ2003は、認証コード要求情報を取得すると、これに応じて、調理機器情報記憶部2331が記憶する調理機器識別情報の中から、認証コード要求情報に含まれる端末識別情報に対応する調理機器識別情報を特定するとともに認証コード記憶部2332が記憶する認証コード情報の中から1つの認証コード情報を特定し、特定した認証コード情報を含む、特定した調理機器識別情報で識別される調理機器1宛の認証コード通知情報を生成する(ステップS2004)。続いて、生成された認証コード通知情報が、クラウドサーバ2003から調理機器2001へ送信される(ステップS2005)。一方、調理機器2001は、認証コード通知情報を取得すると、取得した認証コード通知情報に含まれる認証コード情報を抽出して認証コード記憶部2133に記憶させる(ステップS2006)。その後、調理機器2001は、認証コード記憶部2133が記憶する認証コード情報が示す認証コードを表示部2104に表示させる(ステップS2007)。
【0055】
ここで、利用者が、調理機器2001の表示部2104に表示された認証コードを確認して、端末装置2002の入力部205に対して前述の認証コードを入力するコード入力操作を行ったとする。この場合、端末装置2002は、コード入力操作を受け付けて(ステップS2008)、当該コード入力操作で入力されたコードを示すコード情報を含むコード通知情報を生成する(ステップS2009)。次に、生成されたコード通知情報が、端末装置2002から調理機器2001へ送信される(ステップS2010)。一方、調理機器2001は、コード通知情報を取得すると、取得したコード通知情報に含まれるコード情報を抽出し(ステップS2011)、認証コード記憶部2133が記憶する認証コード情報と、抽出したコード情報と、に基づいて、認証処理を実行する(ステップS2012)。ここで、調理機器2001が、端末装置2002の認証に成功したと判定したとする(ステップS2013)。この場合、調理機器2001が、アドレス記憶部132が記憶するアドレス情報を含むアドレス通知情報を生成し(ステップS2014)、生成されたアドレス通知情報が、調理機器2001から端末装置2002へ送信される(ステップS2105)。一方、端末装置2002は、アドレス通知情報を取得すると、取得したアドレス通知情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させる(ステップS2106)。
【0056】
その後、ステップS8からS11までの一連の処理が実行されると、調理機器2001は、図11に示すように、端末装置2002から送信された制御情報に基づいて動作する。次に、端末装置2002は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第1基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS2017)。この場合、端末装置2002は、遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる(ステップS2018)。続いて、端末装置2002は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第2基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS2019)。この場合、端末装置2002は、アドレス記憶部232が記憶するアドレス情報を消去する(ステップS2020)。これにより、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が遮断される。
【0057】
また、ステップS8からS11までの一連の処理が実行され、調理機器2001が、端末装置2002から送信された制御情報に基づいて動作を開始した後、端末装置2002が、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第3基準時間だけ経過したと判定したとする(ステップS2021)。この場合、端末装置2002が、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、調理機器2001の加熱部11による調理対象物の加熱を停止させるための制御情報を選択し(ステップS2022)、選択された制御情報が、端末装置2002から調理機器2001へ送信される(ステップS2023)。一方、調理機器2001は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて、加熱部11による調理対象物の加熱を停止する(ステップS2024)。
【0058】
次に、本実施の形態に係る端末装置2002が実行する調理機器制御処理について図12を参照しながら説明する。なお、図12において、実施の形態1と同様の処理については、図6と同一の符号を付している。まず、受付部215は、前述の認証コード要求操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2201)。ここで、受付部215が、認証コード要求操作を受け付けていないと判定されると(ステップS2201:No)、後述のステップS2203の処理が実行される。一方、受付部215が、認証コード要求操作を受け付けたと判定すると(ステップS2201:Yes)、端末情報通知部2220は、これに応じて、端末装置識別情報を含む認証コード要求情報を生成してクラウドサーバ2003へ送信する(ステップS2202)。次に、アドレス取得部2222は、調理機器2001から送信されるアドレス通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2203)。ここで、アドレス取得部2222が、アドレス通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2203:No)、後述のステップS208の処理が実行される。一方、アドレス取得部2222が、アドレス通知情報を取得したと判定すると(ステップS2203:Yes)、取得したアドレス通知情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させる(ステップS2204)。続いて、ステップS208、S209の処理が実行される。
【0059】
その後、経過時間判定部2218は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第1基準時間だけ経過したか否かを判定する(ステップS2205)。ここで、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が未だ第1基準時間だけ経過していないと判定すると(ステップS2205:No)、後述のステップS2207の処理が実行される。一方、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が第1基準時間だけ経過したと判定すると(ステップS2205:Yes)、表示制御部217は、前述の遮断予告画像を形成して表示部204に表示させる(ステップS2206)。
【0060】
次に、経過時間判定部2218は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第2基準時間だけ経過したか否かを判定する(ステップS2207)。ここで、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が未だ第2基準時間だけ経過していないと判定すると(ステップS2207:No)、後述のステップS2209の処理が実行される。一方、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が第2基準時間だけ経過したと判定すると(ステップS2207:Yes)、遮断処理部219は、アドレス記憶部232が記憶する調理機器1のアドレス情報を消去する(ステップS2208)。これにより、遮断処理部219は、端末装置2と調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断する。
【0061】
続いて、経過時間判定部2218は、調理機器2001と端末装置2002との間での局所ネットワークNW2を介した通信が確立した後の経過時間が前述の第3基準時間だけ経過したか否かを判定する(ステップS2209)。ここで、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が未だ第3基準時間を経過していないと判定すると(ステップS2209:No)、再びステップS208の処理が実行される。一方、経過時間判定部2218が、前述の経過時間が第3基準時間を経過したと判定すると(ステップS2209:Yes)、機器制御部216は、制御情報記憶部233が記憶する制御情報の中から、調理対象物の加熱を停止するための制御情報を選択して調理機器1へ送信する(ステップS2210)。続いて、再びステップS2201の処理が実行される。
【0062】
次に、本実施の形態に係る調理機器1が実行する調理処理について図13を参照しながら説明する。この調理機器制御処理は、例えば調理機器1へ電源が投入されたことを契機として開始される。まず、認証コード取得部2115は、端末装置2002から送信される認証コード通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、認証コード取得部2115が、認証コード通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2101:No)、後述のステップS2109の処理が実行される。一方、認証コード取得部2115は、認証コード通知情報を取得したと判定すると(ステップS2101:Yes)、取得した認証コード通知情報に含まれる認証コード情報を抽出して認証コード記憶部2133に記憶させる(ステップS2102)。次に、表示制御部2116は、認証コード記憶部2133に新たに記憶された認証コード情報が示す認証コードを表す認証コード画像を形成して表示部2104に表示させる(ステップS2103)。
【0063】
続いて、コード取得部2117は、端末装置2002から送信される前述のコード通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2104)。ここで、コード取得部2117がコード通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2104:No)、後述のステップS2109の処理が実行される。一方、コード取得部2117は、コード通知情報を取得したと判定すると(ステップS2104:Yes)、取得したコード通知情報に含まれるコード情報を抽出し(ステップS2105)、抽出したコード情報を認証部2118に通知する。その後、認証部2118は、認証コード記憶部2133が記憶する認証コード情報と、コード取得部2117から通知されるコード情報と、に基づいて、認証処理を実行する(ステップS2106)。次に、認証部2118は、認証に成功したか否かを判定する(ステップS2107)。ここで、認証部2118が認証に失敗したと判定すると(ステップS2107:No)、後述のステップS2109の処理が実行される。一方、認証部2118が、認証に成功したと判定したとする(ステップS2107:Yes)。この場合、アドレス通知部2119は、認証部2118による認証が成功すると、アドレス記憶部132が記憶するアドレス情報と、認証コード取得部2115から通知される端末識別情報と、を含むアドレス通知情報を生成する。そして、アドレス通知部2119は、生成したアドレス通知情報を、局所ネットワークNW2を介して端末装置2002へ送信する(ステップS2108)。
【0064】
次に、制御情報取得部113は、端末装置2002から送信される制御情報を取得したか否かを判定する(ステップS2109)。ここで、制御情報取得部113が、制御情報を取得していないと判定すると(ステップS2109:No)、再びステップS2101の処理が実行される。一方、制御情報取得部113は、制御情報を取得したと判定すると(ステップS2109:Yes)、取得した制御情報を制御情報記憶部133に記憶させる。そして、加熱制御部114は、制御情報記憶部133が記憶する制御情報に基づいて、加熱部11の動作を制御する(ステップS2110)。続いて、再びステップS2101の処理が実行される。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態に係る調理システムでは、クラウドサーバ3が、端末装置2002の端末情報を取得すると、これに応じて、調理機器2001において端末装置2002を認証するための認証コードを示す認証コード情報を調理機器2001へ送信する。一方、調理機器2001は、認証コード情報を取得すると、取得した認証コード情報が示す認証コードを表す認証コード画像を表示部2104に表示させる。ここで、端末装置2002は、利用者が調理機器2001の表示部2104に表示された認証コード画像を確認して、端末装置2002の入力部205に対してコード入力操作を行うと、コード入力操作で入力されたコードを示すコード情報を調理機器2001へ送信する。そして、調理機器2001は、端末装置2002から送信されたコード情報と認証コード情報とに基づいて、前記調理機器の認証処理を実行し、認証が成功した場合、アドレス通知情報を端末装置2002へ送信する。これにより、調理機器2001において端末装置2002の認証に成功した場合のみ、利用者が端末装置2002を介して調理機器2001を操作することができるので、調理機器2001が適切に操作されるという利点がある。
【0066】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば図14に示すように、端末装置3002が、調理機器1の周囲に存在する人を検知する人検知装置3004から定期的に送信される人検知情報を取得する人検知情報取得部3223を有するものであってもよい。ここで、人検知装置3004は、例えば人感センサ、カメラ等を有するものであり、人を検知している状態で定期的に人検知情報を端末装置3002へ送信する。なお、人検知装置3004としては、調理機器1が設置された建物に設置された他の電気機器の稼働状況、当該建物に設置された照明器具の点灯状況、或いは、当該建物に設置された水道の利用状況に基づいて、建物内における人を検知するものであってもよい。この場合、端末装置3002の経過時間判定部3218は、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知されている状態で、人検知装置3004から送信される人検知情報を取得できなくなった時点からの経過時間が前述の第3基準時間だけ経過したか否かを判定する。そして、機器制御部216は、前述の経過時間が第3基準時間だけ経過したと判定されると、調理対象物の加熱を停止するための制御情報を選択して調理機器1へ送信する。
【0067】
本構成によれば、人の存否をより精度良く判定することができるので、調理機器1をより適切に稼働させることができる。
【0068】
実施の形態1に係る調理システムにおいて、端末装置の表示制御部217が、調理機器1の加熱部11による調理対象物の加熱を停止させる前に利用者に対して警告する警告画像を形成して表示部204に表示させるものであってもよい。この場合、端末装置2の経過時間判定部218が、受電検知部211により受電モジュール207による受電が検知された時点、または、受電モジュール207による受電が検知されている状態で利用者による調理機器1に対する操作が行われた後、受電モジュール207により受電が検知されている状態での経過時間が前述の第3基準時間よりも短い第4基準時間だけ経過したか否かを判定すればよい。そして、表示制御部217が、経過時間判定部218により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第4基準時間だけ経過したと判定されると、前述の警告画像を形成して表示部204に表示させるようにすればよい。なお、端末装置が、経過時間判定部218により受電モジュール207による受電が検知された後、受電モジュール207による受電が検知されなくなった時点からの経過時間が前述の第4基準時間だけ経過したと判定されると、局所ネットワークNW2を介して通信可能なスマートスピーカへ警告情報を送信することにより、スマートスピーカに警告音声を発生させるものであってもよい。
【0069】
実施の形態1において、例えば利用者が調理機器1を使用した調理中にも関わらず端末装置2を所持して調理機器1から離れた場所へ移動し前述の経過時間が前述の第2基準時間に到達した場合、端末装置2は、調理機器1との間の局所ネットワークNW2を介した通信を遮断するに止め、調理機器1により調理対象物の加熱を停止するかどうかは、例えば調理機器1の異常検知機能で判定するようにしてもよい。これにより、調理対象物が、例えば弱火で長時間煮込む料理である場合、経過時間が第2基準時間に到達しても、異常が検知されなければ調理対象物の加熱が停止されないようにすることができる。
【0070】
実施の形態1において、端末装置2が、周囲を撮像する撮像部、周囲の音声を収集するためのマクロフォンを有し、撮像部により撮像された端末装置2の周囲の撮像画像または収集された音声に基づいて、端末装置2の周囲に利用者が存在するか否かを判定する人存否判定部(図示せず)を有するものであってもよい。そして、端末装置2において、人存否判定部により人が存在しないと判定された状態で前述の第3基準時間だけ継続した場合、機器制御部216が、調理対象物の加熱を停止するように調理機器1の加熱部11を制御するものであってもよい。
【0071】
実施の形態1において、調理機器1の給電モジュール107が、加熱部11による調理対象物の加熱を行っていない場合でも、端末装置2を近づけると、端末装置2の給電モジュール107へ給電を実行できるものであってもよい。
【0072】
実施の形態1では、端末装置2が、接続要求情報を生成して、局所ネットワークNW2を介して調理機器1へ送信する例について説明した。但し、これに限らず、端末装置2が、調理機器1との間で例えばBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信規格に基づく通信方式による通信、即ち、いわゆるペアリングが可能である場合、接続要求情報を、当該近距離無線通信規格に基づく通信方式で調理機器1へ送信するものであってもよい。そして、端末装置2が、調理機器1から当該近距離無線通信規格に基づく通信方式で送信される接続応答情報を取得し、取得した接続応答情報に含まれるアドレス情報を抽出してアドレス記憶部232に記憶させるものであってもよい。
【0073】
また、本開示に係る調理機器1、2001、端末装置2、2002、3002の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0074】
更に、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0075】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0076】
(付記1)
調理対象物を加熱調理するための調理機器と、
前記調理機器を操作する端末装置と、を備え、
前記調理機器は、
前記調理対象物を加熱する加熱部と、
前記調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を前記端末装置へ送信する機器情報通知部と、
前記端末装置から送信される前記調理機器を制御するための制御情報に基づいて、前記加熱部による前記調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有し、
前記端末装置は、
前記機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器識別情報を抽出する機器情報取得部と、
前記機器識別情報に基づいて、前記調理機器の認証処理を実行する認証部と、
前記認証処理において認証が成功した場合、利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記制御情報を、ネットワークを介して前記調理機器へ送信することにより前記調理機器を制御する機器制御部と、を有する、
調理システム。
(付記2)
前記調理機器は、前記端末装置に対して非接触給電を行うとともに前記端末装置との間で通信を行うための送電モジュールを更に有し、
前記端末装置は、
前記調理機器から非接触で受電するための受電モジュールと、
前記受電モジュールによる受電を検知する受電検知部と、を更に有し、
前記機器情報通知部は、前記機器情報を、前記送電モジュールを介して前記端末装置へ送信し、
前記機器情報取得部は、前記受電モジュールによる受電が検知されると、前記受電モジュールを介して前記機器情報を取得する、
付記1に記載の調理システム。
(付記3)
前記端末装置は、
表示部と、
前記受電モジュールによる受電が検知された後、前記受電モジュールによる受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第1基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間が前記第1基準時間に到達したと判定されると、前記端末装置と前記調理機器との間の前記ネットワークを介した通信を遮断することを予告する遮断予告画像を形成して前記表示部に表示させる表示制御部と、を更に有する、
付記2に記載の調理システム。
(付記4)
前記端末装置は、前記受電モジュールによる受電が検知された後、前記受電モジュールによる受電が検知されなくなった時点からの経過時間が予め設定された第2基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間が前記第2基準時間に到達したと判定されると、前記端末装置と前記調理機器との間の前記ネットワークを介した通信を遮断する遮断処理部と、を更に有する、
付記2または付記3に記載の調理システム。
(付記5)
前記端末装置は、
前記受電モジュールによる受電が検知された時点、または、前記受電モジュールによる受電が検知されている状態で前記利用者による前記調理機器に対する操作が行われた後、前記受電モジュールによる受電が検知された状態での経過時間が予め設定された第3基準時間に到達したか否かを判定する経過時間判定部を更に有し、
前記機器制御部は、前記経過時間が前記第3基準時間に到達したと判定されると、前記調理対象物の加熱を停止するように前記加熱部を制御する、
付記2から付記4のいずれかに記載の調理システム。
(付記6)
調理対象物を加熱調理するための調理機器と、
前記調理機器を操作する端末装置と、
前記調理機器において前記端末装置を認証するための認証コードを示す認証コード情報を管理する認証コード管理サーバと、を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置を識別する端末識別情報を含む端末情報を前記認証コード管理サーバへ送信する端末情報通知部と、
利用者によるコード情報を入力する操作を受け付けると、前記コード情報を前記調理機器へ送信するコード通知部と、
前記調理機器にネットワークを介して接続するための接続情報を取得すると、取得した接続情報に基づいて、前記利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記調理機器を制御するための制御情報を、前記ネットワークを介して前記調理機器へ送信することにより前記調理機器を制御する機器制御部と、を有し、
前記認証コード管理サーバは、前記端末情報を取得すると、これに応じて、前記調理機器において前記端末装置を認証するための認証コードを示す認証コード情報を前記調理機器へ送信する認証コード通知部と、を有し、
前記調理機器は、
前記調理対象物を加熱する加熱部と、
表示部と、
前記認証コード情報を取得する認証コード取得部と、
前記認証コード情報が示す認証コードを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記端末装置から送信される前記コード情報を取得するコード取得部と、
前記コード情報と前記認証コード情報とに基づいて、前記調理機器の認証処理を実行する認証部と、
前記認証処理において認証が成功した場合、前記接続情報を前記端末装置へ送信する接続情報通知部と、
前記端末装置から送信される前記制御情報に基づいて、前記加熱部による前記調理対象物の加熱を制御する加熱制御部と、有する、
調理システム。
(付記7)
調理対象物を加熱調理するための調理機器が、前記調理機器を識別する機器識別情報を含む機器情報を、前記調理機器を操作する端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置が、前記調理機器から送信される前記機器情報を取得し、取得した前記機器情報に含まれる機器識別情報を抽出するステップと、
前記機器識別情報に基づいて、前記調理機器の認証処理を実行するステップと、
前記認証処理において認証が成功した場合、利用者による前記調理機器に対する操作の内容に応じて選択された前記調理機器を制御するための制御情報を、ネットワークを介して前記調理機器へ送信するステップと、
前記端末装置から送信される前記制御情報に基づいて、前記調理対象物を加熱する加熱部による前記調理対象物の加熱を制御するステップと、を含む、
調理機器制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本開示は、調理機器を端末装置から遠隔制御できる機能を有する調理システムとして好適である。
【符号の説明】
【0078】
1,2001 調理機器、2,2002,3002 端末装置、2003 クラウドサーバ、11 加熱部、12 加熱駆動部、81 データ回線終端装置、82 ルータ、100,2100 制御ユニット、101,201,301 CPU、102,202,302 主記憶部、103,203,303 補助記憶部、105 インタフェース、106,206,306 局所通知部、107 送電モジュール、109,209,309 バス、111 機器情報通知部、112,214 接続処理部、113 制御情報取得部、114 加熱制御部、131 機器情報記憶部、132,232 アドレス記憶部、133,233 制御情報記憶部、204,2104 表示部、205 入力部、207 受電モジュール、208 計時部、211 受電検知部、212,2311 機器情報取得部、213,2118 認証部、215 受付部、216 機器制御部、217,2116 表示制御部、218,2218,3218 経過時間判定部、219 遮断処理部、231 認証情報記憶部、2115 認証コード取得部、2117 コード取得部、2119 アドレス通知部、2133,2332 認証コード記憶部、2220 端末情報通知部、2221 コード通知部、2222 アドレス取得部、2234 端末情報記憶部、2312 調理機器特定部、2313 認証コード通知部、2331 調理機器情報記憶部、3004 人検知装置、3223 人検知情報取得部、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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