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特開2024-168941ピッキングシステムおよびピッキング制御方法
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  • 特開-ピッキングシステムおよびピッキング制御方法 図1
  • 特開-ピッキングシステムおよびピッキング制御方法 図2
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  • 特開-ピッキングシステムおよびピッキング制御方法 図4
  • 特開-ピッキングシステムおよびピッキング制御方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168941
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ピッキングシステムおよびピッキング制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086016
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 幸起
(72)【発明者】
【氏名】西垣戸 貴臣
(72)【発明者】
【氏名】尾坂 忠史
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB27
3F522BB32
3F522CC01
3F522FF04
3F522FF38
3F522GG13
3F522GG18
3F522GG23
3F522GG25
3F522GG39
3F522HH02
3F522HH30
3F522HH36
3F522JJ01
3F522JJ04
3F522LL51
3F522LL57
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】ロボットによるワークのピッキングが失敗した場合の対処が適切に行えるようにする。
【解決手段】ピッキング対象のワークをロボットR1の配置箇所まで供給し、供給されたワークをロボットR1によりピッキングして、出荷コンテナにプレースするシステムである。ロボットR1の動作範囲までワークが入った供給コンテナを搬送する供給レーンL1と、ロボットがワークをピッキングした後に、供給コンテナC1を排除するコンテナ排除レーンL2と、コンテナ排除レーンL2が排除した供給コンテナC1の内部にワークが残っているかを検知する残ワーク検知部と、残ワーク検知部でワークが残っていることを検知した際に報知する作業指示部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング対象のワークをロボットの配置箇所まで供給し、供給されたワークを前記ロボットによりピッキングして、出荷コンテナにプレースするピッキングシステムであり、
前記ロボットの動作範囲までワークが入った供給コンテナを搬送する供給レーンと、
前記ロボットがワークをピッキングした後に、前記供給コンテナを排除するコンテナ排除レーンと、
前記コンテナ排除レーンが排除した供給コンテナの内部にワークが残っているかを検知する残ワーク検知部と、
前記残ワーク検知部でワークが残っていることを検知した際に報知する作業指示部と、を備える
ピッキングシステム。
【請求項2】
前記供給レーンと前記コンテナ排除レーンとを制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記ロボットがワークのピッキングを行うロボットエリアの直前の前記供給レーンに複数の供給コンテナを滞留させ、前記ロボットによるワークのピッキングの終了で、前記ロボットエリアの供給コンテナを排出し、滞留した出荷コンテナを直ちに前記ロボットエリアに搬送させる
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記残ワーク検知部にて前記ロボットのピッキングの失敗を検出した際に、直ちに前記ロボットエリアの供給コンテナを前記コンテナ排除レーンに排除し、新しい供給コンテナを前記ロボットエリアまで供給する
請求項2に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記残ワーク検知部でワークが残っている供給コンテナを検知した際に、前記作業指示部は、該当する供給コンテナの内部のワークの姿勢変更指示を行う
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
ピッキング対象のワークをロボットの配置箇所まで供給し、供給された前記ワークを前記ロボットによりピッキングして、出荷コンテナにプレースするピッキングシステムに適用されるピッキング制御方法であり、
前記ピッキングシステムは、前記ロボットの動作範囲までワークが入った供給コンテナを搬送する供給レーンと、
前記ロボットが前記ワークをピッキングした後に、前記供給コンテナを排除するコンテナ排除レーンと、を有し、
前記コンテナ排除レーンが排除した供給コンテナの内部にワークが残っているかを検知する残ワーク検知処理と、
前記残ワーク検知処理でワークが残っていることを検知した際に報知する作業指示処理と、を含む
ピッキング制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングシステムおよびピッキング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人手不足や人件費の高騰により、物流倉庫での出荷時の搬送作業をロボットで自動化することが行われている。例えば出荷対象物であるワークを物流倉庫の在庫から必要量ピックして、出荷コンテナに入れるピッキング作業を、ピッキングロボットにより自動化することが進められている。
【0003】
ところで、ロボットによるワークのピッキング作業は、ワークの形状などが原因となって失敗する可能性がある。すなわち、液体が封入された洗剤などの袋や、形状が複雑なスプレーボトルのような物品は、ロボットアームで正しく掴むことが困難であり、ピッキングに失敗することが多々ある。また、掴みやすい形状のワークであっても、コンテナ内に多数のワークが入れられたことで、ロボットアームが掴む箇所がないために、ピッキングに失敗することある。
【0004】
特許文献1には、ロボットによるピッキング作業を行う場合に、制御装置にピッキングの結果を送信して、制御装置がピッキングの失敗を判断することができる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2023-24559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようにロボットによるワークのピッキングは失敗する可能性があるが、失敗時には、出荷レーンにおける搬送などを一時的に停止させて、手作業でワークを出荷コンテナに入れるなどの作業を行う必要がある。したがって、ロボットによるワークのピッキングに失敗するごとに、ロボットによるピッキング作業が中断して、ロスタイムが生じてしまうという問題が発生する。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑み、ロボットによるワークのピッキングが失敗した場合の対処を適切に行うことができるピッキングシステムおよびピッキング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ピッキングシステムとして、ピッキング対象のワークをロボットの配置箇所まで供給し、供給されたワークをロボットによりピッキングして、出荷コンテナにプレースするものに適用される。
そして、ピッキングシステムは、ロボットの動作範囲までワークが入った供給コンテナを搬送する供給レーンと、ロボットがワークをピッキングした後に、供給コンテナを排除するコンテナ排除レーンと、コンテナ排除レーンが排除した供給コンテナの内部にワークが残っているかを検知する残ワーク検知部と、残ワーク検知部でワークが残っていることを検知した際に報知する作業指示部と、を備える。
ピッキングシステム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロボットでのピッキングが失敗したとき、該当する供給コンテナが排除レーンに排除されると共に、直ちに作業者に報知されて、他のピッキング作業を停止させることなく、失敗したワークの対処が可能になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングシステムの例を示す構成図である。
図2】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングシステムの制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングシステムの搬送制御処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングシステムの時刻ごとの処理動作の例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施の形態例に係るピッキングシステムの例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例のピッキングシステムおよびピッキング制御方法を、図1図4を参照して説明する。
【0012】
[ピッキングシステムの構成]
図1は、第1の実施の形態例のピッキングシステムの全体構成例を示す図である。
図1に示すピッキングシステムにおいて、ピッキングロボットR1は、不図示の保管倉庫に保管されたワーク(物品)を、供給コンテナC1から取り出すピッキング作業を行い、取り出したワークを出荷コンテナC0にプレースする作業を行う。
【0013】
保管倉庫からピッキングロボットR1が配置されたロボットの作動範囲(ロボットエリア)までは、供給レーンL1が配置されている。また、ロボットエリアから不図示の出荷場までは、出荷レーンL0が配置されている。ロボットエリアは、ピッキングロボットR1がピッキングやプレースの作業を行う作業領域である。
【0014】
供給レーンL1には、ワークが入った供給コンテナC1が、制御装置10の制御で順に搬送される。例えば、図1に示すように、ワークが入った供給コンテナC1-1,C1-2,C1-3,・・・と順にロボットエリアに搬送される。
ピッキングロボットR1は、ロボットエリアまで搬送された供給コンテナC1から、コンテナの内部のワークを全て取り出すピッキング作業を行う。そして、ピッキングロボットR1は、ピッキングしたワークを、出荷レーンL0の出荷コンテナC0にプレースして、ワークが入れられた出荷コンテナC0を出荷場に搬送する。
そして、ロボットエリアでワークがピッキングされた空の供給コンテナC1は、不図示の回収レーンによって回収される。あるいは、空の供給コンテナC1は廃棄してもよい。
【0015】
以上説明した、供給レーンL1における供給コンテナC1の搬送、出荷レーンL0における出荷コンテナC0の搬送、並びにピッキングロボットR1によるピッキングやプレースの作業は、制御装置10の制御により実行される。
ここで、ロボットエリアにはカメラ11などの監視機器が設置され、制御装置10は、カメラ11で撮影された画像などから、供給コンテナC1にワークの残りがないかを判断している。例えば、ピッキングロボットR1は、ワークのピッキング作業に失敗することがあり、制御装置10は、ピッキング作業の失敗の発生を検知している。
【0016】
そして、本実施の形態例のピッキングシステムは、コンテナ排除レーンL2を備える。コンテナ排除レーンL2は、ロボットエリアで供給レーンL1から排除された供給コンテナC1を搬送するレーンである。供給レーンL1からコンテナ排除レーンL2への供給コンテナC1の移動は、制御装置10の制御により実行される。具体的には、制御装置10は、供給コンテナC1にワークの残りがあることを検知すると、該当する供給コンテナC1をコンテナ排除レーンL2に移動させる。例えば、制御装置10は、図1に示すように、1個の供給コンテナC1-Xを、コンテナ排除レーンL2に移動させる。なお、供給コンテナC1-Xは、残りのワーク(残ワーク)があることを示すコンテナの表記である。
【0017】
さらに、コンテナ排除レーンL2の近傍には、表示装置12が設置されている。この表示装置12は、ワークが残っていることを検知した際に、ロボットエリアの近傍にいる作業者に、残ワークがあることを報知するものである。表示装置12での表示(報知)は、制御装置10の制御により実行される。
【0018】
[搬送制御装置の構成]
図2は、制御装置10の構成例を示す。制御装置10は、例えばコンピュータで構成される。
すなわち、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)81、インターフェース82、通信部83、ストレージ84、およびメモリ90で構成される。
CPU81は、メモリ90またはストレージ84が記憶したプログラムを実行する。
メモリ90は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、コンピュータプログラム及び計算結果データを記憶すると共に、各処理に必要なワークエリアをCPU81に提供する。
本実施の形態例では、CPU81がプログラムを実行することで、メモリ90内のワークエリアに、出荷物品データ取得部91、レーン制御部92、ロボット制御部93、作業指示部94、および残ワーク検知部95が構成される。
【0019】
これらの処理部について説明すると、出荷物品データ取得部91は、出荷するワークに関する情報を取得する。
レーン制御部92は、各レーンL1,L2,L0のコンテナの搬送を制御する。
ロボット制御部93は、ピッキングロボットR1のピッキング動作およびプレース動作を制御する。
作業指示部94は、ワークが残っていることを検知した際に、表示装置12に対して報知するための表示指示を行う。
残ワーク検知部95は、カメラ11の画像などから、ピッキングロボットR1でピッキング作業を行った供給コンテナC1に、残ワークがあることを検知する残ワーク検知処理を行う。
【0020】
インターフェース82は、供給レーンL1とコンテナ排除レーンL2と出荷レーンL0の駆動装置に対する指令の送信、ピッキングロボットR1への指令の送信、および表示装置12に表示情報の送信などを行うインターフェースである。
また、インターフェース82は、残ワークなどの監視を行うカメラ11からの画像などを受信する。
【0021】
通信部83は、不図示の出荷管理装置などと通信を行う。この通信により、制御装置10は、出荷するワークの情報を取得し、各レーンでの搬送やピッキングロボットR1のピッキング作業を制御する。
ストレージ84は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)で構成され、例えば出荷するワークの情報(物品の種類、出荷先、出荷日時など)を記憶する。
【0022】
なお、制御装置10として、CPUを備えたコンピュータで構成するのは一例であり、例えば処理の一部または全部を、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアで構成してもよい。
また、データの記憶や一部の処理は、制御装置10とネットワークを経由して接続されたサーバで行うようにしてもよい。
【0023】
[制御装置による処理の流れ]
図3は、制御装置10による各レーンL1,L2,L0のコンテナの搬送と、ワークのピッキング制御の流れを示すフローチャートである。
まず、制御装置10は、出荷するワークについてのデータを取得する(ステップS11)。次に、制御装置10は、出荷コンテナの出荷レーンL0による搬送の制御と、供給コンテナの供給レーンL1による搬送を制御する(ステップS12)。ここで、制御装置10は、この各コンテナの搬送制御に連動して、ピッキングロボットR1を制御して、供給コンテナC1からのピッキングと、出荷コンテナC0へのプレースを実行させる。
【0024】
そして、制御装置10の残ワーク検知部95が、ピッキングロボットR1が作業中の供給コンテナC1に残ワークなどのエラーを検知したか否かを判断する(ステップS13)。ステップS13で残ワークを検知しない場合(ステップS13のNO)、制御装置10は、残ワーク時の処理を行わずに終了する。
ステップS13で残ワークを検知した場合(ステップS13のYES)、制御装置10は、残ワークを検知した供給コンテナ(失敗コンテナ)C1を、コンテナ排除レーンL2に退避させる(ステップS14)。そして、この失敗コンテナC1の退避を行った後、制御装置10の作業指示部94は、表示装置12により残ワークがあることを報知する表示を実行する(ステップS15)。
【0025】
[コンテナの搬送とピッキングの動作の具体例]
次に、制御装置10の制御により、コンテナの搬送とピッキングの動作が行われる具体的な例を、図4を参照して説明する。
まず、時刻T1において、保管倉庫から供給レーンL1によってピッキングロボットR1の近くのロボットエリアまで1個の供給コンテナC1-1が供給される。それ以外のコンテナC1-2,C1-3,・・・は、ロボットエリアの直前の供給レーンL1上で、滞留させる。ここでは、例えばレーン上に制御装置10の制御により、不図示のストッパを設置して、滞留させるようにしてもよい。
【0026】
そして、ピッキングロボットR1は、供給コンテナC1-1に入っているワークのピッキングを開始し、ピッキングしたワークを出荷レーンL0の出荷コンテナC0にプレースする。ピッキングロボットR1が必要数だけ出荷コンテナC0にプレースし終えたら、出荷コンテナC0は、制御装置10の制御により出荷レーンL0の下流に搬送される。
なお、図示は省略するが、ロボットエリアの下流の出荷レーンL0上で、出荷コンテナC0に、作業者が手作業でワークを追加してもよい。
そして、供給レーンL1上の供給コンテナC1が空になったとき、該当する供給コンテナは、不図示の回収レーンにより回収される。
【0027】
ここで、時刻T2において、ピッキングロボットR1が供給コンテナC1-1からのワークのピッキングを失敗したとする。
この失敗を時刻T3で制御装置10が検知すると、制御装置10は該当する供給コンテナC1-1を、コンテナ排除レーンL2に搬送させる。
その後、時刻T4において、表示装置12は、作業者に失敗コンテナC1-1がコンテナ排除レーンL2にあることを報知する表示を行う。
【0028】
この表示を確認した作業者W1は、次の時刻T5において、該当する供給コンテナC1-1内のワークを、ピッキングロボットR1がピッキングし易いように供給コンテナC1-1内のワークを整頓してから、再び供給レーンL1に流す。ここで、制御装置10は、表示装置12に表示する際に、ワークの整頓を促す表示を行うようにしてもよい。すなわち、表示装置12は、供給コンテナC1-1内のワークの姿勢変更指示を表示装置12で行うようにしてもよい。
なお、コンテナ内のワークを整頓して供給レーンL1に戻すのは一例であり、整頓しなくてもよい。あるいは、作業者W1が、該当するワークを供給コンテナC1-1から手作業で取り出して、出荷コンテナC0に入れてもよい。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態例によると、ピッキングロボットR1がピッキングに失敗した場合、ただちに該当する供給コンテナがコンテナ排除レーンL2に排除される。したがって、ピッキングロボットR1は、次の供給コンテナからのワークをピッキングする作業に移ることができ、ピッキングシステムとしてのロスタイムをなくし、スループットの低下を抑制することができる。
【0030】
なお、スループットの低下を抑制する上では、例えばピッキングロボットR1がロボットエリアで1個の供給コンテナからピッキング作業をしている状況で、そのロボットエリアの直前の供給レーンL1には、複数の供給コンテナを滞留させておくのが好ましい。
そして、滞留させるためには、例えばロボットエリアの直前の供給レーンL1にコンテナのストッパを設け、制御装置10がストッパによりコンテナの滞留を制御するようにしてもよい。
このようにすることで、ピッキング作業中の供給コンテナで残ワークが発生すると、直ちに該当する供給コンテナの排除と、次の供給コンテナのロボットエリアへの搬送を行うことができるので、スループットの低下を抑制することが可能になる。
【0031】
<第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例のピッキングシステムおよびピッキング制御方法を、図5を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する図5において、第1の実施の形態例で説明した図1図4に対応する箇所には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0032】
[ピッキングシステムの構成]
図5は、第2の実施の形態例のピッキングシステムの全体構成例を示す図である。
この図5に示すピッキングシステムは、供給レーンL11と出荷レーンL10とを備える。そして、ピッキングロボットR11は、ロボットエリアで供給レーンL11上の供給コンテナC11から、ワークをピッキングして、出荷レーンL10上の出荷コンテナC10にプレースする。この点は、第1の実施の形態例のピッキングシステムと同じある。
また、ロボットエリアでのピッキングロボットR11による作業を監視するカメラ11や、作業者W11に告知する表示装置12を備える点についても、第1の実施の形態例のピッキングシステムと同じある。
【0033】
本実施の形態例のピッキングシステムは、ロボットエリアでピッキングロボットR11によるワークのピッキングが終了した際に、空の供給コンテナC11を廃棄するためのコンテナ廃棄レーンL12を備える点、またロボットエリアの供給レーンL11上の供給コンテナC11を、コンテナ廃棄レーンL12に押し出す押し出し部13を備える点で第1の実施形態例と異なる。
本実施の形態例のピッキングシステムでは、コンテナ廃棄レーンL12に移動した供給コンテナC11は、廃棄エリア14まで搬送され、供給コンテナC11の廃棄または回収が行われる。図5の例では、コンテナ廃棄レーンL12は、押し出し部13による押し出しで各コンテナが順に押されて移動して、廃棄エリア14まで搬送される。
【0034】
なお、本実施の形態例のカメラ11は、コンテナ廃棄レーンL12に搬送された直後の供給コンテナC11の内部を監視して、ワークの残りを検知する。
また、コンテナ廃棄レーンL12は、いずれの方向に配置してもよいが、作業者W11が待機している箇所、あるいは作業者W11が別の作業を行っている箇所を通過するのが好ましい。これによって、作業者W11は、ピッキングロボットR11がワークのピッキングを失敗した時に移動する距離を短縮することができる。
また、図5では図示しないが、第1の実施の形態例と同様に、本実施の形態例のピッキングシステムにおいても制御装置10による制御で処理が実行される。
【0035】
このように構成したことで、空になった供給コンテナC1、あるいはピッキングに失敗した供給コンテナC1は、押し出し部13により押し出されてコンテナ廃棄レーンL12に排除される。押し出し部13による押し出しは、制御装置10により実行される。
ここで、空のコンテナの場合は、次に押し出されるコンテナによりさらに押し出されて行き、空のコンテナは最終的に廃棄エリア14まで移動する。図5に示す廃棄エリア14内の供給コンテナC11-X,C11-Y,C11-Zは、廃棄されたコンテナを示す。
【0036】
そして、コンテナ廃棄レーンL12に排除された供給コンテナC11にワークが残っていることをカメラ11の画像などから検知したときには、制御装置10は、表示装置12で作業者W11に報知する。この報知を確認した作業者W11は、該当する供給コンテナC11内のワークを整頓するなどして、コンテナ供給レーンL11に戻す作業を行う。あるいは、該当する供給コンテナC11内に残ったワークを、作業者W11が出荷コンテナC10に入れる作業を行うようにしてもよい。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態例の構成によると、第1の実施の形態例と同様に、失敗ワークが発生した場合でもスループットの低下を抑制することができる。ここで、本実施の形態例の場合には、コンテナ廃棄レーンL12として、押し出し部13により押し出しで搬送される構成になっている。このため、コンテナ廃棄レーンL12は、簡素な構成で実現することができ、ピッキングシステムの低コスト化や省スペース化を図ることが可能になる。
【0038】
<変形例>
なお、ここまで説明した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、図1図5に示す各レーンの配置は一例を示したものであり、その他のレーン配置としてもよい。
また、図2に示す制御装置10の構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…制御装置、11…カメラ、12…表示装置、13…押し出し部、14…廃棄エリア、81…CPU、82…インターフェース、83…通信部、84…ストレージ、90…メモリ、91…出荷物品データ取得部、92…レーン制御部、93…ロボット制御部、94…作業指示部、95…残ワーク検知部、C0,C10…出荷コンテナ、C1,C11…供給コンテナ、L0,L10…出荷レーン、L1,L11…供給レーン、L2,L12…コンテナ廃棄レーン、R1,R11…ピッキングロボット
図1
図2
図3
図4
図5