(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169051
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】浴室
(51)【国際特許分類】
A47K 4/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086232
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】乘松 香
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132GA04
(57)【要約】
【課題】載置台を使用しやすい浴室を提供する。
【解決手段】使用者が入浴する入浴空間を有する浴槽2と、洗い場3と、を備え、浴槽は、洗い場と入浴空間の間に配置される槽側壁部22を備え、洗い場には、水栓5と、載置台4と、が配置され、水栓は、水または湯を吐出する吐出口53を有する水栓本体51を備え、載置台は、物品を載置可能な載置面を備えるとともに、載置面が、槽側壁部の上面よりも上方、且つ、吐出口よりも下方に位置するように配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が入浴する入浴空間を有する浴槽と、洗い場と、を備え、
前記浴槽は、前記洗い場と前記入浴空間の間に配置される槽側壁部を備え、
前記洗い場には、水栓と、載置台と、が配置され、
前記水栓は、水または湯を吐出する吐出口を有する水栓本体を備え、
前記載置台は、
物品を載置可能な載置面を備えるとともに、
該載置面が、前記槽側壁部の上面よりも上方、且つ、前記吐出口よりも下方に位置するように配置される浴室。
【請求項2】
床面と、床面から立設されるとともに前記載置台が突設される壁面と、を備え、
前記載置台は、
前記載置面を有する載置本体部と、
上面に物品を載置可能なラックと、を備え、
前記ラックは、前記載置本体部と前記壁面の間に配置される、請求項1に記載の浴室。
【請求項3】
前記ラックの上面は、前記載置面よりも下方に位置している、請求項2に記載の浴室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に関する。
【背景技術】
【0002】
上記浴室として、例えば、特許文献1に記載の浴室用カウンターを有する浴室が知られている。浴室は、洗い場と、浴槽と、を備え、洗い場の壁に浴槽に隣接して配置される浴室用カウンターと、浴室用カウンターの上方に配置される水栓と、が設けられている。
【0003】
上記の浴室では、浴室用カウンターに洗面器などを載せ、水栓から該洗面器に給湯することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の浴室用カウンターは、位置が低く、浴室用カウンターを使用する際には、使用者が姿勢を低くして使う必要があった。そのため、浴室用カウンターを使用しづらかった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、載置台を使用しやすい浴室の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浴室は、使用者が入浴する入浴空間を有する浴槽と、洗い場と、を備え、前記浴槽は、前記洗い場と前記入浴空間の間に配置される槽側壁部を備え、前記洗い場には、水栓と、載置台と、が配置され、前記水栓は、水または湯を吐出する吐出口を有する水栓本体を備え、前記載置台は、物品を載置可能な載置面を備えるとともに、該載置面が、前記側壁部の上面よりも上方、且つ、前記吐出口よりも下方に位置するように配置される。
【0008】
上記構成の浴室によれば、載置面が槽側壁部の上面よりも上方に設けられるので、載置台の位置を高くでき、使用者が載置台を使用する際に姿勢を低くすることを抑制できる。よって、載置台を使用しやすい。
【0009】
本発明の浴室において、床面と、床面から立設されるとともに前記載置台が突設される壁面と、を備え、前記載置台は、前記載置面を有する載置本体部と、上面に物品を載置可能なラックと、を備え、前記ラックは、前記載置本体部と前記壁面の間に配置されるように構成することもできる。
【0010】
上記構成の浴室によれば、載置本体部よりも壁面側に物品を載置可能であるので、載置面を広く使うことができ、載置台を使用しやすい。
【0011】
本発明の浴室は、前記ラックの上面は、前記載置面よりも下方に位置しているように構成することもできる。
【0012】
上記構成の浴室によれば、ラックに載置された物品の壁面と反対側かつ上方に載置本体部が位置しているので、物品が壁面と反対側に移動したり倒れたりすることを抑制できる。よって、壁面と反対側に移動したり倒れたりした物品により、載置台が使用しづらくなることを抑制できるので、載置台を使用しやすい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の浴室は、載置台を使用しやすいという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる浴室を示す正面図である。
【
図7】同浴室の水栓、水栓載置部、及び、手摺部を示す斜視図である。
【
図8】同水栓、水栓載置部、及び、手摺部を示す平面図である。
【
図10】本発明の別実施形態にかかる浴室の載置台を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態にかかる浴室1について、
図1乃至
図9を参照して説明する。前後方向、上下方向、及び奥行方向は、後述する載置台4を使用する使用者を基準に説明するものとし、具体的には
図1及び
図2に記載の方向を基準に説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、浴室1は、床面11と、床面11から立設される壁面12と、天井面(図示しない)と、に囲まれた部屋であり、内部に浴槽2と洗い場3と、を備える。具体的に、壁面12は、左壁面121と、右壁面122と、奥壁面123と、手前壁面124と、を備え、浴室1は、全体として直方体状である。本実施形態の浴室1では、浴槽2が浴室1の右端に配置されており、浴槽2よりも左側の部分が洗い場3として構成されている。
【0017】
浴槽2は、槽底部21と槽底部21の周縁から立設される槽側壁部22と、を備え、槽底部21及び槽側壁部22に囲まれた入浴空間2aを形成する。入浴空間2aは、湯を溜めることができ、湯を溜めた状態で使用者が入浴可能な空間である。また、浴槽2は、湯を入浴空間2a内に噴出する噴出部23を備える。槽底部21は、入浴空間2aの底を形成する部分であり、入浴空間2a内の湯を受けることができるように構成されている。浴槽2は、左右方向に比べて奥行方向長さが長い形状である。槽底部21は、洗い場3の床面11と略同じ高さ又は床面11よりも上方に位置している。具体的には、槽底部21は、後述する排水溝32の下端部よりも上面が上方に位置している。
【0018】
槽側壁部22は、入浴空間2aの側方の端を形成する部分であり、水平方向における入浴空間2aの周囲を取り囲むように配置されている。具体的に、槽側壁部22は、槽底部21から立ち上がるように延びる立ち上がり部221と、立ち上がり部221の上端部から水平方向で入浴空間2aの外側に延び、槽側壁部22の上面を構成するフランジ部222と、を備える。また、槽側壁部22は、浴槽2の長手方向(奥行方向)に延びる一対の長手壁部22Lと、浴槽2の短手方向(左右方向)に延びる一対の短手壁部22Sと、を備える。一対の長手壁部22Lは浴槽2の短手方向で離間して配置されており、短手壁部22Sは、一対の長手壁部22Lの間にわたって延びるように、浴槽2の長手方向で離間して配置されている。また、隣接して配置される短手壁部22Sの立ち上がり部221と長手壁部22Lの立ち上がり部221、及び、隣接して配置される短手壁部22Sのフランジ部222と長手壁部22Lのフランジ部222は連続して延びるように設けられている。
【0019】
フランジ部222は、上面が水平方向の所定の幅を有する。本実施形態のフランジ部222は、略水平に延びる平坦な上面を有する。即ち、本実施形態の浴槽2の上面は平坦な面である。なお、フランジ部222が平坦でない構成、例えば、フランジ部222の途中に段が形成されている構成や、フランジ部222が全体的に入浴空間2aの内側又は外側が下になるように傾いた構成とすることもできる。
【0020】
本実施形態で、一対の短手壁部22S及び右側に位置する長手壁部22Lは、浴室1の壁面12に当接又は近接して配置されている。具体的に、一対の短手壁部22Sのそれぞれのフランジ部222及び右側に位置する長手壁部22Lのフランジ部222は、浴室1の壁面12に対して当接又は近接して配置されている。なお、「近接して配置されている」とは、浴槽2を浴室1内に入れるために必要な程度の隙間があることを指し、具体的には、5mm未満の間隔をあけて配置されていることを指す。
【0021】
一対の短手壁部22Sのフランジ部222は、浴室1の壁面12から入浴空間2aに近づく方向に延びている。具体的に、奥側に位置する短手壁部22Sのフランジ部222は、奥壁面123に対して手前側に延びている。
【0022】
左側に位置する長手壁部22Lは、洗い場3と入浴空間2aの間に配置され、洗い場3と入浴空間2aを仕切っている。具体的に、長手壁部22Lは、立ち上がり部221と、立ち上がり部221の上端から左側に(洗い場3に向かって)延びるフランジ部222と、フランジ部222の左端部から下方に延びるエプロン部223と、を備える。即ち、左側に位置する長手壁部22Lのうち、立ち上がり部221は入浴空間2aに面し、エプロン部223は洗い場3に面し、フランジ部222は、洗い場3と入浴空間2aの間に位置する。
【0023】
以上のような浴槽2の入浴空間2aに入る使用者は、洗い場3と入浴空間2aの間に位置する槽側壁部22(長手壁部22L)をまたいで入浴空間2aに移動する。
【0024】
図1及び
図2に示すように、洗い場3は、載置台4と、水栓5と、水栓載置部6と、手摺部7と、鏡31と、を備える。載置台4、水栓5、水栓載置部6、手摺部7、及び、鏡31は、浴室1の壁面12に設けられている。本実施形態では、同一の壁面12(奥壁面123)に、載置台4、水栓5、水栓載置部6、及び、鏡31が設けられている。また、洗い場3には、排水溝32が設けられる。排水溝32は、床面11に形成された下方に凹となった部分であり、洗い場3の床面11は全体的に排水溝32側が下側となるように傾斜している。
【0025】
図3乃至
図6に示すように、載置台4は、奥壁面123から手前側に突出するように設けられるとともに、上面の載置面42aに物品を置くことができるように構成されている。具体的に、載置台4は、壁面12に取り付けられる載置支持部41と、載置支持部41に支持される載置本体部42及びラック43と、を備える。載置本体部42及びラック43は載置支持部41に対して着脱可能であり、載置支持部41は、ラック43及び載置本体部42を同時に支持可能に構成されている。
【0026】
図3及び
図4に示すように、載置支持部41は、壁面12に取り付けられる壁面取付部44と、載置本体部42を支持する本体支持部45と、ラック43を支持するラック支持部46と、を備える。壁面取付部44は、載置支持部41の奥側の端部に位置する。また、壁面取付部44は、上下方向に延びる平坦な取付面44aと、取付面44aの上端部から手前側に延びる奥側上面44bと、を有する。壁面取付部44は、取付面44aを浴室1の壁面12(奥壁面123)に当接させて、固定手段(例えばねじや接着剤など)を用いて壁面12に取り付けることができる。このような載置支持部41は、左右方向に離間して複数配置されており、複数の載置支持部41で1つの載置本体部42及びラック43を支持するように構成されている。
【0027】
図5及び
図6に示すように、本体支持部45は、載置本体部42を下方から支持するとともに、支持する載置本体部42に係合して載置本体部42の移動を規制するように構成されている。具体的に、本体支持部45は、手前側の端部に位置し、載置本体部42の手前側の端部(手前側係止部422)と係合する支持先端部451と、載置本体部42の奥側の端部(奥側係止部423)と係合する支持嵌合部452と、載置本体部42の下面に下方から当接する当接突起部453と、を備える。
【0028】
支持先端部451は、載置本体部42の先端部に対応した形状であり、載置本体部42の先端部に形成される空間(手前係止空間422a)に嵌入可能に構成されている。具体的に、支持先端部451は、上下方向長さにおいて、手前側が奥側よりも短くなるように構成された部分である。
【0029】
支持嵌合部452は、後述する奥側係止部423が嵌合可能な部分である。具体的に、支持嵌合部452は、手前側に位置する手前嵌合壁454と、奥側に位置する奥側嵌合壁455と、奥行方向で手前嵌合壁454と奥側嵌合壁455の間に亘って延びる嵌合下面部456と、を備え、手前嵌合壁454、奥側嵌合壁455及び嵌合下面部456によって下方に凹となる嵌合空間45aを形成している。
【0030】
手前嵌合壁454は、載置本体部42の奥側係止部423の形状に即した形状であり、具体的には、嵌合空間45aを形成する面(奥側の面)が奥側係止部423の手前側の面の形状に対応した形状である。即ち、手前嵌合壁454は、嵌合空間45aに嵌入した奥側係止部423の手前側の面が全体的に当接可能となるように構成されている。
【0031】
奥側嵌合壁455は、手前側に突出する嵌合突起457を有する壁体である。また、奥側嵌合壁455の上面は、支え面455aとして構成されている。支え面455aは、左右方向及び奥行方向に一定の幅を有する略平坦な面であり、載置本体部42を載置支持部41から取り外す際に支えとなる。また、支え面455aは、載置支持部41に支持された載置本体部42の上面よりも下方に位置する面であり、本実施形態では当接突起部453の上面と略同一の高さ又は当接突起部453の上面よりも下方に位置している。さらに、支え面455aは、奥側上面44b及び後述するラック支持底面461よりも上方に位置している。つまり、本実施形態の本体支持部45(載置台4)において、支え面455aよりも奥側に配置される構成はすべて支え面455aよりも下方に位置している。
【0032】
嵌合突起457は、奥側嵌合壁455の上端部に設けられた手前側に突出する突起である。嵌合突起457は、後述する載置本体部42の第一凹部426及び第二凹部427と嵌合可能な突起である。
【0033】
当接突起部453は、本体支持部45の上面に形成された突起部分であり、奥行方向で離れて複数設けられている。本実施形態で当接突起部453は、奥行方向に離れて2か所に設けられており、手前側に設けられた当接突起部453の上端面が、奥側に設けられた当接突起部453の上端面よりも高い位置に位置するように構成されている。
【0034】
ラック支持部46は、本体支持部45よりも奥側(奥壁面123側)、具体的には奥側嵌合壁455よりも奥側に設けられた、ラック43を支持可能な部分である。ラック支持部46は、ラック43を下方から支持するラック支持底面461と、ラック支持底面461の手前側の端部から上方に延びるラック支持手前面462と、ラック支持底面461の奥側の端部から上方に延びるラック支持奥面463と、を備え、ラック支持底面461、ラック支持手前面462、及び、ラック支持奥面463によって下方に凹となったラック支持空間46aが形成される。ラック支持空間46aは、手前側と奥側が囲まれるとともに、左右の両端が解放された空間である。また、奥行方向におけるラック支持奥面463からラック支持手前面462までの距離(ラック支持空間46aの奥行方向長さ)は、後述するラック43のラック本体431における奥行方向長さと略等しい。
【0035】
ラック支持底面461は、載置支持部41の上面に形成された略平坦な面である。本実施形態でラック支持底面461は、奥側上面44bよりも下方に位置している。
【0036】
ラック支持手前面462は、上下方向に延びる面であり、下端がラック支持底面461の手前側の端部と接続され、上端が支え面455aの奥側の端部と接続されている。つまり、ラック支持手前面462は、奥側上面44bよりも上方まで延びる。
【0037】
ラック支持奥面463は、上下方向に延びる面であり、下端がラック支持底面461の奥側の端部と接続され、上端が奥側上面44bの手前側の端部と接続されている。つまり、ラック支持奥面463は、ラック支持手前面462よりも上下方向長さが短い。
【0038】
図3及び
図4に示すように。載置本体部42は、上面が載置面42aとして構成されるとともに、載置支持部41に係合可能に構成されている。本実施形態の載置本体部42は、左右方向及び奥行方向に延びる板状体であり、上面が平坦な載置面42aとして構成されている。本実施形態の載置本体部42は、左右方向長さが、載置支持部41同士の左右方向における離間距離よりも長い。
図5及び
図6に示すように、載置本体部42は、板状で上面が載置面42aとして構成された載置板部421と、載置板部421の手前側の端部と接続された手前側係止部422と、載置板部421の奥側の端部と接続された奥側係止部423と、を備える。載置板部421は、上面及び下面が平坦な板状体である。
【0039】
手前側係止部422は、載置板部421の手前側の端部から下方に延びる部分であり、支持先端部451と係合可能な部位である。具体的に、手前側係止部422は、載置板部421から下方かつ奥側に向かって延びる板状の部分であり、載置板部421の下面との間に支持先端部451が嵌合可能な手前係止空間422aを形成する。
【0040】
奥側係止部423は、載置本体部42の下面から下方に延びる部分であり、支持嵌合部452に嵌合可能な部分である。具体的に、奥側係止部423は、奥側係止部423の奥側の面である奥側係止面424と、奥側係止部423の手前側の面である手前側係止面425と、を備える。
【0041】
奥側係止面424には、奥側から手前側に向かって凹となる第一凹部426及び第一凹部426よりも上方に位置する第二凹部427が形成されている。第一凹部426及び第二凹部427には、嵌合突起457が嵌合可能である。また、上下方向における第一凹部426と第二凹部427の間には奥側に突出する係止突起428が配置されている。
【0042】
手前側係止面425は、第二凹部427に嵌合突起457が嵌合した際に、手前嵌合壁454に当接可能に構成されている。即ち、手前側係止面425は、手前嵌合壁454に対応した形状の面である。
【0043】
図3乃至
図6に示すように、ラック43は、上面に物品を載置可能に構成された部分である。具体的に、ラック43は、上面に載置された物品を支持するラック本体431と、ラック係止部432と、を備える。
【0044】
ラック本体431は、左右方向に延びる棒状体であるラック棒部433を複数備える。本実施形態で、ラック棒部433は、奥行方向に離間して2本設けられており、複数のラック棒部433にまたがるように配置された物品を支持することができる。また、複数のラック棒部433の間には隙間が形成されている。本実施形態のラック本体431の奥行方向における幅は、奥行方向におけるラック支持手前面462とラック支持奥面463の距離と略同じである。さらに、本実施形態のラック棒部433は、ラック係止部432によって互いに連結されている。
【0045】
図3及び
図4に示すように、ラック係止部432は、載置支持部41に対して係止する部位である。具体的に、ラック係止部432は、ラック本体431の延伸方向(左右方向)と交差する方向に延びる鍔状の部位であり、載置支持部41に左右方向のいずれか一方から当接して係止可能である。本実施形態で、ラック係止部432は、ラック本体431の延伸方向(左右方向)に離間して一対配置されており、一方のラック係止部432が載置支持部41に対して左側から当接し、他方のラック係止部432が載置支持部41に対して右側から当接する。
【0046】
以上のような構成の載置支持部41に載置本体部42を取り付ける際には、
図6に示すように、まず、手前側係止部422を支持先端部451に係止させてから、奥側係止部423を嵌合空間45aに入れ、支持嵌合部452と嵌合させる。ここで、手前側係止部422を支持先端部451に係止させた際には、嵌合突起457が第一凹部426に嵌合した、仮装着状態J1となり、その状態で載置本体部42が係止する。嵌合突起457が第一凹部426に嵌合した状態で、載置面42aは手前側が奥側よりも下側に位置するように傾斜した状態となる。
図5に示すように、この状態から、載置本体部42の奥側の端部を下方に押し込むことで、嵌合突起457が係止突起428を乗り越えて、第二凹部427に嵌合した装着状態J2となる。嵌合突起457が第一凹部426に嵌合した状態で、載置面42aは、奥側が手前側よりも下側に位置するように傾斜した状態となる。また、装着状態J2の載置本体部42は、載置面42aが支え面455aよりも上方に位置する状態となる。このように、載置本体部42は、手前側と奥側の2か所で支持されるので、安定した状態となる。載置支持部41に取り付けられた載置支持部41は、奥壁面123に対して手前側に離間して位置している。
【0047】
載置支持部41にラック43を取り付ける場合には、ラック支持部46にラック本体431を載置する。載置されたラック本体431は、ラック支持底面461によって支持される。ここで、ラック支持奥面463とラック支持手前面462の距離が、ラック本体431の奥行方向長さと略等しいので、ラック本体431の奥行方向への移動が規制され、また、ラック係止部432が載置支持部41に対して係止することで、ラック本体431の左右方向への移動が規制される。よって、ラック43は載置支持部41に取り付けられて、奥行方向及び左右方向への移動が規制された状態となる。ここで、載置支持部41に取り付けられたラック本体431の上面(ラック棒部433の上端部)は、奥側上面44bよりも上方かつ支え面455aよりも下方に位置しており、浴槽2のフランジ部222よりも上方に位置している。また、ラック43は、奥行方向で、奥壁面123と載置本体部42の間に位置している。
【0048】
載置支持部41から載置本体部42を取り外す際には、支え面455aに指をかけて支えとしつつ、載置本体部42の奥側の端部を下方から上方に持ち上げる。すると、嵌合突起457が係止突起428を乗り越えて、第二凹部427との嵌合が解除され、仮装着状態J1となる。そして、手前側係止部422と支持先端部451の係止を解除させる。ここで、支え面455aが装着状態J2の載置面42aも下方に位置しているので、支え面455aを支えとしたときに、載置本体部42の奥側の端部を下方から上方に持ち上げやすい。また、ラック43を下方から持ち上げることで載置支持部41からラック43を取り外すことができる。
【0049】
次に、
図7乃至
図9を参照して、水栓5、水栓載置部6及び手摺部7について説明する。水栓5、水栓載置部6及び手摺部7は、奥壁面123から手前側に突出するように設けられている。本実施形態で、水栓5は、壁面12に直接取り付けられており、水栓載置部6及び手摺部7は、壁面12に取り付けられた支持具8を介して壁面12に取り付けられている。
【0050】
図7及び
図8に示すように、水栓5は、壁面12に取り付けられる水栓本体51と、水栓操作部52と、吐出口53とシャワー部54と、を備える(
図1参照)。水栓本体51は、箱型であり、奥側の面が壁面12に取り付けられる水栓取付面51aとして構成されている。また、水栓5は、湯及び水を吐出可能であり、吐出する湯水の温度及び吐出量を調整可能な混合水栓である。即ち、水栓本体51は、内部に湯又は水の吐出量を調整するための機構(例えば、コマやサーモスタッドカートリッジなど)を備える。本実施形態の水栓5は、上面が、奥側が手前側よりも下方に位置するように傾斜している。
【0051】
水栓操作部52は、吐出する湯水の温度及び吐出量を調整するための操作をするための部分である。本実施形態の水栓操作部52は、水栓本体51の上面から上方に突出して設けられた複数のハンドル又は押しボタンである。具体的に、水栓操作部52は、吐出する湯水の温度を調整するための温調ハンドル521と、吐出量及び吐出経路を切り替えるための量調節操作部522と、を備える。量調節操作部522は、吐出量及び吐出経路(シャワー部54と吐出口53のどちらから湯水の吐出をするか)を切り替えるための調節ハンドルと、シャワー部54及び吐出口53のそれぞれについて湯水を吐出する状態と吐出しない状態を切り替えるための押しボタンと、を備える。
【0052】
図1に示すように、吐出口53は、水栓本体51に形成された、湯又は水を吐出可能な開口である。本実施形態の吐出口53は、水栓操作部52の下面に形成された開口である。また、本実施形態で吐出口53にはパイプ等が連結されておらず、吐出口53から吐出された湯又は水は、重力に従って落下する。なお、吐出口53にパイプが連結され、パイプの吐出口53と反対側の端部から湯又は水が吐出される構成とすることもできる。
【0053】
図1に示すように、シャワー部54は、シャワーヘッド541と、シャワーヘッド541及び水栓本体51を連結するシャワーホース542と、を備え、シャワーヘッド541から湯又は水を吐出可能である。具体的に、シャワー部54は、湯又は水が水栓本体51からシャワーホース542を介してシャワーヘッド541まで移動可能であり、移動し湯又は水がシャワーヘッド541から吐出される。
【0054】
図7乃至
図9に示すように、支持具8は、壁面12に取り付け可能なブラケットである。支持具8は、水栓載置部6及び手摺部7を両方支持する第一支持具8Aと、水栓載置部6のみを支持する第二支持具8Bと、を備える。また、支持具8は、左右方向に離間して複数配置されており、具体的には、水栓本体51と左右方向で並んで配置されている。本実施形態の支持具8は、水栓本体51の右側及び左側にそれぞれ複数ずつ配置されている。
【0055】
図9に示すように、第一支持具8Aは、水栓載置部6を支持する水栓載置支持部81と、手摺部7を支持する手摺支持部82と、第一支持具8Aを壁面12に固定するための固定面83と、を備える。固定面83は、上下方向に延びる平坦な面であり、固定面83を壁面12(奥壁面123)に当接させて、固定手段(例えばねじや接着剤など)を用いて第一支持具8Aを壁面12に取り付けることができる。
【0056】
水栓載置支持部81は、水栓載置部6を下方から支持する部位である。具体的に、水栓載置支持部81は、水栓載置部6が左右方向に延びる軸周りで回動可能となるように水栓載置部6を支持する支持軸部811と、支持軸部811よりも奥側に配置されるとともに、上方に突出する支持突起部812と、後述するパイプ部63を支持するパイプ支持部813を備える。
【0057】
支持軸部811は、手前側が上方に位置するように斜め上方に突出した部分であり、奥行方向で一定の幅を有する。また、支持軸部811は、後述する水栓載置板部61が水平方向に対して寝た倒伏位置(
図7乃至
図9に示す状態)と、倒伏位置から立ち上がった、起立位置(図示しない)の両方で、水栓載置部6に対して係止可能に構成されている。支持軸部811は、水栓載置板部61が左右方向に延びる軸周りで回動する際に軸心となる部位である。
【0058】
支持突起部812は、水栓載置支持部81の上面に形成された突起であり、倒伏位置の水栓載置板部61の奥側の端部に下方から当接可能に構成されている。また、支持突起部812は、水栓載置部6の下面が当接可能な平坦な上面を有する。
【0059】
図8に破線で示すように、パイプ支持部813は、水栓載置支持部81に形成され、パイプ部63の外面に接してパイプ部63を支持可能な部位である。本実施形態のパイプ支持部813は、水栓載置支持部81の右側面及び左側面に形成されたくぼみ部分であり、パイプ部63の端部が嵌合可能に形成されている。なお、このような構成に限らず、パイプ支持部813は、水栓載置支持部81を左右方向に貫通する孔として構成することもできる。
【0060】
手摺支持部82は、水栓載置支持部81よりも手前側まで延出し、先端部(手前側の端部)に手摺部7が連結される部位である。本実施形態の手摺支持部82は、水栓載置支持部81よりも手前側の部分が、上向きに湾曲しており、先端部が水栓載置支持部81の上端よりも上方に位置するように構成されている。
【0061】
第二支持具8Bは、手摺支持体を備えない点を除いて第一支持具8Aと同様の構成である。具体的に、第二支持具8Bは、水栓載置部6を支持する水栓載置支持部81と、第二支持具8Bを壁面12に固定するための固定面83と、を備える。第二支持具8Bの水栓載置支持部81は、水栓載置部6が左右方向に延びる軸周りで回動可能となるように水栓載置部6を支持する支持軸部811と、支持軸部811よりも奥側に配置されるとともに、上方に突出する支持突起部812と、後述するパイプ部63を支持するパイプ支持部813を備える。
【0062】
水栓載置部6は、上面が水栓載置面6aとして構成されるとともに、水栓載置支持部81に係合可能に構成されている。本実施形態の水栓載置部6は、左右方向及び奥行方向に延びる板状体であり、上面が平坦な水栓載置面6aとして構成されている。本実施形態の水栓載置部6は、左右方向長さが、支持具8同士の左右方向における離間距離よりも長い。具体的に、水栓載置部6は、板状で上面が物品を載置可能な水栓載置面6aとして構成された水栓載置板部61と、水栓載置板部61の手前側の端部に形成された載置軸部62と、パイプ部63と、を備える。水栓載置板部61は、上面及び下面が平坦な板状体である。
【0063】
載置軸部62は、支持軸部811が嵌合可能な、下面から上方に凹となるくぼみ部分である。具体的に、載置軸部62は、水栓載置板部61が倒伏位置及び起立位置のときに支持軸部811に対して係止可能であり、水栓載置板部61が倒伏位置から起立位置まで回動する際には、載置軸部62に対して係止しないように構成されている。
【0064】
このような水栓載置部6は、水栓載置板部61が支持軸部811周りで回動して倒伏位置と起立位置を切り替え可能である。水栓載置板部61が倒伏位置の場合において載置軸部62が支持軸部811に係止するとともに、水栓載置板部61の下面が支持突起部812に当接することで、倒伏位置を維持可能である。また、水栓載置板部61が起立位置の場合において、載置軸部62が支持軸部811に係止することで、起立位置を維持可能である。本実施形態の水栓載置板部61は、倒伏位置において、奥側が手前側よりも下方に位置するように水栓載置面6aが傾斜するように構成されている。
【0065】
図8に破線で示すように、パイプ部63は、左右方向に延びる柱状体であり、本実施形態では円柱である。パイプ部63は、倒伏位置の水栓載置板部61の下面よりも下方に配置されている。このようなパイプ部63は、水栓載置板部61が倒伏位置のときには、上方が水栓載置板部61に覆われた状態となり、水栓載置板部61が起立位置のときには、上方が露出した(水栓載置板部61に覆われない)状態となる。また、パイプ部63の上面には物品を載置可能である。本実施形態で、パイプ部63は、左右方向の両端がパイプ支持部813に嵌合して、固定されている。
【0066】
このような水栓載置部6は、水栓本体51と左右方向で並んで配置されている。具体的に、水栓載置部6は、水栓本体51の右側及び左側に配置されている。水栓載置部6は、倒伏位置の水栓5板部と水栓本体51が左右方向で連続するように配置されている。また、水栓載置部6は、倒伏位置における水栓載置面6aが、水栓本体51の上面よりも下方に位置するように配置される。つまり、倒伏位置の水栓載置板部61は、水栓載置面6aと水栓本体51の間に形成される段を介して水栓本体51と隣り合うように配置されている。
【0067】
手摺部7は、左右方向に延びる柱状体である。手摺部7は、支持具8を介して壁面12に取り付けられており、水栓本体51及び水栓載置部6に対して、手前側に離間して配置されている。具体的に、手摺部7は、手摺支持部82の先端部に連結されている。また、手摺部7は、左右方向において、水栓本体51の左端よりも左側から水栓本体51の右端よりも右側まで延びるように配置されており、本実施形態では、左側に配置された水栓載置部6の左端から右側に配置された水栓載置部6の右端まで延びる。さらに、手摺部7は、上端面が水栓本体51の上面よりも上方に位置し、下端面が水栓本体51の上面よりも下方に位置するように配置されている。また、手摺部7は、上端面が水栓載置面6aよりも上方に位置し、下端面が水栓載置面6aよりも下方に位置するように配置されている。
【0068】
次に、水栓5及び水栓載置部6と、載置台4と、浴槽2と、の位置関係について
図1及び
図2を参照して説明する。
【0069】
図1及び
図2に示すように、載置台4は、水栓5及び水栓載置部6の下方に配置される。上下方向における水栓5及び水栓載置部6と載置台4との距離は、載置面42aに物品としての洗面器を置いた際に、該洗面器が水栓5及び水栓載置部6と干渉しない程度に離れており、具体的には、200mm以上、好ましくは250mm以上離れている。具体的に、載置本体部42は、載置面42aが吐出口53の直下に位置するように配置されており、吐出口53から吐出された湯又は水が載置面42aに当たるように構成されている。また、ラック43は、奥行方向で吐出口53よりも奥側に配置されている。
【0070】
また、
図1に示すように、載置面42aは、浴槽2の左側に位置する長手壁部22L(洗い場3と入浴空間2aを仕切る槽側壁部22)の上面(フランジ部222)よりも上方に配置されている。具体的に、載置面42aは、浴槽2のフランジ部222の上面に対して距離L1だけ上下方向で離間している。さらに、載置本体部42は、右端(左右方向で浴槽2側の端)がフランジ部222の上面の左端(左右方向で洗い場3側の端)よりも左側に位置している。具体的に、載置本体部42は、浴槽2のフランジ部222の上面に対して、距離L2だけ左右方向で離間している。本実施形態で上下方向の離間距離L1は、左右方向の離間距離L2の3倍未満である。
【0071】
図2に示すように、載置面42aの奥側の端部と奥壁面123の奥行方向における離間距離L3は、奥行方向における奥壁面123から入浴空間2aまでの距離L4よりも短い。また、載置面42aの手前側の端部と奥壁面123の奥行方向における離間距離L5は、奥行方向における奥壁面123から入浴空間2aまでの距離L4よりも長い。
【0072】
以上のような構成の浴室1の使用方法について説明する。
【0073】
図1に示すように、水栓載置部6には、洗い場3で使用する物品を載置可能である。具体的に、水栓載置部6には、物品としてシャンプーやボディソープ等が入ったボトルや、石鹸を収容した容器が載置される。また、ラック43にも物品が載置される。本実施形態でラック43に載置される物品は、洗い場3で身体を洗うために使用するボトルなどの容器である。例えば、ラック43には、水栓載置部6に載置された物品のうち、使用する物品が一時的に載置される。ここで、ラック43の手前側には載置本体部42が位置し、奥側には奥壁面123が位置するので、ラック43に載置された物品が奥行方向に移動することを抑制できる。また、ラック43は載置本体部42よりも奥側に配置されるので、載置本体部42を使用する際に、ラック43に配置された物品が邪魔になることを抑制できる。
【0074】
載置本体部42には、洗面器(図示しない)が配置される。洗面器は、湯又は水を受けることができる桶である。洗面器は、水栓本体51のうち吐出口53の下の部分に配置され、吐出口53から吐出された湯又は水を受ける。即ち、載置本体部42に載置される物品には、洗面器が含まれる。また、載置本体部42には、身体を洗うために必要な物品が一時的に載置される。
【0075】
ここで、載置面42aは、フランジ部222よりも上方に位置しているので、載置本体部42を使用する際、例えば、載置本体部42に載置した洗面器を用いて洗面等する場合など、載置本体部42に載置した物品を使用する場合に、姿勢を低くする必要がない。よって、載置台4が使用しやすくなる。例えば、洗い場3に配置された椅子に腰かけた場合のような座った姿勢と、立った姿勢の両方で載置台4が使用しやすくなる。さらに、本実施形態では、ラック43の上面がフランジ部222よりも上方に位置しているので、ラック43に載置された物品を使用する場合においても、立った姿勢と座った姿勢の両方で使用しやすい。よって、立った姿勢と座った姿勢のどちらで使用する場合においても、ラック43に物品を載置して使用できるので、載置面42aを広く使うことができる。
【0076】
また、吐出口53から吐出された湯又は水や、洗面器からあふれた湯又は水などが載置面42aにかかることがある。載置面42aにかかった湯又は水は、載置面42aの傾斜に従って奥側に流れる。よって、載置面42aにかかった水が入浴空間2aに流れることを抑制できる。また、載置面42aと奥壁面123が離間して配置されているので、奥側に流れた湯又は水が奥壁面123に付着することを抑制でき、奥壁面123に水垢や汚れが付着することを抑制できる。一方で、例えば勢いよく奥側に湯又は水が流れた場合には、湯又は水が奥壁面123を伝って下方に流れることができるので、水分が床面11ではね、浴槽2内に入ることを抑制できる。また、載置面42aにかかった湯又は水が、左右方向で浴槽2側(右側)に流れたとしても、載置台4とフランジ部222が左右方向で距離L2分だけ離れているので、水分が入浴空間2aに入ることを抑制できる。特に、本実施形態では、載置台4とフランジ部222の左右方向における離間距離L2が、載置面42aとフランジ部222の上面の上下方向における離間距離L1の1/3以上の長さであるので、載置面42aにかかった湯又は水が、入浴空間2aに入ることを抑制できる。
【0077】
以上のような構成の浴室1によれば、載置面42aが槽側壁部22の上面よりも上方に設けられるので、載置台4の位置を高くでき、使用者が載置台4を使用する際に姿勢を低くすることを抑制できる。よって、載置台4を使用しやすい。
【0078】
また、載置本体部42よりも壁面12側に物品を載置可能であるので、載置台4を使用しやすい。
【0079】
さらに、ラック43に載置された物品の壁面12と反対側かつ上方に載置本体部42が位置しているので、物品が壁面12と反対側に移動したり倒れたりすることを抑制できる。
【0080】
また、載置台4は奥側が手前側よりも下方に位置するように傾斜しているので、載置台4にかかった湯又は水が壁面12に向かって流れる。よって、載置台4の位置を高くしたとしても、載置台4にかかった湯又は水が入浴空間2aに入りにくい。
【0081】
さらに、ラック本体431には、上下方向に貫通する空間(本実施形態では、一対のラック棒部433の間に形成される隙間)が形成されるので、載置面42aから奥側に流れた水分がラック43に溜まることを抑制できる。
【0082】
また、水栓5の手前側に手摺部7が配置されているので、水栓操作部52を操作する際や、浴室内で移動する際に、手摺部7を支えとすることができる。よって、水栓操作部52を操作しやすい。また、本実施形態の手摺部7は、水栓本体51よりも右側(浴槽2に近い側)まで延びるので、入浴者が浴槽2に移動する際の支えとすることができる。よって、使用者が浴室内で転倒などすることを抑制できるので、浴室を安全に使用することができる。
【0083】
さらに、水栓載置部6が水栓本体51と左右方向で並んで配置されているので、水栓本体51の横に物品を載置できるようになる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0085】
例えば、載置台4の高さは図示した高さに限定されず、載置面42aが槽側壁部22の上面よりも上側に配置される種々の構成を採用できる。
【0086】
また、水栓5は、水栓本体51の上面に水栓操作部52が配置され、水栓本体51から下方に湯又は水を吐出可能である場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、水栓操作部52が水栓本体51の側方に配置される構成とすることや。水栓本体51の上面や側面に吐出口53を備え、水栓本体51の上面や側面に連結されたパイプを介して湯又は水を吐出する構成とすることもできる。このような構成であっても、載置面42aに載置された洗面器等に湯又は水を吐出できる。
【0087】
さらに、水栓載置部6が水栓5と左右方向で並んで配置される場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、水栓載置部6を備えない構成とすることや、水栓載置部6が水栓5の右側及び左側のいずれか一方にのみ設けられる構成とすることもできる。水栓載置部6の具体的な構成についても、上記実施形態における構成に限定されず、上面に物品を載置可能な種々の構成を採用できる。
【0088】
また、載置台4は、載置支持部41を備え、載置支持部41によって載置本体部42及びラック43が支持される場合について説明したが、このような構成に限らず、載置本体部42及びラック43が壁面12に直接取り付けられる構成とし、載置支持部41を備えない構成とすることもできる。また、載置支持部41を備える場合であっても、載置支持部41が載置本体部42及びラック43のいずれか一方のみを支持する構成とすることもできる。
【0089】
さらに、
図10及び
図11に示すように、載置台4がラック43を備えない構成とすることもできる。具体的には、載置支持部41がラック支持部46を備えない構成とし、奥行方向におけるラック支持部46の長さだけ本体支持部45を奥壁面123に近づけた構成とすることもできる。このような構成において、支え面455aの奥側の端部は奥壁面123に当接した状態となる。このような構成によれば、載置本体部42を奥壁面123に近づけることができるので、載置面42aから奥側に流れた湯又は水が確実に奥壁面123を伝って床面11まで流れるようにできる。
【0090】
また、載置本体部42は、板状の載置板部421を備え、載置板部421の上面が載置面42aとして構成される場合について説明したが、このような構成に限らず、上面に物品を載置可能な載置面42aが構成される種々の構成を採用できる。例えば、載置本体部42を複数の棒状体を例えば簀子状に形成して構成することもできる。このような構成の場合、複数の棒状体の上端によって形成される仮想的な面が載置面42aとなる。
【0091】
さらに、載置本体部42及びラック43は、載置支持部41に対して着脱可能である場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、載置支持部41と一体として構成するなどして、載置支持部41に対して着脱不能に構成することもできる。
【0092】
また、ラック43は、複数の棒(ラック棒部433)によって物品を支持可能である場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、ラック43を板状体で構成し、該板状体の上面で物品を支持する構成とすることもできる。
【0093】
さらに、載置台4、水栓5、水栓載置部6、及び手摺部7は、短手壁部22Sが面している壁面12に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、長手壁部22Lと沿って延びる壁面12に設けられる構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0094】
1…浴室、11…床面、12…壁面、121…左壁面、122…右壁面、123…奥壁面、124…手前壁面、2…浴槽、2a…入浴空間、21…槽底部、22…槽側壁部、22L…長手壁部、22S…短手壁部、221…立ち上がり部、222…フランジ部、223…エプロン部、23…噴出部、3…洗い場、31…鏡、32…排水溝、4…載置台、41…載置支持部、42…載置本体部、42a…載置面、421…載置板部、422…手前側係止部、422a…手前係止空間、423…奥側係止部、424…奥側係止面、425…手前側係止面、426…第一凹部、427…第二凹部、428…係止突起、43…ラック、431…ラック本体、432…ラック係止部、433…ラック棒部、44…壁面取付部、44a…取付面、44b…奥側上面、45…本体支持部、45a…嵌合空間、451…支持先端部、452…支持嵌合部、453…当接突起部、454…手前嵌合壁、455…奥側嵌合壁、455a…支え面、456…嵌合下面部、457…嵌合突起、46…ラック支持部、46a…ラック支持空間、461…ラック支持底面、462…ラック支持手前面、463…ラック支持奥面、5…水栓、51…水栓本体、51a…水栓取付面、52…水栓操作部、521…温調ハンドル、522…量調節操作部、53…吐出口、54…シャワー部、541…シャワーヘッド、542…シャワーホース、6…水栓載置部、6a…水栓載置面、61…水栓載置板部、62…載置軸部、63…パイプ部、7…手摺部、8…支持具、8A…第一支持具、8B…第二支持具、81…水栓載置支持部、811…支持軸部、812…支持突起部、813…パイプ支持部、82…手摺支持部、83…固定面、J1…仮装着状態、J2…装着状態