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特開2024-168912情報処理装置、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168912
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085959
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】石田 勝彦
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】データの有効利用を図ることができないこと。
【解決手段】本開示の情報処理装置100は、NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録する提供データ登録部121と、複数の提供データを利用して生成された生成データにおける提供データそれぞれの関連度合いを算出する算出部122と、生成データにNFTを付与して登録する生成データ登録部123と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録する提供データ登録部と、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出する算出部と、
前記生成データにNFTを付与して登録する生成データ登録部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、複数の前記提供データ間の関係式を表す前記生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを、前記関係式に基づいて算出する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、複数の前記提供データを利用して予め設定された出力を得られるよう生成された前記関係式を表す前記生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを、前記関係式に基づいて算出する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
複数の前記提供データを利用して当該提供データ間の前記関係式を表す前記生成データを生成する生成部を備えた、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、生成された前記生成データである前記関係式と、当該関係式を生成する際に用いた前記提供データとは異なる別の前記提供データと、を用いて、新たな前記関係式を生成し、
前記生成データ登録部は、新たな前記関係式である前記生成データにNFTを付与して登録する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記提供データ登録部は、データ内容が同一種類であり取得された時間帯が異なる前記提供データのそれぞれにNFTを付与して、それぞれ異なる前記提供データとして登録する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記提供データ登録部は、前記提供データに対して予め設定された前処理を行ってからNFTを付与して登録する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、前記提供データの予め設定された特性に応じた当該提供データの評価値と、前記関連度合いと、に基づいて、新たな前記関連度合いを算出する、
情報処理装置。
【請求項9】
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
情報処理方法。
【請求項10】
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
NFT(Non-Fungible Token)の活用により、データの真贋性と唯一性が保証され、データの価値を担保しつつ流通させる仕組みが実現されている。例えば、特許文献1では、NFTを用いて取引するデータの持ち分を分配することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6982352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、NFTを付与したデータであっても複製は可能であるため、他者によるデータの利用は可能である。このため、他者により利用されたデータを提供した提供者に対して、データ提供に対する適切な報酬の還元が困難である。その結果、データの流通を促進することができず、データの有効利用を図ることができない、という問題が生じる。
【0005】
このため、本開示の目的は、上述した課題である、データの有効利用を図ることができない、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態である情報処理装置は、
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録する提供データ登録部と、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出する算出部と、
前記生成データにNFTを付与して登録する生成データ登録部と、
を備えた、
という構成をとる。
【0007】
また、本開示の一形態である情報処理方法は、
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の一形態であるプログラムは、
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
処理をコンピュータに実行させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、以上のように構成されることにより、データの有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示にかかる情報処理システムに関わる事業者の関連性を示す図である。
図2】本開示にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置による処理の様子を示す図である。
図4】情報処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
図5】情報処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
図6】本開示にかかる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7】本開示にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本開示について、図面を参照して説明する。図1乃至図2は、構成を説明するための図であり、図3乃至図5は、処理動作を説明するための図である。なお、図面はいずれの実施形態においても関連しうる。
【0012】
[構成]
本実施形態における情報処理システムは、各事業者が提供する各提供データを分析して各提供データ間の関係性に基づいて新たな価値を有するデータを生成した場合に、生成したデータにおける各提供データの貢献度を算出するものである。そして、提供データを提供した事業者に対して貢献度に応じた対価を分配するなど評価することで、データの流通を促進して、データの有効利用を図る。このとき、提供データや生成データにNFT(Non-Fungible Token)を付与することで、各データの信頼性を確保し、さらなるデータの流通を促進して、データの有効利用を図る。
【0013】
ここで、提供データを提供する事業者は、例えば、図1に示すように、特定の地域A内で共に事業を行う事業者であり、一例として、鉄道関係事業者、自動車関連事業者、小規模店舗事業者、大規模店舗事業者、などである。提供データは、例えば、図3に示すように、事業者のサービスを利用するユーザによる所定のデータに対するアクセスデータやユーザの位置データ、事業者によるユーザに対する販売データ、事業者の施設や設備の消費電力データ、事業者の会員として登録したユーザの属性などの会員データ、事業者がサービスを行う地域Aの気象データや交通データ、地域A内で取得可能な種々のデータであるIoTデータ、などである。なお、事業者の業種はいかなる業種であってもよく、提供データはいかなる内容のデータであってもよい。
【0014】
そして、各事業者は、図1に示すように、上述したような各種提供データのうち複数の提供データを利用して分析し、地域Aにおける全体最適化による市場拡大を図ることに利用される提供データ間の関係性を表す新たな価値を有する関係式である生成データを生成する。例えば、関係式は、地域Aにおいてユーザの利便性が向上したり、事業者の売り上げが向上するようなデータを出力する内容のものである。一例として、関係式は、図3に示すように、事業者によって運行される乗り物の運行時刻を決定するもの、事業者による設備の稼働時刻を決定するもの、事業者による商品やサービスの提供価格を決定するもの、事業者からユーザにレコメンドする内容を決定するもの、がある。但し、関係式は、上述したものに限定されず、いかなる内容のものであってもよい。
【0015】
図2は、上記のことを実現するための情報処理システムの全体構成を示す。情報処理システムは、上述した各事業者が操作する複数の事業者端末20と、これら事業者端末20にネットワークを介して接続された管理装置10と、を備えている。
【0016】
管理装置10は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成される。そして、管理装置10は、図2に示すように、提供データ登録部11、分析部12、評価部13、生成データ登録部14、を備える。提供データ登録部11、分析部12、評価部13、生成データ登録部14の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。また、管理装置10は、提供データ記憶部16、生成データ記憶部17を備える。提供データ記憶部16、生成データ記憶部17は、記憶装置により構成される。以下、各構成について詳述する。
【0017】
提供データ登録部11は、提供データを提供する事業者の事業者端末20から、提供データを取得して、提供データ記憶部16に記憶する。このとき、事業者端末20から提供される提供データには、事業者を識別する事業者識別情報と、データが取得された時間情報と、が関連付けられているため、これらを関連付けて提供データを登録する。なお、提供データ登録部11に記憶された提供データは、後述するように、管理装置10に対して利用登録した事業者のみが利用することができる。
【0018】
また、提供データ登録部11は、提供データにNFT(Non-Fungible Token)を付与して、提供データ記憶部16に登録する。このとき、提供データ登録部11は、データ内容が同一種類の提供データであっても、取得された時間帯が異なる提供データのそれぞれにNFTを付与して登録する。これにより、取得された時間帯が異なる提供データは、それぞれが異なる提供データとしてNFTが付与されて登録される。例えば、提供データがユーザの位置データである場合に、同一日の9時から12時までの時間帯に取得された提供データと、12時から15時までの時間帯に取得された提供データとは、それぞれにNFTが付与されることで、異なる提供データとして登録される。このため、提供データ登録部11は、事業者により新たな提供データが取得されて提供される度に、新たな提供データとして登録することとなる。
【0019】
なお、提供データ登録部11は、事業者端末20から提供された提供データに対して予め設定された前処理を行い、かかる前処理を行った提供データに対してNFTを付与して登録してもよい。前処理としては、一例として、予め定められたデータフォーマットへの変換や、データの欠損を補充したり誤りを修正するなどのデータクレンジングを行う。
【0020】
さらに、提供データ登録部11は、提供データの性質や前処理の処理状況に応じてかかる提供データの品質を評価し、評価結果に応じた評価値を提供データに関連付けて記憶する。例えば、提供データ登録部11は、提供データの取得の困難性が高いと設定されているデータ種別の場合には困難性が高いほど評価を高くしたり、提供データの欠損や誤りが多く提供データに対する前処理の必要性が高いほど評価を低くしたり、前処理の実行が完了することによってデータ精度が向上すると設定されているデータ種別の場合には評価を高くする、といったことを行う。なお、このときに提供データに関連付けて記憶された評価値は、後に提供データの貢献度を算出する際に利用される。
【0021】
分析部12(生成部)は、ある事業者端末20からの指示に応じて、提供データ記憶部16に記憶されている複数の提供データを利用して、当該提供データ間の関係式(生成データ)を生成する。つまり、事業者が、自事業者の提供データと他事業者の提供データとを利用して、新たな価値を有するデータを生成できないかと考えた場合に、かかる事業者は、利用する提供データの指定と、生成する関係式の内容と、を指示する。これに応じて、分析部12は、少なくとも2つの提供データを読み出し、これら提供データ間の関連性を分析して関係性に応じた関係式を生成する。関係式の一例は上述したものであり、例えば、事業者によって運行される乗り物の最適な運行時刻を出力するような関係式を生成する。このとき、分析部12は、複数の提供データ間の関係式として、分類を行ったり最適解を出力するための決定木を生成してもよい。一例として、分析部12により生成される関係式は、複数の提供データの関係性を学習することによって、地域Aにおいてユーザの利便性が向上したり、事業者の売り上げが向上するようなデータを出力するよう生成されたモデルが該当しうる。
【0022】
また、分析部12は、既に生成されている関係式と、かかる関係式を生成する際に利用された関係式とは異なる別の提供データと、を用いて、新たな関係式を生成してもよい。例えば、第一の提供データと第二の提供データとを利用して生成された関係式が存在している場合に、第一の提供データと同一種類のデータ内容であるが第一の提供データとは取得された時間帯が異なる第三の提供データを用いて、関係式を更新する。この場合、同一種類の第一の提供データ及び第三の提供データと、それぞれと同じ時間帯に取得された第二の提供データと、の間の新たな関係式が生成されることとなる。
【0023】
なお、上述した分析部12による関係式の生成処理は、必ずしも管理装置10で行われることに限定されず、他の情報処理装置で実行されてもよい。例えば、各事業者が管理する情報処理装置が、管理装置10に登録されている提供データを取得し、かかる提供データ間の関係性を分析して関係式を生成してもよい。なお、生成された関係式は管理装置10に取得される。
【0024】
評価部13(算出部)は、上述したように生成された関係式における提供データそれぞれの関連度合い、つまり、関係式に対する提供データそれぞれの貢献度を算出する。例えば、評価部13は、関係式に含まれる提供データの関連性を表すパラメータを分析することで、関係式を生成したときに使用された各提供データの貢献度を算出する。一例として、評価部13は、関係式内において提供データに対する重みが重く設定されているほど、あるいは、関係式内において提供データの利用頻度が高いほど、かかる提供データについては関連度合いである貢献度を高く算出する。別の例として、評価部13は、分析部12による関係式の生成の際における提供データの寄与度が大きい場合に、かかる提供データの貢献度を高く算出する。なお、評価部13は、上述したように新たに関係式が生成される毎に、新たな関係式に基づいて利用された提供データの貢献度を算出する。
【0025】
なお、評価部13は、分析前の提供データに、提供データの特性に応じた評価値が関連付けられている場合には、かかる評価値を加味して貢献度を算出する。例えば、評価部13は、上述したように関係式に基づいて算出した貢献度に、評価度に応じた値を加算するなどして最終的な貢献度を算出する。
【0026】
評価部13は、上述したように算出した提供データ毎の貢献度を、対応する提供データに関連付けて提供データ記憶部16に記憶する。そして、記憶された提供データに関連付けられた貢献度は、提供データを提供した事業者に対する利益等の分配に利用される。なお、評価部13は、生成された関係式と共に、かかる関係式の生成に利用された各提供データの貢献度を、事業者端末20などの情報処理装置の表示装置に表示してもよい。つまり、評価部13は、関係式における各提供データの貢献度を可視化してもよい。
【0027】
生成データ登録部14は、上述したように生成した関係式にNFTを付与して、生成データ記憶部17に登録する。なお、評価部13は、上述したように新たに関係式が生成される毎に、新たな関係式にNFTを付与して登録する。また、生成データ登録部14は、NFTが付与された関係式を、事業者端末20などの他の情報処理装置からの要求に応じて提供する。
【0028】
[動作]
次に、上述した情報処理システムの動作を説明する。図3は情報処理システムにおけるデータの流れの概略を示し、図4乃至図5は管理装置10の動作を示す。
【0029】
まず、各事業者が、事業者端末20から提供データを管理装置10に提供する。例えば、事業者は、図3に示すようなアクセスデータ、位置データ、販売データ、消費電力量データ、会員データ、気象データ、交通データ、IoTデータなどの提供データを、管理装置10に提供する。管理装置10は、事業者から提供された提供データを受け付けて(図4のステップS1)、提供データ記憶部16に記憶する。このとき、管理装置10は、提供データに対して予め設定された前処理を行い、かかる前処理を行った提供データに対してNFTを付与して登録する(図4のステップS2)。管理装置10は、前処理としては、例えば、予め定められたデータフォーマットへの変換や、データの欠損を補充したり誤りを修正するなどのデータクレンジングを行う。
【0030】
なお、管理装置10は、事業者端末20から提供データを受け付ける度に、提供データ毎に前処理とNFTの付与を行って登録する。このため、管理装置10は、データ内容が同一種類の提供データであっても、取得された時間帯が異なる提供データは、それぞれが異なる提供データとしてNFTが付与されて登録されることとなる。
【0031】
このとき、さらに管理装置10は、提供データの性質や前処理の処理状況に応じて、かかる提供データの品質を評価し、提供データに評価値を関連付けて記憶する。かかる評価値は、後に提供データの貢献度を算出する際に利用される。
【0032】
その後、事業者は、自事業者の提供データと他事業者の提供データとを利用して、新たな価値を有するデータを生成できないかと考えたとする。この場合、事業者は、事業者端末20から管理装置10に対して、利用する提供データと、生成する関係式の内容と、を指定して、データ分析を指示する。これに応じて、管理装置10は、少なくとも2つの提供データを読み出し、これら提供データ間の関連性を分析して関係式を生成する(図4のステップS3)。生成する関係式は、地域Aにおいてユーザの利便性が向上したり、事業者の売り上げが向上するようなデータを出力する内容のものであり、一例として、図3に示すように、事業者によって運行される乗り物の運行時刻を決定するもの、事業者による設備の稼働時刻を決定するもの、事業者による商品やサービスの提供価格を決定するもの、事業者によるユーザにレコメンドする内容を決定するもの、が考えられる。なお、関係式の生成処理は、他の情報処理装置で行われてもよい。
【0033】
続いて、管理装置10は、上述したように生成された関係式における提供データそれぞれの関連度合い、つまり、関係式に対する提供データそれぞれの貢献度を算出する(図4のステップS4)。例えば、評価部13は、関係式に含まれるパラメータを分析することで、関係式を生成したときに使用された各提供データの貢献度を算出する。そして、管理装置10は、算出した貢献度を対応する提供データに関連付けて、提供データ記憶部16に記憶する(図4のステップS5)。このとき、管理装置10は、提供データの特性に応じた評価値が関連付けられている場合には、かかる評価値を加味して最終的な貢献度を算出して記憶する。なお、数値化される貢献度は、多くの場合、同一のデータであっても分析対象とする時間帯の設定により異なる結果となることが考えられ、短時間における特定領域に対する特徴的な貢献を明らかにすることも、長時間における全体に対する貢献を明らかにすることも同時に実現することが可能である。評価のタイミングはデータを提供する各事業者の合意により決定することができる。
【0034】
その後、管理装置10は、上述したように生成した関係式にNFTを付与して、生成データ記憶部17に登録する(図4のステップS6)。そして、管理装置10は、必要に応じて、各提供データに関連付けられた貢献度や関係式を、他の情報処理装置に提供する。
【0035】
以上のように、各事業者が提供する提供データには、これらを利用して生成された関係式への貢献度が関連付けられる。このため、かかる提供データを提供した事業者に対する貢献度を数値化することができる。そして、かかる貢献度を利用することで、新たな価値を有する関係式の利用によって得られた利益等などの報酬の各事業者に公平に分配することができる。その結果、データ流通が促進され、データの有効利用を図ることができ、事業者による事業や売上の拡大を図ることができる。
【0036】
また、提供データや関係式にNFTが付与されて登録されるため、かかるデータの信頼性が確保され、よりデータ流通が促進され、さらなるデータの有効利用を図ることができる。
【0037】
次に、既に生成されている関係式を利用して、さらに新たな関係式を生成する場合の動作を説明する。まず、各事業者から、新たな提供データが管理装置10に提供されると、管理装置10は、事業者から提供された提供データを受け付けて(図5のステップS11)、提供データ記憶部16に記憶する。そして、管理装置10は、提供データに対して予め設定された前処理を行い、かかる前処理を行った提供データに対してNFTを付与して登録する(図5のステップS12)。
【0038】
その後、事業者は、自事業者あるいは他事業者の新たな提供データと、既存の関係式と、を利用して、さらに新たな価値を有するデータを生成できないかと考えたとする。この場合、事業者は、事業者端末20から管理装置10に対して、利用する提供データ及び関係式を指定して、さらなる分析を指示する。これに応じて、管理装置10は、少なくとも1つの新たな提供データと関係式とを読み出し、新たな提供データと関係式に組み込まれた提供データ間の関連性を分析して新たな関係式を生成する(図5のステップS13)。なお、関係式の生成処理は、他の情報処理装置で行われてもよい。
【0039】
続いて、管理装置10は、上述したように生成された新たな関係式における提供データそれぞれの関連度合い、つまり、関係式に対する提供データそれぞれの貢献度を算出する(図5のステップS14)。そして、管理装置10は、算出した貢献度を対応する提供データに関連付けて、提供データ記憶部16に記憶する(図5のステップS15)。また、その後、管理装置10は、生成した新たな関係式にNFTを付与して、生成データ記憶部17に登録する(図5のステップS16)。そして、管理装置10は、必要に応じて、各提供データに関連付けられた貢献度や関係式を、他の情報処理装置に提供する。
【0040】
以上のように、各事業者が提供データを提供する毎に新たな関係式が生成される可能性があり、データ流通が促進され、データの有効利用を図ることができ、事業者による事業や売上の拡大を図ることができる。また、新たな提供データや関係式には常にNFTが付与されて登録されるため、かかるデータの信頼性が確保され、よりデータ流通が促進され、さらなるデータの有効利用を図ることができる。
【0041】
<実施形態2>
次に、本開示の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、上述した実施形態で説明した管理装置の構成の概略を示している。なお、図6乃至図7は、構成を説明するための図であり、かかる図面はいずれの実施形態においても関連しうる。
【0042】
まず、図6を参照して、情報処理装置100のハードウェア構成を説明する。情報処理装置100は、一般的な情報処理装置にて構成されており、一例として、以下のようなハードウェア構成を装備している。
・CPU(Central Processing Unit)101(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)102(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)103(記憶装置)
・RAM103にロードされるプログラム群104
・プログラム群104を格納する記憶装置105
・情報処理装置外部の記憶媒体110の読み書きを行うドライブ装置106
・情報処理装置外部の通信ネットワーク111と接続する通信インタフェース107
・データの入出力を行う入出力インタフェース108
・各構成要素を接続するバス109
【0043】
なお、図6は、情報処理装置100である情報処理装置のハードウェア構成の一例を示しており、情報処理装置のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、情報処理装置は、ドライブ装置106を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。また、情報処理装置は、上述したCPUの代わりに、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(TensorProcessingUnit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0044】
そして、情報処理装置100は、プログラム群104をCPU101が取得して当該CPU101が実行することで、図7に示す提供データ登録部121と算出部122と生成データ登録部123とを構築して装備することができる。なお、プログラム群104は、例えば、予め記憶装置105やROM102に格納されており、必要に応じてCPU101がRAM103にロードして実行する。また、プログラム群104は、通信ネットワーク111を介してCPU101に供給されてもよいし、予め記憶媒体110に格納されており、ドライブ装置106が該プログラムを読み出してCPU101に供給してもよい。但し、上述した提供データ登録部121と算出部122と生成データ登録部123とは、かかる手段を実現させるための専用の電子回路で構築されるものであってもよい。
【0045】
上記提供データ登録部121は、NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録する。上記算出部122は、複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出する。上記生成データ登録部123は、前記生成データにNFTを付与して登録する。
【0046】
本開示は、以上のように構成されることにより、提供データを利用して生成データが生成され、かかる生成データにおける提供データの関連度合いが算出される。このように、生成データにおける提供データの貢献度を数値化することができ、提供データに対する報酬を公平に分配することができるようになる。その結果、データ流通が促進され、データの有効利用を図ることができる。また、提供データや生成データにNFTが付与されて登録されるため、かかるデータの信頼性が確保され、よりデータ流通が促進され、さらなるデータの有効利用を図ることができる。
【0047】
なお、上述した提供データ登録部121と算出部122と生成データ登録部123との機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0048】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0049】
以上、上記実施形態等を参照して本開示を説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。そして、上述した各実施形態は、適宜他の実施形態と組み合わせることができる。
【0050】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における情報処理装置、情報処理方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録する提供データ登録部と、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出する算出部と、
前記生成データにNFTを付与して登録する生成データ登録部と、
を備えた情報処理装置。
(付記2)
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、複数の前記提供データ間の関係式を表す前記生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを、前記関係式に基づいて算出する、
情報処理装置。
(付記3)
付記2に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、複数の前記提供データを利用して予め設定された出力を得られるよう生成された前記関係式を表す前記生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを、前記関係式に基づいて算出する、
情報処理装置。
(付記4)
付記2又は3に記載の情報処理装置であって、
複数の前記提供データを利用して当該提供データ間の前記関係式を表す前記生成データを生成する生成部を備えた、
情報処理装置。
(付記5)
付記4に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、生成された前記生成データである前記関係式と、当該関係式を生成する際に用いた前記提供データとは異なる別の前記提供データと、を用いて、新たな前記関係式を生成し、
前記生成データ登録部は、新たな前記関係式である前記生成データにNFTを付与して登録する、
情報処理装置。
(付記6)
付記5に記載の情報処理装置であって、
前記提供データ登録部は、データ内容が同一種類であり取得された時間帯が異なる前記提供データのそれぞれにNFTを付与して、それぞれ異なる前記提供データとして登録する、
情報処理装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記提供データ登録部は、前記提供データに対して予め設定された前処理を行ってからNFTを付与して登録する、
情報処理装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、前記提供データの予め設定された特性に応じた当該提供データの評価値と、前記関連度合いと、に基づいて、新たな前記関連度合いを算出する、
情報処理装置。
(付記9)
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
情報処理方法。
(付記9.1)
付記9に記載の情報処理方法であって、
複数の前記提供データ間の関係式を表す前記生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを、前記関係式に基づいて算出する、
情報処理方法。
(付記9.2)
付記9.1に記載の情報処理方法であって、
複数の前記提供データを利用して当該提供データ間の前記関係式を表す前記生成データを生成する、
情報処理方法。
(付記9.3)
付記9.2に記載の情報処理方法であって、
生成された前記生成データである前記関係式と、当該関係式を生成する際に用いた前記提供データとは異なる別の前記提供データと、を用いて、新たな前記関係式を生成し、
新たな前記関係式である前記生成データにNFTを付与して登録する、
情報処理方法。
(付記9.4)
付記9乃至9.3に記載の情報処理方法であって、
前記提供データに対して予め設定された前処理を行ってからNFTを付与して登録する、
情報処理方法。
(付記9.5)
付記9乃至9.4に記載の情報処理方法であって、
前記提供データの予め設定された特性に応じた当該提供データの評価値と、前記関連度合いと、に基づいて、新たな前記関連度合いを算出する、
情報処理方法。
(付記10)
NFT(Non-Fungible Token)を付与した提供データを登録し、
複数の前記提供データを利用して生成された生成データにおける前記提供データそれぞれの関連度合いを算出し、
前記生成データにNFTを付与して登録する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0051】
10 管理装置
11 提供データ登録部
12 分析部
13 評価部
14 生成データ登録部
16 提供データ記憶部
17 生成データ記憶部
20 事業者端末
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 プログラム群
105 記憶装置
106 ドライブ装置
107 通信インタフェース
108 入出力インタフェース
109 バス
110 記憶媒体
111 通信ネットワーク
121 提供データ登録部
122 算出部
123 生成データ登録部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7