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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168948
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】LEDモジュールおよび照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241128BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20241128BHJP
   F21W 131/406 20060101ALN20241128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241128BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20241128BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21S2/00 621
F21V19/00 150
F21V19/00 170
H01L33/48
F21W131:406
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086032
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】緒方 俊文
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】大家 哲司
【テーマコード(参考)】
3K013
5F142
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
5F142AA23
5F142AA25
5F142AA26
5F142CG01
5F142DA12
5F142EA02
5F142GA26
5F142HA01
5F142HA05
(57)【要約】
【課題】広い色域の光を発することができると共に白色領域の光を発する場合の全光束を高めることができるLEDモジュール等を提供する。
【解決手段】LEDモジュールは、基板と、基板に実装され、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED光源を含む複数のLED光源と、を備える。JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標において、6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域A1、および、6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域A2のそれぞれは、白色領域A0の全てを包含する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装され、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED(Light Emitting Diode)光源を含む複数のLED光源と、を備え、
JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標において、前記6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域、および、前記6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域のそれぞれは、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における基本色名が白の領域の全てを包含する、
LEDモジュール。
【請求項2】
前記xy色度座標において、前記6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標は、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における最も外側の色名の領域に位置する、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、他の2つと互いに隣接するように前記基板に実装され、
前記他の3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、他の2つと互いに隣接するように前記基板に実装されている、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記基板は長尺状であり、
前記3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、前記基板の長手方向における前記基板の一方の端部に実装され、
前記他の3種類のLED光源のうち、前記基板の前記一方の端部に実装されたLED光源が発する光の色度座標に最も近い色度座標の近い光を発するLED光源は、前記基板の長手方向における前記基板の他方の端部に実装される、
請求項3に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記基板は長尺状であり、
前記複数のLED光源は、前記基板の長手方向に沿って2列に並んで前記基板に実装されている、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記6種類のLED光源は、紫色の光を発する紫色LED光源、青紫色の光を発する青紫色LED光源および青色の光を発する青色LED光源のうちの少なくとも1つと、赤色の光を発する赤色LED光源と、を含み、
当該赤色LED光源は、当該少なくとも1つと互いに隣接しないように前記基板に実装されている、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
前記6種類のLED光源のうちの少なくとも1つは、LEDチップと、前記LEDチップが発する光で励起されて光を発する蛍光体と、を有する、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
前記LEDチップと前記蛍光体とを有する少なくとも1つのLED光源は、黄赤色または緑色の光を発する、
請求項7に記載のLEDモジュール。
【請求項9】
前記xy色度座標において、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における赤、緑、青、黄赤および青紫の領域のそれぞれには、前記6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標の少なくとも1つが位置する、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項10】
前記xy色度座標において、公益社団法人劇場演出空間技術協会が定めるポリカラー19色の色度座標のそれぞれは、前記第1領域および前記第2領域のうちの少なくとも1つに包含される、
請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のLEDモジュールを備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDモジュールおよび照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに色度の異なる光を発する複数のLED(Light Emitting Diode)光源を備えるLEDモジュールを用いた照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-102396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
舞台照明等の照明演出のための照明器具には、広い色域の光を照射できることが求められる。一方で、当該照明器具を用いて白色領域の光を照射する場合には高い全光束であることが求められる。
【0005】
本発明は、広い色域の光を発することができると共に白色領域の光を発する場合の全光束を高めることができるLEDモジュールおよび照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るLEDモジュールは、基板と、前記基板に実装され、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED(Light Emitting Diode)光源を含む複数のLED光源と、を備え、JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標において、前記6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域、および、前記6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域のそれぞれは、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における基本色名が白の領域の全てを包含する。
【0007】
本発明の一態様に係る照明器具は、上記LEDモジュールを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広い色域の光を発することができると共に白色領域の光を発する場合の全光束を高めることができるLEDモジュールおよび照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係るLEDモジュールの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度の一例を説明するためのxy色度図である。
図3図3は、実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光のスペクトルの一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度の別の一例を説明するためのxy色度図である。
図5図5は、実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度のさらに別の一例を説明するためのxy色度図である。
図6図6は、実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第1例を説明するための平面図である。
図7図7は、実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第2例を説明するための平面図である。
図8図8は、実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第3例を説明するための平面図である。
図9図9は、実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第4例を説明するための平面図である。
図10図10は、実施の形態に係る照明器具の外観を示す図である。
図11図11は、実施の形態に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
図12図12は、実施の形態に係る別の照明器具の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態に係るLEDモジュールおよび照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0012】
また、本明細書において、要素間の関係性を示す用語、および、要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0013】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0014】
また、本明細書において、「色度座標」は、JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標である。
【0015】
(実施の形態)
[LEDモジュール]
まず、実施の形態1に係るLEDモジュールの構成について、図1を用いて説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係るLEDモジュール100の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示されるように、LEDモジュール100は、基板1と、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED光源として、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16を含む複数のLED光源と、を備える。LEDモジュール100では、複数のLED光源のうち電力が供給されたLED光源からの光が混合されて出力される。第1LED光源11は、第1光L1を発する。第2LED光源12は、第2光L2を発する。第3LED光源13は、第3光L3を発する。第4LED光源14は、第4光L4を発する。第5LED光源15は、第5光L5を発する。第6LED光源16は、第6光L6を発する。
【0018】
各LED光源は、例えば、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED光源またはCOB(Chip On Board)型のLED光源である。
【0019】
基板1は、複数のLED光源を実装するための実装用基板である。基板1には、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のそれぞれに個別に電力を供給するための金属配線が設けられている。
【0020】
基板1は、例えば、セラミックスからなるセラミックス基板、樹脂からなる樹脂基板、または、ガラス基板などの絶縁基板である。あるいは、基板1は、金属板に絶縁膜が被膜されたメタルベース基板(金属基板)でもよい。
【0021】
各LED光源は、少なくともLEDチップを有し、LEDチップが封止部材に封止されている。各LED光源は、例えば、1つのLEDチップを有するが、同じ光色の光を発する複数のLEDチップを有していてもよい。また、6種類のLED光源のうち少なくとも1つは、封止部材中に分散し、LEDチップが発する光で励起されて光を発する蛍光体をさらに有していてもよい。蛍光体は、LEDチップよりもブロードな発光ピークを有するため、LED光源が発する光のスペクトルの波長範囲が広くなり、演色性を高めることができる。
【0022】
各LED光源に用いられるLEDチップおよび蛍光体の種類は、後述する色度の光を発することができれば特に制限されない。例えば、LED光源が赤色の光を発する場合、LEDチップには、InGaAs系のLEDチップが用いられる。また、例えば、LED光源が黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫または赤紫の光を発する場合、LEDチップには、GaN系のLEDチップが用いられる。また、蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(YAG蛍光体)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(LuAG蛍光体)、βサイアロン蛍光体または窒化物蛍光体(CASN蛍光体、SCASN蛍光体)等が用いられる。LEDチップの種類および必要に応じて蛍光体の種類を適宜選択することにより、後述する色度の光を発するLED光源を実現できる。なお、本明細書において、LED光源が発する光の光色は、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分に基づいて定義される光色である。
【0023】
SMD型のLED光源の場合には、LED光源のLEDチップが収容されたパッケージが基板1に実装される。また、COB型のLED光源の場合には、LED光源のLEDチップが基板1に直接実装される。
【0024】
基板1に実装される6種類のLED光源のそれぞれの数は、例えば、複数であるが、1つであってもよい。また、基板1に実装される6種類のLED光源のそれぞれの数は、例えば、互いに同じであるが、異なっていてもよい。
【0025】
ここで、図2を参照しながら、6種類のLED光源が発する光の色度について説明する。図2は、本実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度の一例を説明するためのxy色度図である。図2では、JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標が示されている。図2で示される6種類のLED光源が発する光(第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6)の具体的な色度座標は、下記の表1に示される通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
また、図2には、6種類のLED光源が発する光の色度座標と共に、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分が示されている。また、図2において、R、YR、Y、YG、G、BG、B、PB、PおよびRPで示される、実線、または、実線および破線で囲まれた領域が、それぞれ、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫および赤紫の領域である。これらは、図2より後の別のxy色度図においても同様である。また、本明細書において、光色は、図2等で示される色度区分の実線および破線で区切られた領域に対応する。つまり、基本色名に修飾語がついた場合には、別の光色であるとする。
【0028】
図2に示されるように、6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域A1、および、6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域A2のそれぞれは、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における基本色名が白の領域である白色領域A0の全てを包含する。図2において、白色領域A0は、ドットの模様が付された領域であり、第1領域A1は一点鎖線で囲まれた領域であり、第2領域A2は二点鎖線で囲まれた領域である。また、本実施の形態において、第1領域A1に対応する3種類のLED光源は、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13であり、第2領域A2に対応する他の3種類のLED光源は、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16である。そのため、第1領域A1は、第1光L1、第2光L2および第3光L3の色度座標を頂点とする三角形からなる領域であり、第2領域A2は、第4光L4、第5光L5および第6光L6の色度座標を頂点とする三角形からなる領域である。
【0029】
また、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標は、例えば、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における最も外側の色名の領域に位置する。つまり、第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6の光色は、それぞれ、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫および赤紫のいずれかである。これにより、LEDモジュール100が発する光の色域を広げることができる。
【0030】
図2で示される例では、第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6の光色はそれぞれ、青、緑、赤、青紫、緑および黄赤である。そのため、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における赤、緑、青、黄赤および青紫の領域のそれぞれには、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標の少なくとも1つが位置する。これにより、LEDモジュール100が発する光の色域を広げることができる。また、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標が5種類の光色の領域に位置するため、6種類のLED光源で5種類の光色の光を発することができ、LEDモジュール100が白色領域A0の光を発する場合の演色性を高めることができる。
【0031】
第2光L2および第5光L5の光色はいずれも緑であるが、緑の領域を、青緑よりも黄緑に近い領域と黄緑よりも青緑に近い領域とに分割した場合、第2光L2の色度座標は青緑よりも黄緑に近い領域に位置し、第5光L5の色度座標は黄緑よりも青緑に近い領域に位置する。
【0032】
図3は、本実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光のスペクトルの一例を示す図である。図3において、横軸は波長(単位:nm)を表す。また、図3において、縦軸は最大値を1として規格化された発光強度を表す。
【0033】
図3で示される例では、第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4および第5光L5のスペクトルは、比較的急峻な発光ピークを有する。これは、LEDチップが発する光に由来する発光ピークである。つまり、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14および第5LED光源15は、蛍光体を有さず、LEDチップが発する光のみを発する。一方、第6光L6のスペクトルは、ブロードなピークを有する。これは、蛍光体が発する光に由来する発光ピークである。つまり、第6LED光源16は、LEDチップと、蛍光体とを有し、主に蛍光体が発する光を発する。例えば、第6光L6のうち、蛍光体が発する光の放射束の割合は、全放射束の90%以上である。図3で示される例では、第6光L6の光色は黄赤色であるため、第6LED光源16は、黄赤色の光を発する蛍光体を有する。このように、黄赤色の第6光L6を発する第6LED光源16が蛍光体を有することで、第6光L6において、発光ピークがブロードになって555nm近傍の人間の比視感度の高い波長の成分が増え、全光束を高めることができる。
【0034】
なお、第6LED光源16は、蛍光体を含んでいなくてもよい。また、第6LED光源16以外のLED光源が蛍光体を含んでいてもよい。例えば、緑色の第2光L2を発する第2LED光源12および緑色の第5光L5を発する第5LED光源15の少なくとも一方が蛍光体を含んでいてもよい。これによっても、第2光L2および第5光L5の少なくとも一方において、555nm近傍の人間の比視感度の高い波長の成分が増え、全光束を高めることができる。
【0035】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るLEDモジュール100は、基板1と、基板1に実装され、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED光源を含む複数のLED光源と、を備える。6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域A1、および、6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域A2のそれぞれは、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における基本色名が白の領域である白色領域A0の全てを包含する。具体的には、6種類のLED光源は、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16である。また、3種類のLED光源は、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13である。また、他の3種類のLED光源は、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16である。
【0036】
これにより、LEDモジュール100は、白色領域A0の全てを包含する広い色度座標の領域の光を実現可能な3種類のLED光源および他の3種類のLED光源を含む6種類のLED光源によって、広い色域の光を発することができる。また、色域を広げるために単に発する光の色度が異なるLED光源の種類を増やすだけでは、白色領域A0の光を発する場合に、全光束に寄与しにくいLED光源が存在しやすくなるとともに、全てのLED光源を点灯させた場合には所望の色度からの色度のずれが生じやすく、色度のずれを抑制するためには複雑な制御が必要になる。LEDモジュール100では、第1領域A1および第2領域A2のそれぞれが白色領域A0の全てを包含するため、3種類のLED光源および他の3種類のLED光源の全てを点灯状態にして白色領域A0の光を実現でき、白色領域A0の光を発する場合の全光束を高めることができる。さらに、第1領域A1に対応する3種類のLED光源と、第2領域A2に対応する他の3種類のLED光源とのそれぞれで白色領域A0の光を実現できるため、色度のずれの調整が容易である。
【0037】
また、LEDモジュール100においては、3種類のLED光源の制御および他の3種類のLED光源の制御の2つの制御系統でも、上述のような広い色域の光を実現できるため、制御回路の設計も容易になる。
【0038】
[LED光源が発する光の色度の別の例]
LEDモジュール100において、6種類のLED光源が発する光の色度は、図2で示される例に限らず、上記の第1領域および第2領域のそれぞれが、白色領域A0の全てを包含するように設定されれば特に制限されない。以下では、6種類のLED光源が発する光の色度の別の例について説明する。6種類のLED光源が発する光の色度は、上記で説明した例、および、以下で説明する例に限定されない。
【0039】
図4は、本実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度の別の一例を説明するためのxy色度図である。図4で示される6種類のLED光源が発する光(第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6)の具体的な色度座標は、下記の表2に示される通りである。
【0040】
【表2】
【0041】
図4で示される例では、図2で示される例と比較して、第4光L4の色度座標が異なり、第4光L4、第5光L5および第6光L6の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域A2aが、白色領域A0の全てを包含している。図4で示される例でも、図2で示される例と同様に、第4光L4の光色は青紫であるが、図2で示される例よりも紫に近い青紫である。なお、第4光L4の光色は紫であってもよい。この場合には、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における赤、緑、青、黄赤および紫の領域のそれぞれには、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標の少なくとも1つが位置することになる。
【0042】
また、図5は、本実施の形態に係る6種類のLED光源が発する光の色度のさらに別の一例を説明するためのxy色度図である。図5で示される6種類のLED光源が発する光(第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6)の具体的な色度座標は、下記の表3に示される通りである。
【0043】
【表3】
【0044】
また、図5では、6種類のLED光源が発する光の色度座標に加えて、公益社団法人劇場演出空間技術協会が定めるポリカラー19色の色度座標が×印で示されている。具体的なポリカラー19色の色度座標は、下記の表4に示される通りである。表4において、フィルタNo.は、舞台照明用のハロゲンランプ等に搭載されるカラーフィルタの番号である。
【0045】
【表4】
【0046】
図5で示される例では、図2で示される例と比較して、6種類のLED光源のそれぞれの色度が異なり、第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6の光色はそれぞれ、青、緑、黄赤、青、緑および赤である。そのため、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における赤、緑、青および黄赤の領域のそれぞれには、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標の少なくとも1つが位置する。これにより、LEDモジュール100が発する光の色域を広げることができる。また、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標が4種類の光色の領域に位置するため、6種類のLED光源で4種類の光色の光を発することができ、LEDモジュール100が白色領域A0の光を発する場合の演色性を高めることができる。
【0047】
図5で示される例では、第1光L1、第2光L2および第3光L3の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域A1b、ならびに、第4光L4、第5光L5および第6光L6の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域A2bのそれぞれが、白色領域A0の全てを包含している。
【0048】
また、公益社団法人劇場演出空間技術協会が定めるポリカラー19色の色度座標のそれぞれは、第1領域A1bおよび第2領域A2bのうちの少なくとも1つに包含されている。これにより、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13と、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16との一方の光量の制御により、ポリカラー19色の光を実現できる。そのため、LEDモジュール100を用いた照明演出において、幅広い色度の光を実現できると共に、制御の簡素化が可能になる。
【0049】
[LED光源の配置例]
次に、基板1に実装される複数のLED光源の配置の例について説明する。なお、以下で説明する基板1の形状および複数のLED光源の配置は一例であり、以下の例に限定されない。
【0050】
図6は、本実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第1例を説明するための平面図である。図7は、本実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第2例を説明するための平面図である。図8は、本実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第3例を説明するための平面図である。図9は、本実施の形態に係る複数のLED光源の配置の第4例を説明するための平面図である。図6から図9において、基板1を平面視した場合の各LED光源が矩形で模式的に示されており、各LED光源を示す矩形内には、発する光の参照符号が示されている。
【0051】
図6から図9に示されるように、基板1には、6種類のLED光源がそれぞれ複数実装されている。図示は省略されているが、同じ種類のLED光源は、例えば、配線およびワイヤ等によって電気的に直列に接続されている。
【0052】
まず、図6および図7に示されるような、基板1が長尺状である場合の複数のLED光源の配置の例について説明する。本明細書において、長尺状であるとは、長手方向の長さが短手方向の長さの3倍以上であることを意味する。なお、図6および図7で示される例では、基板1の平面視形状が、長尺状の矩形であるが、矩形以外の形状であってもよい。
【0053】
図6および図7に示される例では、複数のLED光源は、基板1の長手方向に沿って2列に並んで基板1に実装されている。複数のLED光源が基板1の長手方向に沿って並ぶことで、基板1の長手方向において幅広く光を発することができ、かつ、複数のLED光源が2列で並ぶことで、色むらの発生を抑制できる。なお、複数のLED光源が並ぶ列の数は、2列に限らず、1列であってもよく、3列であってもよい。また、基板1の大きさによっては、複数のLED光源が並ぶ列の数は、4列以上であってもよい。
【0054】
図6で示される例では、6種類のLED光源が基板1の長手方向に沿って、同じ順で繰り返し配置されるように、複数のLED光源が基板1に実装されている。また、2列のそれぞれの列におけるLED光源の配置順は同じである。
【0055】
また、図6では、6種類のLED光源が上記の図2または図3で示される例における色度の光を発する場合の複数のLED光源の配置の例が示されている。そのため、第1LED光源11は青色の第1光L1を発する青色LED光源であり、第4LED光源14は青紫色の第4光L4を発する青紫色LED光源であり、第6LED光源16は赤色の第6光L6を発する赤色LED光源である。赤色LED光源である第6LED光源16は、波長の短い光を吸収しやすく、光電効果が発生しやすい。図6で示される例では、第6LED光源16は、青色LED光源である第1LED光源11および青紫色LED光源である第4LED光源14と互いに隣接しないように基板1に実装されている。そのため、第6LED光源16における光電効果の発生が抑制され、色ずれおよび第6LED光源16における意図しない電圧の発生を抑制できる。本明細書において、互いに隣接するとは、行列状に並ぶ場合の行方向および列方向等のLED光源の並び方向(LED光源が整列している方向)において互いに隣り合うことを示す。
【0056】
なお、6種類のLED光源に紫色の光を発する紫色LED光源が含まれる場合でも、赤色LED光源が紫色LED光源と互いに隣接しないように基板1に実装されることで、上記の効果を得ることができる。つまり、赤色LED光源が、青の波長以下の波長の光を発するLED光源とは互いに隣接しないように基板1に実装されることで、上記の効果を得ることができる。
【0057】
また、図7では、6種類のLED光源が上記の図2図3または図4で示される例における色度の光を発する場合の複数のLED光源の配置の例が示されている。図7で示される例では、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13のうちいずれか1つが、他の2つと互いに隣接するように基板1に実装される。また、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のうちいずれか1つが、他の2つと互いに隣接するように基板1に実装される。これにより、発する光を混合することで白色領域A0の光を実現できる第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13の組み合わせ、および、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16の組み合わせがそれぞれ、近接して配置されるため、LEDモジュール100が白色領域A0の光を発する場合の色むらを抑制できる。図7においては、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13の組み合わせが破線で囲まれており、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16の組み合わせが一点鎖線で囲まれている。これは、図9においても同様である。
【0058】
また、図7で示される例では、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13の組み合わせ、ならびに、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16の組み合わせは、それぞれ、L字状に並んでいるが、I字状に並んでいてもよい。
【0059】
また、図7で示される例では、第1LED光源11および第3LED光源13が基板1の長手方向における基板1の一方の端部に実装されている。また、第4LED光源14および第6LED光源16が基板1の長手方向における基板1の他方の端部に実装されている。基板1の長手方向における基板1の一方の端部に実装されるLED光源は、基板1の長手方向に沿って並ぶ複数のLED光源のうち、並び方向の一方の端部に位置するLED光源である。同様に、基板1の長手方向における基板1の他方の端部に実装されるLED光源は、基板1の長手方向に沿って並ぶ複数のLED光源のうち、並び方向の他方の端部に位置するLED光源である。
【0060】
基板1の他方の端部に実装される第4LED光源14は、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のうち、基板1の一方の端部に実装される第1LED光源11が発する第1光L1の色度座標に最も近い色度座標の第4光L4を発する。また、基板1の他方の端部に実装される第6LED光源16は、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のうち、基板1の一方の端部に実装される第3LED光源13が発する第3光L3の色度座標に最も近い色度座標の第6光L6を発する。長尺状の基板1が用いられる場合、基板1の両端付近から発せられる光では色度のむらが発生しやすいが、上記の配置により、基板1の両端付近から発せられる光における色度の差を抑制できる。なお、基板1の長手方向における基板1の一方および他方の端部に同じ種類のLED光源が実装されてもよい。これによっても、上記の効果を得ることができる。
【0061】
また、図7で示される例では、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13のそれぞれ1つの組み合わせと、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のそれぞれ1つの組み合わせとが、基板1の長手方向に沿って、交互に並ぶように複数のLED光源が実装されている。
【0062】
なお、複数のLED光源の配置および6種類のLED光源が発する光の光色を調整することで、図6で示される例での複数のLED光源の配置の特徴と、図7で示される例での複数のLED光源の配置の特徴とを組み合わせた複数のLED光源の配置も実現可能である。
【0063】
次に、図8および図9に示されるような、基板1がスクエア状である場合の複数のLED光源の配置の例について説明する。
【0064】
図8および図9に示される例では、複数のLED光源は、行列状に並んで基板1に実装され配置され、基板1の端部では、行方向または列方向に並ぶLED光源の数が中央部と比べて減っている。
【0065】
図8では、6種類のLED光源が上記の図2または図3で示される例における色度の光を発する場合の複数のLED光源の配置の例が示されている。図8で示される例では、図6で示される例と同様に、第6LED光源16は、第1LED光源11および第4LED光源14と互いに隣接しないように基板1に実装されている。そのため、第6LED光源16における光電効果の発生が抑制され、色ずれおよび第6LED光源16における意図しない電圧の発生を抑制できる。
【0066】
また、図9では、6種類のLED光源が上記の図2図3または図4で示される例における色度の光を発する場合の複数のLED光源の配置の例が示されている。図9で示される例では、図7で示される例と同様に、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13のうちいずれか1つが、他の2つと互いに隣接するように基板1に実装される。また、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のうちいずれか1つが、他の2つと互いに隣接するように基板1に実装される。これにより、LEDモジュール100が白色領域A0の光を発する場合の色むらを抑制できる。
【0067】
なお、複数のLED光源の配置および6種類のLED光源が発する光の光色を調整することで、図8で示される例での複数のLED光源の配置の特徴と、図9で示される例での複数のLED光源の配置の特徴とを組み合わせた複数のLED光源の配置も実現可能である。
【0068】
[照明器具]
次に、本実施の形態に係るLEDモジュール100を備える照明器具について説明する。
【0069】
図10は、本実施の形態に係る照明器具200の外観を示す図である。図11は、本実施の形態に係る照明器具200の構成を示すブロック図である。
【0070】
本実施の形態に係る照明器具200は、例えば、照明演出に用いられる舞台用照明器具である。具体的には、図10に示されるように、照明器具200は、ホリゾント幕に光を照射するホリゾントライトである。図10で示される例では、照明器具200は、下側からホリゾント幕に光を照射するロアーホリゾントライトであるが、上側からホリゾント幕に光を照射するアッパーホリゾントライトであってもよい。
【0071】
図11に示されるように、照明器具200は、LEDモジュール100と、光源制御部110とを備える。LEDモジュール100および光源制御部110は、例えば、照明器具200の筐体内に収容される。照明器具200は、LEDモジュール100が発する光を照明光として照射する。照明器具200がホリゾントライトである場合、例えば、図6および図7で示したような長尺状の基板1を備えるLEDモジュール100が用いられる。照明器具200は、複数のLEDモジュール100を備えていてもよい。
【0072】
光源制御部110は、LEDモジュール100の各LED光源の発光を制御する制御回路である。これにより、光源制御部110は、照明光の調光および調色を行う。光源制御部110は、例えば、外部から制御信号を取得し、取得した制御信号に基づいて、LEDモジュール100の各LED光源の発光を制御する。光源制御部110は、例えば、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のそれぞれに供給する電流量を調整することで、第1光L1、第2光L2、第3光L3、第4光L4、第5光L5および第6光L6の光量を調整する。
【0073】
光源制御部110は、例えば、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13に供給する電流量を調整する制御系統と、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16に供給する電流量を調整する制御系統とを有する。光源制御部110は、例えば、第1LED光源11、第2LED光源12および第3LED光源13に供給する電流比を制御することで、第1領域A1またはA1bの色度座標の範囲で照明光を調色する。また、光源制御部110は、例えば、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16に供給する電流比を制御することで、第2領域A2、A2aまたはA2bの色度座標の範囲で照明光を調色する。
【0074】
また、白色領域A0の照明光を照射する場合には、光源制御部110は、第1LED光源11、第2LED光源12、第3LED光源13、第4LED光源14、第5LED光源15および第6LED光源16のそれぞれに電流を供給し、それぞれを発光させる。
【0075】
光源制御部110は、例えば、商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換する電源回路、および、LEDモジュール100への電流量を調整する電流制御回路を含む。光源制御部110は、さらにメモリおよびプロセッサを含んでいてもよい。
【0076】
なお、本実施の形態に係る照明器具の種類は、ホリゾントライトに限らず、特に制限されない。本実施の形態に係る照明器具は、例えば、スポットライトまたはダウンライト、シーリングライト等であってもよい。図12は、本実施の形態に係る別の照明器具200aの外観を示す図である。図12に示されるように、照明器具200aは、スポットライトである。照明器具200aは、照明器具200と同様に、LEDモジュール100と、光源制御部110とを備える。照明器具200aがスポットライトである場合、例えば、図8および図9で示したようなスクエア状の基板1を備えるLEDモジュール100が用いられる。
【0077】
(その他)
以上、本発明に係るLEDモジュールおよび照明器具について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、LEDモジュール100が備える複数のLED光源は、6種類のLED光源に加えて別の種類のLED光源をさらに含む7種類以上のLED光源を含んでいてもよい。別の種類のLED光源の光の色度座標は、白色領域A0に位置してもよく、白色領域A0以外に位置してもよい。また、7種類以上のLED光源のうちの3種類以上のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする多角形からなる領域、および、7種類以上のLED光源のうちの他の3種類以上のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする多角形からなる領域のそれぞれが、白色領域A0を全て包含していてもよい。
【0079】
また、例えば、上記実施の形態では、6種類のLED光源は、同じ光色の光を発するLED光源を含んでいたが、これに限らない。6種類のLED光源は、互いに異なる光色の光を発してもよい。
【0080】
また、例えば、上記実施の形態では、基板1は、長尺状またはスクエア状であったが、これに限らない。基板1の形状は特に制限されず、LEDモジュール100が用いられる照明器具の種類等に合わせて任意の形状の基板1をLEDモジュール100に用いることが可能である。
【0081】
また、例えば、上記実施の形態では、6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標は、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における最も外側の色名の領域に位置していたが、これに限らない。6種類のLED光源が発する光の少なくとも1つの色度座標は、当該最も外側の色名の領域と白色領域A0との間の中間色の領域に位置していてもよい。
【0082】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0083】
以下に、上記実施の形態に基づいて説明した本発明に係るLEDモジュールおよび照明器具の例を示す。本発明に係るLEDモジュールおよび照明器具は、以下の例に限定されるものではない。
【0084】
本発明の第1態様に係るLEDモジュールは、基板と、前記基板に実装され、互いに色度が異なる光を発する6種類のLED光源を含む複数のLED光源と、を備え、JIS Z8701に規定されるXYZ表色系におけるxy色度座標において、前記6種類のLED光源のうちの3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第1領域、および、前記6種類のLED光源のうちの他の3種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標を頂点とする三角形からなる第2領域のそれぞれは、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における基本色名が白の領域の全てを包含する。
【0085】
本発明の第2態様に係るLEDモジュールは、第1態様に係るLEDモジュールであって、前記xy色度座標において、前記6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標は、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における最も外側の色名の領域に位置する。
【0086】
本発明の第3態様に係るLEDモジュールは、第1態様または第2態様に係るLEDモジュールであって、前記3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、他の2つと互いに隣接するように前記基板に実装され、前記他の3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、他の2つと互いに隣接するように前記基板に実装されている。
【0087】
本発明の第4態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第3態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記基板は長尺状であり、前記3種類のLED光源のうちのいずれか1つは、前記基板の長手方向における前記基板の一方の端部に実装され、前記他の3種類のLED光源のうち、前記基板の前記一方の端部に実装されたLED光源が発する光の色度座標に最も近い色度座標の近い光を発するLED光源は、前記基板の長手方向における前記基板の他方の端部に実装される。
【0088】
本発明の第5態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第4態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記基板は長尺状であり、前記複数のLED光源は、前記基板の長手方向に沿って2列に並んで前記基板に実装されている。
【0089】
本発明の第6態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第5態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記6種類のLED光源は、紫色の光を発する紫色LED光源、青紫色の光を発する青紫色LED光源および青色の光を発する青色LED光源のうちの少なくとも1つと、赤色の光を発する赤色LED光源と、を含み、当該赤色LED光源は、当該少なくとも1つと互いに隣接しないように前記基板に実装されている。
【0090】
本発明の第7態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第6態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記6種類のLED光源のうちの少なくとも1つは、LEDチップと、前記LEDチップが発する光で励起されて光を発する蛍光体と、を有する。
【0091】
本発明の第8態様に係るLEDモジュールは、第7態様に係るLEDモジュールであって、前記LEDチップと前記蛍光体とを有する少なくとも1つのLED光源は、黄赤色または緑色の光を発する。
【0092】
本発明の第9態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第8態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記xy色度座標において、JIS Z8110で規定される系統色名の一般的な色度区分における赤、緑、青、黄赤および青紫の領域のそれぞれには、前記6種類のLED光源のそれぞれが発する光の色度座標の少なくとも1つが位置する。
【0093】
本発明の第10態様に係るLEDモジュールは、第1態様から第9態様のいずれか1つに係るLEDモジュールであって、前記xy色度座標において、公益社団法人劇場演出空間技術協会が定めるポリカラー19色の色度座標のそれぞれは、前記第1領域および前記第2領域のうちの少なくとも1つに包含される。
【0094】
本発明の第11態様に係る照明器具は、第1態様から第10態様のいずれか1つに係るLEDモジュールを備える。
【符号の説明】
【0095】
1 基板
11 第1LED光源
12 第2LED光源
13 第3LED光源
14 第4LED光源
15 第5LED光源
16 第6LED光源
100 LEDモジュール
200、200a 照明器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12