(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169019
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】発熱リスク判定システム、発熱リスク判定工程及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20241128BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20241128BHJP
G01J 5/00 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
A61B5/01 350
A61B5/00 G
G01J5/00 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086188
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大渕 正博
(72)【発明者】
【氏名】桑山 絹子
(72)【発明者】
【氏名】和田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】天野 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】千葉 友樹
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 洋子
【テーマコード(参考)】
2G066
4C117
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066BC07
2G066BC15
2G066CA02
2G066CB01
4C117XB01
4C117XB02
4C117XB12
4C117XB15
4C117XD04
4C117XE43
4C117XE48
4C117XJ13
4C117XJ16
4C117XJ46
4C117XJ48
4C117XL01
4C117XP01
4C117XP03
4C117XQ18
(57)【要約】
【課題】非接触で測定した人の皮膚表面温度を用いた発熱リスクの判定の精度の向上。
【解決手段】【請求項1】
発熱リスク判定100は、人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する予測皮膚表面温度取得部210と、予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める補正部220と、建物に到着した人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する実測皮膚表面温度取得部230と、適用発熱判定基準温度と実測皮膚表面温度とを比較して人が発熱している発熱リスクの有無を判定する判定部240と、発熱リスクがある場合、接触型体温計での検温を人に促す報知部250と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する予測皮膚表面温度取得部と、
前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める補正部と、
前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する実測皮膚表面温度取得部と、
前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する判定部と、
発熱リスクがある場合、接触型体温計での検温を前記人に促す報知部と、
を備える発熱リスク判定システム。
【請求項2】
前記標準発熱判定基準温度は、感染症法が規定する37.5℃であり、
前記予測皮膚表面温度取得部は、外気温度及び外気温度下での移動時間に基づいて、前記予測皮膚表面温度を導出する、
請求項1に記載の発熱リスク判定システム。
【請求項3】
前記予測皮膚表面温度は、下記式を用いて算出する、
請求項2に記載の発熱リスク判定システム。
T
surfは、予測皮膚表面温度(℃)
T
outは、外気温(℃)
ΔT
0は、皮膚表面温度の下限値を設定するためのパラメータ(℃)
tは、移動時間(分)
C
1、C
2、C
3は、回帰係数
【請求項4】
人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する工程と、
前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める工程と、
前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する工程と、
前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する工程と、
発熱リスクがある場合、接触型体温計での体温測定を前記人に促す工程と、
を備える発熱リスク判定工程。
【請求項5】
コンピューターを
人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する予測皮膚表面温度取得部と、
前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める補正部と、
前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する実測皮膚表面温度取得部と、
前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する判定部と、
発熱リスクがある場合、接触型体温計での体温測定を前記人に促す報知部と、
として機能されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱リスク判定システム、発熱リスク判定工程及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、体温測定装置、体温測定方法及び体温測定プログラムに関する技術が開示されている。この先行技術では、体温測定装置は、生体の体表から放射される赤外線の強度から体表の温度分布を取得する取得部と、温度分布から生体が存在する環境の温度による体表の温度の上昇又は下降の進行に応じた第1の補正を決定する決定部と、温度分布から得られる体表の温度に対して第1の補正を行って生体の体温を算出する算出部と、を備えている。
【0003】
特許文献2には、生体から発せられる赤外線を検出して体温を測定する赤外線体温計に関する技術が開示されている。この先行技術では、赤外線体温計は、生体の閉鎖された測定部(耳内、口腔、腋下)からの赤外線の強度を検出する赤外線センサーを有し、赤外線センサーからの経時的な赤外線検出信号から得られる実測体温上昇率に基づき、平衡体温をCPUで予測演算し、表示器に表示することで、外気温や測定状態(プローブ部の測定部位での状態)に左右されない、安定した体温(平衡体温)を短時間で測定できるように構成されている。
【0004】
特許文献3には、身体に装着させて皮膚温度及び外部温度を測定することで体温を特定するための体温測定処理プログラム及びこのプログラムを備える体温測定装置並びに体温測定処理システムに関する技術が開示されている。この先行技術では、体温を特定するプログラムの処理において、時間ごとに測定された皮膚温度データ及び外部温度データに基づき、皮膚温度データのうち、所定時間に達するまでの温度データを消去した温度データ以外の時間ごとの皮膚温度データ及び外部温度データに対し、皮膚温度データ及び外部温度データと体温測定装置及び皮膚の熱伝導率から求められる係数値とから体温を特定する演算を行うもので、外部温度を用いた変化量に対する体温測定装置及び皮膚の熱伝導率で得られる係数値の関係から、測定された外部温度データを用いた変化量に応じた係数値を特定して変更し、変更した係数値と時間ごとの皮膚温度データ及び外部温度データとを用いて皮膚温度を補正して体温とする構成としている。
【0005】
特許文献4には、負荷変動する運動下での深部体温を推定する技術に関する技術が開示されている。この先行技術では、深部体温推定装置は、測定した初期深部体温と初期皮膚温とを入力して、ウォーミングアップ段階で、個人差パラメータと遅延パラメータとの全てのパラメータの組合せについて熱収支計算式に適用して並列計算させるウォーミングアップ並列演算部と、ウォーミングアップ終了時に測定した深部体温と並列計算の各結果とを比較して最適のパラメータ組を選出するパラメータ組選出部と、最適のパラメータ組を適用して熱収支計算式を実行し、深部体温を算出するモニタ演算部とを備えている。
【0006】
非特許文献1には、式の形状を理論的に構築した上で回帰係数を評価する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2023-35299号公報
【特許文献2】特開2001-218742号公報
【特許文献3】特開2019-176932号公報
【特許文献4】特開2017-217224号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】日本建築学会構造系論文集、第523号、63-70、199年9月 「断層タイプ及び地盤条件を考慮した最大加速度・最大速度の距離減衰式」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
建物に来た人を非接触で人の皮膚表面温度を測定して発熱リスクを判定する場合がある。しかし、冬場に人が徒歩等で建物に到着するまでに低い外気温等の外部環境の影響によって人の皮膚表面温度が低下することがある。この場合、実際の体温が発熱判定基準温度(例えば37.5度)以上であっても、非接触で測定した低下した皮膚表面温度が発熱判定基準温度未満となる恐れがある。
【0010】
本発明は、上記事実を鑑み、非接触で測定した人の皮膚表面温度を用いた発熱リスクの判定の精度を向上させることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一態様は、人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する予測皮膚表面温度取得部と、前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める補正部と、前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する実測皮膚表面温度取得部と、前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する判定部と、発熱リスクがある場合、接触型体温計での検温を前記人に促す報知部と、を備える発熱リスク判定システムである。
【0012】
第一態様の発熱リスク判定システムでは、人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得し、取得した予測皮膚表面温度に基づき、標準発熱判定基準温度を補正して適用発熱判定基準温度を求める。そして、人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度と、適用発熱判定基準温度とを比較して発熱リスクの有無を判定し、発熱リスクがある場合、接触型体温計での検温を促す。したがって、実測皮膚表面温度のみで発熱リスクを判定する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【0013】
第二態様は、前記標準発熱判定基準温度は、感染症法が規定する37.5℃であり、前記予測皮膚表面温度取得部は、外気温度及び外気温度下での移動時間に基づいて、前記予測皮膚表面温度を導出する、第一態様に記載の発熱リスク判定システムである。
【0014】
第二態様の発熱リスク判定システムでは、皮膚表面温度への影響が大きい外気温及び外気温度下での移動時間によって予測皮膚表面温度を導出する。したがって、外気温及び外気温度下での移動時間を用いないで実測皮膚表面温度を導出する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【0015】
第三態様は、請求項3の発明は、前記予測皮膚表面温度は、下記式を用いて算出される、第二態様に記載の発熱リスク判定システムである。
【0016】
【0017】
Tsurfは、実測皮膚表面温度(土)、Toutは、外気温(℃)、ΔT0は、皮膚表面温度の下限値を設定するためのパラメータ(℃)、tは、移動時間(分)、C1、C2、C3は回帰係数
【0018】
第三態様の発熱リスク判定システムでは、上記式を用いることで、予測皮膚表面温度を簡単に取得できる。
【0019】
第四態様は、人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する工程と、前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める工程と、前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する工程と、前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する工程と、発熱リスクがある場合、接触型体温計での体温測定を前記人に促す工程と、を備える発熱リスク工程である。
【0020】
第四態様の発熱リスク判定工程では、実測皮膚表面温度のみで発熱リスクを判定する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【0021】
第五態様は、コンピューターを人が徒歩で建物に到着するまでに外部環境の影響によって低下した前記人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する予測皮膚表面温度取得部と、前記予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める補正部と、前記建物に到着した前記人の皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度を取得する実測皮膚表面温度取得部と、前記適用発熱判定基準温度と前記実測皮膚表面温度とを比較して前記人が発熱している発熱リスクの有無を判定する判定部と、発熱リスクがある場合、接触型体温計での体温測定を前記人に促す報知部と、として機能されるプログラムである。
【0022】
第五態様のプログラムでは、実測皮膚表面温度のみで発熱リスクを判定する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、非接触で測定した人の皮膚表面温度を用いての発熱リスクの判定の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】発熱リスク判定装置の外観の概略構成を示す正面図である。
【
図2】最寄り駅から建物までの道程を示す地図である。
【
図3】発熱リスク判定装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】判定装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図5】判定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】移動時間と外気温と予測皮膚表面温度との関係を示すグラフである。
【
図7】人と外気との間の温度の伝播の伝搬モデルである。
【
図8】発熱リスク判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】最寄り駅から建物に移動した場合の外気温と実測皮膚表面温度と接触型体温計で測定した体温とを調べた実験結果をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
発明の一実施形態の発熱リスク判定システム、発熱リスク判定工程及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
【0026】
[発熱リスク判定装置]
図1及び
図3に示す発熱リスク判定システムの一例としての発熱リスク判定装置100は、オフィスビル、介護施設及び医療施設等の建物10(
図2参照)に到着した人Pの発熱リスクを判定する装置である。
【0027】
図3に示すように、発熱リスク判定装置100は、外部環境情報取得装置60から外部環境情報を取得する。本実施形態の外部環境情報取得装置60は、建物10(
図2参照)の外に設置された外気温を測定する外気温センサーである。
【0028】
図1には、本実施形態の発熱リスク判定装置100の外観の概略構成が図示されている。本実施形態では発熱リスク判定装置100は、自立スタンド30に取り付けられ、建物10(
図2参照)内におけるエントランス及び玄関等の屋外から建物10内へ進入する場所である出入口12又は出入口12(
図2参照)の近傍に設置されている。
【0029】
発熱リスク判定装置100は、装置前面102の大部分が液晶又は有機EL等で構成されたモニタ画面110で構成されている。発熱リスク判定装置100におけるモニタ画面110の上には、カメラ104を備えている。モニタ画面110には、カメラ104で撮影した人Pの撮影画像等が表示される。また、モニタ画面110には、後述する実測皮膚表面温度の温度情報106及び判定装置200が判定した後述する発熱リスクの報知情報108等も表示される。
【0030】
図3に示すように、発熱リスク判定装置100は、表示装置の一例としての前述したモニタ画面110と非接触型検温装置120と判定装置200とを有して構成されている。 本実施形態の非接触型検温装置120は、カメラ104(
図1参照)が撮影して認証した人Pの顔PK(
図1及び
図7参照)から放射される赤外線から皮膚表面温度を測定する赤外線サーモグラフィ型の検温装置である。非接触型検温装置120は、既存の非接触で検温する赤外線サーモグラフィ型の検温装置と同様であるので説明は省略する。なお、非接触型検温装置120は赤外線サーモグラフィ型の検温装置に限定されるものではなく、例えば、黒体放射を使用する非接触型検温装置でもよい。要は、非接触型検温装置120は、非接触で人Pの皮膚表面温度を測定して検温する検温装置であればよい。
【0031】
また、非接触型検温装置120は、モニタ画面110に測定した皮膚表面温度(後述する実測皮膚表面温度)の温度情報106を表示する。
【0032】
判定装置200は、人Pの発熱リスクを判定し、判定結果をモニタ画面110に報知情報108(
図1参照)として報知する。
【0033】
図4は、判定装置200のハードウエア構成を示すブロック図である。
判定装置200は、CPU31、ROM32、RAM33、ストレージ34、通信インタフェース35及び入出力インタフェース36を有する。各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、カメラ104(
図1参照)、モニタ画面110(
図1参照)及び非接触型検温装置120(
図3参照)がバス39を介して判定装置200に接続されている。
【0034】
プロセッサーの一例としてのCPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記録されているプログラムにしたがって、各種制御及び各種演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ34には、発熱リスクを判定するプログラムが格納されている。
【0035】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。記憶部の一例してのストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等で構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データ等を格納する。
【0036】
通信インタフェース35は、判定装置200が図示しないサーバ及び他の機器等と通信するためのインタフェースであり、例えば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。なお、本実施形態では、外部環境情報取得装置60(
図3参照)は、通信インタフェース35を介して接続されている。入出力インタフェース36は、判定装置200が周囲の装置との入出力を行うためのインタフェースである。
【0037】
判定装置200は、所謂コンピューターであり、プログラムを実行する際に、上記のハードウエア資源を用いて、各種の機能を実現する。次に、判定装置200が機能を実現する機能構成について説明する。
【0038】
図5は、判定装置200が機能構成の例を示すブロック図である。
図5に示すように、判定装置200は、機能構成として、予測皮膚表面温度取得部210、補正部220、実測皮膚表面温度取得部230、判定部240及び報知部250を有している。各機能構成は、CPU31がROM32又はストレージ34(
図4参照)に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0039】
予測皮膚表面温度取得部210は、人P(
図1参照)が徒歩で建物10(
図2参照)に到着するまでに外部環境、本実施形態で低温の外気に晒された影響によって低下した人の皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を取得する。本実施形態の予測皮膚表面温度取得部210は、外部環境情報を取得する外部環境情報取得部212と、予測皮膚表面温度を導出する導出部214と、を有している。
【0040】
本実施形態の外部環境情報取得部212は、外部環境情報取得装置60(
図3参照)である外気温センサーが測定した外気温を取得する。導出部214は、外部環境情報取得部212が取得した外気温と、ストレージ34(
図4参照)等に記憶された外気温度下での移動時間とから予測皮膚表面温度を導出する。なお、移動時間と予測皮膚表面温度の導出方法については、後述する。
【0041】
実測皮膚表面温度取得部230は、非接触型検温装置120(
図3参照)が建物10(
図2参照)に到着した人P(
図1参照)の皮膚表面温度を実測した実測皮膚表面温度を取得する。なお、非接触型検温装置120(
図3参照)が実測した皮膚表面温度が「実測皮膚表面温度」である。
【0042】
補正部220は、予測皮膚表面温度取得部210が取得した予測皮膚表面温度に基づき標準発熱判定基準温度を補正し適用発熱判定基準温度を求める。なお、標準発熱判定基準温度は、これ以上であれば発熱有りとする体温であり、本実施形態では感染症法が規定する37.5℃である。また、適用発熱判定基準温度は、発熱リスク判定装置100で適用する発熱リスク有りと判定する温度である。なお、適用発熱判定基準温度の求め方は後述する。
【0043】
判定部240は、適用発熱判定基準温度と実測皮膚表面温度とを比較して人が発熱している発熱リスクの有無を判定する。本実施形態では、実測皮膚表面温度が適用発熱判定基準温度以上であれば、発熱リスクがあると判定する。なお、判定部240は、実測皮膚表面温度が適用発熱判定基準温度以上であっても発熱リスクがあると判定する。
【0044】
報知部250は、発熱リスクがあると判定部240が判定した場合、モニタ画面110(
図1参照)に発熱リスクがある報知情報108(
図1参照)を表示して報知する。具体的には、モニタ画面110(
図1参照)に発熱リスクがあるので所定の行動をとることを促す。より具体的には、接触型体温計での検温を促す報知情報108(
図1参照)をモニタ画面110(
図1参照)に表示する。なお、このとき報知情報108の(
図1参照)表示に加え、アラーム音を鳴らす等の警告を合わせて行ってもよい。
【0045】
なお、接触型体温計とは、電子体温計及び水銀体温計等で舌下温(口中)や腋窩温(わき)等の体温を測る体温計である。
【0046】
[移動時間]
次に移動時間について説明する。
【0047】
本実施形態では、
図2に示すように、建物10に入館した人P(
図1参照)が最寄りの駅20から徒歩で移動した場合の標準的な所要時間が移動時間である。そして、この移動時間が、予め記憶部の一例であるストレージ34(
図4参照)に記憶されている。
【0048】
なお、本実施形態では、移動時間は、駅20から建物10までの道程22の距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出したが、これに限定されるものではない。例えば、途中の坂道及び歩道橋等の有無に応じて、適宜、移動時間を増減してもよい。
【0049】
なお、本実施形態における駅20の出口から建物10の出入口12までの徒歩での移動時間は9分である。
【0050】
[予測皮膚表面温度]
次に、予測皮膚表面温度を導出方法について説明する。
【0051】
本実施形態では、導出部214は、予測皮膚表面温度を下記の数式[数1]を用いて算出する。
【0052】
【数1】
T
surfは、予測皮膚表面温度(℃)であり、
T
outは、外気温(℃)であり、
tは、移動時間(分)であり、
ΔT
0は、[36.5-ΔT
0](℃)までは皮膚表面温度を36.5℃に保てるという人の体温調節機能に関するパラメータ(℃)であり、本実施形態では、過去のデータの傾向を踏まえて経験的に
ΔT
0=10℃
とした。
【0053】
また、C1、C2、C3は皮膚表面温度を推定するための回帰係数であり、
本実施形態では、
C1=0.8
C2=0.2
C3=-0.3
とした。
【0054】
C1、C2及びC3は、後述する実験結果との残差が最小二乗法によって最も小さくなる方法を用いて設定した。ただし、有効数字は1桁とした。
【0055】
また、36.5は、一般的な平熱の値である。
【0056】
図6は、[数1]を用いて計算した移動時間と外気温と予測皮膚表面温度との関係を示すグラフである。外気温は、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃の場合で計算した。なお、線Tcは後述する。
【0057】
(予測皮膚表面温度の[式1]の導出方法)
次に、前述した予測皮膚表面温度の[式1]の導出方法について説明する。
【0058】
【0059】
人Pと外気との間の温度の物理的な熱の伝播を
図7の伝搬モデルであると仮定する。この
図7の伝搬モデルにおいて、人Pから外気への熱量W
outは、皮膚表面温度T
surfと外気温T
outとの差に比例すると仮定する。また、人Pの体内での発熱量W
inは、外気温との差が一定温度以下(ΔT
0(℃)以下)である場合、人の体温調節機能により皮膚表面温度は一定温度(ΔT
0(℃))に保たれる。これは熱平衡、すなわちW
inとW
outとが同じ値(W
in=W
out)となる。これらより次式(数式(1)及び数式(2))が成立する。
【0060】
Wout=K1×(Tsurf-Tout)・・・(1)
Win=K1×(Tsurf-Tout)・・・(2)
ここで、K1及びK2は、それぞれ温度の伝わりやすさを示す伝熱係数である。なお、K1及びK2は、前述の[数1]の回帰式の式形状を構築するために用いているので、具体的な数値は算定していない。
【0061】
しかし、発熱量Winには上限があり、外気温と体温の差が一定温度(ΔT0(℃))を超えると皮膚表面温度が低下していく。この発熱量Winの上限をΔT0で表すと次式(数式(3))が仮定できる。なお、ΔT0は、前述したように10℃とした。
Win=K1×ΔT0・・・・・・・・・(3)
【0062】
外気温と体温との差が一定温度、すなわちΔT0(℃)を超える場合、[Win>Wout]となり、人の皮膚表面温度は時間と共に低下していくことになる。その時間的変化を微分方程式で表すと、
dTsurf/dt=K2×(Wout-Win)・・・・(4)
となる。
【0063】
この数式(4)にWinとWoutを代入して整理すると、
Tsurf/dt=K2×K1×(Tsurf-Tout-ΔT0)・・・(5)
となる。
【0064】
線形微分方程式は、指数関数を仮定して解がえられるため、次式(数式(6))の関数を仮定する。
Tsurf=A×exp(ct)+B・・・・(6)
【0065】
数式(6)の両辺を時刻tに対して微分すると、
Tsurf/dt=A×C×exp(ct)・・・(7)
となる。
【0066】
これら数式(5)、数式(6)及び数式(7)から
Tsurf=K2×K1×(A×exp(ct)+B-Tout-ΔT0)・・・(8)
が得られる。
【0067】
上記の数式(8)に対してt=0では、Tsurfは平熱である36.5℃と仮定して、整理すると、前述した予測皮膚表面温度の[数1]が得られる。
【0068】
【0069】
つぎに、C1、C2及びC3の回帰係数の設定方法について説明する。
【0070】
まず駅20の出口から建物10の出入口12まで実際に徒歩での移動した後に、非接触型検温装置120と接触型の体温計との両方でそれぞれ測定した観測結果について説明する。なお、観測結果をまとめたものが
図9の表である。
【0071】
測定は同時刻に五日間に亘ってA氏、B氏、C氏、D氏及びE氏の五人で行った。表に示されているように、一日目の外気温は4℃、二日目の外気温は8℃、三日目の外気温は6℃、四日目の外気温は5℃及び五日目の外気温は9℃であった。前述したように移動時間は9分である。
【0072】
これらの
図9のデータと前述の[数1]から最小二乗法による回帰分析に基づいて回帰係数C
1、C
2及びC
3を設定した。前述したように有効数字は1桁とした。
【0073】
具体的には、
C1=0.1、0.2、・・・、
C2=0.1、0.2、・・・、
C3=‐0.1、-0.2、・・・、
と組み合わせた場合に観測結果のデータとの誤差が最小となった係数を採用した。
【0074】
その結果、前述したように、
C1=0.8
C2=0.2
C3=-0.3
となった。
【0075】
[適用発熱判定基準温度]
次に、適用発熱判定基準温度の求め方について説明する。
【0076】
本実施形態では、補正部220は、適用発熱判定基準温度を下記の数式[式2]用いて算出する。
【0077】
【0078】
CTは、適用発熱判定基準温度であり、
Tsurfは、前述した予測皮膚表面温度(℃)である。
【0079】
つまり、本実施形態では、予測皮膚表面温度(℃)Tsurfに1℃加えたものが適用発熱判定基準温度CTである。
【0080】
[フローチャート]
図8は、発熱リスク判定装置100の判定装置200による発熱リスクを判定する処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すCPU31がROM32又はストレージ34からプログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、発熱リスクの判定の処理が行なわれる。
【0081】
図8に示すように、発熱リスクを判定するプログラムの実行が開始されると、ステップS100で、CPU31は、人Pの実測皮膚表面温度の取得待ちをする。人Pの実測皮膚表面温度が取得されると、ステップS102に移行する。
【0082】
ステップS102で、CPU31は、実測皮膚表面温度が標準発熱判定基準温度である感染症法が規定する37.5℃以上であるか否かを確認する。実測皮膚表面温度が37.5℃以上であれば、ステップS104に移行し、37.5℃未満であれば、ステップS106に移行する。
【0083】
ステップS104では、CPU31は、発熱リスクがあることを報知しステップS100に戻る。発熱リスクの報知は、具体的には、接触型体温計での検温を促す表示をモニタ画面110の報知情報108に表示する。本実施形態では、「貴方の皮膚表面温度は37.5℃以上あるので接触型体温計で検温して下さい」と表示する。
【0084】
ステップS106では、CPU31は外部環境情報取得装置60(
図3参照)から外部環境情報を取得しステップS108に移行する。具体的には、CPU31は、外気温センサーから外気温を取得しステップS108に移行する、
【0085】
ステップS108で、CPU31は、取得した外気温と記憶されている移動時間とから前述の数式[式1]を用いて予測皮膚表面温度を算出し、ステップS110に移行する。
【0086】
ステップS110で、CPU31は、適用発熱判定基準温度を前述の数式[式2]用いを算出しステップS112に移行する。
【0087】
ステップS114で、CPU31は、ステップS112で算出した適用発熱判定基準温度とステップS100で取得した実測皮膚表面温度とを比較して発熱リスクの有無を判定する。具体的には、実測皮膚表面温度が適用発熱判定基準温度以上であれば、発熱リスクがあると判定する。CPU31は発熱リスクがある場合はステップS114に移行し、発熱リスクが無い場合はステップS100に戻り、人Pの実測皮膚表面温度の取得待ちをする。
【0088】
ステップS114で、CPU31はモニタ画面110(
図1参照)の報知情報108に発熱リスクがあることを報知し、ステップS100に戻り人Pの実測皮膚表面温度の取得待ちする。
【0089】
発熱リスクの報知は、具体的には、接触型体温計での検温を促す表示をモニタ画面110に表示する。本実施形態では。
図1の報知情報108のように、「貴方が最寄り駅20から徒歩で来た場合は、皮膚表面温度の予測値は32.1℃と推定されます。実測した貴方の皮膚表面温度は33.3℃で予測値の32.1℃よりも1℃以上高いので接触型体温計で検温して下さい」と表示するが、これは一例であってこれに限定されるものではない。
【0090】
<作用>
次に本実施形態の作用について説明する。
【0091】
本実施形態の発熱リスク判定装置100では、人Pが徒歩で最寄りの駅20から建物10に到着するまでに低温の外気に晒された影響によって低下した人Pの皮膚表面温度を予測した予測皮膚表面温度を、外気温と外気温下の移動時間とから算出して取得すると共に取得した予測皮膚表面温度に基づき、標準発熱判定基準温度を補正して適用発熱判定基準温度を求める。
【0092】
そして、人Pの皮膚表面温度を非接触で実測した実測皮膚表面温度と適用発熱判定基準温度とを比較して発熱リスクの有無を判定する。本実施形態では、実測皮膚表面温度が適用発熱判定基準よりも1℃以上高い場合に発熱リスクがあると判定し、人Pに接触型体温計での検温を促す。したがって、実測皮膚表面温度のみで発熱リスクを判定する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【0093】
また発熱リスク判定装置100では、皮膚表面温度への影響が大きい外気温及び外気温度下での移動時間によって予測皮膚表面温度を導出する。したがって、外気温及び外気温度下での移動時間を用いないで予測皮膚表面温度を導出する場合と比較し、発熱リスクの判定精度が向上する。
【0094】
また、発熱リスク判定装置100では、予測皮膚表面温度は、[数1]を用いて算出することで、予測皮膚表面温度を簡単に取得することができる。
【0095】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0096】
例えば、上記実施形態では、外部環境情報取得部212は、外部環境情報の一例としての外気温を建物10の外に設置した外部環境情報取得装置の一例としての外気温センサーで測定した測定結果を取得したが、これに限定されるものではない。例えば、気象情報が格納されている外部サーバ等からインターネット経由で取得してもよい。
【0097】
また、例えば、上記実施形態では、人の皮膚表面温度の低下に影響を与える外部環境は、外気温及び外気温下の移動時間としたが、これに限定されるものではない。
【0098】
例えば、外気温及び外気温下の移動時間に加え、風速及び日射量等の外部環境情報を取得して予測皮膚表面温度を導出してもよい。
【0099】
また、例えば、歩行時間の長さによる代謝量の増加等を考慮して予測皮膚表面温度を導出してもよい。なお、「歩行時間の長さによる代謝量の増加」とは、歩行時間が長くなると代謝によって体温が上昇するためそれを考慮することである。代謝を考慮した場合、予測皮膚表面温度は、例えば、
図6の線Tcのように15分後以降に上昇するようなイメージである。
【0100】
また、例えば、顔PKの皮膚表面温度への影響の大きい帽子の有無を考慮して予測皮膚表面温度を導出するようにしてもよい。なお、この場合は、発熱リスク判定装置100の前に立った際に帽子を取っている可能性が高い。よって、帽子を取るまえに別のカメラで撮影した撮影画像を用いて画像解析して帽子の有無を判定することが望ましい。
【0101】
また、例えば、建物10の出入口12から発熱リスク判定装置100が設置されている場所までの距離が長い場合、出入口12から発熱リスク判定装置100が設置されている場所までの間に皮膚表面温度が上昇するので、その温度上昇を考慮して予測皮膚表面温度を導出するようにしてもよい。
【0102】
また、例えば、道程22に地下街等の外気温に晒されてない場所がある場合、その有無を考慮して予測皮膚表面温度を導出するようにしてもよい。
【0103】
また、例えば、上記実施形態では、回帰分析を用いて導出した[数1]を用いて予測皮膚表面温度を算出したが、これに限定されるものではない。予測皮膚表面温度は、例えば教師なし機械学習及びベイズ更新等によって予測皮膚表面温度を導出するようにしてもよい。
【0104】
また、例えば、上記実施形態では、設定適用発熱判定基準温度は、[数2]を用いて算出したが、これに限定されるものではない。例えば、設定適用発熱判定基準温度の設定方法は体温の分布を評価してパーセンタイル値、例えば上位10%以上等によって設定することも可能である。
【0105】
例えば、上記実施形態で説明した発熱リスク判定装置100の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0106】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れは一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピューターを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウエア構成によって実現してもよいし、ハードウエア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0108】
また、例えば、上記実施形態では、判定装置200とモニタ画面110と非接触型検温装置120とが一体となった発熱リスク判定装置100であったが、これに限定されるものではない。例えば、判定装置200は、モニタ画面110及び非接触型検温装置120とは別の場所にあるパソコン又はサーバ等の情報機器とされ、通信回線等で接続された発熱リスク判定システムとされていてもよい。
【0109】
また、例えば、上記実施形態では、建物10へは最寄りの駅20からの移動であったが、これに限定されるものではない。建物10へは複数の駅20からの移動が考慮されていてもよい。例えば、建物10へは駅A、駅B及び駅Cから移動可能である場合、駅A、駅B及び駅Cそれぞれにおいて、発熱リスクを判定するようにすればよい。その場合、例えば、「貴方が駅Aから徒歩で来た場合は、皮膚表面温度の予測値は32.1℃と推定され、駅Bから徒歩で来た場合は、皮膚表面温度の予測値は31.1℃と推定されます。実測した貴方の皮膚表面温度は33.3℃で予測値の32.1℃及び31.1℃よりも1℃以上高いので接触型体温計で検温して下さい」等と表示する。
【0110】
また、駅以外、例えば、バス及びLRT(Light Rail Transit)等の停留所から建物10への移動であってもよいし、他の建物、例えば自宅から徒歩での移動であってもよい。
【0111】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0112】
10 建物
100 発熱リスク判定装置(発熱リスク判定システムの一例)
210 予測皮膚表面温度取得部
220 補正部
230 実測皮膚表面温度取得部
240 判定部
250 報知部
P 人