IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和ハウス工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-配筋検査システム 図1
  • 特開-配筋検査システム 図2
  • 特開-配筋検査システム 図3
  • 特開-配筋検査システム 図4
  • 特開-配筋検査システム 図5
  • 特開-配筋検査システム 図6
  • 特開-配筋検査システム 図7
  • 特開-配筋検査システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168940
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】配筋検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20241128BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01B11/02 H
E04G21/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086015
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 嵩之
【テーマコード(参考)】
2E174
2F065
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2F065AA23
2F065AA31
2F065BB12
2F065BB27
2F065FF04
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065QQ24
2F065QQ31
2F065QQ42
2F065SS01
(57)【要約】
【課題】配筋検査を好適に行うことができる配筋検査システムを提供する。
【解決手段】上下方向に延びる複数の縦筋3と、左右方向に延びる横筋4と、結合した構造物2における縦筋3の左右方向のピッチの検査を行う配筋検査システム1であって、縦筋3に取り付けられ、AR画像(検査シート30、ライン31)を表示させるためのマーク11aが付されたARマーカー10と、構造物2の画像を取得可能であると共に、マーク11aを読み取り可能なカメラ部21と、カメラ部21が取得した画像を表示するタッチパネル24と、マーク11aに関連付けられた設計情報を取得し、設計情報に基づいて、予め設定された縦筋3の左右方向のピッチを示すライン31を生成すると共に、ライン31をカメラ部21が取得した画像に重ね合わせるようにタッチパネル24に表示させる制御部23と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に延びる複数の第一鉄筋と、前記第一方向に対して直交する第二方向に延びる第二鉄筋と、を結合した構造物における前記第一鉄筋の前記第二方向のピッチの検査を行う配筋検査システムであって、
前記第一鉄筋に取り付けられ、AR画像を表示させるための第一マークが付されたARマーカーと、
前記構造物の画像を取得可能であると共に、前記第一マークを読み取り可能な撮像部と、
前記撮像部が取得した画像を表示する表示部と、
前記第一マークに関連付けられた設計情報を取得し、前記設計情報に基づいて、予め設定された前記第一鉄筋の前記第二方向のピッチを示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記撮像部が取得した画像に重ね合わせるように前記表示部に表示させる制御部と、
を具備する配筋検査システム。
【請求項2】
前記ARマーカーは、
前記第一マークが付されたマーカー本体と、
前記マーカー本体に設けられ、前記マーカー本体の前記第二方向中心と、前記第一鉄筋の前記第二方向中心と、が前記第二方向において一致するように、前記第一鉄筋に対して係合する係合部と、
を具備する、
請求項1に記載の配筋検査システム。
【請求項3】
前記ARマーカーは、
前記係合部が前記第一鉄筋に対して係合した状態で、前記ARマーカーのうち前記第一マークが付された表示面が、前記第一方向及び前記第二方向に沿う平面と平行状になるように、前記第二鉄筋に対して当接する当接部を具備する、
請求項2に記載の配筋検査システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記表示面に対して同一平面状の仮想的な平面上に、前記AR画像を表示させる、
請求項3に記載の配筋検査システム。
【請求項5】
前記第一マークには、前記第一鉄筋の径の情報を含む前記設計情報が関連付けられており、
前記制御部は、
前記設計情報に基づいて、予め設定された前記第一鉄筋の径を示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記表示部に表示可能である、
請求項1に記載の配筋検査システム。
【請求項6】
前記第一マークには、前記第二方向に継ぎ足される複数の前記第二鉄筋同士の定着長さの情報を含む前記設計情報が関連付けられており、
前記制御部は、
前記設計情報に基づいて、予め設定された複数の前記第二鉄筋同士の定着長さを示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記表示部に表示可能である、
請求項1に記載の配筋検査システム。
【請求項7】
前記ARマーカーには、
基準位置に対する傾きを示す傾斜情報を示す第二マークが付されており、
前記制御部は、
複数の前記第一鉄筋に対して前記ARマーカーを取り付けることで、前記第二マークから取得される複数の前記傾斜情報に基づいて、前記基準位置に対する複数の前記ARマーカーの傾きの平均値を算出し、前記平均値に基づいた仮想的な平面上に前記AR画像を表示させる、
請求項1に記載の配筋検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配筋検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の構造物の配筋の検査に用いられるシステムが知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、配筋後の鉄筋をカメラで撮像することで取得した配筋検査画像に基づいて、配筋検査を行う配筋検査システムが記載されている。具体的には、上記配筋検査システムを用いた配筋検査では、まず、鉄筋に対して鉄筋種別を示す種別マーカを付すと共に、上記種別マーカが配列された位置にスケールを配置した状態でカメラを用いた撮像を行い、上記種別マーカ及びスケールを含めた配筋検査画像を取得する。次に、配筋検査画像内の種別マーカ及びスケールに画像処理を施し、配筋された鉄筋の配筋ピッチ等を含む配筋検査情報を生成し、配筋検査情報に基づいて配筋検査を行う。
【0004】
しかしながら、例えば建物の基礎梁等においては、複数の層ごとに配筋が行われている場合がある。上記特許文献1に記載のシステムのように、カメラで撮像された画像に基づいて配筋検査を行う方法では、複数の層の配筋のうち表層部の配筋の検査は可能であるものの、二層目以降の配筋については表層部の配筋が障害物となることから、配筋の撮像が困難となる。このため、配筋検査画像の取得や画像処理が困難となり、配筋検査を好適に行い難いことが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許7199826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、配筋検査を好適に行うことができる配筋検査システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、第一方向に延びる複数の第一鉄筋と、前記第一方向に対して直交する第二方向に延びる第二鉄筋と、を結合した構造物における前記第一鉄筋の前記第二方向のピッチの検査を行う配筋検査システムであって、前記第一鉄筋に取り付けられ、AR画像を表示させるための第一マークが付されたARマーカーと、前記構造物の画像を取得可能であると共に、前記第一マークを読み取り可能な撮像部と、前記撮像部が取得した画像を表示する表示部と、前記第一マークに関連付けられた設計情報を取得し、前記設計情報に基づいて、予め設定された前記第一鉄筋の前記第二方向のピッチを示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記撮像部が取得した画像に重ね合わせるように前記表示部に表示させる制御部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記ARマーカーは、前記第一マークが付されたマーカー本体と、前記マーカー本体に設けられ、前記マーカー本体の前記第二方向中心と、前記第一鉄筋の前記第二方向中心と、が前記第二方向において一致するように、前記第一鉄筋に対して係合する係合部と、を具備するものである。
【0010】
請求項3においては、前記ARマーカーは、前記係合部が前記第一鉄筋に対して係合した状態で、前記ARマーカーのうち前記第一マークが付された表示面が、前記第一方向及び前記第二方向に沿う平面と平行状になるように、前記第二鉄筋に対して当接する当接部を具備するものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御部は、前記表示面に対して同一平面状の仮想的な平面上に、前記AR画像を表示させるものである。
【0012】
請求項5においては、前記第一マークには、前記第一鉄筋の径の情報を含む前記設計情報が関連付けられており、前記制御部は、前記設計情報に基づいて、予め設定された前記第一鉄筋の径を示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記表示部に表示可能であるものである。
【0013】
請求項6においては、前記第一マークには、前記第二方向に継ぎ足される複数の前記第二鉄筋同士の定着長さの情報を含む前記設計情報が関連付けられており、前記制御部は、前記設計情報に基づいて、予め設定された複数の前記第二鉄筋同士の定着長さを示す前記AR画像を生成すると共に、前記AR画像を前記表示部に表示可能であるものである。
【0014】
請求項7においては、前記ARマーカーには、基準位置に対する傾きを示す傾斜情報を示す第二マークが付されており、前記制御部は、複数の前記第一鉄筋に対して前記ARマーカーを取り付けることで、前記第二マークから取得される複数の前記傾斜情報に基づいて、前記基準位置に対する複数の前記ARマーカーの傾きの平均値を算出し、前記平均値に基づいた仮想的な平面上に前記AR画像を表示させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
本発明においては、配筋検査を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一実施形態に係る配筋検査システムを模式的に示した正面図。
図2】(a)配筋検査システムを模式的に示したブロック図。(b)配筋検査システム及び基礎張りの配筋を模式的に示した側面断面図。
図3】(a)ARマーカーを示した正面図。(b)ARマーカーを示した平面断面図。
図4】表示部に表示されたAR画像を示した正面図。
図5】(a)第二実施形態に係る配筋検査システムのARマーカーを示した正面図。(b)第三実施形態に係る配筋検査システムのAR画像を示した正面図。
図6】第四実施形態に係る配筋検査システムのAR画像を示した正面図。
図7】(a)第五実施形態に係る配筋検査システムのARマーカーを示した正面図。(b)ARマーカーを斜めから見た状態を示した模式図。
図8】(a)ARマーカーを、一端側の縦筋に取り付けた例を示した平面断面図。(b)ARマーカーを、他端側の縦筋に取り付けた例を示した平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の第一実施形態に係る配筋検査システム1について説明する。また、以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。
【0019】
配筋検査システム1は、施工途中の建物のうち、鉄筋により形成された構造物2の配筋の検査に使用されるものである。まず、配筋検査システム1による検査の対象となる構造物2について説明する。構造物2は、正面視において上下方向に延びる縦筋3と、左右方向に延びる横筋4と、が結束線等により互いに結束されている(図1及び図2(b)を参照)。縦筋3及び横筋4は、表面に凹凸が形成された異形鉄筋である。なお図例では、縦筋3及び横筋4を模式的に示しており、表面の凹凸の図示を省略している。本実施形態では、構造物2を建物の基礎梁としている。
【0020】
図1及び図2(b)に示す基礎梁(構造物2)は、建物の1階を支持する梁(地中梁)である。基礎梁は、鉄筋コンクリートにより形成される。本実施形態では、鉄筋が組まれた後、コンクリート打設用の型枠が設けられる前の状態の基礎梁を示している。以下では、基礎梁の長手方向を左右方向、幅方向(短手方向)を前後方向として説明を行う。
【0021】
図2(b)に示すように、本実施形態に係る縦筋3は、基礎梁のあばら筋(スターラップ)である。図1に示すように、縦筋3は、左右方向に所定の間隔(ピッチ)を開けて複数設けられる。上記ピッチは、設計上の値が設定されている。
【0022】
また、本実施形態に係る横筋4には、基礎梁の上下端部に設けられる主筋4aと、基礎梁の中腹部分に設けられる腹筋4bと、が含まれる。構造物2においては、複数の横筋4(主筋4a及び腹筋4b)が、左右方向に継ぎ足される場合がある(図6を参照)。上記継ぎ足される複数の横筋4同士が重なる寸法(定着長さ)は、設計上の値が設定されている。
【0023】
また、縦筋3及び横筋4の径は、それぞれ設計上の値が設定されている。また、縦筋3及び横筋4は、前後方向において複数の層ごとに(縦筋3及び横筋4が、それぞれ二層以上となるように)配筋される場合がある。
【0024】
上述の如き構造物2は、配筋が設計上適切であるか否かを判定する配筋検査が行われる。配筋検査においては、複数の縦筋3が、設計上のピッチ以下で配筋されているか否かの判定が行われる。また、配筋検査では、縦筋3及び横筋4の径や、横筋4同士の定着長さが、設計上の値であるか否かの判定が行われる。一般的な配筋検査では、スケール等を用いて、検査対象ごとに検査者が手作業でピッチ等を確認していた。しかしながら、このような方法では検査者の負担が大きかった。
【0025】
図1から図3までに示す配筋検査システム1は、AR(拡張現実)技術により端末20の画面(後述するタッチパネル24)上に表示される画像(AR画像)を用いて、縦筋3のピッチの検査を行うことができる。配筋検査システム1は、ARマーカー10及び端末20を具備する。
【0026】
図1及び図3に示すARマーカー10は、AR画像を表示させるためものである。ARマーカー10は、縦筋3に対して着脱可能に取り付けられる。ARマーカー10は、マーカー本体11、取付リング12及びスペーサー13を備えている。
【0027】
マーカー本体11は、ARマーカー10の主たる構造物である。マーカー本体11は、板面を前後方向に向けた略板形状に形成される。マーカー本体11は、正面視において略矩形状に形成される。マーカー本体11の前面には、AR画像を表示させるためのマーク11aが付されている。マーク11aが示す情報を、スマートフォン等の端末(後述する端末20)で読み取ることで、端末の画面にAR画像を表示させることができる。マーク11aには、検査の対象となる基礎梁(構造物2)の設計情報が関連付けられている。上記設計情報には、縦筋3の設計上のピッチ等の情報が含まれている。
【0028】
図3(b)に示す取付リング12は、縦筋3に対して係合するものである。取付リング12は、マーカー本体11の後面における左右方向中央に設けられる。取付リング12は、縦筋3に係合した状態で、縦筋3の左右方向中心と、マーカー本体11(マーク11a)の左右方向中心と、が概ね一致するように設けられる。取付リング12は、後部を開口させた略円筒形状に形成される。取付リング12の内径は、取付対称の縦筋3の径(外径)に応じた寸法に形成される。取付リング12は、樹脂等の弾性変形可能な部材で形成される。
【0029】
図3に示すスペーサー13は、取付リング12を縦筋3に係合させた状態で、横筋4に対して当接するものである。スペーサー13は、マーカー本体11の後面における左右方向両端部にそれぞれ(一対)設けられる。スペーサー13は、板面を左右方向に向けた略板形状に形成される。
【0030】
スペーサー13の上下寸法は、マーカー本体11の上下寸法よりも大きく形成される。また、スペーサー13の前後寸法は、マーカー本体11の後面と、横筋4の前端部と、の間の前後寸法に応じた寸法に設定される。なお、図3(b)に示す例では、縦筋3と横筋4とが前後方向に重複している図となっているが、横筋4を縦筋3の後方に配置してもよい。この場合は、スペーサー13の前後寸法を、取付リング12の厚みと、縦筋3の径と、を足し合わせた寸法に設定可能である。
【0031】
上述の如きARマーカー10は、取付リング12の開口が形成された部分を縦筋3に当接させた状態で後方へ押し込むことで、取付リング12を弾性変形させると共に縦筋3に係合させて、縦筋3に対して取り付けることができる。また、縦筋3に取り付けられた状態のARマーカー10を前方へ引き抜くことで、縦筋3に対してARマーカー10を取り外すことができる。
【0032】
上述の如きARマーカー10によれば、取付対象(縦筋3)に対する位置決めを容易に行うことができる。すなわち、取付リング12を縦筋3に対して係合させた状態では、縦筋3に対するARマーカー10の径方向(縦筋3の径方向)の位置決めがなされる(図3(b)を参照)。また、一対のスペーサー13が横筋4に対して当接することで、縦筋3を中心としたARマーカー10の回転が規制される。これにより、縦筋3に対するARマーカー10の周方向の位置決めを行うことができる。
【0033】
また、図3(b)に示すように、ARマーカー10は、取付リング12が縦筋3に対して係合すると共に、一対のスペーサー13が横筋4に対して当接した状態では、マーカー本体11の前面が、上下方向及び左右方向に沿う基準面X(基礎梁の正面を構成する面)と概ね平行になる。
【0034】
図1及び図2に示す端末20は、各種の情報の入出力や、各種の情報の処理が可能なものである。端末20としては、携帯可能な情報端末(タブレットやスマートフォン)等を用いることができる。端末20は、カメラ部21、記憶部22、制御部23及びタッチパネル24を具備する。
【0035】
カメラ部21は、所定のレンズ部(不図示)を介して、画像(映像)を取得可能なものである。また、カメラ部21は、ARマーカー10のマーク11aに示された情報を読み取り可能である。
【0036】
記憶部22は、各種のプログラムや、カメラ部21が撮像した画像データ等の情報等が記憶されるものである。記憶部22は、HDD、RAM、ROM等により構成される。
【0037】
制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラム(アプリケーション)を実行するものである。制御部23は、CPUにより構成される。
【0038】
タッチパネル24は、各種の情報の入力及び表示(出力)が可能なものである。配筋検査を行う検査者(使用者)は、タッチパネル24を介して端末20の操作が可能である。端末20のカメラ機能を起動させている状態では、カメラ部21のレンズ部を介した画像(リアルタイムの映像)が、タッチパネル24に表示される。
【0039】
以下では、配筋検査システム1を用いた配筋の検査の様子について説明する。なお、以下では、基礎梁である構造物2の縦筋3(あばら筋)のピッチの検査を行う例を説明する。
【0040】
配筋検査システム1による検査を行う際には、検査者はまず、検査対象となる構造物2の縦筋3に対して、ARマーカー10を取り付ける。図1に示すように、ARマーカー10は、構造物2の左右方向一端側(図例では左端側)の縦筋3に取り付けられる。なお、ARマーカー10は、検査対象となる構造物2に対応した(構造物2の設計情報に関連付けられたマーク11aを有する)ものが取り付けられる。
【0041】
次に、検査者は、端末20のカメラ機能を起動させて、ARマーカー10が設けられた構造物2に対してカメラ部21を向ける。なおこの際、検査者は、端末20のカメラ部21(タッチパネル24)を、構造物2の正面(基準面X)に対して概ね平行となるように位置させる。
【0042】
タッチパネル24には、カメラ部21によって取得された画像(映像)が映される。また、この際に端末20は、カメラ部21を介してマーク11aに示された情報を読み取ることで、ARマーカー10を認識する。上記情報の読み取りは、自動的に行うようにしてもよく、検査者の操作を契機として行うようにしてもよい。
【0043】
端末20の制御部23は、読み取ったマーク11aに関連付けられた構造物2の設計情報を取得する。制御部23は、例えば記憶部22から設計情報を取得することができる。また、制御部23は、インターネット等による通信を行い、外部のサーバ等から設計情報を取得することも可能である。
【0044】
図4に示すように、制御部23は、取得した設計情報に基づいてAR画像を生成すると共に、AR画像をタッチパネル24に表示する。本実施形態において制御部23は、AR画像として、検査シート30を表示させる。検査シート30は、配筋検査における良否判断の基準となる画像である。検査シート30は、ARマーカー10を起点として表示される。検査シート30は、タッチパネル24上で、マーカー本体11の前面と概ね同一平面状に形成される仮想的な平面として表示される。
【0045】
検査シート30は、タッチパネル24上で表示される実際の構造物2の映像に対して重なるように表示(投影)される。また、検査シート30は、重なった構造物2を視認可能な画像(例えば構造物2が透けて見えるような薄く着色された画像)として生成される。検査シート30には、ライン31が含まれる。
【0046】
ライン31は、縦筋3の設計上のピッチを示す画像である。ライン31は、上下方向に長尺な線状の画像として生成される。ライン31は、検査シート30上において、予め設定された縦筋3の設計上のピッチを示すように、左右方向に等間隔を開けて複数設けられる。本実施形態では、ライン31の幅を、縦筋3の径よりも小さく形成している。ライン31は、例えば検査シート30の他の部分と比べて目立ち易い色の画像として生成される。
【0047】
図4に示すように、複数のライン31のうち左端側のライン31は、左右方向の位置が、マーカー本体11の左右方向中心と概ね一致するように表示される。すなわち、左端側のライン31は、ARマーカー10が取り付けられた縦筋3の左右方向中心と概ね一致する。
【0048】
検査者は、タッチパネル24上で表示される実際の縦筋3と、ライン31と、を比較することで、縦筋3のピッチが、設計上のピッチ以内であるか否かを判定することができる。図4に示す例では、左から2番目の縦筋3と、3番目の縦筋3と、の間のピッチが、ライン31で示されるピッチよりも大きくなっている。このような場合、検査者は、上記箇所において縦筋3を追加する等の是正が必要であると判断する。また、検査者は、左から3番目以降の縦筋3のピッチを確認する場合に、ARマーカー10を3番目の縦筋3に付け替えて検査を行うことができる。
【0049】
また、検査者は、タッチパネル24上に縦筋3と、検査シート30と、を表示させた状態で、タッチパネル24に表示された画像を撮像(キャプチャー)し、記憶部22に記憶させることができる。これにより、検査結果を容易に記録することができる。
【0050】
上述の如き配筋検査システム1によれば、検査対象の縦筋3にARマーカー10を取り付け、端末20のタッチパネル24を介して縦筋3を視認することで、配筋の良否を視覚的に判断することができる。これによれば、スケール等を検査対象に配置することなく配筋検査を行うことができ、検査者の負担を軽減することができる。
【0051】
ここで、カメラを用いた配筋検査としては、カメラで撮像されると共に、データとして記憶された配筋の画像に基づいて検査を行う方法がある。しかしながら、上記方法では、例えば基礎梁等、複数の層ごとに配筋された検査対象に対しては、二層目以降の配筋については表層部の配筋が障害物となることから、配筋の撮像が困難となり、配筋検査を好適に行い難い。また、例えばレーザスキャナ等で配筋を点群データ化(3Dモデル化)して、上記点群データに基づいて検査を行う方法も考えられるが、鉄筋のような細長い物体は、点群として再現することが困難である。
【0052】
一方、本実施形態に係る配筋検査システム1によれば、上記画像データや点群データ等、検査対象をデータ化することなく、検査を行うことができる。また、検査対象の構造物2が複数の層ごとに配筋されている場合であっても、二層目以降の縦筋3にARマーカー10を取り付けると共に、端末20のタッチパネル24を介して二層目以降の縦筋3を視認することで、検査シート30を用いた配筋の検査を行うことができる。この際に、表層部の縦筋3が邪魔にならないように、適宜視点を変えながら二層目以降の縦筋3の検査を行うことができる。
【0053】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0054】
以下では、図5から図8までを参照して、本発明の別実施形態(第二~第五実施形態)について説明する。なお、以下の別実施形態の説明では、各実施形態の相違点について説明し、共通する構成については、適宜説明を省略する。
【0055】
まず図5(a)を用いて、第二実施形態に係る配筋検査システム1Aについて説明する。
【0056】
配筋検査システム1Aは、ARマーカー10Aを横筋4に取り付けた点で、第一実施形態に係る配筋検査システム1とは異なる。ARマーカー10Aのマーカー本体11及び取付リング12は、第一実施形態に係るARマーカー10のマーカー本体11及び取付リング12に対して、前後方向に向く軸線回りに90°変位させている。
【0057】
図5(a)に示す例では、ARマーカー10Aのスペーサー13は、取付リング12が係合した横筋4の上下に隣り合う各横筋4に対してそれぞれ当接している。この状態では、ARマーカー10Aのマーカー本体11の前面が、構造物2の基準面(不図示)と概ね平行になる。ARマーカー10Aのマーク11aには、横筋4のピッチの設計情報が関連付けられている。
【0058】
図示は省略するが、ARマーカー10Aに基づいて生成される検査シート30には、横筋4のピッチを示すライン31が表示される。検査者は、上記ライン31に基づいて、横筋4を検査対象とした配筋検査を行うことができる。
【0059】
また、ARマーカー10Aとしては、縦筋3に係合可能な向きと、横筋4に係合可能な向きと、に切り替え可能なように、マーカー本体11に対する取付リング12やスペーサー13の向きを変更可能な構成に形成してもよい。
【0060】
次に、図5(b)を用いて、第三実施形態に係る配筋検査システム1Bについて説明する。
【0061】
配筋検査システム1Bは、ARマーカー10Bに基づいて表示されるライン31Aの画像が、第一実施形態と異なる。本実施形態において、制御部23は、ARマーカー10Bのマーク11aに基づいて、検査対象の縦筋3の径に対応した幅寸法のライン31Aを生成すると共に、タッチパネル24上にライン31Aを表示させる。本実施形態において、マーク11aには、縦筋3の径の設計情報が関連付けられている。
【0062】
本実施形態によれば、ライン31Aの画像を用いて、縦筋3のピッチだけでなく、縦筋3の径の検査も行うことができる。
【0063】
次に、図6を用いて、第四実施形態に係る配筋検査システム1Cについて説明する。
【0064】
配筋検査システム1Cは、ARマーカー10Cに基づいて表示されるライン31Bの画像が、第一実施形態と異なる。本実施形態において、制御部23は、ARマーカー10Cのマーク11aに基づいて、左右方向に継ぎ足される2つの横筋4(主筋4a)同士の定着長さを示すライン31Bを生成すると共に、タッチパネル24上において横筋4が継ぎ足される位置にライン31Bを表示させる。本実施形態において、マーク11aには、横筋4の設計上の定着長さと、横筋4が継ぎ足される位置の設計情報が関連付けられている。
【0065】
本実施形態においても、ライン31の画像を用いて縦筋3のピッチの検査を行うことができる。また、本実施形態によれば、ライン31Bの画像を用いて、横筋4の定着長さの検査(横筋4の定着長さが、設計上の定着長さ以上であるか否かの判定)も行うことができる。
【0066】
次に、図7及び図8を用いて、第五実施形態に係る配筋検査システム1Dについて説明する。なお、図7ではマーカー本体11の前面の構成に注目し、マーカー本体11の厚み等の図示は省略している。
【0067】
図7(a)に示すように、配筋検査システム1Dは、ARマーカー10Dのマーカー本体11の前面に、追加マーク11bを設けた点で、第一実施形態と異なる。追加マーク11bは、マーク11aの下方に形成されている。追加マーク11bは、左右方向に長尺なライン状に形成されており、左右方向両端部に、互いに異なる形状のマークが設けられている。
【0068】
端末20の制御部23は、カメラ部21により上記追加マーク11bが示す情報を読み取ることで、端末20に対するマーカー本体11の平面視における傾き(角度)の情報(傾斜情報)を取得することができる。具体的には、図7(b)に示すように、ARマーカー10Cを斜め(図例では斜め左方)から見た場合、追加マーク11bの長さは短く見える。また、追加マーク11bの左端部の図形(矩形状の図形)は大きく見える一方、右端部の図形(円形の図形)は小さく見える。制御部23は、上記追加マーク11bの見え方の変化に基づいて、端末20に対するマーカー本体11の傾斜情報を取得することができる。
【0069】
本実施形態によれば、図8に示すように、隣り合う縦筋3の前後の位置が互いにずれており、ARマーカー10Dが正面を向くように取りつけ難い場合でも、好適に配筋検査を行うことができる。以下では、配筋検査システム1Dを用いた検査の様子について説明する。
【0070】
まず、図8(a)に示すように、構造物2に含まれる複数の(図例では3つ)縦筋3のうち左端側の縦筋3にARマーカー10Dを取り付ける。この状態では、ARマーカー10Dは、取付対象の縦筋3と、当該縦筋3と隣り合う縦筋3と、の並列方向に対して、前面が概ね平行になる向きに配置される。上記ARマーカー10Dの前面は、構造物2の前面を構成する基準面X(上下方向及び左右方向に沿う平面)とは一致しない。すなわち、上記ARマーカー10Dは、基準面Xに対して傾いている。検査者は、端末20のカメラ部21を用いて、上記ARマーカー10Dの追加マーク11bの傾斜情報を取得する。
【0071】
次に、図8(b)に示すように、検査者は、複数の縦筋3のうち右端側の縦筋3にARマーカー10Dを取り付ける。この状態では、ARマーカー10Dは、図8(a)に示す例とは異なる角度で基準面Xに対して傾いている。検査者は、端末20のカメラ部21を用いて、上記ARマーカー10Dの追加マーク11bの傾斜情報を取得する。
【0072】
次に、制御部23は、図8(a)に示すARマーカー10Dの傾斜情報と、図8(b)に示すARマーカー10Dの傾斜情報と、に基づいて、仮想的な平面である仮想面Yを設定する。具体的には、制御部23は、上記各位置におけるARマーカー10Dの前面の傾き(平面視における端末20に対する角度)同士の平均値を算出し、上記平均値より規定される平面を、仮想面Yとして生成する。また、制御部23は、上記仮想面Y上に、検査シート30を生成する。なお、上述した例では、2箇所のARマーカー10Dの傾斜情報の平均値を用いて仮想面Yを生成した例を示したが、このような態様に限定されず、3箇所以上のARマーカー10Dの傾斜情報の平均値を用いて仮想面Yを生成することも可能である。
【0073】
本実施形態によれば、隣り合う縦筋3の前後の位置が互いにずれている場合でも、仮想的な仮想面Y上に生成した検査シート30を用いて、好適に配筋検査を行うことができる。
【0074】
以上のように、本発明の一実施形態に係る配筋検査システム1~1Dは、
第一方向(上下方向)に延びる複数の第一鉄筋(縦筋3)と、前記上下方向に対して直交する第二方向(左右方向)に延びる第二鉄筋(横筋4)と、を結合した構造物2における前記縦筋3の前記左右方向のピッチの検査を行う配筋検査システム1~1Dであって、
前記縦筋3に取り付けられ、AR画像(検査シート30、ライン31)を表示させるための第一マーク(マーク11a)が付されたARマーカー10~10Dと、
前記構造物2の画像を取得可能であると共に、前記マーク11aを読み取り可能な撮像部(カメラ部21)と、
前記カメラ部21が取得した画像を表示する表示部(タッチパネル24)と、
前記マーク11aに関連付けられた設計情報を取得し、前記設計情報に基づいて、予め設定された前記縦筋3の前記左右方向のピッチを示す前記AR画像(ライン31)を生成すると共に、前記ライン31を前記カメラ部21が取得した画像に重ね合わせるように前記タッチパネル24に表示させる制御部23と、
を具備するものである。
【0075】
このような構成により、配筋検査を好適に行うことができる。すなわち、検査対象の縦筋3にARマーカー10を取り付け、端末20のタッチパネル24を介して縦筋3を視認し、タッチパネル24上で縦筋3の画像と検査シート30とを比較することで、縦筋3のピッチの良否を視覚的に判断することができる。これによれば、スケール等を構造物2に配置することなく配筋検査を行うことができ、検査者の負担を軽減することができる。また、検査対象の構造物2が複数の層ごとに配筋されている場合であっても、二層目以降の縦筋3にARマーカー10を取り付けると共に、タッチパネル24を介して二層目以降の縦筋3を視認することで、検査シート30を用いた配筋検査を好適に行うことができる。
【0076】
また、前記ARマーカー10~10Dは、
前記マーク11aが付されたマーカー本体11と、
前記マーカー本体11に設けられ、前記マーカー本体11の前記左右方向中心と、前記縦筋3の前記左右方向中心と、が前記左右方向において一致するように、前記縦筋3に対して係合する係合部(取付リング12)と、
を具備するものである。
【0077】
このような構成により、取付リング12を用いて、マーカー本体11の左右方向中心と、縦筋3の前記左右方向中心と、が一致するようにARマーカー10~10Dを容易に取り付けることができる。
【0078】
また、前記ARマーカー10~10Dは、
前記取付リング12が前記縦筋3に対して係合した状態で、前記ARマーカー10~10Dのうち前記マーク11aが付された表示面(前面)が、前記左右方向及び前記上下方向に沿う平面(基準面X)と平行状になるように、前記横筋4に対して当接する当接部(スペーサー13)を具備するものである。
【0079】
このような構成により、前面が基準面Xと平行状になるように、ARマーカー10~10Dを容易に取り付けることができる。
【0080】
また、前記制御部23は、
前記表示面(ARマーカー10~10Dの前面)に対して同一平面状の仮想的な平面上に、前記検査シート30を表示させるものである。
【0081】
このような構成により、検査シート30を用いた配筋検査を精度よく行うことができる。
【0082】
また、前記マーク11aには、前記縦筋3の径の情報を含む前記設計情報が関連付けられており、
前記制御部23は、
前記設計情報に基づいて、予め設定された前記縦筋3の径を示す前記AR画像(ライン31A)を生成すると共に、前記ライン31Aを前記タッチパネル24に表示可能であるものである。
【0083】
このような構成により、ライン31Aの画像を用いて、縦筋3のピッチだけでなく、縦筋3の径の検査も行うことができる。
【0084】
また、前記マーク11aには、前記左右方向に継ぎ足される複数の前記横筋4同士の定着長さの情報を含む前記設計情報が関連付けられており、
前記制御部23は、
前記設計情報に基づいて、予め設定された複数の前記横筋4同士の定着長さを示す前記AR画像(ライン31B)を生成すると共に、前記ライン31Bを前記タッチパネル24に表示可能であるものである。
【0085】
このような構成により、ライン31Bの画像を用いて、縦筋3のピッチだけでなく、横筋4の定着長さの検査も行うことができる。
【0086】
また、前記ARマーカー10Dには、
基準位置(端末20の位置)に対する傾きを示す傾斜情報を示す第二マーク(追加マーク11b)が付されており、
前記制御部23は、
複数の前記第一鉄筋(縦筋3)に対して前記ARマーカー10Dを取り付けることで、前記追加マーク11bから取得される複数の前記傾斜情報に基づいて、前記端末20に対する複数の前記ARマーカー10Dの傾きの平均値を算出し、前記平均値に基づいた仮想的な平面(仮想面Y)上に前記検査シート30を表示させるものである。
【0087】
このような構成により、隣り合う縦筋3の前後の位置が互いにずれている場合でも、仮想面Y上に生成した検査シート30を用いて、好適に配筋検査を行うことができる。
【0088】
なお、本実施形態に係る縦筋3は、本発明に係る第一鉄筋の一形態である。
また、本実施形態に係る横筋4は、本発明に係る第二鉄筋の一形態である。
また、本実施形態に係る検査シート30、ライン31~31Bは、本発明に係るAR画像の一形態である。
また、本実施形態に係るカメラ部21は、本発明に係る撮像部の一形態である。
また、本実施形態に係るタッチパネル24は、本発明に係る表示部の一形態である。
また、本実施形態に係るマーク11aは、本発明に係る第一マークの一形態である。
また、本実施形態に係る追加マーク11bは、本発明に係る第二マークの一形態である。
【0089】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、ARマーカー10~10Dを構成する各部の形状や位置等は、上述したものに限定されず、適宜変更可能である。また、上記説明で例示した具体的な数値は一例であり、任意に変更することが可能である。
【0090】
例えば、上記各実施形態では、端末20を、タブレットやスマートフォン等の携帯可能な情報端末とした例を示したが、このような構成に限定されない。端末20としては、カメラ部21やタッチパネル24等を備える種々の機器を採用可能である。また、タッチパネル24を備える機器に代えて、各種の情報を入力する部分(入力ボタン等)と、情報を表示(出力)する部分(液晶パネル等)と、が別体となった機器を採用してもよい。
【0091】
また、上記各実施形態では、AR画像であるライン31~31Bを、線状の画像とした例を示したが、このような構成に限定されない。設計上のピッチ等を示すAR画像としては、点状の画像等、種々の形状の画像を採用可能である。
【0092】
また、上記各実施形態では、検査対象の構造物2を基礎梁とした例を示したが、このような構成に限定されない。構造物2としては、壁やスラブ、柱等の種々の構造物を採用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 配筋検査システム
10 ARマーカー
20 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8