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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169040
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241128BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20241128BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20241128BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALN20241128BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
G02B3/00 Z
G02B3/00 A
G02F1/1368
G02F1/1335
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086215
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】八代 侑樹
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA25
2H092GA29
2H092GA35
2H092GA39
2H092GA43
2H092JA24
2H092JA46
2H092JB54
2H092JB69
2H092PA07
2H092RA05
2H192AA24
2H192BC33
2H192CB02
2H192CB53
2H192CC33
2H192CC73
2H192DA12
2H192EA04
2H192EA32
2H192FA22
2H192FA26
2H192FA35
2H192FA39
2H192FA65
2H192GD46
2H192GD72
2H192JB02
2H291FA56Y
2H291FA62Y
2H291FA64Y
2H291FD03
2H291GA19
2H291LA13
2H291LA31
2H291MA13
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094DB02
5C094EA03
5C094EA04
5C094ED01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094HA02
5C094HA05
5C094HA08
5C094HA10
5C094JA01
5C094JA08
(57)【要約】
【課題】レンズ形成層を貫通する導電部材を介した電気的導通の信頼性を向上できる電気光学装置を提供すること。
【解決手段】電気光学装置は、画素電極10と、周辺電極と、画素電極10と基体90との間のトランジスター1と、画素電極10とトランジスター1との間の中継層30と、周辺電極と基体90との間の中継層130と、画素電極10と中継層30との間に設けられ、レンズ面34sとコンタクトホール33とを有するレンズ形成層35と、周辺電極と中継層130との間に設けられ、レンズ面134sとコンタクトホール133とを有するレンズ形成層135と、コンタクトホール33内に設けられ、画素電極10と中継層30とを電気的に接続するコンタクトプラグ31と、コンタクトホール133内に設けられ、周辺電極と中継層130とを電気的に接続するコンタクトプラグ131と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電気光学層と、を備え、
前記第1基板は、
表示領域に設けられた画素電極と、
周辺領域に設けられた周辺電極と、
前記画素電極と前記第1基板との間に設けられたトランジスターと、
前記画素電極と前記トランジスターとの間に設けられた第1中継電極と、
前記周辺電極と前記第1基板との間に設けられ、前記第1中継電極と同層の第2中継電極と、
前記画素電極と前記第1中継電極との間に設けられ、第1レンズと第1コンタクトホールとを有する第1レンズ形成層と、
前記周辺電極と前記第2中継電極との間に設けられ、第2レンズと第2コンタクトホールとを有し、前記第1レンズ形成層と同層の第2レンズ形成層と、
前記第1コンタクトホール内に設けられ、前記画素電極と前記第1中継電極とを電気的に接続する第1導電部材と、
前記第2コンタクトホール内に設けられ、前記周辺電極と前記第2中継電極とを電気的に接続する第2導電部材と、を有する、
電気光学装置。
【請求項2】
前記第1レンズは、所定のピッチで配置され、
前記第2レンズは、前記所定のピッチで配置される、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1レンズは、所定のサイズを有し、
前記第2レンズは、前記所定のサイズを有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1レンズは、所定の形状を有し、
前記第2レンズは、前記所定の形状を有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1導電部材は、所定のピッチで配置され、
前記第2導電部材は、前記所定のピッチで配置される、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1コンタクトホールは、所定のアスペクト比を有し、
前記第2コンタクトホールは、前記所定のアスペクト比を有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記所定のアスペクト比は、3以上13以下である、
請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第1基板は、
前記周辺領域において、前記第2レンズ形成層と前記第1基板との間に設けられた光学読み取りマークと、を有し、
前記光学読み取りマークは、平面視で、前記第2レンズと重ならない、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記画素電極は、平面視において、所定のサイズを有し、
前記周辺電極は、平面視において、前記所定のサイズを有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記画素電極は、平面視において、第1のサイズを有し、
前記周辺電極は、平面視において、前記第1のサイズより大きい第2のサイズを有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記第1中継電極は、平面視において、第3のサイズを有し、
前記第2中継電極は、平面視において、前記第3のサイズよりも大きい第4のサイズを有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記第1導電部材と前記第2導電部材とは、タングステンまたはタングステンを含む導電材料からなる、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項13】
前記周辺電極は、前記第1基板と前記第2基板との間を電気的に接続する基板間導通電極である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項14】
前記周辺電極は、外部端子である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項15】
前記周辺電極は、検査端子である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項16】
前記周辺電極は、モニター端子である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項17】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電気光学層と、を備え、
前記第1基板は、
表示領域に設けられた画素電極と、
周辺領域に設けられた周辺電極と、
前記画素電極と前記第1基板との間に設けられたトランジスターと、
前記画素電極と前記トランジスターとの間に設けられた第1中継電極と、
前記周辺電極と前記第1基板との間に設けられ、前記第1中継電極と同層の第2中継電極と、
前記画素電極と前記第1中継電極との間に設けられた第3中継電極と、
前記周辺電極と前記第2中継電極との間に設けられ、前記第3中継電極と同層の第4中継電極と、
前記第3中継電極と前記第1中継電極との間に設けられ、第1レンズと第1コンタクトホールとを有する第1レンズ形成層と、
前記第4中継電極と前記第2中継電極との間に設けられ、第2レンズと第2コンタクトホールとを有し、前記第1レンズ形成層と同層の第2レンズ形成層と、
前記第1コンタクトホール内に設けられ、前記画素電極と前記第1中継電極とを電気的に接続する第1導電部材と、
前記第2コンタクトホール内に設けられ、前記周辺電極と前記第2中継電極とを電気的に接続する第2導電部材と、を有する、
電気光学装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電気光学装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気光学装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、素子基板の基板本体上に設けられた画素電極と、画素電極と基板本体との間に設けられたトランジスターと、画素電極とトランジスターとの間に設けられたレンズと、レンズが設けられた層を貫通して設けられ、画素電極とトランジスターとを電気的に接続する接続部材と、を備えた電気光学装置が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-167884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画素電極とトランジスターとの間のレンズが設けられた層が厚いため、レンズが設けられた層を貫通する接続部材を設けるためには、レンズが設けられた層に高アスペクト比のコンタクトホールを形成する必要がある。
しかし、高アスペクト比のコンタクトホールを形成する工程は、エッチングに長い時間を要するため、加工の難易度が高い、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様に係る電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電気光学層と、を備え、前記第1基板は、表示領域に設けられた画素電極と、周辺領域に設けられた周辺電極と、前記画素電極と前記第1基板との間に設けられたトランジスターと、前記画素電極と前記トランジスターとの間に設けられた第1中継電極と、前記周辺電極と前記第1基板との間に設けられ、前記第1中継電極と同層の第2中継電極と、前記画素電極と前記第1中継電極との間に設けられ、第1レンズと第1コンタクトホールとを有する第1レンズ形成層と、前記周辺電極と前記第2中継電極との間に設けられ、第2レンズと第2コンタクトホールとを有し、前記第1レンズ形成層と同層の第2レンズ形成層と、前記第1コンタクトホール内に設けられ、前記画素電極と前記第1中継電極とを電気的に接続する第1導電部材と、前記第2コンタクトホール内に設けられ、前記周辺電極と前記第2中継電極とを電気的に接続する第2導電部材と、を有する。
【0006】
本願の一態様に係る電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電気光学層と、を備え、前記第1基板は、表示領域に設けられた画素電極と、周辺領域に設けられた周辺電極と、前記画素電極と前記第1基板との間に設けられたトランジスターと、前記画素電極と前記トランジスターとの間に設けられた第1中継電極と、前記周辺電極と前記第1基板との間に設けられ、前記第1中継電極と同層の第2中継電極と、前記画素電極と前記第1中継電極との間に設けられた第3中継電極と、前記周辺電極と前記第2中継電極との間に設けられ、前記第3中継電極と同層の第4中継電極と、前記第3中継電極と前記第1中継電極との間に設けられ、第1レンズと第1コンタクトホールとを有する第1レンズ形成層と、前記第4中継電極と前記第2中継電極との間に設けられ、第2レンズと第2コンタクトホールとを有し、前記第1レンズ形成層と同層の第2レンズ形成層と、前記第1コンタクトホール内に設けられ、前記画素電極と前記第1中継電極とを電気的に接続する第1導電部材と、前記第2コンタクトホール内に設けられ、前記周辺電極と前記第2中継電極とを電気的に接続する第2導電部材と、を有する。
【0007】
本願の一態様に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る電気光学装置の平面図。
図2図1のA-A線に沿う電気光学装置の断面図。
図3】素子基板の電気的な構成を示す等価回路図。
図4】素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図。
図5】素子基板の周辺領域の断面構造を示す説明図。
図6】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図7図6のC-C線に沿う断面構造を示す説明図。
図8】変形例1に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図9】変形例2に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図10】変形例3に係り、図1のB-B線に沿う断面構造を示す説明図。
図11A】変形例4に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図11B】変形例5に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図11C】変形例6に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図11D】変形例7に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図12】実施形態2に係る素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図。
図13】実施形態2に係る素子基板の周辺領域の断面構造を示す説明図。
図14】変形例8に係る周辺領域の断面構造を示す説明図。
図15】実施形態3に係る電子機器の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向とは反対の方向をX2方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向とは反対の方向をY2方向と表記する。Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向とは反対の方向をZ2方向と表記する。また、以下では、Z1方向またはZ2方向に見ることを「平面視」とし、Z軸を含む断面に対して垂直方向から見ることを「断面視」とする。
【0010】
さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。また、「基板の上面」との記載は、基板のZ1方向側の面を示すものとする。
【0011】
1.実施形態1
本実施形態では、電気光学装置として、液晶装置の例を説明する。
液晶装置は、画素ごとにスイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の透過型液晶装置である。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置において、光変調装置として用いられる。なお、本実施形態において、投射型表示装置は、電子機器の一例である。
【0012】
1.1.液晶装置の構造の概要
本実施形態に係る液晶装置300の構造について、図1図2とを参照して説明する。図1は、液晶装置300の平面図を示す。図2は、図1のA-A線に沿う液晶装置300の概略的な断面構成を示す。
【0013】
図1および図2に示すように、液晶装置300は、透光性を有する素子基板100、透光性を有する対向基板200、枠状に設けられたシール部材8、および液晶層Lcを有する。なお、「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0014】
液晶装置300は、画像を表示する表示領域A1と、平面視において表示領域A1の外側周辺に位置する周辺領域A2とを有する。
表示領域A1には、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。なお、図1に示す液晶装置300の形状は、四角形であるが、他の形状、例えば円形であってもよい。
【0015】
図2に示すように、素子基板100と対向基板200とは、液晶層Lcを介して配置される。
本実施形態では、液晶層Lcの光入射側に、対向基板200が配置され、液晶層Lcの光出射側に、素子基板100が配置される。対向基板200に入射した入射光ILは、液晶層Lcで変調されて、変調光MLとして素子基板100から射出される。
【0016】
素子基板100は、基体90と層間絶縁層82を含む複数の層間絶縁層と画素電極10と配向膜12とを有する。また、図示しないが、画素電極10と層間絶縁層82との間には、後述するレンズ層34が設けられる。なお、本実施形態において、基体90は、第1基板の一例である。
【0017】
基体90は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体90は、例えばガラス基板または石英基板である。複数の層間絶縁層の層間には、後述するトランジスターが配置される。
画素電極10は、透光性を有する。画素電極10は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、およびFTO(Fluorine-doped tin oxide)などの透明導電材料によって形成される。画素電極10の厚さ方向は、Z1方向またはZ2方向と一致する。
配向膜12は、透光性および絶縁性を有する。配向膜12は、液晶層Lcの液晶分子を配向させる。配向膜12の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)またはポリイミドが挙げられる。
【0018】
対向基板200は、基体210、絶縁層220、共通電極230、および配向膜240を有する。なお、本実施形態において、基体210は、第2基板の一例である。
基体210は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体210は、例えばガラス基板または石英基板である。
絶縁層220は、透光性および絶縁性を有する。絶縁層220の材料は、例えば酸化シリコンなどの無機材料である。
【0019】
共通電極230は、複数の画素電極10に対向して配置される電極であり、対向電極と言い換えられる。共通電極230は、例えばITO、IZO、およびFTOなどの透明導電材料を含む。共通電極230と画素電極10とは、液晶層Lcに電界を印加する。
配向膜240は、透光性および絶縁性を有する。
【0020】
シール部材8は、素子基板100と対向基板200との間に配置される。シール部材8は、例えばエポキシ樹脂などの各種硬化性樹脂を含む接着剤などを用いて形成される。シール部材8は、ガラスなどの無機材料で構成されるギャップ材を含んでもよい。
【0021】
液晶層Lcは、素子基板100、対向基板200およびシール部材8によって囲まれる領域内に配置される。液晶層Lcは、画素電極10と共通電極230とによって生じる電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層である。液晶層Lcは、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子の配向は、液晶層Lcに印加される電界に応じて変化する。液晶層Lcは、印加される電界に応じて入射光ILを変調する。
【0022】
図1に示すように、素子基板100の周辺領域A2に、複数の走査線駆動回路6、データ線駆動回路7、外部端子9、基板間導通電極15、検査端子16、モニター端子17、およびアライメントマーク18が配置される。本実施形態において、アライメントマーク18は、光学読み取りマークの一例である。また、外部端子9、基板間導通電極15、検査端子16、およびモニター端子17は、周辺電極の一例である。なお、周辺電極は、周辺領域A2に設けられた電極ないし端子の総称である。
【0023】
外部端子9は、図示しないFPC(Flexible printed circuits)などの外部接続線が実装される実装端子である。外部端子9には、外部接続線を介して、外部から画像信号、同期信号、検査信号、共通電位、電源電位などを含む各種信号が供給される。
【0024】
基板間導通電極15は、図示しない基板間導通部材を介して、対向基板200の共通電極230に電気的に接続される。基板間導通電極15には、共通電位が供給され、共通電位は、基板間導通部材を介して、対向基板200に供給される。
【0025】
検査端子16は、液晶装置300の製造工程などにおいて、トランジスターや各種配線などの欠陥の有無を判別する際に用いられる。
モニター端子17は、例えば、トランジスターの経時的な特性変化をモニターするために用いられる。モニターによって得られた情報は、液晶装置300の制御などに用いる。
【0026】
アライメントマーク18は、検査パターンと称せられる格子状の形状を有する光学読み取り用マークである。アライメントマーク18は、例えば、検査工程などにおいて、検査装置や測定装置などが素子基板100を位置決めする際に、用いられる。
【0027】
本実施形態において、外部端子9、基板間導通電極15、検査端子16、およびモニター端子17は、画素電極10と同層に設けられ、且つ、同じ工程および材料で形成される。
【0028】
1.2.素子基板の電気的な構成
図3は、素子基板100の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、素子基板100の表示領域A1には、複数のトランジスター1、n本の走査線3、m本のデータ線4、およびm本の容量線5が設けられる。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線3とm本のデータ線4との各交差に対応してトランジスター1が配置される。
【0029】
n本の走査線3のそれぞれはX1方向に延在し、n本の走査線3はY1方向に等間隔で並ぶ。n本の走査線3のそれぞれは、対応するトランジスター1のゲート電極に電気的に接続される。n本の走査線3は、図1に示す走査線駆動回路6に電気的に接続される。
走査線駆動回路6は、1~n本の走査線3に、走査信号G1、G2、…、およびGnを、線順次で供給する。
【0030】
m本のデータ線4のそれぞれはY1方向に延在し、m本のデータ線4はX1方向に等間隔で並ぶ。m本のデータ線4のそれぞれは、対応する複数のトランジスター1のソース領域に電気的に接続される。m本のデータ線4は、図1に示すデータ線駆動回路7に電気的に接続される。
データ線駆動回路7は、1~m本のデータ線4に、画像信号E1、E2、…、およびEmを、供給する。
【0031】
n本の走査線3とm本のデータ線4とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視において格子状に配置される。隣り合う2つの走査線3と隣り合う2つのデータ線4とで囲まれる領域が画素Pに対応する。
画素P毎に画素電極10が設けられる。画素電極10は、トランジスター1のドレイン領域に電気的に接続される。
【0032】
m本の容量線5のそれぞれはY1方向に延在し、m本の容量線5はX1方向に等間隔で並ぶ。また、m本の容量線5は、m本のデータ線4およびn本の走査線3に対して電気的に絶縁されており、これらに対して間隔をもって配置される。各容量線5には、共通電位またはグランド電位などの固定電位が、外部端子9を介して印加される。
【0033】
容量素子2の一方の電極は、容量線5に電気的に接続される。容量素子2の他方の電極は、画素電極10に電気的に接続され、画素電極10に供給される画像信号の電位を保持する。
【0034】
1.3.素子基板の表示領域の断面構造
図4は、素子基板100の表示領域A1の断面構造を示す説明図であり、表示領域A1に設けられた画素Pの複数画素分の断面構造を示す。
図4に示すように、表示領域A1において、素子基板100は、絶縁性または導電性の機能層または機能膜が基体90上に積み重なった断面構造を有する。
【0035】
基体90と層間絶縁層82との間には、遮光層80が配置される。
遮光層80は、遮光性を有する導電材料で形成される。なお、導電性の機能層または機能膜に、遮光性を有する導電材料を用いることで、導電性の機能層または機能膜を遮光層として機能させることができる。
遮光性を有する導電材料としては、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、およびアルミニウム(AL)などの金属、金属窒化物ならびに金属シリサイドなどの金属材料を用いることができる。以下、同様である。なお、「遮光性」とは、可視光に対する遮光性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%未満であることをいい、より好ましくは、10%以下であることをいう。
遮光層80は、走査線3の一部を構成する。
【0036】
層間絶縁層82は、透光性および絶縁性を有する。層間絶縁層82は、例えば、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料によって形成される。以下、各層間絶縁層は、層間絶縁層82と同様の材料で形成される。
層間絶縁層82上には、トランジスター1が設けられる。
【0037】
トランジスター1は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する半導体層70と、ゲート電極74と、ゲート絶縁層72とを有する。
半導体層70上には、ゲート絶縁層72を介して、ゲート電極74が設けられる。ゲート電極74は、半導体層70のチャネル領域に重なる。
【0038】
ゲート電極74は、例えば、導電性を高める不純物がドープされたポリシリコンを用いて形成される。なお、ゲート電極74は、金属、金属シリサイド、および金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0039】
ゲート絶縁層72は、例えば、熱酸化またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などで成膜される酸化シリコンで構成される。
ゲート電極74と遮光層80との間は、コンタクトホール81を介して電気的に接続される。コンタクトホール81は、ゲート絶縁層72および層間絶縁層82を貫通する。
【0040】
トランジスター1上には、層間絶縁層76が設けられる。
層間絶縁層76上には、導電層60と中継層62とが設けられる。
導電層60と中継層62とは、同層に設けられ、遮光性の導電材料で形成される。導電層60と中継層62とは、窒化チタン、アルミニウム、および窒化チタンの3層構造とすることが好ましい。
【0041】
導電層60は、データ線4の一部を構成する。導電層60は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール73を介して、半導体層70のソース領域に電気的に接続される。
中継層62は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール71を介して、半導体層70のドレイン領域に電気的に接続される。
【0042】
層間絶縁層76、導電層60、および中継層62上には、層間絶縁層64が設けられる。
層間絶縁層64上には、中継層52が設けられる。中継層52は、それぞれ遮光性の導電材料で形成される。
中継層52は、層間絶縁層64を貫通するコンタクトホール61を介して、中継層62に電気的に接続される。
【0043】
層間絶縁層64および中継層52上には、層間絶縁層54が設けられる。
層間絶縁層54上には、容量素子2が設けられる。
容量素子2は、基体90側に設けられた容量電極50、画素電極10側に設けられた容量電極40、および容量電極40と容量電極50との間に設けられた容量絶縁膜56を有する。容量電極40および容量電極50は、いずれも遮光性の導電材料で形成される。容量絶縁膜56は、所望の誘電体材料で形成される。
【0044】
容量電極50は、容量線5の一部を構成する。
容量電極40は、層間絶縁層54を貫通するコンタクトホール51を介して、中継層52に電気的に接続される。これによって、容量電極40は、トランジスター1のドレイン領域に電気的に接続され、トランジスター1と画素電極10とを電気的に接続する中継層として機能する。また、容量電極40に画素電極10に供給される画像信号が供給され、容量電極50に容量線5から固定電位が供給されることで、容量素子2は、保持容量として機能する。
【0045】
容量電極40と画素電極10との間には、レンズ形成層35を含む光学機能層LSが設けられる。なお、本実施形態において、レンズ形成層35は、第1レンズ形成層の一例である。
光学機能層LSは、光量ロスを抑制するために設けられる。具体的には、画素電極10を通過した通過光が、データ線4や容量線5などの遮光性を有する導電材料で形成された機能層に当たってロスとならないように、通過光の光路を調整する。
光学機能層LSは、透光層42、レンズ形成層35、透光層22、および保護層24を含む。
【0046】
透光層42は、光路長を調整するためのパス層と称せられる光路長調整層である。透光層42は、酸化シリコンなどの無機材料によって形成される。透光層42の上面は、CMPなどによって平坦化されている。
【0047】
レンズ形成層35は、レンズ層34と透光層36とを含む。
レンズ層34は、透光層36と屈折率の異なる無機材料、例えば酸窒化ケイ素(SiON)によって形成される。レンズ層34は、画素電極10側の面に、所定の形状のレンズ面34sを有する。本実施形態において、所定の形状は、画素電極10側に突出した凸形状である。レンズ面34sは、レンズ層34の上面をエッチングすることによって形成される。なお、本実施形態において、レンズ面34sは、第1レンズの一例である。
【0048】
透光層36は、レンズ層34上に形成される。透光層36は、透光層42と同様に、酸化シリコンなどの無機材料によって形成される。酸化シリコンをレンズ面34s上に成膜した後、CMPなどによって平坦化することで、透光層36が形成される。
【0049】
透光層22は、透光層36上に設けられる。
透光層22は、光路長調整層であり、透光層42と同様に酸化シリコンなどの無機材料によって形成される。
【0050】
保護層24は、透光層22上に設けられる。保護層24は、例えば、BSG(Borosilicate Glass)などの透光性および吸湿性を有する無機材料で構成される。
保護層24上に、画素電極10が設けられる。画素電極10上には、配向膜12が設けられる。
【0051】
画素電極10と容量電極40とは、コンタクトプラグ21、中継層20、コンタクトプラグ31、中継層30、およびコンタクトプラグ41を介して、電気的に接続される。これによって、画素電極10は、容量電極40を介して、トランジスター1のドレイン領域に電気的に接続される。なお、本実施形態において、中継層30は、第1中継電極の一例である。また、コンタクトプラグ31は、第1導電部材の一例である。また、中継層20は、第3中継電極の一例である。
【0052】
画素電極10と中継層20との間には、保護層24および透光層22を貫通するコンタクトホール23が設けられる。
コンタクトホール23は、画素電極10とコンタクトプラグ31とを電気的に接続するために設けられる。コンタクトホール23内には、画素コンタクトプラグと称される導電部材としてのコンタクトプラグ21が設けられる。コンタクトプラグ21は、タングステンなどの遮光性の導電材料によって形成される。
【0053】
中継層20は、透光層22と透光層36との間に設けられる。コンタクトプラグ21にタングステンを用いる場合、中継層20は、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタンなどで形成することが好ましい。
【0054】
コンタクトプラグ31は、レンズ形成層35を貫通するコンタクトホール33内に設けられる。換言すると、レンズ形成層35は、コンタクトホール33を有する。なお、本実施形態において、コンタクトホール33は、第1コンタクトホールの一例である。
【0055】
長さL1は、コンタクトホール33の深さ、もしくは、レンズ形成層35の層厚を示す。また、長さD1は、コンタクトホール33の内径を示し、画素電極10寄りの位置での内径を示す。
【0056】
コンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ21と中継層30とを電気的に接続する。コンタクトプラグ31は、遮光性の導電材料によって形成される。本実施形態において、コンタクトプラグ31は、タングステンまたはタングステンを含む導電材料によって形成される。
【0057】
タングステンは、他の導電材料に比べて、高アスペクト比で微細な構造のコンタクトプラグを形成するのに適している。したがって、コンタクトプラグ31の材料にタングステンまたはタングステンを含む導電材料を用いることで、コンタクトプラグ31の加工の難易度を下げることができる。
【0058】
中継層30は、透光層42とレンズ層34との間に設けられる。中継層30は、コンタクトプラグ31の材料としてタングステンを用いる場合、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタンなどによって形成することが好ましい。
【0059】
中継層30と容量電極40との間には、透光層42を貫通するコンタクトホール43が設けられる。
コンタクトホール43は、中継層30と容量電極40とを電気的に接続するために設けられ、コンタクトホール43内には、導電部材としてのコンタクトプラグ41が設けられる。コンタクトプラグ41は、タングステンなどの遮光性の導電材料によって形成される。
【0060】
1.4.素子基板の周辺領域の断面構造
図5は、素子基板100の周辺領域A2の断面構造を示す説明図であり、特に、周辺領域A2に設けられた基板間導通電極15の断面構造を示す。
図5に示すように、周辺領域A2において、素子基板100は、表示領域A1と同様に、絶縁性または導電性の機能層または機能膜が基体90上に積み重なった断面構造を有する。
【0061】
基体90上には、遮光層180が設けられる。
遮光層180は、表示領域A1の遮光層80と同層に設けられ、且つ、同じ工程および同一ないし同様の材料で形成される。
【0062】
同様に、周辺領域A2の各構成は、表示領域A1の対応する構成と同層に設けられ、且つ、同じ工程および同一ないし同様の材料で形成される。
具体的には、層間絶縁層182および層間絶縁層82、ゲート絶縁層172およびゲート絶縁層72、層間絶縁層176および層間絶縁層76、層間絶縁層164および層間絶縁層64、ならびに層間絶縁層154および層間絶縁層54は、それぞれ同層に設けられ、且つ、同一ないし同様の材料および同じ工程で形成される。また、透光層142および透光層42、レンズ層134およびレンズ層34、透光層136および透光層36、透光層122および透光層22、ならびに保護層124および保護層24は、それぞれ同層に設けられ、且つ、同一ないし同様の材料および同じ工程で形成される。
【0063】
ここで、光学機能層LSは、周辺領域A2において、透光層142、レンズ形成層135、透光層122、および保護層124を含み、レンズ形成層135は、レンズ面134sを有するレンズ層134と透光層136とを含む。レンズ面134sは、レンズ面34sと同じ所定の形状を有する。なお、本実施形態において、レンズ形成層135は、第2レンズ形成層の一例であり、レンズ面134sは、第2レンズの一例である。
【0064】
また、導電層160および導電層60、中継層152および中継層52、導電層150および容量電極50、絶縁膜156および容量絶縁膜56、中継層140および容量電極40、中継層130および中継層30、中継層120および中継層20、ならびに基板間導通電極15および画素電極10は、それぞれ同層に設けられ、且つ、同一ないし同様の材料および同じ工程で形成される。なお、本実施形態において、中継層130は、第2中継電極の一例である。また、中継層120は、第4中継電極の一例である。
【0065】
本実施形態において、基板間導通電極15および画素電極10、中継層120および中継層20、中継層130および中継層30、中継層140および容量電極40、絶縁膜156および容量絶縁膜56、導電層150および容量電極50、ならびに中継層152および中継層52は、それぞれ同一ないし同様の形および同一ないし同様の大きさに形成される。また、導電層160は、連続して設けられる。
【0066】
また、コンタクトホール123およびコンタクトホール23、コンタクトホール133およびコンタクトホール33、コンタクトホール143およびコンタクトホール43、コンタクトホール151およびコンタクトホール51、ならびにコンタクトホール161およびコンタクトホール61は、それぞれ同層、同一ないし同様の径、および同一ないし同様の深さに設けられ、且つ、同じ工程で形成される。なお、本実施形態において、コンタクトホール133は、第2コンタクトホールの一例である。
【0067】
また、長さL2は、コンタクトホール133の深さ、もしくは、レンズ形成層135の層厚を示す。長さL2は、長さL1と同一ないし同様の値である。
また、長さD2は、コンタクトホール133の内径を示し、基板間導通電極15寄りの位置での内径を示す。長さD2は、長さD1と同一ないし同様の値である。
【0068】
また、コンタクトプラグ121およびコンタクトプラグ21、コンタクトプラグ131およびコンタクトプラグ31、ならびにコンタクトプラグ141およびコンタクトプラグ41は、それぞれ同層に設けられ、且つ、同一ないし同様の材料および同じ工程で形成される。なお、本実施形態において、コンタクトプラグ131は、第2導電部材の一例である。
【0069】
基板間導通電極15と導電層160とは、コンタクトプラグ121、中継層120、コンタクトプラグ131、中継層130、コンタクトプラグ141、中継層140、コンタクトホール151、中継層152、およびコンタクトホール161を介して、電気的に接続される。また、導電層160は、図示しない導電層および導通部材を介して、外部端子9に電気的に接続され、共通電位またはグランド電位などの固定電位が印加される。
【0070】
本実施形態において、基板間導通電極15と平面視で重なる領域に、トランジスター1が設けられていないが、トランジスター1を設けてもよい。
また、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17も、基板間導通電極15と同様に形成される。すなわち、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17と、基体90と、の間には、レンズ面134sを有するレンズ層134を含むレンズ形成層135が設けられる。
【0071】
1.5.素子基板の表示領域の平面構造
図6は、素子基板100の表示領域A1の一部を示す平面図であり、素子基板100の表示領域A1を、液晶層Lc側からZ2方向に平面視した際の表示領域A1の平面構造を示す。なお、詳しくは後述するが、周辺領域A2において、基板間導通電極15などの周辺電極が設けられる領域も同様の平面構造を有する。
【0072】
図6では、画素電極10の外縁を実線で示し、画素電極10よりも基体90側に設けられた光学機能層LSに含まれる構成の外縁を破線で示した。また、レンズ面34sの曲面形状を二点鎖線の2重円で示し、隣り合う2つのレンズ面34s同士が接する境界を境界線34bで示した。
【0073】
図6に示すように、画素電極10は、所定のサイズを有し、形状は、正方形である。また、画素電極10は、X軸およびY軸に沿って所定のピッチでマトリクス状に配置される。
本実施形態において、画素電極10の所定のサイズは、縦横の長さがそれぞれ約6μmであり、所定のピッチは、約7μmである。なお、前述した画素電極10の所定のサイズおよび所定のピッチは、例示であって、適宜、変更してもよい。また、画素電極10の所定のサイズは、第1のサイズに対応する。
【0074】
レンズ面34sは、画素電極10毎に設けられる。レンズ面34sは、所定のサイズを有し、画素電極10と同一ないし同様の所定のピッチで設けられる。
本実施形態において、レンズ面34sの所定のサイズは、縦横の長さがそれぞれ約7μmであり、所定のピッチは、約7μmである。なお、前述したレンズ面34sの所定のサイズおよび所定のピッチは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0075】
隣り合う画素電極10の間は、遮光領域であり、画素電極10の中心側は、光が透過する開口領域である。遮光領域には、コンタクトプラグ21、コンタクトプラグ31、中継層30、容量電極40が設けられる。また、遮光領域には、図示しないトランジスター1、ゲート電極74、走査線3、データ線4、および容量線5などが設けられている。
【0076】
コンタクトプラグ21は、画素電極10と重なる位置、本実施形態では画素電極10の四隅のうちの図面左下の角と重なる位置に設けられる。
コンタクトホール23は、平面視において、コンタクトホール33と重ならない位置に設けられる。このようにコンタクトホール23をコンタクトホール33と重ならない位置に設けた場合、コンタクトホール23を、コンタクトホール33と重なる位置に設けた場合よりも、コンタクトホール23上の画素電極10の成膜性を向上させることができる。
【0077】
コンタクトホール33およびコンタクトプラグ31は、平面視において、隣り合う4つの画素電極10の各角に囲まれた隙間に設けられる。
複数のコンタクトプラグ31は、所定のピッチで配置される。本実施形態において、所定のピッチは、約7μmである。なお、前述したコンタクトプラグ31の所定のピッチは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0078】
中継層30は、平面視において、コンタクトホール33およびコンタクトプラグ31と重なる位置に設けられる。中継層30は、所定のサイズを有し、形状は、正方形である。
本実施形態において、中継層30のサイズは、縦横の長さが約2μmである。なお、前述した中継層30の所定のサイズは、例示であって、適宜、変更してもよい。また、中継層30の所定のサイズは、第3のサイズに対応する。
【0079】
コンタクトプラグ41は、コンタクトホール33およびコンタクトプラグ31と重なる位置に設けられる。本実施形態において、コンタクトプラグ41は、コンタクトプラグ31と、平面視において、ほとんど全部が重なる。
【0080】
容量電極40は、平面視において、中継層30、コンタクトプラグ41、コンタクトホール43、コンタクトプラグ31、コンタクトホール33、コンタクトプラグ21、およびコンタクトホール23と重なる位置に設けられる。
容量電極40は、幅広部40wと、幅広部40wからY1方向に沿って突出する突出部40aと、幅広部40wからX1方向に沿って突出する突出部40bと、を有する。幅広部40wは、平面視において、中継層30の全部と重なる大きさおよび形状を有する。
【0081】
本実施形態において、コンタクトホール23、コンタクトホール33、およびコンタクトホール43と、コンタクトプラグ21、コンタクトプラグ31、およびコンタクトプラグ41との形状を、平面視において、それぞれ矩形としたが、これに限定されず、例えば円形であってもよい。
【0082】
1.6.素子基板の周辺領域の平面構造
周辺領域A2において、周辺電極が設けられる領域は、図6と同様の平面構造を有する。換言すると、図6の表示領域A1の構成の符号を周辺領域A2の対応する構成の符号に置き換えると、周辺領域A2の周辺電極が設けられる領域の平面図となる。
【0083】
具体的には、画素電極10は、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17、に置き換えればよい。
また、同様に、中継層20は中継層120に、中継層30は中継層130に、および容量電極40は中継層140に、それぞれ置き換えればよい。また、コンタクトプラグ21はコンタクトプラグ121に、コンタクトプラグ31はコンタクトプラグ131に、およびコンタクトプラグ41はコンタクトプラグ141に、それぞれ置き換えればよい。また、コンタクトホール23はコンタクトホール123に、コンタクトホール33はコンタクトホール133に、およびコンタクトホール43はコンタクトホール143に、それぞれ置き換えればよい。また、レンズ面34sは、レンズ面134sに、置き換えればよい。
【0084】
基板間導通電極15は、画素電極10と同様に所定のサイズを有し、形状も同様に正方形である。また、基板間導通電極15は、画素電極10と同様に、X軸およびY軸に沿って所定のピッチでマトリクス状に配置される。
本実施形態において、基板間導通電極15の所定のサイズは、縦横の長さがそれぞれ約6μmであり、所定のピッチは、約7μmである。なお、前述した基板間導通電極15の所定のサイズおよび所定のピッチは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0085】
コンタクトホール133およびコンタクトプラグ131は、コンタクトホール33およびコンタクトプラグ31と同様に、平面視において、隣り合う4つの基板間導通電極15の各角に囲まれた隙間に設けられる。
【0086】
複数のコンタクトプラグ131は、複数のコンタクトプラグ31と同様に、所定のピッチで配置される。
本実施形態において、複数のコンタクトプラグ131の所定のピッチは、複数のコンタクトプラグ31の所定のピッチと同様に、約7μmである。なお、前述したコンタクトプラグ131の所定のピッチは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0087】
外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17も、前述した基板間導通電極15と同様に構成される。
【0088】
1.7.素子基板の表示領域の光学機能層の断面構造
図7は、図6のC-C線に沿う断面図であり、光学機能層LSの断面構造を示す。
【0089】
透光層22および保護層24との合計の層厚は、約0.3μmから約1μmであり、好適には、約0.5μmである。
コンタクトホール23は、逆四角錐台の形状を有し、透光層22および保護層24を貫通して、コンタクトホール23の底に、中継層20を露出する。
【0090】
コンタクトホール23の内径は、約1μmである。コンタクトホール23の深さは、透光層22および保護層24との合計の層厚と同様に、約0.3μmから約1μmであり、好適には、約0.5μmである。
したがって、コンタクトホール23のアスペクト比=深さ/内径は、約0.3以上約1以下であり、好適には、約0.5である。
【0091】
レンズ形成層35の層厚L1は、約3μmから約13μmであり、好適には、約7μmである。
コンタクトホール33は、逆四角錐台の形状を有し、レンズ形成層35を貫通して、コンタクトホール33の底に、中継層30を露出する。
【0092】
コンタクトホール33の内径D1は、約1μmである。また、コンタクトホール33の深さL1は、レンズ形成層35と同様に、約3μmから約13μmであり、好適には、約7μmである。
したがって、コンタクトホール33のアスペクト比=深さL1/内径D1は、約3以上約13以下であり、好適には、約7である。本実施形態において、コンタクトホール33のアスペクト比が、所定のアスペクト比に対応する。
【0093】
透光層42の層厚は、約3μmから約10μmであり、好適には、約5μmである。
コンタクトホール43は逆四角錐台の形状を有し、透光層42を貫通して、コンタクトホール43の底に、容量電極40を露出する。
【0094】
コンタクトホール43の内径は、約1μmである。また、コンタクトホール43の深さは、透光層42と同様に、約3μmから約10μmであり、好適には、約5μmである。
したがって、コンタクトホール43のアスペクト比=深さ/内径は、約3以上約10以下であり、好適には、約5である。
【0095】
本実施形態において、レンズ形成層35は、透光層42以上の層厚を有するように形成される。また、レンズ形成層35の層厚は、他の層間絶縁層よりも厚い。
したがって、コンタクトホール33は、他の層に設けられたコンタクトホールと比べて、最も高アスペクト比のコンタクトホールである。
【0096】
1.8.素子基板の周辺領域の光学機能層の断面構造
周辺領域A2において、周辺電極が設けられる領域は、図7と同様の断面構造を有する。換言すると、図7の表示領域A1の構成の符号を周辺領域A2の対応する構成の符号に置き換えると、周辺領域A2の周辺電極が設けられる領域の断面図となる。
【0097】
具体的には、透光層42は透光層142に、レンズ層34はレンズ層134に、透光層36は透光層136に、透光層22は透光層122に、および保護層24は保護層124に、それぞれ置き換えればよい。
【0098】
透光層122および保護層124の合計の層厚は、透光層22および保護層24と同様である。
コンタクトホール123の形状は、コンタクトホール23と同様に、逆四角錐台である。
【0099】
コンタクトホール123の内径は、コンタクトホール23と同様に、約1μmである。また、コンタクトホール123の深さは、コンタクトホール23と同様に、約0.3μmから約1μmである。
したがって、コンタクトホール123のアスペクト比=深さ/内径は、コンタクトホール23と同様に、約0.3以上約1以下であり、好適には、約0.5である。
【0100】
レンズ形成層135の層厚L2は、レンズ形成層35と同様に、約3μmから約13μmであり、好適には、約7μmである。
コンタクトホール133の形状は、コンタクトホール33と同様に、逆四角錐台である。
【0101】
コンタクトホール133の内径D2は、コンタクトホール33の内径D1と同様に、約1μmである。また、コンタクトホール133の深さL2は、コンタクトホール33の深さL1と同様に、約3μmから約13μmであり、好適には、約7μmである。
したがって、コンタクトホール133のアスペクト比=深さL2/内径D2は、コンタクトホール33と同様に、約3以上約13以下であり、好適には、約7である。本実施形態において、コンタクトホール133のアスペクト比が、所定のアスペクト比に対応する。
【0102】
透光層142の層厚は、透光層42と同様に、約3μmから約10μmであり、好適には、約5μmである。
コンタクトホール143の形状は、コンタクトホール43と同様に、逆四角錐台である。
【0103】
コンタクトホール143の内径は、コンタクトホール43と同様に、約1μmである。また、コンタクトホール143の深さは、コンタクトホール43と同様に、約3μmから約10μmであり、好適には、約5μmである。
したがって、コンタクトホール143のアスペクト比=深さ/内径は、コンタクトホール43と同様に、約3以上約10以下であり、好適には、約5である。
【0104】
本実施形態において、レンズ形成層135は、レンズ形成層35と同様に、透光層142以上の層厚を有するように形成される。また、レンズ形成層135の層厚は、レンズ形成層35と同様に、他の層間絶縁層よりも厚い。
したがって、コンタクトホール133は、コンタクトホール33と同様に、他の層に設けられたコンタクトホールと比べて、最も高アスペクト比のコンタクトホールである。
【0105】
1.9.変形例
前述した素子基板100の周辺領域A2の断面構造の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を、以下に例示する。
【0106】
1.9.1.変形例1
図8は、変形例1に係る周辺領域A2の断面構造を示す説明図であり、図5に示した素子基板100の周辺領域A2の断面構造の変形例を示す。図8は、特に、基板間導通電極15の断面構造を示す。
変形例1では、基板間導通電極15とそれと重なる各導電層の形状が、図5に示した例と異なる。
【0107】
変形例1において、基板間導通電極15は、連続して設けられる。具体的には、図5に示した基板間導通電極15が、複数個繋がって1つの基板間導通電極15を形成する。換言すると、変形例1において、基板間導通電極15は、画素電極10の平面視の大きさを第1のサイズとすると、第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する。
変形例1において、第2のサイズは、各対角線の長さが約600μmの多角形である。なお、前述した基板間導通電極15の第2のサイズは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0108】
同様に、中継層120、中継層130、中継層140、導電層150、中継層152、導電層160、および絶縁膜156も連続して設けられる。
変形例1において、中継層130は、中継層30の平面視の大きさを第3のサイズとすると、第3のサイズよりも大きい第4のサイズを有する。変形例1において、第4のサイズは、上述した基板間導通電極15の第2のサイズとほぼ同じである。
【0109】
変形例1において、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17などの他の周辺電極における断面構造も同様に構成される。
具体的には、外部端子9は、連続して設けられる。換言すると、変形例1において、外部端子9は、画素電極10の平面視の大きさを第1のサイズとすると、第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する。
変形例1において、外部端子9の第2のサイズは、縦の長さが約500μm、横の長さが40μmの矩形である。なお、前述した外部端子9の第2のサイズは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0110】
検査端子16は、連続して設けられる。換言すると、変形例1において、検査端子16は、画素電極10の平面視の大きさを第1のサイズとすると、第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する。
変形例1において、検査端子16の第2のサイズは、縦横の長さがそれぞれ約150μmの矩形である。なお、前述した検査端子16の第2のサイズは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0111】
モニター端子17は、連続して設けられる。換言すると、変形例1において、モニター端子17は、画素電極10の平面視の大きさを第1のサイズとすると、第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する。
変形例1において、モニター端子17の第2のサイズは、縦横の長さがそれぞれ約100μmの矩形である。なお、前述したモニター端子17の第2のサイズは、例示であって、適宜、変更してもよい。
【0112】
1.9.2.変形例2
図9は、変形例2に係る断面構造を示す説明図であり、図5に示した素子基板100の周辺領域A2の断面構造の変形例を示す。図9は、特に、基板間導通電極15の断面構造を示す。
変形例2では、レンズ形成層135の構成が、図8に示した変形例1の断面構造と異なる。
【0113】
変形例2において、レンズ形成層135は、基体90側に設けられた透光層132と透光層132上に設けられたレンズ層134とを含む。
変形例2において、レンズ層134は、基板間導通電極15側の面に、中央が凹んだ凹形状のレンズ面134sを有する。なお、図示しないが、変形例2では、表示領域A1のレンズ形成層35も同様の断面構造を有する。
【0114】
変形例2において、基板間導通電極15、中継層130、中継層140などは、変形例1と同様に、連続して設けられる。なお、基板間導通電極15、中継層130、中継層140などは、図5の例と同様に画素毎に分割された構造であってもよい。
【0115】
1.9.3.変形例3
図10は、変形例3に係る断面構造を示す説明図であり、図1のB-B線に沿う断面構造を示す。図10は、特に、周辺領域A2に設けられたアライメントマーク18の断面構造を示す。
【0116】
アライメントマーク18は、導電層160と同層に設けられ、導電層160と同一ないし同様の材料および同じ工程で形成される。本実施形態において、アライメントマーク18は、窒化チタン、アルミニウム、および窒化チタンの3層構造とすることが好ましい。
【0117】
アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ形成層135は、レンズ面134sを有さない。したがって、レンズ面134sが設けられている場合よりも、アライメントマーク18の読み取りの確実性を向上させることができる。
【0118】
変形例3では、アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ層134は、凹部134cを有する。
【0119】
1.9.4.変形例4
図11Aは、変形例4に係る断面構造を示す説明図であり、図10と同様に、図1のB-B線に沿う断面構造を示す。図11Aは、図10に示した断面構造の変形例を示す。
【0120】
変形例4は、変形例3と、アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ形成層135に、レンズ面134sを有する点で異なる。
変形例4の構成は、アライメントマーク18の読み取りの確実性が変形例3よりも低下する。しかし、レンズ形成層135の全域にレンズ面134sが形成されるため、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができる。したがって、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0121】
1.9.5.変形例5
図11Bは、変形例5に係る断面構造を示す説明図であり、図10と同様に、図1のB-B線に沿う断面構造を示す。図11Bは、図10に示した断面構造の変形例を示す。
【0122】
変形例5は、変形例3と同様に、アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ形成層135に、レンズ面134sを有さないが、アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ形成層135に、凹部134cを有さない点で異なる。
【0123】
1.9.6.変形例6
図11Cは、変形例6に係る断面構造を示す説明図であり、図10と同様に、図1のB-B線に沿う断面構造を示す。図11Cは、図10に示した断面構造の変形例を示す。
【0124】
変形例6は、特に、周辺領域A2のレンズ形成層135において、基板間導通電極15と平面視で重なる領域のみにレンズ面134sを設けている点、および、アライメントマーク18と平面視で重なるレンズ形成層135に、凹部134cを有さない点で異なる。
【0125】
図示しないが、変形例6において、レンズ面134sは、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などのその他の周辺電極と平面視で重なる領域のみに設けられる。
【0126】
1.9.7.変形例7
図11Dは、変形例7に係る断面構造を示す説明図であり、図10と同様に、図1のB-B線に沿う断面構造を示す。図11Dは、図10に示した断面構造の変形例を示す。
【0127】
変形例7は、図11Cに示した変形例6と同様に、特に、周辺領域A2のレンズ形成層135において、基板間導通電極15と平面視で重なる領域のみにレンズ面134sが設けられている点で、変形例3と異なる。なお、変形例7では、レンズ層134は、アライメントマーク18と平面視で重なる領域に、凹部134cを有する。
【0128】
以上、述べたとおり、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置300によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の液晶装置300は、第1基板としての基体90と、基体90に対向する第2基板としての基体210と、基体90と基体210との間に設けられた電気光学層としての液晶層Lcと、を備え、基体90は、表示領域A1に設けられた画素電極10と、周辺領域A2に設けられた周辺電極としての基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と、画素電極10と基体90との間に設けられたトランジスター1と、画素電極10とトランジスター1との間に設けられた第1中継電極としての中継層30と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と基体90との間に設けられ、中継層30と同層の第2中継電極としての中継層130と、画素電極10と中継層30との間に設けられ、第1レンズとしてのレンズ面34sと第1コンタクトホールとしてのコンタクトホール33とを有する第1レンズ形成層としてのレンズ形成層35と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層130との間に設けられ、第2レンズとしてのレンズ面134sと第2コンタクトホールとしてのコンタクトホール133とを有し、レンズ形成層35と同層の第2レンズ形成層としてのレンズ形成層135と、コンタクトホール33内に設けられ、画素電極10と中継層30とを電気的に接続する第1導電部材としてのコンタクトプラグ31と、コンタクトホール133内に設けられ、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層130とを電気的に接続する第2導電部材としてのコンタクトプラグ131と、を有する。
【0129】
このように、表示領域A1の画素電極10と中継層30との間において、レンズ形成層35は、レンズ面34sを有し、周辺領域A2の基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層130との間において、レンズ形成層135は、レンズ面134sを有する。換言すると、平面視において、画素電極10と重なるレンズ形成層35の構造と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と重なるレンズ形成層135の構造と、を同一ないし同様の構造とすることができる。
【0130】
したがって、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。換言すると、コンタクトホール33とコンタクトホール133とのプロセスウィンドウが確保しやすくなる。
【0131】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。したがって、画素電極10、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17などの各電極の高さが揃うため、検査工程などで、電極にプローブを接触させる制御が容易になり、検査工程の効率化や信頼性を向上させることができる。
【0132】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1レンズとしてのレンズ面34sと第2レンズとしてのレンズ面134sとは、それぞれ所定のピッチで配置される。換言すると、レンズ面134sは、レンズ面34sと同一ないし同様のピッチで配置される。
【0133】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0134】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0135】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1レンズとしてのレンズ面34sと第2レンズとしてのレンズ面134sとは、それぞれ所定のサイズを有する。換言すると、レンズ面134sは、レンズ面34sと同一ないし同様のサイズを有する。
【0136】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0137】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0138】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1レンズとしてのレンズ面34sと第2レンズとしてのレンズ面134sとは、所定の形状を有する。換言すると、レンズ面134sは、レンズ面34sと同一ないし同様のサイズを有する。
【0139】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0140】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0141】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1導電部材としてのコンタクトプラグ31と第2導電部材としてのコンタクトプラグ131とは、それぞれ所定のピッチで配置される。換言すると、コンタクトプラグ131は、コンタクトプラグ31と同一ないし同様のピッチで配置される。
【0142】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0143】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0144】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1コンタクトホールとしてのコンタクトホール33と第2コンタクトホールとしてのコンタクトホール133とは、それぞれ所定のアスペクト比を有する。換言すると、コンタクトホール133は、コンタクトホール33と同一ないし同様の所定のアスペクト比を有する。
【0145】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とにおいて、レンズ形成層35とレンズ形成層135とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0146】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0147】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、所定のアスペクト比は、3以上13以下である。
【0148】
したがって、それぞれが同一ないし同様の高アスペクト比を有するコンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0149】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0150】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1基板としての基体90は、周辺領域A2において、第2レンズ形成層としてのレンズ形成層135と基体90との間に設けられた光学読み取りマークとしてのアライメントマーク18と、を有し、アライメントマーク18は、平面視で、第2レンズとしてのレンズ面134sと重ならない。
【0151】
したがって、アライメントマーク18の読み取りが容易となり、検査工程しやすくなる。コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度をさらに下げることができる。
【0152】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0153】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、画素電極10は、平面視において、所定のサイズを有し、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極は、平面視において、画素電極10と同一ないし同様の所定のサイズを有する。
【0154】
したがって、表示領域A1と周辺領域A2とを同一ないし同様の構造とすることができるため、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。
【0155】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0156】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、画素電極10は、平面視において、第1のサイズを有し、周辺電極としての基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17は、平面視において、第1のサイズより大きい第2のサイズを有する。
【0157】
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0158】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、第1中継電極としての中継層30は、平面視において、第3のサイズを有し、第2中継電極としての中継層130は、平面視において、第3のサイズよりも大きい第4のサイズを有する。
【0159】
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0160】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1導電部材としてのコンタクトプラグ31と第2導電部材としてのコンタクトプラグ131とは、タングステンまたはタングステンを含む導電材料からなる。
【0161】
タングステンは、他の導電材料に比べて、高アスペクト比で微細な構造のコンタクトプラグを形成するのに適している。したがって、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ131とに、タングステンまたはタングステンを含む導電材料を用いることで、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ131との加工の難易度を下げることができる。
【0162】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0163】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、周辺電極は、第1基板としての基体90と第2基板としての基体210との間を電気的に接続する基板間導通電極15である。
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0164】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、周辺電極は、外部端子9である。
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、外部端子9と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0165】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、周辺電極は、検査端子16である。
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、検査端子16と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0166】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、周辺電極は、モニター端子17である。
したがって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、モニター端子17と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
【0167】
本実施形態の液晶装置300は、第1基板としての基体90と、基体90に対向する第2基板としての基体210と、基体90と基体210との間に設けられた電気光学層としての液晶層Lcと、を備え、基体90は、表示領域A1に設けられた画素電極10と、周辺領域A2に設けられた周辺電極としての基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と、画素電極10と基体90との間に設けられたトランジスター1と、画素電極10とトランジスター1との間に設けられた第1中継電極としての中継層30と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と基体90との間に設けられ、中継層30と同層の第2中継電極としての中継層130と、画素電極10と中継層30との間に設けられた第3中継電極としての中継層20と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層130との間に設けられ、中継層20と同層の第4中継電極としての中継層120と、中継層20と中継層30との間に設けられ、第1レンズとしてのレンズ面34sと第1コンタクトホールとしてのコンタクトホール33とを有する第1レンズ形成層としてのレンズ形成層35と、中継層120と中継層130との間に設けられ、第2レンズとしてのレンズ面134sと第2コンタクトホールとしてのコンタクトホール133とを有し、レンズ形成層35と同層の第2レンズ形成層としてのレンズ形成層135と、コンタクトホール33内に設けられ、画素電極10と中継層30とを電気的に接続する第1導電部材としてのコンタクトプラグ31と、コンタクトホール133内に設けられ、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層130とを電気的に接続する第2導電部材としてのコンタクトプラグ131と、を有する。
【0168】
このように、表示領域A1の中継層20と中継層30との間において、レンズ形成層35は、レンズ面34sを有し、周辺領域A2の中継層120と中継層130との間において、レンズ形成層135は、レンズ面134sを有する。換言すると、平面視において、画素電極10と重なるレンズ形成層35の構造と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と重なるレンズ形成層135の構造と、を同一ないし同様の構造とすることができる。
【0169】
したがって、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。換言すると、コンタクトホール33とコンタクトホール133とのプロセスウィンドウが確保しやすくなる。
【0170】
よって、画素電極10と中継層30との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層130との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0171】
2.実施形態2
実施形態2に係る電気光学装置としての液晶装置300の概略構成について、図12および図13を参照して説明する。
図12は、実施形態2に係る液晶装置300において、素子基板100の表示領域A1の断面構造を示す説明図である。図13は、実施形態2に係る液晶装置300において、素子基板100の周辺領域A2の断面構造を示す説明図である。
【0172】
実施形態2は、光学機能層LSに中継層20および中継層120ならびに中継層30および中継層130を有さない点で実施形態1と異なる。なお、実施形態1と同一ないし同様の構成には、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0173】
2.1.素子基板の表示領域の断面構造
図12に示すように、実施形態2は、光学機能層LSに中継層20および中継層30を有さない。したがって、コンタクトホール33は、保護層24、透光層22、透光層36、レンズ層34、および透光層42を貫通し、コンタクトホール33の底に、容量電極40を露出する。
【0174】
実施形態2において、容量電極40は、第1中継電極の一例である。また、コンタクトホール33は、第1コンタクトホールの一例である。また、レンズ形成層35は、第1レンズ形成層の一例である。
【0175】
実施形態2において、コンタクトホール33の深さL3は、約3.3~21μmであり、好適には、12.5μmである。また、コンタクトホール33の内径D3は、約1μmである。したがって、コンタクトホール33のアスペクト比=深さL3/内径D3は、約3.3~21であり、好適には、12.5である。
【0176】
2.2.素子基板の周辺領域の断面構造
図13に示すように、実施形態2では、光学機能層LSに中継層120および中継層130を有さない。したがって、コンタクトホール133は、保護層124、透光層122、透光層136、レンズ層134、および透光層142を貫通し、コンタクトホール133の底に、中継層140を露出する。
【0177】
実施形態2において、中継層140は、第2中継電極の一例である。コンタクトホール133は、第2コンタクトホールの一例である。レンズ形成層135は、第2レンズ形成層の一例である。
【0178】
実施形態2において、コンタクトホール133の深さL4は、コンタクトホール33の深さL3と同様に、約3.3~21μmであり、好適には、12.5μmである。また、コンタクトホール133の内径D4は、コンタクトホール33の内径D4と同様に、約1μmである。
したがって、コンタクトホール133のアスペクト比=深さL4/内径D4は、コンタクトホール33のアスペクト比と同様に、約3.3~21であり、好適には、12.5である。
【0179】
図13では、基板間導通電極15における断面構造を示したが、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17などの他の周辺電極における断面構造も同様に構成される。
【0180】
2.3.変形例
実施形態2において、素子基板100の周辺領域A2の断面構造の形態は、多様に変形され得る。具体的な変形の態様を、以下に例示する。
【0181】
2.3.1.変形例8
図14は、変形例8に係る断面構造を示す説明図であり、図13に示した素子基板100の周辺領域A2の断面構造の変形例を示す。
【0182】
変形例8において、基板間導通電極15は、連続して設けられる。具体的には、図13に示した基板間導通電極15が、複数個繋がって1つの基板間導通電極15を形成する。換言すると、変形例8において、基板間導通電極15は、画素電極10の平面視の大きさを第1のサイズとすると、第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する。
【0183】
同様に、中継層140、導電層150、中継層152、導電層160、および絶縁膜156も連続して設けられる。
変形例8において、中継層140は、容量電極40の平面視の大きさを第3のサイズとすると、第3のサイズよりも大きい第4のサイズを有する。変形例8において、第4のサイズは、上述した第2のサイズとほぼ同じである。
【0184】
変形例8において、外部端子9、検査端子16、およびモニター端子17などの他の周辺電極における断面構造も同様に構成される。
【0185】
2.3.2.変形例9
上述した実施形態1,2において、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と画素電極10とは、それぞれ光学機能層LS上に設けられる。
変形例9では、当該光学機能層LSの構成を表示領域A1と周辺領域A2とで、一部、異ならせる。
【0186】
具体的には、周辺領域A2は、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と透光層136との間に、透光層122を有さない構成とする。この構成は、例えば、透光層22および透光層122を成膜した後、周辺領域A2の透光層122のみを取り除くことで、実現できる。
【0187】
透光層122および透光層22の層厚は、レンズ形成層35およびレンズ形成層135に比べて薄い。したがって、このような構成としても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0188】
以上、述べたとおり、実施形態2の電気光学装置としての液晶装置300によれば、実施形態1の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0189】
実施形態2の液晶装置300は、第1基板としての基体90と、基体90に対向する第2基板としての基体210と、基体90と基体210との間に設けられた電気光学層としての液晶層Lcと、を備え、基体90は、表示領域A1に設けられた画素電極10と、周辺領域A2に設けられた周辺電極としての基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と、画素電極10と基体90との間に設けられたトランジスター1と、画素電極10とトランジスター1との間に設けられた第1中継電極としての容量電極40と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と基体90との間に設けられ、容量電極40と同層の第2中継電極としての中継層140と、画素電極10と容量電極40との間に設けられ、第1レンズとしてのレンズ面34sと第1コンタクトホールとしてのコンタクトホール33とを有する第1レンズ形成層としてのレンズ形成層35と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層140との間に設けられ、第2レンズとしてのレンズ面134sと第2コンタクトホールとしてのコンタクトホール133とを有し、レンズ形成層35と同層の第2レンズ形成層としてのレンズ形成層135と、コンタクトホール33内に設けられ、画素電極10と容量電極40とを電気的に接続する第1導電部材としてのコンタクトプラグ31と、コンタクトホール133内に設けられ、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層140とを電気的に接続する第2導電部材としてのコンタクトプラグ131と、を有する。
【0190】
このように、表示領域A1の画素電極10と容量電極40との間において、レンズ形成層35は、レンズ面34sを有し、周辺領域A2の基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と中継層140との間において、レンズ形成層135は、レンズ面134sを有する。換言すると、平面視において、画素電極10と重なるレンズ形成層35の構造と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17と重なるレンズ形成層135の構造と、を同一ないし同様の構造とすることができる。
【0191】
したがって、コンタクトホール33とコンタクトホール133との加工の難易度を下げることができる。換言すると、コンタクトホール33とコンタクトホール133とのプロセスウィンドウが確保しやすくなる。
【0192】
よって、画素電極10と容量電極40との間の電気的導通の信頼性と、基板間導通電極15、外部端子9、検査端子16、またはモニター端子17などの周辺電極と中継層140との間の電気的導通の信頼性と、を両立することができる。
さらには、表示領域A1と周辺領域A2とにおけるグローバル段差が緩和される。
【0193】
3.実施形態3
図15は、電子機器の一例を示す模式図であり、電子機器としての投射型表示装置1000の概略構成を示す模式図である。
投射型表示装置1000は、例えば、上述した液晶装置300を3枚備えた3板式のプロジェクターである。液晶装置300Rは赤色の表示色に対応し、液晶装置300Gは緑色の表示色に対応し、液晶装置300Bは青色の表示色に対応する。制御部1005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、液晶装置300R,300G,300Bの動作を制御する。
【0194】
照明光学系1001は、光源である照明装置1002からの出射光のうち赤色成分RLを液晶装置300Rに供給し、緑色成分GLを液晶装置300Gに供給し、青色成分BLを液晶装置300Bに供給する。各液晶装置300R,300G,300Bは、照明光学系1001から供給される各色光RL,GL,BLを表示画像に応じて変調する光変調装置として機能する。
投射光学系1003は、液晶装置300R、液晶装置300G、および液晶装置300Bからの出射光を合成してスクリーン1004に投射する。
【0195】
以上、述べたとおり、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、上述した液晶装置300を備える。
よって、電気的な信頼性の高い液晶装置300を採用することで、投射型表示装置1000の性能を向上させることができる。
【0196】
なお、電子機器は、例示した3板式のプロジェクターに限定されない。例えば、単板式、2板式、または、4枚以上の液晶装置300を備えたプロジェクターであってもよい。また、電子機器は、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、カメラ、テレビ、カーナビゲーション装置、パソコン、ディスプレイ、電子ペーパー、電卓、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器などであってもよい。
【0197】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、上述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0198】
1…トランジスター、2…容量素子、3…走査線、4…データ線、5…容量線、6…走査線駆動回路、7…データ線駆動回路、8…シール部材、9…外部端子、10…画素電極、12…配向膜、15…基板間導通電極、16…検査端子、17…モニター端子、18…アライメントマーク、20,30…中継層、21,31,41…コンタクトプラグ、22,36,42…透光層、23,33,43,51,61,71,73,81…コンタクトホール、24…保護層、34…レンズ層、34b…境界線、34s…レンズ面、35…レンズ形成層、40,50…容量電極、40a,40b…突出部、40w…幅広部、52,62…中継層、54,64,76,82…層間絶縁層、56…容量絶縁膜、60…導電層、70…半導体層、72…ゲート絶縁層、74…ゲート電極、80…遮光層、90…基体、100…素子基板、120,130,140,152…中継層、121,131,141…コンタクトプラグ、122,136,142…透光層、123,133,143,151,161…コンタクトホール、124…保護層、134…レンズ層、134c…凹部、134s…レンズ面、135…レンズ形成層、150…導電層、154,164,176,182…層間絶縁層、156…絶縁膜、160…導電層、172…ゲート絶縁層、180…遮光層、200…対向基板、210…基体、220…絶縁層、230…共通電極、240…配向膜、300,300B,300G,300R…液晶装置、1000…投射型表示装置、1001…照明光学系、1002…照明装置、1003…投射光学系、1004…スクリーン、1005…制御部、A1…表示領域、A2…周辺領域、E1…画像信号、G1…走査信号、LS…光学機能層、Lc…液晶層、IL…入射光、ML…変調光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15