(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169030
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】NOx吸蔵材
(51)【国際特許分類】
B01J 20/06 20060101AFI20241128BHJP
B01J 23/63 20060101ALI20241128BHJP
B01J 20/08 20060101ALI20241128BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20241128BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20241128BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B01J20/06 C
B01J23/63 A ZAB
B01J20/08 C
B01D53/92 223
F01N3/08 A
F01N3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086200
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304024430
【氏名又は名称】国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 直人
(72)【発明者】
【氏名】若山 和史
(72)【発明者】
【氏名】谷池 俊明
【テーマコード(参考)】
3G091
4D002
4G066
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AA17
3G091AA18
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4G169FB05
4G169FB14
4G169FB30
4G169FC08
(57)【要約】
【課題】200℃以下の低温域においても十分なNOx吸蔵能を有するNOx吸蔵材を提供する。
【解決手段】本発明は、酸化セリウムと、酸化セリウムに担持されているパラジウムとを含むNOx吸蔵材であって、酸化セリウム中の10原子%~30原子%のセリウムがネオジムに置換されている、NOx吸蔵材に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化セリウムと、酸化セリウムに担持されているパラジウムとを含むNOx吸蔵材であって、酸化セリウム中の10原子%~30原子%のセリウムがネオジムに置換されている、NOx吸蔵材。
【請求項2】
酸化セリウム中のセリウムと置換されているネオジムの一部が、プラセオジム、イットリウム、ランタン、及びジルコニウムからなる群から選択される1種以上の追加元素に置換されている、請求項1に記載のNOx吸蔵材。
【請求項3】
酸化アルミニウムをさらに含む、請求項1に記載のNOx吸蔵材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のNOx吸蔵材及び排ガス浄化用触媒を含む、排ガス浄化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NOx吸蔵材に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等のための内燃機関、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、有害成分、例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び窒素酸化物(NOx)等が含まれている。
【0003】
このため、一般的には、これらの有害成分を分解除去するための排ガス浄化装置が内燃機関に設けられており、この排ガス浄化装置内に取り付けられた排ガス浄化用触媒によってこれらの有害成分がほとんど無害化されている。このような排ガス浄化用触媒としては、例えば、三元触媒やNOx吸蔵還元触媒が知られている。
【0004】
三元触媒は、ストイキ(理論空燃比)雰囲気でCO及びHCの酸化と、NOxの還元とを同時に行う触媒である。
【0005】
また、NOx吸蔵還元触媒は、排ガス中のNOをリーン雰囲気でNO2に酸化して吸蔵し、これをストイキ雰囲気及びリッチ雰囲気で窒素(N2)に還元する触媒であり、リーン雰囲気、ストイキ雰囲気、及びリッチ雰囲気の排ガス成分の変化を巧妙に利用している。
【0006】
近年では、低燃費車に対する要求の高まりから、内燃機関の電動化が進展し、排ガス温度の低温化が進むことが予想されている。したがって、低温、特に、排ガス浄化用触媒が活性を発現する温度である200℃よりも低い温度における有害ガス成分、特にNOxの浄化を進めることが求められる。しかしながら、従来の排ガス浄化用触媒が機能する温度域は250℃以上であるため、エンジン始動時など、暖機が十分でない低温時に発生するNOxを十分に浄化することは困難であった。
【0007】
そこで、暖機が十分でない低温域から触媒が機能する温度域までのNOx排出を抑制する手段として、例えば、触媒前段にNOx吸蔵材を配置し、触媒が機能しない低温域ではこのNOx吸蔵材にNOxを保持させ、触媒が活性を示す温度域において、NOx吸蔵材からNOxを脱離させ、脱離したNOxを浄化する方法が検討されている。
【0008】
例えば、特許文献1は、リーンNOxトラップ触媒であって、i)1つ又は複数の白金族金属、第一のセリア含有材料、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、及び第一の無機酸化物を含む、第一の層、並びに、ii)貴金属、第二のセリア含有材料及び第二の無機酸化物を含む、第二の層であって、貴金属が、白金とパラジウムとの混合物、又は白金とパラジウムとの合金である、第二の層、を含み、第一のセリア含有材料の合計ローディングが、第二のセリア含有材料の合計ローディングよりも大きく、第二の層における貴金属の合計ローディングの、第一の層における1つ又は複数の白金族金属の合計ローディングに対する比が、w/w基準で少なくとも2:1である、リーンNOxトラップ触媒を開示している。
【0009】
特許文献2は、銀とガリウムの複合酸化物を含む、NOx吸蔵材を開示している。
【0010】
非特許文献1は、チャバサイトなどのゼオライト化合物に、Pdをイオン交換した材料が高いNOx吸着特性を示すことを開示している。
【0011】
非特許文献2は、Mn-Ce複合酸化物が低温において高いNOx吸着特性を示すことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2020-515393号公報
【特許文献2】特開2019-188389号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Hai-Ying Chenら、「Low Temperature NO Storage of Zeolite Supported Pd for Low Temperature Diesel Engine Emission Control」、Catal Lett、2016、146、1706頁~1711頁
【非特許文献2】Masato Machidaら、「MnOx-CeO2 Binary Oxides for Catalytic NOx Sorption at Low Temperatures. Sorptive Removal of NOx」、Chem. Mater.、2000、12、3158頁~3164頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前記の特許文献及び非特許文献に記載の材料においても、200℃以下の低温域、特に100℃~150℃におけるNOx吸蔵能は未だ十分ではない。
【0015】
したがって、本発明は、200℃以下の低温域においても十分なNOx吸蔵能を有するNOx吸蔵材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、酸化セリウム(CeO2)にパラジウム(Pd)を担持させたNOx吸蔵材において、CeO2中の特定量のCeをネオジム(Nd)に置換させることによって、CeO2中の格子酸素が活性化され、その結果200℃以下、特に100℃~150℃の低温域におけるNOx吸蔵能が向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0017】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)酸化セリウムと、酸化セリウムに担持されているパラジウムとを含むNOx吸蔵材であって、酸化セリウム中の10原子%~30原子%のセリウムがネオジムに置換されている、NOx吸蔵材。
(2)酸化セリウム中の15原子%~25原子%のセリウムがネオジムに置換されている、(1)に記載のNOx吸蔵材。
(3)酸化セリウム中のセリウムと置換されているネオジムの一部が、プラセオジム、イットリウム、ランタン、及びジルコニウムからなる群から選択される1種以上の追加元素に置換されている、(1)又は(2)に記載のNOx吸蔵材。
(4)酸化セリウム中のセリウムと置換されているネオジムの一部が、プラセオジム、イットリウム、ランタン、及びジルコニウムからなる群から選択される1種以上の追加元素に置換されており、ネオジムが、酸化セリウム全体の金属元素の5原子%~15原子%置換されており、追加元素が、酸化セリウム全体の金属元素の5原子%~15原子%置換されている、(1)~(3)のいずれか1つに記載のNOx吸蔵材。
(5)酸化アルミニウムをさらに含む、(1)~(4)のいずれか1つに記載のNOx吸蔵材。
(6)酸化アルミニウムをさらに含み、酸化アルミニウムが、酸化セリウム及び酸化アルミニウムに含まれる金属全体の5モル%~15モル%の量である、(1)~(5)のいずれか1つに記載のNOx吸蔵材。
(7)酸化セリウムを構成する金属の塩及び多座配位子を溶媒に溶解させた後、溶媒を加熱除去し、さらに得られた粉末を乾燥及び焼成すること、並びに当該粉末にパラジウムを担持することを含む、(1)~(4)のいずれか1つに記載のNOx吸蔵材の製造方法。
(8)酸化セリウムを構成する金属の塩、アルミニウムの塩及び多座配位子を溶媒に溶解させた後、溶媒を加熱除去し、さらに得られた粉末を乾燥及び焼成すること、並びに当該粉末にパラジウムを担持することを含む、(5)又は(6)に記載のNOx吸蔵材の製造方法。
(9)(1)~(6)のいずれか1つのNOx吸蔵材及び排ガス浄化用触媒を含む、排ガス浄化システム。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、200℃以下の低温域においても十分なNOx吸蔵能を有するNOx吸蔵材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】Pd/Ce
1-xNd
xO
2(0.1≦x≦0.3)におけるNOx吸蔵機構を模式的に示す図である。
【
図2】比較例1~3及び実施例1~3のXRDパターンを示すグラフである。
【
図3】比較例4~5及び実施例4~7のXRDパターンを示すグラフである。
【
図4】比較例1~3及び実施例1~3のH
2-TPR分析におけるプロファイル(A)並びにH
2消費量及びH
2消費極大温度のNd(Nd+Ce)
-1比依存性(B)を示すグラフである。
【
図5】実施例2及び比較例1におけるNOx表面吸着IR分析による表面NOx吸着種分析結果を示すグラフである。
【
図6】比較例1~3及び実施例1~3におけるNSCのNd(Nd+Ce)
-1比依存性を示すグラフである。
【
図7】比較例1~5及び実施例1~7におけるNSCを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明のNOx吸蔵材は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
【0021】
本発明のNOx吸蔵材は、酸化セリウムと、酸化セリウムに担持されているパラジウムとを含み、酸化セリウム中の10原子%~30原子%、好ましくは15原子%~25原子%のセリウムがネオジムに置換されている。したがって、本発明のNOx吸蔵材は、例えばPd/Ce1-xNdxO2(0.1≦x≦0.3、好ましくは0.15≦x≦0.25)とも表すことができる。
【0022】
ここで、本発明における酸化セリウムは、セリウムとネオジムと場合により下記で説明する追加元素との複合酸化物である。さらに、本発明における酸化セリウムは、酸化セリウムの蛍石構造を維持したまま、セリウム(IV)がネオジム(III)に置換している構造を有する。なお、「置換」には、固溶も含まれる。
【0023】
酸化セリウムにおいてセリウムの一部がネオジムに置換されることにより、例えば
図1に示すように、セリウムと結合している酸素原子が200℃以下の低温域、特に100℃~150℃において活性化され、この活性化された酸素が、排ガス中に含まれる気体状のNOから、固体状の亜硝酸塩(NO
2)及び硝酸塩(NO
3)の生成に作用し、排ガス中に含まれるNOxを酸化的に吸蔵することができる。
【0024】
酸化セリウムにおいてセリウムの一部と置換しているネオジムの一部は、さらにプラセオジム(Pr)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、及びジルコニウム(Zr)からなる群から選択される1種以上の追加元素に置換されていてもよい。追加元素は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、及びジルコニウム(Zr)からなる群から選択される1種以上が好ましい。なお、この場合であっても、酸化セリウムは、酸化セリウムの蛍石構造を維持している。また、この場合、酸化セリウムにおいて、ネオジムは、酸化セリウム全体の金属元素の5原子%~15原子%置換されており、追加元素は、酸化セリウム全体の金属元素の5原子%~15原子%置換されている。したがって、本発明のNOx吸蔵材は、例えばPd/Ce1-x-yNdxMyO2(ここで、Mは、Pr、Y、La及びZrからなる群から選択される1種以上であり、0.05≦x≦0.15、0.05≦y≦0.15)とも表すことができる。
【0025】
酸化セリウムにおいてセリウムの一部と置換しているネオジムの一部が追加元素によりさらに置換されることにより、例えば
図1に示すように、セリウムと結合している酸素原子が200℃以下の低温域、特に100℃~150℃においてさらに活性化され、このさらに活性化された酸素が、排ガス中に含まれる気体状のNOから、固体状の亜硝酸塩(NO
2)及び硝酸塩(NO
3)の生成を促進し、排ガス中に含まれるNOxを酸化的により吸蔵することができる。
【0026】
本発明のNOx吸蔵材は、酸化アルミニウムを含んでいてもよい。この場合、酸化アルミニウムの含有量は、酸化セリウム及び酸化アルミニウムに含まれる金属全体の、通常5モル%~15モル%である。したがって、本発明のNOx吸蔵材は、例えばPd/(Ce1-xNdxO2+yAlO3/2)(0.05≦x≦0.15、0.05≦y≦0.15)とも表すことができる。
【0027】
本発明のNOx吸蔵材が酸化アルミニウムを含むことにより、例えば
図1に示すように、セリウムと結合している酸素原子が200℃以下の低温域、特に100℃~150℃においてさらに活性化され、このさらに活性化された酸素が、排ガス中に含まれる気体状のNOから、固体状の亜硝酸塩(NO
2
-)及び硝酸塩(NO
3
-)の生成を促進し、排ガス中に含まれるNOxを酸化的により吸蔵することができる。
【0028】
本発明のNOx吸蔵材は、前記で説明したネオジム及び場合により追加元素により置換されている酸化セリウム及び場合により酸化アルミニウムの表面上にパラジウムが担持されている。
【0029】
担持されているパラジウムの量は限定されない。パラジウムの量は、吸蔵材の全重量に対して、通常1重量%~20重量%、好ましくは2重量%~10重量%である。
【0030】
本発明のNOx吸蔵材は、当技術分野において公知の方法により製造することができる。
【0031】
本発明のNOx吸蔵材は、例えば、酸化セリウムを構成する金属の塩、すなわちセリウム塩及びネオジム塩並びに場合により追加元素の塩及びアルミニウム塩と、酸化セリウムを構成する金属のイオンに配位することができる多座配位子とを溶媒に溶解させた後、溶媒を加熱除去し、さらに得られた粉末を乾燥及び焼成し、その後当該粉末にパラジウムを担持することにより製造することができる。
【0032】
原料となる塩は限定されない。塩としては、例えば、無機塩、例えば、硝酸塩、リン酸塩、及び硫酸塩など、有機酸塩、例えば、シュウ酸塩及び酢酸塩など、ハロゲン化物、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物など、並びにこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。塩としては硝酸塩が好ましい。
【0033】
多座配位子は限定されない。多座配位子としては、例えば、クエン酸、シュウ酸など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。多座配位子としてはクエン酸が好ましい。
【0034】
多座配位子の量は限定されない。多座配位子の量は、金属総モル量に対して通常1モル当量~3モル当量、例えば2モル当量である。
【0035】
溶媒は限定されない。溶媒としては、例えば、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。溶媒としては水が好ましい。
【0036】
溶媒の加熱除去並びに得られた粉末の乾燥及び焼成における温度、時間及び雰囲気は限定されない。溶媒の加熱除去及び乾燥は、例えば、大気中、通常100℃~170℃、好ましくは120℃~150℃で、通常2時間~15時間、好ましくは4時間~10時間行われる。焼成は、仮焼を含めて、例えば、大気中、通常250℃~900℃、好ましくは300℃~800℃で、通常2時間~10時間、好ましくは4時間~8時間行われる。
【0037】
粉末へのパラジウムの担持方法は限定されない。粉末へのパラジウムの担持は、例えば、粉末を、パラジウム塩を溶解した溶液中に投入し、その後溶液中の溶媒を加熱除去し、さらに、得られたパラジウム担持粉末を乾燥及び焼成することにより行うことができる。なお、溶媒の加熱除去及びパラジウム担持粉末の乾燥は、例えば、大気中、通常100℃~170℃、好ましくは120℃~150℃で、通常2時間~15時間、好ましくは4時間~10時間行われる。また、パラジウム担持粉末の焼成は、例えば、通常300℃~700℃、好ましくは400℃~600℃で、通常1時間~5時間、好ましくは2時間~4時間行われる。
【0038】
さらに、本発明は、本発明のNOx吸蔵材及び排ガス浄化用触媒を含む排ガス浄化システムにも関する。
【0039】
ここで、排ガス浄化用触媒としては、当技術分野において公知の排ガス浄化用触媒、例えば三元触媒を挙げることができる。
【0040】
排ガス浄化用触媒における触媒金属としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)などからなる群から少なくとも1種を使用することができる。
【0041】
排ガス浄化用触媒中の触媒金属の含有量は限定されない。触媒金属の含有量は、触媒全体容量に対して、通常0.5g/L~10g/L、好ましくは0.5g/L~7.0g/Lである。なお、触媒金属の含有量が少なすぎると、触媒金属により得られる触媒活性(特に酸化触媒活性)が不十分となり、一方で、触媒金属の含有量が多すぎると、触媒金属が粒成長を起こしやすくなると同時にコスト面でも不利になり得る。
【0042】
排ガス浄化用触媒は、ペレットとして単独で使用することができ、又は基材上に配置することによって使用することができる。基材としては、当技術分野において公知の排ガス浄化用触媒に利用できる基材を用いることができ、限定されない。基材としては、例えば、多孔質構造を有した耐熱性素材で構成されているものが挙げられる。耐熱性素材としては、コージェライト、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)、チタン酸アルミニウム、窒化ケイ素、ステンレス鋼などの耐熱性金属やその合金などが挙げられる。また、基材は、例えばハニカム構造、フォーム形状、ペレット形状などを有している。なお、基材全体の外形は、円筒形状、楕円筒形状、多角筒形状などを採用することができる。
【0043】
本発明の排ガス浄化システムが本発明のNOx吸蔵材及び排ガス浄化用触媒を含むことにより、内燃機関の始動時などの200℃以下の低温域、特に100℃~150℃では、本発明のNOx吸蔵材が排ガス中のNOxを吸蔵し、暖機運転後の200℃超の高温域では、排ガス浄化用触媒が内燃機関から排出された排ガスと共にNOx吸蔵材から脱離された脱離NOxを浄化することができる。
【実施例0044】
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0045】
1.NOx吸蔵材の調製
(比較例1:Pd/CeO2)(x=0)
酸化物の合成は、クエン酸錯体法で実施した。具体的には、Ce(NO3)3・6H2O 43.42g(0.10mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて原料溶液を調製した。この原料溶液を150℃で4時間加熱撹拌し、得られたスラリーを120℃で8時間乾燥させた。得られたペーストを300℃で2時間仮焼後、750℃で5時間焼成した。次にPd担持量がNOx吸蔵材の全重量に対して5重量%になるように、硝酸パラジウム溶液(株式会社キャタラー製)を蒸留水で希釈後、前記で得られた粉体を加えて分散させ、撹拌しながら分散媒を加熱除去した。120℃で12時間乾燥後、電気炉で500℃2時間焼成することにより、試料粉末を得た。さらに、これを2tで圧粉成型し、1mm~1.7mmのペレットを分級し、試料ペレットを得た。
【0046】
(実施例1:Pd/Ce0.9Nd0.1O2)(x=0.1)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 39.08g(0.09mol)及びNd(NO3)3・6H2O 4.38g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0047】
(実施例2:Pd/Ce0.8Nd0.2O2)(x=0.2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 34.74g(0.08mol)及びNd(NO3)3・6H2O 8.77g(0.02mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0048】
(実施例3:Pd/Ce0.7Nd0.3O2)(x=0.3)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 30.40g(0.07mol)及びNd(NO3)3・6H2O 13.15g(0.03mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0049】
(比較例2:Pd/Ce0.6Nd0.4O2)(x=0.4)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 26.05g(0.06mol)及びNd(NO3)3・6H2O 17.53g(0.04mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0050】
(比較例3:Pd/Ce0.5Nd0.5O2)(x=0.5)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 21.71g(0.05mol)及びNd(NO3)3・6H2O 21.92g(0.05mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0051】
(実施例4:Pd/Ce0.8Nd0.1Y0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 34.74g(0.08mol)、Y(NO3)3・6H2O 3.83g(0.01mol)及びNd(NO3)3・6H2O 4.38g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0052】
(実施例5:Pd/Ce0.8La0.1Nd0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 34.74g(0.08mol)、La(NO3)3・6H2O 4.33g(0.01mol)及びNd(NO3)3・6H2O 4.38g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0053】
(実施例6:Pd/Ce0.8Nd0.1Zr0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 34.74g(0.08mol)、ZrO(NO3)2・2H2O 2.67g(0.01mol)及びNd(NO3)3・6H2O 4.38g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0054】
(実施例7:Pd/Al0.1Ce0.8Nd0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Al(NO3)3・9H2O 3.75g(0.01mol)、Ce(NO3)3・6H2O 34.74g(0.08mol)、及びNd(NO3)3・6H2O 4.38g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0055】
(比較例4:Pd/Ce0.9Y0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 39.08g(0.09mol)、及びY(NO3)3・6H2O 3.83g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0056】
(比較例5:Pd/Ce0.9Zr0.1O2)
比較例1において、原料溶液として、Ce(NO3)3・6H2O 39.08g(0.09mol)、及びZrO(NO3)2・2H2O 2.67g(0.01mol)を蒸留水100mLに溶解させ、次いでクエン酸38.42g(0.2mol)を溶解させて調製した原料溶液を使用した以外は、比較例1と同様にして試料(試料粉末及び試料ペレット)を作製した。
【0057】
2.NOx吸蔵材の分析方法
2-1.X線回折(XRD)分析
XRDはSmartLab(株式会社リガク製)で行った。X線源はCuKα(λ=1.5418nm)とし、10deg.~90deg.の測定範囲をステップ幅0.02deg./0.12秒で測定した。
【0058】
2-2.H2-昇温還元法(TPR)分析
H2-TPRはBelcat A(マイクロトラック・ベル株式会社製)で行った。1.NOx吸蔵材の調製で調製した試料粉末約50mgを精秤してサンプル管に導入後、30mL/分の20%O2/Heを流通させながら500℃まで昇温し、同温度を10分間維持する前処理(O2前処理と表記する)、又は30mL/分の1%H2/Heを流通させながら500℃まで昇温し、同温度を60分間維持した後に同温度で30mL/分の20%O2/Heを流通させながら60分間維持する前処理(H2+O2前処理と表記する)を行った後に、-80℃まで冷却した。-80℃でArガスに置換した後、5%H2/Arを30mL/分で流通させ、10℃/分で試料を加熱しながら、1000℃まで昇温させ、H2消費量を分析した。分析は熱伝導度型検出器(TCD)で行い、TCD前段に乾燥材を配置して、生成する水をトラップした。CuO粉末を用いて同様の分析を行い、各々試料のH2消費量を定量した。
【0059】
2-3.NOx表面吸着赤外吸収分光法(IR)分析
NOx表面吸着IR分析は、FT-IR分光光度計(日本分光株式会社製)とガス発生器(株式会社エーシーイー製)を備えた透過型in situ FT-IR分析装置を使用した。1.NOx吸蔵材の調製で調製した試料粉末と臭化カリウム(KBr)を重量比3:7で乳鉢を使用して混ぜ合わせて11mgを精秤し、Φ8mmの試料ディスクを圧粉成型して作製した。窓材はフッ化カルシウム(CaF)を用いた。前処理操作として試料ディスクを350℃に加熱し、流速500mL/分で5%O2/Arと1%H2/Arを2分ずつ交互に計20分間試料ディスクに流通させた。次いで5%O2/Arを流通させながら100℃又は150℃まで試料ディスクを冷却した。Arガスに切り替え、バックグラウンド測定した後、1000ppmNO/Arガスを試料ディスクに1分間流通させ、その後1分間Arでパージした後にIRスペクトルを測定した。1000cm-1~4000cm-1の測定範囲を分解能4cm-1で128回積算した。
【0060】
2-4.NOx吸蔵試験
固定床流通式反応器に1.NOx吸蔵材の調製で調製した試料ペレット4gを配置し、FT-IR分析計(SESAM-HL、ベスト測器株式会社製)と酸素計(BEX、ベスト測器株式会社製)で各ガスの転化挙動を調べた。流速20L/分で還元前処理ガス(表1)を流通させながら500℃まで試料ペレットを加熱した。同温度、同ガス組成で5分間還元処理後、1分間N2ガスでパージし、酸化前処理ガス(表1)を5分間流通した。次いで、同酸化前処理ガスを流しながら試料ペレットを所定の温度になるまで冷却し、同温度で不活性ガス(表1)を試料に2分間流通させた後、ストイキ模擬排ガス(表1)を1分間試料に流通させ、N2ガスで1分間パージした。以上の試験について、入ガス温を150℃、100℃、又は50℃とした試験を行い、ストイキ模擬排ガス導入期間中のNO転化(吸蔵)量(NSC)をそれぞれ算出した。
【0061】
【0062】
3.NOx吸蔵材の分析結果
3-1.X線回折(XRD)分析結果
図2に調製した試料のXRDパターンを示す。回折ピークは、Ndモル比(Nd(Ce+Nd)
-1)(x)の増加に応じて低角側にシフトすることがわかった。これはCe
4+(8配位Ce
4+:0.97Å)をイオン半径の大きなNd
3+(8配位Nd
3+:1.11Å)がベガード則に従って置換することを示している。また、回折ピークは、Nd比xの増加に応じてブロードニングすることがわかった。これは、Nd
3+の置換により結晶子サイズが小さくなることを示している。
【0063】
図3に調製したその他試料(実施例4~7並びに比較例4及び5)のXRDパターンを示す。実施例4(Pd/Ce
0.8Nd
0.1Y
0.1O
2)、実施例5(Pd/Ce
0.8La
0.1Nd
0.1O
2)、実施例6(Pd/Ce
0.8Nd
0.1Zr
0.1O
2)、比較例4(Pd/Ce
0.9Y
0.1O
2)及び比較例5(Pd/Ce
0.9Zr
0.1O
2)の回折パターンはCeO
2の回折パターンと強度比が一致し、回折ピークのシフトが認められることから、それぞれCeO
2のCeをLa、Y、Nd、Zrが部分置換した酸化物が形成したものと考えられる。なお、実施例7(Pd/Al
0.1Ce
0.8Nd
0.1O
2)については、CeO
2の回折パターンと強度比が一致すると同時に回折ピークの顕著なブロードニングが認められ、またAlはCeO
2に置換・固溶しないことが知られることから、CeO
2とAl
2O
3の混合物と考えられる。
【0064】
3-2.H
2-昇温還元法(TPR)分析結果
自己酸素によるNOから亜硝酸塩及び/又は硝酸塩への酸化変換がNd
3+の部分置換により促進される要因を探るために、H
2-TPR分析を実施した。
図4のAに、プロファイルを示し、
図4のBに、H
2消費量及びH
2消費極大温度のNd(Nd+Ce)
-1比依存性を示す。
図4のAより、比較例1(Pd/CeO
2)の測定においては、-2℃に酸化物自己酸素とH
2との反応(Pd
2+とCe
4+の還元)に帰属される大きな消費、44℃にPdによる水素吸蔵に帰属される消費、及び56℃に吸蔵水素の脱離に帰属されるネガティブシグナルが検出された。さらに
図4のAより、自己酸素とH
2との反応に帰属されるメインピークは、Nd(Nd+Ce)
-1比が0.2に増加すると僅かに(5℃)高温にシフトし、当該比が0.3以上に増加すると顕著に(x=0.4で30℃以上)高温化することがわかった。この結果は、Nd(Nd+Ce)
-1比が0.3以上になると自己酸素の反応性が著しく低下することを示している。一方で、
図4のBより、自己酸素とH
2の反応に帰属されるメインピークから算出したH
2消費量は、比較例1(Pd/CeO
2)で0.53mmolg
-1であり、この消費量は、Nd(Nd+Ce)
-1比の増加に応じて増大し、同比が0.3で収束している。このH
2消費量の推移は、H
2及びNOと反応できる自己酸素の量がNdの導入によって増大し、Nd(Nd+Ce)
-1比が0.3で飽和することを示している。したがって、H
2消費量及びH
2消費極大温度、すなわち自己酸素の反応性のNd(Nd+Ce)
-1比依存性のトレードオフの関係が、以下で説明するNSCにおけるNd(Nd+Ce)
-1比=0.2を頂点とした山型の序列(
図6を参照)に起因するものと解釈される。
【0065】
3-3.NOx表面吸着赤外吸収分光法(IR)分析結果
実施例2(Pd/Ce
0.8Nd
0.2O
2)及び比較例1(Pd/CeO
2)について、NOx表面吸着IR分析による表面NOx吸着種分析を行った。
図5に結果を示す。各表面NOx吸着種は、既報を参考に帰属した[Bruno Azambre, Idriss Atribak, Agustn Bueno-Lopez, and Avelina Garcia-Garc J. Phys. Chem. C, 2020 114, 13300-13312]。実施例2及び比較例1のIRスペクトル両方において、1190cm
-1~1240cm
-1付近に亜硝酸塩NO
2
-のN-O伸縮に帰属される緩やかな吸収又はショルダーが観測され、さらに、1400cm
-1、1320cm
-1それぞれに、単座配位硝酸塩NO
3
-、未配位硝酸塩NO
3
-のN-O伸縮に基づく吸収が観測された。さらに、実施例2においては、Pd/Ce
0.8Nd
0.2O
2における1460cm
-1に二座配位硝酸塩NO
3
-のN-O伸縮に基づく緩やかな吸収が検出された。これらの結果は、実施例2(Pd/Ce
0.8Nd
0.2O
2)及び比較例1(Pd/CeO
2)において、自己酸素によりNOから亜硝酸塩及び硝酸塩への酸化反応が起きていることを示している。
【0066】
3-4.NOx吸蔵試験結果
作製した試料についてNOx吸蔵量(NSC)を評価した。
図6に、NSCのNd(Nd+Ce)
-1比依存性を示す。
図6より、150℃及び100℃においては、NSCはNd(Nd+Ce)
-1比x=0.2を頂点とした山形の序列となった。一方で、50℃においては吸蔵量がいずれも小さくなり、顕著な特異性は認められなかった。
図2に示されるように、Ndの置換量の増加に応じて結晶子サイズが小さくなることを考慮すると、NSCは材料の比表面積に依存するのではなく、Nd(Nd+Ce)
-1比x=0.2を中心にしてNSC増大に寄与する材料の化学的性質変化が生じていることを示唆している。
【0067】
さらに、
図7に、合成した全試料(実施例1~7及び比較例1~5)のNSC評価結果を示す。CeO
2中のCeをNd及びY、La又はZrが部分置換した酸化物(実施例4~6)及びAl
2O
3が複合化したもの(実施例7)においても高いNOx吸蔵量を示すことがわかった。一方で、Ndを含まないPd/Ce
0.9Y
0.1O
2(比較例4)及びPd/Ce
0.9Zr
0.1O
2(比較例5)においては、NOx吸蔵量が小さくなることがわかった。