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特開2024-168972情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168972
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086073
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】313015432
【氏名又は名称】株式会社インテージ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】川野 晟聖
(72)【発明者】
【氏名】前川 佳輝
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 陽介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告の効果をより詳細に評価する。
【解決手段】情報処理システムは、複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上のモニタを1以上の接触モニタとして示す接触データを記憶する接触データベースと、広告に関連する行動を行った1以上のモニタを1以上の行動モニタとして示す行動データを記憶する行動データベースとを参照し、モニタIDを用いてモニタデータ、接触データ、および行動データを関連付け、関連付けに基づいて、広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定し、関連付けに基づいて、1以上の接触モニタにより行われた行動である1以上の接触モニタ行動と、1以上の非接触モニタにより行われた行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定し、1以上の接触モニタ行動および1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成し、広告効果データを出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照し、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付け、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定し、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定し、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成し、
前記広告効果データを出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動を集計して、前記1以上の行動モニタによる前記行動に関する第1集計値を算出し、
前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて、前記1以上の接触モニタが前記広告に接触しなかったと仮定した仮想場面での前記1以上の接触モニタの行動を推定し、
前記1以上の接触モニタによる前記1以上の推定された行動と、前記1以上の非接触モニタ行動とを集計して、前記仮想場面での前記1以上の行動モニタによる前記行動に関する第2集計値を算出し、
前記第1集計値および前記第2集計値に基づいて前記広告効果データを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記モニタデータが、前記複数のモニタのそれぞれについての1以上のモニタ属性を更に含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上の接触モニタのそれぞれについて、該接触モニタに対応する前記モニタ属性を有する前記1以上の非接触モニタの前記行動に関する統計値を、前記仮想場面での該接触モニタの前記行動として推定する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記モニタデータが、前記複数のモニタのそれぞれについての1以上のモニタ属性を更に含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上のモニタ属性のうち少なくとも一つの前記モニタ属性に基づいてデータ粒度を設定し、
前記複数のモニタを含む母集団を前記少なくとも一つのモニタ属性を用いて示す母集団データを記憶する母集団データベースを参照し、
前記データ粒度に従って、前記複数のモニタに関連する人数を前記母集団に関連する人数に換算するための拡大推計係数を算出し、
前記拡大推計係数に基づいて換算された人数に基づく前記広告効果データを生成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記広告効果データの出力として、前記広告効果データを表示装置上に表示させる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付けるステップと、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、
前記広告効果データを出力するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付けるステップと、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、
前記広告効果データを出力するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、広告がどの程度視聴されたかを判定することにより広告を評価する広告評価システムが記載されている。特許文献2には、Webページにアクセスするユーザにアンケートを行うことにより、広告を評価する広告評価システムが記載されている。特許文献3には、テレビ画面に表示された第1QRコード(QRコードは登録商標)を読み取ったユーザ端末のメモリに商品説明情報等をダウンロードさせるテレビ番組視聴履歴POS情報連携システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-071501号公報
【特許文献2】特開2016-076125号公報
【特許文献3】特開2022-023310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広告の効果をより詳細に評価する手法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る情報処理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上のモニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、広告に関連する行動を行った1以上のモニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照し、モニタIDを用いてモニタデータ、接触データ、および行動データを関連付け、関連付けに基づいて、広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定し、関連付けに基づいて、1以上の接触モニタにより行われた行動である1以上の接触モニタ行動と、1以上の非接触モニタにより行われた行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定し、1以上の接触モニタ行動および1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成し、広告効果データを出力する。
【0006】
本開示の一側面に係る情報処理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される。この情報処理方法は、複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上のモニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、広告に関連する行動を行った1以上のモニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、モニタIDを用いてモニタデータ、接触データ、および行動データを関連付けるステップと、関連付けに基づいて、広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、関連付けに基づいて、1以上の接触モニタにより行われた行動である1以上の接触モニタ行動と、1以上の非接触モニタにより行われた行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、1以上の接触モニタ行動および1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、広告効果データを出力するステップと、を含む。
【0007】
本開示の一側面に係る情報処理プログラムは、複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上のモニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、広告に関連する行動を行った1以上のモニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上のモニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、モニタIDを用いてモニタデータ、接触データ、および行動データを関連付けるステップと、関連付けに基づいて、広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、関連付けに基づいて、1以上の接触モニタにより行われた行動である1以上の接触モニタ行動と、1以上の非接触モニタにより行われた行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、1以上の接触モニタ行動および1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、広告効果データを出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
このような側面においては、モニタデータおよび接触データに基づいて接触モニタおよび非接触モニタが特定され、これら2種類のモニタの双方について、広告に関連する行動に基づく広告効果データが得られる。広告に接触したモニタだけでなく広告に接触していないモニタについてもこのようにデータ処理が実行されるので、広告の効果をより詳細に評価することが可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一側面によれば、広告の効果をより詳細に評価することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図2】データベースに記憶される各種のデータの一例を示す図である。
図3】データベースに記憶される各種のデータの一例を示す図である。
図4】データベースに記憶される各種のデータの一例を示す図である。
図5】データベースに記憶される各種のデータの一例を示す図である。
図6】情報処理システムとして機能し得るコンピュータの一般的なハードウェア構成を示す図である。
図7】情報処理システムでの処理の一例を示すフローチャートである。
図8】広告接触率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
図9】商品購入率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
図10】接触率データおよび購入率データの一例を示す図である。
図11】第1広告効果データの生成方法の一例を示すフローチャートである。
図12】第1広告効果データの一例を示す図である。
図13】第1広告効果データの一例を示す図である。
図14】第2広告効果データの生成方法の一例を示すフローチャートである。
図15】非接触時の購入金額の合計の算出方法の一例を示すフローチャートである。
図16】非接触時の購入金額の推定方法を説明するための図である。
図17】非接触時の商品購入率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
図18】非接触時の購入フラグの推定方法を説明するための図である。
図19】第2広告効果データの一例を示す図である。
図20】レポートの例を示す図である。
図21】レポートの例を示す図である。
図22】レポートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[システムの概要]
図1は一例に係る情報処理システム10の機能構成を示す図である。情報処理システム10は、広告の効果を評価し、その評価結果を出力するコンピュータシステムである。広告とは、商品を宣伝するために作成される媒体をいう。例えば、広告は動画、静止画、およびテキストのうちの少なくとも一つを含んで構成される。一例では、広告は、テレビCM、Webページ、バナー広告または広告動画である。商品とは、有償または無償で取引される任意の有体物または無体物のことをいい、したがって、サービスの提供を含む概念である。
【0013】
情報処理システム10は、広告に接触した人、および広告に接触しなかった人のそれぞれにより行われた行動を特定して、広告の効果を評価する。広告に接触するとは、メディアを通じて広告を知覚することをいう。広告に接触しない、すなわち非接触とは、メディアを通じて広告を知覚していないことをいう。或る人について、或る広告を表示するメディアへのアクセスの履歴が存在する場合には、その人はその広告に接触したものと見なされ、そのような履歴が存在しない場合には、その人はその広告に接触しないものと見なされる。一例では、情報処理システム10は、広告を視聴した回数が所定の回数に達していない人を、広告に接触しなかった人として特定する。行動とは、広告に関連する行動のことであり、例えば、広告によって示された商品または情報にアクセスすることをいう。一例では、行動は、商品を購入する、Webページを閲覧する、アプリケーションをダウンロードする、または、アプリケーションを使用することである。
【0014】
一例では、情報処理システム10は通信ネットワークを介してデータベース群20および端末Tと接続する。通信ネットワークは、典型的には、インターネット、イントラネット、またはこれらの組合せによって構築される。通信ネットワークは有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはこれらの組合せによって構築され得る。
【0015】
データベース群20は、広告の効果を評価するために用いられる各種のデータを記憶する記憶部である。データベース群20の少なくとも一部は、情報処理システム10とは異なるコンピュータまたはコンピュータシステムに設けられてもよいし、情報処理システム10の一構成要素であってもよい。一例では、データベース群20は、様々なコンピュータシステム、機器、または装置から提供されるデータを記憶する。
【0016】
端末Tは、情報処理システム10のユーザによって用いられるコンピュータである。ユーザとは、広告の効果の評価結果を情報処理システム10から得ようとする人またはグループをいう。例えば、ユーザは広告主であり得る。
【0017】
[データベースの構成]
一例では、データベース群20はモニタデータベース201、母集団データベース202、CM接触データベース203、Web接触データベース204、広告接触データベース205、購入履歴データベース206、アプリケーション利用データベース207、アンケート回答データベース208、POSデータベース209、および成果指標データベース210を含む。
【0018】
図2図5を参照しながらこれらのデータベースについて詳しく説明する。図2図5のそれぞれは、データベース群20に記憶される各種のデータの一例を示す図である。
【0019】
モニタデータベース201は、広告への接触と広告に関連する行動とに関する調査の対象として選択された人であるモニタに関するモニタデータを記憶するデータベースである。図2に示すように、一例では、モニタデータベース201の各レコードはモニタIDおよびモニタ属性を含む。モニタIDは個々のモニタを一意に特定するための識別子である。モニタ属性とはモニタの性質または特徴を示す情報をいう。モニタ属性は例えば性別、年齢、モニタが在住する都道府県、職業、および調査期間を含む。年齢は10代、20代、30代等の年代で表されてもよい。都道府県に代えて関東、関西、中京等の地方名が用いられてもよい。調査期間は広告の効果を評価するためにモニタを調査した時間幅である。一例では、調査期間は少なくとも過去の期間を含む。モニタA,Bの例で示されるように、調査が現在も継続しているために調査期間の終点が未設定である場合があり得る。調査期間は、モニタによって視聴されるメディア毎に設定される期間であってもよいし、モニタによって使用される装置毎に設定される期間であってもよい。メディアの例としてテレビCMおよびWebページが挙げられる。装置の例としてテレビ、PC、およびスマートフォンが挙げられる。調査期間は、モニタに対する調査の内容毎に設定される期間であってもよい。例えば、調査期間は、CM接触データベース203、Web接触データベース204、広告接触データベース205、購入履歴データベース206、アプリケーション利用データベース207およびアンケート回答データベース208で示される調査の内容毎に設定される期間であってもよい。
【0020】
母集団データベース202は、複数のモニタを含む母集団を少なくとも一つのモニタ属性を用いて示す母集団データを記憶するデータベースである。一例では、母集団データは所定の1以上のモニタ属性の組合せ毎の人数を示す。母集団とは、広告の効果を評価するために予め設定される人の集合をいう。複数のモニタは、母集団との関係では、標本であるといえる。図2の例では、母集団データは都道府県、性別および年齢の組合せ毎の母集団の人数を示す。母集団データベース202は複数の期間または時点のそれぞれについて母集団データを記憶してよい。例えば、母集団データベース202は国勢調査に応じて新たな母集団データを更に記憶してもよいし、母集団の人数を年、月、週等の時間間隔毎に記憶してもよい。
【0021】
CM接触データベース203は、テレビCMに接触したモニタを示す接触データを記憶するデータベースである。図3に示すように、一例では、この接触データの各レコードはモニタID、視聴期間、チャンネルおよびブランド名を含む。モニタIDはテレビCMに接触したモニタである接触モニタを示す。視聴期間は接触モニタがテレビをリアルタイムに、またはタイムシフト、録画などによって視聴した時間幅である。チャンネルは接触モニタが視聴したチャンネルである。ブランド名は接触モニタが該視聴期間中に該チャンネルにおいて視聴したCMで宣伝される商品の名称である。
【0022】
Web接触データベース204は、広告を含むWebページに接触したモニタを示す接触データを記憶するデータベースである。図3に示すように、一例では、この接触データの各レコードはモニタID、視聴期間、URL、ドメイン、サブドメインおよびブランド名を含む。モニタIDはWebページに接触したモニタである接触モニタを示す。視聴期間は接触モニタがWebページを視聴していた時間幅である。URL、ドメインおよびサブドメインはいずれも、インターネットにおけるそのWebページの位置を示すための情報である。ブランド名はWebページで宣伝される商品の名称である。
【0023】
広告接触データベース205は、テレビCMおよびWebページ以外の広告に接触したモニタを示す接触データを記憶するデータベースである。そのような広告は、例えばバナー広告または動画広告である。図3に示すように、一例では、この接触データの各レコードはモニタID、広告種別、ブランド名および接触日時を含む。モニタIDはテレビCMおよびWebページ以外の広告に接触したモニタである接触モニタを示す。広告種別は接触モニタが接触した広告の種別である。ブランド名は広告に宣伝される商品の名称である。接触日時は接触モニタが広告に接触した日時である。
【0024】
CM接触データベース203、Web接触データベース204、および広告接触データベース205はいずれも、広告に接触した1以上の接触モニタを示す接触データを記憶する接触データベースの例である。CM接触データベース203、Web接触データベース204、および広告接触データベース205のそれぞれは、モニタIDによってモニタデータベース201に関連付けられ得る。
【0025】
購入履歴データベース206は、商品を購入したモニタを示す行動データを記憶するデータベースである。図4に示すように、一例では、この行動データの各レコードはモニタID、購入日時、購入ブランド名、購入個数および購入金額を含む。モニタIDは、広告で宣伝される商品を購入したモニタである行動モニタを示す。購入日時は行動モニタが商品を購入した日時である。購入ブランド名は行動モニタが購入した商品のブランド名である。購入個数は行動モニタが購入した商品の個数である。購入金額は行動モニタが購入した商品の合計金額である。
【0026】
アプリケーション利用データベース207は、アプリケーションを利用したモニタを示す行動データを記憶するデータベースである。図4に示すように、一例では、この行動データの各レコードはモニタID、使用期間およびアプリケーションを含む。モニタIDは、広告で宣伝されるアプリケーションを使用したモニタである行動モニタを示す。使用期間は行動モニタがアプリケーションを使用した時間幅である。アプリケーションは行動モニタによって使用されたアプリケーションの名称または識別子である。
【0027】
アンケート回答データベース208は、アンケートに回答したモニタを示すアンケート回答データを記憶するデータベースである。図4に示すように、一例では、アンケート回答データベース208の各レコードはモニタID、設問、回答およびキャンペーン期間を含む。モニタIDはアンケートを回答したモニタを示す。設問はアンケートの設問であり、回答は該設問に対するモニタの回答である。キャンペーン期間は、キャンペーンが行われていた時間幅である。キャンペーンとは、1以上の広告媒体を利用して商品を宣伝する活動をいう。アンケート回答データベース208は、例えばモニタ全員のアンケートの回答を含む。
【0028】
購入履歴データベース206およびアプリケーション利用データベース207はいずれも、広告に関連する行動を行った1以上の行動モニタを示す行動データを記憶する行動データベースの例である。行動データは、行動の日時、行動によって発生した金額、行動によって得られた商品等のような、行動に関する様々な情報を含み得る。購入履歴データベース206、アプリケーション利用データベース207、およびアンケート回答データベース208のそれぞれは、モニタIDによってモニタデータベース201に関連付けられ得る。
【0029】
POSデータベース209は、商品の売上を示すPOSデータを記憶するデータベースである。図5に示すように、POSデータの各レコードはブランド名、販売日、売上金額および販売店率を含む。ブランド名は広告で宣伝される商品の名称である。販売日は商品が販売された日付である。売上金額は販売日におけるその商品の合計金額である。販売店率は、全店舗のうち、その商品を販売した店舗の割合である。
【0030】
成果指標データベース210は、広告主によって指定される成果指標を示す成果指標データを記憶するデータベースである。成果指標データの各レコードは日付、ブランド名および成果指標を含む。日付は広告主によって指定される。ブランド名は広告で宣伝される商品の名称である。成果指標はその日付におけるその商品に関する目標を示す値である。一例では、成果指標は商品の出荷数、ECサイト上での商品の売上金額、または、商品がアプリケーション等である場合には商品のダウンロード数である。
【0031】
一例では、モニタデータ、母集団データおよびPOSデータは情報処理システム10の管理者によって入力されてデータベース群20に格納されてよい。一例では、各種の接触データ、各種の行動データ、およびアンケート回答データは、管理者とは別の者、例えばモニタを調査する協力機関によって入力されてデータベース群20に格納されてよい。一例では、成果指標データは広告主によって入力されてデータベース群20に格納されてよい。
【0032】
[システムの構成]
図1を参照しながら情報処理システム10の機能構成について説明する。情報処理システム10は機能要素として、受信部11、係数算出部12、接触率算出部13、購入率算出部14、広告効果算出部15および送信部16を備える。受信部11は、広告の効果の評価結果を示すレポートの要求を端末Tから受信する機能モジュールである。係数算出部12は、集計で用いられる拡大推計係数を算出する機能モジュールである。接触率算出部13は、広告に接触した人数の割合を算出する機能モジュールである。購入率算出部14は、商品を購入した人数の割合を算出する機能モジュールである。広告効果算出部15は、広告の効果を示す広告効果データを生成する機能モジュールである。係数算出部12、接触率算出部13、購入率算出部14、および広告効果算出部15は、受信された要求に応答して協働して処理を実行して広告効果データを生成する。送信部16は、レポートのために広告効果データを端末Tに送信する機能モジュールである。
【0033】
図6は、情報処理システム10として機能し得るコンピュータ100の一般的なハードウェア構成を示す図である。例えば、コンピュータ100はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、および出力装置106を備える。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。主記憶部102は例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリで構成され、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。補助記憶部103は、少なくとも一つのコンピュータを情報処理システム10として機能させるためのプログラム110を非一時的に記憶する。通信制御部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。入力装置105は例えばキーボード、マウス、タッチパネル等で構成される。出力装置106は例えばモニタおよびスピーカで構成される。
【0034】
情報処理システム10の各機能モジュールは、プロセッサ101または主記憶部102の上にプログラム110を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラム110を実行させることで実現される。プログラム110は、情報処理システム10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はプログラム110に従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。この処理により情報処理システム10の各機能要素が実現される。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納されてもよい。
【0035】
プログラム110は情報処理プログラムに相当する。プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に非一時的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラム110は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0036】
情報処理システム10は一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで情報処理システム10が構成される。
【0037】
[システムの動作]
図7を参照しながら、情報処理システム10の動作を説明するとともに、一例に係る情報処理方法について説明する。図7は情報処理システム10での処理の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。以下の例では、広告がテレビCMであり、行動が商品の購入であるとする。つまり、以下の例では、情報処理システム10は、テレビCMが消費者に商品の購入をどのくらい促したかを評価する。このため、処理フローS1では、情報処理システム10は接触データベースおよび行動データベースとしてCM接触データベース203および購入履歴データベース206をそれぞれ使用する。
【0038】
ステップS11では、受信部11が、データ粒度を含むレポート要求を端末Tから受信する。レポート要求とは、広告効果データの生成および出力を指示するための電子データをいう。データ粒度とはデータの集計単位をいい、データを集計するために用いられる1以上のキー項目の組合せによって表される。少なくとも一つのキー項目はモニタ属性であり得る。データ粒度は処理によって変わり得る。一例では、端末Tはユーザによって入力された1以上のキー項目を含むレポート要求を送信し、受信部11はそのレポート要求を受信する。以下の説明では、そのキー項目が週(またはキャンペーン期間)、エリア、性別、年代(年齢)、およびブランド名であるとする。
【0039】
ステップS12では、係数算出部12が、集計で用いられる拡大推計係数を所定のデータ粒度に従って算出する。「データ粒度に従って処理を実行する」とは、データ粒度を構成する1以上のキー項目のそれぞれの組合せについて処理を実行することをいう。以下ではその組合せを便宜的に「キー組合せ」という。「データ粒度に従って処理を実行する」は、「キー組合せ毎に処理を実行する」と言い換えられ得る。拡大推計係数とは、標本に基づいて得られた値を母集団における値に変換するための係数をいう。例えば、拡大推計係数は、複数のモニタに関連する人数を母集団に関連する人数に換算する。言い換えると、拡大推計係数は一人のモニタを母集団の何人分として換算するかを示す値であり得る。係数算出部12はモニタデータベース201を参照してのモニタの人数をデータ粒度に従って集計する。さらに、係数算出部12は、母集団データベース202を参照して母集団の人数をデータ粒度に従って集計する。係数算出部12はデータ粒度に従って、集計された母集団の人数を集計されたモニタの人数で除して拡大推計係数を算出する。
【0040】
ステップS13では、接触率算出部13が、広告に接触した人数の割合である広告接触率を所定のデータ粒度に従って算出する。図8を参照しながらステップS13の詳細を説明する。図8は広告接触率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
【0041】
ステップS131では、接触率算出部13がモニタデータベース201およびCM接触データベース203を参照して、モニタIDを用いてモニタデータおよび接触データを関連付ける。接触率算出部13は、広告に接触した回数をモニタ毎に集計し、該回数が有効接触回数以上であるモニタを接触モニタとして特定する。そして、接触率算出部13はデータ粒度に従って接触モニタの人数を集計する。有効接触回数とは、広告主等によって予め設定される1以上の数である。
【0042】
ステップS132では、接触率算出部13が拡大推計係数を用いて、母集団において広告に接触した人数を算出する。接触率算出部13はデータ粒度に従って、集計された接触モニタの人数に拡大推計係数を乗じて、母集団において広告に接触した人数を算出する。
【0043】
ステップS133では、接触率算出部13が、広告に接触した人数の割合である広告接触率を算出する。接触率算出部13は母集団データベース202を参照し、データ粒度に従って母集団の人数を集計する。そして、接触率算出部13はデータ粒度に従って、母集団において広告に接触した人数を母集団の人数で除して広告接触率を算出する。CM接触データベース203を参照した場合、接触率算出部13は、所定の期間に放送されたテレビCMの放送回毎の広告接触率の合計であるGross Rating Point(GRP)を算出してもよい。
【0044】
ステップS134では、接触率算出部13が算出された広告接触率を含む接触率データを生成する。接触率算出部13はGRPを更に含む接触率データを生成し得る。
【0045】
図7に戻り、ステップS14では、購入率算出部14が、商品を購入した人数の割合である商品購入率を所定のデータ粒度に従って算出する。図9を参照しながらステップS14の詳細を説明する。図9は商品購入率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS141では、購入率算出部14がモニタデータベース201および購入履歴データベース206を参照して、モニタIDを用いてモニタデータおよび行動データを関連付ける。購入率算出部14は、商品を購入したモニタを行動モニタとして特定し、データ粒度に従って行動モニタの人数を集計する。
【0047】
ステップS142では、購入率算出部14が拡大推計係数を用いて、母集団において商品を購入した人数を算出する。購入率算出部14はデータ粒度に従って、集計された行動モニタの人数に拡大推計係数を乗じて、母集団において商品を購入した人数を算出する。
【0048】
ステップS143では、購入率算出部14が、商品を購入した人数の割合である実際の商品購入率を算出する。購入率算出部14は母集団データベース202を参照し、データ粒度に従って母集団の人数を集計する。そして、購入率算出部14はデータ粒度に従って、母集団において商品を購入した人数を母集団の人数で除して商品購入率を算出する。この商品購入率は、1以上の行動モニタによる行動に関する第1集計値の一例である。
【0049】
ステップS141~S143では、購入率算出部14は、CM接触データベース203も参照して、広告に接触したモニタと、広告に接触していないモニタとのそれぞれについて商品購入率を算出してよい。一例では、購入率算出部14は、商品を購入し且つ広告に接触したモニタの人数を集計し、広告に接触したモニタについて商品購入率を算出する。購入率算出部14は、商品を購入し且つ広告に接触していないモニタの人数を集計して、広告に接触していないモニタについて商品購入率を算出する。
【0050】
ステップS144では、購入率算出部14が算出された商品購入率を含む購入率データを生成する。
【0051】
図10は接触率データおよび購入率データの一例を示す図である。この例では、接触率算出部13および購入率算出部14は協働して、接触率データおよび購入率データを統合して接触/購入データ31を生成する。この例では、接触率データおよび購入率データを得るためのデータ粒度は、週、エリア、性別、年代およびブランド名の組合せによって設定される。拡大推計係数を得るためのデータ粒度は、エリア、性別および年代の組合せによって設定される。接触/購入データ31の各レコードは、データ粒度を構成する1以上のキー項目、広告に接触した人数、広告接触率、GRPおよび商品購入率を含む。このようにデータ粒度に従って広告接触率および商品購入率を算出することで、各消費者グループに対して広告がどの程度行きわたっているか、または、各消費者グループにおいて商品がどの程度購入されているかを分析することができる。
【0052】
図7に戻り、ステップS15では、広告効果算出部15が接触モニタの行動と非接触モニタの行動とを特定する。図11を参照しながらステップS15の詳細を説明する。図11はその特定方法の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS151では、広告効果算出部15が、広告に接触していないモニタを非接触モニタとして特定する。広告効果算出部15は、モニタデータベース201、CM接触データベース203および購入履歴データベース206を参照し、モニタIDを用いてモニタデータ、接触データおよび行動データを関連付ける。広告効果算出部15はその関連付けに基づいて、モニタデータベース201に含まれ且つCM接触データベース203に含まれないモニタIDを非接触モニタのモニタIDとして特定する。広告効果算出部15は、特定された非接触モニタのモニタIDに対応する広告接触回数を「0」に設定する。有効接触回数が1である場合には、広告効果算出部15は、有効接触回数が0であるモニタを非接触モニタとして特定する。有効接触回数が2以上である場合には、広告効果算出部15は更に、その関連付けに基づいてモニタID毎に広告接触回数を集計し、その広告接触回数が有効接触回数未満であるモニタも非接触モニタとして特定する。
【0054】
ステップS152では、広告効果算出部15が、接触モニタにより行われた行動である接触モニタ行動と、非接触モニタにより行われた行動である非接触モニタ行動とを特定する。広告効果算出部15は、モニタデータ、接触データおよび行動データの関連付けに基づいて、各接触モニタおよび各非接触モニタについて、所定のデータ粒度に従って購入フラグおよび購入金額を設定する。購入フラグはモニタが商品を購入したか否かを二値で示す情報である。以下では、購入フラグは、モニタが商品を購入していれば「Yes」と設定され、モニタが商品を購入していなければ「No」と設定されるものとする。
【0055】
データ粒度に対応して接触モニタのモニタIDが購入履歴データベース206に含まれる場合には、広告効果算出部15は、購入フラグを「Yes」に設定し、データ粒度に従って購入金額を集計する。そのデータ粒度に対してそのモニタIDが購入履歴データベース206に含まれない場合には、広告効果算出部15は購入フラグおよび購入金額に「No」および「0」をそれぞれ設定する。広告効果算出部15はこのような処理によって得られたモニタID、購入フラグ、および購入金額の組合せを接触モニタ行動として特定する。
【0056】
所定のデータ粒度に対応して非接触モニタのモニタIDが購入履歴データベース206に含まれる場合には、広告効果算出部15は、購入フラグを「Yes」とし、データ粒度に従って購入金額を集計する。そのデータ粒度に対応してそのモニタIDが購入履歴データベース206に含まれない場合には、広告効果算出部15は購入フラグおよび購入金額に「No」および「0」をそれぞれ設定する。広告効果算出部15はこのような処理によって得られたモニタID、購入フラグ、および購入金額の組合せを非接触モニタ行動として特定する。
【0057】
ステップS153では、広告効果算出部15が、接触モニタ行動および非接触モニタ行動の特定結果に基づき、各モニタにより行われた行動を示す第1広告効果データを生成する。
【0058】
図12および図13を参照しながら第1広告効果データの例を説明する。図12は第1広告効果データ32を示す図である。この例では、接触モニタ行動および非接触モニタ行動を特定するためのデータ粒度は、週およびブランド名の組合せによって設定される。第1広告効果データ32の各レコードは、データ粒度を構成する1以上のキー項目、モニタID、購入フラグ、購入金額、広告接触回数、エリア、性別および年代を含む。図12の例において有効接触回数が1であるとすると、「モニタA」は「1/1」および「1/8」の週では接触モニタであり、「1/15」の週では非接触モニタである。「モニタA」の行動は、「1/1」および「1/8」の週では接触モニタ行動であり、「1/15」の週では非接触モニタ行動である。図13は第1広告効果データ33を示す図である。第1広告効果データ33は、所定の期間が週ではなく単一のキャンペーン期間である点で、第1広告効果データ32と異なる。図12および図13の例で示されるように、広告効果算出部15は、接触モニタおよび非接触モニタの双方について、広告に関連する行動に基づく第1広告効果データを生成する。
【0059】
図7に戻り、ステップS16では、広告効果算出部15が、接触モニタが広告に接触しなかったと仮定した仮想場面での推定値を含む広告効果データを生成する。以下では、その仮定を「非接触時の」という語句を用いて表す場合がある。図14を参照しながらステップS16の詳細を説明する。図14はその生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS161では、広告効果算出部15が、第1広告効果データを参照し、一人当たりの購入金額を算出する。広告効果算出部15は所定のデータ粒度に従って、第1広告効果データに含まれる購入金額の合計を算出する。そして、広告効果算出部15は、その購入金額の合計をモニタの総数で除して、一人当たりの購入金額を算出する。したがって、一人当たりの購入金額は、商品を購入したモニタだけでなく、商品を購入していないモニタも考慮して算出される。
【0061】
ステップS162では、広告効果算出部15が、母集団における、購入金額の合計と非接触時の購入金額の合計とを算出する。図15を参照しながらステップS162の詳細を説明する。図15はその算出方法の一例を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS1621では、広告効果算出部15が母集団における実際の購入金額の合計を算出する。広告効果算出部15は所定のデータ粒度に従って、第1広告効果データで示されるそれぞれの購入金額に拡大推計係数を乗じて、その購入金額を母集団における購入金額に換算する。そして、広告効果算出部15は換算された購入金額をそのデータ粒度に従って合算する。言い換えると、広告効果算出部15は拡大推計係数に基づいて換算された人数分の購入金額をデータ粒度に従って合算する。この計算によって得られる購入金額の合計は、1以上の行動モニタによる行動に関する第1集計値の一例である。
【0063】
ステップS1622では、広告効果算出部15が非接触モニタの購入金額を特定する。広告効果算出部15は第1広告効果データで示される非接触モニタの購入金額をそのまま特定する。
【0064】
ステップS1623では、広告効果算出部15が、第1広告効果データで示される各接触モニタについて非接触時の購入金額を推定する。広告効果算出部15は所定のデータ粒度に従って、接触モニタと同一のモニタ属性の組合せを有する非接触モニタの購入金額に基づき、各接触モニタの非接触時の購入金額を推定する。広告効果算出部15はそれぞれのキー組合せについて、該キー組合せに関して接触モニタと同一のモニタ属性を有する1以上の非接触モニタの購入金額の統計値を算出し、その統計値を該接触モニタの非接触時の購入金額として算出する。統計値は例えば平均値または中央値である。このような処理は、1以上の非接触モニタ行動に基づいて、仮想場面での1以上の接触モニタの行動を推定することの一例である。
【0065】
図16は、或る一つの期間における非接触時の購入金額の推定方法を説明するための図である。この例では、広告効果算出部15は、その期間における第1広告効果データと、非接触時の購入金額とに基づいて中間データ34を生成する。2種類の購入金額を得るためのデータ粒度は、週、エリアおよびブランド名の組合せである。広告効果算出部15は、非接触モニタについては、特定された購入金額をそのまま非接触時の購入金額として設定し、接触モニタについては、推定された購入金額を非接触時の購入金額として設定する。図16の例では、非接触モニタを示す「モニタC」の非接触時の購入金額は実際の購入金額と同一である。「モニタA」および「モニタB」の非接触時の購入金額は、これら2人のモニタとキー組合せに関して同じモニタ属性を有する非接触モニタの購入金額の平均値「110」である。
【0066】
図15に戻り、ステップS1624では、広告効果算出部15が母集団における非接触時の購入金額の合計を算出する。広告効果算出部15はデータ粒度に従って、中間データ34で示される非接触時の購入金額に拡大推計係数を乗じて、その購入金額を母集団における非接触時の購入金額に換算する。そして、広告効果算出部15はデータ粒度に従って、換算された購入金額を合算して、母集団における非接触時の購入金額の合計を算出する。言い換えると、広告効果算出部15は拡大推計係数に基づいて換算された人数分の非接触時の購入金額をデータ粒度に従って合算する。この計算によって得られる値は、仮想場面での1以上の行動モニタによる行動に関する第2集計値の一例である。
【0067】
図14に戻り、ステップS163では、広告効果算出部15が、母集団における、商品購入率と非接触時の商品購入率とを算出する。図17を参照しながらステップS163の詳細を説明する。図17はその算出方法の一例を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS1631では、広告効果算出部15が非接触モニタの購入フラグを特定する。広告効果算出部15は第1広告効果データで示される非接触モニタの購入フラグをそのまま特定する。
【0069】
ステップS1632では、広告効果算出部15が接触モニタの非接触時の購入フラグを推定する。広告効果算出部15はそれぞれのキー組合せについて、該キー組合せに関して接触モニタと同一のモニタ属性を有する1以上の非接触モニタの商品購入率を算出する。そして、広告効果算出部15は、その商品購入率に基づき、接触モニタの非接触時の購入フラグをランダムに決定し、その決定された値を該購入フラグの推定値として設定する。
【0070】
図18は、或る一つの期間における非接触時の購入フラグの推定方法を説明するための図である。この例では、広告効果算出部15はその期間における第1広告効果データと非接触時の購入フラグとに基づいて中間データ35を生成する。購入フラグを推定するためのデータ粒度は、週、エリアおよびブランド名の組合せである。広告効果算出部15は、非接触モニタについては、特定された購入フラグをそのまま非接触時の購入フラグとして設定し、接触モニタについては、推定された購入フラグを非接触時の購入フラグとして設定する。図18の例では、非接触モニタである「モニタC」および「モニタF」については、非接触時の購入フラグは実際の購入フラグと同一である。接触モニタである他のモニタについては、「モニタC」および「モニタF」を含む非接触モニタの商品購入率に基づき推定される。例えばその商品購入率が50%であれば、広告効果算出部15は、接触モニタの全体として「Yes」および「No」がそれぞれ50%の割合で設定されるように、個々の接触モニタについて非接触時の購入フラグを設定する。
【0071】
図17に戻り、ステップS1633では、広告効果算出部15が、母集団における非接触時の商品購入率を算出する。広告効果算出部15はデータ粒度に従って、非接触時の購入フラグが「No」であるモニタの人数を集計し、その集計値に拡大推計係数を乗じて、その集計値を母集団における集計値に換算する。広告効果算出部15は母集団データベース202を参照し、データ粒度に従って母集団の人数を集計する。そして、広告効果算出部15はデータ粒度に従って、換算された人数を母集団の人数で除して、非接触時の商品購入率を算出する。この商品購入率は、仮想場面での1以上の行動モニタによる行動に関する第2集計値の一例である。
【0072】
図14に戻り、ステップS164では、広告効果算出部15が商品購入率に関する算出結果を示す第2広告効果データを生成する。例えば、広告効果算出部15は図19に示す第2広告効果データ36を生成する。この例でのデータ粒度は、週、エリアおよびブランド名の組合せである。広告効果算出部15はPOSデータベース209を参照して、そのデータ粒度に従って売上金額の合計値および販売店率の平均値を算出する。広告効果算出部15は成果指標データベース210を参照して、そのデータ粒度に従って成果指標の合計値を算出する。広告効果算出部15は接触/購入データ31を参照して、広告に接触した人数および広告接触率をそのデータ粒度に従って取得する。広告効果算出部15は、一人当たりの購入金額、実際の購入金額の合計、非接触時の購入金額の合計、実際の商品購入率および非接触時の商品購入率を示す第2広告効果データ36を生成する。第2広告効果データ36は、第1集計値および第2集計値に基づく広告効果データの一例であり、拡大推計係数に基づいて換算された人数に基づく。
【0073】
図14に戻り、ステップS17では、送信部16が生成された広告効果データをレポート要求への応答として端末Tに送信する。例えば、送信部16は第1広告効果データおよび第2広告効果データの少なくとも一方を送信する。このような送信は広告効果データの出力の一例である。端末Tは広告効果データを示すレポートを表示装置上に表示する。したがって、その送信は、広告効果データを表示装置上に表示させる処理であるといえる。端末Tはテキスト、グラフ等の様々な表現形式を用いてレポートを出力し得る。端末Tは、ユーザ操作に応じてまたは自動的に、表示されるレポートを切り替えてもよい。ユーザはそのレポートを見て、広告の効果を様々な観点から把握し得る。図20図22を参照しながらレポートの様々な例を説明する。図20図22はいずれも、レポートの例を示す図である。
【0074】
図20に示すグラフは、広告接触人数と、実際の購入金額の合計と、非接触時の購入金額の合計と、その2種類の合計金額の差分とについての、複数の週にわたる推移を示す。このグラフはその差分を「購入金額の増加額」として示す。横軸は週を示し、一方の縦軸は購入金額を示し、他方の縦軸は広告接触人数を示す。
【0075】
図21に示すグラフは、非接触時の購入金額の合計と、実際の購入金額の合計と、2種類の合計金額の差分とを示す。この例でも、グラフはその差分を「購入金額の増加額」として示す。
【0076】
図22に示すグラフは広告接触回数毎の購入金額の平均値を示す。グラフの横軸は一人当たりの広告接触回数を示し、グラフの縦軸は一人当たりの購入金額の平均値を示す。
【0077】
上述したように、情報処理システム10は、1以上の接触モニタ行動および1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成し、その広告効果データを出力する。
【0078】
[変形例]
以上、本開示に係る技術をその様々な例に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示に係る技術については、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0079】
上記の例では情報処理システム10は広告接触率、商品購入率、および購入金額の合計を含む広告効果データを生成する。しかし、情報処理システムはこれら3指標の少なくとも一つを算出することなく広告効果データを生成してもよいし、これらの3指標の少なくとも一つに代えて別の指標を含む広告効果データを生成してもよい。
【0080】
情報処理システムは拡大推計係数を用いることなく広告効果データを生成してもよい。すなわち、情報処理システムは、母集団における数値への換算を実行することなく、標本である複数のモニタに関するデータを集計して広告効果データを生成してもよい。
【0081】
情報処理システムは、モニタデータ、接触データ、および行動データを関連付ける際に、二つの相異なるブランド名を対応付けて接触データおよび行動データを関連付けてよい。例えば、情報処理システムは、広告主のブランド名の接触データと競合相手のブランド名の行動データとを関連付けてよく、競合相手のブランド名の接触データと広告主のブランド名の行動データとを関連付けてよい。これにより、競合相手の商品の購入に対する広告主の広告の効果、または、広告主の商品の購入に対する競合相手の広告の効果を評価することが可能になる。
【0082】
情報処理システムは、CM接触データベースと同様に、Web接触データベースまたは広告接触データベースを接触データベースとして用いて広告効果データを生成してよい。情報処理システムは、購入履歴データベースと同様に、アプリケーション利用データベースを行動データベースとして用いて広告効果データを生成してよい。この場合、行動はアプリケーションのダウンロードまたは利用である。情報処理システムは、購入履歴データベースと同様に、Web接触データベースを行動データベースとして用いて広告効果データを生成してよい。この場合、行動はWebページの閲覧である。
【0083】
情報処理システムは、アンケート回答データベースを参照して、モニタデータ、接触データ、およびアンケート回答データを関連付けてよい。これにより、例えばモニタの商品に対する印象が広告によりどのように変化したか把握することができる。
【0084】
情報処理システムは端末と接続しなくてもよい。あるいは、情報処理システムの機能が端末に搭載されてもよい。このような例に関連して、情報処理システムは広告効果データを、所与のデータベースに格納してもよいし、表示装置上に表示してもよい。
【0085】
情報処理システムは、データベースに記憶されるデータが更新されたことに応答して広告の効果の評価を自動的に行ってよい。これにより、広告主は、最新のデータに基づく広告の効果を把握することができる。
【0086】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記の例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0087】
本開示における二つの数値の大小関係の比較では、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0088】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第Nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第Nの処理までのN個の処理の実行主体、すなわちプロセッサ、が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、N個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、N個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0089】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
(付記1)
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照し、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付け、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定し、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定し、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成し、
前記広告効果データを出力する、
情報処理システム。
(付記2)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動を集計して、前記1以上の行動モニタによる前記行動に関する第1集計値を算出し、
前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて、前記1以上の接触モニタが前記広告に接触しなかったと仮定した仮想場面での前記1以上の接触モニタの行動を推定し、
前記1以上の接触モニタによる前記1以上の推定された行動と、前記1以上の非接触モニタ行動とを集計して、前記仮想場面での前記1以上の行動モニタによる前記行動に関する第2集計値を算出し、
前記第1集計値および前記第2集計値に基づいて前記広告効果データを生成する、
付記1に記載の情報処理システム。
(付記3)
前記モニタデータが、前記複数のモニタのそれぞれについての1以上のモニタ属性を更に含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上の接触モニタのそれぞれについて、該接触モニタに対応する前記モニタ属性を有する前記1以上の非接触モニタの前記行動に関する統計値を、前記仮想場面での該接触モニタの前記行動として推定する、
付記2に記載の情報処理システム。
(付記4)
前記モニタデータが、前記複数のモニタのそれぞれについての1以上のモニタ属性を更に含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記1以上のモニタ属性のうち少なくとも一つの前記モニタ属性に基づいてデータ粒度を設定し、
前記複数のモニタを含む母集団を前記少なくとも一つのモニタ属性を用いて示す母集団データを記憶する母集団データベースを参照し、
前記データ粒度に従って、前記複数のモニタに関連する人数を前記母集団に関連する人数に換算するための拡大推計係数を算出し、
前記拡大推計係数に基づいて換算された人数に基づく前記広告効果データを生成する、
付記1~3のいずれか一つに記載の情報処理システム。
(付記5)
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記広告効果データの出力として、前記広告効果データを表示装置上に表示させる、
付記1~4のいずれか一つに記載の情報処理システム。
(付記6)
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付けるステップと、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、
前記広告効果データを出力するステップと、
を含む情報処理方法。
(付記7)
複数のモニタを特定する識別子である複数のモニタIDを含むモニタデータを記憶するモニタデータベースと、広告に接触した1以上の前記モニタを1以上の接触モニタとして示す接触データであって、該1以上の接触モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該接触データを記憶する接触データベースと、前記広告に関連する行動を行った1以上の前記モニタを1以上の行動モニタとして示す行動データであって、該1以上の行動モニタに対応する1以上の前記モニタIDを含む該行動データを記憶する行動データベースとを参照するステップと、
前記モニタIDを用いて前記モニタデータ、前記接触データ、および前記行動データを関連付けるステップと、
前記関連付けに基づいて、前記広告に接触していない1以上のモニタを1以上の非接触モニタとして特定するステップと、
前記関連付けに基づいて、前記1以上の接触モニタにより行われた前記行動である1以上の接触モニタ行動と、前記1以上の非接触モニタにより行われた前記行動である1以上の非接触モニタ行動とを特定するステップと、
前記1以上の接触モニタ行動および前記1以上の非接触モニタ行動に基づいて広告効果データを生成するステップと、
前記広告効果データを出力するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0090】
付記1,6,7によれば、モニタデータおよび接触データに基づいて接触モニタおよび非接触モニタが特定され、これら2種類のモニタの双方について、広告に関連する行動に基づく広告効果データが得られる。広告に接触したモニタだけでなく広告に接触していないモニタについてもこのようにデータ処理が実行されるので、広告の効果をより詳細に評価することが可能になる。
【0091】
付記2によれば、接触モニタが広告に接触しなかった仮想場面における該接触モニタの行動が推定される。そして、実際の行動に関する第1集計値と、推定された行動に基づく第2集計値とに基づいて広告効果データが生成される。この広告効果データによって、広告によりモニタ(消費者)の行動がどの程度変化するかを評価することが可能になる。したがって、広告の効果をより一層詳細に評価できる。
【0092】
付記3によれば、接触モニタに対応するモニタ属性を有する非接触モニタの行動に関する統計値を用いることで、非接触モニタの全体的な傾向が、仮想場面での該接触モニタの行動に反映される。したがって、広告が無かった場合のモニタ(消費者)の行動を精度良く推定することができる。
【0093】
付記4によれば、モニタのデータが母集団のデータに換算されるので、母集団における広告の効果をより詳細に評価することが可能になる。
【0094】
付記5によれば、広告の効果をユーザに視覚的に把握させることができる。
【符号の説明】
【0095】
10…情報処理システム、11…受信部、12…係数算出部、13…接触率算出部、14…購入率算出部、15…広告効果算出部、16…送信部、20…データベース群、32,33…第1広告効果データ、36…第2広告効果データ、201…モニタデータベース、202…母集団データベース、203…CM接触データベース、204…Web接触データベース、205…広告接触データベース、206…購入履歴データベース、207…アプリケーション利用データベース。
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