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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168964
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ゲート装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20241128BHJP
【FI】
G07B15/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086061
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大場 眞波
(72)【発明者】
【氏名】志水 孝行
(72)【発明者】
【氏名】戸川 信介
(72)【発明者】
【氏名】竹岡 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 寛大
(72)【発明者】
【氏名】鍬田 立弥
(72)【発明者】
【氏名】浅井 健
(72)【発明者】
【氏名】仲江 啓太
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 文彦
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA12
3E127BA01
3E127CA02
3E127FA03
(57)【要約】
【課題】保守点検にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上を図る。
【解決手段】ゲート装置は、通路における利用者の通行を制限する。ゲート装置の筐体は、天面の一部が開閉自在に取り付けられたカバーであり、このカバーは、通路の幅方向に延びる回動軸で回動する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路における利用者の通行を制限するゲート装置において、
前記ゲート装置の筐体は、天面の一部が開閉自在に取り付けられたカバーであり、
前記カバーは、前記通路の幅方向に延びる回動軸で回動する、ゲート装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記通路の端部に設けられている、請求項1に記載のゲート装置。
【請求項3】
前記回動軸は、前記通路の端部に配置されている、請求項2に記載のゲート装置。
【請求項4】
前記カバーは、開状態であるとき、その一部が前記通路の外側に突出する、請求項3に記載のゲート装置。
【請求項5】
前記カバーに取り付けられたランプと、
前記カバーが開状態である場合に前記ランプを点灯させ、前記カバーが開状態である場合に前記ランプを消灯させる点灯制御部と、を有している、請求項1~4のいずれかに記載のゲート装置。
【請求項6】
前記カバーに取り付けられたランプと、
前記カバーが開状態である場合に前記ランプを点灯させ、前記カバーが開状態である場合に前記ランプを消灯させる点灯制御部と、を有し、
前記ランプは、前記カバーが開状態であるときに前記通路の外側に突出する部分に取り付けられている、請求項4に記載のゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通路における利用者の通行を制限するゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通路における利用者の通行を制限するゲート装置が実用化されている。この種のゲート装置としては、例えば駅の改札口に設置される自動改札機、施設(テーマパーク、オフィスビル等)の入出場口に設置される入出場ゲートがある。
【0003】
自動改札機は、例えば、通路に進入した利用者が提示した乗車券媒体に記録されている乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報を基に、利用者が通路を通行するのを許可するかどうかを判定している。乗車券媒体は、例えばキップ、ICカード、携帯端末である。また、最近では、乗車券媒体を用いず、生体認証で改札処理を行う自動改札機も提案されている。
【0004】
なお、施設の入出場口に設置される入出場ゲートも、自動改札機と同様に、通路に進入した利用者が通路を通行するのを許可するかどうかを判定している。
【0005】
さらに、自動改札機(ゲート装置)は、保守点検等にかかる作業が簡単に行えるように、筐体の天面に設けたカバーを開閉できる構造であった(特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-150333号公報
【特許文献2】特開平9-62873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2等に示されている構成では、作業者が、保守点検等を行うために、筐体の天面に設けたカバー(以下、天面カバーと言う。)を開した場合、この天面カバーが通路に突出する。作業者は、通路内位置して保守点検作業を行うので、この通路に突出した天面カバーが障害物になる。すなわち、特許文献1、2等に示されている構成は、作業者に対して保守点検の作業性を低下させ、保守点検にかかる作業時間を増加させるという問題があった。また、保守点検にかかる作業時間の増加は、ゲート装置の停止時間を増加させ、ゲート装置の運用効率を低下させるという問題も生じさせる。ここで言う運用効率は、例えば、
運用効率=(設置時間-停止時間)/設置時間
であってもよいし、
運用効率=運用時間/停止時間
であってもよい。
【0008】
この発明の目的は、保守点検における作業者の作業性を向上させ、保守点検にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上が図れる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のゲート装置は、上記目的を達成するため以下に示すように構成している。
【0010】
ゲート装置は、通路における利用者の通行を制限する。ゲート装置は、例えば駅の改札口に設置される自動改札機、施設(テーマパーク、オフィスビル等)の入出場口に設置される入出場ゲートである。
【0011】
ゲート装置の筐体は、天面の一部が開閉自在に取り付けられたカバーであり、このカバーは、通路の幅方向に延びる回動軸で回動する。
【0012】
この構成によれば、ゲート装置の保守点検等で、筐体の天面に取り付けられたカバーを開した場合、このカバーが通路に突出しないので、通路内位置して保守点検作業を行っている作業者にとって、開したカバーが障害物にならない。したがって、保守点検における作業者の作業性を向上させ、保守点検にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上が図れる。
【0013】
ここで言う運用効率は、例えば、
運用効率=(設置時間-停止時間)/設置時間
であってもよいし、
運用効率=運用時間/停止時間
であってもよいし、他の手法で算出してもよい。
設置時間は、ゲート装置を設置し、運用を開始した時点からの経過時間であり、
運用時間は、ゲート装置が運用状態であった累積時間であり、
停止時間は、設置時間から運用時間を差し引いた時間である。
【0014】
また、カバーは、通路の端部に設けられていてもよいし、中央部に設けられていてもよい。
【0015】
また、回動軸は、通路の端部に配置されていてもよいし、通路の中間部に配置されていてもよい。ただし、回動軸が通路の端部に配置されている場合、カバーは通路の端部に設けられている。
【0016】
また、カバーは、開状態であるとき、その一部が通路の外側に突出するようにしてもよい。このように構成すれば、カバーに覆われていた開口面からのゲート装置内部の視認性を向上させられる。したがって、保守点検における作業者の作業性を一層向上させられる。
【0017】
また、カバーに取り付けられたランプを、カバーが開状態である場合に点灯させ、カバーが開状態である場合に消灯させる点灯制御部を有する構成にしてもよい。このように構成すれば、作業者以外の人にも、カバーが開していることを認識させることができ、作業者以外の人物がカバーに衝突したり、作業者以外の人物が衝突したことで閉状態に移行してきたカバーが作業者に衝突したりするのを防止できる。これにより、保守点検にかかる作業の安全性の向上も図れる。
【0018】
特に、カバーは、開状態であるとき、その一部が通路の外側に突出する構成である場合、ランプを通路の外側に突出する部分に取り付ければ、保守点検が行われているゲート装置の周辺を通行している人の安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、保守点検における作業者の作業性を向上させ、保守点検にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】構成例Aの自動改札機の運用時の状態を示す概略の外観図である。
図2図2(A)は、図1に示すA方向から視た平面図であり、図2(B)は、図1に示すB方向から視た平面図であり、図2(C)は、図1に示すC方向から視た平面図である。
図3】自動改札機が利用者の通行を制限する通路を説明する図である。
図4】保守点検等のために、構成例Aの自動改札機のカバーを開した状態を示す概略の外観図である。
図5図5(A)は、図4に示すA方向から視た平面図であり、図5(B)は、図4に示すB方向から視た平面図であり、図5(C)は、図4に示すC方向から視た平面図である。
図6】保守点検等のために、構成例Bの自動改札機のカバーを開した状態を示す概略の外観図である。
図7図7(A)は、図6に示すA方向から視た平面図であり、図7(B)は、図6に示すB方向から視た平面図であり、図7(C)は、図6に示すC方向から視た平面図である。
図8】保守点検等のために、構成例Cの自動改札機のカバーを開した状態を示す概略の外観図である。
図9図9(A)は、図8に示すA方向から視た平面図であり、図9(B)は、図8に示すB方向から視た平面図であり、図9(C)は、図8に示すC方向から視た平面図である。
図10図10(A)は、構成例Cの自動改札機に設けられるカバーの開閉に応じてLEDの点灯/消灯を切り替える切替回路を示す図であり、図10(B)は、構成例Cの自動改札機に設けられるカバーの開閉に応じてLEDの点滅/消灯を切り替える切替回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について説明する。ここでは、自動改札機を例にして、この発明にかかるゲート装置を説明する。
【0022】
<1.構成例A>
図1は、この例の自動改札機の運用時の状態を示す概略の外観図である。図2(A)は、図1に示すA方向から視た平面図であり、図2(B)は、図1に示すB方向から視た平面図であり、図2(C)は、図1に示すC方向から視た平面図である。図3は、自動改札機が利用者の通行を制限する通路を説明する図である。
【0023】
この例にかかる自動改札機1は、駅の改札口に設置され、駅構内に入場する利用者や、駅構内から出場する利用者に対して改札処理を行う。
【0024】
例えば、2つの自動改札機1が、図3に示すように対向させて設置される。通路2は、対向する2つの自動改札機1の間に形成される。通路2における利用者の通行方向は、双方向(駅構内に入場する入場方向、および駅構内から出場する出場方向)であってもよいし、いずれか一方の方向(入場方向、または出場方向)であってもよい。
【0025】
自動改札機1のカバー11は、利用者に対して改札処理を行う運用時に閉される。自動改札機1のカバー11は、作業員が保守点検等を行う保守作業時に、必要に応じて開される。
【0026】
自動改札機1は、通路2に進入した利用者について、その利用者が通路2を通行するのを許可するかどうかを判定する判定情報を取得する。判定情報は、キップ、ICカード、携帯端末等の乗車券媒体から読み取った乗車券情報であってもよいし、撮像した利用者の顔画像、利用者の指紋画像等の生体情報であってもよい。
【0027】
なお、図1図3では、判定情報を取得する構成については、図示を省略している。自動改札機1が判定情報を取得する構成は、公知の構成を用いればよい。
【0028】
また、自動改札機1は、通路2に設けた扉(不図示)を閉することにより、通路2における利用者の通行を制限する。具体的には、自動改札機1は、通路2に進入した利用者について、通路2の通行を許可すると判定した場合、通路2に設けた扉を開する。自動改札機1は、通路2に進入した利用者について、通路2の通行を許可しないと判定した場合、通路2に設けた扉を閉する。
【0029】
また、図4は、保守点検等で、この例の自動改札機のカバーを開した状態(開状態)を示す概略の外観図である。図5(A)は、図3に示すA方向から視た平面図であり、図5(B)は、図4に示すB方向から視た平面図であり、図5(C)は、図4に示すC方向から視た平面図である。
【0030】
自動改札機1は、図4図5に示すように、自動改札機1本体に対してカバー11を回動させることにより、このカバー11を開閉する構成である。カバー11の回動軸12は、通路2の幅方向である。この例では、カバー11は、通路2における利用者の通行方向の一方の端部に設けられている。カバー11の回動軸12は、通路2の端部に設けられている。
【0031】
カバー11は、閉状態から、90度を超える角度(例えば100度前後)回動した位置でストッパ(不図示)が働き、これ以上の回動が制限される構成である。このストッパは、カバー11が、閉状態と開状態との間で回動するのを制限しない構成であってもよいし、制限する構成であってもよい。開状態であるカバー11には、この開状態を保持する向きに重力が作用する。したがって、作業員が開状態にしたカバー11から手を離しても、カバー11を閉する方向の外力が加えられなければ、カバー11の開状態が維持される。
【0032】
自動改札機1は、カバー11が開状態であるときに露出する部分(閉状態であるカバー11によって覆われる部分)に、保守点検等において作業員が操作する操作部や、外部機器が接続されるコネクタ等が配置されている。自動改札機1は、コネクタに接続された外部機器との間でデータの入出力を行う。例えば、自動改札機1は、接続された外部機器からの要求に応じて、運用時に収集した処理データを出力する。また、自動改札機1は、動作時に用いるパラメータを、接続された外部機器から入力された値に更新する。
【0033】
なお、カバー11は、利用者等によるいたずらで開されないように、閉状態でロックされ、キー(鍵)でロックを解除する構成にするのが好ましい。
【0034】
作業者は、自動改札機1の保守点検等を行う場合、通路2内に位置する。言い換えれば、自動改札機1の保守点検等は、通路2内に位置する作業者によって行われる。図4図5に示したように、カバー11が回動する回動軸12は、通路2の幅方向であるので、カバー11を開しても、このカバー11が通路2側に突出しない。すなわち、通路2内に位置して、自動改札機1の保守点検等を行っている作業者にとって、開状態のカバー11が障害物にならない。したがって、この例の自動改札機1は、保守点検等における作業者の作業性を向上させ、保守点検等にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上が図れる。
【0035】
ここで言う運用効率は、例えば、
運用効率=(設置時間-停止時間)/設置時間
であってもよいし、
運用効率=運用時間/停止時間
であってもよいし、他の手法で算出してもよい。
設置時間は、自動改札機1を設置し、運用を開始した時点からの経過時間であり、
運用時間は、自動改札機1が運用状態であった累積時間であり、
停止時間は、設置時間から運用時間を差し引いた時間である。
【0036】
<2.構成例B>
別の例にかかる自動改札機1Aについて説明する。図6は、保守点検等で、この構成例Bの自動改札機のカバーを開した状態(開状態)を示す概略の外観図である。図7(A)は、図6に示すA方向から視た平面図であり、図7(B)は、図6に示すB方向から視た平面図であり、図7(C)は、図6に示すC方向から視た平面図である。
【0037】
この構成例Bの自動改札機1Aは、カバー11aが閉状態であるとき、上記した構成例Aと同様である(図1図2に示した状態である。)。
【0038】
この構成例Bの自動改札機1Aも、上記した構成例Aの自動改札機1と同様に、図6図7に示すように、自動改札機1A本体に対してカバー11aを回動させることにより、このカバー11aを開閉する構成である。ただし、自動改札機1Aのカバー11aの回動軸12aは、通路2の幅方向である点では上記した構成例Aの自動改札機1と同様であるが、通路2の端部とは反対側に設けられている点で相違する。
【0039】
カバー11aは、閉状態から、90度を超える角度(例えば100度前後)回動した位置でストッパ(不図示)が働き、これ以上の回動が制限される構成である。このストッパは、カバー11aが、閉状態と開状態との間で回動するのを制限しない。開状態であるカバー11aには、この開状態を保持する向きに重力が作用する。したがって、上記した構成例Aの自動改札機1と同様に、作業員が開状態にしたカバー11aから手を離しても、カバー11aを閉する方向の外力が加えられなければ、カバー11aの開状態が維持される。
【0040】
自動改札機1Aは、上記した構成例Aの自動改札機1と同様に、カバー11aが開状態であるときに露出する部分(閉状態であるカバー11aによって覆われる部分)に、保守点検等において作業員が操作する操作部や、外部機器が接続されるコネクタ等が配置されている。自動改札機1Aは、コネクタに接続された外部機器との間でデータの入出力を行う。
【0041】
なお、この構成例Bの自動改札機1Aも、カバー11aが利用者等によるいたずらで開されないように、閉状態でロックされ、キー(鍵)でロックを解除する構成にするのが好ましい。
【0042】
上記した通り、作業者は、自動改札機1Aの保守点検等を行う場合、通路2内に位置する。図7図8に示したように、カバー11aが回動する回動軸12aは、通路2の幅方向であるので、カバー11aを開しても、このカバー11aが通路2側に突出しない。したがって、この構成例Bの自動改札機1Aも、保守点検等における作業者の作業性を向上させ、保守点検等にかかる作業時間の抑制、および運用効率の向上が図れる。
【0043】
<3.構成例C>
この構成例Cの自動改札機1Bは、上記した構成例Aの自動改札機1と略同じであるが、図8、および図9に示すように、カバー11bに発光面15bが形成されている点で上記の例と相違する。図8は、保守点検等で、この構成例Bの自動改札機のカバーを開した状態(開状態)を示す概略の外観図である。図9(A)は、図8に示すA方向から視た平面図であり、図9(B)は、図8に示すB方向から視た平面図であり、図9(C)は、図8に示すC方向から視た平面図である。
【0044】
カバー11bの内側には、発光面15bに対向する位置にLED16bが配置されている。この例では、LED16bが、この発明で言うランプに相当する。発光面15bは、ある程度の透過率を有するアクリル板等で構成されている。LED16bが点灯時に、発光面15bを発光させる。LED16bの発光色は、何色でも構わないが、以下に示すように、自動改札機1Bの周辺を通行している利用者に、カバー11bが開していることを視認させることを目的とすることから、視認しやすい色(例えば、赤色)にするのがよい。LED16bは、カバー11bに取り付けられていてもよいし、カバー11bに取り付けられて部材(例えば、回路基板)に取り付けられていてもよい。
【0045】
また、この構成例Cの自動改札機1Bは、カバー11bの開閉状態を検知するマイクロスイッチ17bを有している。図10(A)は、カバー11bの開閉に応じてLED16bの点灯/消灯を切り替える切替回路を示す図である。この例では、図10(A)に示す切替回路が、この発明で言う点灯制御部に相当する。
【0046】
図10(A)に示す切替回路20は、カバー11bが開状態であるとき、マイクロスイッチ17bが電源Vを点灯回路18bに接続し、カバー11bが閉状態であるとき、マイクロスイッチ17bが電源Vを点灯回路18bから切断する。点灯回路18bは、電源Vの接続時にLED16bを点灯させる回路である。点灯回路18bは、様々な回路が公知であるので、ここでは特に説明しない。点灯回路18bは、電源Vの接続時にLED16bを点灯させ、電源Vの切断時にLED16bを消灯させるものであれば、どのような回路構成であってもよい。
【0047】
この構成例Cの自動改札機1Bは、作業員が保守点検の際に、開したカバー11bの発光面15bがLED16bの点灯によって発光させられる。これにより、自動改札機1Bの周辺を通行している利用者に、カバー11bが開していることを視認させることができる。したがって、利用者が開しているカバー11bに衝突するのを防止できる。特に、この構成例Cの自動改札機1Bは、開したカバー11bの一部が通路2の外側に突出するので、自動改札機1Bの周辺を通行している利用者が開しているカバー11bに衝突するのを効果的に防止できる。
【0048】
また、図10(A)に示した切替回路20を、図10(B)に示す切替回路20aに置き換えてもよい。図10(B)に示す切替回路20aは、カバー11bの開閉に応じてLED16bの点滅/消灯を切り替える回路である。具体的には、切替回路20aは、点灯回路18bを、点滅回路19bに置き換えた回路である。
【0049】
点滅回路19bは、電源Vの接続時にLED16bを点滅させる回路である。LED16bを点滅させる周期は、数100msec程度(例えば300~800msec程度)にすればよい。点滅回路19bは、様々な回路が公知であるので、ここでは特に説明しない。点滅回路19bは、電源Vの接続時にLED16bを点滅させ、電源Vの切断時にLED16bを消灯させるものであれば、どのような回路構成であってもよい。
【0050】
また、構成例Cの自動改札機1Bは、マイクロスイッチ17bで、カバー11bの開閉状態を検知する構成であるとしたが、カバー11bの開閉状態をセンサ(例えば、フォトセンサ)で検知し、点灯回路18b(または点滅回路19b)に対する電源Vの接続/切断を切り替える構成にしてもよい。
【0051】
なお、上記した構成例Bの自動改札機1Aについても、カバー11aに発光面15bを形成し、カバー11aの開時に、発光面15bを発光させてよい。
【0052】
<4.変形例>
上記した構成例A~Cに記載の自動改札機1、1A、1Bは、通路2の幅方向の回動軸12、12a、12bで回動させることによって開閉されるカバー11、11a、11bが、通路2の一方の端部側に設けられているとしたが、カバー11、11a、11bは、通路の中央部に設けられていてもよい。
【0053】
また、上記した構成例A~Cに記載の自動改札機1、1A、1Bは、通路2の幅方向の回動軸12、12a、12bで回動させることによって開閉されるカバー11、11a、11bが1つである場合を例にして説明したが、開閉されるカバーは複数であってもよい。また、開閉されるカバーが複数である場合、一部のカバーは、通路2の幅方向の回動軸で回動させることによって開閉される構成でなくてもよい。例えば、一部のカバーは、自動改札機1、1A、1B本体から取り外す構成であってもよいし、天面に略垂直な回動軸で回動する構成であってもよいし、通路2における利用者の通行方向にスライドする構成であってもよいし、これら以外の構成であってもよい。
【0054】
また、この発明は、自動改札機1、1A、1Bに限らず、施設(テーマパーク、オフィスビル等)の入出場口に設置される入出場ゲートであってもよい。
【0055】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0056】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
[請求項1]
通路(2)における利用者の通行を制限するゲート装置(1、1A、1B)において、
前記ゲート装置(1、1A、1B)の筐体は、天面の一部が開閉自在に取り付けられたカバー(11、11a、11b)であり、
前記カバー(11、11a、11b)は、前記通路(2)の幅方向に延びる回動軸(12、12a、12b)で回動する、ゲート装置(1、1A、1B)。
【0057】
[請求項2]
前記カバー(11、11a、11b)は、前記通路(2)の端部に設けられている、請求項1に記載のゲート装置(1、1A、1B)。
【0058】
[請求項3]
前記回動軸(12、12b)は、前記通路(2)の端部に配置されている、請求項2に記載のゲート装置(1、1B)。
【0059】
[請求項4]
前記カバー(11、11b)は、開状態であるとき、その一部が前記通路(2)の外側に突出する、請求項1~3のいずれかに記載のゲート装置(1、1B)。
【0060】
[請求項5]
前記カバー(11b)に取り付けられたランプ(16b)と、
前記カバーが開状態(11b)である場合に前記ランプ(16b)を点灯させ、前記カバー(11b)が開状態である場合に前記ランプ(16b)を消灯させる点灯制御部(20a、20b)と、を有している、請求項1~4のいずれかに記載のゲート装置(1B)。
【0061】
[請求項6]
前記カバー(11b)に取り付けられたランプ(16b)と、
前記カバー(11b)が開状態である場合に前記ランプ(16b)を点灯させ、前記カバー(11b)が開状態である場合に前記ランプ(16b)を消灯させる点灯制御部(20a、20b)と、を有し、
前記ランプ(16b)は、前記カバー(11b)が開状態であるときに前記通路(2)の外側に突出する部分に取り付けられている、請求項4に記載のゲート装置(1B)。
【符号の説明】
【0062】
1、1A、1B…自動改札機
2…通路
11、11a、11b…カバー
12、12a…回動軸
15b…発光面
16b…LED
17b…マイクロスイッチ
18b…点灯回路
19b…点滅回路
20、20a…切替回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10