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特開2024-168959部品装着システム、部品装着装置、管理装置および部品装着システムの管理方法
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  • 特開-部品装着システム、部品装着装置、管理装置および部品装着システムの管理方法 図1
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  • 特開-部品装着システム、部品装着装置、管理装置および部品装着システムの管理方法 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168959
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】部品装着システム、部品装着装置、管理装置および部品装着システムの管理方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20241128BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086053
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】多田 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 道明
【テーマコード(参考)】
3C707
5E353
【Fターム(参考)】
3C707FS01
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS29
3C707KT02
3C707KT04
3C707KT15
5E353CC04
5E353CC21
5E353JJ52
5E353JJ53
5E353JJ60
5E353KK01
5E353KK11
5E353LL03
5E353QQ01
5E353QQ05
5E353QQ09
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】吸着ノズルの選定ミスに関する情報を出力する部品装着システム等を提供する。
【解決手段】部品装着システム100は、基板1に部品を装着する部品装着装置10、および、部品装着装置10を管理する管理装置60を備える。部品装着システム100は、部品を吸着する吸着面26を有する吸着ノズル24と、吸着面26を撮像する撮像部32と、撮像部32によって撮像された画像に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する判定部と、判定部にて上記の選定ミスが有ると判定された場合に、上記の選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報isを出力する出力部と、を有する。吸着ノズル24および撮像部32は、部品装着装置10に設けられている。判定部は、部品装着装置10および管理装置60の少なくとも一方に設けられている。出力部は、部品装着装置10および管理装置60の少なくとも一方に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムであって、
前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、
前記吸着面を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、
前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、
を有し、
前記吸着ノズルおよび前記撮像部は、前記部品装着装置に設けられ、
前記判定部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられ、
前記出力部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられる、
部品装着システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記部品に対する前記吸着ノズルの選定が適正でない場合に、前記選定ミスが有ると判定する、
請求項1に記載の部品装着システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記吸着ノズルを使用することによる前記吸着ノズルの劣化の進行が予め決められた時間よりも早く進行する場合に、前記選定ミスが有ると判定する
請求項1に記載の部品装着システム。
【請求項4】
前記撮像部は、複数の時点において前記吸着面を撮像し、
前記判定部は、前記複数の時点において撮像された複数の前記画像の前記吸着面の輝度値に基づいて、前記選定ミスの有無を判定する、
請求項1に記載の部品装着システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記複数の時点のそれぞれの前記輝度値から求めた前記輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード以上であるか否かを判定することで、前記選定ミスの有無を判定する、
請求項4に記載の部品装着システム。
【請求項6】
前記複数の時点は、前記吸着ノズルを用いて前記部品を装着する初期の時点である第1時点と、前記第1時点よりも遅い時点である第2時点と、を含み、
前記判定部は、前記第2時点における前記輝度値が所定の閾値以上である場合に前記輝度値の変化スピードを算出することで、前記選定ミスの有無を判定する、
請求項5に記載の部品装着システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記第1時点における前記輝度値と前記第2時点における前記輝度値との差分に基づいて前記輝度値の変化量を算出し、当該輝度値の変化量を分子とし前記第1時点から前記第2時点までの時間を分母としたときの比に基づいて、または、当該輝度値の変化量を分子とし前記第1時点の部品装着回数と前記第2時点の部品装着回数との差分を分母としたときの比に基づいて、前記輝度値の変化スピードを算出する、
請求項6に記載の部品装着システム。
【請求項8】
前記判定部は、前記吸着ノズルを識別するための識別子が前記吸着ノズルに付されている場合、前記吸着ノズルごとに前記選定ミスの有無を判定する、
請求項1~7のいずれかに記載の部品装着システム。
【請求項9】
前記部品装着装置は、複数の前記吸着ノズルを保持する部品装着部を有し、
前記判定部は、前記吸着ノズルを識別するための識別子が前記吸着ノズルに付されていない場合、前記部品装着部に保持される前記吸着ノズルの保持位置ごとに前記選定ミスの有無を判定する、
請求項1~7のいずれかに記載の部品装着システム。
【請求項10】
前記選定情報は、現在選定している前記吸着ノズルを当該吸着ノズルとは異なる他の吸着ノズルに変更することを促す情報を含む、
請求項1~7のいずれかに記載の部品装着システム。
【請求項11】
さらに、前記部品と、前記選定ミスが有ると判定された前記吸着ノズルとを対応づけたリストである不適正リストが記憶される記憶部を有し、
前記記憶部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられる、
請求項1~7のいずれかに記載の部品装着システム。
【請求項12】
前記記憶部には、前記部品と、前記選定ミスが無いと判定された前記吸着ノズルとを対応づけたリストである適正リストが記憶される、
請求項11に記載の部品装着システム。
【請求項13】
さらに、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成するリスト作成部を有し、
前記リスト作成部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられる、
請求項12に記載の部品装着システム。
【請求項14】
前記リスト作成部は、前記吸着ノズルに関する吸着ノズル情報と、前記吸着ノズルによって前記基板に装着された前記部品に関する部品情報と、前記選定情報と、を含む前記部品装着装置の生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成する、
請求項13に記載の部品装着システム。
【請求項15】
前記リスト作成部は、前記部品装着装置を開発、生産、または販売するメーカーから取得した前記生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成する、
請求項14に記載の部品装着システム。
【請求項16】
前記リスト作成部は、前記部品装着装置を使用するユーザーから取得した前記生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成する
請求項14に記載の部品装着システム。
【請求項17】
前記部品装着装置または前記管理装置は、
前記部品装着装置における前記基板の生産データを作成する生産データ作成部と、
前記生産データを作成するときに前記部品および前記吸着ノズルの選定を受け付ける入力部と、
を有し、
前記生産データ作成部は、前記不適正リストに基づいて、前記入力部で受け付けた前記吸着ノズルの選定が適切であるか否かを判定する、
請求項12に記載の部品装着システム。
【請求項18】
前記生産データ作成部は、前記吸着ノズルの選定が適切でない場合、前記適正リストに基づいて、現在選定している前記吸着ノズルを当該吸着ノズルとは異なる他の吸着ノズルに選定し直すことを促す情報を前記出力部に出力させる、
請求項17に記載の部品装着システム。
【請求項19】
基板に部品を装着する部品装着装置であって、
前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、
前記吸着面を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、
前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、
を備える部品装着装置。
【請求項20】
基板に部品を装着する部品装着装置を管理する管理装置であって、
前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、
前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、
を備える管理装置。
【請求項21】
基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムの管理方法であって、
前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し、
前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する、
部品装着システムの管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品装着システム、部品装着装置、管理装置、および、部品装着システムの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を装着する部品装着装置が知られている。部品装着装置の一例として、特許文献1には、部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、吸着面を撮像する撮像部と、を有する装置が開示されている。この装置では、撮像部によって撮像された画像に基づいて吸着面の摩耗状態を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2023/026564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の部品装着装置では、吸着ノズルの選定ミスに関する情報を出力することまで想定していない。
【0005】
そこで、本開示は、吸着ノズルの選定ミスに関する情報を出力することができる部品装着システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品装着システムは、基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムであって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、前記吸着面を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を有し、前記吸着ノズルおよび前記撮像部は、前記部品装着装置に設けられ、前記判定部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられ、前記出力部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられる。
【0007】
本開示の一態様に係る部品装着装置は、基板に部品を装着する部品装着装置であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、前記吸着面を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る管理装置は、基板に部品を装着する部品装着装置を管理する管理装置であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る部品装着システムの管理方法は、基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムの管理方法であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し、前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の部品装着システム等は、吸着ノズルの選定ミスに関する情報を出力することができる。
【0012】
なお、本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態ならびに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る部品装着システムの構成を示すブロック図である。
図2】部品装着システムに含まれる部品装着装置を示す平面図である。
図3】部品装着装置の部品装着部を示す正面図である。
図4】部品装着部の吸着ノズルの吸着面を示す底面図である。
図5】部品装着装置の清掃部等を示す正面図である。
図6】部品装着装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】部品装着装置の撮像部によって撮像された画像の一例を示す図である。
図8】吸着面の輝度値の変化の一例を示す図である。
図9】部品装着装置に表示される吸着ノズルの選定ミスに関する情報の一例を示す図である。
図10】部品と吸着ノズルとの関係における不適正リストおよび適正リストの一例を示す図である。
図11】実施の形態1の変形例1に係る部品装着システムの構成を示すブロック図である。
図12】実施の形態1の変形例2に係る部品装着システムの構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態1に係る部品装着システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図14】実施の形態1に係る部品装着システムの動作の他の一例を示すフローチャートである。
図15】実施の形態2に係る部品装着システムの構成を示すブロック図である。
図16】管理装置に表示される吸着ノズルの選定ミスに関する情報の一例を示す図である。
図17】実施の形態2に係る部品装着システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図18】実施の形態3に係る部品装着システムを含む情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
電子部品が実装された部品実装基板は、部品装着装置の吸着ノズルを用いて電子部品を吸着し、当該吸着ノズルで吸着した電子部品を基板に装着することで生成される。吸着ノズルの先端部の材料としては、例えばセラミック材料が用いられるが、電子部品の外装部分がセラミック材料よりも硬いシリコン材料で形成されている場合、吸着ノズルの先端部の材料としてダイヤモンドを含む材料が採用される。しかしダイヤモンドを含む材料は高価であるため、吸着ノズルの材質およびコストを考慮し、電子部品に対応する吸着ノズルを選定することが必要となる。
【0015】
一般に、吸着ノズルの選定は、部品装着装置を実際に使用するユーザー側にて行われるが、基板に実装される電子部品の種類が増えている昨今では、吸着ノズルの選定が適正に行われない場合もある。例えば、選定された吸着ノズルの先端部の硬度が低いと、吸着ノズルの摩耗が通常よりも早く進み、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下する、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなる、という問題がある。
【0016】
さらに、吸着ノズルの選定が適正でない状態で生産を継続すると、生産効率が低いまま、また、生産コストが高いまま生産を行うこととなる。そこで、吸着ノズルの選定にミスがある場合、そのミスをユーザー等に報知することができれば、上記の問題が大きくなることを抑制できると考えられる。本開示の一態様に係る部品装着システム等は、吸着ノズルの選定ミスに関する情報を出力するため、以下に示す構成を有している。
【0017】
例1の部品装着システムは、基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムであって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、前記吸着面を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を有し、前記吸着ノズルおよび前記撮像部は、前記部品装着装置に設けられ、前記判定部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられ、前記出力部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられる。
【0018】
このように、撮像部によって撮像された画像に基づいて吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し、上記の選定ミスが有ることを示す情報を出力することで、吸着ノズルの選定ミスに関する情報をユーザーに知らせることができる。これにより、例えば、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0019】
例2の部品装着システムは、例1に記載の部品装着システムであって、前記判定部は、前記部品に対する前記吸着ノズルの選定が適正でない場合に、前記選定ミスが有ると判定してもよい。
【0020】
このように、吸着ノズルの選定が適正でない場合に選定ミスが有ると判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を適切に行うことができる。これにより吸着ノズルの選定ミスに関する情報を適切に出力することができる。
【0021】
例3の部品装着システムは、例1または例2に記載の部品装着システムであって、前記判定部は、前記吸着ノズルを使用することによる前記吸着ノズルの劣化の進行が予め決められた時間よりも早く進行する場合に、前記選定ミスが有ると判定してもよい。
【0022】
このように、吸着ノズルの劣化の進行が予め決められた時間よりも早く進行する場合に、選定ミスが有ると判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を適切に行うことができる。
【0023】
例4の部品装着システムは、例1~例3のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記撮像部は、複数の時点において前記吸着面を撮像し、前記判定部は、前記複数の時点において撮像された複数の前記画像の前記吸着面の輝度値に基づいて、前記選定ミスの有無を判定してもよい。
【0024】
このように、複数の時点において撮像された複数の画像の吸着面の輝度値に基づいて、選定ミスの有無を判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を精度良く行うことができる。
【0025】
例5の部品装着システムは、例4に記載の部品装着システムであって、前記判定部は、前記複数の時点のそれぞれの前記輝度値から求めた前記輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード以上であるか否かを判定することで、前記選定ミスの有無を判定してもよい。
【0026】
このように、輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード以上であるか否かを判定し、選定ミスの有無を判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を簡易に行うことができる。
【0027】
例6の部品装着システムは、例5に記載の部品装着システムであって、前記複数の時点は、前記吸着ノズルを用いて前記部品を装着する初期の時点である第1時点と、前記第1時点よりも遅い時点である第2時点と、を含み、前記判定部は、前記第2時点における前記輝度値が所定の閾値以上である場合に前記輝度値の変化スピードを算出することで、前記選定ミスの有無を判定してもよい。
【0028】
このように、第2時点における輝度値が所定の閾値以上である場合に、輝度値の変化スピードを算出することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を適切に行うことができる。
【0029】
例7の部品装着システムは、例6に記載の部品装着システムであって、前記判定部は、前記第1時点における前記輝度値と前記第2時点における前記輝度値との差分に基づいて前記輝度値の変化量を算出し、当該輝度値の変化量を分子とし前記第1時点から前記第2時点までの時間を分母としたときの比に基づいて、または、当該輝度値の変化量を分子とし前記第1時点の部品装着回数と前記第2時点の部品装着回数との差分を分母としたときの比に基づいて、前記輝度値の変化スピードを算出してもよい。
【0030】
上記のように輝度値の変化スピードを算出することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を簡易に行うことができる。
【0031】
例8の部品装着システムは、例1~例7のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記判定部は、前記吸着ノズルを識別するための識別子が前記吸着ノズルに付されている場合、前記吸着ノズルごとに前記選定ミスの有無を判定してもよい。
【0032】
このように、識別子が付されている吸着ノズルごとに選定ミスの有無を判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を吸着ノズルごとに的確に行うことができる。
【0033】
例9の部品装着システムは、例1~例7のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記部品装着装置は、複数の前記吸着ノズルを保持する部品装着部を有し、前記判定部は、前記吸着ノズルを識別するための識別子が前記吸着ノズルに付されていない場合、前記部品装着部に保持される前記吸着ノズルの保持位置ごとに前記選定ミスの有無を判定してもよい。
【0034】
このように、吸着ノズルの保持位置ごとに選定ミスの有無を判定することで、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定を吸着ノズルごとに的確に行うことができる。
【0035】
例10の部品装着システムは、例1~例9のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記選定情報は、現在選定している前記吸着ノズルを当該吸着ノズルとは異なる他の吸着ノズルに変更することを促す情報を含んでいてもよい。
【0036】
これによれば、変更することを促す情報を取得したユーザーにて、現在選定している吸着ノズルを他の吸着ノズルに変更することができる。これにより、例えば、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0037】
例11の部品装着システムは、例1~例10のいずれかに記載の部品装着システムであって、さらに、前記部品と、前記選定ミスが有ると判定された前記吸着ノズルとを対応づけたリストである不適正リストが記憶される記憶部を有し、前記記憶部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0038】
このように、記憶部に不適正リストが記憶されることで、部品と、選定ミスが有ると判定された吸着ノズルとを対応づけた情報を簡易に取得することができる。
【0039】
例12の部品装着システムは、例1~例11のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記記憶部には、前記部品と、前記選定ミスが無いと判定された前記吸着ノズルとを対応づけたリストである適正リストが記憶されてもよい。
【0040】
このように、記憶部に適正リストが記憶されることで、部品と、選定ミスが無いと判定された吸着ノズルとを対応づけた情報を簡易に取得することができる。
【0041】
例13の部品装着システムは、例1~例12のいずれかに記載の部品装着システムであって、さらに、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成するリスト作成部を有し、前記リスト作成部は、前記部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0042】
このように、不適正リストおよび適正リストの少なくとも一方を作成するリスト作成部が設けられることで、部品と、選定ミスが有ると判定された吸着ノズルとを対応づけた情報、および、部品と、選定ミスが無いと判定された吸着ノズルとを対応づけた情報の少なくとも一方を簡易に取得することが可能となる。
【0043】
例14の部品装着システムは、例1~例13のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記リスト作成部は、前記吸着ノズルに関する吸着ノズル情報と、前記吸着ノズルによって前記基板に装着された前記部品に関する部品情報と、前記選定情報と、を含む前記部品装着装置の生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成してもよい。
【0044】
この構成によれば、部品装着装置の生産履歴情報に基づいて、不適正リストおよび適正リストを的確に作成することができる。
【0045】
例15の部品装着システムは、例1~例14のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記リスト作成部は、前記部品装着装置を開発、生産、または販売するメーカーから取得した前記生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成してもよい。
【0046】
この構成によれば、メーカーから取得した生産履歴情報に基づいて、不適正リストおよび適正リストを的確に作成することができる。
【0047】
例16の部品装着システムは、例1~例14のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記リスト作成部は、前記部品装着装置を使用するユーザーから取得した前記生産履歴情報に基づいて、前記不適正リストおよび前記適正リストの少なくとも一方を作成してもよい。
【0048】
この構成によれば、ユーザーから取得した多くの生産履歴情報に基づいて、不適正リストおよび適正リストの少なくとも一方を的確に作成することができる。
【0049】
例17の部品装着システムは、例1~例16のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記部品装着装置または前記管理装置は、前記部品装着装置における前記基板の生産データを作成する生産データ作成部と、前記生産データを作成するときに前記部品および前記吸着ノズルの選定を受け付ける入力部と、を有し、前記生産データ作成部は、前記不適正リストに基づいて、前記入力部で受け付けた前記吸着ノズルの選定が適切であるか否かを判定してもよい。
【0050】
この構成によれば、ユーザーが生産データを作成するときに、吸着ノズルの選定ミスの有無の判定結果を知ることができる。これにより、例えば、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0051】
例18の部品装着システムは、例1~例17のいずれかに記載の部品装着システムであって、前記生産データ作成部は、前記吸着ノズルの選定が適切でない場合、前記適正リストに基づいて、現在選定している前記吸着ノズルを当該吸着ノズルとは異なる他の吸着ノズルに選定し直すことを促す情報を前記出力部に出力させてもよい。
【0052】
これによれば、選定し直すことを促す情報を取得したユーザーにて、現在選定している吸着ノズルを他の吸着ノズルに選定し直すことができる。これにより、吸着ノズルの選定が適正でない状態で生産を継続することを抑制できる。
【0053】
例19の部品装着装置は、基板に部品を装着する部品装着装置であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルと、前記吸着面を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を備える。
【0054】
このように、撮像部によって撮像された画像に基づいて吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し、上記の選定ミスが有ることを示す情報を出力することで、吸着ノズルの選定ミスに関する情報をユーザーに知らせることができる。これにより、例えば、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0055】
例20の管理装置は、基板に部品を装着する部品装着装置を管理する管理装置であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定する判定部と、前記判定部にて前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する出力部と、を備える。
【0056】
このように、吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し上記の選定ミスが有ることを示す情報を出力することで、吸着ノズルの選定ミスに関する情報をユーザーに知らせることができる。これにより、例えば、部品装着装置において、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0057】
例21の部品装着システムの管理方法は、基板に部品を装着する部品装着装置、および、前記部品装着装置を管理する管理装置を備える部品装着システムの管理方法であって、前記部品を吸着する吸着面を有する吸着ノズルおよび前記吸着面を撮像する撮像部を有する前記部品装着装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し、前記選定ミスが有ると判定された場合に、前記選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報を出力する。
【0058】
このように、吸着ノズルの選定ミスの有無を判定し上記の選定ミスが有ることを示す情報を出力することで、吸着ノズルの選定ミスに関する情報をユーザーに知らせることができる。これにより、例えば、部品装着装置において、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0059】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0060】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0061】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0062】
(実施の形態1)
[部品装着システムの構成]
図1は、実施の形態1に係る部品装着システム100の構成を示すブロックである。図2は、部品装着システム100に含まれる部品装着装置10を示す平面図である。図3は、部品装着装置10の部品装着部22を示す正面図である。図4は、部品装着部22の吸着ノズル24の吸着面26を示す底面図である。図5は、部品装着装置10の清掃部34等を示す正面図である。図1から図5を参照して、部品装着装置10の構成について説明する。
【0063】
図1に示すように、部品装着システム100は、部品装着装置10と管理装置60とを備える。部品装着装置10は、基板1に部品を装着する装置である。管理装置60は、部品装着装置10を管理する装置である。部品装着装置10と管理装置60とは、通信ネットワークによって接続されている。
【0064】
まず、部品装着装置10の構成について説明する。
【0065】
図2に示すように、部品装着装置10は、基台12と、搬送部14と、一対のY軸テーブル16と、一対のX軸テーブル18と、複数の部品供給部20と、複数の部品装着部22と、複数の撮像部32と、複数の清掃部34とを備えている。部品装着装置10は、基板1に部品(図示せず)を装着する装置である。例えば、基板1に装着される部品は、電子部品である。
【0066】
搬送部14は、基台12に設けられており、基板1を搬送する。本実施の形態では、搬送部14は、Y軸方向において基板1を位置決めしつつ、X軸方向に基板1を搬送する。例えば、搬送部14は、コンベアである。一対のY軸テーブル16のそれぞれは、基台12に取り付けられ、一対のX軸テーブル18のそれぞれは、一対のY軸テーブル16に取り付けられている。
【0067】
複数の部品供給部20は、基台12の両側に設けられており、複数の部品供給部20のそれぞれは、基板1に装着される部品を供給する。例えば、複数の部品供給部20のそれぞれは、複数のテープフィーダを有し、部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることによって部品を供給する。
【0068】
複数の部品装着部22のそれぞれは、複数の部品供給部20のうち対応する部品供給部20から供給された部品を基板1に装着する。複数の部品装着部22のそれぞれは、X軸テーブル18に取り付けられている。複数の部品装着部22のそれぞれは、一対のY軸テーブル16によってX軸テーブル18とともにY軸方向に移動し、X軸テーブル18によってX軸方向に移動する。
【0069】
図3に示すように、部品装着部22は、複数の吸着ノズル24と、基板認識カメラ30とを有している。部品装着部22は、複数の吸着ノズル24を保持する装着ヘッドである。複数の吸着ノズル24のそれぞれは、部品を吸着する吸着面26を有している。図4に示すように、例えば、吸着面26には空気を吸引する吸引口28が形成されており、吸引口28から空気を吸い込むことによって、吸着面26に部品が吸着される。図3に示すように、基板認識カメラ30は、部品装着部22の下方を撮像するように設けられており、基板1における部品の装着位置を認識するために上方から基板1を撮像する。
【0070】
図2に示すように、複数の撮像部32のそれぞれは、吸着面26を撮像する。本実施の形態では、複数の撮像部32のそれぞれは、搬送部14と部品供給部20との間に設けられており、吸着ノズル24が搬送部14と部品供給部20との間を通過するときに、下方から吸着面26を撮像する。なお、複数の撮像部32のそれぞれは、吸着面26を撮像できる位置に設けられていればよい。
【0071】
複数の清掃部34のそれぞれは、吸着面26を清掃する。図5に示すように、例えば、清掃部34は、微細なブラシ36を有しており、ブラシ36を吸着面26に接触させた状態で振動することによって、吸着面26を清掃する。なお、例えば、清掃部34は、砥石を有しており、砥石を吸着面26に接触させた状態で振動することによって、吸着面26を清掃してもよい。
【0072】
図6は、部品装着装置10の機能構成を示すブロック図である。図6を参照して、部品装着装置10の機能構成について説明する。
【0073】
図6に示すように、部品装着装置10は、撮像部32と、駆動部38と、判定部42と、記憶部45と、出力部46と、報知部48と、を備えている。
【0074】
撮像部32は、吸着ノズル24の吸着面26を撮像する機能を有している。
【0075】
駆動部38は、Y軸テーブル16およびX軸テーブル18を駆動させることによって、部品装着部22を所定の位置に移動させる。また、駆動部38は、部品装着部22の吸着ノズル24を上下に移動させ、部品の吸着および基板1への部品の装着等を行わせる。
【0076】
記憶部45には、基板1に部品を装着するための動作プログラム、および判定部42による判定処理に必要なプログラム等が記憶されている。また、記憶部45には、吸着ノズル24の識別子に関する情報、または、部品装着部22における吸着ノズル24の保持位置に関する情報が記憶されていてもよい。
【0077】
判定部42は、撮像部32によって撮像された画像に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する。
【0078】
図7は、部品装着装置10の撮像部32によって撮像された画像50の一例を示す図である。
【0079】
判定部42は、撮像部32によって撮像された画像50を解析することによって画像50中の吸着面26の輝度値を取得する。判定部42は、画像50を構成する画素ごとに輝度値を取得し、画像50中の吸着面26の輝度値の最大値または最小値または平均値によって輝度値を求めてもよい。
【0080】
一般的に、吸着面26が摩耗する程、吸着面26によって光が乱反射し易くなり、画像50中の吸着面26の輝度値が大きくなる。したがって、判定部42は、撮像部32によって撮像された画像50中の吸着面26の輝度値が大きい程、吸着面26が摩耗していると判断する。以下の説明において、撮像部32によって撮像された画像50中の吸着面26の輝度値を、単に輝度値と呼ぶ場合がある。
【0081】
本実施形態の判定部42は、部品に対する吸着ノズル24の選定が適正でない場合に、選定ミスが有ると判定する。例えば、判定部42は、吸着面26の摩耗の進行具合が早い場合、つまり吸着ノズル24を使用することによる吸着ノズル24の劣化の進行が予め決められた時間よりも早く進行する場合に、吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定する。
【0082】
図8は、吸着面26の輝度値の変化の一例を示す図である。
【0083】
図8には、時間軸上の複数の時点において吸着ノズル24を撮像することで得られた吸着面26の輝度値が示されている。同図に示す複数の時点のうちの第1時点t1は、吸着ノズル24を用いて部品を装着する初期の時点(例えば一番初めの時点)である。第2時点t2は、第1時点t1よりも遅い時点(時系列でみて第1時点よりも後の時点)であり、ここでは、第1時点t1から数えて6つ後の時点を第2時点t2として示している。部品装着装置10では、吸着ノズル24による装着動作が繰り返されることで吸着面26の摩耗が進行し、吸着面26の輝度値が大きくなる。
【0084】
撮像部32は、複数の時点において吸着面26を撮像し、判定部42は、複数の時点において撮像された複数の画像の吸着面26の輝度値に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する。
【0085】
例えば判定部42は、画像50の吸着面26の輝度値が所定の閾値以上となったときに、輝度値の変化スピードを算出することで、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する。この例では第2時点t2において輝度値b2が所定の閾値th以上となっているので、判定部42は、輝度値b2が所定の閾値th以上となった第2時点t2をトリガーとして、輝度値の変化スピードを算出する。輝度値の変化スピードは、単位時間当たりの輝度値の変化量であり、第1時点t1の輝度値b1および第2時点t2の輝度値b2を結ぶ直線の傾きである。
【0086】
この直線の傾きを求めるために判定部42は、第1時点t1および第2時点t2の輝度値の変化量(b2-b1)を分子とし第1時点t1から第2時点t2までの時間(t2-t1)を分母としたときの比に基づいて、輝度値の変化スピードを算出する。また、判定部42は、上記の輝度値の変化量を分子とし第1時点t1の部品装着回数と第2時点t2の部品装着回数との差分を分母としたときの比に基づいて、輝度値の変化スピードを算出してもよい。
【0087】
判定部42は、輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード以上であるか否かを判定することで、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する。判定部42は、輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード以上である場合に、吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定する。判定部42は、輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード未満である場合に、吸着ノズル24の選定ミスが無いと判定する。
【0088】
なお、判定部42は、吸着ノズル24を識別するための識別子が吸着ノズル24に付されている場合、複数の吸着ノズル24ごとに選定ミスの有無を判定する。識別子は、例えば2次元バーコードである。一方、判定部42は、吸着ノズル24を識別するための識別子が吸着ノズル24に付されていない場合、部品装着部22に保持される吸着ノズル24の保持位置ごとに選定ミスの有無を判定する。吸着ノズル24の保持位置は、例えば吸着ノズル24が部品装着部22に並んで取り付けられている場合、各吸着ノズルの位置座標または並び順である。
【0089】
出力部46は、判定部42にて吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定された場合に、吸着ノズル24の選定ミスが有ることを示す情報を出力する。例えば出力部46は、判定部42によって得られた吸着ノズル24の選定ミスに関する情報を含む選定情報isを報知部48に表示させる。報知部48は、例えばディスプレイであり、出力部46から出力された選定情報isを表示する。
【0090】
図9は、部品装着装置10に表示される吸着ノズル24の選定ミスに関する情報の一例を示す図である。
【0091】
部品装着装置10の報知部48には、図9に示すような種々の選定情報isが表示される。例えば報知部48には、図9の(a)に示すように「吸着ノズルの選定ミスが有ります」というメッセージが表示される。なお、報知部48には、図9の(b)に示すように「吸着ノズルを他の吸着ノズルに変更してください。推奨する他の吸着ノズル:B」というメッセージ、または、図9の(c)に示すように「吸着ノズルの選定ミスは無いです」というメッセージが表示されてもよい。報知部48には、吸着ノズル24の選定ミスがあることを示す情報、吸着ノズルの変更を促す情報、または、吸着ノズル24の選定ミスが無いことを示す情報が表示される。
【0092】
このように出力部46は、吸着ノズル24の選定ミスに関する情報を含む選定情報isを報知部48に表示させる。なお、出力部46は、管理装置60にも選定情報isを出力し、この選定情報isを管理装置60の報知部78に表示させてもよい。
【0093】
次に、管理装置60の構成について説明する。
【0094】
管理装置60は、部品装着装置10を管理する装置である。図1に示すように、管理装置60は、リスト作成部74と、記憶部75と、出力部76と、報知部78と、を備えている。
【0095】
リスト作成部74は、部品装着装置10の出力部46から出力された選定情報isに基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgの少なくとも一方を作成する。
【0096】
リスト作成部74は、部品装着装置10の生産履歴情報に基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する。生産履歴情報には、吸着ノズル24に関する吸着ノズル情報と、吸着ノズル24によって基板1に装着された部品に関する部品情報と、吸着ノズル24の選定ミスに関する選定情報isと、が含まれている。上記の吸着ノズル情報には、吸着ノズルの型番および製造元に関する情報が含まれ、部品情報には、部品の型番および製造元に関する情報が含まれている。
【0097】
なお、リスト作成部74は、部品装着装置10を販売するメーカー(または部品装着装置10を製造するメーカー)から取得した生産履歴情報を活用して、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成してもよい。
【0098】
図10は、部品と吸着ノズル24との関係における不適正リストLnおよび適正リストLgの一例を示す図である。
【0099】
図10の(a)には、吸着ノズル24の選定にミスが有ることを示す不適正リストLnが示されている。不適正リストLnには、部品と、選定ミスが有ると判定された吸着ノズル24とを対応づけた情報が含まれ、例えば図10の(a)に示すように、部品aに対する吸着ノズルAの選定は、選定ミスであることを示す情報が示されている。
【0100】
図10の(b)には、吸着ノズル24の選定にミスが無いことを示す適正リストLgが示されている。適正リストLgには、部品と、選定ミスが無いと判定された吸着ノズル24とを対応づけた情報が含まれ、例えば図10の(b)に示すように、部品aに対する吸着ノズルBの選定は、選定ミスでないことを示す情報が含まれている。
【0101】
記憶部75には、これらの不適正リストLnおよび適正リストLgが記憶される。
【0102】
このようにリスト作成部74は、部品装着装置10から出力された選定情報isに基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する。
【0103】
出力部76は、リスト作成部74によって作成された不適正リストLnおよび適正リストLgを報知部78に出力して表示させる。報知部78は、例えばディスプレイであり、出力部76から出力された不適正リストLnおよび適正リストLgを表示する。また、報知部78は、部品装着装置10の出力部46から出力された情報、吸着ノズル24の選定ミスがあることを示す情報を含む選定情報isを表示してもよい。
【0104】
[実施の形態1の変形例1]
次に、実施の形態1の変形例1に係る部品装着システム100Aの構成について説明する。変形例1では、管理装置60Aに、部品装着装置10の判定部42と同様の機能を有する判定部72が設けられている例について説明する。
【0105】
図11は、実施の形態1の変形例1に係る部品装着システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0106】
図11に示すように、変形例1の部品装着システム100Aは、部品装着装置10と管理装置60Aとを備える。部品装着装置10は、基板1に部品を装着する装置である。管理装置60Aは、部品装着装置10を管理する装置である。部品装着装置10と管理装置60Aとは、通信ネットワークによって接続されている。部品装着装置10の構成は、実施の形態1と同様である。
【0107】
変形例1の管理装置60Aは、リスト作成部74と、記憶部75と、出力部76と、報知部78と、を備え、さらに、判定部72を備えている。
【0108】
判定部72は、部品装着装置10の撮像部32によって得られた画像50を取得し、撮像部32によって撮像された画像50に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する。判定部72による判定のし方は、判定部42と同様である。判定部72にて判定された選定情報isは記憶部75および出力部76へ出力される。
【0109】
判定部72において、部品装着装置10にて吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定された場合、出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスが有ることを示す情報を出力する。例えば出力部76は、判定部72によって得られた吸着ノズル24の選定ミスに関する情報を含む選定情報isを報知部78に表示させる。なお、出力部76は、部品装着装置10にも選定情報isを出力し、この選定情報isを部品装着装置10の報知部48に表示させてもよい。
【0110】
このように判定部は、部品装着装置10に限られず、管理装置60Aに設けられていてもよい。つまり判定部は、部品装着装置10および管理装置60Aの少なくとも一方に設けられていればよい。また、出力部も、部品装着装置10および管理装置60Aの少なくとも一方に設けられていればよい。
【0111】
[実施の形態1の変形例2]
次に、実施の形態1の変形例2に係る部品装着システム100Bの構成について説明する。変形例2では、部品装着装置10Bに、管理装置60のリスト作成部74と同様の機能を有するリスト作成部44が設けられている例について説明する。
【0112】
図12は、実施の形態1の変形例2に係る部品装着システム100Bの構成を示すブロック図である。
【0113】
図12に示すように、変形例2の部品装着システム100Bは、部品装着装置10Bと管理装置60とを備える。部品装着装置10Bは、基板1に部品を装着する装置である。管理装置60は、部品装着装置10Bを管理する装置である。部品装着装置10Bと管理装置60とは、通信ネットワークによって接続されている。管理装置60の構成は、実施の形態1の変形例1と同様である。
【0114】
変形例2の部品装着装置10Bは、撮像部32と、駆動部38と、判定部42と、記憶部45と、出力部46と、報知部48と、を備え、さらに、リスト作成部44を備えている。
【0115】
リスト作成部44は、出力部46から出力された選定情報isに基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する。リスト作成部44で作成されたリストは、記憶部45へ出力される。記憶部45には、不適正リストLnおよび適正リストLgが記憶される。また、リスト作成部44で作成されたリストは、出力部46を介して管理装置60へ出力されてもよいし、出力部46を介して報知部48に表示されてもよい。
【0116】
出力部46は、リスト作成部44によって作成された不適正リストLnおよび適正リストLgを報知部48に表示させる。報知部48は、出力部46から出力された不適正リストLnおよび適正リストLgを表示する。
【0117】
このようにリスト作成部は、管理装置60に限られず、部品装着装置10Bに設けられていてもよい。つまりリスト作成部は、部品装着装置10Bおよび管理装置60の少なくとも一方に設けられていればよい。また、記憶部も、部品装着装置10Bおよび管理装置60の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0118】
[部品装着システムの動作]
実施の形態1に係る部品装着システムの動作について、図13および図14を参照しながら説明する。
【0119】
図13は、部品装着システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0120】
図13では、部品実装基板を生産するときに行われる吸着ノズル24の選定ミスの有無の判定フローについて説明する。
【0121】
まず、部品装着システム100は、吸着ノズル24の吸着面26の初期の輝度値を取得する(ステップS11)。部品装着システム100は、撮像部32を用いて吸着ノズル24の吸着面26を撮像することで、撮像された画像50中の吸着面26の輝度値を取得する。初期の輝度値は、新品の状態またはメンテナンスを終えた状態の吸着ノズル24の吸着面26の輝度値である。
【0122】
次に、部品装着システム100は、部品実装基板の生産を開始する(ステップS12)。具体的には、部品装着装置10が基板1に対する部品の装着を開始する。
【0123】
部品装着装置10が部品の装着を開始すると、撮像部32は、所定の時点において、吸着ノズル24の吸着面26を撮像する。これにより部品装着システム100は、所定の時点における吸着面26の輝度値を取得する(ステップS13)。
【0124】
判定部42は、撮像部32で撮像された画像50に基づいて、すなわち、吸着面26の輝度値に基づいて吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する(ステップS14)。吸着ノズル24の選定ミスが無いと判定された場合(S14にてNo)、次のステップに進み、部品実装基板の生産を継続する(ステップS15)。
【0125】
吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定された場合(S14にてYes)、出力部46は、吸着ノズル24の選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報isを出力する。出力部46は、選定情報isを報知部48へ出力することで、吸着ノズル24の選定ミスが有ることを示す情報を出力する(ステップS16)。
【0126】
また、出力部46は、上記の選定情報isを管理装置60へ出力する(ステップS17)。出力部46は、上記の選定情報isを管理装置60の報知部78またはリスト作成部74へ出力する。
【0127】
出力部46が選定情報isを出力するとステップS15に進み、部品装着システム100は、部品実装基板の生産を継続する。
【0128】
次に、部品装着システム100は、計画生産が終了したか否かを判定する(ステップS18)。予め決められている生産数の基板1を生産していない場合(S18にてNo)、部品装着システム100は、次のステップに進む。
【0129】
次のステップにおいて部品装着システム100は、吸着ノズル24の監視を行うべき基板1の生産枚数が予め設定された生産枚数を超えたか否かを判断する(ステップS19)。予め設定された生産枚数を超えていない場合(S19にてNo)、ステップS15に戻り、部品装着システム100は、部品実装基板の生産を行う。予め設定された生産枚数を超えている場合(S19にてYes)、ステップS13に戻り、吸着面26の輝度値を取得する。そしてステップS14に進み、吸着面26の輝度値が所定の閾値よりも小さければ、吸着ノズル24の選定ミスは無いということになる。ここで出力部46は、吸着ノズル24の選定ミスが無いことを示す情報を出力してもよい。
【0130】
一方、ステップS18にて、予め決められている生産数の基板1を生産した場合、部品装着システム100の動作を終了する。これらのステップS11~S19が実行されることで、部品実装基板が生成される。
【0131】
図14は、部品装着システム100の動作の他の一例を示すフローチャートである。
【0132】
図14では、不適正リストLnおよび適正リストLgの作成フローについて説明する。この例では、管理装置60の動作を例に挙げて説明する。
【0133】
まず、リスト作成部74は、部品装着装置10の生産履歴情報を取得する(ステップS31)。生産履歴情報には、吸着ノズル24に関する吸着ノズル情報、吸着ノズル24によって基板1に装着された部品に関する部品情報、および、吸着ノズル24の選定情報isが含まれている。リスト作成部74は、この生産履歴情報に基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する(ステップS32)。これらのステップS31およびS32が実行されることで、部品と吸着ノズル24との関係における不適正リストLnおよび適正リストLgが作成される。
【0134】
上記で示すように、本実施の形態に係る部品装着システムは、基板1に部品を装着する部品装着装置、および、部品装着装置を管理する管理装置を備える。部品装着システムは、部品を吸着する吸着面26を有する吸着ノズル24と、吸着面26を撮像する撮像部32と、撮像部32によって撮像された画像に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定する判定部と、判定部にて上記の選定ミスが有ると判定された場合に、上記の選定ミスが有ることを示す情報を含む選定情報isを出力する出力部と、を有する。吸着ノズル24および撮像部32は、部品装着装置に設けられている。判定部は、部品装着装置および前記管理装置の少なくとも一方に設けられている。出力部は、部品装着装置および管理装置の少なくとも一方に設けられている。
【0135】
このように、部品装着システムが、撮像部32によって撮像された画像に基づいて、吸着ノズル24の選定ミスの有無を判定し、上記の選定ミスが有ることを示す情報を出力することで、吸着ノズル24の選定ミスに関する情報をユーザーに知らせることができる。これにより、例えば、吸着ノズルの交換作業が多くなって生産効率が低下すること、また、所定数の部品実装基板を生成するために必要な吸着ノズルの数が増えて生産コストが高くなること、を抑制できる。
【0136】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る部品装着システム100Cの構成について説明する。実施の形態2では、生産データの作成時すなわち吸着ノズル24を部品装着装置10で使用する前の場面において、吸着ノズル24の選定にミスが無いかを確認する例について説明する。
【0137】
図15は、実施の形態2に係る部品装着システム100Cの構成を示すブロック図である。
【0138】
図15に示すように、部品装着システム100Cは、部品装着装置10と管理装置60Cとを備える。部品装着装置10は、基板1に部品を装着する装置である。管理装置60Cは、部品装着装置10を管理する装置である。部品装着装置10と管理装置60Cとは、通信ネットワークによって接続されている。部品装着装置10の構成は、実施の形態1と同様である。
【0139】
実施の形態2の管理装置60Cは、リスト作成部74と、記憶部75と、出力部76と、報知部78と、を備え、さらに、入力部81および生産データ作成部83を備えている。
【0140】
入力部81は、ユーザーインターフェースであり、部品装着装置10を用いて部品実装基板を生産するための生産データを作成する場面において、部品の入力および吸着ノズル24の選定入力等をユーザーから受け付ける。
【0141】
生産データ作成部83は、部品実装基板を生産するための生産データを作成するデータ作成部である。生産データには、部品実装基板を生成するための基板1のデータ、部品のデータ、および、吸着ノズル24のデータが含まれる。
【0142】
生産データ作成部83は、リスト作成部74にて作成した不適正リストLn等に基づいて、入力部81で受け付けた吸着ノズル24の選定が適切であるか否かを判定する。生産データ作成部83は、吸着ノズル24の選定が適切でない場合、吸着ノズル24の選定ミスがあることを示す情報を出力部76へ出力する。この情報を受け取った出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスがあることを示す情報を報知部78に表示させる。
【0143】
なお、生産データ作成部83は、吸着ノズル24の選定にミスが無い場合、吸着ノズル24の選定ミスが無いことを示す情報を出力部76へ出力してもよい。出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスが無ことを示す情報を報知部78に表示させてもよい。
【0144】
図16は、管理装置60Cに表示される吸着ノズル24の選定ミスに関する情報の一例を示す図である。
【0145】
管理装置60Cの報知部78には、図16に示すような種々の情報が表示される。例えば報知部78には、図16の(a)に示すように「吸着ノズルの選定ミスが有ります」というメッセージが表示される。なお、報知部78には、図16の(b)に示すように「吸着ノズルを他の吸着ノズルに選定し直してください。推奨する他の吸着ノズル:B」というメッセージ、または、図16の(c)に示すように「吸着ノズルの選定ミスは無いです」というメッセージが表示されてもよい。報知部78には、吸着ノズル24の選定ミスがあることを示す情報、吸着ノズルの再選定を促す情報、または、吸着ノズル24の選定ミスが無いことを示す情報が表示される。
【0146】
このように出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスに関する情報を含む情報を報知部78に表示させる。
【0147】
図17は、実施の形態2に係る部品装着システム100Cの動作の一例を示すフローチャートである。
【0148】
まず入力部81は、作業者から、部品の情報および基板1に部品を装着するために用いる吸着ノズル24の情報を受け付ける(ステップS51)。
【0149】
次に生産データ作成部83は、部品と吸着ノズル24との組み合わせが不適正リストLnに記されている組み合わせか否かを判定する(ステップS52)。
【0150】
部品と吸着ノズル24との組み合わせが不適正リストLnに記されている組み合わせである場合(S52にてYes)、出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスが有ることを示す情報を出力する(ステップS53)。なお出力部76は、吸着ノズル24の再選定を促す情報を出力してもよい。
【0151】
部品と吸着ノズル24との組み合わせが不適正リストLnに記されている組み合わせでない場合(S52にてNo)、出力部76は、吸着ノズル24の再選定を促す情報を出力しない。これにより部品装着システム100Cは、本フローを終了する。なお出力部76は、吸着ノズル24の選定ミスが無いことを示す情報を出力してもよい。
【0152】
これらのステップS51~S53が実行されることで、吸着ノズル24を部品装着装置10で使用する前に、管理装置60Cに入力された吸着ノズル24の選定にミスが無いかを確認することができる。
【0153】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る部品装着システムを含む情報処理システムについて説明する。この例では、部品装着装置10を開発、生産(製造)、または販売するメーカーおよび部品装着装置10を使用するユーザーから取得した情報に基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する例について説明する。
【0154】
図18は、実施の形態3に係る部品装着システム100を含む情報処理システム200の構成を示すブロック図である。
【0155】
図18に示すように、情報処理システム200は、部品装着装置10および管理装置60を備える部品装着システム100と、サーバ装置150と、を備える。サーバ装置150は、外部の通信ネットワークを介して、複数の部品装着システム100に通信接続されている。各部品装着システム100は、実施の形態1と同様の構成を有している。
【0156】
サーバ装置150は、リスト作成部154と、記憶部155と、出力部156と、を備えている。
【0157】
リスト作成部154は、部品装着装置10を使用するユーザーから取得した生産履歴情報に基づいて、不適正リストLnおよび適正リストLgを作成する。ユーザーから取得した生産履歴情報には、吸着ノズル24に関する吸着ノズル情報、吸着ノズル24によって基板1に装着された部品に関する部品情報、および、選定情報isが含まれている。
【0158】
リスト作成部154は、複数のユーザーから取得した不適正リストLnおよび適正リストLgを編集し、1つの集約データとして不適正リストLnおよび適正リストLgを作成してもよい。リスト作成部154は、ユーザーごとに不適正リストLnおよび適正リストLgを作成してもよい。リスト作成部154で作成されたデータは、記憶部155に保存される。
【0159】
出力部156は、記憶部155に保存されたデータを各ユーザーに提供することが可能である。出力部156は、一定の制約の下、記憶部155に保存されている不適正リストLnおよび適正リストLgを各部品装着システム100に送信することが可能となっている。
【0160】
(他の実施の形態等)
以上、一つまたは複数の態様に係る部品装着システム等について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0161】
上述した各実施の形態では、部品装着装置が、複数の部品供給部20と、複数の部品装着部22と、複数の撮像部32と、複数の清掃部34とを備えている場合について説明したが、これに限定されない。例えば、部品装着装置は、複数ではなく、1つの部品供給部20と、1つの部品装着部22と、1つの撮像部32と、1つの清掃部34とを備えていてもよい。
【0162】
また、上述した各実施の形態では、部品装着部22が、複数の吸着ノズル24を有している場合について説明したが、これに限定されない。例えば、部品装着部22は、複数ではなく1つの吸着ノズル24を有していてもよい。
【0163】
また、上述した各実施の形態では、判定部42が、撮像部32によって撮像された画像50中の吸着面26の輝度値に基づいて吸着面26の摩耗状態を判定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像部32は、輝度に応じて2値化された画像を撮像し、判定部42は、2値化された画像中の吸着面26における2値の割合に基づいて吸着面26の摩耗状態を判定してもよい。
【0164】
また、上述した各実施の形態では、判定部42が、輝度値の変化スピードが予め決められた変化スピード未満である場合に、吸着ノズル24の選定ミスが無いと判定する例を示したが、それに限られない。輝度値の変化がほとんど無い場合は吸着ノズル24が過剰品質であると考えられるので、判定部42は、輝度値の変化スピードが、予め決められた第1の変化スピード未満であるが、第1の変化スピードよりも変化スピードが小さい第2の変化スピード未満である場合、吸着ノズル24の選定ミスが有ると判定してもよい。
【0165】
なお、上述した各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上述した各実施の形態の装置等を実現するソフトウェアは、各フローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本開示は、基板に部品を装着するための装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 基板
10、10B 部品装着装置
12 基台
14 搬送部
16 Y軸テーブル
18 X軸テーブル
20 部品供給部
22 部品装着部
24 吸着ノズル
26 吸着面
28 吸引口
30 基板認識カメラ
32 撮像部
34 清掃部
36 ブラシ
38 駆動部
42 判定部
44 リスト作成部
45 記憶部
46 出力部
48 報知部
50 画像
60、60A、60C 管理装置
72 判定部
74 リスト作成部
75 記憶部
76 出力部
78 報知部
81 入力部
83 生産データ作成部
100、100A、100B、100C 部品装着システム
150 サーバ装置
154 リスト作成部
155 記憶部
156 出力部
200 情報処理システム
is 選定情報
Lg 適正リスト
Ln 不適正リスト
t1 第1時点
t2 第2時点
th 所定の閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18