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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169038
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】液体量表示方法、及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241128BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B41J2/175 301
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086213
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄祐
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EB50
2C056EC19
2C056EC26
2C056FA10
2C056KC02
2C056KC04
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ40
(57)【要約】
【課題】複数の容器それぞれに収容される同じ液体の残量を足した同じ液体の総量を把握しにくい虞がある。
【解決手段】液体量表示方法は、吐出部20にインクを供給する際に、インクの供給元として切り替える第1容器51及び第2容器52に収容されているインクの残量RVを表示する液体量表示方法であって、第1容器51の残量RVと、第2容器52の残量RVと、を足した総量TVを一つの液量表示領域73に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出部に液体を供給する際に、前記液体の供給元として切り替える第1容器及び第2容器に収容されている前記液体の残量を表示する液体量表示方法であって、
前記第1容器の前記残量と、前記第2容器の前記残量と、を足した総量を一つの液量表示領域に表示する、
ことを特徴とする液体量表示方法。
【請求項2】
前記液量表示領域に表示される、前記第1容器の前記残量を示す第1標示体と前記第2容器の前記残量を示す第2標示体とは視覚的に区別可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体量表示方法。
【請求項3】
前記第1標示体と前記第2標示体とは、線で区切られて表示される、
ことを特徴とする請求項2に記載の液体量表示方法。
【請求項4】
前記第1標示体と前記第2標示体とは、表示の見た目が異なる、
ことを特徴とする請求項2に記載の液体量表示方法。
【請求項5】
前記第1標示体及び前記第2標示体のうちの前記供給元に対応する一方を、前記液量表示領域に明示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の液体量表示方法。
【請求項6】
前記第1標示体及び前記第2標示体のうちの前記供給元に対応する一方を、前記液量表示領域において他方に対して下側となる位置に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の液体量表示方法。
【請求項7】
前記液量表示領域の大きさは、前記第1容器の前記液体の最大収容量と、前記第2容器の前記液体の最大収容量と、を足した収容総量に対応して変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体量表示方法。
【請求項8】
前記液量表示領域の大きさは、前記第1容器及び前記第2容器のいずれかの着脱により変化する、
ことを特徴とする請求項7に記載の液体量表示方法。
【請求項9】
液体を吐出する吐出部と、
前記吐出部への前記液体の供給元を、前記液体を収容する第1容器及び第2容器のいずれかに切り替える切替機構と、
前記第1容器及び前記第2容器に収容されている前記液体の残量を表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記第1容器の前記残量と、前記第2容器の前記残量と、を足した総量を一つの液量表示領域に表示する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記第1容器の前記残量を示す第1標示体と前記第2容器の前記残量を示す第2標示体とを区別して視認可能に、前記液量表示領域に表示する、
ことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記第1標示体に前記第1容器が配置される位置を表示し、前記第2標示体に前記第2容器が配置される位置を表示する、
ことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記表示部は、前記第1容器及び前記第2容器のうち交換可能ないずれかが配置される前記位置を明示する、
ことを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体量表示方法、及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、同色のインクを収容する第1収容容器と第2収容容器のうちのいずれか一方を液体消費部に対する液体の供給元として切り替えて、液体消費部にインクを供給する液体消費装置が開示されている。インクは液体の一例であり、液体消費部は液体を吐出する吐出部の一例である。また、液体消費装置は液体吐出装置の一例である。また、液体消費装置は、メッセージや液体消費装置のステータス情報等を表示することで、ユーザーに通知する通知部を備えることが開示されている。通知部は表示部の一例である。通知部に表示される液体消費装置のステータス情報には、第1収容容器及び第2収容容器に収容されるインクの残量が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-146875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される通知部では、同色のインクを収容する第1収容容器及び第2収容容器のそれぞれの残量が横並びに表示されるため、同色のインクの残量の総量が把握しにくい虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液体量表示方法は、吐出部に液体を供給する際に、前記液体の供給元として切り替える第1容器及び第2容器に収容されている前記液体の残量を表示する液体量表示方法であって、前記第1容器の前記残量と、前記第2容器の前記残量と、を足した総量を一つの液量表示領域に表示する。
【0006】
液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部と、前記吐出部への前記液体の供給元を、前記液体を収容する第1容器及び第2容器のいずれかに切り替える切替機構と、前記第1容器及び前記第2容器に収容されている前記液体の残量を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記第1容器の前記残量と、前記第2容器の前記残量と、を足した総量を一つの液量表示領域に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】液体吐出装置の一実施形態を示す模式正面図。
図2】表示部が表示する報知画面の一例を示す模式図。
図3】液体消費処理の流れを示すフローチャート。
図4】切替処理の流れを示すフローチャート。
図5】容器取外処理の流れを示すフローチャート。
図6】容器接続処理の流れを示すフローチャート。
図7】表示部が表示する報知画面の一例を示す模式図。
図8】表示部が表示する報知画面の一例を示す模式図。
図9】表示部が表示する報知画面の一例を示す模式図。
図10】表示部が表示する報知画面の一例を示す模式図。
図11】表示部が表示する報知画面の他の実施形態を示す模式図。
図12】表示部が表示する報知画面の他の実施形態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合、および、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±10パーセント以内、さらに好ましくは±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
【0009】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。
【0010】
また、Z軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直上向き、-Z方向は鉛直下向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0011】
尚、各図においてX軸方向は後述する液体吐出装置10の幅方向であり、媒体Pが搬送される送り方向と交差する方向でもある。X軸方向のうち+X方向は液体吐出装置10の前面をユーザーと対面させた際にユーザーから見て右方向となり、また-X方向は同左方向となる。本実施形態において液体吐出装置10の周囲を構成する側面のうちの前面には、表示部15が設けられる。
【0012】
Y軸方向は液体吐出装置10の奥行き方向である。Y軸方向のうち+Y方向は液体吐出装置10の前面から液体吐出装置10の背面に向かう方向である。またY軸方向のうち-Y方向は液体吐出装置10の背面から液体吐出装置10の前面に向かう方向である。
【0013】
1.実施形態1
液体吐出装置10は、例えば、用紙、布帛などの媒体Pに液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。
【0014】
図1に示すように、液体吐出装置10は、制御部11と、記憶部13と、表示部15と、操作部17と、通信部18と、吐出部20と、液体供給部30と、を備える。
【0015】
制御部11は、液体吐出装置10の動作を制御する。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサーと、主記憶装置と、を備えるコンピューターによって構成される。制御部11は、プロセッサーがプログラムや命令を主記憶装置に読み込んで実行することによって、液体吐出装置10を制御するための種々の機能を発揮する。尚、制御部11の機能の少なくとも一部は、ハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0016】
記憶部13は、制御部11の制御下において、制御部11が液体吐出装置10の制御に用いる種々の制御情報を不揮発的に記憶する。記憶部13に格納される制御情報には、例えば、後述する液体供給部30のホルダー31に装着される各容器50の個別の情報である容器個別情報が含まれる。容器個別情報については、後述する。
【0017】
表示部15は、制御部11の制御下において、ユーザーに対するメッセージや、液体吐出装置10の現在の状態を示すステータス情報などを報知する。表示部15は、例えば、液晶パネルによって構成される。表示部15による報知内容については後述する。
【0018】
操作部17は、ユーザーからの操作を受け付け、その操作内容を制御部11に出力する。操作部17は、例えば、液体吐出装置10の前面に設けられているボタンやスイッチによって構成される。操作部17は、液体吐出装置10に接続されるコンピューターのキーボードなどの操作デバイスによって構成されてもよい。また、操作部17は、タッチパネルからなり、表示部15と一体に設けられてもよい。
【0019】
通信部18は、制御部11と外部機器とを接続する。通信部18には、液体吐出装置10が備える通信インターフェイス、通信ケーブルまたは無線通信回線等が含まれる。外部機器としては、パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末などが挙げられる。
【0020】
液体吐出装置10では、吐出部20が実行する印刷処理によって、液体供給部30が供給するインクが消費される。吐出部20は、ヘッド21と、ヘッド21を搭載するキャリッジ22と、搬送部25と、を備える。ヘッド21は、複数のノズルを備えており、制御部11の制御下においてノズルからインクを吐出する。図示及び詳細な説明は省略するが、ヘッド21では、複数のノズルは、後述する色インクごとのノズル列を構成している。ヘッド21におけるノズルからのインクの吐出は、例えば、ピエゾ素子によるインクへの圧力の印加によって行われる。
【0021】
キャリッジ22は、媒体Pの搬送路の上方において、媒体Pの搬送方向に交差するX軸方向に架設された駆動軸23に取り付けられている。キャリッジ22は、制御部11の制御下において、図示しないプーリーや無端ベルトを介して伝達されるモーターの駆動力により、駆動軸23に沿ってX軸方向に往復移動する。
【0022】
搬送部25は、図示しないモーターの駆動力により回転する駆動ローラー26を備え、制御部11の制御下において駆動ローラー26を回転させて媒体Pを搬送する。印刷処理では、制御部11は、搬送部25に媒体Pを搬送させつつ、印刷データに従ってキャリッジ22を移動させる。そして、制御部11は、移動するキャリッジ22に搭載されるヘッド21から媒体Pに向かってインクを吐出させることによって、媒体P上に画像を形成する。
【0023】
液体供給部30は、液体供給部30に対して交換可能に装着される複数の容器50に収容されているインクを、吐出部20に供給する。まず、液体供給部30に装着される容器50の構成について説明する。本実施形態では、容器50は、所謂カートリッジとして構成されている。
【0024】
液体供給部30には、複数の色インク毎に、2つの容器50としての第1容器51及び第2容器52が装着される。図1には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインク毎に、第1容器51及び第2容器52が装着される構成の例が示されている。図1において第1容器51及び第2容器52に付されたアルファベットC,M,Y,Kは前述の色の種類を示している。
【0025】
尚、色インクの種類は、C,M,Y,Kに限定されず4色以上でもよい。容器50には、前述の色インクに加えて、あるいは、前述の色インクのいずれかの代わりに、例えば、ライトシアンや、ライトマゼンタ、あるいは、その他の特色インクが収容されるものとしてもよい。また、色インクの種類は、4色より少なくてもよく、例えば、ブラックのみが用いられてもよい。
【0026】
液体吐出装置10では、第1容器51及び第2容器52のうちどちらを吐出部20に対するインクの供給元とするかを、操作部17等の操作によりユーザーが選択可能である。本実施形態では、ユーザーによるインクの供給元の選択がない場合、まず、第1容器51から吐出部20にインクの供給が行われる。そして、第1容器51のインクの残量RVが予め定められた規定量より少なくなったときに、吐出部20に対するインクの供給元が第2容器52に切り替えられる。インクの供給元を切り替える制御の詳細については後述する。
【0027】
各容器50は、インクが収容されている収容部53と、収容部53内のインクを外部に流出させる供給口54と、液体吐出装置10と電気的に接続される基板部55と、を備える。基板部55は、その裏側に、情報の書き込み及び不揮発的な記憶が可能な容器側記憶部56を有する。容器側記憶部56には、容器50に関する情報である容器情報が記憶されている。容器情報については後述する。
【0028】
尚、収容部53に収容可能なインクの最大収容量FVは一つの水準に限定されることはない。例えば、4色の各色インクに対応する各容器50の最大収容量FVに三つの水準を設定してもよい。あるいは、ブラックインクに対応する容器50の最大収容量FVに二つの水準を設定し、他の3色のインクに対応する容器50の最大収容量FVに一つの水準を設定してもよい。
【0029】
本実施形態では、例えば、最大収容量FVが10リットルの容器50と、最大収容量FVが3リットルの容器50とが、液体供給部30に対して装着可能である。また、本実施形態では、最大収容量FVが10リットルの容器50と、最大収容量FVが3リットルの容器50とが、4色の各色インクに対応して設けられる。
【0030】
液体供給部30は、各容器50が着脱可能に装着されるホルダー31を備える。ホルダー31は、第1容器51が装着される装着口33aと、第2容器52が装着される装着口33bと、を有する。各装着口33a,33bの装着方向の奥側となる面には、容器50の供給口54に接続されるインク受入部35が設けられている。
【0031】
また、各装着口33a,33bには、液体吐出装置10の前面側から視認可能な位置に、装着口番号37の標示が設けられている。本実施形態では、各装着口33a,33bに対応して、装着口番号37としての“1”から“8”の数字が-X方向側から+X方向側に並んで標示される。これにより、例えば、容器50が装着されている装着口番号37を表示部15の報知画面60に表示することにより、装着口33a,33bに装着されている容器50の位置をユーザーに報知することができる。
【0032】
また、各装着口33a,33bには、容器50が装着されたときに容器50の基板部55に電気的に接続される電気接続部36が設けられている。電気接続部36は、制御部11と電気的に接続されており、基板部55と制御部11との通信を媒介する。制御部11は、電気接続部36と容器50の基板部55との電気的な接点を検出したときに、ホルダー31に対する容器50の装着を検出する。
【0033】
尚、図示は省略するが、各装着口33a,33bには、レバーが設けられている。レバーは、容器50が装着されるときに容器50の一部に係合してホルダー31からの容器50の脱落を抑制する。レバーは、基板部55と電気接続部36とが正しく接続され、かつ、供給口54とインク受入部35とが正しく接続された状態で、容器50をロックできるように構成されている。ユーザーは、任意のタイミングで、容器50から離れる方向にレバーを回動させることで、容器50に対するレバーの係合を解除することにより、容器50をホルダー31から取り外すことができる。
【0034】
液体供給部30は、さらに、各インク受入部35とキャリッジ22に搭載されるヘッド21とを接続し、インクが流通する配管38を備える。配管38には、吐出部20に対するインクの供給元を第1容器51及び第2容器52のいずれかに切り替えるための切替機構40が設けられる。切替機構40は、色インク毎に、つまり、第1容器51と第2容器52の組毎に1つずつ設けられる。切替機構40は、切替弁によって構成され、装着口33aのインク受入部35と装着口33bのインク受入部35と吐出部20のそれぞれに接続される3つのポートを有する。切替機構40による切り替え動作は、制御部11によって制御される。
【0035】
配管38における切替機構40と各インク受入部35の間の区間には、センサー機構42が設けられている。センサー機構42は、配管38内におけるインク流路内の圧力を物理的に検出し、その検出結果を制御部11に送信する。センサー機構42は、例えば、圧力センサーによって構成される。制御部11は、センサー機構42による検出結果を用いて、各容器50からのインクの供給不良を検出する。
【0036】
ここで、容器側記憶部56に記憶される容器情報について説明する。容器情報には、液体情報、残量情報、固有識別情報が含まれる。液体情報は、容器50に収容されているインクの種類や色などの情報を含む。残量情報は、容器50に収容可能なインクの最大収容量FVと、容器50に収容されているインクの残量RVと、を含む。固有識別情報は、各容器50を識別するために個体毎に付されたユニークコードである。
【0037】
容器50がホルダー31に装着されたときに、制御部11は、基板部55の容器側記憶部56から残量情報と固有識別情報を読み込んで、容器個別情報として記憶部13に格納する。容器個別情報は、容器50毎に、記憶部13において予め割り当てられているアドレスに格納される。記憶部13に格納されている残量情報のうちの残量RVは、容器50から吐出部20にインクが供給されると、制御部11によって更新される。また、この場合には、制御部11は、容器50の容器側記憶部56に記憶されている残量RVについても更新して上書きする。
【0038】
次に、表示部15が表示する報知画面60について説明する。図2に示す報知画面60は、ユーザーが表示部15または操作部17を操作することによって、インクの供給中であるか否かに関わらず、いつでも表示させることができる。本実施形態では、報知画面60は、残量表示部61と、メッセージ表示領域65と、を含む。
【0039】
尚、報知画面60は、上述したホルダー31に設けられている図示されていないレバーの回動をトリガーとして表示されてもよい。報知画面60は、レバーによっていずれかの容器50がロックされたことをトリガーとして表示されてもよい。また、報知画面60は、現在のインクの供給元となっていない容器50の全てのレバーが係合状態にされたことをトリガーとして表示されてもよい。
【0040】
残量表示部61は、各容器50に収容されるインクの残量RVに対応する標示体70が表示される区画である。制御部11は、記憶部13の残量情報に基づいて、表示部15に残量表示部61の表示を更新させる。残量表示部61には、各色インクについて第1容器51と第2容器52のそれぞれの残量RVが、第1標示体71と第2標示体72とによって表示される。残量表示部61には、各色インクの残量RVを示すための液量表示領域73が色毎に設けられる。本実施形態の液量表示領域73は矩形である。
【0041】
同色インクにおける、第1容器51の残量RVを示す第1標示体71と第2容器52の残量RVを示す第2標示体72とは、一つの液量表示領域73に、Z軸方向に並んで表示される。本実施形態の第1標示体71、及び第2標示体72は矩形である。Z軸方向に連続して並ぶ第1標示体71及び第2標示体72は、第1容器51の残量RVと第2容器52の残量RVとを足した、同色インクの残量の総量TVを示す総量標示体75を形成する。
【0042】
本実施形態では、第1標示体71と第2標示体72とは、その境界を、線LNで区切られて表示される。これにより、第1標示体71と第2標示体72とは、視覚的に区別可能である。また、本実施形態では、第1標示体71と第2標示体72とは、表示の見た目が異なる。具体的には、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方には模様PT1が施されている。これによっても、第1標示体71と第2標示体72とは、視覚的に区別可能である。
【0043】
また、本実施形態では、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方が、視覚的に認識できるように表示される。具体的には、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方が、液量表示領域73において-Z方向側の端となる位置に表示される。換言すると、第1標示体71及び第2標示体72のうちの供給元に対応する一方が、液量表示領域73において他方に対して-Z方向側である下側となる位置に表示される。
【0044】
また、液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、第1容器51のインクの最大収容量FVと、第2容器52のインクの最大収容量FVと、を足した同色インクの収容総量TCに対応して変化する。液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、液量表示領域73の大きさの一例である。本実施形態では、液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、収容総量TCが同じであれば、インクの種類に関わらず同じである。また、液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、対応する収容総量TCに比例する。
【0045】
また、第1標示体71のZ軸方向の寸法D1は、ホルダー31に装着されている第1容器51の残量RVに対応して変化する。また、第2標示体72のZ軸方向の寸法D2は、ホルダー31に装着されている第2容器52の残量RVに対応して変化する。よって、総量標示体75のZ軸方向の寸法D5は、ホルダー31に装着されている容器50のうち、同色インクの残量RVの総量TVに対応して変化する。
【0046】
本実施形態では、第1標示体71のZ軸方向の寸法D1は、第1容器51の残量RVが同じであれば、インクの種類に関わらず同じである。また、第1標示体71のZ軸方向の寸法D1は、第1容器51の残量RVに比例する。また、第2標示体72のZ軸方向の寸法D2は、第2容器52の残量RVが同じであれば、インクの種類に関わらず同じである。また、第2標示体72のZ軸方向の寸法D2は、第2容器52の残量RVに比例する。よって、総量標示体75のZ軸方向の寸法D5は、総量TVが同じであれば、インクの種類に関わらず同じである。また、総量標示体75のZ軸方向の寸法D5は、総量TVに比例する。
【0047】
例えば、図2に残量RV等が表示されているシアンインクの第1容器51及び第2容器52の最大収容量FVが10リットルであり、シアンインクの収容総量TCは20リットルである。また、イエローインクの第1容器51及び第2容器52の最大収容量FVが3リットルであり、イエローインクの収容総量TCは6リットルである。この場合、図2の残量表示部61において、イエローインクの液量表示領域73の寸法D3は、シアンインクの液量表示領域73の寸法D3の0.3倍になる。すなわち、シアンインクの液量表示領域73の寸法D3に対するイエローインクの液量表示領域73の寸法D3の割合は、シアンインクの収容総量TCに対するイエローインクの収容総量TCの割合と同じである。
【0048】
また、例えば、図2の残量表示部61に表示される各インクの残量状態から、吐出部20による印刷処理により、シアンインクとマゼンタインクとが同量消費されたとする。そして、インクの消費に基づき残量RVが更新され、図7に示すように残量表示部61の表示が更新されたとする。この場合、シアンインクの第1標示体71のZ軸方向の寸法D1の変化量は、マゼンタインクの第1標示体71のZ軸方向の寸法D1の変化量と同じである。
【0049】
また、例えば、図7の残量表示部61に表示される各インクの残量状態から、シアンインクの第1容器51がホルダー31から取り外されるとする。この場合、図9に示すように、ホルダー31に装着されていたシアンインクの第1容器51の残量RVを示す第1標示体71は、シアンインクの液量表示領域73から消える。また、この場合、シアンインクの総量TVは、ホルダー31に装着されているシアンインクの第2容器52の収容総量TCと同じになる。シアンインクの第2容器52のインクが消費されておらず、収容総量TCと同じ量のシアンインクが第2容器52に収容されている場合、残量RVは収容総量TCと一致する。このため、シアンインクの総量標示体75のZ軸方向の寸法D5は、第2標示体72のZ軸方向の寸法D2と同じになる。
【0050】
また、この場合、シアンインクの収容総量TCは、ホルダー31に装着されているシアンインクの第2容器52の最大収容量FVと同じになる。シアンインクの第2容器52のインクは消費されていないので、残量RVは最大収容量FVと同じである。よって、シアンインクの液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、シアンインクの総量標示体75のZ軸方向の寸法D5、及び第2標示体72のZ軸方向の寸法D2と同じになる。換言すると、液量表示領域73のZ軸方向の寸法D3は、第1容器51及び第2容器52のいずれかの着脱により変化する。
【0051】
また、残量表示部61には、各容器50が配置されている位置を示すために、各容器50が装着されている装着口番号37が表示される。本実施形態では、第1標示体71に対応する第1容器51が装着されている装着口番号37がその第1標示体71に表示される。また、第2標示体72に対応する第2容器52が装着されている装着口番号37がその第2標示体72に表示される。換言すると、表示部15は、第1標示体71に第1容器51が配置される位置を表示し、第2標示体72に第2容器52が配置される位置を表示する。
【0052】
また、本実施形態では、ホルダー31に装着されている容器50のうち、交換が可能であって、交換が必要な容器50がある場合、その容器50に対応する標示体70の位置を、液量表示領域73の+Z方向の端となる位置に変更する。また、交換が必要なその容器50に対応する標示体70の表示を、交換が不要な容器50に対応する標示体70の表示と見た目が異なる表示に変更する。
【0053】
具体的には、交換が必要なその容器50に対応する標示体70の色を、交換が不要な容器50に対応する標示体70の色と異なる色に変更する。あるいは、交換が必要なその容器50に対応する標示体70に模様PT2(図8参照)を施すことで、交換が不要な容器50に対応する標示体70の表示と見た目を異ならせてもよい。
【0054】
尚、模様PT2は、模様PT1と異なる模様である。また、交換が必要なその容器50に対応する標示体70には、その容器50が装着されている装着口番号37が表示される。図8は、ホルダー31に装着されている容器50のうち、交換が可能であって、交換が必要な容器50がシアンインクの第1容器51である場合の残量表示部61の表示例である。
【0055】
また、図10は、シアンインクの第1容器51がホルダー31から取り外され、新たなシアンインクの第1容器51がホルダー31に装着された場合の残量表示部61の表示例である。尚、この例における新たなシアンインクの第1容器51は、未使用であり、最大収容量FVは3リットルである。
【0056】
メッセージ表示領域65には、ユーザーに対するメッセージが表示される。尚、表示部15による報知の態様は、図2の報知画面60によるものに限定されることはない。例えば、表示部15は、図2の報知画面60の表示項目を、それぞれ別々のウィンドウ画面に表示するものとしてもよい。
【0057】
次に、液体吐出装置10において実行される制御処理の概要を説明する。液体吐出装置10において実行される制御処理には、液体消費処理、切替処理、容器取外処理、及び容器接続処理が含まれる。制御部11は、前述の制御処理を、それぞれのトリガーとなるイベントの発生を検出する度に実行する。液体消費処理、切替処理、容器取外処理、及び容器接続処理は、並列に実行可能である。
【0058】
液体消費処理は、液体供給部30から吐出部20に供給されるインクを用いて、吐出部20に印刷処理を実行させる処理である。切替処理は、液体消費処理の実行中に、吐出部20に対するインクの供給元を切り替えるときに実行される。容器取外処理は、ホルダー31からの容器50の取り外しが検出されたときに実行される。容器接続処理は、ホルダー31に対する容器50の装着が検出されたときに実行される。
【0059】
次に、図3に示すフローに基づいて液体消費処理において制御部11が実行する処理について説明する。液体消費処理は、例えば、通信部18を通じて制御部11に印刷データが入力されたときや、操作部17を介してユーザーからの指令を受け取ったときに開始される。
【0060】
ステップS110において、制御部11は、印刷処理を実行する。印刷処理において、制御部11は、液体供給部30から吐出部20に供給されるインクを用いて、吐出部20に印刷処理を実行させる。ステップS110の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS120に移行する。
【0061】
ステップS120において、制御部11は、残量情報の更新を実行する。制御部11は、印刷処理でのインクの消費量に基づいて、各容器50の残量RVを更新する。ステップS120の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS130に移行する。
【0062】
ステップS130において、制御部11は、残量表示部61の表示更新を実行する。制御部11は、更新された各容器50の残量RVを、残量表示部61に表示される第1標示体71及び第2標示体72に反映させる。具体的には、残量RVに変化のあった第1容器51及び第2容器52に対応する第1標示体71の寸法D1及び第2標示体72の寸法D2を変更する。
【0063】
例えば、図2の残量表示部61に表示される各インクの残量状態から、吐出部20による印刷処理により、シアンインクの第1容器51及びマゼンタインクの第1容器51からインクが消費されたとする。この場合、制御部11は、図7に示すように、残量RVに変化のあったシアンインク及びマゼンタインクの第1容器51に対応する第1標示体71の寸法D1を変更する。これにより、残量表示部61の表示が更新される。ステップS130の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS140に移行する。
【0064】
ステップS140において、制御部11は、インクの供給元となっている各容器50における残量RVが規定量未満か否かを確認する。規定量は、例えば、容器50におけるインクの最大収容量FVの1~5%に設定されている。
【0065】
インクの供給元となっている各容器50のうち、残量RVが規定量未満となっている容器50がある場合、ステップS140はYESになる。この場合、制御部11は、処理をステップS150に移行する。ステップS150において、制御部11は、後述する切替処理を実行する。切替処理を終えると、制御部11は、処理をステップS160に移行する。
【0066】
インクの供給元となっている各容器50における残量RVが規定量以上である場合、ステップS140はNOになる。この場合、制御部11は、処理をステップS160に移行する。
【0067】
ステップS160において、制御部11は、液体消費処理の終了判定を実行する。印刷処理が完了している場合にはステップS160はYESになる。この場合、制御部11は、液体消費処理を終了する。印刷処理が完了していない場合にはステップS160はNOになる。この場合、制御部11は、ステップS110に移行し、液体消費処理が継続される。
【0068】
次に、図4に示すフローに基づいて切替処理において制御部11が実行する処理について説明する。切替処理は、吐出部20に対するインクの供給元を、第1容器51から第2容器52に、あるいは、第2容器52から第1容器51に切り替えるための処理である。
【0069】
現在のインクの供給元である容器50が第1容器51である場合には、切替先の容器50は第2容器52であり、現在のインクの供給元である容器50が第2容器52である場合には、切替先の容器50は第1容器51である。但し、以下に説明するように、切替処理では、切替先の容器50の残量RVが規定量未満である場合には、その切り替えが中止される。
【0070】
ステップS210において、制御部11は、切替先になる各容器50における残量RVが規定量以上か否かを確認する。
【0071】
切替先になる各容器50における残量RVが規定量以上である場合、ステップS210はYESになる。この場合、制御部11は、処理をステップS220に移行する。
【0072】
ステップS220において、制御部11は、供給元の切替を実行する。例えば、現在のインクの供給元である容器50が第1容器51である場合には、制御部11は、供給元を第1容器51から第2容器52に切り替える。ステップS220の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS230に移行する。
【0073】
ステップS230において、制御部11は、残量表示部61の表示更新を実行する。例えば、ステップS220において供給元が第1容器51から第2容器52に切り替えられた場合、制御部11は、第2容器52に対応する第2標示体72の位置を、液量表示領域73において-Z方向側の端となる位置に変更する。
【0074】
また、制御部11は、交換が必要になった第1容器51に対応する第1標示体71の位置を、液量表示領域73において+Z方向側の端となる位置に変更するとともに、第1標示体71の色を変更する。尚、交換が必要になった第1容器51に対応する第1標示体71には、その第1容器51が装着されている装着口番号37が表示される。
【0075】
例えば、図7の残量表示部61に表示される各インクの残量状態から、吐出部20による印刷処理により、シアンインクの第1容器51のインクが消費され、残量RVが規定量未満になったとする。この場合、制御部11は、残量表示部61の表示を図7から図8に更新する。ステップS230の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS240に移行する。
【0076】
ステップS240において、制御部11は、容器交換を促す報知を実行する。例えば、ステップS220においてシアンインクの供給元が第1容器51から第2容器52に切り替えられた場合、制御部11は、メッセージ表示領域65に、シアンインクの第1容器51の交換を促すメッセージを表示することで、ユーザーに報知する。ステップS240の処理を終えると、制御部11は、切替処理を終了する。
【0077】
切替先になる各容器50における残量RVが規定量未満である場合、ステップS210はNOになる。この場合、制御部11は、処理をステップS250に移行する。
【0078】
ステップS250において、制御部11は、供給元の切替を中止し、処理をステップS260に移行する。ステップS260において、制御部11は、残量表示部61の表示更新を実行する。
【0079】
例えば、現在の供給元が第1容器51であり、切替先が第2容器52であったとする。この場合、制御部11は、現在の供給元である第1容器51に対応する第1標示体71、及び切替先であった第2容器52に対応する第2標示体72の色を変更する。尚、交換が必要になった第1容器51に対応する第1標示体71には、その第1容器51が装着されている装着口番号37が表示される。また、交換が必要になった第2容器52に対応する第2標示体72には、その第2容器52が装着されている装着口番号37が表示される。ステップS260の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS270に移行する。
【0080】
ステップS270において、制御部11は、容器交換を促す報知を実行する。制御部11は、残量RVが規定量未満であり、交換が必要であると判断した第1容器51、及び第2容器52の交換を促すメッセージを表示することで、ユーザーに報知する。ステップS270の処理を終えると、制御部11は、切替処理を終了する。
【0081】
次に、図5に示すフローに基づいて容器取外処理において制御部11が実行する処理について説明する。容器取外処理は、ホルダー31の電気接続部36と容器50の基板部55との電気的な接点が有る状態から無い状態に遷移したことを制御部11が検出したときに開始される。すなわち、容器取外処理は、ホルダー31から容器50が取り外されたときに開始される。
【0082】
ステップS310において、制御部11は、容器個別情報の消去を実行する。制御部11は、記憶部13に記憶された容器個別情報のうち、ホルダー31からの取り外しが検出された容器50の容器個別情報を消去する。ステップS310の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS320に移行する。
【0083】
ステップS320において、制御部11は、残量表示部61の表示更新を実行する。例えば、切替処理において、交換を促された容器50を、ユーザーがホルダー31から取り外すとする。これにより、ホルダー31の電気接続部36とその容器50の基板部55との電気的な接点が有る状態から無い状態に遷移したとする。この場合、制御部11は、その容器50に対応する標示体70の表示を残量表示部61から消去する。
【0084】
例えば、切替処理において、シアンインクの第1容器51の交換を促す報知によって、ユーザーが、装着口番号37が“1”である装着口33aから、シアンインクの第1容器51を取り外したとする。この場合、制御部11は、残量表示部61の表示を図8から図9に更新する。
【0085】
尚、この場合、シアンインクの第1容器51に対応する第1標示体71に表示していた装着口番号37は、引き続き残量表示部61に表示していてもよい。ステップS320の処理を終えると、制御部11は、容器取外処理を終了する。
【0086】
次に、図6に示すフローに基づいて容器接続処理において制御部11が実行する処理について説明する。容器接続処理は、ホルダー31の電気接続部36と容器50の基板部55との電気的な接点が無い状態から有る状態に変化したことを制御部11が検出したときに開始される。すなわち、容器接続処理は、ホルダー31に容器50が装着されたときに開始される。
【0087】
ステップS410において、制御部11は、容器情報の読み込みを実行する。制御部11は、ホルダー31への装着が検出された容器50の容器側記憶部56に記憶されている容器情報を読み込む。ステップS410の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS420に移行する。
【0088】
ステップS420において、制御部11は、残量情報の更新を実行する。制御部11は、ホルダー31への装着が検出された容器50のステップS410において読み込んだ容器情報を、容器個別情報として記憶部13に格納する。容器50の残量情報を含む容器情報が容器個別情報として記憶部13に格納されることで、ホルダー31に装着された容器50の残量情報も格納される。これにより、ホルダー31に装着された容器50の残量RVが更新される。ステップS420の処理を終えると、制御部11は、処理をステップS430に移行する。
【0089】
ステップS430において、制御部11は、残量表示部61の表示更新を実行する。例えば、容器50が装着口33aに装着された第1容器51であるとする。制御部11は、更新された第1容器51の残量RVに対応する第1標示体71を、液量表示領域73に表示する。この場合、この第1標示体71は、液量表示領域73において、現在の供給元である第2容器52に対応する第2標示体72の+Z方向側に隣り合う位置に標示される。
【0090】
また、制御部11は、液量表示領域73の寸法D3を変更する。寸法D3は、第2容器52のインクの最大収容量FVに対応する寸法から、第1容器51のインクの最大収容量FVと第2容器52のインクの最大収容量FVとを足した同色インクの収容総量TCに対応する寸法に変更される。
【0091】
例えば、切替処理において、シアンインクの第1容器51の交換を促す報知によって、ユーザーが、装着口番号37が“1”である装着口33aに、新たな第1容器51を装着したとする。この場合、制御部11は、残量表示部61の表示を図9から図10に更新する。ステップS430の処理を終えると、制御部11は、容器接続処理を終了する。
【0092】
以上述べたように、実施形態1に係る液体量表示方法、及び液体吐出装置10によれば、以下の効果を得ることができる。
【0093】
液体量表示方法は、吐出部20にインクを供給する際に、インクの供給元として切り替える第1容器51及び第2容器52に収容されているインクの残量RVを表示する方法である。液体量表示方法は、第1容器51の残量RVと、第2容器52の残量RVと、を足した総量TVを一つの液量表示領域73に表示する。これによれば、複数の容器50としての第1容器51及び第2容器52それぞれに収容される同じ液体の残量RVを足した同じ液体の総量TVが把握しやすい。
【0094】
液量表示領域73に表示される、第1容器51の残量RVを示す第1標示体71と第2容器52の残量RVを示す第2標示体72とは視覚的に区別可能である。これによれば、第1容器51の残量RV、及び第2容器52の残量RVが視覚的に把握しやすい。
【0095】
第1標示体71と第2標示体72とは、線LNで区切られて表示される。これによれば、第1標示体71と第2標示体72とが視覚的に容易に区別できる。
【0096】
第1標示体71と第2標示体72とは、表示の見た目が異なる。これによれば、第1標示体71と第2標示体72とが視覚的に容易に区別できる。
【0097】
液体量表示方法は、第1標示体71及び第2標示体72のうちの供給元に対応する一方を、液量表示領域73に明示する。これによれば、第1容器51及び第2容器52のうちのどちらが吐出部20へのインクの供給元となっているかを、視覚的に把握しやすい。
【0098】
液体量表示方法は、第1標示体71及び第2標示体72のうちの供給元に対応する一方を、液量表示領域73において他方に対して下側となる位置に表示する。これによれば、第1容器51及び第2容器52のうちのどちらが吐出部20へのインクの供給元となっているかを、視覚的に把握しやすい。
【0099】
液量表示領域73の大きさは、第1容器51のインクの最大収容量FVと、第2容器52のインクの最大収容量FVと、を足した収容総量TCに対応して変化する。これによれば、液量表示領域73の大きさを確認することで、収容総量TCが視覚的に把握しやすい。
【0100】
液量表示領域73の大きさは、第1容器51及び第2容器52のいずれかの着脱により変化する。これによれば、液量表示領域73の大きさを確認することで、第1容器51及び第2容器52の着脱状態が視覚的に把握しやすい。
【0101】
液体吐出装置10は、インクを吐出する吐出部20を備える。また、液体吐出装置10は、吐出部20へのインクの供給元を、インクを収容する第1容器51及び第2容器52のいずれかに切り替える切替機構40を備える。また、液体吐出装置10は、第1容器51及び第2容器52に収容されているインクの残量RVを表示する表示部15を備える。そして、表示部15は、第1容器51の残量RVと、第2容器52の残量RVと、を足した総量TVを一つの液量表示領域73に表示する。これによれば、複数の容器50としての第1容器51及び第2容器52それぞれに収容される同じ液体の残量RVを足した同じ液体の総量TVが把握しやすい。
【0102】
表示部15は、第1容器51の残量RVを示す第1標示体71と第2容器52の残量RVを示す第2標示体72とを区別して視認可能に、液量表示領域73に表示する。これによれば、第1容器51の残量RV、及び第2容器52の残量RVが視覚的に把握しやすい。
【0103】
表示部15は、第1標示体71に第1容器51が配置される位置を表示し、第2標示体72に第2容器52が配置される位置を表示する。これによれば、表示部15の表示を確認することで、第1容器51及び第2容器52が配置される位置を把握しやすい。
【0104】
表示部15は、第1容器51及び第2容器52のうち交換可能ないずれかが配置される位置を明示する。これによれば、第1容器51及び第2容器52のうち交換可能ないずれかが配置される位置を把握しやすい。よって、第1容器51及び第2容器52の交換を容易に行うことができる。
【0105】
本開示の上記実施形態に係る液体量表示方法は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、本開示の上記実施形態に係る液体吐出装置10は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0106】
上記実施形態において、容器50に収容され、吐出部20に供給される液体は色インクでなくてもよい。例えば、容器50に収容される液体は、色インクが吐出された媒体Pに吐出部20から吐出される透明インクであってもよい。また、例えば、容器50に収容される液体は、色インクが吐出される前の媒体P、あるいは色インクが吐出された媒体Pに吐出部20から吐出される処理液であってもよい。この場合、透明インク、及び処理液は、吐出部20に供給される液体の一例である。
【0107】
上記実施形態において、制御部11は、通信部18を介して、外部機器の表示画面に、残量表示部61と、メッセージ表示領域65と、を含む報知画面60を表示してもよい。そして、例えば、外部機器の表示画面に表示される残量表示部61の一つの液量表示領域73に、制御部11は、第1容器51の残量RVと、第2容器52の残量RVと、を足した総量TVを表示してもよい。
【0108】
上記実施形態において、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方に模様PT1が施されていなくてもよい。例えば、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方の色を他方の色の濃度を高くした色にしてもよい。また、例えば、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方を明滅させてもよい。また、例えば、図11に示すように、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方に枠線FRを施してもよい。これらによっても、第1標示体71と第2標示体72とは、視覚的に区別可能である。また、これらの場合、第1標示体71と第2標示体72との境界に線LNを表示しなくてもよい。
【0109】
上記実施形態において、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方を、液量表示領域73において他方に対して下側となる位置に表示しなくてもよい。例えば、図12では、第1標示体71及び第2標示体72のうちのインクの供給元になっている容器50に対応する一方に枠線FRを施すことで、インクの供給元を明示している。また、図12では、イエローインク、及びブラックインクのようにインクの供給元が第2容器52であっても、第1標示体71を、液量表示領域73において第2標示体72に対して下側となる位置に表示している。このような残量表示部61における液体量表示方法であっても、第1容器51及び第2容器52のうちのどちらが吐出部20へのインクの供給元となっているかを、視覚的に把握しやすい。
【0110】
上記実施形態において、容器50は、カートリッジとして構成されなくてもよい。例えば、容器50は、インクを補給するための注入口を備える継ぎ足し式のタンクとして構成されてもよい。また、この場合、容器50は、液体供給部30のホルダー31に対して着脱不能に取り付けられてもよい。あるいは、液体供給部30はホルダー31を備えず、容器50は、液体吐出装置10の筐体(不図示)に取り付けられてもよい。この場合、液体吐出装置10は、容器50を備える。また、この場合、筐体における各容器50に近い位置であって、液体吐出装置10の前面側から視認可能な位置に、装着口番号37の標示が設けられてもよい。
【0111】
また、これらの場合、制御部11は、各容器50が配置されている位置を示すために、残量表示部61に、各容器50が装着されている装着口番号37を表示してもよい。また、この場合、インクの補給が必要な容器50がある場合、制御部11は、その容器50に対応する標示体70の位置を、液量表示領域73の+Z方向の端となる位置に変更してもよい。また、制御部11は、インクの補給が必要なその容器50に対応する標示体70の表示を、インクの補給が不要な容器50に対応する標示体70の表示と見た目が異なる表示に変更してもよい。
【0112】
上記実施形態において、液体供給部30のホルダー31は、吐出部20に対して+Z方向側となる上方に設けられなくてもよい。例えば、ホルダー31は、吐出部20に対して-Z方向側となる下方に設けられてよい。また、ホルダー31の装着口33a,33bは-Y方向に向かって開口するホルダー31の装着口33a,33bに対して、容器50がY軸方向を装着方向として着脱されてもよい。
【0113】
上記実施形態において、液体供給部30は、液体吐出装置10の筐体(不図示)とは別個に設けられてもよい。この場合、配管38は可撓性を有する樹脂チューブ等で構成されてもよい。また、ホルダー31の複数の装着口33a,33bは、Z軸方向となる上下方向に並べて設けられてもよい。
【0114】
上記実施形態において、液量表示領域73は、第1容器51のインクの最大収容量FVに対応する領域と第2容器52のインクの最大収容量FVに対応する領域との間を、視覚的に区別可能に表示されてもよい。例えば、第1容器51のインクの最大収容量FVに対応する領域と第2容器52のインクの最大収容量FVに対応する領域との境界を、水平線で区切ることで、上下に分割して表示してもよい。
【符号の説明】
【0115】
10…液体吐出装置、11…制御部、13…記憶部、15…表示部、17…操作部、18…通信部、20…吐出部、21…ヘッド、22…キャリッジ、23…駆動軸、25…搬送部、26…駆動ローラー、30…液体供給部、31…ホルダー、33a,33b…装着口、35…インク受入部、36…電気接続部、37…装着口番号、38…配管、40…切替機構、42…センサー機構、50…容器、51…第1容器、52…第2容器、53…収容部、54…供給口、55…基板部、56…容器側記憶部、60…報知画面、61…残量表示部、65…メッセージ表示領域、70…標示体、71…第1標示体、72…第2標示体、73…液量表示領域、75…総量標示体、D1,D2,D3…寸法、FR…枠線、LN…線、P…媒体、PT1,PT2…模様、RV…残量、TV…総量、TC…収容総量。
図1
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図12