(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168944
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】撚合装置
(51)【国際特許分類】
D07B 3/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
D07B3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086022
(22)【出願日】2023-05-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】501066532
【氏名又は名称】大竹 幸衛
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】大竹 幸衛
【テーマコード(参考)】
3B153
【Fターム(参考)】
3B153AA01
3B153DD09
3B153DD32
3B153DD34
3B153DD36
(57)【要約】
【課題】 シンプルな構造でありながら、確実に撚りをかけることができる撚合装置を提供する。
【解決手段】 複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルム8を撚り合わせるための撚合装置1である。撚合装置1は、中空スピンドル2と、中空スピンドル2と一体的に回転し、複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルム8が通過する開口部43を有する回転部材4を備え、回転部材4は、複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルム8の通過時に回転方向に抵抗を与え、複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルム8は、回転部材4の回転により撚り合わされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、
中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされることを特徴とする、
撚合装置。
【請求項2】
前記回転部材は、
前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に向けて縮径するガイド部と、
前記ガイド部の下流側に位置し、前記開口部を有する滑り抑制部を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の撚合装置。
【請求項3】
前記開口部は、楕円形または多角形であることを特徴とする、請求項2に記載の撚合装置。
【請求項4】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドル内に配置されて前記中空スピンドルと一体的に回転する複数の滑車をさらに備え、
前記複数の滑車の各溝部に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが係合して通過することを特徴とする、
請求項1~3のいずれかに記載の、撚合装置。
【請求項5】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドルと一体的に回転する円筒体をさらに備え、
前記円筒体は、回転軸の軸心に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する中央孔を形成し、
前記円筒体は前記中央孔の拡径部を有することを特徴とする、
請求項1~3のいずれかに記載の撚合装置。
【請求項6】
前記拡径部は、
前記円筒体の回転軸方向と平行に分割された複数の分割体と、
前記複数の分割体を包囲する弾性体を含むことを特徴とする、
請求項5に記載の撚合装置。
【請求項7】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の上流側に、各フィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを通過させる複数の貫通孔を備える案内具をさらに備える、
請求項1~3のいずれかに記載の撚合装置。
【請求項8】
前記中空スピンドルの外面側には、巻付糸集合体が取付け可能である、
請求項1~3のいずれかに記載の撚合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントを撚合してヤーンとする場合、ヤーンを撚合してストランドとする場合、ストランドを撚合してロープとする場合、あるいは合成樹脂フィルムを撚合して紐状体とする場合に用いられる撚合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロープ等を製造する撚合装置には種々の形式のものがある。特許文献1は、ヤーンもしくはストランドを捲回した複数個のボビンと、ボビンを回転自在に軸支するとともに互いにギヤ機構を介して軸方向に連設し回転しないようにした静止フライヤと、各ボビンから繰り出されたヤーンもしくはストランドを撚合してストランドもしくはロープとする撚合ボイスを備えた回転フライヤと、撚合されたロープを引き出すキャプスタンおよびこれを捲き取る装置からなる、撚合装置を開示している。
【0003】
特許文献2は、複数の合成樹脂原糸を収束させる収束案内具、収束糸に撚りを与える回転機及び加熱ガス放出管を有する加熱ガス放出機よりなる、溶着撚りロープ製造装置を開示している。
【0004】
ところで、特許文献3は、無撚のスライバーの周囲に連続糸をスパイラル状に巻き付けて得られた原糸を合撚したロープを開示し、その製造方法として、スライバーが中空スピンドルの中央孔を通過し、中空スピンドルに嵌着したチーズから解除された巻き付け糸と合糸されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭48-23815号公報
【特許文献2】実開昭53-47136号公報
【特許文献3】実開昭50-119749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような、フライヤの回転で撚りをかけるタイプの撚合装置は、ボビンを収容するための大型の回転フライヤが必要になり、装置が複雑になるという問題がある。
【0007】
特許文献2のような、引き出された複数の糸状に対して回転機によって撚りをかけるタイプの撚合装置では、通常、撚りをかけるための回転機の糸条等通過部は、円形の孔であるが、滑り易く、十分に撚りがかけられない場合があるという問題があった。
【0008】
特許文献3は、中空スピンドルを利用して芯材に巻き糸を巻き付ける製造方法であるが、同じ中空スピンドルを応用して、フィラメント等を撚ることができれば、共通の装置を利用することができ、効率的である。
【0009】
そこで、本発明では、シンプルな構造でありながら、確実に撚りをかけることができる撚合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、中空スピンドルと、前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされることを特徴とする、撚合装置である。
【0011】
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に向けて縮径するガイド部と、前記ガイド部の下流側に位置し、前記開口部を有する滑り抑制部を備えることが好ましい。
【0012】
前記開口部は、楕円形または多角形であることが好ましい。
【0013】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドル内に配置されて前記中空スピンドルと一体的に回転する複数の滑車をさらに備え、
前記複数の滑車の各溝部に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが係合して通過することが好ましい。
【0014】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドルと一体的に回転する円筒体をさらに備え、前記円筒体は、回転軸の軸心に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する中央孔を形成し、前記円筒体は前記中央孔の拡径部を有することが好ましい。
【0015】
前記拡径部は、前記円筒体の回転軸方向と平行に分割された複数の分割体と、前記複数の分割体を包囲する弾性体を含むことが好ましい。
【0016】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の上流側に、各フィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを通過させる複数の貫通孔を備える案内具をさらに備えることが好ましい。
【0017】
前記中空スピンドルの外面側には、巻付糸集合体が取付け可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シンプルな構造で、確実に撚りをかけることが可能である。騒音も少なく、作業安全性も高い。中空スピンドルを使用しているため、必要時には、その外側に巻付糸集合体を取付け、巻付糸を螺旋状に巻き付けることも可能になり、応用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る撚合装置内部を説明するための側面視概略図である。
【
図2】同、撚合装置内部を説明するための平面視概略図である。
【
図4】同、撚合装置の回転部材の開口部の説明のための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~6を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1に示される通り、撚合装置1は、管状の中空スピンドル2、中空スピンドル2を回転駆動させるための回転駆動機構、案内具5、中空スピンドル2と一体的に回転する回転部材4、V型滑車6、および円筒体7を備える。
【0021】
撚合装置1は、複数の、フィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルム8(以下、フィラメント等8ともいう。)を撚り合わせるためのものである。すなわち、複数のフィラメントを撚り合わせてヤーンとしたり、複数のヤーンを撚り合わせてストランドとしたり、複数のストランドを撚り合わせてロープとしたり、複数の合成樹脂製フィルムを撚り合わせて紐状体を形成するものである。
【0022】
中空スピンドル2は管状であり、後述する回転駆動機構によって、正逆方向に回転可能である。
【0023】
図1、
図2に示される通り、回転部材4は、中空スピンドル2の上流側端部に着脱可能に取り付けられる。回転部材4は、中空スピンドル2の軸方向に、かつ、フィラメント等8の走行方向の下流側に向けて縮径するガイド部41と、ガイド部41の下流側に位置する滑り抑制部42を備え、漏斗型のボイスである。回転部材4は、中空スピンドル2の端部に限らず、内部にも取り付けてもよい。回転部材4は、中空スピンドル2と一体的に回転するため、複数のフィラメント等8の通過時に回転方向に抵抗を与え、複数のフィラメント等8は、回転部材4の回転により撚り合わされる。
【0024】
図3に示されるように、滑り抑制部42には、回転部材4の正面視中央(すなわち、回転軸の軸心)に、中空スピンドル2の軸方向に開口する開口部43が形成される。開口部43は、本実施形態では楕円形であるが、それに限定されず、長方形、三角形などでも本発明の効果が得られる。
【0025】
本発明では開口部43を楕円形または多角形とすることにより、複数のフィラメント等8の回転方向の滑りを防止することができる。多角形としては、三角形、四角形、五角形、六角形等が挙げられる。開口部43は、一方向の長さが、該方向に直交する方向の長さよりも長い、長孔であることが特に好ましい。
【0026】
ここで、
図4を参照して、一例としてヤーンの三つ撚りの場合に、開口部43が楕円形または多角形が好ましい理由を説明する。開口部43が円形(
図4の実線)の場合は、三つ撚りされたヤーンは開口部43を通過するが、通過時に開口部43が回転しても、三つ撚りされたヤーンが開口部43内で回転方向に滑りやすいため、十分に撚りがかけられない場合がある。それに対して、本発明のように、開口部43を例えば楕円(
図4の破線)にした場合では、三つ撚りヤーンの通過を妨げることなく、回転方向には抵抗を与えることができ、ヤーンの開口部43内面における回転方向の滑りが抑制され、より確実な撚り形成が可能になる。
【0027】
図1、
図2に示す通り、中空スピンドル2内の回転部材4の下流側には、2個のV型滑車6が固定されている。V型滑車6の軸部61の両端部が中空スピンドル2の内側面に固定され、V型滑車6の軸部61は中空スピンドル2の回転軸方向に直交するように配置される。各V型滑車6の溝部に複数のフィラメント等8が係合し、通過する。V型滑車6、6は同径であり、V型滑車6、6同士の間隔Lは、V型滑車6の半径よりも小さい間隔であることが好ましい。V型滑車6は2個に限らず、それ以上あってもよい。
【0028】
図1に示される通り、V型滑車6、6の軸心は、中空スピンドル2の回転軸からずれた位置にあり、V型滑車6、6の各溝部の中空スピンドル2の内面に近い側に、複数のフィラメント等8が係合し、ジグザグに通過する。複数のフィラメント等8が中空スピンドル2と一体的に回転するV型滑車6、6に係合することにより、その上流側における複数のフィラメント等8の撚り形成をさらに確実なものにできる。
【0029】
図1、
図2、
図5に示されるように、円筒体7は、中空スピンドル2の下流側端部に配置され、その軸心には、複数のフィラメント等8が通過するための中央孔71が形成されている。円筒体7は、通過する複数のフィラメント等8の太さによって、中央孔71の径を変更できる拡径部を備える。
【0030】
拡径部は、中空スピンドル2の軸方向と平行に分割された、3つの分割体7a、7b、7cと、その外周を覆う弾性体72を含む。分割体7a、7b、7cは、弾性体72の弾力に逆らって径方向外側に拡大することができ、拡大すると分割体7a、7b、7cの合わせ面に隙間73ができる。これにより、撚り状態によって部分的に太さが異なっていても、また、製品毎に要求される太さが異なっていても、中央孔71の径が適正に変更され、中央孔71の内面により、複数のフィラメント等8をしっかりと支持することができる。また、円筒体7により、中空スピンドル2内での撚り形成を確実なものとすることができる。円筒体7は、3分割に限定されず、例えば4分割や5分割でもよい。
【0031】
回転駆動機構は、モーター(図示略)と、モーターに駆動されるプーリー(図示略)と、該プーリーとベルト(図示略)により連繋されるプーリー3を含む。モーターによりプーリー3が回転し、それに伴って中空スピンドル2が回転する。プーリー3は、図示した形態に限定されず、中空スピンドル2を回転することができればその場所や態様は限定されない。
【0032】
中空スピンドル2の回転速度や、撚り合わせた複数のフィラメント等8の引取速度は要求される撚り数によって決定する。中空スピンドル2の回転速度はモーターの回転速度により制御される。
【0033】
案内具5は、回転部材4よりも上流側に位置する。
図6に示される通り、案内具5は、複数の貫通孔51が形成された円盤体であり、フィラメント等8の集合体から引き出されたフィラメント等8をそれぞれ貫通孔51を通過させ、収束に向かって揃えるためのものである。案内具5を通過したフィラメント等8は、さらに回転部材4のガイド部41により、収束に向かうよう案内される。案内具5は、中空スピンドル2の回転の影響は受けない、独立した部分である。
【0034】
フィラメント等8は、複数のチーズ等の集合体(図示略)から供給ローラ(図示略)などを介して、所定の速度で引き出される。引き出された複数のフィラメント等8は、それぞれ、案内具5の貫通孔51を通過し、中空スピンドル2と一体的に回転する回転部材4に導入される。複数のフィラメント等8は、ガイド部41により中央に収束され、かつ、開口部43を通過する際に回転方向の抵抗を受け、開口部43の上流側で撚り合わされた後、開口部43を通過する。
【0035】
開口部43を通過後の複数のフィラメント等8は、V型滑車6、6の溝部をジグザグ状に通過し、円筒体7の中央孔71を通過する。これにより、たとえ回転部材4の開口部43の内面と複数のフィラメント等8の間で滑りが起こったとしても、V型滑車6、6や円筒体7により確実に撚りをかけることができる。
【0036】
中空スピンドル2から出た、撚り合わされた複数のフィラメント等8は、ドラム(図示略)等により所定の速度で巻き取られる。
【0037】
本実施形態の変更例として、中空スピンドル2の外側に、巻付糸の集合体(チーズ等)を取付け、撚り合わされた複数のフィラメント等8の外側に、さらにスパイラル状に巻付糸を巻き付けることも可能である。
【0038】
本発明の撚合装置1はシンプルな構造で、中空スピンドルを利用し、かつ、回転部材4が着脱可能であるため、装置を他の使用方法にも応用しやすい。例えば、回転部材4を取外し、中空スピンドルの外面に中空スピンドルと一体的に回転する巻き糸集合体(チーズ)を取付け、中空スピンドルに無撚りの芯材を通過させてその周りにスパイラル状に巻き糸を巻き付ける用途にも応用可能である。
【0039】
本発明の実施形態は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、該技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
【符号の説明】
【0040】
1 :撚合装置
2 :中空スピンドル
3 :プーリー
4 :回転部材
41 :ガイド部
42 :滑り抑制部
43 :開口部
5 :案内具
51 :貫通孔
6 :V型滑車
61 :軸部
7 :円筒体
7a、7b、7c :分割体
71 :中央孔
72 :弾性体
73 :隙間
8 :フィラメント等
【手続補正書】
【提出日】2023-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、
中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされ、
前記回転部材は、
前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に向けて縮径するガイド部と、
前記ガイド部の下流側に位置し、前記開口部を有する滑り抑制部を備えることを特徴とする、
撚合装置。
【請求項2】
前記開口部は、楕円形または多角形であることを特徴とする、請求項1に記載の撚合装置。
【請求項3】
複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、
中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされ、
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドル内に配置されて前記中空スピンドルと一体的に回転する複数の滑車をさらに備え、
前記複数の滑車の各溝部に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが係合して通過することを特徴とする、
撚合装置。
【請求項4】
複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、
中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされ、
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に、前記中空スピンドルと一体的に回転する円筒体をさらに備え、
前記円筒体は、回転軸の軸心に前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する中央孔を形成し、
前記円筒体は前記中央孔の拡径部を有することを特徴とする、
撚合装置。
【請求項5】
前記拡径部は、
前記円筒体の回転軸方向と平行に分割された複数の分割体と、
前記分割体を包囲する弾性体を含むことを特徴とする、
請求項4に記載の撚合装置。
【請求項6】
複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを撚り合わせるための撚合装置であって、該撚合装置は、
中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに固定されて前記中空スピンドルと一体的に回転し、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムが通過する開口部を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの通過時に回転方向に抵抗を与え、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムは、前記回転部材の回転により撚り合わされ、
前記中空スピンドルの外面側には、巻付糸集合体が取付け可能である、
撚合装置。
【請求項7】
前記回転部材の、前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の上流側に、各フィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムを通過させる複数の貫通孔を備える案内具をさらに備える、
請求項1~6のいずれかに記載の撚合装置。
【請求項8】
前記回転部材は、
前記複数のフィラメント、ヤーン、ストランドまたは合成樹脂製フィルムの走行方向の下流側に向けて縮径するガイド部と、
前記ガイド部の下流側に位置し、前記開口部を有する滑り抑制部を備えることを特徴とする、
請求項3~6のいずれかに記載の撚合装置。